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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075476
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】医用文書提供支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220511BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081627
(22)【出願日】2021-05-13
(62)【分割の表示】P 2020185725の分割
【原出願日】2020-11-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】508369973
【氏名又は名称】永田 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】永田 達也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】医用文書データの利用を希望する利用者に対する医用文書データの提供を支援するのに好適な医用文書提供支援システムを提供する。
【解決手段】医用文書提供サーバ100は、医用文書データの利用を希望する利用者の従事する医療に係る属性を示す情報である医療属性情報を取得し、取得した医療属性情報に基づいて、記憶装置42の医用文書ライブラリに記憶された医用文書データの情報と、医用文書データを利用した利用者の従事する医療に係る属性とを対応付けて記憶する記憶装置42の医用文書管理テーブル420から、医療属性情報の示す属性と同一の属性又は所定関係を有する属性に対応する医用文書データの情報を取得し、取得した情報に基づいて、利用を希望する利用者について推奨される医用文書データを推奨する。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用文書のテンプレートデータである医用文書データを利用する利用者に対して前記医用文書データの提供を支援する医用文書提供支援システムであって、
前記医用文書データの利用を希望する前記利用者の従事する医療に係る属性を示す医療属性情報を入力する医療属性情報入力手段と、
前記利用者の前記医療に係る属性と前記医用文書データとが対応付けられた学習情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、前記医療属性情報入力手段で入力した前記医療属性情報から1又は複数の前記医用文書データを推定する推定手段と、
前記推定手段で推定した1又は複数の医用文書データを、前記利用を希望する利用者に推奨する医用文書推奨手段と、を備えることを特徴とする医用文書提供支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記医療に係る属性は、前記利用者の所属する医院の属性を含み、
前記推定手段は、前記利用者の所属する医院の属性と前記医用文書データとが対応付けられた学習情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、前記医療属性情報入力手段で入力した前記医院の属性情報を含む前記医療属性情報から1又は複数の前記医用文書データを推定することを特徴とする医用文書提供支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記医療に係る属性は、前記利用者の所属する医院が取り扱う患者の属性を含み、
前記推定手段は、前記利用者の所属する医院が取り扱う患者の属性と前記医用文書データとが対応付けられた学習情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、前記医療属性情報入力手段で入力した前記患者の属性情報を含む前記医療属性情報から1又は複数の前記医用文書データを推定することを特徴とする医用文書提供支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記医療に係る属性は、前記利用者の従事する医療に係る医用文書の属性を含み、
前記推定手段は、前記利用者の従事する医療に係る医用文書の属性と前記医用文書データとが対応付けられた学習情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、前記医療属性情報入力手段で入力した前記医用文書の属性情報を含む前記医療属性情報から1又は複数の前記医用文書データを推定することを特徴とする医用文書提供支援システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記医療に係る属性は、前記利用者の従事する医療に係る治療内容の属性を含み、
前記推定手段は、前記利用者の従事する医療に係る治療内容の属性と前記医用文書データとが対応付けられた学習情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、前記医療属性情報入力手段で入力した前記治療内容の属性情報を含む前記医療属性情報から1又は複数の前記医用文書データを推定することを特徴とする医用文書提供支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療説明書や医療同意書等の医用文書のデータである医用文書データのシステム利用者への提供を支援する医用文書提供支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子化された医療説明書や医療同意書等の医用文書データを管理するシステムがある(例えば、特許文献1及び2を参照)。かかる従来技術では、例えば医療同意書の雛形データ(住所・氏名等の要記入部分が空白のもの)を保持したり、既存の医療説明書データをテンプレートとして再利用したりすることが可能となっている。
【0003】
ここで、医療説明書や医療同意書等の医用文書は、例えば、患者に治療内容を説明し、その治療内容について患者の同意を得ることなどに用いられる。患者の治療内容に対する理解を深めることは信頼性向上につながる効果があり、また、同意を得ることでトラブルを防止する効果がある。
【0004】
かかる医用文書は、病気の種類、治療方法、患者の症状等に応じて内容が異なってくるため、それぞれに応じた内容の医用文書を用意する必要がある。状況に応じた医用文書の作成には医療知識や医療経験に加えて法律知識等も必要であり、医用文書の作成難度は比較的高い。そのため、業歴の長い病院では、医用文書は、代々受け継がれるものである。また、医用文書は、新たな治療方法の発見や最新医療の導入等に応じて改変や追加等が行われるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-97573号公報
【特許文献2】特開2015-170039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2の従来技術においては、例えば、同種の病気に対する医用文書でも治療内容や作成者等に応じて複数種類の文書が存在し、かつ、医療文書が例えば医療同意書の場合、その内容を理解するには法律的知識も必要となる。そのため、利用者は、複数種類の同種の医用文書の中から適切な医用文書を選択するのが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、医用文書データの利用を希望する利用者に対する医用文書データの提供を支援するのに好適な医用文書提供支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の医用文書提供支援システムは、医用文書のテンプレートデータである医用文書データを利用する利用者に対して前記医用文書データの提供を支援する医用文書提供支援システムであって、前記医用文書データの利用を希望する前記利用者の従事する医療に係る属性を示す医療属性情報を取得する医療属性情報取得手段と、前記医用文書データの情報を当該医用文書データを利用した前記利用者の従事する医療に係る属性と対応付けて記憶する文書情報記憶手段から、前記医療属性情報取得手段で取得した前記医療属性情報に基づいて、前記医療属性情報の示す属性と同一の属性又は所定関係を有する属性に対応する前記医用文書データの情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記利用を希望する利用者について推奨される前記医用文書データを推奨する医用文書推奨手段と、を備える。
【0009】
ここで、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。
【0010】
また、医用文書は、医療、歯科医療に係る医用文書であり、例えば、治療内容を説明するための治療説明書、手術の内容を説明するための手術説明書等の医療説明書、治療内容に対する患者からの同意を得るための治療同意書、手術の内容に対する患者からの同意を得るための手術同意書等の医療同意書、診断書、証明書などが該当する。
【0011】
また、医用文書データは、医用文書のテンプレートのデータであり、例えば、住所・氏名等の要記入部分が空白となっているデータである。
また、医用文書データの情報を当該医用文書データを利用した利用者の従事する医療に係る属性と対応付けて記憶することとしては、例えば、(1)医用文書データの情報及び医療に係る属性を同一のレコードに登録するなど直接対応づけて記憶すること、(2)医用文書データの情報及び中間情報を対応づけて登録するテーブルと、医療に係る属性及び中間情報を対応づけて登録するテーブルを設けるなど、中間に1又は複数の情報を介して記憶することが含まれる。すなわち、医療に係る属性から医用文書データの情報を辿ることができる態様であれば、あらゆるデータ構造を採用することができる。
【0012】
〔発明2〕 さらに、発明2の医用文書提供支援システムは、発明1の医用文書提供支援システムにおいて、前記医療に係る属性は、前記利用者の所属する医院の属性を含み、
前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の所属する医院の属性と同一の属性又は類似する属性を有する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0013】
ここで、利用度は、利用回数、利用頻度、利用している医院数などが含まれる。以下の発明において同じである。
〔発明3〕 さらに、発明3の医用文書提供支援システムは、発明2の医用文書提供支援システムにおいて、前記医院の属性は、前記利用者の所属する医院の所在する地域を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の所属する医院の所在する地域と同一又は近隣の地域の医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0014】
〔発明4〕 さらに、発明4の医用文書提供支援システムは、発明2又は3の医用文書提供支援システムにおいて、前記医院の属性は、前記利用者の所属する医院の職員の知識水準を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の所属する医院の職員の知識水準と同一又は近い知識水準の職員の所属する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0015】
〔発明5〕 さらに、発明5の医用文書提供支援システムは、発明1乃至4のいずれか1の医用文書提供支援システムにおいて、前記医療に係る属性は、前記利用者の所属する医院が取り扱う患者の属性を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の所属する医院が取り扱う患者の属性と同一又は類似する属性の患者を取り扱う医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0016】
〔発明6〕 さらに、発明6の医用文書提供支援システムは、発明5の医用文書提供支援システムにおいて、前記患者の属性は、前記利用者の所属する医院で取り扱う患者の医療に対する知識水準を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の所属する医院で取り扱う患者の前記知識水準と同一又は近い知識水準の患者を取り扱う医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0017】
〔発明7〕 さらに、発明7の医用文書提供支援システムは、発明1乃至6のいずれか1の医用文書提供支援システムにおいて、前記医療に係る属性は、前記利用者の従事する医療に係る医用文書の属性を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の従事する医療に係る医用文書の属性と同一の属性又は類似する属性が所定条件を満足する医用文書データを推奨する。
【0018】
〔発明8〕 さらに、発明8の医用文書提供支援システムは、発明7の医用文書提供支援システムにおいて、前記医用文書の属性は、前記医用文書データを利用したときの利用者と患者との間のトラブル発生件数を含み、前記医用文書推奨手段は、前記トラブル発生件数が所定件数以下の医用文書データを推奨する。
【0019】
〔発明9〕 さらに、発明9の医用文書提供支援システムは、発明7又は8の医用文書提供支援システムにおいて、前記医用文書の属性は、前記医用文書データを利用したときの患者の満足度を含み、前記医用文書推奨手段は、前記患者の満足度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0020】
〔発明10〕 さらに、発明10の医用文書提供支援システムは、発明1乃至9のいずれか1の医用文書提供支援システムにおいて、前記医療に係る属性は、前記利用者の従事する医療に係る治療内容の属性を含み、前記医用文書推奨手段は、前記利用を希望する利用者の従事する医療に係る治療内容の属性と同一又は類似した属性に対しての利用度が第5所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0021】
〔発明11〕 さらに、発明11の医用文書提供支援システムは、発明10の医用文書提供支援システムにおいて、前記治療内容の属性は、前記利用者の従事する医療に係る治療による患者の出血量を含み、前記医用文書推奨手段は、前記出血量が同一又は近い出血量の治療内容に対しての利用度が前記第5所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0022】
〔発明12〕 さらに、発明12の医用文書提供支援システムは、発明1乃至11のいずれか1の医用文書提供支援システムにおいて、前記医用文書データを利用する複数の利用者の各々の管理下にある複数の利用者端末と、前記医用文書データを作成する複数の文書作成者の各々の管理下にある複数の文書作成者端末とに通信可能に接続され、前記文書作成者端末からの登録要求に応じて、前記文書作成者が作成した前記医用文書データを医用文書データ記憶手段に登録する医用文書データ登録手段と、前記利用者端末からの前記医用文書データの利用要求に応じて、前記医用文書データ記憶手段に登録された前記医用文書データのうち要求された前記医用文書データを要求元の前記利用者端末に送信する医用文書データ送信手段と、を備え、前記医用文書推奨手段は、前記利用者端末に対して、前記利用を希望する利用者について推奨される前記医用文書データを推奨する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、発明1の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の従事する医療に係る医療属性情報を取得することで、取得した医療属性情報と同一の属性又は所定関係を有する属性の医用文書データの情報に基づいて、利用を希望する利用者について推奨される医用文書データを当該利用者に推奨することができる。これにより、当該利用者の従事する医療に係る属性に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0024】
また、発明2の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の所属する医院の属性と同一の属性又は類似する属性を有する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨することができる。これにより、当該利用者の所属する医院の属性に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0025】
また、発明3の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の所属する医院の所在する地域又はその近隣の地域に所在する医院での利用度が高い医用文書データを推奨することができる。これにより、当該利用者の所属する医院の所在する地域に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0026】
また、発明4の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の所属する医院の職員の知識水準に適した医用文書データを推奨することができる。
また、発明5の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の所属する医院が取り扱う患者の属性に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0027】
また、発明6の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の所属する医院で取り扱う患者の医療に対する知識水準に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、発明7の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の従事する医療に係る医療文書の属性に適合した医用文章データを推奨することができる。
