(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075397
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20120101AFI20220511BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220511BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220511BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220511BHJP
【FI】
G06Q10/04
A63F13/35
G06F13/00 510A
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186157
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】本池 哲
【テーマコード(参考)】
5B084
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA07
5B084AA11
5B084AB06
5B084BA03
5B084BB12
5B084DA12
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC05
5L049AA04
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】ネットワーク遅延を抑制することができるとともにコストを抑制する。
【解決手段】情報処理システムが、ユーザ装置12と、複数の拠点の情報処理装置としての業務用ゲーム装置14との間の通信速度を測定する測定手段74と、測定手段74の測定結果に基づき、ユーザ装置12と通信接続する情報処理装置として複数の拠点の情報処理装置の中から一又は二以上の拠点の情報処理装置を選択し、選択した情報処理装置に通信接続するようユーザ装置12に指示する選択手段76と、を備え、ユーザ装置12と通信接続した情報処理装置は、当該ユーザ装置から受信したデータを推論モデルに入力し、当該推論モデルからの出力結果を当該ユーザ装置12に送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを取得するユーザ装置と通信可能なサーバ装置と、複数の拠点に設置された情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記ユーザ装置と、前記複数の拠点の情報処理装置との間の通信速度を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定結果に基づき、前記ユーザ装置と通信接続する情報処理装置として、前記複数の拠点の情報処理装置の中から一又は二以上の拠点の情報処理装置を選択し、選択した情報処理装置に通信接続するよう前記ユーザ装置に指示する選択手段と、
を備え、
前記ユーザ装置と通信接続した情報処理装置は、当該ユーザ装置から受信した前記データを推論モデルに入力し、当該推論モデルからの出力結果を当該ユーザ装置に送信する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記選択手段は、前記複数の拠点に設置された情報処理装置の稼働状況を取得し、取得した稼働状況と前記測定結果とに基づき、前記複数の拠点の情報処理装置の中から一又は二以上の拠点の情報処理装置を選択する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザ装置は、移動可能な移動装置であり、
前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、
前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、
前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、
前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力するか、又は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力するかを、前記ユーザ装置の制御内容に基づき、切り替える、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、地域毎に複数の拠点を紐づけて記憶する記憶手段を備え、
前記測定手段は、地域毎に、前記複数の拠点の中から一の拠点をそれぞれ抽出し、抽出した各拠点の情報処理装置と、前記ユーザ装置との間の通信速度を測定し、且つ、当該測定の測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点に紐づけられている地域を抽出し、抽出した地域に紐づけられている前記複数の拠点の情報処理装置と、前記ユーザ装置との間の通信速度を測定する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記選択手段により選択された情報処理装置は、前記ユーザ装置からの要求に応じて、街頭に設置されている検出機器から検出結果を取得し、当該検出結果に基づく解析結果を、当該ユーザ装置に出力する、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記選択手段により選択された後に、外部と通信することで、前記推論モデルを取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記ユーザ装置は、移動可能な移動装置であり、
前記測定手段は、前記通信速度を複数回測定し、
前記選択手段は、所定時間毎に、前記測定手段の最新の測定結果に基づき、前記二以上の拠点の情報処理装置を選択し、
前記サーバ装置は、前記複数回の測定結果に基づき、前記ユーザ装置との通信速度が閾値以上に速くなった情報処理装置を前記ユーザ装置と通信接続される候補として抽出し、当該ユーザ装置と通信接続が確立される前までに、抽出した情報処理装置に前記推論モデルを送信する抽出手段を備える、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、価値媒体が支払われた場合にゲームを実行するゲーム装置を含む、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
データを取得するユーザ装置と通信可能なコンピュータを、
前記ユーザ装置と、複数の拠点にあり、前記データに対して推論処理可能な情報処理装置との間の通信速度を測定する測定手段、
