(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075517
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】生きた農作物のリアルタイム分光分析を使用する農業用養分散布
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20220511BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A01G7/00 603
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021158794
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】17/087,957
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】591005165
【氏名又は名称】ディーア・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジェイ・ゲーリング
(72)【発明者】
【氏名】ヤンシー・イー・ライト
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB01
2G059BB04
2G059BB08
2G059CC01
2G059CC09
2G059CC12
2G059DD13
2G059EE02
2G059EE12
2G059FF01
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ01
2G059KK04
2G059KK10
2G059LL04
2G059MM01
2G059MM05
2G059MM10
2G059NN01
(57)【要約】
【課題】農業用養分散布器を提供する。
【解決手段】農業用養分散布器が、コンテナと、コンテナから養分を送り出すためにコンテナに動作可能に結合された養分配布アセンブリとを含む。光窓を含む分光反射農作物感知システムが設けられる。提示アセンブリが前記農業用養分散布器に取り付けられ、農業用養分散布器が移動するときに、分光反射農作物感知システムの光窓に近接する、耕地内の生きた植物を位置決めするように構成される。コントローラが、分光反射農作物感知システム及び養分配布アセンブリに結合される。コントローラは、分光反射農作物感知システムから、生きた植物の測定養分レベルを示す情報を取得し、測定養分レベル及び目標養分レベルに基づいて補正養分量を決定するように構成される。コントローラは、補正量に基づいて養分配布アセンブリを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用養分散布器であって、
コンテナと、
前記コンテナから養分を送り出すために前記コンテナに動作可能に結合された養分配布アセンブリと、
分光反射農作物感知システムであって、光窓を有する分光反射農作物感知システムと、
前記農業用養分散布器に取り付けられた提示アセンブリであって、前記農業用養分散布器が移動するときに、前記分光反射農作物感知システムの前記光窓に近接する、耕地内の生きた植物を位置決めするように構成される提示アセンブリと、
前記分光反射農作物感知システム及び前記養分配布アセンブリに結合されたコントローラであって、前記分光反射農作物感知システムから、前記生きた植物の測定養分レベルを示す情報を取得し、前記測定養分レベル及び目標養分レベルに基づいて補正養分量を決定するように構成され、前記補正量に基づいて前記養分配布アセンブリを制御するようにさらに構成されるコントローラと
を備える農業用養分散布器。
【請求項2】
前記分光反射農作物感知システムが、800ナノメートルから8000ナノメートルの間の波長を有する照明を生成するように構成され、生成された前記照明が前記光窓を通過して、前記生きた植物で反射し、前記測定養分レベルを示す応答を提供する、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項3】
前記提示アセンブリが、前記生きた植物の上を摺動するように構成された底面を備え、前記底面が、前記光窓に隣接して配設された開口を有する、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項4】
前記提示アセンブリが先細の前縁を含む、請求項3に記載の農業用養分散布器。
【請求項5】
自動高さ制御システムが、前記生きた植物を損なうことなく適切な反射信号を提供するように前記提示アセンブリの高さを制御する、請求項3に記載の農業用養分散布器。
【請求項6】
前記提示アセンブリが、平行に配置された複数のポンツーン状構造を含み、前記分光反射農作物感知システムが、前記複数のポンツーン状構造の間に配設される、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項7】
前記分光反射農作物感知システムが、前記生きた植物の下側部分を見るように配設される、請求項6に記載の農業用養分散布器。
【請求項8】
前記提示アセンブリが、前記分光反射農作物感知システムの前記光窓のそばで前記生きた植物を移動するように構成されたコンベヤを含む、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項9】
前記コンベヤが、前記光窓に対して前記生きた植物を選択可能に偏らせるように構成される、請求項8に記載の農業用養分散布器。
【請求項10】
前記提示アセンブリが複数の茎リフタを含む、請求項8に記載の農業用養分散布器。
【請求項11】
第2の分光反射農作物感知システムをさらに備える、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項12】
前記コントローラに動作可能に結合された追加のセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記追加のセンサからの信号を使用して、前記追加のセンサ信号に基づいて前記補正量を修正するように適合される、請求項1に記載の農業用養分散布器。
【請求項13】
耕地内の農業用植物に養分を提供する方法であって、
前記植物が前記耕地内にある間に前記植物に赤外線照明を向け、反射応答信号を取得するステップと、
前記反射応答信号に基づいて、前記植物の測定養分レベルを決定するステップと、
前記測定養分レベルを目標レベルと比較して、補正養分レベルを決定するステップと、
前記植物に前記補正養分レベルを散布するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記養分が、含水量、窒素、カリウム、タンパク質、リン、硫黄、及びカルシウムからなるグループから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項15】