【0028】
また、発明8の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データを利用したときの利用者と患者との間のトラブル発生件数が少ない医用文書データを推奨することができる。
また、発明9の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データを利用したときの患者の満足度が高い医用文書データを推奨することができる。
【0029】
また、発明10の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者の従事する医療に係る治療内容の属性に適した医用文書データを推奨することができる。
また、発明11の医用文書提供支援システムによれば、治療による出血量に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0030】
また、発明12の医用文書提供支援システムによれば、医用文書データの利用を希望する利用者は文書作成者の作成した医用文書データを利用できるとともに、上記発明1乃至11のいずれか1と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図2】医用文書提供サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルを示す図である。
図4】(a)~(d)は、利用者管理テーブル400、作成者管理テーブル410、医用文書管理テーブル420及び医用画像管理テーブル430のデータ構造を示す図である。
図5】医院属性管理テーブル440のデータ構造を示す図である。
図6】患者属性管理テーブル450のデータ構造を示す図である。
図7】文書属性管理テーブル460のデータ構造を示す図である。
図8】(a)及び(b)は、治療属性管理テーブル470及び分配管理テーブル480のデータ構造を示す図である。
図9】医用データ登録受付処理を示すフローチャートである。
図10】医用データ登録処理を示すフローチャートである。
図11】医用データ提供処理を示すフローチャートである。
図12】医用文書データ推奨検索処理を示すフローチャートである。
図13】医用データ登録要求処理を示すフローチャートである。
図14】利用料金分配処理を示すフローチャートである。
図15】医用データ利用設定処理を示すフローチャートである。
図16】医用文書データ推奨検索要求処理を示すフローチャートである。
図17】医用データ利用処理を示すフローチャートである。
図18】(a)は、文書作成者Aが作成した治療契約同意書(a)の一例を示す図であり、(b)は、文書作成者Bが治療契約同意書(a)を加工して作成した治療同意書(b)の一例を示す図である。
図19】(a)は、歯科医院における治療契約同意書一覧の表示画面の一例を示す図であり、(b)は、インプラントのメニューを選択した場合の治療契約同意書一覧の表示画面の一例を示す図である。
図20】推奨検索条件入力画面の一例を示す図である。
図21】推奨文書一覧画面の一例を示す図である。
図22】(a)は、インプラント治療契約同意書の治療説明部分のページの一例を示す図であり、(b)は、治療に関する同意書部分のページの一例を示す図である。
図23】(a)及び(b)は、タブレットを用いて同意書に電子サインを行う一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔構成〕
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図23は、本実施の形態を示す図である。
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
インターネット199には、図1に示すように、医用文書提供サービスを提供する企業(運営者)の管理下にある医用文書提供サーバ100と、医用文書の利用者ごとに設置された利用者端末200とが接続されている。加えて、医用文書データの作成者ごと且つ医用画像データの作成者ごとに設置された作成者端末210が接続されている。
【0033】
ここで、医用文書データとは、医療説明書や医療同意書などの医用文書のデータであり、医用画像データとは、医用文書データの作成に用いられる静止画像や動画像などの画像データである。
本実施の形態において、医用文書提供サービスは、医用文書データの作成者である文書作成者及び医用画像データの作成者である画像作成者からの作成者端末210を介した登録要求に応じて医用文書データ及び医用画像データの医用文書提供サーバ100への登録を行うサービスを含む。加えて、作成者端末210からの各種要求に応じて、登録された医用画像データの一覧情報を要求元の作成者端末210に送信するサービス、一覧から選択された医用画像データの詳細情報を要求元の作成者端末210に送信するサービスを含む。さらに、作成者端末210からの利用要求に応じて、選択された医用画像データを要求元の作成者端末210に提供(送信)するサービスを含む。
【0034】
医用文書提供サービスは、さらに、利用者端末200からの各種要求に応じて、登録された医用文書データの一覧情報を要求元の利用者端末200に送信するサービス、一覧から選択された医用文書データの詳細情報を要求元の利用者端末200に送信するサービスを含む。さらに、利用者端末200からの利用要求に応じて、選択された医用文書データを要求元の利用者端末200に提供(送信)するサービスを含む。
【0035】
医用文書提供サービスは、さらに、医用文書データの利用を希望する利用者(以下、「利用希望者」と称す)の従事する医療に係る属性に基づいて、利用希望者について推奨される医用文書データを推奨する、医療文書データの提供を支援するサービスを含む。
〔医用文書提供サーバ100のハードウェア構成〕
次に、医用文書提供サーバ100のハードウェア構成を説明する。
【0036】
図2は、医用文書提供サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
医用文書提供サーバ100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(interface)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。なお、I/F38には、ネットワークアダプタの機能も含まれている。
【0037】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44と、インターネット199に接続するための信号線(図示略)とが接続されている。
【0038】
〔利用者端末200のハードウェア構成〕
利用者端末200は、例えば、上記医用文書提供サーバ100のような据え置き型を想定した端末、または、スマートフォン、タブレットなどの携帯型の端末から構成されている。利用者端末200のハードウェア構成は、図示省略するが、CPUと、医用文書提供サービスを利用するためのアプリケーションソフトなどのプログラムやプログラムを実行するためのデータ等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、付属の各種装置に対してデータの入出力を媒介するI/Fとで構成されている。これらは、データを転送するための信号線で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0039】
据え置き型の端末から構成されている場合、他の構成については、上記医用文書提供サーバ100と同様となる。
一方、携帯型の端末から構成されている場合、I/Fには、付属の各種装置として、データ入力が可能で且つ画像信号に基づいて画像を表示可能なタッチパネル式の表示入力装置、記憶装置、無線通信装置、ビデオカメラ等の撮像装置が接続されている。
【0040】
〔作成者端末210のハードウェア構成〕
作成者端末210は、上記医用文書提供サーバ100のような据え置き型を想定した端末、または上記利用者端末200のようなスマートフォンやタブレットなどの携帯型の端末から構成されている。
〔各種管理テーブルについて〕
次に、記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルについて説明する。
【0041】
図3は、記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルを示す図である。
記憶装置42は、図3に示すように、利用者情報を管理する利用者管理テーブル400と、作成者情報を管理する作成者管理テーブル410と、登録された医用文書データを管理する医用文書管理テーブル420と、登録された医用画像データを管理する医用画像管理テーブル430とを記憶している。加えて、医院属性情報を管理する医院属性管理テーブル440と、患者属性情報を管理する患者属性管理テーブル450と、文書属性情報を管理する文書属性管理テーブル460と、治療属性情報を管理する治療属性管理テーブル470と、医用文書データの利用料金の分配情報を管理する分配管理テーブル480とを記憶している。
【0042】
図4(a)~(d)は、利用者管理テーブル400、作成者管理テーブル410、医用文書管理テーブル420及び医用画像管理テーブル430のデータ構造を示す図である。
利用者管理テーブル400には、図4(a)に示すように、利用者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、利用者ID、医院ID、利用者名、メールアドレス、ログインパスワード、利用者情報の作成日(登録日)、利用者情報の更新日、決済情報、その他の情報が登録されている。ここで、利用者IDは、登録された利用者を識別するためのユニークなIDであり、ログインパスワードは、医用文書提供サーバ100の提供する利用者専用のページにアクセスするためのパスワードである。また、医院IDは、利用者IDに対応する利用者が所属する医院を識別するためのユニークなIDである。また、決済情報は、利用料金を決済するための情報であり、例えば、クレジットカードの情報などが該当する。
【0043】
作成者管理テーブル410には、図4(b)に示すように、医用文書データや医用画像データの作成者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、作成者ID、作成者名、メールアドレス、ログインパスワード、作成者情報の登録日、作成者情報の更新日、決済情報、その他の情報が登録されている。ここで、作成者IDは、登録された作成者を識別するためのユニークなIDであり、ログインパスワードは、医用文書提供サーバ100の提供する作成者専用のページにアクセスするためのパスワードである。また、決済情報は、例えば、利用料金の分配金の振込先の口座情報である。
【0044】
医用文書管理テーブル420には、図4(c)に示すように、医用文書データごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、作成者ID、文書ID、医院ID、医院別利用回数、患者ID、治療ID、治療別利用回数、属性更新日、文書種類、文書の登録日、文書の更新日、文書利用フラグ、作成元文書作成者ID、作成元文書ID、画像利用フラグ、作成元画像作成者ID、作成元画像ID、分配情報、その他の情報が登録されている。
【0045】
ここで、文書IDは、登録された医用文書データを識別するためのユニークなIDである。また、医院IDは、文書IDに対応する医用文書データを利用した利用者が所属する医院のIDである。この医院IDは、利用者管理テーブル400に登録されるものと同様であり、文書IDに対応する医用文書が新たな医院に所属する利用者に利用されるごとに該当する医院の医院IDが医用文書管理テーブル420に追加される。即ち、新規の医院IDに対応する医院属性情報が対応付けられる。また、医院別利用回数は、医院IDごとの医用文書の利用回数である。即ち、同じ医院IDに所属する利用者に利用されるごとに該当する医院IDに対応する医院別利用回数が更新される(利用回数分加算される)。なお、医院別利用回数には、各利用日の情報を含むようにしてもよい。
【0046】
また、患者IDは、患者を識別するためのユニークなIDであり、登録された医院IDに対応する医院で取り扱っている患者の患者IDが登録される。新たな医院IDが追加されるごとに該当する患者IDが医用文書管理テーブル420に追加される。また、治療IDは、出血量、縫合針数、麻酔種類などの具体的な治療内容ごとにユニークなIDであり、利用者が文書IDに対応する医用文書を利用した診療項目ごとに具体的な治療内容に対応する治療IDが登録される。また、医用文書が利用されるごとに該当する治療内容の治療IDが医用文書管理テーブル420に追加される。また、治療別利用回数は、治療IDごとの医用文書の利用回数である。即ち、同じ治療IDの治療内容に利用されるごとに該当する治療IDに対応する治療別利用回数が更新される(利用回数分加算される)。治療別利用回数には、各利用日の情報を含むようにしてもよい。
【0047】
また、文書種類は、例えば治療説明書、同意書、治療契約同意書等の文書の種類に加えて、例えば、治療説明書及び治療契約同意書等の診療項目が特定される文書の場合は、歯科医療であればインプラント、ホワイトニング、抜歯等の診療項目を含む。また、文書利用フラグは、他者の作成した医用文書データを利用しているか否かを示すフラグであり、例えば、「1」が利用している状態を示し、「0」が利用していない状態を示すフラグである。また、作成元文書作成者ID及び作成元文書IDは、他者の作成した医用文書データを利用している場合のその作成者ID及び文書IDである。また、画像利用フラグは、他者の作成した医用画像データを利用しているか否かを示すフラグであり、例えば、「1」が利用している状態を示し、「0」が利用していない状態を示すフラグである。また、作成元画像作成者ID及び作成元画像IDは、他者の作成した医用画像データを利用している場合のその作成者ID及び画像IDである。また、利用料金は、医用文書データの利用料金の情報である。例えば、1回の利用料金や無期限の利用料金などの情報となる。
【0048】
また、分配情報は、医用文書データが利用されたときの、運営者と作成者とで利用料金を分配する際のそれぞれの分配率を示す情報である。例えば、文書利用フラグが「1」で且つ画像利用フラグが「0」のときの分配情報は、運営者と、該当の医用文書データの文書作成者Aと、作成元の医用文書データの文書作成者Bとで利用料金を分配した場合のそれぞれの分配率を示す情報となる。また、例えば、文書利用フラグ及び画像利用フラグが共に「1」のときの分配情報は、例えば、運営者と、該当の医用文書データの作成者Aと、作成元の医用文書データの文書作成者Bと、作成元の医用画像データの画像作成者Cとで利用料金を分配した場合のそれぞれの分配率を示す情報となる。
【0049】
即ち、医用文書データは、他者の作成した医用文書データに加えて、他者の作成した医用画像データを利用して新たな医用文書データが作成される場合がある。この場合、新たな医用文書データの利用料金は、決済完了後に、その作成者と、作成元の医用文書の作成者と、作成元の医用画像の作成者と、運営者とで分配することになる。
【0050】
医用画像管理テーブル430には、図4(d)に示すように、医用画像データごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、作成者ID、画像ID、画像種類、画像の登録日、画像の更新日、利用フラグ、作成元画像作成者ID、作成元画像ID、その他の情報が登録されている。ここで、画像IDは、登録された医用画像データを識別するためのユニークなIDである。また、画像種類は、例えば治療説明書、同意書、治療契約同意書等の適用対象の文書種類に加えて、例えば、歯科医療であればインプラント、ホワイトニング、抜歯等の診療項目を含む。
【0051】
図5は、医院属性管理テーブル440のデータ構造を示す図である。
医院属性管理テーブル440には、図5に示すように、医院ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、医院を識別するための医院IDを登録するフィールド442と、医院名を登録するフィールド443と、医院の所在地を登録するフィールド444と、医院に所属する職員の規模を登録するフィールド445と、医院の取り扱う患者の規模を登録するフィールド446と、医院に所属する職員の知識水準を登録するフィールド447と、医院の事業年数を登録するフィールド448と、他の情報を登録するフィールドとを含んで構成されている。
【0052】
即ち、医用文書データを利用する利用者の従事する医療に係る属性の1つとして、利用者の所属する医院の属性があり、医院属性管理テーブル440には、医院の属性として、医院の所在地、医院に所属する職員の規模、医院の取り扱う患者の規模、医院に所属する職員の医療に対する知識水準(以下、単に「職員の知識水準」と称す)、及び医院の事業年数が登録されている。医院属性の他の情報としては、例えば、医院の提供する診療項目数、診療項目ごとの事業年数の情報等を登録してもよい。
【0053】
なお、職員の知識水準は、職員の学歴、医療経験、試験結果などをスコア化し、例えば、100点満点でスコアが高いほど知識水準が高いと評価し、40点以下を「C」、41点以上80点未満を「B」、80点以上を「A」として、A,B、Cの3段階で評価する。フィールド447には、医院に所属する職員の平均スコア(平均点)から決定した知識水準が登録されている。
【0054】
図5の例では、第1行目のレコードには、医院IDとして「0001」が、医院名として「A歯科医院」が、所在地として「東京都港区」が、職員の規模として「12人」が、患者の規模として1日の患者の来院数「27人/日」が、職員の知識水準として「A」が、事業年数として「45年」が登録されている。
【0055】
図6は、患者属性管理テーブル450のデータ構造を示す図である。
