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特開2022-75495監視装置、監視方法及び監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075495
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法及び監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20220511BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20220511BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220511BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220511BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20220511BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220511BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220511BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220511BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220511BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20220511BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G01C21/36
G08G1/00 J
G08B25/04 C
G08B21/10
H04N7/18 D
H04N7/18 K
H04N5/232 300
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128104
(22)【出願日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2020185127
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】503145855
【氏名又は名称】株式会社アーベルソフト
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】西岡 和也
(72)【発明者】
【氏名】西岡 和紀
【テーマコード(参考)】
2F129
5C054
5C086
5C087
5C122
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB22
2F129CC12
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD13
2F129DD15
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF14
2F129FF15
2F129FF65
2F129FF73
2F129GG17
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE14
5C054FE28
5C054HA19
5C086AA12
5C086AA46
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C086EA13
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA06
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA37
5C087DD02
5C087DD13
5C087EE05
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG40
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5C122DA11
5C122EA01
5C122EA07
5C122FA18
5C122FH11
5C122FH14
5C122FH22
5C122FK12
5C122FK35
5C122FK38
5C122FK40
5C122GC14
5C122GC52
5C122GE01
5C122GE06
5C122HA01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181EE13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF33
5H181GG12
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】道路の冠水状況を、道路の実情に応じて監視することのできる監視装置を提供する。
【解決手段】道路を含む環境の画像情報を撮影装置から取得する記憶部20と、画像情報を処理することにより、マンホールの第1蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して第1蓋を認識できないとの仮判断を行う制御回路10と、画像情報を処理することにより、側溝の第2蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して第2蓋を認識できないとの仮判断を行う制御回路10と、画像情報を処理することにより、縁石を認識できるとの判断、及び道路が冠水して縁石を認識できないとの仮判断を行う制御回路10と、第1蓋を認識できないとの仮判断、第2蓋を認識できないとの仮判断、及び縁石を認識できないとの仮判断が所定時間以上継続すると、道路が冠水しているとの正式判断を行う制御回路10と、道路が冠水しているとの正式判断が行われると、道路が冠水していることを示すアラームを発生させる制御回路10及び通信部30と、を有する監視装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を含む環境の画像情報を撮影装置から取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路に設けられているマンホールの第1蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第1蓋を認識できないとの仮判断を行うマンホール識別部と、
前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられている側溝の第2蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第2蓋を認識できないとの仮判断を行う側溝識別部と、
前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられる縁石を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記縁石を認識できないとの仮判断を行う縁石識別部と、
前記第1蓋を認識できないとの仮判断、前記第2蓋を認識できないとの仮判断、及び前記縁石を認識できないとの仮判断が所定時間以上継続すると、道路が冠水しているとの正式判断を行う冠水判断部と、
道路が冠水しているとの正式判断が行われると、道路が冠水していることを示すアラームを発生させるアラーム発生部と、
