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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075373
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】選定装置、選定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220511BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220511BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
B64C39/02
B64C13/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186117
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519265251
【氏名又は名称】株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗 秀哉
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 研太
(72)【発明者】
【氏名】松本 存史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無人機を用いた点検作業のスケジュールの決定を補助する選定装置、選定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】選定装置の制御部10は、点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報とを取得する点検関連情報取得部110と、点検関連情報取得部110が取得した情報に基づき、登録済みパイロットの中から点検日時情報が示す日時に点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定部120と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報とを取得する点検関連情報取得部と、
前記点検関連情報取得部が取得した情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定部と、
を備える選定装置。
【請求項2】
前記点検関連情報取得部は、さらに登録済みパイロットが操作する無人機の性能を示す無人機性能情報を取得し、
前記選定部は、さらに前記無人機性能情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する、
請求項1に記載の選定装置。
【請求項3】
前記点検関連情報取得部は、さらに天気の情報である天気情報を取得し、
前記選定部は、さらに前記天気情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する、
請求項1又は2に記載の選定装置。
【請求項4】
前記選定部は、前記登録済みパイロット位置情報の示す位置が前記点検対象位置情報の示す位置に近い順に所定の数までの登録済みパイロットを前記候補に選定する、
請求項1に記載の選定装置。
【請求項5】
点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報とを取得する点検関連情報取得ステップと、
前記点検関連情報取得ステップにおいて取得された情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定ステップと、
を有する選定方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の選定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選定装置、選定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドローン等の無人機を用いて鉄塔や橋梁等のインフラ設備を点検する技術があり、その技術を用いて点検作業を代行する業者が存在する。インフラ設備は様々な場所に配置されており、点検作業を代行する業者はそれぞれのインフラ設備へ、無人機と無人機を操縦するパイロットを派遣し、点検を実施している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”ドローンによる点検サービスでインフラの未来を支えるベンチャー企業”、[online]、日本電信電話株式会社、[令和2年11月2日検索]、インターネット〈URL:https://journal.ntt.co.jp/article/1077>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような点検作業を代行する業者は、予めスケジュールを組んで計画的に業務を遂行する。しかしながら、決定したスケジュールを顧客の要望や天候等の不測の事態に応じて組み直さなければならない場合がある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、無人機を用いた点検作業のスケジュールの決定を補助する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報とを取得する点検関連情報取得部と、前記点検関連情報取得部が取得した情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定部と、を備える選定装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の選定装置であって、前記点検関連情報取得部は、さらに登録済みパイロットが操作する無人機の性能を示す無人機性能情報を取得し、前記選定部は、さらに前記無人機性能情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の選定装置であって、前記点検関連情報取得部は、さらに天気の情報である天気情報を取得し、前記選定部は、さらに前記天気情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の選定装置であって、前記登録済みパイロット位置情報の示す位置が前記点検対象位置情報の示す位置に近い順に所定の数までの登録済みパイロットを前記候補に選定する。