患者属性管理テーブル450には、図6に示すように、患者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、患者を識別するための患者IDを登録するフィールド452と、患者が通院している医院を識別するための医院IDを登録するフィールド453と、患者名を登録するフィールド454と、患者の年齢を登録するフィールド455と、患者の性別を登録するフィールド456と、患者の知識水準を登録するフィールド457と、患者の来院頻度を登録するフィールド458と、患者の診療項目数を登録するフィールド459と、他の情報を登録するフィールドとを含んで構成されている。
【0056】
即ち、利用者の従事する医療に係る属性の1つとして、利用者の所属する医院で取り扱っている患者の属性があり、患者属性管理テーブル450には、患者の属性として、患者の年齢、患者の性別、患者の医療に対する知識水準(以下、単に「患者の知識水準」と称す)、患者の来院頻度、患者の診療項目数、他の情報が登録されている。患者属性の他の情報としては、例えば、患者の血液型、身長、体重等の身体的情報、患者の診療費用(診療項目ごとの合計診療費用、これまでの総診療費用等)の情報、患者の出身地(出身国も含む)の情報等を登録してもよい。
【0057】
なお、患者の知識水準は、例えば、患者に対して、医療に対する知識水準を問うアンケートを行ったり、問診等の際に知識の確認を行ったりして、それらの結果に基づいて知識水準をスコア化する。上記医院の職員の知識水準と同様に、例えば、100点満点でスコアが高いほど知識水準が高いと評価し、40点以下を「C」、41点以上80点未満を「B」、80点以上を「A」として、A,B、Cの3段階で評価する。
【0058】
また、来院頻度は、月の来院日数に限らず、1週間の来院日数や年間の来院日数を登録してもよい。また、他にも診療項目ごとの来院日数、これまでの総来院日数など他の日数を登録してもよい。また、診療項目数は、これまでに受診した診療項目の合計を登録してもよいし、現在治療中の診療項目数を登録してもよい。
【0059】
図6の例では、第1行目のレコードには、患者IDとして「0001」が、医院IDとして「0001」が、患者名として「患者a」が、年齢として「46」が、性別として「男」が、患者の知識水準として「A」が、来院頻度として「4日/月」が、診察項目数として「1」が登録されている。
【0060】
図7は、文書属性管理テーブルのデータ構造を示す図である。
文書属性管理テーブル460には、図7に示すように、医用文書を識別するための文書IDを登録するフィールド462と、医用文書を利用した場合の利用者と患者との間で発生したトラブル発生件数を登録するフィールド463と、医用文書を利用した患者の満足度を登録するフィールド464と、医用文書を利用した利用者の満足度を登録するフィールド465と、医用文書が利用者に利用された回数である文書利用回数を登録するフィールド465と、他の情報を登録するフィールドとを含んで構成されている。
【0061】
即ち、利用者の従事する医療に係る属性の1つとして、利用者の従事する医療に係る医用文書の属性があり、文書属性管理テーブル460には、医用文書の属性として、トラブル発生件数、患者の満足度(平均値)、職員の満足度(平均値)、文書利用回数、他の情報が登録されている。文書属性の他の情報としては、例えば、文書利用年数、文書更新回数等の情報を登録してもよい。
【0062】
図7の例では、第1行目のレコードには、文書IDとして「0001」が、トラブル発生件数として「0」が、患者の満足度として「80点」が、職員の満足度として「70点」が、文書利用回数として「23回」が登録されている。
図8(a)及び(b)は、治療属性管理テーブル470及び分配管理テーブル480のデータ構造を示す図である。
【0063】
治療属性管理テーブル470には、図8(a)に示すように、具体的な治療内容を識別するための治療IDを登録するフィールド472と、例えばインプラント、抜歯等の診療項目を識別するための診療項目IDを登録するフィールド473と、治療による出血量の程度を登録するためのフィールド474と、治療による縫合針数を登録するフィールド475と、治療で使用する麻酔の種類を登録するフィールド476と、他の情報を登録するフィールドとを含んで構成されている。
【0064】
即ち、利用希望者の従事する医療に係る属性の1つとして、利用希望者の従事する医療に係る具体的な治療内容の属性があり、治療属性管理テーブル470には、具体的な治療内容の属性として、出血量、縫合針数、麻酔種類、他の情報が登録されている。治療属性の他の情報としては、例えば、治療痕が残るか否か、後遺症の有無等の情報を登録してもよい。
【0065】
図8(a)の例では、第1行目のレコードには、治療IDとして「0001」が、診療項目IDとして「0001」が、出血量として「無し」が、縫合針数として「0」が、麻酔種類として「無し」が登録されている。ここで、出血量の程度としては、出血無しを示す「無し」、出血量が少ないことを示す「少」、出血量が普通を示す「普通」、出血量が多いことを示す「多」のいずれか1つが登録される。また、麻酔種類としては治療に麻酔を用いないことを示す「無し」、治療に局部麻酔を用いることを示す「局部」、治療に全身麻酔を用いることを示す「全身」が登録される。
【0066】
分配管理テーブル480には、図8(b)に示すように、医用文書データを利用した利用者IDごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、利用者ID、文書ID、利用料金、作成者ID、作成元文書作成者ID、作成元画像作成者ID、利用日、分配情報、決済情報、その他の情報が登録されている。
【0067】
上記文書IDは、利用登録した医用文書データのIDであり、上記利用料金合計は、利用登録した医用文書データの利用料金の合計額の情報であり、料金体系は、月額固定などの利用料金の料金体系を示す情報である。ここで、利用料金合計は、例えば、利用する医用文書の数(自己のアカウント(利用者ID)に利用登録した医用文書の数)や、診療に実際に使用した医用文書の数に基づいて算出する。また、料金体系としては、例えば、文書数10までは月額5,000円、文書数20までは月額10,000円といったように、利用登録する文書数に応じた月額固定の料金体系としてもよい。この場合に、利用料金を支払った月は登録した医用文書を何度でも利用できるようにしもよい。また、月額固定に限らず年額固定など他の一定期間固定額としてもよい。また、登録数に応じた固定額とせずに、例えば、1文書1週間2、000円などの期間限定で何度でも利用できる料金体系としてもよい。また、例えば、利用1回ごとに1,000円等として利用回数に応じて加算していく料金体系としてもよい。この場合は、利用回数(プリントアウト回数、電子署名回数など)をカウントして、その回数で利用料金の計算を行う。また、例えば、1文書30,000円などの利用料金として無期限で利用可能とする料金体系としてもよい。
【0068】
〔医用文書提供サーバ100の機能について〕
次に、医用文書提供サーバ100の機能について説明する。
医用文書提供サーバ100は、CPU30において、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを実行することで実現される機能として、以下の機能を有している。
【0069】
医用文書提供サーバ100は、インターネット199を介して受信した利用者端末200からの利用者情報を、記憶装置42の作成者管理テーブル410に登録する機能を有している。加えて、インターネット199を介して受信した利用者端末200からの医用文書の一覧や詳細の表示要求に応じて、要求元の利用者端末200に要求に応じた表示情報を送信する機能を有している。さらに、インターネット199を介して受信した利用者端末200からの医用文書データの利用要求に応じて、要求元の利用者端末200に対して要求に応じた医用文書データを送信する機能を有している。
【0070】
医用文書提供サーバ100は、さらに、インターネット199を介して受信した作成者端末210からの作成者情報を、記憶装置42の作成者管理テーブル410に登録する機能を有している。加えて、インターネット199を介して受信した作成者端末210からの医用文書データ及び医用画像データの登録要求に応じて、受信した医用文書データ及び医用画像データを、記憶装置42の医用文書ライブラリ及び医用画像ライブラリに登録する機能を有している。さらに、これら医用文書データ及び医用画像データの管理情報を、医用文書管理テーブル420及び医用画像管理テーブル430に登録する機能を有している。なおさらに、インターネット199を介して受信した作成者端末210からの医用文書及び医用画像の一覧や詳細の表示要求に応じて、要求元の作成者端末210に要求に応じた表示情報を送信する機能を有している。さらにまた、インターネット199を介して受信した作成者端末210からの医用文書データ及び医用画像データの少なくとも一方の利用要求に応じて、要求元の作成者端末210に対して要求に応じた医用文書データ及び医用画像データの少なくとも一方を送信する機能を有している。
【0071】
医用文書提供サーバ100は、さらに、医用文書データの利用者に利用料金を課金する機能、決済された利用料金を運営者と作成者とで分配する機能等を有している。
医用文書提供サーバ100は、さらに、医用文書データの利用を希望する利用者(利用希望者)の利用者端末200からの推奨文書検索機能の利用要求に応じて、利用希望者の従事する医療に係る属性に基づいて、登録された医用文書データのうちから、利用希望者に推奨される医用文書データを推奨する機能を有している。
【0072】
ここで、医用文書のなかでも特に治療説明書や同意書は、患者から訴えられたときに自己を防衛するための書証として残しておく意義があるが、最も重要なことは、日常業務において患者とのトラブルを防止することや、医療に対する理解を深め医業に対する信頼向上につなげることである。この意義からすれば、患者の知識に応じて必要な説明事項や同意事項が変わってくる。医療に詳しい患者であれば少ない説明事項及び同意事項であってもトラブルになりにくいし、逆に医療に疎い患者であれば説明事項及び同意事項を増やさないとトラブルになりやすい。
【0073】
したがって、利用希望者の所属する医院が事業を行っている地域、同医院が取り扱っている患者の規模(人数)、同医院が取り扱っている患者の知識水準、同医院の規模(職員数)などの利用希望者の従事する医療に係る属性(医療属性)によって利用すべき治療説明書や同意書が変わってくる。本実施の形態の推奨機能は、このような観点から、利用希望者にとって推奨される医用文書データを推奨する機能となっている。
【0074】
〔利用者端末200の機能について〕
次に、利用者端末200の機能について説明する。
利用者端末200は、CPUにおいて、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラム(アプリケーションソフト)を実行することで実現される機能として、以下に示す機能を有している。
【0075】
具体的に、利用者端末200は、医用文書提供サービス用のアプリケーションプログラムを実行することで、このサービスを利用するためのWebアプリケーションを起動し、医用文書提供サービスの提供する各種利用者用のサービスを利用する機能を有している。
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100の提供する利用者登録用のWebページ(以下、「利用者登録ページ」と称す)において、入力装置を介した利用者の操作入力に応じて、利用者情報を入力する処理を行う機能を有している。加えて、入力された各情報を医用文書提供サーバ100に送信する機能を有している。
【0076】
利用者端末200は、さらに、利用者情報を登録後に、医用文書提供サーバ100の提供するログインページにて、入力装置を介して入力された、予め利用者情報として登録されたメールアドレスとログインパスワードとに基づいて、登録された利用者専用のWebページである利用者ページへのログイン処理を行う機能を有している。これにより、登録された利用者は、利用者ページを介して各種サービスを利用できるようになっている。ここで利用者は、例えば、歯科医師等の医療従事者である。
【0077】
ここで、医用文書提供サービスでは、医用文書提供サーバ100に登録された各種医用文書の医用文書データを、予め設定された利用料金を支払うことで利用することができるようになっている。
利用者端末200は、さらに、利用者ページにおいて、入力装置を介した利用者の操作入力に応じて、上記各種情報の表示要求や、医用文書データの利用要求等を医用文書提供サーバ100に送信する機能を有している。また、送信した各種要求に応じて受信した、医用文書提供サーバ100からの各種情報を表示装置に表示したり、記憶装置に記憶したりする機能を有している。
【0078】
なお、本実施の形態では、利用者端末200で医用文書データを利用する際に、専用のアプリケーションソフトを用いる必要がある。かかるアプリケーションソフトは、利用者ページを提供するアプリケーションソフトと同じソフトであってもよいし、異なるソフトであってもよい。利用者は、このアプリケーションソフトを起動して表示されるログイン画面において、登録したログイン情報でログインすることで、利用許可を得た(例えば利用登録された)医用文書データの利用が可能となる。かかるアプリケーションソフトは、利用期限や利用回数の管理を行う機能、医療同意書等の利用において、電子署名等の電子サインを行う機能等を有している。
【0079】
〔作成者端末210の機能について〕
次に、作成者端末210の機能について説明する。
作成者端末210は、CPUにおいて、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを実行することで実現される機能として、以下に示す機能を有している。
具体的に、作成者端末210は、医用文書提供サービス用のアプリケーションプログラムを実行することで、このサービスを利用するためのWebアプリケーションを起動し、医用文書提供サービスの提供する各種作成者用のサービスを利用する機能を有している。
【0080】
作成者端末210は、医用文書提供サーバ100の提供する作成者登録用のWebページ(以下、「作成者登録ページ」と称す)において、入力装置を介した作成者の操作入力に応じて、作成者情報を入力する処理を行う機能を有している。加えて、入力された各情報を医用文書提供サーバ100に送信する機能を有している。
【0081】
作成者端末210は、さらに、作成者情報を登録後に、医用文書提供サーバ100の提供するログインページにて、入力装置を介して入力された、予め作成者情報として登録されたメールアドレスとログインパスワードとに基づいて、登録された作成者専用のWebページである作成者ページへのログイン処理を行う機能を有している。これにより、作成者ページにて各種サービスを利用できるようになっている。
【0082】
作成者端末210は、さらに、作成者ページにおいて、入力装置を介した利用者の操作入力に応じて、医用文書データの作成及び編集、医用画像データの作成及び編集、作成した医用文書データ及び医用画像データの医用文書提供サーバ100への登録、医用文書提供サーバ100に登録された医用文書データ及び医用画像データの取得等の各種処理を行う機能を有している。
【0083】
なお、本実施の形態では、作成者端末210にて、医用文書データ及び医用画像データの作成及び編集をする際に、他者の作成した医用文書データ及び医用画像データを利用することができるようになっている。即ち、他者の作成した医用文書データ及び医用画像データを加工して、新たな医用文書データを作成することができる。他者の医用文書データを利用する場合、例えば、無期限利用の利用料金を支払った医用文書データ、別途加工用の利用料金を支払った医用文書データ、加工許可が得られた医用文書データのみ利用可能とする。
【0084】
以下、医用文書データ及び医用画像データを区別しない場合に、単に「医用データ」と略称する場合がある。
〔医用データ登録受付処理〕
次に、医用文書提供サーバ100で実行される医用データ登録受付処理の処理手順について説明する。
図9は、医用データ登録受付処理を示すフローチャートである。
【0085】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図9のフローチャートに示す医用データ登録受付処理を実行する。
医用データ登録受付処理は、CPU30において実行されると、図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0086】
ステップS100では、作成者端末210からの登録要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、本実施の形態においては、登録要求に、作成者の情報(作成者ID)等を含む登録用情報が含まれている。登録用情報は、例えば、登録用パスワードなどセキュリティを考慮した情報を含んでいてもよい。
【0087】
ステップS102に移行した場合は、受信した登録要求に含まれる登録用情報を照合して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、ステップS102の照合結果に基づき、登録用情報が照合されたか否かを判定する。そして、照合されたと判定した場合(YES)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、登録不許可を示す不許可情報を登録要求の送信元の作成者端末210に送信して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0088】
ステップS106に移行した場合は、登録許可を示す登録許可情報を登録要求の送信元の作成者端末210に送信して、ステップS108に移行する。
ステップS108では、登録許可情報の送信先の作成者端末210からの医用文書データ又は医用画像データを受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS110に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