を有する監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の監視装置において、
前記画像取得部は、道路脇の電柱に設けられた撮影装置から画像情報を取得する、監視装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の監視装置において、
前記アラーム発生部が発生したアラームを外部装置へ送信する通信部が、更に設けられている、監視装置。
【請求項4】
前記外部装置は、道路を走行できる自動車に設けられ、かつ、電子化された地図上で自動車の現在位置から目標位置に至る道路を、自動車の乗員に提示するナビゲーション装置を含む、請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
道路を含む環境の画像情報を撮影装置から取得する第1ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路に設けられているマンホールの第1蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第1蓋を認識できないとの仮判断を行う第2ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられている側溝の第2蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第2蓋を認識できないとの仮判断を行う第3ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられる縁石を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記縁石を認識できないとの仮判断を行う第4ステップと、
前記第1蓋を認識できないとの仮判断、前記第2蓋を認識できないとの仮判断、及び前記縁石を認識できないとの仮判断が所定時間以上継続すると、道路が冠水しているとの正式判断を行う第5ステップと、
道路が冠水しているとの正式判断が行われると、道路が冠水していることを示すアラームを発生させる第6ステップと、
を有する監視方法。
【請求項6】
道路を含む環境の画像情報を撮影装置から取得する第1ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路に設けられているマンホールの第1蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第1蓋を認識できないとの仮判断を行う第2ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられている側溝の第2蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第2蓋を認識できないとの仮判断を行う第3ステップと、
前記画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられる縁石を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記縁石を認識できないとの仮判断を行う第4ステップと、
前記第1蓋を認識できないとの仮判断、前記第2蓋を認識できないとの仮判断、及び前記縁石を認識できないとの仮判断が所定時間以上継続すると、道路が冠水しているとの正式判断を行う第5ステップと、
道路が冠水しているとの正式判断が行われると、道路が冠水していることを示すアラームを発生させる第6ステップと、
を監視装置により実行させる、監視プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路状況を監視する監視装置、監視方法及び監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路状況を監視する監視装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された監視装置としての通知装置は、第1路側機を備える通知装置であって、第1路側機の周辺の道路上の水位を示す水位情報を取得する取得部と、水位情報に基づいて、水位が高いか否かを判定する第1判定部と、水位が高いと判定された場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う通信部と、を備えている。
【0003】
また、特許文献1には、水位が高いと判定された場合であって、道路に側溝が存在する場合、通信部は、道路に側溝が存在することを、通知装置以外の装置に通知することが記載されている。さらに、特許文献1には、水位が高いと判定された場合であって、道路にマンホールが存在する場合、通信部は、道路にマンホールが存在することを、通知装置以外の装置に通知することが記載されている。さらにまた、特許文献1には、対象道路に側溝が存在するか否かを判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-154746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載された監視装置では、道路の冠水の監視について未だ改善の意余地がある、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、道路の冠水状況を、道路の実情に応じて監視することのできる監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の監視装置は、道路を含む環境の画像情報を撮影装置から取得する画像取得部と、前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路に設けられているマンホールの第1蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第1蓋を認識できないとの仮判断を行うマンホール識別部と、前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられている側溝の第2蓋を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記第2蓋を認識できないとの仮判断を行う側溝識別部と、前記画像取得部が取得する画像情報を処理することにより、道路の脇に設けられる縁石を認識できるとの判断、及び道路が冠水して前記縁石を認識できないとの仮判断を行う縁石識別部と、前記第1蓋を認識できないとの仮判断、前記第2蓋を認識できないとの仮判断、及び前記縁石を認識できないとの仮判断が所定時間以上継続すると、道路が冠水しているとの正式判断を行う冠水判断部と、道路が冠水しているとの正式判断が行われると、道路が冠水していることを示すアラームを発生させるアラーム発生部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の監視装置、監視方法及び監視プログラムによれば、道路の冠水状況を、道路の実情に応じて監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】監視装置を含むシステム全体の概要を示す図である。
図2】監視装置の一実施の形態である管理サーバに記憶されている撮影装置情報及び画像データ情報の概要を示す図である。
図3】撮影装置の概要を示す図である。
図4】全体処理の概要を示す図である。
図5】一実施形態における撮影装置情報記憶処理および画像データ記憶処理の概要を示す図である。
図6】一実施形態における画像データと解析結果の概要を示す図である。
