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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075499
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】外骨格型着用ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20220511BHJP
   A61H 3/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61H3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134332
(22)【出願日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0146019
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】カン、ソクウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ジュヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン、トンジン
【テーマコード(参考)】
3C707
4C046
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707BS22
3C707CX01
3C707CY01
3C707HS27
3C707HT12
3C707KS21
3C707KW07
3C707KX10
3C707MT05
3C707WK01
3C707WM22
3C707XK03
3C707XK15
3C707XK27
3C707XK49
3C707XK56
3C707XK74
4C046AA09
4C046AA25
4C046AA42
4C046BB08
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD12
4C046DD38
4C046DD39
4C046EE02
(57)【要約】
【課題】回転中心を着用者関節の回転中心と一致させ、単一のアクチュエーターのみでも歩行に必要な屈曲及び伸展と外転及び内転モーメントを同時に補助することができ、より自然な運歩行補助ができるようにする外骨格型着用ロボットを提供する。
【解決手段】着用者の胴体に連結される第1固定部と、第1固定部に回転可能に連結される第1連結部と、第1連結部から離隔して配置され、第1連結部と第1リンク組立体を介して連結される第2連結部と、着用者の腕又は脚に連結され、第2連結部と第2リンク組立体を介して連結される第2固定部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の胴体に連結される第1固定部と、
第1固定部に回転可能に連結される第1連結部と、
第1連結部から離隔して配置され、第1連結部と第1リンク組立体を介して連結される第2連結部と、
着用者の腕又は脚に連結され、第2連結部と第2リンク組立体を介して連結される第2固定部と、を含み、
第1リンク組立体、第2連結部及び第2リンク組立体を連結するそれぞれの連結点の回転中心が着用者の関節中心に向かうように配置されることを特徴とする、外骨格型着用ロボット。
【請求項2】
第1固定部は着用者の腰部に連結され、第2固定部は着用者の太ももに連結され、着用者の関節中心は股関節の中心であることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項3】
第1連結部と第2連結部、及び第1リンク組立体と第2リンク組立体を構成する複数のリンクは着用者の関節中心を取り囲む球形の一部である曲面形状であることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項4】
第1連結部は着用者の後方に配置され、一端が第1固定部の後面に回転可能に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項5】
第1リンク組立体は一対のリンクから構成され、第1リンク組立体は第1連結部及び第2連結部とともに4バーメカニズムを構成することを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項6】
第2リンク組立体は一対のリンクから構成され、第2リンク組立体は第2連結部及び第2固定部とともに4バーメカニズムを構成することを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項7】
第2連結部は、一側が第1リンク組立体を介して第1連結部に連結され、他側が第2リンク組立体を介して第2固定部に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項8】
第1連結部は着用者の後方に配置され、第2固定部は着用者の側方に配置され、第2連結部は第1連結部と第2固定部との間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項9】
第1リンク組立体の瞬間回転軸は着用者の関節中心から垂直方向に延びる垂直軸であり、第1リンク組立体の瞬間回転軸を中心に内旋及び外旋運動が具現されることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項10】
第2リンク組立体の瞬間回転軸は、外転又は内転及び屈曲又は伸展運動によって変化することを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項11】
第2リンク組立体の瞬間回転軸は、着用者の関節中心に向かうことを特徴とする、請求項10に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項12】