【0089】
本実施の形態において、作成者端末210から送信される医用文書データ及び医用画像データには、作成者ID等の作成者の情報に加えて、分配情報等の設定情報が付加されている。
ステップS110に移行した場合は、受信した医用文書データ又は医用画像データの登録処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0090】
〔医用データ登録処理〕
次に、医用文書提供サーバ100で実行される医用データ登録処理の処理手順について説明する。
図10は、医用データ登録処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図10のフローチャートに示す医用データ登録処理を実行する。
【0091】
医用データ登録処理は、CPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS120に移行する。
ステップS120では、登録対象の医用文書データ又は医用画像データに、作成元の医用文書データ又は医用画像データの作成者情報が埋め込まれているか否かを判定する。そして、埋め込まれていると判定した場合(YES)は、ステップS122に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS132に移行する。
【0092】
ここで、作成者情報は、例えば、公知の電子透かしの技術を用いて埋め込まれている。
ステップS122に移行した場合は、登録対象の医用データが医用文書データであるか否かを判定し、医用文書データであると判定した場合(YES)は、ステップS124に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS126に移行する。
【0093】
ステップS124では、登録対象の医用データの分配情報を設定して、ステップS126に移行する。ここで、他者作成者の作成者情報が埋め込まれている場合、分配情報は、例えば、運営者の分配率が20%、作成者の分配率が70%、他者作成者の分配率が10%といった内容となる。
【0094】
ステップS126では、登録対象の医用データに、その作成者の作成者情報を追加で埋め込んで、ステップS128に移行する。
ステップS128では、作成者情報が追加で埋め込まれた医用文書データ又は医用画像データを記憶装置42の医用文書ライブラリ又は医用画像ライブラリに登録する。加えて、作成者情報が追加で埋め込まれた医用文書データ又は医用画像データの管理情報を記憶装置42の医用文書管理テーブル420又は医用画像管理テーブル430に登録する。その後、ステップS130に移行する。
【0095】
ステップS130では、登録完了通知を、登録要求の送信元の作成者端末210に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
一方、ステップS120において、他者の作成者情報が埋め込まれていないと判定されてステップS132に移行した場合は、受信した医用文書データ又は医用画像データにその作成者の作成者情報を埋め込んで、ステップS134に移行する。
【0096】
ステップS134では、登録対象の医用データが医用文書データであるか否かを判定し、医用文書データであると判定した場合(YES)は、ステップS136に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS138に移行する。
ステップS136に移行した場合は、登録対象の医用文書データの分配情報を設定して、ステップS138に移行する。ここで、他作成者情報が埋め込まれていない場合、分配情報は、例えば、運営者の分配率が20%、作成者の分配率が80%といった内容となる。
【0097】
一方、ステップS138に移行した場合は、作成者情報が埋め込まれた医用文書データ又は医用画像データを記憶装置42の医用文書ライブラリ又は医用画像ライブラリに登録する。加えて、作成者情報が埋め込まれた医用文書データ又は医用画像データの管理情報を記憶装置42の医用文書管理テーブル420又は医用画像管理テーブル430に登録する。その後、ステップS130に移行する。
【0098】
〔医用データ提供処理〕
次に、医用文書提供サーバ100で実行される医用データ提供処理の処理手順について説明する。
図11は、医用データ提供処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図11のフローチャートに示す医用データ提供処理を実行する。
【0099】
医用データ提供処理は、CPU30において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS140に移行する。
ステップS140では、医用文書一覧又は医用画像一覧の表示要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS141に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS142に移行する。
【0100】
ステップS141に移行した場合は、利用者端末200からの表示要求を受信した場合に、医用文書一覧情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する。一方、作成者端末210からの表示要求を受信した場合に、医用文書一覧又は医用画像一覧情報を、表示要求の送信元の作成者端末210に送信する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0101】
医用文書一覧情報は、ここでは、メインメニューで、医用文書の種類として、例えば「治療契約同意書」を選択後に、治療内容の一覧が表示され、治療内容を選択後に表示される一覧の情報である。例えば、歯科医療であれば、インプラント、抜歯などの治療内容を選択後に表示される一覧の情報であり、利用者端末200又は作成者端末210の表示装置には、この情報に基づいて、治療内容ごとに、複数の作成者が作成した「治療契約同意書」の一覧が表示される。
【0102】
同様に、医用画像一覧情報は、治療内容ごとに、複数の作成者が作成した「治療契約同意書」の作成に使用される医用画像の一覧の情報である。医用画像一覧として、作成者端末210の表示装置には、例えば、各画像のサムネイルの一覧が表示される。
ステップS142に移行した場合は、利用者端末200からの推奨検索要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS143に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS144に移行する。
【0103】
ステップS143に移行した場合は、推奨文書検索処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS142で推奨検索要求を受信せずにステップS144に移行した場合は、医用文書又は医用画像の詳細情報の表示要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS146に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS148に移行する。
【0104】
医用文書の詳細情報は、複数の作成者が作成した医用文書のうちから選択されたいずれか1の医用文書の詳細を表示するための情報である。この詳細情報では、医用文書の一部や全部の詳細を制限付きで表示できるようにする。制限としては、コピー、印刷、編集等ができないようにする制限、内容を確認できる程度に画質を落とす制限などがある。
【0105】
同様に医用画像の詳細情報は、制限付きで画像を拡大表示する情報である。制限としては、医用文書の詳細情報と同様となる。
ステップS146に移行した場合は、利用者端末200からの表示要求を受信した場合に、医用文書の詳細情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する。一方、作成者端末210からの表示要求を受信した場合に、医用文書又は医用画像の詳細情報を、表示要求の送信元の作成者端末210に送信する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0106】
ステップS144において表示要求を受信せずにステップS148に移行した場合は、利用者端末200からの医用文書の利用設定要求又は作成者端末210からの医用文書若しくは医用画像の利用設定要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS150に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS154に移行する。
【0107】
ステップS150に移行した場合は、利用設定要求にて指定された医用文書データについて決済処理を実行する。その後、ステップS152に移行する。なお、本実施の形態では、医用画像データの決済処理について料金の支払いが発生しないため、決済処理を行わずに、ステップS152に移行する。
【0108】
ここで、利用者端末200からの利用設定要求には、利用者ID、文書ID、利用する料金体系の情報、料金体系が回数制のものであれば回数の情報などが含まれている。また、作成者端末210からの利用設定要求には、作成者ID、文書ID又は画像ID、加工用の利用料金の情報などが含まれている。また、決済処理では、例えば、利用者管理テーブル400又は作成者管理テーブル410の決済情報に基づいて、指定された医用文書データの決済処理を行うための決済処理情報を、利用者端末200又は作成者端末210に送信する。決済処理情報は、例えば、請求金額や予め設定された利用者又は作成者のクレジットカードの情報などを含む決済画面を表示するための情報を含んでいる。
【0109】
また、決済処理は、利用する料金体系に応じて異なり、月額や年額を支払い済みの場合は、決済処理を行わずに、利用設定要求のあった医用文書データが、利用者ページに登録される。この場合、例えば、利用者管理テーブル400に、その他の情報として、料金体系、登録上限数及び登録数の情報を登録し、これらの情報に基づいて、登録上限数を超えていないかなどを管理する。一方、回数制や無期限購入などの場合は、利用者に対してその都度利用料金の課金が行われる。
【0110】
一方、作成者に対する決済処理は、他者の作成した医用文書データを加工するための利用料金の決済となる。医用文書の作成のための利用要求のあった医用文書データは、決済完了後に作成者ページに登録される。また、利用要求のあった医用画像データは、使用すること自体は無料であるため、決済を行わずに作成者ページに登録される。
【0111】
また、決済処理では、決済の完了した医用文書データに含まれる作成者情報に基づいて、医用文書管理テーブル420及び医用画像管理テーブル430から必要な情報を取得し、取得した情報に基づいて分配管理テーブル480に各種情報を登録する処理が行われる。
【0112】
ステップS152では、処理対象が医用文書データの場合は、決済が完了した医用文書データを利用者ページ又は作成者ページに登録し、処理対象が医用画像データの場合は、要求のあった医用画像データを作成者ページに登録して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0113】
これにより、利用者ページ又は作成者ページに登録された医用文書データは、利用者端末200又は作成者端末210において利用が可能となり、作成者ページに登録された医用画像データは、作成者端末210において利用が可能となる。即ち、印刷禁止などの制限のないデータのダウンロードが可能となる。
【0114】
なお、本実施の形態では、利用者と作成者とが同一の場合、利用者登録及び作成者登録の双方を行うことが可能であり、この場合、利用者ページと作成者ページとが連携して、例えば利用者ページに登録された無期限利用可能な医用文書データを作成者ページでも利用できるようになっている。
【0115】
また、ステップS148において利用設定要求を受信せずにステップS154に移行した場合は、利用者端末200からの医用文書の利用要求又は作成者端末210からの医用文書若しくは医用画像の利用要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS156に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0116】
ステップS156に移行した場合は、利用者端末200からの利用要求の場合は、利用登録された医用文書データのうち指定されたデータを、利用要求の送信元の利用者端末200に送信する。一方、作成者端末210からの利用要求の場合は、利用登録された医用文書データ及び医用画像データのうち指定されたデータを、利用要求の送信元の作成者端末210に送信する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0117】
〔推奨文書検索処理〕
次に、医用文書提供サーバ100で実行される推奨文書検索処理の処理手順について説明する。
図12は、推奨文書検索処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図12のフローチャートに示す推奨文書検索処理を実行する。
【0118】
推奨文書検索処理は、CPU30において実行されると、図12に示すように、まず、ステップS160に移行する。
ステップS160では、要求元の利用者端末200に対して、推奨検索条件入力画面情報を送信して、ステップS162に移行する。
ステップS162では、検索条件として、各種医療属性情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS164に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、医療属性情報を受信するまで判定処理を繰り返す。
【0119】
ステップS164に移行した場合は、選択された診療項目に対応する医用文書データのなかから、受信した各種医療属性情報に対応する医用文書データの情報(例えば、文書ID)を取得する。その後、ステップS166に移行する。
ここで、各種医療属性情報に対応する医用文書データの情報を取得するにあたって、医用文書管理テーブル420に登録された文書ID、医院ID、患者ID及び治療IDにそれぞれ対応する属性情報を、医院属性管理テーブル440、患者属性管理テーブル450、文書属性管理テーブル460及び治療属性管理テーブル470から取得し、これら取得した各種医療属性情報と受信した各種医療属性情報とに基づいて該当する医用文書データの情報を取得する。
【0120】
例えば、受信した各種医療属性情報と同一の属性情報を有する医用文書データの情報又は受信した各種医療属性情報と近い属性情報を有する医用文書データの情報を取得する。
ステップS166では、取得した情報に基づいて、利用希望者に推奨される医用文書データの一覧情報である推奨文書一覧情報を作成する。その後、ステップS168に移行する。
【0121】
ここで、本実施の形態では、各種医療属性情報に応じて複数の推奨条件を設定しており、例えば、医院の属性情報の場合、同一の属性情報又は近い属性情報を有する医院での利用度(利用回数、利用頻度、利用医院数)が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0122】
即ち、医用文書管理テーブル420に登録された医院ID及び医院別利用回数の情報に基づいて、同一の属性情報又は近い属性情報を有する医院の利用回数を合計した合計利用回数や、利用頻度を平均化した平均利用頻度等を算出し、算出した合計利用回数又は平均利用頻度等が所定値以上の医用文書データを推奨する。また、単純に、医用文書を利用している医院数が所定数以上の医用文書データを推奨してもよい。
【0123】
図5に示す登録例では、例えば、利用希望者の所属する医院の所在する地域(所在地)と同一又は近隣の医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨し、同医院に所属する職員の規模又は同医院で取り扱っている患者の規模と同一又は近い規模の医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。また、同医院に所属する職員の知識水準が同一又は近い医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨し、同医院の事業年数と同一又は近い事業年数の医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0124】
また、患者の属性情報の場合、同一の属性情報又は近い属性情報を有する患者を取り扱う医院での利用度(利用回数、利用頻度、利用医院数)が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
具体的に、図6に示す登録例では、例えば、利用希望者の所属する医院で取り扱っている患者の年齢、性別、来院頻度及び診療項目数が同一又は近い患者を取り扱っている医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨し、同医院で取り扱っている患者の知識水準と同一又は近い知識水準の患者を取り扱っている医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0125】
また、文書の属性情報の場合、図7に示す登録例では、トラブル発生件数が所定件数以下の医用文書データを推奨し、患者の満足度が所定値よりも高い医用文書データを推奨し、職員の満足度が所定値よりも高い医用文書データを推奨し、文書利用回数が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。
【0126】