【0010】
本発明の一態様は、点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報とを取得する点検関連情報取得ステップと、前記点検関連情報取得ステップにおいて取得された情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定ステップと、を有する選定方法である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の選定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、無人機を用いた点検作業のスケジュールの決定を補助する技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の選定装置1のハードウェア構成の一例を示す図。
図2】実施形態における制御部10の機能構成の一例を示す図。
図3】実施形態における選定装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4】変形例における選定システム100のシステム構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
図1は、実施形態の選定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。選定装置1は、ドローン等の無人機を用いて点検対象を点検するパイロットを選定する。選定装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部10を備え、プログラムを実行する。選定装置1は、プログラムの実行によって制御部10、入力部11、通信部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。
【0015】
より具体的には、選定装置1は、プロセッサ91が記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、選定装置1は、制御部10、入力部11、通信部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。
【0016】
制御部10は、選定装置1が備える各種機能部の動作を制御する。制御部10は、例えば点検対象を点検するパイロット(以下「点検パイロット」という。)の候補を選定する。制御部10は、例えばプログラムの実行により得られた選定結果を記憶部13に記録する。制御部10は、例えば出力部14の動作を制御してプログラムの実行により得られた選定結果を出力部14に出力させる。
【0017】
入力部11は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部11は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースを含んで構成されてもよい。入力部11は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。例えば入力部11には、選定装置1の動作の開始を指示する情報が入力される。例えば入力部11には、点検対象に関する情報(以下「点検対象関連情報」という。)が入力される。
【0018】
点検対象関連情報は、少なくとも点検対象の位置を示す情報(以下「点検対象位置情報」という。)を含む情報である。点検日時情報が示す日時であって点検が実施される日時は、例えば点検対象の所有者が点検の実施を希望する日時である。
【0019】
入力部11には、例えば点検が実施される日時を示す情報(以下「点検日時情報」という。)が入力される。点検日時情報は、必ずしも入力部11に入力される必要はなく、外部装置から通信部12に入力されてもよいし、予め記憶部13が記憶済みであってもよい。
【0020】
通信部12は、自装置を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部12は、有線又は無線を介して接続先の外部装置と通信する。外部装置は、例えば登録済みパイロットの操作するパソコンやスマートフォン等の登録済みパイロットの操作する端末(以下「パイロット端末」という。)である。登録済みパイロットは点検のために無人機を操作可能なパイロットとして記憶部13に予め記憶済みのパイロットである。登録済みの情報とは、記憶部13に記憶済みの情報を意味する。このような場合、通信部12は、例えば登録済みパイロットがパイロット端末に入力した情報を受信する。
【0021】
登録済みパイロットがパイロット端末に入力する情報は、登録済みパイロットに関する情報であればどのような情報であってもよい。登録済みパイロットがパイロット端末に入力する情報は、例えば登録済みパイロット自身の位置を示す情報である。以下、登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報を登録済みパイロット位置情報という。
【0022】