第1固定部は着用者の腰部に連結され、第2固定部は着用者の太ももに連結され、着用者の関節中心は股関節の中心であり、着用者の歩行立脚期に第2リンク組立体の瞬間回転軸は外転運動と伸展運動成分の和が示す方向から内転運動と屈曲運動成分の和が示す方向に変化することを特徴とする、請求項11に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項13】
第1固定部と第1連結部を連結する連結点にはアクチュエーターが設けられ、アクチュエーターは第1固定部を基準に第1連結部に回転力を提供することを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【請求項14】
第1固定部、第1連結部、第1リンク組立体、第2連結部、第2リンク組立体及び第2固定部をそれぞれ連結する複数の連結点の少なくとも一つ以上の連結点には回転角センサーが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の外骨格型着用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外旋及び内旋方向の回転ジョイントを球形の4バーメカニズムに代替することによって回転中心を着用者関節の回転中心と一致させ、屈曲及び伸展方向の回転ジョイントを4バーメカニズムに代替することによって単一のアクチュエーターのみでも歩行に必要な屈曲及び伸展と外転及び内転モーメントを同時に補助することができ、より自然な運歩行補助ができるようにする外骨格型着用ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の外骨格ロボットのヒップジョイントメカニズムは回転ジョイントが直列で連結された形態であった。よって、ロボットのヒップジョイントの回転中心と着用者の股関節の回転中心が一致しなくて着心地が落ち、モーションの範囲が限定される問題があった。
【0003】
また、一つの駆動機のみ使う場合には屈曲及び伸展方向のモーメント補助のみ可能であったから、歩行に必要な屈曲及び伸展の他にも、外転及び内転モーメントの同時補助が不可能な問題があった。
【0004】
外転及び内転モーメントの同時補助のためには追加の駆動機が必要であったが、駆動機の追加によってロボットの重量が増大し、よって反応性が落ち、着用者に負担を加える問題があった。
【0005】
前記背景技術として説明した事項は本発明の背景に対する理解増進のためのものであるだけで、当該技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に相当することを認めるものと受け入れてはいけないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9610208B2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたものであり、外旋及び内旋方向の回転ジョイントを球形の4バーメカニズムに代替することによって回転中心を着用者関節の回転中心と一致させ、屈曲及び伸展方向の回転ジョイントを4バーメカニズムに代替することによって単一のアクチュエーターのみでも歩行に必要な屈曲及び伸展と外転及び内転モーメントを同時に補助することができ、より自然な運歩行補助ができるようにする外骨格型着用ロボットを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための本発明による外骨格型着用ロボットは、着用者の胴体に連結される第1固定部と、第1固定部に回転可能に連結される第1連結部と、第1連結部から離隔して配置され、第1連結部と第1リンク組立体を介して連結される第2連結部と、着用者の腕又は脚に連結され、第2連結部と第2リンク組立体を介して連結される第2固定部とを含み、第1リンク組立体、第2連結部及び第2リンク組立体を連結するそれぞれの連結点の回転中心が着用者の関節中心に向かうように配置されることができる。
【0009】
第1固定部は着用者の腰部に連結され、第2固定部は着用者の太ももに連結され、着用者の関節中心は股関節の中心であることができる。
【0010】
第1連結部と第2連結部、及び第1リンク組立体と第2リンク組立体を構成する複数のリンクは着用者の関節中心を取り囲む球形の一部である曲面形状であることができる。
【0011】
第1連結部は着用者の後方に配置され、一端が第1固定部の後面に回転可能に連結されることができる。
【0012】
第1リンク組立体は一対のリンクから構成され、第1リンク組立体は第1連結部及び第2連結部とともに4バーメカニズムを構成することができる。
【0013】
第2リンク組立体は一対のリンクから構成され、第2リンク組立体は第2連結部及び第2固定部とともに4バーメカニズムを構成することができる。
【0014】
第2連結部は、一側が第1リンク組立体を介して第1連結部に連結され、他側が第2リンク組立体を介して第2固定部に連結されることができる。
【0015】
第1連結部は着用者の後方に配置され、第2固定部は着用者の側方に配置され、第2連結部は第1連結部と第2固定部との間に配置されることができる。
【0016】
第1リンク組立体の瞬間回転軸は着用者の関節中心から垂直方向に延びる垂直軸であり、第1リンク組立体の瞬間回転軸を中心に内旋及び外旋運動が具現されることができる。
【0017】
第2リンク組立体の瞬間回転軸は、外転又は内転及び屈曲又は伸展運動によって変化することができる。
【0018】
第2リンク組立体の瞬間回転軸は、着用者の関節中心に向かうことができる。
【0019】
第1固定部は着用者の腰部に連結され、第2固定部は着用者の太ももに連結され、着用者の関節中心は股関節の中心であり、着用者の歩行立脚期に第2リンク組立体の瞬間回転軸は外転運動と伸展運動成分の和が示す方向から内転運動と屈曲運動成分の和が示す方向に変化することができる。
【0020】