図7】一実施形態における画像解析処理の概要を示す図である。
図8】一実施形態における地域情報画面の概要を示す図である。
図9】一実施形態における地域情報画面生成処理の概要を示す図である。
図10】一実施形態における地域情報画面提供処理の概要を示す図である。
図11】一実施形態におけるアラート画面の概要を示す図である。
図12】一実施形態におけるアラート画面生成処理の概要を示す図である。
図13】一実施形態におけるアラート画面提供処理の概要を示す図である。
図14】管理サーバにより行われる制御例を示すフローチャートである。
図15】道路に設けられたマンホールの蓋、側溝の蓋、縁石を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の監視装置、監視方法及び監視プログラムの一実施形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本開示の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
<全体構成>
図1は、監視装置の一実施形態である管理サーバ120を含むシステムの全体構成を示す図である。図1に示されるように、システムは、撮影装置100と、テレビ事業者110と、ユーザ端末111と、撮影装置100およびテレビ事業者110およびユーザ端末111とネットワークを介して接続される管理サーバ120とを有する。すなわち、管理サーバ120は、撮影装置100およびテレビ事業者110およびユーザ端末111とネットワークを介して接続される。
【0012】
また、ネットワークは、有線または無線の何れによって構築されていてもよい。さらに、ネットワークはインターネットを含む。撮影装置100は、例えば、道路脇の電柱、道路脇のビルディング、道路脇のポール、道路上に設けられるアーチ及びゲート、橋梁、橋桁、欄干、鉄橋、堤防等に設置可能である。さらに、撮影装置100が異なる場所にそれぞれ設置されてもよい。また、複数の撮影装置100が同一の場所に設置されてもよい。なお、撮影装置100は、図15に示されているように、道路50を走行できる自動車54に設けられていてもよい。また、複数のユーザ端末111が、管理サーバ120へ接続可能である。ユーザ端末111は、ユーザによって利用及び操作される。
【0013】
さらに、ユーザ端末111は、表示部(出力部)40、操作部41、通信部42、制御回路43及び記憶部44等を有する。なお、操作部41と表示部40とが統合されていてもよいし、操作部41と表示部40とが別々に設けられていてもよい。操作部41はユーザにより操作される。操作部41から出力される信号は、制御回路43へ入力される。表示部40は、例えば、液晶ディスプレイ、ガラスディスプレイ、スピーカ等を含む。制御回路43は、表示部40の表示内容を制御する。制御回路43と通信部42との間で信号の授受が行われ、通信部42と、管理サーバ120の通信部30との間で通信が行われる。制御回路43は、記憶部44にアクセスする。記憶部44は、ユーザ端末111での処理に用いられる情報、データ、プログラム等を記憶している。記憶部44は、ユーザ端末111を構成するケーシングの内部に設けられていてもよいし、ケーシングの外部に外付されてもよい。さらに、記憶部44は、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc (Blu-rayは登録商標))、フラッシュメモリ等でもよい。
【0014】
さらに、ユーザ端末111は、図15の自動車54に設けられるナビゲーション装置の一部を構成する装置であってもよい。ナビゲーション装置は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS:Global Positioning System)を利用する衛星航法、地磁気センサまたはジャイロセンサを使用した自律航法により、電子化された地図に自動車の現在位置を示し、かつ、自動車を現在位置から目的地まで案内するものである。このナビゲーション装置は、地図を表示する機能、自動車の現在位置を検出して地図で表示する機能、自動車の現在位置から目標位置までの走行経路を地図で提示する機能、走行経路をスピーカで音声により案内する機能等を有する。ユーザ端末111がナビゲーション装置である場合、表示部40には、地図、現在位置、目標位置、走行経路等が表示される。自動車の乗員、つまり、ユーザは、操作部41を操作することにより、地図における目標位置及び走行経路を選択することができる。
【0015】
管理サーバ120は、制御回路10、記憶部20、通信部30及びタイマーを有するコンピュータである。記憶部20及び通信部30は、コンピュータを構成するケーシングの内部に設けられてもよいし、ケーシングの外部に外付けされてもよい。記憶部20は、撮影装置情報記憶部130と、画像データ記憶部131と、解析結果記憶部132と、地域情報画面記憶部133と、アラート画面記憶部134とを有する。また、記憶部20には、管理サーバ120が各種の制御を実行するため必要なプログラムが記憶されている。なお、このプログラムは、適宜、アップデートされることがある。
【0016】
制御回路10は、画像解析部140と、地域情報画面生成部150と、地域情報画面提供部160と、アラート画面生成部170と、アラート画面提供部180と、を有する。制御回路10と記憶部20とが通信可能に接続されている。制御回路10と通信部とが通信可能に接続されている。通信部30は、撮影装置100、テレビ事業者110及びユーザ端末111に対してネットワークを介して接続される。
【0017】
撮影装置情報記憶部130には、撮影装置情報200(後述、図2(a))が記憶されている。画像データ記憶部131には、画像データ210(後述、図2(b))が記憶されている。解析結果記憶部132には、解析結果600(後述、図6)が記憶されている。また、地域情報画面記憶部133には、地域情報画面800(後述、図8)が記憶されている。また、アラート画面記憶部134には、アラート画面1100(後述、図11)が記憶されている。
【0018】
画像解析部140は、画像データ記憶部131から抽出した画像データ210に含まれる画像を画像認識技術により解析することで解析結果600を生成する。また、画像解析部140は、解析結果600に含まれる警戒レベル610が所定数値以上となる地域情報項目が存在する場合に、画像データに紐づく撮影装置情報200の緊急状態をOnに更新して撮影装置情報記憶部130に記憶し、解析結果600に含まれる警戒レベル610が最大数値となる地域情報項目が存在する場合に、アラート画面1100の生成を要求する。緊急状態の意味は、後述する。警戒レベル610を表す数値は、例えば、整数で表すことができる。本実施形態では、警戒レベル610を表す数値が大きいほど、警戒レベル610が高いものとして取り扱う例を説明する。
【0019】
地域情報画面生成部150は、画像データ記憶部131から取得した画像データ210に基づいて、地域情報画面800を生成する。地域情報画面800、地域情報画面生成処理については図8、9にて後述する。地域情報画面提供部160は、テレビ事業者110またはユーザ端末111の少なくとも一方へ、地域情報画面800を提供する。地域情報画面提供処理については図10にて後述する。
【0020】
アラート画面生成部170は、画像解析部140からアラート画面1100の生成を要求された場合に、解析結果記憶部132から取得した解析結果600に含まれる地域情報項目のうち、警戒レベル610が最大数値となる地域情報項目に対応したメッセージを表示することで、アラート画面1100を生成する。アラート画面1100の詳細、アラート画面生成処理の詳細については図11、12にて後述する。アラート画面提供部180は、テレビ事業者110に、生成したアラート画面1100を提供する。アラート画面提供処理については図13にて後述する。