なお、登録済みパイロット位置情報は、必ずしも通信部12を介して入力される必要は無く、入力部11に入力されてもよい。また、登録済みパイロット位置情報は必ずしも入力部11又は通信部12に入力される必要は無く予め記憶部13に記憶されていてもよい。また、点検対象関連情報及び点検日時情報は、必ずしも入力部11に入力される必要は無く、外部装置から通信部12に入力されてもよい。
【0023】
以下説明の簡単のため、点検対象関連情報と、点検日時情報と、登録済みパイロット位置情報とが入力部11又は通信部12に入力される場合を例に選定装置1を説明する。
【0024】
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部13は選定装置1に関する各種情報を記憶する。
【0025】
出力部14は、各種情報を出力する。出力部14は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部14は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部14は、例えば入力部11に入力された情報を出力する。出力部14は、例えばスピーカー等の音の出力装置を含んで構成されてもよい。出力部14は、これらの音の出力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。
【0026】
図2は、実施形態における制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、点検関連情報取得部110、選定部120、記録部130及び出力制御部140を備える。
【0027】
点検関連情報取得部110は、少なくとも点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報を含む複数の点検関連情報を取得する。すなわち、点検関連情報取得部110は、点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報を取得するだけでなく、他の点検関連情報を取得してもよい。なお、点検関連情報は、点検に関わる情報である。そのため、点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報はそれぞれ点検関連情報の一例である。
【0028】
点検関連情報取得部110は、入力部11又は通信部12を介して点検関連情報を取得する。点検関連情報取得部110は、点検対象関連情報が記憶部13に記憶済みの場合には、記憶部13に記憶された点検対象関連情報を記憶部13から読み出す。
【0029】
以下、点検関連情報取得部110が少なくとも点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報を含む複数の点検関連情報を取得する処理を、点検関連情報取得処理という。
【0030】
選定部120は、点検関連情報取得部110が取得した点検関連情報に基づき、登録済みパイロットの中から点検パイロット候補を選定する。点検パイロット候補は、点検日時情報が示す日時に点検対象の点検を行う点検パイロットの候補である。より具体的には、選定部120は、少なくとも点検対象位置情報及び登録済みパイロット位置情報に基づき、点検パイロット候補を選定する。以下説明の簡単のため、点検対象関連情報が点検対象位置情報のみを含む場合を例に選定装置1を説明する。
【0031】
選定部120は、例えば登録済みパイロット位置情報の示す位置が点検対象位置情報の示す位置に最も近い登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定する。選定部120は、例えば登録済みパイロット位置情報の示す位置が点検対象位置情報の示す位置に近い順に所定の数までの登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定する。
【0032】
選定部120は、必ずしも点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報だけに基づいて点検パイロット候補を選定する必要は無い。選定部120は、点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報にくわえて、さらに他の点検関連情報にも基づいて点検パイロット候補を選定してもよい。他の点検関連情報にも基づいて点検パイロット候補を選定する場合の選定部120の処理の例については変形例にて説明する。以下、選定部120が点検関連情報に基づき点検パイロット候補を選定する処理を、選定処理という。
【0033】
記録部130は、制御部10の処理によって生じた各種情報を記憶部13に記録する。記録部130は、例えば点検パイロット候補を示す情報を記憶部13に記録する。
【0034】
出力制御部140は、出力部14の動作を制御する。出力制御部140は、出力部14の動作を制御して、例えば点検パイロット候補を示す情報を表示等の方法により出力させる。
【0035】
図3は、実施形態における選定装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
点検関連情報取得部110が、少なくとも点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報を含む複数の点検関連情報を取得する(ステップS101)。次に選定部120がステップS101で取得された点検関連情報に基づき、点検パイロット候補を選定する(ステップS102)。次に、出力制御部140が出力部14の動作を制御して、選定結果の点検パイロット候補を示す情報を出力部14に出力させる(ステップS103)。
【0036】
このように構成された実施形態の選定装置1は、少なくとも点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報を含む複数の点検関連情報に基づき点検パイロット候補を選定する。そのため、選定装置1は、無人機を用いた点検作業のスケジュールの決定を補助することができる。