前記測定手段の測定結果に基づき、前記ユーザ装置と通信接続する情報処理装置として、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、選択した情報処理装置に通信接続するよう前記ユーザ装置に指示する選択手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サーバ装置(情報処理装置)が、ユーザ装置の要求に応じてゲーム処理等の所定の処理を実行し、その処理結果をユーザ装置に送信するという、所謂クラウドコンピューティング技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のクラウドコンピューティング技術では、ユーザ装置とサーバ装置とが通信ネットワークを介して接続されるため、ネットワーク遅延の問題が発生してしまう。また、クラウドコンピューティング技術を利用して、ユーザ装置から受信したデータを、推論モデル、特に学習済みモデルに入力して推論処理する場合、その推論処理ができる高性能なサーバ装置の設置コストや、電気代、メンテナンス人件費等の運用コストも発生してしまう。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラウドコンピューティング技術を利用する場合において、ネットワーク遅延を抑制することができるとともに、コストを抑制することができる情報処理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る情報処理システムは、データを取得するユーザ装置と通信可能なサーバ装置と、複数の拠点に設置された情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、前記ユーザ装置と、前記複数の拠点の情報処理装置との間の通信速度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に基づき、前記ユーザ装置と通信接続する情報処理装置として、前記複数の拠点の情報処理装置の中から一又は二以上の拠点の情報処理装置を選択し、選択した情報処理装置に通信接続するよう前記ユーザ装置に指示する選択手段と、を備え、前記ユーザ装置と通信接続した情報処理装置は、当該ユーザ装置から受信した前記データを推論モデルに入力し、当該推論モデルからの出力結果を当該ユーザ装置に送信する。
【0007】
また、本発明の第二態様に係る情報処理システムでは、前記選択手段は、前記複数の拠点に設置された情報処理装置の稼働状況を取得し、取得した稼働状況と前記測定結果とに基づき、前記複数の拠点の情報処理装置の中から一又は二以上の拠点の情報処理装置を選択する。
【0008】
また、本発明の第三態様に係る情報処理システムでは、前記ユーザ装置は、移動可能な移動装置であり、前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力する。
【0009】
また、本発明の第四態様に係る情報処理システムでは、前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力する。
【0010】
また、本発明の第五態様に係る情報処理システムでは、前記選択手段は、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、前記ユーザ装置は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力するか、又は、前記二以上の拠点の情報処理装置からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力するかを、ユーザ装置12の制御内容に基づき、切り替える。
【0011】
また、本発明の第六態様に係る情報処理システムでは、前記サーバ装置は、地域毎に複数の拠点を紐づけて記憶する記憶手段を備え、前記測定手段は、地域毎に、前記複数の拠点の中から一の拠点をそれぞれ抽出し、抽出した各拠点の情報処理装置と、前記ユーザ装置との間の通信速度を測定し、且つ、当該測定の測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点に紐づけられている地域を抽出し、抽出した地域に紐づけられている前記複数の拠点の情報処理装置と、前記ユーザ装置との間の通信速度を測定する。
【0012】
また、本発明の第七態様に係る情報処理システムでは、前記選択手段により選択された情報処理装置は、前記ユーザ装置からの要求に応じて、街頭に設置されている検出機器から検出結果を取得し、当該検出結果に基づく解析結果を、当該ユーザ装置に出力する。
【0013】
また、本発明の第八態様に係る情報処理システムでは、前記情報処理装置は、前記選択手段により選択された後に、外部と通信することで、前記推論モデルを取得する。
【0014】
また、本発明の第九態様に係る情報処理システムでは、前記ユーザ装置は、移動可能な移動装置であり、前記測定手段は、前記通信速度を複数回測定し、前記選択手段は、所定時間毎に、前記測定手段の最新の測定結果に基づき、前記二以上の拠点の情報処理装置を選択し、前記サーバ装置は、前記複数回の測定結果に基づき、前記ユーザ装置との通信速度が閾値以上に速くなった情報処理装置を前記ユーザ装置と通信接続される候補として抽出し、当該ユーザ装置と通信接続が確立される前までに、抽出した情報処理装置に前記推論モデルを送信する抽出手段を備える。
【0015】
また、本発明の第十態様に係る情報処理システムでは、前記情報処理装置は、価値媒体が支払われた場合にゲームを実行するゲーム装置を含む。
【0016】
また、本発明の第十一態様に係るプログラムは、データを取得するユーザ装置と通信可能なコンピュータを、前記ユーザ装置と、複数の拠点にあり、前記データを推論処理可能な情報処理装置との間の通信速度を測定する測定手段、前記測定手段の測定結果に基づき、前記ユーザ装置と通信接続する情報処理装置として、前記複数の拠点の情報処理装置の中から二以上の拠点の情報処理装置を選択し、選択した情報処理装置に通信接続するよう前記ユーザ装置に指示する選択手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、クラウドコンピューティング技術を利用する場合において、ネットワーク遅延を抑制することができるとともに、コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第一実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図3】
図1に示すユーザ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す業務用ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】第一実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】第一実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】第二実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】第三実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第四実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第四実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<第一実施形態>
まず、第一実施形態について説明する。
【0021】
---全体構成---
図1は、第一実施形態に係る情報処理システム1Aの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、第一実施形態に係る情報処理システム1Aは、サーバ装置10と、ユーザ装置12と、情報処理装置として既存にある複数の業務用ゲーム装置14(業務用ゲーム装置14A、14B、14C・・・)と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
サーバ装置10は、ユーザ装置12と業務用ゲーム装置14とをマッチングする。具体的には、サーバ装置10は、ユーザ装置12が取得した画像データに対して推論処理させる対象として複数の業務用ゲーム装置14の中で一又は二以上の業務用ゲーム装置14を選択する。
【0024】
ユーザ装置12は、ユーザUが使用可能な装置であり、カメラ等で画像データを取得し業務用ゲーム装置14に送信する装置である。ユーザ装置12は、自ら移動不可能な固定装置や、移動可能な移動装置を含む。固定装置としては、例えば、工場の検査装置やロボット、病院の検査装置、医療装置、研究機関のコンピュータ等が挙げられる。移動装置としては、例えば、小型無人航空機(ドローン)を含む航空機や、自動運転車を含む車、電車、船等が挙げられる。
【0025】