追加のセンサ情報を取得して、前記補正養分レベルを調節するステップをさらに含み、前記追加のセンサ情報が、農業用養分散布器の幅にわたる前記植物の状態を示し、赤外線農作物感知システムが、前記農業用養分散布器のシャーシの下に配設され、前記農業用養分散布器のコントローラが、位置前記赤外線農作物感知システムでの前記追加のセンサ情報を前記反射応答信号と相関させ、前記農業用養分散布器の前記幅にわたる他の場所についての調節後補正量を外挿するように構成される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、農業用養分散布器(agricultural nutrient applicator)に関する。より詳細には、本願は、生きた農作物(live crop)の養分分析に基づいて養分散布を制御する農業用養分散布器を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]農作物を成長させるための養分の効果的な選択、散布、及びタイミングは、現代の農業にとって不可欠である。技術が精密なレベルの養分を植物の個々の列に送り出す(deliver)能力を向上させるにつれて、収穫量が向上してきた。測位システム(GPSなど)の助けを得て、農家は、自分の農地(soil)の養分含有量(nutrient content)の地図を精密に作成することができ、次いでトラクタ上養分地図(on-tractor nutrient map)に結合されたGPSを使用して、耕地(field)全体にわたって設定された量を散布するのではなく、必要に応じて、自分の耕地の様々な部分への、肥料などの様々な量の養分の送り出し(delivery)を可能にすることができる。
【0003】
[0003]上記の議論は、全般的な背景情報のために与えられるものに過ぎず、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
農業用養分散布器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]農業用養分散布器が、コンテナと、コンテナから養分を送り出すためにコンテナに動作可能に結合された養分配布アセンブリ(nutrient distribution assembly)とを含む。光窓を含む分光反射農作物感知システム(spectroscopic reflectance crop sense system)が設けられる。提示アセンブリが農業用養分散布器に取り付けられ、農業用養分散布器が移動するときに、分光反射農作物感知システムの光窓に近接する、耕地内の生きた植物を位置決めするように構成される。コントローラが、分光反射農作物感知システム及び養分配布アセンブリに結合される。コントローラは、分光反射農作物感知システムから、生きた植物の測定養分レベルを示す情報を取得し、測定養分レベル及び目標養分レベルに基づいて補正養分量(remedial nutrient amount)を決定するように構成される。コントローラは、補正量に基づいて養分配布アセンブリを制御する。
【0006】
[0005]この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念の抜粋を簡略化した形で紹介するために与えられるものである。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は不可欠な特徴を特定するためのものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されるものでもない。特許請求される主題は、背景技術で指摘された何らかの欠点又はすべての欠点を解決する実装に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0006]一実施形態による農業用養分散布器の概略上面図(diagrammatic top plan view)である。
【
図2】[0007]一実施形態による分光農作物感知モジュールの概略図である。
【
図3A】[0008]一実施形態による、実生(seedling)及び特に繊細な小さい植物のための分光農作物感知モジュールの提示アセンブリの概略断面図である。
【
図3B】[0009]一実施形態による、実生及び特に繊細な小さい植物のための分光農作物感知モジュールの提示アセンブリの概略斜視図である。
【
図4】[0010]別の実施形態による分光農作物感知モジュールの提示アセンブリの略図である。
【
図5A】[0011]別の実施形態による分光農作物感知モジュールの提示アセンブリの上面概略図である。
【
図5B】別の実施形態による分光農作物感知モジュールの提示アセンブリの斜視概略図である。
【
図6】[0012]一実施形態による、農作物に養分を散布する方法の流れ図である。
【
図7】[0013]一実施形態による農業用養分散布器の制御システムの概略図である。
【
図8】[0014]一実施形態による、農業用養分を散布する方法の流れ図である。
【
図9】[0015]一実施形態による、生きた農作物の養分レベルを測定する方法の流れ図である。
【
図10】[0016]リモート・サーバ・アーキテクチャ内の要素と通信することを除いて、
図1に示される、農業用養分散布器のブロック図である。
【
図11】[0017]
図7の要素又はその部分(たとえば)が配置され得るコンピューティング環境の一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0018]前述のように、栽培農作物(growing crop)への養分送り出しの効果的な選択、散布、及びタイミングは、効果的な農業にとって非常に重要である。本明細書で説明される実施形態は一般に、栽培(すなわち、地中に根がある生きた植物)農作物への洞察を与えるための新しい方式でデバイス/技術を利用する。この情報は、実際の農作物が必要とするものに基づいて、栽培農作物への養分のより精密な送り出しを可能にする。栽培農作物に養分を送り出す農業用養分送り出しシステム及び方法が以下で説明される。
【0009】
[0019]植物物質(plant matter)の分光分析は最近、収穫された植物に関する豊富な情報、並びに実験室環境(laboratory setting)での豊富な情報を提供している。たとえば、近赤外線反射(Near-infrared-reflectance)(NIR)技術は、収穫された農作物に向けて近赤外線照明を生成し、反射した戻り信号を分析する。本明細書では、近赤外線とは、800ナノメートルから始まって2,500ナノメートルまでの波長を有する照明を意味する。この技術は、ほぼ瞬時に結果を生成することができ、実験室環境並びに収穫作業で使用される。収穫の間に、NIRは、収穫された農作物の含水量、乾物、タンパク質、デンプン、繊維、中性デタージェント繊維、酸性デタージェント繊維、及び糖を決定するために使用される。この情報は、次のシーズンのための施肥を計画するために農家によって使用され得る。この技術を利用する1つの市販製品が、HarvestLab 3000という販売名(trade designation)の下で販売されており、イリノイ州Deere & Company of Molineから入手可能である。HarvestLab 3000デバイスは、ほぼリアルタイムにデータを取得するために、実験室環境と収穫機の両方で使用され、それによって、将来の計画のためにデータが収穫機位置と相関付けられ得る。
【0010】
[0020]2500ナノメートルより長いが、約8000ナノメートル未満である波長を有する照明を利用する中赤外反射技術(mid-infrared reflectance technology)(MIR)と共に類似の技法が使用され得ることも考えられる。さらに、以下で説明される実施形態は、NIRとMIRの組合せを使用することを含む。本開示の大部分はNIRを対象とするが、これは説明のためのものであり、MIRに等しく適用可能である。
【0011】
