(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075421
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】霧化除菌液型物品除菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20220511BHJP
A61L 101/06 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L101:06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020192824
(22)【出願日】2020-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】519084456
【氏名又は名称】株式会社あかりみらい
(72)【発明者】
【氏名】越智 文雄
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA25
4C058BB07
4C058EE22
4C058JJ07
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】買い物かごや買い物袋内の物品を効率よく除菌する手段を提供する。
【解決手段】開閉扉および排出口を有するケースを設け、該ケース上部に通気連通してなる霧化除菌液放出装置を設けることにより、ケース内に導入された霧化除菌液にてケース内物品の除菌を可能としたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉扉および排出口を有するケースを設け、該ケース上部に通気連通してなる霧化除菌液放出装置を設けることにより、ケース内に導入された霧化除菌液にてケース内物品の除菌を可能としたことを特徴とする霧化除菌液型物品除菌装置。
【請求項2】
ケース内面上部に、買い物袋の吊下保持フックを設けてなる請求項1記載の霧化除菌液型物品除菌装置。
【請求項3】
ケース内底部に、買い物かご内底部除菌のためのフレーム体を設けてなる請求項1記載の霧化除菌液型物品除菌装置。
【請求項4】
ケースサイズを買い物カートが収容できるサイズとしてなる請求項1記載の霧化除菌液型物品除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、霧化除菌液を用いた物品除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の除菌手段が多用されているが、本発明にて示すように、霧化除菌液をケース内に導いて、このケースに収納された物品を除菌する手段は現在のところ見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
除菌は古来より行われており、除菌液を含ませた布体での拭き取りや、霧化除菌液の室内放出、手動式の除菌液放出、紫外線照射などが一般的である。昨今はコロナウィルスの流行に伴い、除菌液の必要性が高まり、上記の手動式の除菌液液放出を用いての手指除菌液が多用されている。
一方、コンビニやスーパーなどでの食品売り場での除菌は未開拓のままであって、このような場面に適した有効な除菌手段が見当たらないのが現状である。
本発明は以上に鑑み、客が購入した食品等の有効除菌を行うことのできる、新規かつ有用なる手段を提供することを目的として、発明・開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
開閉扉および排出口を有するケースを設け、該ケース上部に通気連通してなる霧化除菌液放出装置を設けることにより、ケース内に導入された霧化除菌液にてケース内物品の除菌を可能とする。本発明は以上の構成よりなる霧化除菌液型物品除菌装置である。
なお、ケース内に買い物袋吊下フックやフレーム体を向けることにより、除菌効果をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明は下記の効果を有する。
1.ケース内上部から霧化除菌液を放出する方式のため、ケース内物品を効率よく除菌す ることができる。
2.ケース内上部に各フックを設けることで、物品を収納したサイズの異なる買い物袋お よび該袋内の物品を除菌することができる。
3.ケ-ス内底部に、空隙を有するフレーム体を設けることにて.このフレーム体上に載 置された買い物かご及び該かご内の物品を効率よく除菌することができる。
4.装置簡便にして扱いやすく、また開閉扉を透明とすることで、除菌状態を容易に視認 することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】本発明の除菌ケ-スの内部構造説明図(正面視)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は、取っ手を有する透明素材による開閉扉2を有する除菌ケースで、その後面において、上部に導入口3を、下部に排気口4を有している。
5は除菌液の貯留タンクおよびファンを内蔵した公知の除菌液霧化放出装置で、可撓性のダクト6にて、前記導入口に接続されている。7は電力と電気信号のための接続コードである。8はスイッチ類とタイマーを内蔵した制御盤で、外部電源がここに接続され、スイッチ操作にて接続コードを介して上記の霧化放出装置をコントロールする。
すなわち、スイッチ操作にて除菌液霧化放出装置が作動を開始し、導入口から霧化除菌液が除菌ケース内に入り、該ケース内に充満した後、排気口より外部に排出される。
また、タイマー設定にて、該装置の作動時間を設定することができる。
以上が、本発明の作動機能である。次ぎに、上記ケース内の事項について説明する。
【0008】