業務用ゲーム装置14は、情報処理装置の一例であって、例えば日本の都道府県において複数の地域に存在する複数の拠点S(拠点Aや拠点B、拠点C等)に設置されている、所謂アーケードゲーム機である。また、一の拠点S内において、業務用ゲーム装置14は一つ又は複数設置されている。この業務用ゲーム装置14は、コインやポイント、現金、電子マネー、クレジットカード等の価値媒体が支払われたことを契機として、その業務用ゲーム装置14で直接ゲームをプレイするゲームを実行する。また、第一実施形態では、業務用ゲーム装置14は、ユーザ装置12と通信接続が確立されたことを契機として、ユーザ装置12から受信した画像データを、推論モデル、具体的には機械学習により定められた学習済みモデルに入力し、当該学習済みモデルからの出力結果を当該ユーザ装置12に送信する。なお、業務用ゲーム装置14は、情報処理装置の一例である場合を説明したが、情報処理装置は他にもサーバ装置等が挙げられる。例えば、情報処理装置がサーバ装置である場合、その拠点は、サーバセンターとなる。また、以下では、推論モデルが学習済みモデルである場合を説明するが、推論モデルが学習済みモデルでなく、通常のプログラムで構築されていてもよい。また、業務用ゲーム装置14は、ユーザ装置12から、画像データではなく、画像データをユーザ装置12が処理した特徴点データや、ユーザ装置12に設けられたセンサが検出した検出データを受信してもよい。この場合、業務用ゲーム装置14は、ユーザ装置12と通信接続が確立されたことを契機として、ユーザ装置12から受信した特徴点データや検出データを、機械学習により定められた学習済みモデルに入力し、当該学習済みモデルからの出力結果を当該ユーザ装置12に送信する。
【0026】
---ハードウェア構成---
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0027】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0029】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、ユーザ装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0031】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0032】
図3は、
図1に示すユーザ装置12のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、ユーザ装置12は、CPU32と、メモリ34と、入力装置36と、通信装置38と、カメラ40と、制御対象42と、を備える。
【0034】
CPU32は、例えば、制御パラメータに基づき制御対象42を制御する。
【0035】
メモリ34は、各種データや各種プログラムを記憶する。
【0036】
入力装置36は、ユーザの操作情報をユーザ装置12に入力する。
【0037】
通信装置38は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置38は、例えば、業務用ゲーム装置14との間で各種の情報を送受信する。
【0038】
カメラ40は、ユーザ装置12の周囲の被写体を撮影し、その画像データを取得する。
【0039】
制御対象42は、ユーザ装置12の種類に応じて設けられる。制御対象42としては、例えば、表示装置や音出力装置、プロペラやブレーキ機構等が挙げられる。
【0040】
図4は、
図1に示す業務用ゲーム装置14のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0041】
図4に示すように、業務用ゲーム装置14は、コインシューター50と、CPU52と、メモリ54と、表示装置56と、音出力装置58と、入力装置60と、通信装置62と、を備える。なお、業務用ゲーム装置14は、コインシューター50とともに又はコインシューター50の代わりに電子決済を行うことが可能な電子決済装置を備えていてもよい。
【0042】
コインシューター50は、ユーザによるコインの支払いを受け付ける。
【0043】
CPU52は、ゲームを実行する。
【0044】
メモリ54は、ゲームのゲームプログラムや学習済みモデルを含むAI(Artificial Intelligence)搭載アプリケーション(以下、「AI搭載アプリ」と称す。)を記憶する。なお、AI搭載アプリは、可搬型記憶媒体又は通信ネットワークNT等を介してメモリ54に記憶されてもよい。
【0045】
表示装置56は、ゲームのゲーム画面を表示する。
【0046】
音出力装置58は、ゲームのゲーム音を出力する。
【0047】
入力装置60は、ゲームプレイヤの操作情報を入力する。
【0048】
通信装置62は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置62は、例えば、ユーザ装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0049】
---機能的構成---
図5は、第一実施形態に係る情報処理システム1Aの機能的構成を示すブロック図である。
【0050】
図5に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段70と、認証手段72と、測定手段74と、選択手段76と、抽出手段78と、を備える。これらの機能的構成は、制御装置20がプログラムを実行することにより実現される。また、ユーザ装置12は、制御手段80と、画像取得手段82と、を備える。これらの機能的構成は、CPU32がプログラムを実行することにより実現される。また、業務用ゲーム装置14は、第一実行手段90と、第二実行手段92と、を備える。これらの機能的構成は、CPU52がプログラムを実行することにより実現される。なお、少なくとも測定手段74、選択手段76及び抽出手段78のうち何れか一つの機能的構成は、ユーザ装置12に設けられてもよい。
【0051】
記憶手段70は、例えば、拠点テーブル70Aと、ユーザ情報70Bと、AI搭載アプリ70Cと、を記憶する機能を有する。拠点テーブル70Aには、地域毎、例えば都道府県毎に、複数の拠点Sと、各拠点Sの業務用ゲーム装置14に通信接続するためのIP(Internet Protocol)アドレス等の接続情報と、業務用ゲーム装置14の稼働状況と、が紐づけて登録されている。なお、この稼働状況は、サーバ装置10が定期的に業務用ゲーム装置14に問い合わせることで取得され、最新の情報に更新される。ユーザ情報70Bは、例えば、ユーザIDやパスワード等の認証情報と、ユーザ名と、連絡先と、を含む。AI搭載アプリ70Cは、機械学習により定められた学習済みモデルを含み、当該学習済みモデルに画像データを入力して推論処理するものである。このAI搭載アプリ70Cは、ユーザ装置12の種類毎に設けられている。
【0052】
認証手段72は、ユーザ装置12からログイン要求を受信した場合に、当該ログイン要求に含まれる情報と、ユーザ情報70Bの認証情報とに基づき、認証処理を実行する機能を有する。
【0053】
測定手段74は、定期的に又はランダムに、ユーザ装置12と、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14との間の通信速度を複数回測定する機能を有する。具体的には、測定手段74は、地域毎に、複数の拠点Sの中から一の拠点をそれぞれ抽出し、抽出した各拠点Sの業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定し、且つ、当該測定の測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点Sに紐づけられている地域を抽出し、抽出した地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定する。
【0054】
