(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075429
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】飲料用容器の蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 51/24 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
B65D51/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020194727
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】502100161
【氏名又は名称】鈴木 有紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 有紀
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA22
3E084AA23
3E084AA24
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CA02
3E084CA03
3E084CA10
3E084CC01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DA02
3E084DA03
3E084DA10
3E084DB12
3E084DC01
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB01
3E084HD01
3E084HD04
3E084JA19
3E084JA20
3E084KA20
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】使用者に対し飲料用容器の分解と洗浄を誘発する飲料用容器の蓋を提供する。
【解決手段】液体容器の蓋の天面および内面に噴水を形成する反射体を備えることを特徴とする飲料用容器の蓋を提供する。反射体1の中央には周辺部より凹んだ中央部2が備えられる。周辺部には傾斜角を有する面3が複数設けられる。流水を反射体1に衝突させると角部4によって水流が分割され、面3に導かれた表面張力によって花びら状の水膜が形成される。段差5の傾斜角によって水膜の先端がねじれて、さらに水膜が形成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は飲料用容器の口部に取り付ける蓋であって、特に蓋本体の外側上面と内側に噴水を形成する反射体を備えることを特徴とする飲料用容器の蓋である。
【請求項2】
本発明の蓋は、飲料容器の口部を密栓しうるように蓋の内側側面にねじ部と、内側中央縁部にインナーリングを備えていることを特徴とする請求項1に記載の蓋である。
備える。
【請求項3】
上記外側上面と内側中央に凹面版と凹面版からの突起とを有する反射板を備えた請求項2又は3記載の蓋である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器の口部に取り付ける蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料用容器には、使用者が水、茶、コーヒー、ジュース等の飲料を詰めて携帯する、アルミやステンレスなど金属製、樹脂製、ガラス製の液体容器や、メーカーが飲料を詰めて販売するPET樹脂製の液体容器が従来知られている。ペットボトルの蓋は容器本体とは異なる樹脂素材で構成される。環境保護の観点から有限な資源を再利用するため、使用後には飲料容器を容器本体と蓋に分解し洗浄する必要がある。洗浄しやすさを追求した飲料容器の例として特許公開平2017-206270号広報や、飲料容器と蓋の分別と再利用を促進するため蓋に装飾を施した例として実願2005-002153号広報が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許公開平2017-206270号広報に開示された飲料用容器の構造は、容器と蓋の分解および組立の簡易性と各部品の洗浄しやすさを備えている。
【0004】
実願2005-002153号広報に開示された飲料用容器の蓋は、飲料を飲み干した後に蓋を取り外して置物としての使用を意図したものである。
【0005】
飲料用容器を繰り返し使用するには衛生の維持が不可欠だ。また、飲料用容器を使い捨て、ごみとして出すにも資源の再利用に向けて液体容器と蓋の分別および洗浄が必要である。しかし従来の飲料用容器には使用者に対し洗浄を誘発する仕組みはなかった。
【0006】
本発明者は実登3195892号広報にて噴水の機能を備えた指輪を提案している。指輪は指に嵌めるリング体と流水を受ける反射体を有し、使用者は水道を使用する場所で噴水を形成できる。繰り返し使用可能な指輪は使用者に愛着を抱かせるが、鋭角や突起を有するため使用者や周囲の物を傷つける可能性があった。
【0007】
【特許文献1】特許公開平2017-206270号公報
【特許文献2】実願2005-002153号広報
【特許文献3】実用新案登録3195892号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、使用者に飲料用容器を分解させ蓋を洗浄させる動機を与えるために噴水機能を有する蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、液体容器の蓋の天面および内面に噴水を形成する反射体を備えることを特徴とする飲料用容器の蓋である。
【0010】
本発明の蓋は、内側側面にねじ部と、内側中央に飲料用容器内口部を密栓するインナーリングを有した反射体を備える。
【0011】
上記蓋の外側天面と内側の反射体は、好適態様によれば凹面と突起とで構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の蓋を洗浄する際に、使用者は蛇口等の流水を反射体に当て、反射した水がかたちづくる造形を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】一実施形態に係る蓋の天面を上斜方から見た模式斜視図を示す。
【
図3】一実施形態に係る蓋の内側を上斜方から見た模式斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施例を図面に基づき説明する。但し、本考案は具体例を示すものであって図示された態様に限定されるわけでない。また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、構成部品の縮尺や配置等は例示を意図し、本発明の範囲を限定する趣旨ではない。
図1Aは蓋1の断面図である。天面の反射体2と、内側側面にねじ部3と、中央に飲料用容器の口部を密栓するインナーリング4を有した内側の反射体5を備える。
図1Bは蓋1の平面図である。
【0015】
図2に本発明の蓋の使用態様を上斜方から見た模式斜視図を示す。飲料容器8の蓋1の天面は通常は円形であるが、楕円形、三角形、矩形、多角形等であってもよい。
【0016】
蓋1の材質については、各種金属や樹脂材料などを特に限定無く用いることができる。また、蓋1には装飾的な模様や文字が印刷されていてもよいし、側面に凹凸があってもよい。蓋の製造方法についても従来の技術を適宜参照することができ、樹脂の一体成形や、分割した部品の組み合わせや圧着などの技術を適宜採り入れることができる。
【0017】
蓋の天面の反射体2は流水9を受けると、その水の流れを分散、屈曲等させることにより水膜が予め定めた造形になるように構成されている。反射体に突起6を設けなければ、流水を受けると円形やドーム状の水膜が生成される。
【0018】
図3に本発明の蓋の内側の使用態様を上斜方から見た模式斜視図を示す。蓋の口径が大きい場合は、内部のインナーリングの直径に応じて内側の反射体5を設けると、少量の流水で噴水を形成することができる。蓋の内側側面にねじ部3と、中央に飲料用容器の口部を密栓するインナーリングから隆起した内側の反射体5を備える。使用者は蓋を手(図示せず)で把持したり、飲料用容器の上に置いて流水9を当てたりする。
【0019】
内側の反射体5には好ましくは突起6が設けられる。典型的には、突起6は反射体5の板面に対してほぼ垂直に突出している。突起6はその大きさによって反射体の上で流水7を分割したり、反射体の底面に沿って流れ出た水膜を分断したりする。反射体5の凹面の深さは特に限定は無く、好適には5~10mmである。
【0020】
プリズム状の突起6を天面の反射体2と内側の反射体5に複数並べてその配置によって線状の水流を形成したり、水膜を分割させたりすることができ、これらを組み合わせることによって、蝶、桜、クモ、星形等に見える水膜を生成することが可能になる。
【0021】
反射体5の縁部は好ましくは蓋1の縁部と同じ高さであり、より高くてもよい。反射体5によって形成された流水や水膜が蓋1の縁部に衝突しないようにするためである。
【0022】
蓋の内側側面のねじ部と中央のインナーリング4を洗浄するには、それらに向けて流水を当てる。他の容器に貯めた水に浸してすすいでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の飲料用容器の口部に取り付ける蓋は、飲料用容器の洗浄に小型の噴水の形成という付加価値をもたらし、家庭内に噴水の市場を拡大するものである。
【符号の説明】
1 蓋
2 蓋の天面の反射体
3 ねじ部
4 インナーリング
5 内側の反射体
6 突起
7 蝶形の水膜
8 飲料用容器
9 流水