【0037】
(変形例)
なお、選定部120により選定される点検パイロット候補の数は1でなくてもよく複数であってもよい。そのため、選定装置1は、N人の点検パイロット候補を選定する装置である(Nは点検パイロット候補の数であって、1以上の整数である)。なお、点検日時情報が示す日時は1つでなくてもよく複数であってもよい。
【0038】
上述したように選定部120は、点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報だけに基づいて点検パイロット候補を選定する必要は無い。選定部120は、さらに他の点検関連情報も用いて点検パイロット候補を選定してもよい。このような場合、点検パイロット候補は、例えば選定指標を用いて選定される。選定指標は、点検関連情報それぞれの内容の組合せに応じて値が定まる予め定められた指標である。選定指標の値は、例えば点検関連情報の各内容を表す数値を独立変数とする所定の関数の値である。
【0039】
なお、選定指標の値が同一の登録済みパイロットが複数存在した場合であってN=1の場合、選定部120は、次段選定処理を実行する。次段選定処理は、重要度順位の高い方から所定の数までの点検関連情報のみを用いて、選定指標の値が同一の登録済みパイロットに対して改めて選定処理を実行する。重要度順位は、各点検関連情報の重要度に対して予め定められた順位である。この処理を繰り返すことで選定部120は、選定指標の値が同一の登録済みパイロットから、1人の点検パイロット候補を選定する。
【0040】
なお、N=1の場合を例に選定指標の値が同一の登録済みパイロットが複数存在した場合における選定部120の処理の一例を説明したが、選定指標の値が同一の登録済みパイロットの数がNよりも大きい場合についても同様である。
【0041】
なお、全ての点検関連情報が同一の内容である登録済みパイロットの数が、Nより大きい場合には乱数発生器を用いてN人の点検パイロット候補を決定してもよい。
【0042】
点検対象関連情報は、例えば点検対象の大きさを示す情報(以下「点検対象大きさ情報」という。)であってもよい。点検対象大きさ情報は、例えば点検対象の全長を示してもよい。点検対象大きさ情報は、例えば点検対象の小ささを示してもよい。点検対象関連情報は、例えば、点検の対象となる部位が満たす条件を示す情報を含んでもよい。点検の対象となる部位が満たす条件は、例えば点検対象が錆付いた部位であるという情報である。点検対象関連情報は、例えば点検対象の種類を示す情報(以下「点検対象種類情報」という。)を含んでもよい。点検対象種類情報は、例えば点検対象が橋であることを示してもよいし、例えば点検対象が鉄塔であることを示してもよい。
【0043】
点検関連情報取得部110が取得する点検関連情報の1つは、例えば各登録済みパイロットが操作する無人機の性能を示す情報(以下「無人機性能情報」という。)であってもよい。このような場合、選定部120は選定処理において点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報にくわえてさらに無人機性能情報を点検関連情報の1つとして用いてもよい。
【0044】
無人機性能情報が示す無人機の性能は、例えば最高速度である。無人機性能情報が示す無人機の性能は、例えば搭載しているカメラの解像度であってもよい。
【0045】
点検関連情報取得部110が取得する点検関連情報の1つに無人機性能情報が含まれる場合の選定部120の動作の一例を説明する。特に、第1説明条件及び第2説明条件が満たされる場合を例に選定部120の動作の一例を説明する。第1説明条件は、点検対象のサイズがどれだけ小さいかを示す情報(以下「点検対象大きさ情報」という。)のみを点検対象関連情報が含むという条件である。第2説明条件は、選定指標の値が同一の点検パイロット候補が複数存在するという条件である。
【0046】
第1説明条件及び第2説明条件が満たされる場合、選定部120は、点検対象大きさ情報に基づき、点検対象を所定の解像度以上の解像度で撮影可能なカメラを搭載する無人機の操縦者のパイロットを他のパイロットよりも優先して点検パイロット候補に選定する。
【0047】
点検関連情報取得部110が取得する点検関連情報の1つは、例えば天気の情報(以下「天気情報」という。)であってもよい。このような場合、選定部120は選定処理において点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報にくわえてさらに天気情報を点検関連情報の1つとして用いてもよい。
【0048】
天気情報は、例えば通信部12を介して気象庁等の天気に関する情報を提供する機関のコンピュータから取得される。選定部120は、例えば点検日時情報が複数の日時を示す場合であって点検日時情報が示す日時の1つにおいて点検対象の位置で嵐が起きることを天気情報が示す場合には、嵐が起きる日時以外の日にのみ点検パイロット候補を選定する。
【0049】
点検関連情報取得部110が取得する点検関連情報の1つは、例えば登録済みパイロットの経験年数を示す情報(以下「経験年数情報」という。)であってもよい。このような場合、選定部120は選定処理において点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報にくわえてさらに経験年数情報を点検関連情報の1つとして用いてもよい。
【0050】
選定部120は、登録済みパイロットの経験年数以外の他の点検関連情報の内容が同一である場合には経験年数情報に基づき、例えばより経験年数の少ない登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定する。このような選定をすることで、登録済みパイロットの集団の点検の技術を底上げすることができる。選定部120は、登録済みパイロットの経験年数以外の他の点検関連情報の内容が同一である場合には経験年数情報に基づき、例えばより経験年数の多い登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定してもよい。