選択手段76は、測定手段74の測定結果に基づき、ユーザ装置12と通信接続する情報処理装置として、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から一又は二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択し、選択した業務用ゲーム装置に通信接続するようユーザ装置12に指示する機能を有する。また、選択手段76は、複数の拠点Sに設置された業務用ゲーム装置14の稼働状況を取得し、取得した稼働状況と上記測定結果とに基づき、一又は二以上の拠点の業務用ゲーム装置14を選択してもよい。また、選択手段76は、ユーザ装置12が移動可能な移動装置である場合、所定時間毎に、測定手段74の最新の測定結果に基づき、二以上の拠点の情報処理装置を選択してもよい。ただし、第一実施形態では、選択手段76が、一の拠点の業務用ゲーム装置14を選択する場合を説明する。
【0055】
抽出手段78は、ユーザ装置12が移動可能な移動装置である場合、複数回の測定結果に基づき、ユーザ装置12との通信速度が閾値以上に速くなった業務用ゲーム装置14をユーザ装置12と通信接続される候補として抽出し、当該ユーザ装置12と通信接続が確立される前までに、抽出した業務用ゲーム装置14にAI搭載アプリ70Cを送信する機能を有する。
【0056】
制御手段80は、制御対象42を制御パラメータ等に基づき制御する機能を有する。
【0057】
画像取得手段82は、カメラ40を制御して、ユーザ装置12自身の又は周囲の画像を取得する機能を有する。
【0058】
第一実行手段90は、価値媒体が支払われた場合にゲームを実行する機能を有する。
【0059】
第二実行手段92は、選択手段76により選択された後に、外部と通信することで、AI搭載アプリ70Cを取得する。外部としては、サーバ装置10や、通信ネットワークNT上の他のサーバ装置が挙げられる。続いて、第二実行手段92は、ユーザ装置12と通信接続した場合、AI搭載アプリ70Cを実行する。具体的には、第二実行手段92は、ユーザ装置12から受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cに含まれる学習済みモデルに入力し、当該学習済みモデルからの出力結果を当該ユーザ装置12に送信する。
【0060】
---情報処理の流れ---
図6は、第一実施形態に係る情報処理システム1Aにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。
【0061】
(ステップSP10)
ユーザ装置12は、ユーザUのユーザIDやパスワード、IPアドレス等を含むログイン要求をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP12)
サーバ装置10は、ユーザ装置12からログイン要求を受信する。これに応答して、サーバ装置10の認証手段72は、ログイン要求に含まれるユーザIDやパスワードと、ユーザ情報70Bとに基づき、認証処理を実行する。この認証処理が成功した場合、処理は、ステップSP14の処理に移行する。なお、認証処理が失敗した場合、ユーザ装置12にエラーが出力された後、
図5に示す一連の処理が終了する。
【0063】
(ステップSP14)
サーバ装置10の測定手段74は、地域毎に、複数の拠点Sの中から一の拠点をそれぞれ抽出する。拠点テーブル70Aに各地域を代表する拠点が登録されている場合、測定手段74は、拠点テーブル70Aに基づき、地域毎に、複数の拠点Sの中から代表する一の拠点をそれぞれ抽出する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP16)
測定手段74は、拠点テーブル70Aから、抽出した各拠点の業務用ゲーム装置14の接続情報としてそれぞれのIPアドレスを取得する。続いて、測定手段74は、地域毎に抽出された一の拠点の業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定する測定指示を当該ユーザ装置12に出力(送信)する。なお、この測定指示には、測定手段74が取得した各拠点の業務用ゲーム装置14のIPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP18)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から測定指示を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、測定指示に含まれる各IPアドレスに基づき、当該ユーザ装置12と、地域毎に抽出された一の拠点の業務用ゲーム装置14との間の通信速度をそれぞれ測定する。続いて、ユーザ装置12は、通信速度の測定結果をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP20)
サーバ装置10は、ユーザ装置12から測定結果を受信する。これに応答して、測定手段74は、受信した測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点に紐づけられている一地域を抽出する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP22)
測定手段74は、拠点テーブル70Aから、抽出した一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の接続情報としてそれぞれのIPアドレスを取得する。続いて、測定手段74は、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定する測定指示を当該ユーザ装置12に出力(送信)する。なお、この測定指示には、測定手段74が取得した各IPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP24)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から測定指示を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、測定指示に含まれる各IPアドレスに基づき、当該ユーザ装置12と、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14との間の通信速度をそれぞれ測定する。続いて、ユーザ装置12は、通信速度の測定結果をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP26)
サーバ装置10は、ユーザ装置12から通信速度の測定結果を受信する。これに応答して、サーバ装置10の選択手段76は、受信した測定結果に基づき、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から一の拠点の業務用ゲーム装置を選択する。具体的には、選択手段76は、測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点Sの業務用ゲーム装置14を選択する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP28)
選択手段76は、拠点テーブル70Aから、選択手段76により選択された拠点Sの業務用ゲーム装置14の稼働状況を取得する。続いて、選択手段76は、取得した稼働状況が空きを示しているか、すなわち、一の拠点Sの業務用ゲーム装置14が空いているか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP26の処理に戻る。なお、ステップSP26の処理に戻った場合、選択手段76は、一度選択した拠点Sの業務用ゲーム装置14を除いて、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から一の拠点の業務用ゲーム装置を選択する。
【0071】
(ステップSP30)