また、具体的な治療内容の属性情報の場合、図8(a)に示す登録例では、同じ診療項目において、出血量、縫合針数及び麻酔種類が同一又は近い治療内容での利用度(利用回数、利用頻度)が所定値よりも高い医用文書データを推奨する。なお、出血量、縫合針数及び麻酔種類の組み合わせに対して1つの治療IDを対応付ける構成としたが、この構成に限らず、出血量、縫合針数及び麻酔種類のそれぞれに個別の治療IDを対応付ける構成としてもよい。
【0127】
なお、具体的な治療内容の属性情報については、医用文書管理テーブル420に登録された治療ID及び治療別利用回数の情報に基づいて、同一の属性情報又は近い属性情報を有する治療内容での利用回数を合計した合計利用回数や、利用頻度を平均化した平均利用頻度等を算出し、算出した合計利用回数又は平均利用頻度等が所定値以上の医用文書データを推奨する。
【0128】
また、本実施の形態では、受信した複数の属性情報について、上記推奨条件を満たす属性数が多い医用文書データほど、利用希望者への推奨優先度を高くする。そして、優先度の高い順に、推奨する医用文書データの情報を表示するようになっている。
ステップS168では、作成した推奨文書一覧情報を、利用希望者の利用者端末200に送信する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0129】
〔利用料金分配処理〕
次に、医用文書提供サーバ100で実行される利用料金分配処理の処理手順について説明する。
図13は、利用料金分配処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図13のフローチャートに示す利用料金分配処理を実行する。
【0130】
利用料金分配処理は、CPU30において実行されると、図13に示すように、まず、ステップS180に移行する。
ステップS180では、利用料金の分配タイミングになったか否かを判定し、分配タイミングになったと判定した場合(YES)は、ステップS182に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0131】
ここで、分配タイミングは、例えば、月額定額であれば月末、年額定額であれば年末といったように一定期間定額の場合は一定期間の経過日のタイミングが該当し、これら以外であれば、例えば、決済完了後などのタイミングが該当する。
ステップS182に移行した場合は、対象の利用者(作成者が利用者の場合も含む)の対象の医用文書データに対応する分配管理テーブル480から、分配管理に係る各種情報を取得して、ステップS184に移行する。
【0132】
ステップS184では、取得した情報に対応する医用文書データの作成者が一人か否かを判定し、一人であると判定した場合(YES)は、ステップS186に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS170に移行する。
具体的に、取得した情報のうち作成元文書作成者ID及び作成元画像作成者IDが例えば「NULL」であった場合に、作成者が一人であると判定し、「NULL」ではなくIDが設定されている場合に作成者が一人では無いと判定する。
【0133】
ステップS186に移行した場合は、取得した情報のうち分配情報に基づいて、設定された分配率で利用料金を作成者と運営者とで分配する処理を実行する。そして、決済情報に基づいて、分配した料金を作成者の指定した銀行口座に振り込む処理を実行する。その後、ステップS188に移行する。
【0134】
ステップS188では、全ての利用者の全ての医用文書データについて利用料金の分配が完了したか否かを判定し、完了したと判定した場合(YES)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させ、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS182に移行する。
【0135】
一方、ステップS184において、作成者が一人ではなくステップS190に移行した場合は、取得した情報のうち分配情報に基づいて、設定された分配率で利用料金を複数の作成者と運営者とで分配する処理を実行する。そして、決済情報に基づいて、分配した料金を複数の作成者の各々の指定口座にそれぞれ振り込む処理を実行する。その後、ステップS188に移行する。
【0136】
〔医用データ登録要求処理〕
次に、作成者端末210で実行される医用データ登録要求処理の処理手順について説明する。
図14は、医用データ登録要求処理を示すフローチャートである。
作成者端末210のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図14のフローチャートに示す医用データ登録要求処理を実行する。
【0137】
医用データ登録要求処理は、作成者端末210のCPUにおいて実行されると、図14に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、作成者ページにおいて、文書作成者又は画像作成者が作成した医用文書データ又は医用画像データについて、登録ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(YES)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0138】
ここで、本実施の形態において、作成者ページには、作成した医用文書データ又は医用画像データの一覧(例えばサムネイルやファイル名の一覧)が表示されている。加えて、その一覧から選択した医用文書データ又は医用画像データについて、医用文書提供サーバ100に対して登録を要求する登録ボタンが表示されるように構成されている。登録ボタンは、作成者端末210の入力装置を介して押下することが可能となっている。
【0139】
ステップS202に移行した場合は、選択した医用文書データ又は医用画像データについて、登録用情報を含む登録要求を医用文書提供サーバ100に送信する。その後、ステップS204に移行する。
ここで、登録ボタンの押下後に、登録用情報の入力画面を表示して、第3者が勝手に医用文書データを登録しないように、登録用パスワード等を登録用情報として入力する構成としてもよい。
【0140】
ステップS204では、医用文書提供サーバ100からの登録許可情報の受信の有無に基づいて、登録が許可されたか否かを判定し、許可されたと判定した場合(YES)は、ステップS206に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0141】
ステップS206に移行した場合は、選択された医用文書データ又は医用画像データを、医用文書提供サーバ100に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
〔医用データ利用設定処理〕
次に、利用者端末200又は作成者端末210で実行される医用データ利用設定処理の処理手順について説明する。
【0142】
図15は、医用データ利用設定処理を示すフローチャートである。
利用者端末200又は作成者端末210のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図15のフローチャートに示す医用データ利用設定処理を実行する。
【0143】
医用データ利用設定処理は、利用者端末200又は作成者端末210のCPUにおいて実行されると、図15に示すように、まず、ステップS210に移行する。
ステップS210では、医用文書又は医用画像の一覧表示メニューが選択されたか否かを判定し、選択されたと判定した場合(YES)は、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0144】
ステップS212に移行した場合は、医用文書又は医用画像一覧の表示要求を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS214に移行する。ここで、表示要求には、利用者ID又は作成者IDと、選択した一覧メニューの情報とが含まれている。
ステップS214では、医用文書提供サーバ100からの医用文書又は医用画像一覧情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS216に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。なお、受信されずにタイムアウト等した場合は、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0145】
ステップS216に移行した場合は、利用者端末200の場合は、その表示装置に、医用文書の一覧(例えばサムネイルやファイル名の一覧)を表示し、作成者端末210の場合は、その表示装置に、医用文書又は医用画像の一覧を表示して、ステップS218に移行する。
【0146】
これにより、利用者端末200の表示装置には、複数の作成者が作成した複数の医用文書の一覧が表示される。一方、作成者端末210の表示装置には、複数の作成者が作成した医用文書又は医用画像の一覧が表示される。なお、一画面で表示し切れない場合は、例えば、スクロールバーまたはページ切り替え等によって表示できるようにする。
【0147】
本実施の形態の医用文書又は医用画像一覧では、各医用文書又は医用画像は、例えば、ボタン表示又はテキスト表示され、いずれも作成者名やタイトル等が解るように表記されている。
ステップS218では、一覧表示されたなかから、いずれか一の医用文書又は医用画像が選択されたか否かを判定する。そして、選択されたと判定した場合(YES)は、ステップS220に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS234に移行する。
【0148】
本実施の形態では、利用者端末200又は作成者端末210の入力装置を介して、一覧として表示されたボタン(サムネイルを含む)やテキストを押下(マウス等でクリック)することで詳細の表示や利用登録の確定を行えるように構成されている。
ステップS220に移行した場合は、選択された医用文書又は医用画像の詳細情報の取得要求を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS222に移行する。
【0149】
ステップS222では、医用文書提供サーバ100からの詳細情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS224に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。なお、受信されずにタイムアウト等した場合は、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0150】
ステップS224に移行した場合は、利用者端末200の場合は、その表示装置に、医用文書の詳細情報を表示し、作成者端末210の場合は、その表示装置に、医用文書又は医用画像の詳細情報を表示して、ステップS226に移行する。
本実施の形態では、詳細情報の表示において、利用設定ボタン及び戻るボタンも表示するようになっている。利用設定ボタンは、詳細情報を表示している医用文書又は医用画像の利用設定要求を行うためのボタンであり、戻るボタンは、一覧表示画面に戻るためのボタンである。
【0151】
ステップS226では、利用設定ボタンが押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合(YES)は、ステップS228に移行し、そうでないと判定された場合(NO)は、利用設定ボタン又は戻るボタンが押下されるまで判定処理を繰り返す。なお、戻るボタンが押下された場合は、ステップS224に移行する。
【0152】
ステップS228に移行した場合は、選択した医用文書又は医用画像の利用設定要求を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS230に移行する。
ステップS230では、医用文書提供サーバ100からの決済処理情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS232に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。なお、受信されずにタイムアウト等した場合は、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0153】
ステップS232に移行した場合は、受信した決済処理情報に基づいて、選択した医用文書又は医用画像のデータを利用するための決済処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。例えば、利用者端末200又は作成者端末210では、受信した決済処理情報に基づいて、決済画面を表示し、決済画面を介した利用者又は作成者からの入力情報に基づいて、例えば、予め設定されたクレジットカードを利用した決済を行う。
【0154】
一方、ステップS218において、医用文書又は医用画像が選択されずにステップS234に移行した場合は、推奨検索ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(YES)は、ステップS236に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS218に移行する。
【0155】
ステップS236に移行した場合は、推奨検索要求処理を実行して、ステップS218に移行する。
〔推奨検索要求処理〕
次に、利用者端末200又は作成者端末210で実行される推奨検索要求処理の処理手順について説明する。
図16は、推奨検索要求処理を示すフローチャートである。
【0156】
利用者端末200又は作成者端末210のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図16のフローチャートに示す推奨検索要求処理を実行する。
推奨検索要求処理は、ステップS236において実行されると、図16に示すように、まず、ステップS240に移行する。
【0157】
ステップS240では、推奨検索要求を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS242に移行する。
ステップS242では、医用文書提供サーバ100からの推奨検索条件入力画面情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS244に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
【0158】
ステップS244に移行した場合は、要求元の端末の表示装置に、推奨検索条件入力画面を表示して、ステップS246に移行する。
推奨検索条件入力画面では、入力装置を介して、利用者又は作成者による各種医療属性情報の入力処理が行われる。
ステップS246では、入力装置を介した利用者又は作成者の操作入力に基づいて、送信ボタンが押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合(YES)は、ステップS248に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS254に移行する。
【0159】
ステップS248に移行した場合は、入力された属性情報を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS250に移行する。
ステップS250では、医用文書提供サーバ100からの推奨文書一覧情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS252に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
【0160】
ステップS252に移行した場合は、要求元の端末の表示装置に、推奨文書一覧を表示して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS246において、送信ボタンが押下されずにステップS254に移行した場合は、戻るボタンが押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合(YES)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS246に移行する。
【0161】
〔医用データ利用処理〕
次に、利用者端末200又は作成者端末210で実行される医用データ利用処理の処理手順について説明する。
図17は、医用データ利用処理を示すフローチャートである。
利用者端末200又は作成者端末210のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図17のフローチャートに示す医用データ利用処理を実行する。
【0162】
医用データ利用処理は、利用者端末200又は作成者端末210のCPUにおいて実行されると、図17に示すように、まず、ステップS260に移行する。
ステップS260では、入力装置を介した利用者又は作成者の操作入力に基づいて、医用文書又は医用画像の利用登録一覧メニューにおいて、利用対象の医用文書又は医用画像の利用ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(YES)は、ステップS262に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0163】
ここで、利用登録一覧メニューでは、例えば、医用文書のタイトル又は医用画像のサムネイルの一覧が表示される。利用ボタンは、例えば、医用文書のタイトル又は医用画像のサムネイルのすぐ傍に表示されるボタンであり、選択している医用文書又は医用画像の利用要求を行うためのボタンである。
【0164】
ステップS262に移行した場合は、利用対象の医用文書又は医用画像の利用要求を、医用文書提供サーバ100に送信して、ステップS264に移行する。
ここで、利用要求には、利用者ID、文書ID、料金体系が回数制のものであれば回数の情報などが含まれている。
【0165】