【0021】
<撮影装置情報記憶部>
図2(a)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120の撮影装置情報記憶部130に記憶されている撮影装置情報(画像情報)200の概要を示す図である。図2(a)に示されるように、撮影装置情報200は、撮影装置IDと、接続状態と、緊急状態と、画像データ210と、検知データ220等のデータ項目により構成される。
【0022】
「撮影装置ID」は、管理サーバ120が、撮影装置100を識別するための符号を示す。「接続状態」は、撮影装置100が管理サーバ120と接続されているか否かの状態を示す。「緊急状態」は、撮影装置100を設置した場所付近における災害の危険度や、交通渋滞の程度、通行人や来客人数の程度について、情報を周知させる緊急性が高いか否かの状態を示す。緊急状態「On」は、撮影装置100で得られた情報を周知させる緊急性が高いことを意味する。緊急状態「Off」は、撮影装置100で得られた情報を周知させる緊急性が高くない、つまり、低いことを意味する。
【0023】
なお、管理サーバ120は、画像解析処理によって生成した解析結果600に含まれる警戒レベル610が、所定数値、例えば「3以上」である場合に、緊急状態「On」とする処理を行う。管理サーバ120は、警戒レベル610が「3未満」である場合に、緊急状態「Off」とする処理を行う。
【0024】
画像データ210の詳細は後述する。検知データ220は、撮影装置100を設置した場所付近における気温や、風速、降水量、騒音、二酸化炭素排出量等の、環境に関する情報を示す。検知データ220は、撮影装置100を構成するボックス部300(詳細は後述する)が有するセンサ部303によって取得される。
【0025】
図2(b)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120の画像データ記憶部131に記憶されている画像データ210の概要を示す図である。画像データ210は、画像データID、生成日時、緊急状態、撮影枚数、撮影位置情報等の情報を示す。また、画像データ210は、撮影装置IDを含み、これによって撮影装置情報200と紐付けられる。
【0026】
「生成日時」は、撮影装置100に含まれるカメラ部310が撮影することによって画像を生成した日時を示す。「画像データID」は、管理サーバ120が、画像データ210を識別するための符号を示す。「撮影枚数」は、撮影装置100に含まれるカメラ部310によって1時間あたりに撮影される画像の枚数を示す。「撮影位置情報」は、撮影装置100に含まれるカメラ部310の位置情報を示す。撮影位置情報は、緯度、経度、方角、等のデータを含む。
【0027】
図2(c)は、検知データ220の概要を示す図である。検知データ220は、検知データID、生成日時、緊急状態、気温、風速等の情報を示す。また、検知データ220は、撮影装置IDを含み、これによって撮影装置情報200と紐付けられる。検知データ220を用いることにより、管理サーバ120は、撮影装置100の周辺環境を把握できる。すなわち、撮影装置100により撮影された画像と、検知データ220の情報とを併用することで、撮影装置100を設置した付近についてのリアルタイムの状況を、より正確に把握できる。
【0028】
<撮影装置>
図3は、一実施形態における撮影装置100の概要を示す図である。図3(a)で示されるように、撮影装置100は、一例として、電柱400に取り付けられる。撮影装置100は、同一の撮影目標または同一の撮影位置に対して複数設けられる。撮影目標、撮影位置は、道路、河川等を含む。撮影装置100は、カメラ部310と、支持部320と、ボックス部300と、を有する。
【0029】
カメラ部310は、撮影により画像データ210を取得する。また、カメラ部310の大きさは、例えば幅100mm×高さ180mm×奥行60mmとするが、特に限定されない。カメラ部310は、支持部320に取り付けられる。この際、カメラ部310は、取り付け時に所望の方向と角度に固定される。また、カメラ部310を取り付ける方位、取り付け角度、取り付け高さ等は、工事業者によって適宜変更できる。カメラ部310の取り付け角度は、例えば、鉛直線とレンズの中心線との間に形成される角度で表すことができる。カメラ部310の取り付け高さは、例えば、標高で表すことができる。
【0030】
撮影装置100は、同一の撮影目標に対して単数設けられていてもよいし、同一の撮影目標に対して複数設けられていてもよい。撮影装置100が複数設けられる場合、カメラ部310を取り付け方向、取り付け角度、取り付け高さは、それぞれ異ならせることができる。撮影目標は、道路、河川、駐車場、公共施設等を含む。さらに、カメラ部310は、レンズに付着する水滴から降雨の有無を検出し、かつ、撮影装置100は、降雨の有無を検出した信号を出力可能である。
【0031】
支持部320は、ボックス部300およびカメラ部310と接合し、電柱400と所定の高さにおいて接合される。なお、所定の高さは、例えば、地盤面から5mとする。また、支持部320の大きさは、例えばφ90mm×全長1500mmとするが、特に限定されない。
【0032】
図3(b)で示されるように、ボックス部300は、電柱400から電力を取得する電力取得部301と、管理サーバ120およびカメラ部310とネットワークにより接続される通信部302と、センサ部303と、を有する。なお、ボックス部300は筐体を有し、筐体の内部において、電力取得部301、通信部302、センサ部303、を有する。
【0033】
筐体の大きさは、例えば、幅400mm×高さ400mm×奥行200mmとするが、特に限定されない。また、ボックス部300の筐体の素材は、防水性、耐水性、防塵性を有する素材であり、例えば、プラスチックとする。なお、ボックス部300は、塗装により防水性、耐水性、防塵性を有するようにしても良い。
【0034】
撮影装置100と管理サーバ120とが通信可能に接続されている状態、つまり、接続状態がOnである時に、センサ部303は、検知データ220を取得する。また、撮影装置100の緊急状態がOnである時に、撮影装置100は、緊急状態の判定後1時間以内の撮影枚数を所定枚数に変更する。所定枚数は、例えば、20枚とするが特に限定されない。また、撮影装置100は、取得した画像データ210と検知データ220とを撮影装置情報200として管理サーバ120に送信する。
【0035】
電力取得部301は、電柱400から電力を取得する。電力取得部301は、電柱400が有する電源線と電力取得部301が含む漏電ブレーカーの端子との間を所定の電源用ケーブルを接続することにより、例えば、電柱400から単相100Vの電圧を有する電力の供給を受ける。より詳細には、工事業者は、まず、ボックス部300から引き出した電源用ケーブルを屋外用インシュロック等で腕金に沿って電柱400近くまで固定し、電柱400近傍の腕金上に分界点を作る。その後、工事業者は、電源用ケーブルを介して、電柱400が有する電源線と電力取得部301が含む漏電ブレーカーの端子との間を接続する。
【0036】
そして、工事業者は、電力取得部301が含む漏電ブレーカーにて電圧測定を行い、100Vが供給されていることを確認後、漏電ブレーカーをOnにすることによりボックス部300内に通電する。このようにして、電力取得部301は、電柱400から電力を取得することができる。
【0037】