選択手段76は、選択した一の拠点Sの業務用ゲーム装置14に通信接続するようユーザ装置12に接続指示を送信(出力)する。この接続指示は、選択した一の拠点Sの業務用ゲーム装置14のIPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP32)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から接続指示を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した接続指示に含まれるIPアドレスに基づき、選択手段76が選択した一の拠点Sの業務用ゲーム装置14との通信接続を確立する。続いて、ユーザ装置12は、ユーザ装置12の装置IDを含む、AI搭載アプリの実行要求を、通信接続を確立した業務用ゲーム装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP34)
業務用ゲーム装置14は、ユーザ装置12から、実行要求を受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14は、実行要求に含まれる装置IDを含む、アプリ要求をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP36)
サーバ装置10は、業務用ゲーム装置14から、アプリ要求を受信する。これに応答して、サーバ装置10は、アプリ要求に含まれる装置IDに応じた、すなわち、ユーザ装置12の種類に応じたAI搭載アプリ70Cを記憶手段70から取得し、取得したAI搭載アプリ70Cを、要求元の業務用ゲーム装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP38)
業務用ゲーム装置14は、サーバ装置10から、AI搭載アプリ70Cを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14は、AI搭載アプリ70Cのインストールを開始して、不図示の記憶手段に記憶する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP40)
業務用ゲーム装置14は、準備が完了したことを示す準備完了通知をユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP42)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14から、準備完了通知を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、画像取得手段82が取得した画像データを業務用ゲーム装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP44)
業務用ゲーム装置14は、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14の第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP46の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP46)
業務用ゲーム装置14は、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP48の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP48)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14から、出力結果を受信する。これに応じて、ユーザ装置12の制御手段80は、出力結果に基づき、制御対象42を制御する。例えば、ユーザ装置12の制御手段80は、制御対象42としての表示装置に対して、出力結果の表示制御を行う。
【0081】
なお、画像データが複数回取得される場合、上記ステップSP42~ステップSP48の処理は繰り返し実行されてもよい。また、ユーザ装置12が移動装置である場合、何れかの業務用ゲーム装置14との通信接続を維持するため、上記ステップSP14~ステップSP48の処理は繰り返し実行されてもよい。
【0082】
---効果---
以上、第一実施形態では、画像データを取得するユーザ装置12と通信可能なサーバ装置10と、複数の拠点Sに設置された業務用ゲーム装置14と、を備える情報処理システム1Aが、ユーザ装置12と、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14との間の通信速度を測定する測定手段74と、測定手段74の測定結果に基づき、ユーザ装置12と通信接続する情報処理装置として、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から一又は二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択し、選択した業務用ゲーム装置に通信接続するようユーザ装置12に指示する選択手段76と、を備える。そして、ユーザ装置12と通信接続した業務用ゲーム装置14は、当該ユーザ装置12から受信した画像データを、機械学習により定められた学習済みモデルに入力し、当該学習済みモデルからの出力結果を当該ユーザ装置12に送信する。
この構成によれば、通信速度の測定結果に基づき、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から、ユーザ装置12と通信接続するための一又は二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択するので、例えばユーザ装置12とサーバ装置10が通信する場合よりも通信速度が速い業務用ゲーム装置を選択すれば、画像データやその解析結果(出力結果)を通信でやり取りする場合において、ネットワーク遅延を抑制することができる。また、サーバ装置10は、画像データの推論処理をする程の高性能である必要がないため、設置コストを抑制することができる。
【0083】
また、第一実施形態では、選択手段76は、複数の拠点Sに設置された業務用ゲーム装置14の稼働状況を取得し、取得した稼働状況と測定結果とに基づき、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から一又は二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択する。
この構成によれば、業務用ゲーム装置14が画像データを学習済みモデルに入力して処理を実行するために、業務用ゲーム装置14にとって、ゲーム等の既存の処理を実行できなくなることを抑制できる。
【0084】
また、第一実施形態では、サーバ装置10は、地域毎に複数の拠点Sを紐づけて記憶する記憶手段70を備え、測定手段74は、地域毎に、複数の拠点Sの中から一の拠点をそれぞれ抽出し、抽出した各拠点Sの業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定し、且つ、当該測定の測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した拠点Sに紐づけられている地域を抽出し、抽出した地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14と、ユーザ装置12との間の通信速度を測定する。
この構成によれば、通信速度の測定に際し、ユーザ装置12や業務用ゲーム装置14の負担を軽減することができる。
【0085】
また、第一実施形態では、情報処理装置は、価値媒体が支払われた場合にゲームを実行するゲーム装置を含む。
この構成によれば、既存のゲーム装置を有効活用できるため、運用コストを抑制することができる。