ステップS264では、医用文書提供サーバ100からの医用文書データ又は医用画像データを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS266に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。なお、受信できずにタイムアウトした場合は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0166】
ステップS266に移行した場合は、利用者端末200の場合、受信した医用文書データに基づいて、その表示装置に、医用文書を表示する。一方、作成者端末210の場合、受信した医用文書データ又は医用画像データに基づいて、その表示装置に、医用文書又は医用画像を表示する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0167】
ここで、図示省略するが、本実施の形態では、利用者端末200の表示装置に表示された医用文書が例えば治療契約同意書などの同意書を含む文書である場合に、住所及び氏名の記入欄に住所及び氏名を入力できるとともに、電子署名を行えるように構成されている。この電子署名の機能は、例えば、運営者側が、医用文書提供サーバ100を利用して提供する構成としてもよいし、他の専用のサーバを介して提供する構成としてもよい。
【0168】
〔動作〕
次に、図1図17を参照しつつ図18図23に基づいて、本実施の形態の動作を説明する。
図18(a)は、文書作成者Aが作成した治療契約同意書500の一例を示す図であり、(b)は、文書作成者Bが治療契約同意書500を加工して作成した治療契約同意書501の一例を示す図である。図19(a)は、歯科医院における治療契約同意書のメニュー一覧の表示画面の一例を示す図であり、(b)は、インプラントのメニューを選択した場合の治療契約同意書一覧の表示画面の一例を示す図である。また、図20は、推奨検索条件入力画面の一例を示す図であり、図21は、推奨文書一覧画面の一例を示す図である。また、図22(a)は、治療契約同意書の治療説明部分のページの一例を示す図であり、(b)は、治療に関する同意書部分のページの一例を示す図である。また、図23(a)及び(b)は、タブレット型の利用者端末200Tを用いて同意書に電子署名を行う一例を示す図である。
【0169】
まず、作成者が作成した医用文書データ及び医用画像データを登録する場合の動作を説明する。
作成者端末210は、入力装置を介した作成者(例えば医師等の専門知識を有した者)からの指示に応じて作成者ページに接続(ログイン)し、この作成者ページを介した作成者からの入力指示に応じて、登録対象の医用文書データ又は医用画像データの登録要求を医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS200のYES~S202)。
【0170】
医用文書提供サーバ100は、作成者端末210からの登録要求を受信すると(ステップS100のYES)、受信した登録要求に含まれる登録用情報を照合する処理を実行し(ステップS102)、照合された場合に(ステップS104のYES)、登録要求の送信元の作成者端末210に登録許可情報を送信する(ステップS106)。
【0171】
作成者端末210は、医用文書提供サーバ100からの登録許可情報を受信すると(ステップS204のYES)、登録対象の医用文書データ又は医用画像データを医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS206)。
医用文書提供サーバ100は、登録許可情報の送信先の作成者端末210からの医用文書データ又は医用画像データを受信すると(ステップS108のYES)、受信した医用文書データ又は医用画像データを記憶装置42に登録する処理を実行する(ステップS110)。
【0172】
ここで、図18(a)及び(b)に示すように、文書作成者Bが、文書作成者Aの作成した治療契約同意書500を加工して、治療契約同意書501を作成し、この作成した治療契約同意書501の医用文書データを登録する場合を例に挙げて説明する。
治療契約同意書500は、図18(a)に示すように、画像作成者Cが作成した医用画像Vを利用して作成されている。一方、治療契約同意書501は、図18(b)に示すように、文書作成者Bが、治療契約同意書500の医用画像Vを、この医用画像Vを利用して画像作成者Dが作成した医用画像Wに差し替える加工を施すことで作成されている。
【0173】
この場合、受信した医用文書データに他作成者である文書作成者Aの作成者情報700並びに画像作成者C及びDの作成者情報800及び801が埋め込まれているため(ステップS120のYES、S122のYES)、作成者情報700、800及び801並びに登録対象の医用文書データの文書作成者Bの管理情報(登録情報)に基づいて、受信した医用文書データの分配情報を設定する(ステップS124)。
【0174】
具体的に、図18(b)に示す例では、治療契約同意書501について、文書作成者A及びB並びに画像作成者C及びDの4人が係わっているため、これら作成者4人と運営者とに利用料金を分配するための分配情報を設定する。例えば、運営者の分配率を20%固定として、残りの80%を、文書作成者Bに60%、文書作成者Aに10%、画像作成者Cに2%、画像作成者Dに8%と振り分けた内容に設定する。
【0175】
なお、分配情報は、本実施の形態では、運営者が設定する情報であるが、この構成に限らず、作成者が自身の作品に対して所望の分配率を設定(上限あり)し、その分配率の情報に基づいて設定する構成とするなど他の構成としてもよい。
引き続き、医用文書提供サーバ100は、受信した医用文書データに対して、例えば、公知の電子透かしの技術を用いて文書作成者Bの作成者情報を追加で埋め込む(ステップS126)。ここで、登録対象の医用データが医用画像データである場合もその作成者の作成者情報を追加で埋め込む。なお、医用画像Wについては、利用時点で既に画像作成者C及びDの作成者情報が埋め込まれている。そして、作成者情報の追加された医用文書データを、記憶装置42の医用文書ライブラリに登録するとともに、その管理情報(分配情報を含む)を、医用文書管理テーブル420に登録する(ステップS128)。その後、登録完了情報を、登録要求の送信元の作成者端末210に送信する(ステップS130)。
【0176】
次に、利用者が、利用者端末200によって、医用文書提供サーバ100に登録された医用文書データを利用設定する場合の動作を説明する。
利用者端末200は、入力装置を介した利用者(例えば歯科医師)からの指示に応じて利用者ページにログインし、この利用者ページを介した利用者からの指示(治療契約同意書の一覧表示メニューの選択)に応じて、治療契約同意書一覧の表示要求を、医用文書提供サーバ100に送信する。
【0177】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの利用者ページを介した利用者からの表示要求に応じて、指定された治療契約同意書のメニュー一覧情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する。
利用者端末200は、一覧情報を受信すると、表示装置に、治療契約同意書のメニュー一覧を表示する。これにより、利用者端末200の表示装置には、例えば、図19(a)に示すように、歯科医院の治療契約同意書メニュー一覧画面300(以下、単に「メニュー一覧画面300」と略称する)が表示される。
【0178】
メニュー一覧画面300は、図19(a)に示すように、診療項目ごとのボタン310の一覧として表示される。診療項目としては、例えば、インプラント、ホワイトニング、抜歯などがあり、本実施の形態では、診療項目ごとに治療契約同意書が存在する。各ボタン310には、「インプラント」、「ホワイトニング」などの診療項目を示す文字が表記されている。また、図19(a)中の「戻るボタン311」は、1つ前の画面に戻るためのボタンであり、「三角ボタン312」は、ページを切り替えて他の診療項目のボタン310の一覧を表示するためのボタンである。
【0179】
利用者端末200は、利用者からの指示(ボタン310の押下)に応じて(ステップS210のYES)、診療項目に応じた治療契約同意書一覧の表示要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS212)。ここでは、インプラントのボタン310が押下されたとする。
【0180】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの利用者ページを介した利用者からのインプラント治療に対する治療契約同意書一覧の表示要求に応じて(ステップS140のYES)、指定されたインプラントの治療契約同意書一覧情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する(ステップS141)。
【0181】
利用者端末200は、一覧情報を受信すると(ステップS214のYES)、表示装置に、例えば図13(b)に示すインプラントの治療契約同意書一覧画面301を表示する(ステップS216)。
治療契約同意書一覧画面301は、図19(b)に示すように、複数の作成者が作成したインプラントに対する治療契約同意書にそれぞれ対応するボタン320の一覧として表示される。各ボタン320には、治療契約同意書の作成者の情報と、料金の情報等が表記されている。なお、他にも患者の症状等に合わせた治療契約同意書の選択を行えるように症状の内容や治療位置等の情報を表記してもよい。図19(b)に示した例では、1回利用するごとの料金が表記されている。また、各ボタン320の下には、利用設定ボタン321が表示され、画面右下には戻るボタン322が表示され、画面中央下には三角ボタン323が表示されている。
【0182】
本実施の形態においては、利用者が、利用者端末200の入力装置を介して、治療契約同意書一覧画面301からいずれか1つのボタン320を押下することで、対象の治療契約同意書の詳細情報を表示することができるようになっている。また、三角ボタン323を押下することでページを切り替えることができ、戻るボタン322を押下することでメニュー一覧画面300に戻ることができるようになっている。
【0183】
さらに、治療契約同意書一覧画面301内の「インプラント」の文字の右横には、推奨検索ボタン324が表示されている。推奨検索ボタン324を押下することで利用希望者の従事する医療に係る属性に応じた医用文書データを推奨する推奨検索処理を実行できるようになっている。
【0184】
まず、推奨検索を用いずに、治療契約同意書一覧画面301から利用登録する医用文書データを選択する場合の動作を説明する。
利用者端末200は、いずれか1の治療契約同意書が選択(ボタン320が押下)されたことに応じて(ステップS218のYES)、選択された治療契約同意書の詳細情報の表示要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS220)。
【0185】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの詳細情報の表示要求を受信すると(ステップS144のYES)、選択された治療契約同意書の詳細情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する(ステップS146)。
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの詳細情報を受信すると(ステップS222のYES)、受信した詳細情報を、表示装置に表示する(ステップS224)。これにより、例えば、図22(a)及び(b)に示すような、インプラント治療の治療契約同意書500の内容が表示される。詳細情報では、例えば、治療契約同意書500の一部のページしか表示できないように構成される。具体的に、図22(a)の例では、治療契約同意書500の1ページ目である治療説明書500_1と、治療契約同意書の3ページ目である同意書500_3としか表示できないようになっている。また、コピーやプリントアウトなどもできないように制限されている。なお、この構成に限らず、制限を設けた状態で、全ページの情報を詳細情報として表示できる構成としてもよい。また、図22(a)中の医用画像X及びYは、例えば、インプラント治療の説明に必要な歯の画像やレントゲン写真の画像などから構成される。
【0186】
ここで、歯科医療では、治療後に発生する痛みなどの症状、又は発生する可能性のある症状が様々あり、そのことを治療前に患者が十分に理解していないと、治療後に発生する痛みなどに対して治療ミスではないかといったクレームが生じトラブルへと発展するケースがある。本実施の形態の治療契約同意書は、治療内容の説明に加えて、治療費などの説明も記載されており、さらに同意書の内容も記載されている。即ち、治療説明書で治療内容や治療後に発生する可能性のある症状や状態などを患者に十分に理解して貰うとともに、治療に係る料金の説明をしっかりと行うことが可能である。その上で、さらに、同意書に同意をして貰うことが可能である。
【0187】
また、本実施の形態において、医用文書提供サーバ100に登録されている治療契約同意書は、例えば、専門知識を有した経験豊かな歯科医師等が作成しており、患者の各症状に対応して個別に且つ適切な内容に作成されたものを含んでいる。
詳細情報を表示後は、内容を確認して、詳細情報の右上のXマークを押下することで詳細情報を閉じ、インプラント治療の治療契約同意書一覧画面301へと戻る。このとき、本実施の形態では、詳細表示した治療契約同意書に対応するボタン320が選択状態(例えば色が変わった状態)で治療契約同意書一覧画面301へと戻る。
【0188】
治療契約同意書一覧画面301の中に、利用したい治療契約同意書があった場合、利用者は、入力装置を介して、利用設定ボタン321を押下することで、対応する治療契約同意書に対して決済処理を行って利用者ページへと登録することができるようになっている。
【0189】
即ち、利用者端末200は、いずれか1の治療契約同意書に対応する利用設定ボタン321が押下されたことに応じて(ステップS226のYES)、選択された治療契約同意書に対する利用設定要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS228)。
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの利用設定要求を受信すると(ステップS148のYES)、選択された治療契約同意書の決済処理を実行する(ステップS150)。これにより、利用設定要求の送信元の利用者端末200に、決済処理情報が送信される。加えて、決済に係る利用者及び医用文書に対する分配管理テーブル480のレコードが作成され、記憶装置42に登録される。
【0190】
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの決済処理情報を受信すると(ステップS230のYES)、受信した決済処理情報に基づいて決済処理を実行する(ステップS232)。
医用文書提供サーバ100は、決済処理が完了すると、決済されたインプラント治療の治療契約同意書の医用文書データを利用者ページに登録する(ステップS152)。
【0191】
次に、推奨検索を行う場合の動作を説明する。
利用者端末200は、推奨検索ボタン324が押下されたことに応じて(ステップS234のYES)、推奨検索要求処理を実行する(ステップS236)。
推奨検索要求処理が実行されると、利用者端末200は、推奨検索要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS240)。
【0192】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの推奨検索要求を受信すると(ステップS142のYES)、推奨文書検索処理を実行する(ステップS143)。
推奨検索処理が実行されると、医用文書提供サーバ100は、推奨検索条件入力画面情報を、要求元の利用者端末200に送信する(ステップS160)。
【0193】
ここで、推奨検索条件入力画面は、利用希望者の従事する医療に係る属性を示す医療属性情報を取得するための画面である。医療属性情報には、記憶装置42に記憶されている各種属性情報と同様に、利用希望者の所属する医院の属性、この医院で取り扱っている患者の属性、利用希望者の従事する医療に係る文書の属性及び利用希望者の従事する医療に係る具体的な治療内容の属性の情報が含まれる。
【0194】
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの推奨検索条件入力画面情報を受信すると(ステップS242のYES)、受信した推奨検索条件入力画面情報に基づいて、図20に示す、推奨検索条件入力画面350を表示装置に表示する(ステップS244)。
【0195】
ここで、推奨検索条件入力画面350は、図20に示すように、医院の属性、患者の属性、文書の属性及び治療内容の属性について、利用希望者の各種医療属性情報を入力する画面である。
図20に示す例では、医院の属性情報として、所在地、職員数、取り扱い患者数、職員の知識水準、事業年数の入力欄が表示されている。また、患者の属性情報として、年齢、性別、知識水準の入力欄が表示されている。文書の属性情報として、トラブル発生件数、患者満足度の入力欄が表示されている。また、治療内容の属性情報として、出血量の入力欄が表示されている。なお、他の属性情報の入力欄については、スクロールや画面切り替えなどによって全て表示される。
【0196】
入力欄への入力方法は、入力装置を用いて文字を打ち込んで入力する方法と、ドロップダウンリストから選択する方法との併用となっている。例えば所在地であれば、キーボードやソフトウェアキーボード等によって文字を入力し、例えば職員数であれば、ドロップダウンリストから該当する人数の範囲を選択することで入力が行われる。
【0197】
また、推奨検索条件入力画面350の右下には、送信ボタン351が設けられ、推奨検索条件入力画面350の左上には、戻るボタン352が設けられている。