通信部302は、管理サーバ120およびカメラ部310とネットワークにより接続される。通信部302は、近距離波を送受信することでカメラ部310と接続する。また、通信部302は、長距離波を送受信することで管理サーバ120と接続するものでもよい。なお、通信部302は、有線または無線よって管理サーバ120と遠距離通信するものでもよい。センサ部303は、撮影装置100の付近の温度、湿度、風速、風向、音、降水量、気圧などの情報を検知データ220として取得する。
【0038】
このようにして、通信機能を有する撮影装置100を市街地等の電柱400に直接取り付けることができ、撮影装置100は、設置場所を容易に確保し装置への安定的な電力供給を受けることができる。また、撮影装置100を、入手したい地域情報項目(人数、自動車54の数、河川状況等)の種類・性質に応じた場所の電柱400に取り付けることができ、管理サーバ120は、地域の商工業、災害状況、防犯等についてのリアルタイムな情報を幅広く入手できる。人数は、例えば、同一の場所で所定時間内に撮影装置100の撮影画像に映った人の数である。なお、人数は、同一人か否かまでを判断することは無く、単純に人数として取り扱う。また、自動車54の数は、例えば、同一の場所で所定時間内に撮影装置100の撮影画像に映った自動車54の数である。なお、自動車54の数は、同一の自動車54か異なる自動車かを判断することは無く、単純に自動車54の数として取り扱う。
【0039】
すなわち、例えば、「ショッピングセンターの駐車場」付近の電柱400に撮影装置100を設置した場合は、当該ショッピングセンターの駐車場に駐車されている自動車の数、または、周辺道路を所定時間内に走行した自動車数等の交通状況を画像解析することで、管理サーバ120は、各時間帯における混雑状況や繁忙状況を把握させることができる。
【0040】
河川状況は、例えば、河川の水位レベル、より具体的には、護岸の堤防上端に対する水面の余裕高さ、または、護岸の堤防上端と水面の高さとの差で表すことができる。また、「河川に架かる橋」付近の電柱400に撮影装置100を設置した場合は、当該河川の流量を画像解析することで、管理サーバ120は、各時間帯における水害発生の危険性および避難の緊急度等を把握させることができる。
【0041】
なお、撮影装置100は、原則として一つの電柱400につき一つが設置されるが、一つの電柱400に複数個の撮影装置100を設置しても良い。撮影装置100を一つの電柱400に複数個を設置することにより、撮影装置100は、一箇所から異なる方向および角度の領域に係る複数の画像を撮影できる。そして、当該複数画像を撮影できることで、管理サーバ120は、ある一箇所での緊急状態について、より正確に把握させることができる。
【0042】
また、撮影装置100は、過去に災害や犯罪が発生した場所、または発生する可能性が高い場所付近の電柱400に、優先的に設置される。このようにすることで、撮影装置100は、災害の早期把握と犯罪の抑止を効率的に実現できる。
【0043】
<全体処理>
図4は、管理サーバ120で行われる処理の概要を示す図である。まず、管理サーバ120は、ステップS401において、撮影装置情報記憶処理および画像データ記憶処理(図5で後述する)を行う。管理サーバ120は、ステップS401に次ぐステップS402において、画像解析処理(図6図7で後述する)を行う。管理サーバ120は、ステップS402に次ぐステップS403において、地域情報画面生成処理(図8図9で後述する)を行う。
【0044】
管理サーバ120は、ステップS403に次ぐステップS404において、地域情報画面提供処理(図10で後述する)を行う。管理サーバ120は、ステップS404の次ぐステップS407において、アラートするか否かを判断する。なお、ステップS407の判断内容は、図5のステップS708で説明する。管理サーバ120は、ステップS407でYESと判断すると、ステップS405において、アラート画面生成処理(図11、12で後述する)を行う。管理サーバ120は、ステップS405に次ぐステップS406において、アラート画面提供処理(図13で後述する)を行い、図4に示す制御を終了する。なお、管理サーバ120は、ステップS407でNOと判断すると、図4に示す制御を終了する。
【0045】
<撮影装置情報記憶処理および画像データ記憶処理>
図5は、撮影装置100における撮影処理、及び管理サーバ120における撮影装置情報記憶処理および画像データ記憶処理の概要を示す図である。以下、撮影装置100が道路、河川等の環境を撮影し、かつ、撮影した画像情報を管理サーバ120へ送り、管理サーバ120が撮影装置情報200を記憶する方法および画像データ210を記憶する方法について説明する。
【0046】
まず、撮影装置100は、ステップS501において、接続状態がOnであるか否かを判定する。撮影装置100と管理サーバ120との通信が接続されている状態、つまり、接続状態がOnである場合は、ステップS501でYESと判断されて、撮影装置100はステップS502へ進む。これに対して、撮影装置100と管理サーバ120との通信が遮断されている状態、つまり、接続状態がOffである場合は、ステップS501でNOと判断されて、撮影装置100は、図5に示す制御例を終了(本工程を終了)する。
【0047】
ステップS502にて、撮影装置100は、撮影装置100が有するセンサ部303によって検知データ220を取得する。次に、ステップS503にて、撮影装置100は、撮影装置情報200の緊急状態がOnであるか否かを判定する。撮影装置100は、緊急状態がOnである場合にステップS503でYESと判断し、撮影装置100はステップS504へ進行する。撮影装置100は、緊急状態がOffである場合に、ステップS503でNOと判断し、ステップS505へ進む。緊急状態がOffとは、緊急状態ではないことを意味する。
【0048】
ステップS504にて、すなわち撮影装置情報200の緊急状態がOnである時に、撮影装置100は、緊急状態の判定後1時間以内の撮影枚数を、所定枚数に変更する。所定枚数は、例えば、20枚とするが特に限定されない。次に、ステップS505にて、撮影装置100は、撮影装置100が有するカメラ部310によって画像データ210を取得する。
【0049】
次に、ステップS506にて、撮影装置100は、ステップS502で取得された検知データ220と、ステップS505で取得された画像データ210等を撮影装置情報200として管理サーバ120に送信する。次に、ステップS507にて、管理サーバ120は、ステップS506で送信された撮影装置情報200を受信し、撮影装置情報記憶部130に記憶する。
【0050】
次に、ステップS508にて、管理サーバ120は、ステップS507で記憶した撮影装置情報200のうち画像データ210を、画像データ記憶部131に記憶する。なお、図5のステップS501の判断は、管理サーバ120が行うこともできる。さらに、管理サーバ120と撮影装置100との間の通信が接続されていれば、管理サーバ120から撮影装置100に制御信号を送信することにより、撮影装置100でステップS501乃至ステップS506の判断および処理を行わせることもできる。
【0051】
<画像データと解析結果>
図6(a),(b)は、撮影装置100または管理サーバ120で処理される画像データ210及び解析結果600の概要を示す図である。図6(a)に示されるように、撮影装置100は、市街地の任意の場所にある電柱400に取り付けられる。画像データ210は、撮影装置100が撮影することにより取得できる。図6(b)で示されるように、解析結果600は、画像IDと、地域情報項目と、警戒レベル610等を含む。
【0052】