【0051】
点検関連情報取得部110が取得する点検関連情報の1つは、例えば登録済みパイロットの実績を示す情報(以下「実績情報」という。)であってもよい。このような場合、選定部120は選定処理において点検対象関連情報、登録済みパイロット位置情報及び点検日時情報にくわえてさらに実績情報を点検関連情報の1つとして用いてもよい。
【0052】
選定部120は、実績情報以外の点検関連情報の内容が同じ場合には、例えば点検対象の種類に応じて、より実績の良い登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定する。例えば点検対象の種類が橋であれば、選定部120は、橋の点検についてより良い実績を有する登録済みパイロットを点検パイロット候補に選定する。
【0053】
なお、実績の良し悪しは、過去に登録済みパイロットが行った点検の結果に基づき、例えば所定の規則にしたがって選定部120によって判定される。例えば過去の点検において登録済みパイロットの撮影した画像が所定の基準を満たす画質であるか否かによって、選定部120は登録済みパイロットの実績の良し悪しを判定する。
【0054】
過去に登録済みパイロットが行った点検の結果は、例えば過去の点検において登録済みパイロットが撮影した画像を含んでもよい。過去に登録済みパイロットが行った点検の結果は、例えば過去の点検において登録済みパイロットが撮影した画像に基づいて生成された点検対象の3次元画像を含んでもよい。
【0055】
なお、実績情報の内容は、例えば過去に登録済みパイロットの1人又は複数に点検してもらった顧客に対して行ったアンケートであって登録済みパイロットごとに満足の度合を回答してもらったアンケートの結果を含んでもよい。
【0056】
なお、選定装置1は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて選定システム100として実装されてもよい。この場合、選定装置1が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、点検関連情報取得部110と選定部120とは異なる情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0057】
図4は、変形例における選定システム100のシステム構成の一例を示す図である。選定システム100は、ネットワークを介して接続された点検関連情報取得処理実行装置101及び選定処理実行装置102を備える。点検関連情報取得処理実行装置101は、点検関連情報取得部110を備え、点検関連情報取得処理を実行する。選定処理実行装置102は、選定部120を備え、選定処理を実行する。
【0058】
なお、選定装置1及び選定システム100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0059】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…選定装置、 10…制御部、 11…入力部、 12…通信部、 13…記憶部、 14…出力部、 110…点検関連情報取得部、 120…選定部、 130…記録部、 140…出力制御部、 91…プロセッサ、 92…メモリ、 100…選定システム、 101…点検関連情報取得処理実行装置、 102…選定処理実行装置
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報と、前記点検対象の大きさを示す情報、前記点検対象の部位が満たす条件を示す情報、又は、前記点検対象の種類を示す情報と、を取得する点検関連情報取得部と、
前記点検関連情報取得部が取得した情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定部と、
を備える選定装置。
【請求項2】
前記点検関連情報取得部は、さらに登録済みパイロットが操作する無人機の性能を示す無人機性能情報を取得し、
前記選定部は、さらに前記無人機性能情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する、
請求項1に記載の選定装置。
【請求項3】
前記点検関連情報取得部は、さらに天気の情報である天気情報を取得し、
前記選定部は、さらに前記天気情報にも基づいて前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する、
請求項1又は2に記載の選定装置。
【請求項4】
前記選定部は、前記登録済みパイロット位置情報の示す位置が前記点検対象位置情報の示す位置に近い順に所定の数までの登録済みパイロットを前記候補に選定する、
請求項1に記載の選定装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する選定方法であって、
点検対象の位置を示す情報である点検対象位置情報と、点検のために無人機を操作するパイロットとして予め登録済みのパイロットである登録済みパイロットそれぞれの位置を示す情報である登録済みパイロット位置情報と、点検が実施される日時を示す情報である点検日時情報と、前記点検対象の大きさを示す情報、前記点検対象の部位が満たす条件を示す情報、又は、前記点検対象の種類を示す情報と、を取得する点検関連情報取得ステップと、
前記点検関連情報取得ステップにおいて取得された情報に基づき、前記登録済みパイロットの中から前記点検日時情報が示す日時に前記点検対象の点検を行うパイロットの候補を選定する選定ステップと、
を有する選定方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の選定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。