[0021]以下で説明される実施形態によれば、NIR技術などの分光技術が、農作物養分レベルを評価するために栽培農作物に適用される。しかしながら、NIRなどの分光技法を栽培農作物と共に使用することは、かなりの課題を伴う。第1に、分光センサが周辺光(たとえば日光)の悪影響を受けることがある。これは、実験室環境、又は農作物が地面から切り離されている場合の農業機械では容易に制御されるが、農作物が地面に根を下ろしたままであるときは、より難しくなる。第2に、分光技術は、検知される材料が光学分光センサに対して目立つように提供されることを必要とする。やはり、これは、実験室環境、又は農作物が地面から切り離され/除去されている環境では問題とはならない。第3の難点は、分光センサに栽培農作物を提示するプロセスが農作物を損なうべきではないことである。以下で説明される実施形態は全般的に、これらの課題のいくつか又はすべてを克服して、栽培農作物に分光技術(NIR及び/又はMIRなど)を適用することを可能にし、それによって、そのような技術によって提供される豊富な情報を使用して、栽培プロセス(たとえば、養分の送り出し)に通知することを可能にする。
【0012】
[0022]
図1は、一実施形態による農業用養分散布器の概略上面図である。
図1に示される例は自己出力型(self-powered)農業用養分散布器を示すが、自動推進式であっても、牽引式であっても、任意の適切な農業機械に関して実施形態が実施され得ることを当業者は理解されよう。いくつかの実施形態では、農業機械は農業用養分散布器である。しかしながら、実施形態はまた、農作物を調査して養分要件を決定し、そのような養分要件を位置と相関付ける農業機械と共に実施され得る。さらに、本明細書で説明される実施形態は、乾燥養分、液体養分、及び/又は気体養分を散布する養分散布器に等しく適用可能である。さらに、実施形態は、たとえば側条散布(side dress application)及び表土散布(top dress application)を適用する養分散布器に等しく適用可能である。本明細書では、農業用養分散布器は、農業で使用される噴霧器、スプレッダ(spreader)、側条リグ(side dress rig)、及び高容量養分散布器を包含するものとする。
【0013】
[0023]農業用養分散布器100は、栽培農作物の耕地にわたって移動するように車輪又はトラック104によって支持されるシャーシ102を含む。養分散布器100は、耕地内の農作物に養分を配布するための養分散布器アセンブリ106に結合される養分コンテナ又はタンク105を含む。養分は、乾燥養分、液体養分、気体養分、又はそれらの組合せの形態であり得る。
図1に示されるように、散布器アセンブリ106は、その上に取り付けられ、養分を配布するように構成されたいくつかのノズル108を有するブームを含む。一実施形態によれば、養分散布器100は分光農作物感知モジュール110を含み、又は分光農作物感知モジュール110に結合され、分光農作物感知モジュール110は、赤外線照明が通過することを可能にする光窓と接触するように生きた植物(すなわち、栽培農作物)を配置するように構成され、それによって、そのような赤外線照明の反射が分光農作物感知モジュール110のセンサによって受け取られ、含水量、窒素、カリウム、及びタンパク質のうちの少なくとも1つに対する農作物メトリックが与えられ、窒素、カリウム、及び/又はタンパク質吸収もしくはタンパク質蓄積を制限し得る他の項目についてのメトリックが与えられ得る。そのような他の項目の例は、リン及び硫黄並びに不可欠な植物微量養分を含む。光学分光技術(NIR及び/又はMIRなど)が日光によって影響を受けないように、かつ栽培植物を損なわないように、分光農作物感知モジュール110が農業用養分散布器100に対して取り付けられる。理解できるように、農作物は実生から成熟植物までの農作物のライフサイクルのどこかにあり得ることを考えると、分光農作物感知モジュール110は、技術的に効果的であると共に周囲日光によって過度に影響を受けず、植物を損なわない方式で光センサに植物を注意深く提示するための様々な技法/機構を含み得る。
【0014】
[0024]
図2は、一実施形態による分光農作物感知モジュールの概略図である。分光農作物感知モジュール110は一般に、赤外線反射(NIR及び/又はMIR)放射器(emitter)/受信機モジュール114を含むハウジング112を含む。放射器/受信機モジュール114は、栽培植物120で反射するように光窓118を通じて赤外線照明116を送るように構成される。反射した照明122が放射器/受信機モジュール114によって受け取られ、コントローラ124に信号を供給し、信号が周知の技法に従って解析され、とりわけ栽培植物の養分レベルが決定される。例は、窒素、カリウム、水分、リン、硫黄、カルシウム、及びタンパク質(技術的には養分ではないが、アミノ酸/養分から構築される有機化合物である)を含む。栽培農作物のほぼリアルタイムの養分レベルのこうした測定値が、現ライフサイクル(たとえば、実生、中間農作物、又は成熟農作物)での公称農作物(nominal crop)についての目標養分レベルと比較され得、不足を補正するように個々の養分の必須レベルが決定され、農業用養分散布器が栽培植物の上を通過するときにリアルタイムに栽培植物に散布され得る。さらに、
図1に示される実施形態は単一の分光農作物感知モジュール110を利用するが、複数のそのようなセンサモジュールが、植物の個々の列までの追加のレベルの粒状度(granularity)を実現するように使用され得ることが明白に企図される。
【0015】
[0025]以下で説明される実施形態によれば、農家は、農作物の異なる成熟レベルのための、栽培農作物を光センサに提示するための複数の着脱可能な機械アセンブリの提示を受ける。
【0016】
[0026]
図3Aは、実生及び特に繊細な小さい植物のための分光農作物感知モジュール110の提示アセンブリ150の概略断面図である。アセンブリ150は一般に、先細の前縁152と、開口156を有する底部154とを含む。光窓118が開口156に近接して、さらには開口156内に配設される。ハウジング112が開口156の上に配設される。ハウジング112は、アセンブリ光窓118に進入し得る光のみが開口156を経由するように全般的に囲まれる。
【0017】
[0027]いくつかの例では、アセンブリ150は、プラスチックなどの比較的低摩擦の材料から形成され、散布器のオペレータによって上昇及び降下され得るように、農業用養分散布器100のシャーシ102の真下にヒンジ式に(hingedly)結合される。
図3に示されるように、アセンブリ150はまた、シャーシ102に対する提示アセンブリ150の垂直運動を制御する自動高さ制御システム161に結合されたケーブル160も含む。自動高さ制御システム161は、生きた植物を損なうことなく生きた植物の正確な測定値を取得するように提示アセンブリ150の高さを制御する。したがって、アクチュエータ160が降下され、又はケーブルが延長されるとき、提示アセンブリ150は、シャーシ102の真下の地面に接触するまで下降する。さらに、ケーブル160は、引張りばねなどのばねを含み、又はばねに結合され得、それによって、地面に対して提示アセンブリ150の選択可能な偏りを可能にする。農業用養分散布器100が耕地の上を移動するとき、植物120が、矢印162によって示される方向に窓118を通過する。提示アセンブリ150は、周辺光をブロックする1つ又は複数の不透明なカーテン又はベロー159を含む。ハウジング112は、窓118を通過する光を除いてすべての光が分光農作物感知モジュール110内に進入することを防止するので、システムは、実質的に日光及び他の誤差源からセンサを分離する。さらに、有効な赤外線反射信号が取得され得るように、センサが降下されて栽培植物と密接に光学的に接触する。さらに、提示アセンブリが農作物の上を摺動し、又は通過するときに、提示アセンブリに関する選択可能な偏りを与えることにより、栽培農作物が損なわれないことになる。