地域情報項目は、例えば、人数、自動車数、障害物、河川水位状況等がある。解析結果600は、例えば、「人数が2人」、「河川水位状況が平常通り」等がある。警戒レベル610は、地域情報項目の解析結果600の数値に応じた程度を示す。また、警戒レベル610は、幾つかの段階、例えば5段階に別れている。警戒レベル610が所定の段階になると、管理サーバ120は、緊急状態をOnにする。なお、例えば警戒レベル610が5段階の場合、所定の段階は、警戒レベルを「3」とすることができる。また、警戒レベルが最大の段階になると、管理サーバ120は、アラート画面1100の生成を要求する。
【0053】
上記の具体例として、例えば、地域情報項目「自動車数」の解析結果600が「2台」の場合の警戒レベル610は「1」とする。地域情報項目「自動車数」の解析結果600が「7台」の場合の警戒レベル610は「3」とする。つまり、自動車数が多いほど、警戒レベル610の数字は大きく設定される。
【0054】
また、判定の基準については、予め設定により変更できる。すなわち、撮影装置100の設置場所や画像に写る種類・性質によって、地域情報項目の解析結果600の期待値が変動するため、それに応じて適宜設定を変更することで、撮影装置100の設置場所に対応した正確な解析結果600を生成できる。
【0055】
例えば、撮影装置100の第1の設置場所(A)では、画像に写る道路の交通量が従来少ない場合、地域情報項目「自動車数」の解析結果600が「7台」の場合の警戒レベル610は「3」とする。他方、撮影装置100の第2の設置場所(B)では、画像に写る道路の交通量が従来多い場合、地域情報項目「自動車数」の解析結果600が「7台」の場合の警戒レベル610は「1」とする。
【0056】
このようにすることで、解析結果600が「自動車数:7台」で同じ場合でも、撮影装置100の設置場所Aと設置場所Bとで、それぞれの警戒レベル610の数値を変動させることができ、撮影装置100の設置場所に対応した正確な解析結果600を生成できる。
【0057】
<画像解析処理>
図7は、管理サーバ120が行う画像解析処理の概要を示す図である。まず、S701にて、管理サーバ120の画像解析部140は、画像データ記憶部131から画像データ210を抽出する。次に、S702にて、画像解析部140は、S701で取得した画像データ210に含まれる各画像について画像認識技術を利用して撮影範囲内の人、自動車、障害物、河川状況等を解析し、解析結果600と警戒レベル610を生成する。
【0058】
また、画像解析部140は、画像を解析する際に、画像内に映り込む人物の顔および自動車のナンバー、また個人情報を特定する表示物に対し、モザイク等の「ぼかし」をかける処理を行う。具体的には、画像解析部140は、まず、画像認識技術を利用して、画像内に映り込む全ての被写体の内から、人物の顔および自動車のナンバー、また個人情報を特定する表示物と、他の被写体とを区別する。
【0059】
次に、画像解析部140は、上記個人情報を特定する表示物にのみ、「ぼかし」をかける処理を行う。そして、画像解析部140は、区別した他の被写体についてはそのまま表現する。なお、「ぼかし」とは、画像における被写体の表示が不明瞭になるような表現手法を意味する。
【0060】
このようにして、管理サーバ120は、周知である画像認識技術を利用して撮影範囲内の人、自動車、建物等の特定の部分を「ぼかし」で隠すことで、地域住民等のプライバシーを保護する。すなわち、プライバシー等の各種規制による制限を低減して、管理者(テレビ事業者110等)は、多数の撮影装置100を市街地、住宅地、山間部等の公共の場所に設置できる。
【0061】
次に、S703にて、画像解析部140は、ステップS702で生成した解析結果600を解析結果記憶部132に記憶する。次に、ステップS704にて、画像解析部140は、地域情報画面生成部150に対し、地域情報画面800の生成を要求する。次に、ステップS705にて、画像解析部140は、ステップS702で生成した解析結果600のうち、警戒レベル610が所定数値以上の地域情報項目があるか否かを判定する。なお、所定数値は、例えば、「3」とする。警戒レベル610が所定数値以上の地域情報項目がある場合、画像解析部140は、ステップS705でYESと判断してステップS706へ進む。警戒レベル610が所定数値以上の地域情報項目がない場合、画像解析部140はステップS705でNOと判断し、管理サーバ120は、図7に示す制御を終了(本工程を終了)する。
【0062】
ステップS706にて、画像解析部140は、ステップS701で抽出した画像データ210に紐づく撮影装置IDから撮影装置情報200を取得する。次に、ステップS707にて、画像解析部140は、撮影装置情報200の緊急状態をOnに更新して撮影装置情報記憶部130に記憶する。
【0063】
次に、ステップS708にて、画像解析部140は、ステップS702で生成した解析結果600のうち、警戒レベル610が最大数値の地域情報項目があるか否かを判定する。なお、最大数値は、例えば、「5」とする。画像解析部140は、警戒レベル610が最大数値の地域情報項目がある場合、ステップS708でYESと判断してステップS709へ進み、画像解析部140は、アラート画面生成部170に対して、アラート画面1100の生成を要求する。画像解析部140がステップS708でYESと判断することが、図4のステップS407でYESと判断すること、つまり、“アラートする”に相当する。また、画像解析部140は、ステップS708において警戒レベル610が最大数値の地域情報項目がない場合にNOと判断し、図7の制御を終了する。
【0064】
このように画像解析を行うことにより、管理サーバ120は、災害状況の早期把握を可能とさせる。また、管理サーバ120は、地域住民の生活環境を向上させ、消費意欲を活性化させることができる。
【0065】
<地域情報画面>
図8は、管理サーバ120から、テレビ事業者110またはユーザ端末111の少なくとも一方へ提供される地域情報画面800の概要を示す図である。図8に示されるように、地域情報画面800は、画像表示領域810と、操作アイコン表示領域820と、を含む。地域情報画面800は、テレビ事業者110に提供される。画像表示領域810は、撮影装置100が撮影した画像を表示させる。具体的には、画像表示領域810は、撮影装置100が生成する画像データ210に含まれる画像、日時、撮影位置情報等に基づいて、地域情報画面生成部150によって生成される。なお、画像表示領域810の表示のさせ方は特に限定されない。
【0066】
操作アイコン表示領域820は、テレビ事業者110がユーザ端末111またはテレビ等に配信する地域情報画面800において、画像を切替えたり、画像データ210に含まれる検知データ220を表示させたり、地域情報画面800の表示を終了させるための操作を受け付けるアイコンを示す。
【0067】
<地域情報画面生成処理>
図9は、管理サーバ120で行われる地域情報画面生成処理の概要を示す図である。図9で示されるように、まず、管理サーバ120の地域情報画面生成部150は、ステップS901において、前記ステップS704で要求された地域情報画面800の生成に要する画像データ210を、画像データ記憶部131から取得する。次に、地域情報画面生成部150は、ステップS902において、前記ステップS901で取得した画像データ210に含まれる画像、日時、撮影位置情報等に基づき、地域情報画面800を生成する。
【0068】
次に、地域情報画面生成部150は、ステップS903において、地域情報画面800を地域情報画面記憶部133に記憶する。次に、地域情報画面生成部150は、ステップS904において、前記ステップS902で生成した地域情報画面800の提供を、地域情報画面提供部160に要求する。