利用希望者が、医療属性情報の入力後に、入力装置を介して送信ボタン351を押下することで(ステップS246のYES)、利用者端末200は、入力された各種医療属性情報を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS248)。
【0198】
なお、図20に示す例では、入力欄が全て埋まっているが、一部の入力を省くことも可能である。例えば、医院の所在地のみを入力して、他を未入力とした状態で送信ボタン351を押下することで、医院の所在地の情報のみが医療属性情報として医用文書提供サーバ100に送信される。
【0199】
一方、利用者が、送信ボタン351を押下せずに、戻るボタン352を押下することで(ステップS254のYES)、利用者端末200は、推奨検索条件入力画面350を閉じて、1つ前の画面であるインプラント治療の治療契約同意書一覧画面301へと戻る。
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの推奨検索条件である医療属性情報を受信すると(ステップS162のYES)、受信した医療属性情報と、医用文書管理テーブル420、医院属性管理テーブル440、患者属性管理テーブル450、文書属性管理テーブル460及び治療属性管理テーブル470の情報とに基づいて、受信した医療属性情報と同一又は近い属性情報を有する医用文書データの情報を取得する(ステップS164)。
【0200】
引き続き、医用文書提供サーバ100は、取得した医用文書データの情報と、受信した医療属性情報と、医療属性情報に含まれる各種属性情報に対応する推奨条件とに基づいて、推奨条件を満たす医用文書データを選別する。そして、各種推奨条件に対する結果の情報と、選別した医用文書データの情報とに基づいて、利用希望者に推奨される医用文書データの一覧の情報である推奨文書一覧情報を作成する(ステップS166)。そして、作成した推奨文書一覧情報を、要求元の利用者端末200に送信する(ステップS168)。
【0201】
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの推奨文書一覧情報を受信すると(ステップS250のYES)、受信した推奨文書一覧情報に基づいて、表示装置に、図21に示す推奨文書一覧画面370を表示する(ステップS252)。
推奨文書一覧画面370は、図21に示すように、複数の作成者が作成したインプラントに対する治療契約同意書のうちから、利用希望者の医療属性情報に基づいて選別された治療契約同意書にそれぞれ対応するボタン380の一覧として表示される。各ボタン380には、ボタン320と同様の内容が表示されている。各ボタン380の上には、推奨度を示す星が表示されており、星の数が多いほど、利用希望者の入力した医療属性情報に対して推奨条件を満たす属性数がより多い(よりお奨めな)治療契約同意書となる。
【0202】
図21に示す例では、推奨度のより高い治療契約同意書から順番に、上位5位までの治療契約同意書の一覧が表示される。なお、表示数は予め設定できるようになっており、例えば、上位10位など他の順位数に設定することが可能である。
また、各ボタン380の下には、利用設定ボタン381が表示され、画面右下には戻るボタン382が表示され、画面中央下には三角ボタン383が表示されている。
【0203】
本実施の形態においては、利用希望者が、利用者端末200の入力装置を介して、推奨文書一覧画面370からいずれか1つのボタン380を押下することで、対象の治療契約同意書の詳細情報を表示することができるようになっている。また、三角ボタン383を押下することでページを切り替えることができ、戻るボタン382を押下することで治療契約同意書一覧画面301に戻ることができるようになっている。
【0204】
利用希望者は、推奨文書一覧画面370の中に、利用したい治療契約同意書があった場合、入力装置を介して、利用設定ボタン381を押下することで、対応する治療契約同意書に対して決済処理を行って利用者ページへと登録することができるようになっている。
即ち、利用者端末200は、いずれか1つの治療契約同意書に対応する利用設定ボタン381が押下されたことに応じて(ステップS226のYES)、選択された治療契約同意書に対する利用設定要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS228)。
【0205】
以降の処理は、治療契約同意書一覧画面301で利用設定ボタン321を押下した場合の処理と同様となる。
これにより、決済されたインプラント治療の治療契約同意書の医用文書データが利用希望者の利用者ページに登録される。
引き続き、利用者は、利用者ページに登録された治療契約同意書を利用するために、利用者ページを介して利用者端末200に、利用登録された医用文書データ一覧の表示要求を医用文書提供サーバ100に送信する指示を行う。これにより、利用者端末200は、医用文書データ一覧の表示要求を医用文書提供サーバ100に送信する。
【0206】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの医用文書データ一覧の表示要求を受信すると、利用登録された医用文書データ一覧情報を、表示要求の送信元の利用者端末200に送信する。
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの医用文書データ一覧情報を受信すると、受信した一覧情報に基づいて利用登録された医用文書データの一覧を表示装置に表示する。ここで、利用登録された医用文書データ一覧は、図示省略するが、例えば図13(b)に示すインプラント治療の治療契約同意書一覧画面301と類似した表示内容となっている。但し、治療契約同意書の各ボタンには、治療内容の種別も表記されており、また、各ボタンの下には、利用設定ボタン321に代えて利用ボタンが表示されている。なお、この構成に限らず、インプラント治療の治療契約同意書一覧画面301と同様に、治療内容ごとに利用登録された医用文書データ一覧を表示する構成としてもよい。この場合は、各ボタンに治療内容を表記しない構成としてもよい。
【0207】
即ち、本実施の形態では、利用者が、利用者端末200の入力装置を介して治療契約同意書の各ボタンを押下することで詳細情報を表示でき、利用ボタンを押下することで、利用可能な状態の治療契約同意書の医用文書データを利用者端末200にダウンロードすることができるようになっている。また、利用登録をしている場合、詳細情報は、例えば、プリントアウト、コピー、電子署名等ができない制限状態で全ページを表示できる情報となる。
【0208】
利用者端末200は、利用ボタンが押下されると(ステップS260のYES)、選択された医用文書データの利用要求を、医用文書提供サーバ100に送信する(ステップS262)。
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200からの利用要求を受信すると(ステップS154のYES)、利用登録された医用文書データのうち、利用要求で指定された医用文書データを、利用要求の送信元の利用者端末200に送信する(ステップS156)。
【0209】
利用者端末200は、医用文書提供サーバ100からの医用文書データを受信すると(ステップS264のYES)、受信した医用文書データに基づいて、インプラント治療の治療契約同意書を表示装置に表示する(ステップS266)。
この表示された治療契約同意書は、制限なしで利用することが可能な状態となっており、例えば、図23(a)及び(b)に示すように、利用者端末200としてタブレット型の利用者端末200Tに表示させて患者に提示し、電子サインを行うことが可能となっている。
【0210】
図23(a)の例では、利用者端末200Tの表示画面に治療契約同意書500の3ページ目である同意書500_3が表示された状態となっている。同意書500_3には、同意書の文章の下側に住所及び氏名の記入欄が設けられており、この記入欄の右下に電子署名ボタン550が表示されている。
【0211】
患者は、ソフトウェアキーボード等によって、同意書500_3の住所及び氏名の記入欄に住所及び氏名を入力し、その後、電子署名ボタン550を押下する。これにより、利用者端末200Tの表示画面には、図23(b)に示す秘密鍵の入力画面551がポップアップ表示される。入力画面551には、秘密鍵の入力欄と、送信ボタンとが表示されている。患者は、ソフトウェアキーボード等によって、入力欄に、電子署名を生成するための秘密鍵を入力して、送信ボタンを押下することで、入力された秘密鍵を用いて生成された電子署名の情報を含み且つ住所・氏名が記入された治療契約同意書の医用文書データが、医用文書提供サーバ100に送信される。
【0212】
医用文書提供サーバ100は、利用者端末200Tからの電子署名を含む医用文書データを受信すると、予め設定されている署名検証用の公開鍵を用いて、受信した医用文書データに含まれる電子署名を検証する処理を実行する。この検証によって、電子署名が証明されると、証明結果の情報を、医用文書データの送信元の利用者端末200Tに送信する。
【0213】
このようにして、本実施の形態では、治療契約同意書の同意内容について、電子署名によって患者の同意を得ることができるようになっている。
次に、決済の完了した利用料金の分配処理の動作を説明する。
本実施の形態では、利用者の利用している料金体系に応じて、分配のタイミングが異なる。例えば、利用回数に応じて加算する回数式の料金体系であれば決済が完了したタイミングが分配タイミングとなり、例えば、月額固定等の一定期間固定の料金体系であれば、月末などの一定期間が経過したタイミングが分配タイミングとなる。
【0214】
以下、回数式の料金体系を利用し、図18(b)に示す、治療契約同意書501を5回利用する場合の動作を説明する。
即ち、医用文書提供サーバ100は、決済処理が完了して分配タイミングになると(ステップS180のYES)、対象の利用者の分配管理テーブル480から、分配処理に係る各種情報を取得する(ステップS182)。即ち、利用者ID、文書ID、利用料金合計、料金体系、作成者ID、作成元文書作成者ID、作成元画像作成者ID、分配情報、決済情報などの情報を取得する。図18(b)に示す例であれば、1回の利用料金が「500円」となっているので、「2,500円」が利用料金合計となる。また、作成者IDは、文書作成者Bの作成者IDとなり、作成元文書作成者IDは、文書作成者Aの作成者IDとなり、作成元画像作成者IDは、画像作成者C及びDの作成者IDとなる。また、分配情報は、運営者の分配率を20%として、各作成者の分配率は、例えば、図18(b)に示す内容となる。また、決済情報は、文書作成者A及びB並びに画像作成者C及びDの振込先の口座情報を含んだ情報である。
【0215】
引き続き、医用文書提供サーバ100は、取得した情報から、作成者が一人では無いので(ステップS184のNO)、取得した分配情報に基づいて、文書作成者A及びB並びに画像作成者C及びDに対して利用料金を分配する(ステップS186)。
即ち、図12(b)に例示した分配率であれば、運営者に「500円」、文書作成者Aに「250円」、文書作成者Bに「1,500円」、画像作成者Cに「50円」、画像作成者Dに「200円」が分配金額となり、これら分配金額がそれぞれの口座に振り込まれる。
【0216】
〔対応関係〕
本実施の形態において、ネットワークシステムが、発明1乃至12の医用文書提供支援システムに対応し、記憶装置42が、発明1及び12の医用文書データ記憶手段並びに発明1の文書情報記憶手段に対応し、ステップS162が、医療属性情報取得手段に対応し、ステップS168が、発明1乃至11の医用文書推奨手段に対応する。
【0217】
また、本実施の形態において、ステップS100~S110が、発明12の医用文書データ登録手段に対応し、ステップS154~S156が、発明12の医用文書データ送信手段に対応している。
〔実施の形態の効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、医用文書提供サーバ100において、医用文書データの利用を希望する利用者(利用希望者)の従事する医療に係る属性(医院属性、患者属性、文書属性及び治療属性)と、医用文書データとを対応付けて記憶装置42の各種テーブルに登録する。具体的に、医用文書データは医用文書ライブラリに登録し、各種属性に対応するID(医用ID、患者ID、文書ID及び治療ID)を含む医用文書データを管理する情報を医用文書管理テーブル420に登録し、各種属性情報を、医院属性管理テーブル440、患者属性管理テーブル450、文書属性管理テーブル460及び治療属性管理テーブル470に登録する。加えて、利用希望者の利用者端末200からの推奨検索要求に応じて、推奨検索条件入力画面情報を要求元の利用者端末に送信し、推奨検索条件入力画面を介して利用希望者の従事する医療に係る属性を示す医療属性情報を取得する。そして、取得した医療属性情報と、医用文書管理テーブル420に登録された、該当する医療項目に対応する医用文書データの管理情報、各種属性管理テーブル440~470に登録された各種属性情報とに基づいて、利用希望者について推奨される医用文書データを推奨するようにした。
【0218】
このような構成であれば、利用希望者に対して、この利用希望者の従事する医療に係る属性に適した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、医院の属性の1つである医院の所在する地域(所在地)について、利用希望者の所属する医院の所在する地域と同一又はその近隣の地域に所在する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0219】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院の所在する地域に適合した医用文書データを推奨することができる。例えば、利用希望者の所属する医院の手がける地域医療に適合した医用文書データ等を推奨することができる。
また、本実施の形態では、医院の属性の1つである医院に所属する職員の規模について、利用希望者の所属する医院に所属する職員の規模と同一又は近い規模の職員が所属する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0220】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院の職員の規模に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、医院の属性の1つである医院の取り扱う患者の規模について、利用希望者の所属する医院の取り扱う患者の規模と同一又は近い規模の患者を取り扱う医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0221】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院の取り扱う患者の規模に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、医院の属性の1つである医院に所属する職員の知識水準について、利用希望者の所属する医院に所属する職員の知識水準と同一又は近い知識水準の職員が所属する医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0222】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院に所属する職員の知識水準に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、医院の属性の1つである医院の事業年数について、利用希望者の所属する医院の事業年数と同一又は近い事業年数の医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0223】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院の事業年数に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、患者の属性に含まれる年齢、性別、来院頻度及び診療項目数について、利用希望者の所属する医院で取り扱っている患者の年齢、性別、来院頻度及び診療項目数と同一又は性別は同一で、年齢、来院頻度及び診療項目数が近い患者を取り扱っている医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0224】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院で取り扱っている患者の年齢、性別、来院頻度及び診療項目数に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、患者の属性の1つである患者の知識水準について、利用希望者の所属する医院で取り扱っている患者の知識水準と同一又は近い知識水準の患者を取り扱っている医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。
【0225】
このような構成であれば、利用希望者の所属する医院で取り扱っている患者の知識水準に適合した医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、文書の属性の1つであるトラブル発生件数について、トラブル発生件数が所定件数以下の医用文書データを推奨するようにした。
【0226】
このような構成であれば、医用文書データを利用したときの利用者と患者との間のトラブル発生件数が少ない医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、文書の属性の1つである患者の満足度について、患者の満足度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、患者の満足度が高い医用文書データを推奨することができる。
【0227】