第1固定部と第1連結部を連結する連結点にはアクチュエーターが設けられ、アクチュエーターは第1固定部を基準に第1連結部に回転力を提供することができる。
【0021】
第1固定部、第1連結部、第1リンク組立体、第2連結部、第2リンク組立体及び第2固定部をそれぞれ連結する複数の連結点の少なくとも一つ以上の連結点には回転角センサーが設けられることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の外骨格型着用ロボットによれば、外旋及び内旋方向の回転ジョイントを球形の4バーメカニズムに代替することによって回転中心を着用者関節の回転中心と一致させ、屈曲及び伸展方向の回転ジョイントを4バーメカニズムに代替することによって単一のアクチュエーターのみでも歩行に必要な屈曲及び伸展と外転及び内転モーメントを同時に補助することができ、より自然な運歩行補助ができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの拡大斜視図である。
図3】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの外旋及び内旋動作を説明するための図である。
図4】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの外旋及び内旋動作を説明するための図である。
図5】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの外旋及び内旋動作を説明するための図である。
図6】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示すグラフである。
図7】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示すグラフである。
図8】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示すグラフである。
図9】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示す図である。
図10】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図11】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図12】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図13】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図14】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図15】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図16】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図17】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図である。
図18】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に出力されるモーメントを示すグラフである。
図19】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に出力されるモーメントを示すグラフである。
図20】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットのサイズ調節機能を示す図である。
図21】本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットのサイズ調節機能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットを示す斜視図、図2は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの拡大斜視図、図3図5は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの外旋及び内旋動作を説明するための図、図6図8は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示すグラフ、図9は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示す図、図10図17は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行時の瞬間回転軸の変化を説明する図、図18及び図19は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に出力されるモーメントを示すグラフ、図20及び図21は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットのサイズ調節機能を示す図である。
【0025】
本発明による外骨格型着用ロボットは、着用者の胴体に連結される第1固定部100と、第1固定部100に回転可能に連結される第1連結部200と、第1連結部200から離隔して配置され、第1連結部200と第1リンク組立体300を介して連結される第2連結部400と、着用者の腕又は脚に連結され、第2連結部400と第2リンク組立体500を介して連結される第2固定部600とを含み、第1リンク組立体300、第2連結部400、第2リンク組立体500を連結するそれぞれの連結点の回転中心が着用者の関節中心に向かうように配置されることができる。
【0026】
本発明は外骨格型着用ロボットに関するものであり、着用者の外部で骨格を成して着用者の動きを支持する。したがって、外骨格ロボットでは、ロボットの回転中心ができるだけ着用者の回転中心と一致するようにすることが重要である。着用中心が互いに一致しない場合、異質感が感じられて着用者に不便さが発生することになる。