図において、10および11は吊下保持フックとしてのサイドフックで、小平板下部を鋭角に上方に向けて折曲して形成される。12および13はセンターフックで、サイドフック同様に折曲部を有して板体折曲にて一体に形成される。これらのフックは
図3のように、サイドフックはケース内面上部に固定され、センターフックはケース内上面に固定される。また、各フックは一対が設けられ、
図7の仮想線にて示すように、平面視において所定間隔を有して設けられる。
以上の各フックは食品等を収納した買い物袋の吊下保持のためのものである。
【0009】
店で購入する買い物袋のサイズは、大中小に大別されている。小の場合は、袋の取っ手の部分を例えば一方のサイドフック10に掛けるとともにセンターフックの12に掛けて吊下保持される。ただし、平面視平行に位置するフックにも掛け渡される。
これにて、袋の上部は開口状態となるので、ケース内に導入された霧化除菌液は、上記袋の開口部から入り込んで下方移動して袋内の食品等を除菌することができる。
以下同様にして、中サイズの袋ではサイドフック10とセンターフック13間にて、大サイズの袋はサイドフック10と11間にて吊下保持ができる。
【0010】
上記のケースサイズは店所有の買い物かごが収納可能なサイズであり、買い物かご内の食品等を収納したままケース内に入れて除菌が可能である。
買い物かごには底面と側面に多数の孔があるので、上方のみならず側方からも霧化除菌液の浸入ができるが、ケース内下面に買い物かごを置くと、かごの底面方向からの侵入が妨げられる。この打開策として、以下に示すフレーム体20を設けた。
【0011】
このフレーム体は
図8にて示すように、鉄製アングル材を組み合わせて接合し、所定の高さと幅そして奥行きを有する枠状にくみ上げ、その前面には平板による傾斜板21を設けた。また、フレーム体上面には縦保持板22と、横保持板23および24を、アングル材上面と一致するように接合している。このフレーム体は、ケース内底面上に固定される。以上から、フレーム体上に載置された買い物かごの底面方向からも霧化除菌液の浸入が可能であって、より有効な除菌効果を得ることができる。また、傾斜板を設けたので、ケース内への買い物かごの挿入をスムースに行うことができる。
この傾斜板がないと、挿入する買い物かごの底面はフレーム体より上方に位置させなければフレームに当たって挿入することができない。しかし、この傾斜板があるために、買い物かご底面がフレ-ム体上面よりやや低い位置でも、買い物かごを押すことにて、該かごは傾斜板に沿って押し上げ挿入が可能となり、挿入作業はより容易となる。
【0012】
次ぎに、本発明の使用について説明する。
食品売り場のレジ近傍適所に本装置を設置する。買い物かご毎の除菌の場合は、食品等を入れた買い物かごを客から受け取り、開閉扉を開けてこのかごを挿入し、制御板のスイッチ投入にて霧化除菌液放出装置が作動を開始し、霧化除菌液はダクトを介して前記ケース内に導入され、タイマー設定による所定時間中はその放出が続き、ケース内に霧化除菌液が充満し、所定の除菌が行われる。余分の霧化除菌液はケース後面の排気口より外部に放出される。除菌終了後は、ケースより買い物かごを取り出し、精算となる。
買い物袋の除菌のときは、買い物かごを店員に渡して、レジで精算して食品等を買い物袋に移し替えた後、ケース内のフックに買い物袋を吊下保持させ、前記同様の作業にて除菌することができる。これは店員が行ってもよいし、除菌希望の客が行ってもよい。
【0013】
以上、本発明について記したが、本発明は買い物かごおよび買い物袋内の食品等を除菌するものであり、従来存在しなかった新規な除菌手段を提供するものである。
なお、説明では除菌ケースと霧化除菌液放出装置とを別体として表現したが、同一ケース内に組み込むスタイルとしてもよく、この場合はダクトは不要となる。
霧化除菌液は除菌ケース内上部の導入口から取り入れられるので、買い物袋開口部に近い位置からの導入となって、より早く除菌することができる。
各フックのケース内への固定手段は任意であり、螺着や接着など適宜に選択すればよい。
また、本発明の簡易型としては、
図9にて示すように、サイドフックのみを設ける方式でもよい。フレーム体には傾斜板等を設けたが、単なる角形のフレームとしてもよい。
フレームサイズは、除菌ケース内に収納可能であれば任意である。
【0014】
各フックについては、サイドフックとセンターフックを別体として表現したが、すべて一体として形成してもよく、その材質は任意である。
除菌ケースサイズは本例では買い物かごと買い物袋を収納できるサイズとしたが、より小型として買い物袋もしくは買い物かご専用とすれば、より小型化ができる。
また、本発明の除菌ケースサイズをより大型とすれば、買い物かごを載せたカートごとの除菌も可能である。本発明は、買い物かごや買い物袋ごと除菌できるものである。
現在、コロナウイルス防御のために相当数の食品売り場では、事前に買い物かごの除菌を行っており、これが大きな作業負担となっている。しかるに、本発明の使用にて買い物かご内の食品等の除菌はもちろんのこと、使用した買い物かごの除菌も行うこととなるので、上記の作業負担を不要もしくは大きく軽減することができる。
【0015】
除菌ケースサイズを任意に設計することにて、食品のみならず 他の多くの物品の除菌が可能であり、より広い範囲での利用価値を有するものである。
なお、除菌液としては、次亜塩素酸水溶液その他を用いることができ、この除菌液の霧化手段としては、公知技術、例えば超音波方式など適宜に選択できる。
以上のごとく、本発明によって多方面にわたる有用なる除菌手段を得ることができる。
【符号の説明】
【0016】
1 除菌ケース
2 開閉扉
3 導入口
4 排気口
5 除菌液霧化放出装置
6 ダクト
7 接続コード
8 制御盤
10 サイドフック
11 サイドフック
12 センターフック
13 センターフック
20 フレーム体
21 傾斜板
22 縦保持板
23 横保持板
24 横保持板
30 買い物かご
31 買い物袋