【0086】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態では、選択手段76が、二以上の拠点の業務用ゲーム装置14を選択し、選択した業務用ゲーム装置14それぞれに通信接続するようユーザ装置12に指示する点が、第一実施形態と異なる。また、第二実施形態では、ユーザ装置12は、移動可能な移動装置であることが好ましい。なお、第二実施形態に係る構成は、第一実施形態に係る構成と同一である。
【0087】
図7は、第二実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。また、以下のステップSP70の前は、
図6に示すステップSP10~24の処理が実行されているものとする。また、以下では、AI搭載アプリ70Cが既に業務用ゲーム装置14にインストールされているものとして説明するが、第一実施形態と同様に、選択手段76により選択された後に、AI搭載アプリ70Cをインストールしてもよい。
【0088】
(ステップSP70)
サーバ装置10は、ユーザ装置12から通信速度の測定結果を受信する。これに応答して、サーバ装置10の選択手段76は、受信した測定結果に基づき、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から二以上の拠点、例えば三つの拠点の業務用ゲーム装置を選択する。具体的には、選択手段76は、測定結果の中で通信速度が速い順に、三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14を選択する。そして、処理は、ステップSP72の処理に移行する。
【0089】
(ステップSP72)
選択手段76は、拠点テーブル70Aから、選択手段76により選択された三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14の稼働状況を取得する。続いて、選択手段76は、取得した稼働状況が空きを示しているか、すなわち、三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14がそれぞれ空いているか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP74の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP70の処理に戻る。なお、ステップSP70の処理に戻った場合、選択手段76は、空いていない業務用ゲーム装置14を除いて、一地域に紐づけられている複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から三つの拠点の業務用ゲーム装置を選択する。
【0090】
(ステップSP74)
選択手段76は、選択した三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14に通信接続するようユーザ装置12に接続指示を送信(出力)する。この接続指示は、選択した三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14のIPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP76の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP76)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から接続指示を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した接続指示に含まれるIPアドレスに基づき、選択手段76が選択した三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14(例えば、業務用ゲーム装置14A、14B、14C)との通信接続を確立する。そして、処理は、ステップSP76の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP78)
ユーザ装置12は、画像取得手段82が取得した画像データを各業務用ゲーム装置14A~14Cに送信する。そして、処理は、ステップSP80、SP86、SP92の処理にそれぞれ移行する。なお、以下のステップSP80~96の処理の順番は、ユーザ装置12と各業務用ゲーム装置14A~14Cとの間の通信速度に応じて適宜変更される。以下では、業務用ゲーム装置14Bが最も通信速度が速く、次に業務用ゲーム装置14Aが速く、次に業務用ゲーム装置14Cが速いものとする。
【0093】
(ステップSP80)
業務用ゲーム装置14Bは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Bの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP82の処理に移行する。
【0094】
(ステップSP82)
業務用ゲーム装置14Bは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP84の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP84)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Bから、出力結果を受信する。ここで、ユーザ装置12の制御手段80は、三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14A~14Cからそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した、業務用ゲーム装置14Bの出力結果を表示制御する。
【0096】
(ステップSP86)
ステップSP78で画像データが送信された場合、業務用ゲーム装置14Aは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Aの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP88の処理に移行する。
【0097】
(ステップSP88)
業務用ゲーム装置14Aは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP90の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP90)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Aから、出力結果を受信する。ここで、ユーザ装置12は、既に出力結果を受信していると判定して、新たに受信した出力結果を消去する。
【0099】
(ステップSP92)
ステップSP78で画像データが送信された場合、業務用ゲーム装置14Cは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Cの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP94の処理に移行する。
【0100】
(ステップSP94)
業務用ゲーム装置14Cは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP96の処理に移行する。
【0101】
(ステップSP96)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Cから、出力結果を受信する。ここで、ユーザ装置12は、既に出力結果を受信していると判定して、新たに受信した出力結果を消去する。
【0102】
以上、第二実施形態では、ユーザ装置12は、移動可能な移動装置であり、選択手段76は、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14Cの中から二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択し、ユーザ装置12は、二以上の拠点の業務用ゲーム装置からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力する。