【0018】
[0028]
図3Bは、一実施形態による、実生及び特に繊細な小さい植物のための分光農作物感知モジュールの提示アセンブリ164の概略斜視図である。
図3Bに示される実施形態は、
図3Aに示される実施形態に類似しており、同様の構成要素は同様に番号付けられる。アセンブリ158は、アセンブリ164が下降又は上昇することが可能となるように、農業用養分散布器のシャーシ102に枢動式に結合するように構成される4つのリンク158を含む。アセンブリ164はまた、より多くの植物をハウジング112の真下の光窓118に提示するために、前縁152の表面輪郭165も含む。
【0019】
[0029]
図3A及び3Bに関して説明される実施形態は、早期の小粒穀物農作物(small grain cereal crop)に特に有用である。設計は、センサがそれを通じて農作物を見るための穴又は開口を底部に有する単純なそりで実施され得る。そのような設計は、十分な読取り値を取得するために、そり及びセンサの重量を使用して農作物を押し付け得、又は重力のみに対して追加の力又は削減された力を与えるように、そりが選択可能に偏り得る。そりは、材料が不透明である限り、任意の適切な材料から形成され得る。一例として、そりは不透明プラスチックから形成される。
【0020】
[0030]
図4は、別の実施形態による、分光農作物感知モジュール110の提示アセンブリ170の概略図である。提示アセンブリ170は、茎の第1の節の可視性(first node of stem visibility)の前、Feekes成長段階6などの後期の小粒穀物農作物のために設計される。アセンブリ170は、より背の高い農作物が領域176内を通過するように、より背の高い農作物を分割する2つのポンツーン172、174を含む。さらに、提示アセンブリ170は、NIR及び/又はMIRセンサなどの分光センサのハウジング112についての位置178を含む。好ましくは、農作物の下側部分を見るために窓118が配置され、構成される。農作物の下側部分は、養分不足がまず検出され得る場所であると考えられる。窒素などの植物内で流動する養分についての養分不足、再流動化(remobilization)が古い植物組織から新しい組織/増殖成分(reproductive component)に養分を移動するからである。提示アセンブリ150と同様に、提示アセンブリ170も農業用養分散布器100のシャーシ102の真下に選択可能に配置可能である。さらに、前述のように、本明細書で説明される実施形態は、複数のそのような提示アセンブリ及び分光センサを含み、栽培農作物に対する向上した粒状度情報を提供し得る。
【0021】
[0031]
図5A及び5Bは、別の実施形態による分光農作物感知モジュール110の提示アセンブリ200のそれぞれ上面概略図及び斜視概略図である。アセンブリ200は、成熟列農作物(mature row crop)のために設計される。アセンブリ200は、枝を持ち上げるための1つ又は複数の茎リフタ201を含み得、一般には、農作物が通るが、それでもなお周辺光を制御するような比較的大型のチャンバ(chamber)202を有する。一方の側は、チャンバ202を通じて農作物を直接的に移動するためのコンベヤ204である。このコンベヤは、植物を損なわないように地面速度に合わせた速度で動作するように意図される。他方の側は、ハウジング112内の窓118分光センサ(NIR及び/又はMIRセンサなど)がそれを通じて農作物を見て走査することを可能にするための1つ又は複数の開口である。好ましくは、アセンブリ200の一方の側は、分光センサを使用して十分な読取り値を取得するが、チャンバ202を通過する農作物を損なうほどの大きな力とはならないように、農作物材料に対してどれほどの偏りが適用されるかを選択するための、参照番号206で概略的に示されるばね又は他の選択可能偏り機構を含む。
【0022】
[0032]
図6は、一実施形態による、農作物に養分を散布する方法の流れ図である。方法300はブロック302から始まり、赤外線反射技術が使用され、生きた農作物からの反射応答が取得される。この反射応答がブロック304で使用され、生きた農作物の1つ又は複数の養分レベルが計算される。そのような養分レベル計算についての養分の例は、窒素306、水分307、カリウム306、タンパク質309、リン310、硫黄311、及びカルシウム312を含む。次に、ブロック314で、測定養分レベルが、生きた農作物についての目標レベルと比較される。この目標は、生きた農作物のライフサイクル中の位置(たとえば、実生、中間農作物、成熟農作物)、並びに他の適切な要素に基づいて調節され得る。たとえば、分光的に導出された(spectroscopic-derived)養分情報と組み合わせて使用され得る、生きた農作物に対する追加の情報を取得するために、追加のセンサ及び技術が使用され得る。追加のセンサの例は、生きた農作物の存在及び/又は色を評価し得る(散布器上に配置され、衛星撮像によって提供され、かつ/又は有人もしくは無人航空システム上に取り付けられた)可視スペクトルカメラ、生物量センサなどを含む。いずれにしても(Regardless)、ブロック316で、生きた農作物についての補正養分量が、測定養分レベルと目標レベルの比較に基づいて決定される。次に、ブロック318で、ブロック316で計算された補正養分量が、生きた農作物に実際に散布される。
【0023】
[0033]ファントムブロック320で示されるように、方法300はまた、情報を記憶することも含み得る。そのような情報は後続の動作にとって有用であり得るからである。そのように記憶される情報の例は、測定養分レベル322、散布される養分324、(GPS信号、又は他の適切位置情報を介する)養分散布器326の位置、及び/又は散布の時刻328を含み得る。情報は、農業用養分散布器内にローカルに記憶され得、又はリモート養分情報データストア(remote nutritional information data store)にワイヤレスに送信され得る。
【0024】
[0034]
図7は、一実施形態による農業用養分散布器の制御システムの概略図である。制御システム400は散布器コントローラ402を含み、一例として散布器コントローラ402はマイクロプロセッサである。コントローラ402は、命令のシーケンスを実行して散布器機能に関する測定及び/又は制御機能を提供するための適切なメモリを含み、又は適切なメモリに結合される。コントローラ402は1つ又は複数の分光センサ404に結合され、分光センサ404のそれぞれは、(
図2に示されるように)それ自体のコントローラ及び放射器/受信機を含み得る。複数の分光センサ404の利用の一例として、NIR及び/又はMIRセンサ404が、農業噴霧器の複数区間ブームの各区間に設置され得る。したがって、噴霧器が5つの区間を有する場合、5つのそのようなセンサ404が利用されることになる。複数のそのような分光センサの利用の別の例として、エアブームを有する高容量養分散布器に関して、2つの区間があり、したがって2つの分光センサ404が使用されることになる。散布器が耕地にわたって移動するとき、コントローラ402は、センサ404の光窓のそばを通過する栽培農作物/生きた植物の養分レベルを示す情報を分光センサ404から受け取る。