また、本実施の形態では、文書の属性の1つである利用者の満足度について、利用者の満足度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、利用者の満足度が高い医用文書データを推奨することができる。
また、本実施の形態では、文書の属性の1つである文書利用回数について、文書利用回数が所定利用回数よりも多い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、利用回数の多い医用文書データを推奨することができる。
【0228】
また、本実施の形態では、具体的な治療内容の属性の1つである出血量について、出血量が同一の治療内容での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、治療による患者の出血量に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0229】
また、本実施の形態では、具体的な治療内容の属性の1つである縫合針数について、縫合針数が同一又は近い治療内容での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、治療による患者の縫合針数に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0230】
また、本実施の形態では、具体的な治療内容の属性の1つである麻酔種類について、麻酔種類が同じ治療内容での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨するようにした。このような構成であれば、治療による患者の麻酔種類に適合した医用文書データを推奨することができる。
【0231】
また、本実施の形態では、医用文書提供サーバ100において、作成者端末210からの登録要求に応じて、文書作成者の作成した医用文書データを、記憶装置42に登録するようにした。加えて、利用者端末200からの利用登録要求に応じて、記憶装置42に登録された複数の作成者の作成した複数の医用文書データのうちから利用者によって指定された医用文書データについて、利用料金の課金及び決済を行うとともに、決済が完了した医用文書データを利用者ページに登録するようにした。さらに、決済された利用料金について、運営者と作成者とに分配するようにした。また、利用者端末200において、利用者ページに登録された医用文書データを、医用文書提供サーバ100からダウンロードして利用できるようにした。
【0232】
このような構成であれば、利用者は、利用料金を支払うことで作成者(他者)の作成した医用文書データを利用することができるので、新規開業した場合などに医用文書を一から作成する手間を軽減することができる。加えて、医用文書の追加やアップデートなどの手間も軽減することができる。さらに、利用者に利用料金を課金し、決済された利用料金を運営者と作成者とに分配する構成としたので、充実した運営管理が行える環境や、医用文書の新規追加や既存の医用文書の修正等のアップデートがされ易い環境を構築することができる。
【0233】
また、本実施の形態では、第1の文書作成者(本実施の形態では文書作成者A)の作成した第1医用文書データ(本実施の形態では治療契約同意書500の医用文書データ)を、第2の文書作成者(本実施の形態では文書作成者B)が加工して作成した第2医用文書データ(本実施の形態では治療契約同意書501の医用文書データ)の利用に対して、第1の文書作成者と第2の文書作成者の双方に利用料金を分配するようにした。
【0234】
この構成であれば、損得勘定でのもめごとを低減又は防止することができるとともに、他者の作成した医用文書を利用しやすくなるので、よりよい内容の医用文書が作成されやすくなる。
また、本実施の形態では、登録する医用文書データに対して、例えば電子透かしの技術を利用して、その作成に係る全ての作成者の情報を埋め込む構成とした。
【0235】
このような構成であれば、作成に係る文書作成者に対して、より確実に利用料金を分配することができる。
また、本実施の形態では、医用文書提供サーバ100において、作成者端末210からの登録要求に応じて、画像作成者の作成した医用画像データを、記憶装置42に登録するようにした。加えて、作成者端末210からの利用登録要求に応じて、記憶装置42に登録された複数の画像作成者の作成した複数の医用画像データのうちから文書作成者によって指定された医用画像データを作成者ページに登録するようにした。さらに、登録された医用画像データを利用した医用文書データの利用について、決済された利用料金を、運営者と文書作成者と画像作成者とに分配するようにした。なおさらに、作成者端末210において、作成者ページに登録された医用画像データを、医用文書提供サーバ100からダウンロードして医用文書データの作成に利用できるようにした。
【0236】
このような構成であれば、文書作成者は、医用文書提供サーバ100に登録された画像作成者が作成した医用画像データを利用して医用文書データを作成することができるので、医用画像の作成の手間を軽減することができる。加えて、画像作成者が作成した医用画像データを利用して作成された医用文書データの利用に対して、画像作成者にも利用料金を分配するようにしたので、医用画像の新規追加や既存の医用画像の修正等のアップデートがされ易い環境を構築することができる。
【0237】
また、本実施の形態では、第1の画像作成者(本実施の形態では画像作成者C)の作成した第1医用画像データ(本実施の形態では医用画像Vの医用画像データ)を、第2の画像作成者(本実施の形態では画像作成者D)が加工して作成した第2医用画像データ(本実施の形態では医用画像Wの医用画像データ)の利用に対して、文書作成者と、第1の画像作成者と、第2の画像作成者に利用料金を分配するようにした。
【0238】
この構成であれば、損得勘定でのもめごとを低減又は防止することができるとともに、他者の作成した医用画像を利用しやすくなるので、よりよい内容の医用画像が作成されやすくなる。
また、本実施の形態では、登録する医用画像データに対して、例えば電子透かしの技術を利用して、その作成に係る全ての画像作成者の情報を埋め込む構成とした。
【0239】
このような構成であれば、作成に係る画像作成者に対して、より確実に利用料金を分配することができる。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態では、利用者の従事する医療に係る属性として、医院の属性、患者の属性、文書の属性及び具体的な治療内容の属性を例に挙げて説明したが、利用希望者への医用文書データの推奨を行うのに有用な属性であれば、他の属性を含んでいてもよい。または、医院の属性、患者の属性、文書の属性及び具体的な治療内容の属性のうち、いずれか1又は複数(3以下)の属性を用いる構成としてもよい。
【0240】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、文書属性管理テーブル460に、文書IDごとに、トラブル発生件数、患者の満足度、利用者の満足度及び文書利用回数を登録する構成としたが、この構成に限らない。例えば、診療項目、地域、医院の規模、患者の規模、職員の知識水準、患者の知識水準等の属性ごとにトラブル発生件数、患者の満足度、利用者の満足度、文書利用回数を登録する構成としてもよい。このことは、他の属性情報についても同様の構成としてもよい。
【0241】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、利用希望者の所属する医院の属性を入力する構成としたが、この構成に限らず、利用者を登録する際に利用者管理テーブル400に、利用者の所属する医院の属性情報やこの医院で取り扱う患者の属性情報を登録しておきこれらの属性情報の入力を省くことが可能な構成としてもよい。
【0242】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、患者IDと医院IDとを対応付けて、患者の属性情報と同一又は近い患者を取り扱っている医院での利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する構成としたが、この構成に限らない。例えば、医院を絡ませずに、同一又は近い属性情報を有する患者への利用度が所定値よりも高い医用文書データを推奨する構成としてもよい。
【0243】
また、上記実施の形態及びその変形例において、AI(Artificial Intelligence)により、利用希望者に対して医用文書データの推奨を行う構成とすることが可能である。AIを用いた構成として、例えば、次の構成を採用することができる。
この構成は、AIにより医用文書データを推奨する構成である。例えば、AIは、利用者の従事する医療に係る属性及び医用文書データが対応付けられた学習データに基づいて学習を行う。学習したAIは、医療属性情報を入力し、入力した医療属性情報に適合する1又は複数の医用文書データ(例えば、文書ID)を出力する。ここで、適合とは、例えば、学習結果からみて、入力した医療属性情報に対して妥当な医用文書データ(例えば、学習された複数の医用文書データのうち入力した医療属性情報に応じて分類される医用文書データをいう。以下、妥当の意味については同様である。)が挙げられる。そして、AIが出力した医用文書データを推奨する。
【0244】
また、例えば、AIは、医院の属性及び医用文書データが対応付けられた学習データに基づいて学習を行う。学習したAIは、医院の属性情報を入力し、入力した属性情報に適合する1又は複数の医用文書データ(例えば、文書ID)を出力する。そして、AIが出力した医用文書データを推奨する。
【0245】
また、例えば、AIは、患者の属性及び医用文書データが対応付けられた学習データに基づいて学習を行う。学習したAIは、患者の属性情報を入力し、入力した属性情報に適合する1又は複数の医用文書データ(例えば、文書ID)を出力する。そして、AIが出力した医用文書データを推奨する。
【0246】
また、例えば、AIは、文書の属性及び医用文書データが対応付けられた学習データに基づいて学習を行う。学習したAIは、文書の属性情報を入力し、入力した属性情報に適合する1又は複数の医用文書データ(例えば、文書ID)を出力する。そして、AIが出力した医用文書データを推奨する。
【0247】
また、例えば、AIは、具体的な治療内容の属性及び医用文書データが対応付けられた学習データに基づいて学習を行う。学習したAIは、具体的な治療内容の属性情報を入力し、入力した属性情報に適合する1又は複数の医用文書データ(例えば、文書ID)を出力する。そして、AIが出力した医用文書データを推奨する。
【0248】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、登録された医用画像データの利用について課金を行わず、登録された医用画像データを利用して作成された医用文書データの利用があったときに料金を課金し、その料金から医用画像データの作成者にも料金の分配を行う構成とした。この構成に限らず、文書作成者の医用画像データの利用に対しても課金を行う構成としてもよい。
【0249】
また、上記実施の形態及びその変形例では、運営者の設定した固定の分配率で、医用画像データの作成者に利用料金の分配を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、治療契約同意書の利用回数の情報に基づいて、そこで使用されている医用画像の利用度(利用している度合い)を算出し、算出した利用度に基づいて分配率を設定する構成としてもよい。例えば、医用画像データ(a)が、医用文書データG及びHの双方に使用されており、これら医用文書データG及びHがそれぞれ1回ずつ利用された場合に、医用画像データ(a)の利用回数を2回としてカウントする。このようにしてカウントされた回数が多いほど利用度が高いと判定して、利用度のより高い医用画像データについて、利用度のより低い医用画像データよりも分配率を高く設定する。
【0250】
また、利用度に限らず、例えば、医用画像の医用文書の作成に利用された回数に基づいて、貢献度を算出し、算出した貢献度に基づいて分配率を設定する構成としてもよい。例えば、医用画像データ(a)が、医用画像データG、H、I、J及びKの作成に使用されている場合に貢献度を「5」とする。一方、例えば、医用画像データ(b)が、医用画像データL、M及びNの作成に使用されている場合に貢献度を「3」と設定する。この場合、貢献度5の医用画像データ(a)の分配率を、これより低い貢献度3の医用画像データ(b)の分配率よりも高く設定する。
【0251】
また、上記実施の形態及びその変形例では、公開鍵暗号方式を利用した電子署名によって同意書への同意を行う構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、患者がチェック欄に確認のチェックを入れる構成や、ペンデバイスを用いて手書きによるサイン等を行う構成、指紋認証等の生態認証を用いる構成など他の構成としてもよい。
【0252】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、利用者が利用料金を通貨で支払う構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、例えば、ポイントその他の対価で支払う構成としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、作成者によって医用文書がアップデートされたときに、アップデートされた医用文書の情報を利用者に通知する構成としてもよい。例えば、同意書の同意事項は、裁判例や医療水準とされる標準医療が時代によって変わるためその変化に適応した事項を盛り込んで作っていく必要がある。そのため本来、判例を頻繁にチェックし、アップデートされなければならない。従って、最新の判例情報が反映された同意書が作成者によって作成された場合に利用者に対して通知されることで適切な医用文書の利用を推進することができる。
【0253】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、医用文書提供サーバ100に登録された作成者の作成した医用文書データ及び医用画像データを、内容の確認等を特に行わずに登録する構成としたが、この構成に限らない。例えば、運営者が文書や画像の内容を確認して、不適切な表現が用いられていないか、法的に誤ったことが記載されていないかなどの品質をチェックし、予め設定された基準を満たすものだけ登録を許可する構成としてもよい。
【0254】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、作成された医用文書のリーガルチェックについて、特に言及せずに各作成者に委ねる構成としたが、この構成に限らない。例えば、専門家に医用文書や医用画像のリーガルチェックを任せ、このリーガルチェックされた医用文書の利用について、決済された利用料金を、運営者、医用文書データの作成者及び医用画像データの作成者に加えて、リーガルチェックを行う専門家にも分配する構成としてもよい。
【0255】
また、上記実施の形態及びその変形例において、治療契約同意書等の医用文書の一覧を表示する際に、作成者の情報や利用料の情報を表記する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、医用文書の作成時又は更新時に基準となる判例の番号や日付等を入力しておき、利用者に提示する医用文書の一覧において、設定された判例の番号や日付等が分かる表記を行う構成としてもよい。
【0256】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、1つの医用文書データに対して、文書作成者、利用元文書、利用元文書作成者、利用元画像、利用元画像作成者を、それぞれ1:1で対応付ける構成としたが、この構成に限らない。1:n(nは2以上の自然数)に対応付ける構成としてもよい。例えば、2人の文書作成者によって、1つの医用文書データを作成した場合は、2人の文書作成者と対応付ける。また、例えば、医用文書データAの作成に、医用文書データB及びCを利用した場合に、2つの利用元文書及び2人の利用元文書作成者の情報が対応付けられる。このことは、医用画像データについても同様である。
【0257】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、ネットワークシステムとして実現したが、これに限らず、単一の装置又はアプリケーションとして実現することもできる。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、インターネット199からなるネットワークシステムに適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、インターネット199と同一方式により通信を行ういわゆるイントラネットに適用してもよい。もちろん、インターネット199と同一方式により通信を行うネットワークに限らず、任意の通信方式のネットワークに適用することができる。
【符号の説明】
【0258】
100…医用文書提供サーバ、 200,200T…利用者端末、 210…作成者端末、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 39…バス、 40…入力装置、 42…記憶装置、 44…表示装置、 199…インターネット、 300…治療契約同意書メニュー一覧画面、 301…治療契約同意書一覧画面、 324…推奨検索ボタン、 350…推奨検索情報入力画面、 370…推奨文書一覧画面、 400…利用者管理テーブル、 410…作成者管理テーブル、 420…医用文書管理テーブル、 430…医用画像管理テーブル、 440…医院属性管理テーブル、 450…患者属性管理テーブル、 460…文書属性管理テーブル、 470…治療属性管理テーブル、 480…分配管理テーブル、 500,501…治療契約同意書、 500_1…治療説明書、 500_3…同意書、 550…電子署名ボタン、 700,701,800,801…作成者情報
図1
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