この構成によれば、ユーザ装置12が移動することによって、例えば衝突回避制御やブレーキ制御等の緊急的な制御が必要であっても、先着順、すなわち、最も早く受信した出力結果を出力することで、その出力結果に基づき緊急的な制御をすぐに行うことができる。
【0103】
<第三実施形態>
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態では、ユーザ装置12が、二以上の拠点Sの業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力する点、すなわち、ユーザ装置12の出力結果の扱いを先着順でなく、多数決とする点で、第二実施形態と異なる。なお、第三実施形態に係る構成は、第一実施形態に係る構成と同一である。
【0104】
図8は、第三実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。また、以下のステップSP70の前は、
図6に示すステップSP10~24の処理が実行されているものとする。また、以下では、AI搭載アプリ70Cが既に業務用ゲーム装置14にインストールされているものとして説明するが、第一実施形態と同様に、選択手段76により選択された後に、AI搭載アプリ70Cをインストールしてもよい。
【0105】
(ステップSP100)
ステップSP78で画像データが送信された場合、業務用ゲーム装置14Bは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Bの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP102の処理に移行する。
【0106】
(ステップSP102)
業務用ゲーム装置14Bは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP104の処理に移行する。
【0107】
(ステップSP104)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Bから、出力結果を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した出力結果を記憶する。
【0108】
(ステップSP106)
ステップSP78で画像データが送信された場合、業務用ゲーム装置14Aは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Aの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP108の処理に移行する。
【0109】
(ステップSP108)
業務用ゲーム装置14Aは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP110の処理に移行する。
【0110】
(ステップSP110)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Aから、出力結果を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した出力結果を記憶する。
【0111】
(ステップSP112)
ステップSP78で画像データが送信された場合、業務用ゲーム装置14Cは、ユーザ装置12から、画像データを受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Cの第二実行手段92は、受信した画像データを、AI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0112】
(ステップSP114)
業務用ゲーム装置14Cは、学習済みモデルの出力結果を、ユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP116の処理に移行する。
【0113】
(ステップSP116)
ユーザ装置12は、業務用ゲーム装置14Cから、出力結果を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した出力結果を記憶する。そして、処理は、ステップSP118の処理に移行する。
【0114】
(ステップSP118)
続いて、ユーザ装置12の制御手段80は、出力結果が所定数(例えば三つ)記憶されたか否かを判定し、肯定判定すると、多数決処理を実行する。すなわち、制御手段80は、三つの拠点Sの業務用ゲーム装置14A~14Cからそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果(最多数の出力結果)を抽出する。ここで、多数決とする理由は、各業務用ゲーム装置14A~14Cの学習済みモデルが共通であっても、業務用ゲーム装置毎に出力結果が異り得るからである。なお、業務用ゲーム装置14A~14C毎に学習済みモデルが異なってもよい。そして、処理は、ステップSP120の処理に移行する。
【0115】
(ステップSP120)
制御手段80は、例えば、最多数の出力結果を表示制御する。
【0116】
以上、第三実施形態では、選択手段76は、複数の拠点Sの業務用ゲーム装置14の中から二以上の拠点の業務用ゲーム装置を選択し、ユーザ装置12は、二以上の拠点の業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力する。
この構成によれば、二以上の拠点の業務用ゲーム装置から送信される学習済みモデルの出力結果はそれぞれ違う場合があるが、各業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力することで、出力結果の精度を高めることができる。これにより、第三実施形態に係る技術は、医療現場における患者の診断や、生産現場における製品の品質管理等、画像データの解析精度が求められる場面において好適である。
【0117】
<第四実施形態>
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態では、業務用ゲーム装置14がユーザ装置12だけでなく、カメラや温度センサ、湿度センサ、光電センサ、ジャイロセンサ等の、街頭に設置されている検出機器からデータを受信する点で、第一実施形態と異なる。なお、以下で説明しない第四実施形態に係る構成は、第一実施形態に係る構成と同一である。
【0118】
図9は、第四実施形態に係る情報処理システム1Bの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0119】
図9に示すように、情報処理システム1Bは、第一実施形態と同様に、サーバ装置10と、複数の業務用ゲーム装置14と、を備える。また、情報処理システム1Bは、ユーザ装置12として、一又は複数の移動装置、例えば、ユーザU1が使用する自動運転車12AやユーザU2が使用する小型無人航空機12B等を備える。また、情報処理システム1Bは、街頭に設置されている複数の検出機器100として、例えばカメラ100Aと、カメラ100Bと、カメラ100Cと、を備える。これらの検出機器100は、通信ネットワークNTを介して、業務用ゲーム装置14と通信可能となっている。そして、検出機器100は、歩行者102A等の障害物を含む街頭周囲のデータ(例えば画像データ)を検出(撮影)し、その検出結果を業務用ゲーム装置14に送信することができる。
【0120】
図10は、第四実施形態に係る情報処理システム1Bにおける情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。
【0121】
(ステップSP200)
ユーザ装置12としての移動装置、例えば自動運転車12Aは、定期的に、通信接続されている業務用ゲーム装置14Aに対して、自動運転車12Aの現在の位置情報を含む周辺情報要求を送信する。そして、処理は、ステップSP202の処理に移行する。なお、この周辺情報要求は、サーバ装置10に送信してもよい。