【0025】
[0035]コントローラ402はまた、農業用養分散布器の地理的位置の指示を提供する位置検出システム406に結合される。一例として、位置検出モジュール406は、既知のGPS技術を使用して、散布器の緯度及び経度位置を提供する。しかしながら、実施形態は、散布器に対する有用な位置情報を提供する任意の適切な位置検出システムを含み得る。位置センサの適切な例は、地球上の任意の場所の適切な受信機にジオロケーション及び時刻情報を提供する任意の適切なグローバル・ナビゲーション・サテライト・システム(GNSS)を含む。一例として、GNSSデバイスはGPS受信機である。しかしながら、ロシアの(GLONASS)システムなどの他の適切なGNSSデバイスが使用され得る。さらに、モジュール154に関して相異なるGPS技術も使用され得る。最後に、LORANやセルフォン/WIFI三角測量などの非GNSS位置ベースのシグナリング・システムが、位置検出モジュール406のために使用され得る。したがって、センサ404と位置検出システム406の両方に対するコントローラ402の接続により、必須の養分を散布し、又は他の適切な補正処置を取るために、生きた農作物の実際の測定養分レベルが、生きた農作物の位置と相関付けられ得る。さらに、前述のように、養分情報が、コントローラ402によってローカルに記憶され、又はワイヤレス通信を使用してリモートデータシステム内に記憶されている位置情報と相関付けられ得る。
【0026】
[0036]
図7に示されるように、コントローラ402はワイヤレス通信モジュール408に結合され、ワイヤレス通信モジュール408は、コントローラ402が1つ又は複数のリモートデバイスとワイヤレスに、好ましくは両方向に通信することを可能にする。適切なワイヤレス通信の例は、限定はしないが、Bluetooth(Power Class 2の定格のBluetooth Specification 2.1など)、Wi-Fi規格(IEEE802.11.a/b/g/n)、既知のRFID規格、セルラ通信技法(GPRS/GSM/CDMA)、WiMAX(IEEE802.16)、及び/又は衛星通信を含む。ワイヤレス通信モジュール408を使用して、コントローラ402は、(
図9に示される)クラウドベースの養分情報ストア111などの適切なリモートデバイスに、測定された養分情報、散布された養分情報、位置データ、及び/又は時刻データを通信し得る。
【0027】
[0037]さらに、コントローラ402は、栽培農作物に対する追加の情報を提供し得る1つ又は複数の追加のセンサ410に結合され得る。そのような追加のセンサは、農作物の存在、高さ、及び/又は色の指示を提供し得る可視スペクトルカメラ、生物量センサ、土壌センサ、酸素センサ、二酸化炭素センサなどを含み得る。これらの追加のセンサ410のうちの1つ又は複数からの情報は、農業用養分散布器100の機能を調節するためにコントローラ402に提供され得る。たとえば、可視スペクトルカメラは、農作物生物量の推定を決定するために使用され得、次いで農作物生物量の推定は、目標養分レベルを通知する農作物ライフサイクルの指示を提供するために使用される。
【0028】
[0038]
図7に示されるように、コントローラ402はまた、養分散布器の個々のノズル、又は他の適切な養分フロー/送り出し機構(nutrient flow/delivery mechanism)を制御する養分配布システム412に結合される。このようにして、農作物への養分の流量又は送り出し量は、農業用養分散布器が農作物の上を通過したときの、農作物の実際の測定された養分に基づき得る。これは、耕地での必要な養分の実際の測定値に基づいて植物が必要とする特定の養分を植物に供給する。
【0029】
[0039]
図8は、一実施形態による、農業用養分を散布する方法の流れ図である。方法420はブロック420から始まり、前述のように、1つ又は複数の分光センサが使用され、生きた農作物が感知される。たとえば、農業用養分散布器の下に配置された単一の分光センサが、センサの下を通過する生きた植物を感知し得る。次に、ブロック424で、少なくとも1つの追加のセンサ又は検出器が使用され、農作物又は耕地に関する追加の情報が取得される。一例として、養分散布器の全幅を見て、農作物の相対的健康を判定するために、可視光及び/又はマルチスペクトルカメラ428が使用される。次いで、分光センサ信号が使用され、中心列又は中心区間が測定される。次に、ブロック433で、分光センサ信号位置が追加のセンサ情報と相関付けられる。追加の情報が可視光及び/又はマルチスペクトルカメラから取得される例では、養分散布器の幅にわたるカメラの出力が、分光センサの中心の出力と比較される。農作物が幅にわたって(たとえば色で示されるように)類似の健康状態を有するとカメラが判定した場合、分光センサによって測定された値が全幅に適用される。これは、ブロック434で示されるように、追加のセンサ又は検出器に基づいて分光センサ応答を外挿する一例である。しかしながら、分光センサの位置よりも濃い又は薄い緑であるエリアをカメラが検出した場合、差に基づいて、分光センサによって取得された値が上又は下に調節され得る。次いで、調節後の値が散布器に提供され、植物に必須の養分が供給される。したがって、比較的低コストのセンサ構成要素で、養分の非常に精密な散布が行われ得る。
【0030】
[0040]
図8に示されるように、使用され得る追加のセンサの他の例は、生物量センサ426及び/又は正規化植生指数(NDVI)センサ430である。分光センサ信号が生物量センサ信号426に結合されるとき、生物量センサ信号426が使用され、存在する農作物量(生物量)が決定され得、分光センサ信号が、その農作物の養分レベルを定量化し得る。まとめると(taken together)、これらの2つの入力が使用され、農作物の収穫量及びタンパク質を最大にするのに必要な養分量が正確に予測され得る。
【0031】
[0041]ブロック432で示されるように、他のタイプのセンサ及び情報も使用され得る。他の情報の一例として、オーバヘッドドローン又は衛星から取得されたイメージが使用され、耕地が相対的植物健康状態の相異なるゾーンに分割され得る。次いで、養分散布器が分光センサと共に耕地を移動するとき、養分散布器は、各ゾーン内の養分レベルを定量化し、各ゾーンについて適切な割合を散布することになる。
【0032】
[0042]理解できるように、追加のセンサを使用することは、分光測定ベースの養分送り出しに対するインテリジェント調節を促進し得る。いくつかの例では、散布器の幅にわたって取得されたイメージ、及び/又は有人もしくは無人航空システム/衛星からのイメージに基づいて、必須レベルの養分が外挿される。しかしながら、実施形態はまた、追加のセンサ/情報を使用して、耕地の散布器の下の部分に農作物がほとんど又は全くないと判定し得る。こうした状況では、過剰な養分が単に浪費されることになり、又は植物にとって有毒なレベルで散布されることになるので、散布器は、過剰な養分が送り出されることを防止し得る。これは、農作物がないエリア内に養分を散布する必要がなく、したがって入力コストを節約し、環境を保護する点で助けになる。これはまた、農作物がほとんど又は全くないエリア内の分光センサの出力を無視し得るようにそうしたエリアを指定することによって助けになる。
【0033】
[0043]
図9は、一実施形態による、生きた農作物の養分レベルを測定する方法の流れ図である。方法450はブロック452から始まり、赤外線照明(近赤外線、中赤外線、又はその両方)が生きた農作物に向けられ、反射信号が取得される。これは、養分散布器の上又は下に配置された提示アセンブリを使用して達成され得るが、生きた農作物を通り抜けて引きずられ、あるいは搬送される提示アセンブリのみを使用しても達成され得る。たとえば、