【0027】
具体的に、図1及び図2に示すように、本発明は、着用者の多様な部分に装着されて駆動可能であるが、特に第1固定部100は部分120を介して着用者の腰部Wに連結され、第2固定部600は部分620を介して着用者の太ももLに連結され、着用者の関節中心は股関節の中心であることができる。これにより、着用者の歩行の際、着用者の脚部Lを補助するように構成されることができ、根本的に着用者の股関節の動きを補助することができるようにするものである。
【0028】
具体的に、第1固定部100は着用者の腰部Wに連結される。第1固定部100は着用者の腰部Wに固定されることにより、着用者の歩行の際にもその位置が維持される。そして、第1固定部100には第1連結部200が連結される。第1連結部200はモーターMを介して第1固定部100に連結され、モーターMの駆動の際、第1連結部200が回転して着用者の歩行を補助する。
【0029】
このような第1連結部200は着用者の後方に配置され、一端が第1固定部100の後面に回転可能に連結されることができる。そして、第1連結部200は左側と右側にそれぞれ配置されて左右の太ももをそれぞれ独立的に支持することができる。
【0030】
第1連結部200の端部には、第1連結部200から離隔して配置され、第1連結部200と第1リンク組立体300を介して連結された第2連結部400が設けられる。第2連結部400は中心が折れたバー(bar)型のものであり、図示のように、一側が第1リンク組立体300と連結され、他側が第2リンク組立体500と連結される。そして、第1リンク組立体300は一対のリンク310、320から構成され、第1リンク組立体300は第1連結部200及び第2連結部400とともに4バーメカニズムを構成することができる。また、第2リンク組立体500は一対のリンク510、520から構成され、第2リンク組立体500は第2連結部400及び第2固定部600とともに4バーメカニズムを構成することができる。
【0031】
すなわち、第2連結部400は4バーメカニズムを介して第1連結部200及び第2固定部600と連結される。そして、第2固定部600は着用者の腕又は脚に連結され、第2連結部400と第2リンク組立体500を介して連結される。そして、第1リンク組立体300、第2連結部400、第2リンク組立体500を連結するそれぞれの連結点の回転中心は着用者の関節中心に向かうように配置されることにより、ロボットの回転中心と着用者の関節の回転中心が一致して、ロボットの動作の際、着用者にとって異質感がないようにする。
【0032】
具体的に、第1連結部200と第2連結部400、及び第1リンク組立体300と第2リンク組立体500を構成する複数のリンクは着用者の関節中心を取り囲む球形の一部である曲面形状であることができる。すなわち、それぞれのリンクとパートが全て球形の曲面上に配置され、形状もその球形を取り囲むように曲面に形成されることにより、実際のロボットの回転中心が着用者関節の回転中心に位置するようにする。
【0033】
一方、第2連結部400は、一側が第1リンク組立体300を介して第1連結部200に連結され、他側が第2リンク組立体500を介して第2固定部600に連結されることができる。そして、第1連結部200は着用者の後方に配置され、第2固定部600は着用者の側方に配置され、第2連結部400は第1連結部200と第2固定部600との間に配置されることができる。
【0034】
また、第1リンク組立体300の瞬間回転軸は着用者の関節中心から垂直方向に延びる垂直軸X1であり、第1リンク組立体300の瞬間回転軸を中心に内旋及び外旋運動が具現されることができる。図3図5は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの外旋及び内旋動作を説明するための図である。
【0035】
図3は第1連結部200、第1リンク組立体300及び第2連結部400が成す第1の4バーメカニズムの模式図である。第1の4バーメカニズムは球形の座標上に配置されるものと理解することができ、図3のように概念的に表現することができる。図3のように、第2連結部(リンク)400の第1連結部(リンク)200に対する瞬間的な動きはジョイント304、301を通る球上の曲線とジョイント303、302を通る球上の曲線の交点と球の中心を連結する軸を基準に回転運動するものと理解することができる。すなわち、第1リンク組立体が4バーメカニズムを成し、この4バーメカニズムが球上で回転するから、究極に太ももLの外旋及び内旋運動を具現するようになる。
【0036】
図4のように、第1連結部200、第1リンク組立体300及び第2連結部400が成す第1の4バーメカニズムは垂直軸X1を基準に回転する外旋及び内旋動作を具現するようにする。これにより、図5のように、第1リンク組立体300は着用者の尻の後方に位置しながらも股関節の内旋及び外旋動作ができるようにするため、着用者の脚の回転時にもかからないようにして異質感を減らし、動作範囲(Range Of Motion、ROM)を増大させることができる。
【0037】
図6図8は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に発生するモーメントの変化を示すグラフである。ヒトの歩行周期は、立脚期(stance phase)と遊脚期(swing phase)とからなっている。足で地を踏むことになる立脚期には身体が地面反力(GRF:ground reaction force)を受けるから、筋肉が発生させるモーメントが増大する。したがって、本発明のロボットは、まず立脚期に必要な股関節モーメントの方向を具現することができる構造を提示する。図6図8は立脚期に必要な股関節のモーメントを示す。立脚期には、図6のように、外転モーメント(Abduction)の増大-減少-増大-減少が現れることが分かる。そして、図7のように、伸展-屈曲-伸展のモーメントが現れることが分かる。また、外旋及び内旋のモーメントは非常に小さく現れることが分かる。