【0069】
<地域情報画面提供処理>
図10は、管理サーバ120が行う地域情報画面提供処理の一例を示す図である。管理サーバ120の地域情報画面提供部160は、ステップS1001において、前記ステップS904で要求された地域情報画面800の提供要求を受け付ける。次に、地域情報画面提供部160は、ステップS1002において、提供したい地域情報画面800を地域情報画面記憶部133から抽出する。
【0070】
次に、地域情報画面提供部160は、ステップS1003において、地域情報画面800を提供したいテレビ事業者110に対して、前記ステップS1002で抽出した地域情報画面800を提供する。次に、テレビ事業者110は、ステップS1004において、地域情報画面800をテレビ放送またはインターネット配信する。また、地域情報画面提供部160は、ステップS1003において、地域情報画面800をユーザ端末111に対して、直接インターネットにより提供しても良い。すると、ユーザ端末111は、ステップS1004において、地域情報画面800を受信する。
【0071】
このようにして、管理サーバ120は、地域情報画面800が有する画像をテレビ放送またはインターネット配信により視聴させることによって、災害状況の早期把握を可能とさせる。また、管理サーバ120は、地域住民の生活環境を向上させ、消費意欲を活性化させることができる。
【0072】
<アラート画面>
図11は、管理サーバ120により生成されるアラート画面1100の概要を示す図である。アラート画面1100は、アラート表示領域1110と、操作アイコン表示領域820と、を含む。アラート画面1100は、テレビ事業者110またはユーザ端末111の少なくとも一方へ提供される。例えば、図1に示すユーザ端末111の表示部40に、アラート画面1100が表示される。アラート表示領域1110は、アラートの内容を表示させる。なお、アラート表示領域1110の表示のさせ方は特に限定されない。また、アラートは、表示部40のスピーカから音声で出力されてもよい。
【0073】
<アラート画面生成処理>
図12は、管理サーバ120が行うアラート画面生成処理の例を示す図である。まず、アラート画面生成部170は、ステップS1201において、前記ステップS709で要求されたアラート画面1100の生成に要する解析結果600を、解析結果記憶部132から取得する。次に、アラート画面生成部170は、ステップS1202において、解析結果600に含まれる地域情報項目のうち、最大数値となる項目に対応したメッセージを表示することで、アラート画面1100を生成する。
【0074】
次に、アラート画面生成部170は、ステップS1203において、アラート画面1100をアラート画面記憶部134に記憶する。次に、アラート画面生成部170は、ステップS1204において、アラート画面1100の提供をアラート画面提供部180に要求する。
【0075】
<アラート画面提供処理>
図13は、管理サーバ120で行われるアラート画面提供処理の例を示す図である。まず、管理サーバ120のアラート画面提供部180は、ステップS1301において、前記ステップS1204で要求されたアラート画面1100の提供要求を受け付ける。次に、アラート画面提供部180は、ステップS1302において、提供したいアラート画面1100を、アラート画面記憶部134から抽出する。
【0076】
次に、アラート画面提供部180は、ステップS1303において、アラート画面1100を提供したいテレビ事業者110にアラート画面1100を提供する。すると、テレビ事業者110は、ステップS1304において、提供されたアラート画面1100をテレビ放送またはインターネット配信する。
【0077】
また、アラート画面提供部180は、ステップS1303において、アラート画面1100をユーザ端末111に直接インターネットにより提供しても良い。すると、ユーザ端末111は、ステップS1304でアラート画面1100を受信する。このようにして、管理サーバ120は、アラート画面1100をテレビ放送またはインターネット配信により視聴させることによって、災害状況の早期把握を可能とさせる。
【0078】
<管理サーバで行われる他の制御例>
管理サーバ120は、記憶部20に記憶されている監視プログラムにより、図14に示す制御例、つまり、監視方法を実行可能である。管理サーバ120は、ステップS20において、撮影装置100から送信される画像情報を取得する。また、管理サーバ120は、ステップS20において、撮影装置情報記憶部130に記憶されている撮影情報、画像データ記憶部131に記憶されている画像データ等を処理する。また、管理サーバ120は、ステップS21において、現時点よりも前の第1所定時間内に、第2所定時間以上継続して雨が降ったか否かを判断する。第1所定時間及び第2所定時間は、タイマーにより計測される。降雨の有無は、撮影装置100の画像情報から判断可能である。第2所定時間は、第1所定時間以下である。
【0079】
管理サーバ120は、撮影装置100から送信される画像、撮影装置情報記憶部130に記憶されている撮影情報、画像データ記憶部131に記憶されている画像データ等に基づいて、ステップS21の判断を行うこと、または、インターネットから得られる情報を利用して、ステップS21の判断を行うことができる。管理サーバ120は、ステップS21でYESと判断すると、ステップS22において、第3所定時間以上継続して、側溝の蓋を認識でき、かつ、道路の縁石を認識でき、かつ、マンホールの蓋を認識できないような道路50の冠水状態かを判断する。第3所定時間は、例えば、10分であり、記憶部20に記憶されている。経過時間は、制御回路10のタイマーにより計測される。
【0080】
管理サーバ120は、撮影装置100から送信される画像、撮影装置情報記憶部130に記憶されている撮影情報、画像データ記憶部131に記憶されている画像データ等に基づいて、ステップS22の判断を行う。ステップS22で行う判断例を、図15を参照して説明する。自動車54が走行可能な道路50の脇に側溝が道路50に沿って設けられており、側溝を塞ぐ複数の蓋51が設けられている。また、道路50には、マンホールを塞ぐ蓋52が設けられている。さらに、道路50の脇には、複数の縁石53が設置されている。
【0081】
図15は、複数の蓋51及び複数の縁石53が、それぞれ略直線状に並べて配置された例を示す。また、図15は、道路50の幅方向において、蓋51が、道路50と縁石53との間に配置された例を示す。なお、道路50の幅方向において、縁石53が、道路50と蓋51との間に配置されていてもよい。さらに蓋51,52の上面は、一例として道路50の上面と略同じ高さである。縁石53の上面は、道路50の上面よりも高い。道路が冠水により覆われると、蓋51,52の上面と水面との差に応じて、蓋51,52を認識できるかできないかが定まる。また、縁石53の上面と水面との差に応じて、縁石53を認識できるかできないかが定まる。
【0082】
管理サーバ120は、予め定められた数の蓋51の外周形状、つまり、輪郭を画像情報から認識できると、管理サーバ120は、蓋51を認識できると判断する。これに対して、管理サーバ120は、予め定められた数の蓋51の輪郭を画像情報から認識できないと、道路50が冠水して蓋51を認識できないと仮判断する。また、管理サーバ120は、マンホールを塞ぐ蓋52の輪郭を画像情報から認識できると、蓋52を認識できると判断する。これに対して、管理サーバ120は、蓋52の輪郭を画像情報から認識できないと、道路50が冠水して蓋52を認識できないと仮判断する。さらに、管理サーバ120は、予め定められた数の縁石53の輪郭を画像情報から認識できると、縁石53を認識できると仮判断する。これに対して、管理サーバ120は、予め定められた数の縁石53の輪郭を画像情報から認識できないと、道路50が冠水して縁石53を認識できないと仮判断する。