図3Aに示される提示アセンブリが、単に農作物を通り抜けて牽引され得る。別の例では、提示アセンブリは、養分レベルを調査するために農作物を走査するように命令され、あるいはプログラムされる自律走行車両の部分を形成し得る。
【0034】
[0044]次に、ブロック454で、反射信号が使用され、生きた農作物の1つ又は複数の養分レベルが計算される。そのようにする際に、赤外線反射信号の既知の較正又は特徴付けが使用され、養分に関連する物質レベルが決定される。養分に関連する物質レベルの例は、限定はしないが、窒素456、水分458、カリウム460、タンパク質462、リン464、硫黄466、及びカルシウム468を含む。
【0035】
[0045]次に、ブロック470で、提示システム及び/又は植物の位置が決定される。これは、位置検出システム406(
図7に図示)などの適切な位置検出システムを使用して行われ得る。次に、ブロック472で、測定養分レベル474及び位置476が記憶される。好ましくは、測定の時刻/日付478も記憶される。そのようなストレージは、ローカルデータストア内、リモートデータストア内、又はその両方であり得る。その後で、この記憶されたデータが使用され、生きた農作物への養分の散布などの農業的決定、並びにそのような養分が散布されるべき方式(たとえば、側条と表土)が通知され得る。
【0036】
[0046]この議論では、プロセッサ及びサーバについて言及している。一実施形態では、プロセッサ及びサーバは、別々に示されていない、関連するメモリ及びタイミング回路を伴うコンピュータプロセッサを含む。プロセッサ及びサーバは、プロセッサ及びサーバが属し、活動化されるシステム又はデバイスの機能部分であり、そうしたシステム内の他の構成要素又は項目の機能を促進する。
【0037】
[0047]いくつかのデータストアも論じられている。データストアはそれぞれ、複数のデータストアに分割され得ることに気付くであろう。すべては、データストアにアクセスするシステムにとってローカルであり得、すべてはリモートであり得、又は一部がローカルであり得、その他はリモートである。これらの構成のすべてが本明細書で企図される。
【0038】
[0048]さらに、図は、各ブロックに属する機能を有するいくつかのブロックを示す。より少数のブロックが使用され得、したがって機能がより少数の構成要素によって実施されることに気付くであろう。さらに、より多数の構成要素の間で分散される機能を有する、より多数のブロックが使用され得る。
【0039】
[0049]上記の議論が様々な異なるシステム、構成要素、及び/又は論理を説明していることに気付くであろう。そのようなシステム、構成要素、及び/又は論理が、そうしたシステム、構成要素、及び/又は論理に関連する機能を実施するハードウェア項目(プロセッサ及び関連するメモリ、又は他の処理構成要素など。そのうちのいくつかが以下で説明される)から構成され得ることを理解されよう。さらに、システム、構成要素、及び/又は論理は、以下で説明されるように、メモリ内にロードされ、その後でプロセッサもしくはサーバ、又は他のコンピューティング構成要素によって実行されるソフトウェアから構成され得る。システム、構成要素、及び/又は論理はまた、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどの様々な組合せから構成され得、そのうちのいくつかの例が以下で説明される。これらは、前述のシステム、構成要素、及び/又は論理を形成するために使用され得る様々な構造のいくつかの例に過ぎない。他の構造も使用され得る。
【0040】
[0050]
図10は、リモート・サーバ・アーキテクチャ500内の要素と通信することを除いて、
図1に示される、農業用養分散布器100のブロック図である。例示的実施形態では、リモート・サーバ・アーキテクチャ500は、サービスを配信するシステムの物理的位置又は構成のエンドユーザ知識を必要としない計算サービス、ソフトウェアサービス、データアクセスサービス、及びストレージサービスを提供し得る。様々な実施形態では、リモートサーバは、適切なプロトコルを使用して、インターネットなどの広域ネットワークを介してサービスを配信し得る。たとえば、リモートサーバは、広域ネットワークを介してアプリケーションを配信し得、ウェブブラウザ又は任意の他のコンピューティング構成要素を通じてアクセスされ得る。
図1に示されるソフトウェア又は構成要素、並びに対応するデータは、リモート位置のサーバ上に記憶され得る。リモートサーバ環境内のコンピューティングリソースは、リモートデータセンタ位置で統合され得、又は分散され得る。リモートサーバインフラストラクチャは、共有データセンタがユーザにとって単一のアクセスポイントとして見えるとしても、共有データセンタを通じてサービスを配信し得る。したがって、本明細書で説明される構成要素及び機能は、リモート・サーバ・アーキテクチャを使用して、リモート位置のリモートサーバから提供され得る。代替として、本明細書で説明される構成要素及び機能は、従来型サーバから提供され得、又は直接的に、もしくは他の方式でクライアントデバイス上にインストールされ得る。
【0041】
[0051]
図10は、リモート・サーバ・アーキテクチャを利用する別の実施形態を示す。
図10は、
図7のいくつかの要素がリモートサーバ位置502に配設されるが、他の要素はそうではないことも企図されることを示す。例として、養分情報データストア111が、概略的にクラウド内に示される位置502に配置され得る。クラウドベースの養分情報データストア111が単一の位置に配置され、又は複数の物理位置の間で分割あるいは分散され得ることが明白に企図される。クラウドベースの養分情報データストア111がどこに配置されるかの如何に関わらず、散布器制御システム400によって直接的に、ネットワーク(広域ネットワーク又はローカルエリアネットワークのどちらか)を通じてアクセスされ得、サービスによってリモートサイトでホストされ得、又はサービスとして提供され、もしくはリモート位置に常駐する接続サービスによってアクセスされ得る。さらに、データがほぼ任意の場所に記憶され、関係者(interested party)によって断続的にアクセスされ、又は関係者に転送され得る。たとえば、電磁波搬送波の代わりに、又は電磁波搬送波に加えて、物理的キャリア(physical carrier)が使用され得る。そのような実施形態では、セルカバレッジが不十分であり、又は存在しない場合、別の移動機械(燃料トラック又は肥料補給車両(fertilizer tender vehicle)など)が自動情報収集システムを有し得る。散布器が給油のために燃料トラックに近づくとき、システムは、任意のタイプのアドホックワイヤレス接続を使用して、散布器から情報を自動的に収集する。次いで、燃料トラックがセルラカバレッジ(又は他のワイヤレスカバレッジ)がある場所に近づくときに、収集された情報がメインネットワークに転送され得る。たとえば、燃料トラックは、他の機械に給油するために移動するとき、又は主燃料貯蔵場所にあるとき、カバーされる場所に入り得る。これらのアーキテクチャのすべてが本明細書で企図される。さらに、散布器がカバーされる場所に入るまで、情報が散布器上に記憶され得る。
【0042】
[0052]
図11は、
図7の要素又はその部分(たとえば)が配置され得るコンピューティング環境の一実施形態である。