【0122】
(ステップSP202)
業務用ゲーム装置14Aは、自動運転車12Aから、周辺情報要求を受信する。これに応答して、業務用ゲーム装置14Aは、周辺情報要求に含まれる位置情報に基づき、外部、例えばサーバ装置10から、当該位置情報が示す位置周辺の検出機器100の接続情報を取得する。続いて、業務用ゲーム装置14Aは、取得した接続情報に基づき、位置周辺の検出機器100として例えばカメラ100A~100Cに対して、画像データの送信要求をそれぞれ送信する。そして、処理は、ステップSP204、212、216の処理にそれぞれ移行する。なお、以下のステップSP204~218の処理の順番は、各業務用ゲーム装置14Aとカメラ100A~100Cの間の通信速度に応じて適宜変更される。以下では、カメラ100Bが最も通信速度が速く、次にカメラ100Aが速く、次にカメラ100Cが速いものとする。
【0123】
(ステップSP204)
カメラ100Bは、業務用ゲーム装置14Aから、送信要求を受信する。これに応答して、カメラ100Bは、当該カメラ100Bで自動撮影した画像データを業務用ゲーム装置14Aに送信する。そして、処理は、ステップSP206の処理に移行する。
【0124】
(ステップSP206)
業務用ゲーム装置14Aは、カメラ100Bから、画像データを受信する。ここで、業務用ゲーム装置14Aの第二実行手段92は、三つのカメラ100A~100Cからそれぞれ受信する画像データの中から最も早く受信したカメラ100Bの画像データを、カメラ100Bに応じたAI搭載アプリ70Cの学習済みモデルに入力して推論処理を実行する。そして、処理は、ステップSP208の処理に移行する。
【0125】
(ステップSP208)
業務用ゲーム装置14Aは、学習済みモデルの出力結果(処理結果)を、自動運転車12Aに送信する。そして、処理は、ステップSP210の処理に移行する。
【0126】
(ステップSP210)
自動運転車12Aは、業務用ゲーム装置14Aから、出力結果を受信する。続いて、自動運転車12Aの制御手段80は、受信した出力結果に基づき、例えばブレーキ等の制御対象42を制御する。
【0127】
(ステップSP212)
ステップSP202の後、カメラ100Aは、自動運転車12Aから、送信要求を受信する。これに応答して、カメラ100Aは、当該カメラ100Aで自動撮影した画像データを業務用ゲーム装置14Aに送信する。そして、処理は、ステップSP214の処理に移行する。
【0128】
(ステップSP214)
業務用ゲーム装置14Aは、カメラ100Aから、画像データを受信する。ここで、業務用ゲーム装置14Aは、既に画像データを受信していると判定して、新たに受信した画像データを消去する。
【0129】
(ステップSP216)
ステップSP202の後、カメラ100Cは、自動運転車12Aから、送信要求を受信する。これに応答して、カメラ100Cは、当該カメラ100Cで自動撮影した画像データを業務用ゲーム装置14Aに送信する。そして、処理は、ステップSP218の処理に移行する。
【0130】
(ステップSP218)
業務用ゲーム装置14Aは、カメラ100Cから、画像データを受信する。ここで、業務用ゲーム装置14Aは、既に画像データを受信していると判定して、新たに受信した画像データを消去する。
【0131】
以上、第四実施形態では、選択手段76により選択された業務用ゲーム装置14Aは、ユーザ装置12からの要求に応じて、街頭に設置されている検出機器100から検出結果を取得し、当該検出結果に基づく解析結果を、当該ユーザ装置12に出力する。
この構成によれば、例えば、ユーザ装置12は、当該ユーザ装置12から死角となっている箇所の画像データに基づく解析結果も用いて制御することができるので、より正確な制御を行うことができる。
【0132】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0133】
例えば、上記第一実施形態では、選択手段76がサーバ装置10に設けられる場合を説明したが、ユーザ装置12に設けてもよい。この場合、サーバ装置10は、業務用ゲーム装置14の拠点テーブル70Aをユーザ装置12に送信する。
【0134】
また、上記第一実施形態では、情報処理装置が業務用ゲーム装置14である場合を説明したが、業務用ゲーム装置14に接続された同拠点内のサーバ装置であってもよい。
【0135】
また、第二実施形態と第三実施形態では、出力結果を先着順で取り扱うか、多数決で取り扱うかで分かれているが、ユーザ装置12は、二以上の拠点Sの業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力するか(先着順)、又は、二以上の拠点の業務用ゲーム装置14Aからそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力するか(多数決)を、ユーザ装置12の現在の制御内容に基づき、切り替えてもよい。例えば、製造ライン等において、ユーザ装置12の制御内容が不良品検出である場合には、スピードが求められるため、ユーザ装置12は、二以上の拠点Sの業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力するように切り替える。また、ユーザ装置12の制御内容が品質チェックである場合には、精度が求められるため、ユーザ装置12は、二以上の拠点の業務用ゲーム装置14Aからそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力するように切り替える。また、例えば、医師の診察において、ユーザ装置12の制御内容がノイズ処理等の画像処理である場合には、スピードが求められるため、ユーザ装置12は、二以上の拠点Sの業務用ゲーム装置14からそれぞれ受信する出力結果の中から最も早く受信した出力結果を出力するように切り替える。また、ユーザ装置12の制御内容が病名診断である場合には、精度が求められるため、ユーザ装置12は、二以上の拠点の業務用ゲーム装置14Aからそれぞれ受信する出力結果の内容が当該出力結果の中で他の出力結果の内容と一致する数が最も多い出力結果を出力するように切り替える。
以上の構成によれば、スピードが求められる場面や精度が求められる場面でも、自動的に出力結果の取り扱いを切り替えて適切な出力を得ることができる。また、ユーザ装置12は、先着順と多数決を組み合わせてもよい。例えば、ユーザ装置12は、出力結果を10個受信することを仮定したとき、その先着順上位5個の出力結果の中で多数決をしてもよい。
【0136】
また、第四実施形態では、自動運転車12Aが、通信接続されている業務用ゲーム装置14Aに対して周辺情報要求を送信する場合を説明したが、自動運転車12Aがどの業務用ゲーム装置14に接続するかを、サーバ装置10が決定し、自動運転車12Aに指示してもよい。
【0137】
また、第四実施形態では、業務用ゲーム装置14Aは、位置情報が示す位置周辺の検出機器100の接続情報を取得する場合を説明したが、業務用ゲーム装置14Aと検出機器100との組み合わせが予め決まっており、業務用ゲーム装置14Aは、予め決まっている検出機器100から画像データ等の各種データを取得してもよい。
また、第四実施形態では、業務用ゲーム装置14Aは、自動運転車12Aから周辺情報要求を受信する場合を説明したが、当該周辺情報要求を受信せず、サーバ装置10が、自動運転車12Aから周辺情報要求を受信してもよい。この場合、周辺情報要求を受信したサーバ装置10が、自動運転車12Aがどの業務用ゲーム装置14Aに接続するかを決定してもよい。そして、業務用ゲーム装置14Aは、予め接続されているカメラから画像データを取得し、学習済みモデルの出力結果(処理結果)を自動運転車12Aに送信してもよい。
【符号の説明】
【0138】
1A,1B:情報処理システム、10:サーバ装置、12:ユーザ装置、14:業務用ゲーム装置(情報処理装置)、74:測定手段、76:選択手段