【0083】
管理サーバ120は、ステップS22でNOと判断すると、ステップS23に進み、道路50は正常、つまり、道路50は冠水していないものとして正式判断し、かつ、図11のアラート画面1100を提供しない処理を行い、図14の制御例を終了する。また、管理サーバ120は、ステップS21でNOと判断した場合も、ステップS23の処理を行う。
【0084】
管理サーバ120は、道路50が冠水して蓋52を認識できないとの仮判断、道路50が冠水して蓋51を認識できないとの仮判断、道路50が冠水して縁石53を認識できないとの仮判断が、全て第3所定時間以上継続すると、道路50が冠水していると正式判断する。つまり、管理サーバ120は、ステップS22でYESと判断してステップS24に進み、道路50は異常、つまり、道路50が冠水していると判断する。また、管理サーバ120は、ステップS24において、道路50が冠水していることを示すアラート画面1100を、テレビ事業者110またはユーザ端末111の少なくとも一方へ提供する処理を行い、図14の制御例を終了する。アラート画面1100のアラート表示領域1110には、例えば、“○○県〇〇市の〇〇町の道路で冠水が発生しており、自動車の走行が困難になっています。”等の文字が、地図と共に表示される。また、表示部40のスピーカから音声によるアラートを出力することもできる。
【0085】
さらに、ユーザ端末111が自動車54に設けられているナビゲーション装置である場合においても、管理サーバ120は、図14のステップS23,24の処理を実行可能である。例えば、ユーザがナビゲーション装置の操作部41を操作して、自動車54の現在位置から目標位置に至る走行経路を選択している場合に、走行経路に含まれる道路50が冠水していることのアラートを、表示部40で地図と共び表示させることができる。さらに、自動車54の現在位置から目標位置に至る走行経路として、冠水していない道路を含む走行経路を地図で表示できる。また、走行経路に含まれる道路50が冠水していることのアラートを、表示部40のスピーカから音声で出力することもできる。なお、管理サーバ120は、ステップS20に次いで、ステップS21を省略してステップS22の判断を行うことも可能である。
【0086】
<本実施形態の効果>
本開示の管理サーバ120及び監視方法及び監視プログラムによれば、道路50の冠水状況を、道路50の実情に応じて監視することができる。実情は、マンホールの蓋52を認識できるかできないか、側溝の蓋51を認識できるかできないか、縁石53を認識できるかできないか、という状態を含む。本開示の管理サーバ120及び監視方法及び監視プログラムの他の効果には、次のようなものがある。例えば、通信機能を有する撮影装置100を、市街地等の電柱400に直接取り付けると、設置場所を容易に確保し、装置への安定的な電力供給ができる。すなわち、市街地、住宅地、山間部等の公共の場所にライフラインとして既に敷設してある電柱400を利用することにより、撮影装置100の電源が切れる心配を低減できる。またプライバシー等の各種規制による制限を低減して、管理者(テレビ事業者110等)は、多数の撮影装置100を設置できる。
【0087】
また、管理サーバ120は、災害状況の早期把握をさせることや、地域住民の生活環境を向上させ、消費意欲を活性化させることができる。すなわち、例えば、商店街の来客の客層を判別し、データを商店街の店舗に提供することにより、地域社会のイノベーションを創出できる。さらに、地域サプライチェーンの維持および向上を図ることができる。
【0088】
<その他の説明>
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。管理サーバ120は、監視装置の一例である。通信部30及び撮影装置情報記憶部130は、画像取得部の一例である。制御回路10が、マンホール識別部、側溝識別部、縁石識別部、冠水判断部の一例である。アラート画面生成部170、アラート画面提供部180及び通信部30は、アラーム発生部の一例である。通信部30は、通信部の一例である。テレビ事業者110及びユーザ端末111は、外部装置の一例である。撮影装置情報200は、画像情報の一例である。蓋52は、第1蓋の一例である。蓋51は、第2蓋の一例である。
【0089】
図14のステップS20は、第1ステップの一例である。ステップS22は、第2ステップ、第3ステップ及び第4ステップの一例である。ステップS22からステップS24に進む処理が、第5ステップの一例である。ステップS24は、第6ステップの一例である。
【0090】
本実施形態は、図面を参照して開示された内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、警戒レベルを表す数字が小さいほど、警戒レベルが高いものとして取り扱うことも可能である。また、警戒レベルを数字で表すことなく、アルファベット、記号等で表してもよい。この場合、アルファベットと警戒レベルの高低との関係は、予め定められている。また、記号と警戒レベルの高低との関係は、予め定められている。さらに、監視装置は、サーバに限らず、ワークステーション、ホストコンピュータ等であってもよい。さらに、ユーザ端末は、スマートフォン以外にも、ノート型PCや、タブレット端末等の様々な形態のユーザ端末を全て含むものである。
【0091】
また、上記した実施形態は、本開示を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、実施形態の構成に限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をしてもよい。
【0092】
また、上記の各構成、機能、処理部は、それらの一部または全部を、ハードウェア(例えば、集積回路)で実現してもよい。また、上記の各構成、機能、処理部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するネットワーク経由もしくはディスク等記憶媒体によるインストール型のソフトウェア、また、ASPなどのネットワーク型アプリケーションで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(SolidStateDrive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、ネットワーク経由によりクラウドに保存できる。
【0093】
本実施形態には、次のような特徴も開示さえれている。例えば、外部装置は、電子化された地図上で自動車の現在位置から目標位置に至る道路を、自動車の乗員に提示するナビゲーション装置を含む。また、通信部は、ナビゲーション装置により自動車の乗員に提示される道路が冠水していることを示すアラームを、ナビゲーション装置へ送信する。
【符号の説明】
【0094】
10…制御回路
30…通信部
100…撮影装置
110…テレビ事業者
111…ユーザ端末
120…管理サーバ
130…撮影装置情報記憶部
131…画像データ記憶部
132…解析結果記憶部
133…地域情報画面記憶部
134…アラート画面記憶部
140…画像解析部
150…地域情報画面生成部
160…地域情報画面提供部
170…アラート画面生成部
180…アラート画面提供部
200…撮影装置情報
300…ボックス部
310…カメラ部
320…支持部
800…地域情報画面
1100…アラート画面
図1
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