図11を参照すると、いくつかの実施形態を実装する例示的システムが、コンピュータ810の形態の汎用コンピューティングデバイスを含む。コンピュータ810の構成要素は、限定はしないが、処理装置820(プロセッサ108を含み得る)と、システムメモリ830と、システムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理装置820に結合するシステムバス821とを含み得る。システムバス821は、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のいずれかでよい。
図7に関して説明されたメモリ及びプログラムは、
図11の対応する部分に配置され得る。
【0043】
[0053]コンピュータ810は通常、様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ810によってアクセスされ得る任意の入手可能な記憶媒体であり得、揮発性媒体と不揮発性媒体の両方、取外し可能媒体と取外し不能媒体の両方を含む。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、被変調データ信号又は搬送波とは異なり、それらを含まない。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術で実装された、揮発性と不揮発性の両方、取外し可能媒体と取外し不能媒体の両方を含むハードウェア記憶媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータ810によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含む。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを移送機構で実施し得、任意の情報配信媒体を含む。「被変調データ信号」という用語は、その特性のうちの1つ又は複数が、信号内に情報を符号化するような方式で設定又は変更された信号を意味する。
【0044】
[0054]システムメモリ830は、読取り専用メモリ(ROM)831やランダムアクセスメモリ(RAM)832などの揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含む。起動中などにコンピュータ810内の要素間で情報を転送する助けとなる基本ルーチンを含む基本入出力システム833(BIOS)が、通常はROM831内に記憶される。RAM832は通常、処理装置820にとって即座にアクセス可能である、かつ/又は処理装置820によって現在操作されているデータ及び/又はプログラムモジュールを含む。限定ではなく例として、
図11は、オペレーティングシステム834、アプリケーションプログラム835、他のプログラムモジュール836、及びプログラムデータ837を示す。
【0045】
[0055]コンピュータ810はまた、他の取外し可能/取外し不能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体も含み得る。単に例として、
図11は、取外し不能な不揮発性磁気媒体を読み書きするハードディスクドライブ841、磁気ディスクドライブ851、不揮発性磁気ディスク852、光ディスクドライブ855、及び不揮発性光ディスク856を示す。ハードディスクドライブ841は通常、インターフェース840などの取外し不能メモリインターフェースを通じてシステムバス821に接続され、磁気ディスクドライブ851及び光ディスクドライブ855は通常、インターフェース850などの取外し可能メモリインターフェースによってシステムバス821に接続される。
【0046】
[0056]代替又は追加として、本明細書で説明される機能は、1つ又は複数のハードウェア論理構成要素によって少なくとも部分的に実施され得る。たとえば、限定はしないが、使用され得る例示的なタイプのハードウェア論理構成要素は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラム特有集積回路(Program-specific Integrated Circuit)(たとえば、ASIC)、プログラム特有標準製品(Program-specific Standard Product)(たとえば、ASSP)、System-on-a-chipシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などを含む。
【0047】
[0057]上記で論じられ、
図11に示されるドライブ及び関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ810のためのコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び他のデータの記憶を実現する。
図11では、たとえば、ハードディスクドライブ841が、オペレーティングシステム844、アプリケーションプログラム845、他のプログラムモジュール846、及びプログラムデータ847を記憶するものとして示されている。これらの構成要素は、オペレーティングシステム834、アプリケーションプログラム835、他のプログラムモジュール836、及びプログラムデータ837と同一のもの、又は異なるものであり得ることに留意されたい。
【0048】
[0058]ユーザは、キーボード862、マイクロフォン863、マウス、トラックボール、タッチパッドなどのポインティングデバイス861などの入力デバイスを通じてコンピュータ810にコマンド及び情報を入力し得る。他の入力デバイス(図示せず)は、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナなどを含み得る。これら及び他の入力デバイスはしばしば、システムバスに結合されるユーザ入力インターフェース860を通じて処理装置820に接続されるが、他のインターフェース及びバス構造によって接続され得る。視覚ディスプレイ891又は他のタイプのディスプレイデバイスも、ビデオインターフェース890などのインターフェースを介してシステムバス821に接続される。モニタに加えて、コンピュータはまた、出力周辺インターフェース895を通じて接続され得る、スピーカ897やプリンタ896などの他の周辺出力デバイスも含み得る。
【0049】
[0059]コンピュータ810は、リモートコンピュータ880などの1つ又は複数のリモートコンピュータへの論理接続(ローカルエリアネットワークLAN又は広域ネットワークWANなど)を使用して、ネットワーク環境内で動作する。
【0050】
[0060]LANネットワーキング環境内で使用されるとき、コンピュータ810は、ネットワークインターフェース又はアダプタ870を通じてLAN871に接続される。WANネットワーキング環境内で使用されるとき、コンピュータ810は通常、インターネットなどのWAN873を介して通信を確立するためのモデム872又は他の手段を含む。ネットワーク環境では、プログラムモジュールはリモートメモリ記憶デバイス内に記憶され得る。
図11は、たとえば、リモート・アプリケーション・プログラム885がリモートコンピュータ880上に常駐し得ることを示す。
【0051】
[0061]本明細書で説明される様々な実施形態が様々な形で組み合わされ得ることにも留意されたい。すなわち、1つ又は複数の実施形態の部分が、1つ又は複数の他の実施形態の部分と組み合わされ得る。このすべては本明細書で企図される。