【0038】
このようなモーメントの変化を総合すると、図9のように、回転(Rotation)成分の値は非常に小さく、外転(Abduction)成分の値が+を維持するうちに伸展(Extension)成分の値が+から-に変わることが分かる。すなわち、立脚期の間に股関節モーメントの軸方向は、概略的に、図9のように、伸展(Extension)/屈曲(Flexion)軸と内転(Adduction)/外転(Abduction)軸がある平面内で変更され、外転(Abduction)方向と伸展(Extension)方向の中間から外転(Abduction)方向と屈曲(Flexion)方向の中間に移動する形態を有する。
【0039】
図10図17は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの第2リンク組立体の歩行の際、瞬間回転軸の変化を説明する図である。
【0040】
図10及び図11は後方に20度伸展される場合を示し、図12及び図13は中立状態を示し、図14及び図15は前方に20度屈曲される場合を示し、図16及び図17は前方に40度屈曲される場合を示す。
【0041】
第2固定部600のリンクと第2連結部400のリンクは1自由度を有する球形の4バーメカニズム(ジョイント501、502、503、504)を介して連結されている。第2固定部600の第2連結部400に対する瞬間的な動作は、図10及び図11のように、ジョイント501、502を通る球上の曲線とジョイント504、503を通る球上の曲線の交点と球の中心を連結した軸X2を基準に回転運動するものと理解することができる。これにより、図10図17のように、着用者が伸展から屈曲までの動作を行うとき、第2固定部600の第2連結部400に対する瞬間回転軸が内転(Adduction)軸と屈曲(Flexion)軸との間から屈曲(Flexion)軸の方向に移動した後、屈曲(Flexion)軸と外転(Abduction)軸との間に移動する。
【0042】
図18及び図19は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットの歩行立脚期に出力されるモーメントを示すグラフで、歩行立脚期に必要なモーメント方向と股関節ジョイントメカニズムが歩行立脚期に着用者に加えることができる出力モーメントの方向を比較したグラフである。図18はモーメント方向を球面座標(spherical coordinate)で見るとき、Z軸方向に成す角度であるφ値を示し、図19はXY平面での角度であるθ値を示す。そして、グラフで、aはロボットの出力モーメントであり、bは着用者の歩行立脚期に必要なモーメントである。モーメントのサイズが大きい主要中間部分で出力モーメントと所要モーメントの角度がよく一致することを確認することができる。特に、φ値はモーメント成分のうち外転(abduction)方向モーメントと屈曲(flexion)方向モーメントの比に関連し、主要区間(20%~90%)でほとんど一致することを確認することができる。すなわち、ここで提案する股関節ジョイントメカニズムを使えば、単一の駆動機のみ使っても歩行に必要な方向の3次元モーメントを具現することができることが分かる。
【0043】
これにより、第1固定部100と第1連結部200を連結する連結点にはアクチュエーターMが設けられ、アクチュエーターMは第1固定部100を基準に第1連結部200に回転力を提供することができる。このようなアクチュエーターMはモーターを例として挙げることができ、単一のモーターMのみでも外転/内転及び屈曲/伸展の動作の全部を自然に表現し、着用者の歩行に支持力を提供することが可能である。そして、それぞれの4バーメカニズムの動力学的分析及び逆運動学的分析のために、それぞれのメカニズムにリンク回転角を測定する回転角センサーS1、S2が設けられることができる。よって、第1固定部100、第1連結部200、第1リンク組立体300、第2連結部400、第2リンク組立体500、及び第2固定部600をそれぞれ連結する複数の連結点の少なくとも一つ以上の連結点には回転角センサーS1、S2が設けられることができる。
【0044】
図20及び図21は本発明の一実施例による外骨格型着用ロボットのサイズ調節機能を示す図である。図示のように、固定部には左右に一対の第1連結部200が連結され、各第1連結部200の間の距離は第1連結部200のスライドによって調節可能である。これにより、着用者の体形に合うように第1連結部200とモーターMの側方向への位置調整が可能である。そして、着用者の太ももLには部分620を介して第2固定部600が連結され、第2固定部600も着用者の太ももLに結合される部分620との相対的な距離の調整が可能である。
【0045】
本発明の外骨格型着用ロボットによれば、外旋及び内旋方向の回転ジョイントを球形の4バーメカニズムに代替することによって回転中心を着用者関節の回転中心と一致させ、屈曲及び伸展方向の回転ジョイントを4バーメカニズムに代替することによって単一のアクチュエーターのみでも歩行に必要な屈曲及び伸展と外転及び内転モーメントを同時に補助することができ、より自然な運歩行補助ができるようにする。
【0046】
本発明の特定の実施例について示して説明したが、以下の特許請求範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で本発明が多様に改良及び変化可能であるというのは当該分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
100 第1固定部
200 第1連結部
300 第1リンク組立体
310、320 リンク
400 第2連結部
500 第2リンク組立体
501、502、503、504 ジョイント
510、520 リンク
600 第2固定部
図1
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