【0052】
[0062]実施例1は、コンテナと、コンテナから養分を送り出すためにコンテナに動作可能に結合された養分配布アセンブリとを含む農業用養分散布器である。光窓を含む分光反射(NIR)農作物感知システムが提供される。提示アセンブリが農業用養分散布器に取り付けられ、農業用養分散布器が移動するときに、分光反射農作物感知システムの光窓に近接する、耕地内の生きた植物を位置決めするように構成される。コントローラが、分光反射農作物感知システム及び養分配布アセンブリに結合される。コントローラは、分光反射農作物感知システムから、生きた植物の測定養分レベルを示す情報を取得し、測定養分レベル及び目標養分レベルに基づいて補正養分量を決定するように構成される。コントローラは、補正量に基づいて養分配布アセンブリを制御する。
【0053】
[0063]実施例2は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、分光反射農作物感知システムが、800ナノメートルから2,500ナノメートルの間の波長を有する照明を生成するように構成され、生成された照明が光窓を通過して、生きた植物で反射し、測定養分レベルを示すNIR応答を提供する。
【0054】
[0064]実施例3は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、分光反射農作物感知システムが、2500ナノメートルから8,000ナノメートルの間の波長を有する照明を生成するように構成され、生成された照明が光窓を通過して、生きた植物で反射し、測定養分レベルを示す応答を提供する。
【0055】
[0065]実施例4は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、生きた植物の上を摺動するように構成された底面を備え、底面が、光窓に隣接して配設された開口を有する。
【0056】
[0066]実施例5は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが先細の前縁を含む。
[0067]
[0068]実施例6は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、開口に向けて生きた植物を移動するように構成された表面輪郭を含む。
【0057】
[0069]実施例7は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、周辺光を遮断するための不透明カーテンを含む。
[0070]実施例8は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、自動高さ制御システムが、生きた植物を損なうことなく適切な反射信号を提供するように提示アセンブリの高さを制御する。
【0058】
[0071]実施例9は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、平行に配置された複数のポンツーン状構造を含み、分光反射農作物感知システムが、複数のポンツーン状構造の間に配設される。
【0059】
[0072]実施例10は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、分光反射農作物感知システムが、生きた植物の下側部分を見るように配設される。
[0073]実施例11は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、分光反射農作物感知システムの光窓のそばで生きた植物を移動するように構成されたコンベヤを含む。
【0060】
[0074]実施例12は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、コンベヤが、光窓に対して生きた植物を選択可能に偏らせるように構成される。
[0075]実施例13は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが複数の茎リフタを含む。
【0061】
[0076]実施例14は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、提示アセンブリが、農業用養分散布器の真下に選択可能に配置可能である。
[0077]実施例15は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、第2の分光反射農作物感知システムをさらに備える。
【0062】
[0078]実施例16は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用養分散布器であり、コントローラに動作可能に結合された追加のセンサをさらに備え、コントローラが、追加のセンサからの信号を使用して、追加のセンサ信号に基づいて補正量を修正するように適合される。
【0063】
[0079]実施例17は、耕地内の農業用植物に養分を供給する方法である。方法は、植物が耕地内にある間に植物に赤外線照明を向け、反射応答信号を取得すること、反射応答信号に基づいて、植物の測定養分レベルを決定すること、測定養分レベルを目標レベルと比較して、補正養分レベルを決定すること、及び植物に補正養分レベルを散布することを含む。
【0064】
[0080]実施例18は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用植物に養分を供給する方法であり、植物に赤外線照明を向けることが、植物に対して移動する農業用養分散布器の提示アセンブリを使用して実施される。
【0065】
[0081]実施例19は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用植物に養分を供給する方法であり、養分が、含水量、窒素、カリウム、タンパク質、リン、硫黄、及びカルシウムからなるグループから選択される。
【0066】
[0082]実施例20は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用植物に養分を供給する方法であり、追加のセンサ情報を取得して、補正養分レベルを調節することをさらに含む。
【0067】
[0083]実施例21は、いずれか又はすべての先の実施例の農業用植物に養分を供給する方法であり、追加のセンサ情報が、農業用養分散布器の幅にわたる植物の状態を示し、赤外線農作物感知システムが、農業用養分散布器のシャーシの下に配設され、農業用養分散布器のコントローラが、位置赤外線農作物感知システムでの追加のセンサ情報を反射応答信号と相関させ、農業用養分散布器の幅にわたる他の場所についての調節後補正量を外挿するように構成される。
【0068】
[0084]実施例22は、耕地内の農業用植物の養分を測定する方法である。方法は、植物が耕地内にある間に植物に赤外線照明を向け、反射応答信号を取得すること、反射応答信号に基づいて、植物の測定養分レベルを決定すること、植物の位置を決定すること、並びに測定養分レベル及び位置をデータストア内に記憶することを含む。
【0069】
[0085]構造的特徴及び/又は方法論的処置(methodological act)に特有の言い回しで主題が説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が、必ずしも前述の特定の特徴又は処置に限定されるわけではないことを理解されたい。むしろ、前述の特定の特徴及び処置は、請求項を実施する例示的形態として開示される。
【外国語明細書】