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特開2022-75598円形の歯科用ブランクホルダおよびホルダと円形の歯科用ブランクからなる配置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075598
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】円形の歯科用ブランクホルダおよびホルダと円形の歯科用ブランクからなる配置
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/00 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
A61C13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179460
(22)【出願日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】20206313.7
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】マルクス リヒテンシュタイガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ベルタニョッリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】円形の歯科用ブランク材に対して、より良好かつ省材料で、取扱い上およびコスト上の不都合を生じることなく解決する、円形の歯科用ブランクホルダおよび円形の歯科用ブランクからなる配置を提供する。
【解決手段】円形の歯科用ブランクホルダ10、特に保持アンダーカットに関する。ホルダ10は、2つの部品12、14から成り、これらの部品は、特に半円形であり、互いに接続されるか、または互いに取り付けされ得る。これらの部品は、歯科用ブランク16を取り囲み、それによって、それを固定し、および/または遊びなく取り付けるために、特に、非固定的および/または嵌合形成でそれを固定するために意図される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
円形の歯科用ブランク(16)を非固定的に取り囲み、および/または取り付けられ、一体的に接着および/または嵌合する少なくとも2つの部品(12、14)を備える円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項2】
ホルダと
円形の歯科用ブランクと
を備える配置であって、
ここで、前記ホルダ(10)は、少なくとも2つの部品(12、14)を備え、前記少なくとも2つの部品は、半円形であり、互いに取り付けるように構成され、前記少なくとも2つの部品は、非固定的に前記円形の歯科用ブランク(16)を取り囲み、および/または前記円形の歯科用ブランクに取り付けられ、一体的に接着され、および/または嵌合する配置。
【請求項3】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記少なくとも2つの部品(12、14)は、互いに固定され、または互いに1点で固定され、およびフィルムヒンジを介して反対側の位置に互いに接続され、さらにそれらが互いに固定された状態で、95mm~102mmの内径を有する請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項4】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、少なくとも2つの部品(12、14)は、それぞれ、その端部にラッチ装置(28、30)を有し、ラッチ装置(28、30)によって、前記少なくとも2つの部品(12、14)が互いにラッチされるように構成され、および
ここで、ホルダ(10)は、ラッチ装置(28、30)のスナップインによって形成され、前記ホルダが、非固定的にプレストレスまたはプレテンション下で、円形の歯科用ブランク(16)に渡って、および固定するように形成される請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項5】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、ホルダ(10)は、合成材料で製造され、またはホルダの内周に形成された合成材料を含み、前記ホルダが溶接、収縮および/または接着によって円形の歯科用ブランク(16)に固定される請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項6】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、少なくとも2つの部品(12、14)は、円形の歯科用ブランクの上側(24)と、および/または前記ホルダ(10)の前記少なくとも2つの部品(12、14)の下側とに半径方向内側に延在する端部リム(18、20)を備え、端部リム(18、20)のいずれか、または端部リム(18、19)の両方と共に、円形の歯科用ブランク(16)を嵌合するように取り付けられ、および/または
ここで、ホルダ(10)の前記少なくとも2つの部品(12、14)は断面においてC字型プロファイルまたはL字型プロファイルを有し、L字型プロファイルは、前記円形のブランク(16)を停止および取り付け補助として機能する内部側面を備える請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項7】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、少なくとも1つのコーナー凹部(23)が、ホルダ(10)の端部リム(18、20)のいずれか、または端部リム(18、20)の両方と、前記ホルダ(10)の中間リム(22)との間の移行部の、C字型プロファイルまたはL字型プロファイルの内部側面に形成される請求項6に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項8】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記端部リム(18、20)は、フライス加工可能な合成材料で製造され、および
ここで、前記端部リム(18、20)のいずれか、または前記リム(18、20)の両方の残りの領域は、前記円形の歯科用ブランク(16)に、嵌合するように取り付けられる請求項6に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項9】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、各部品(12、14)は、半径方向内側に面する側に半円筒形の表面を有するハーフシェル(12、14)として形成され、前記表面は、円形の歯科用ブランク(16)がホルダ(10)内に接着される両面粘着テープを受容する請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項10】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記少なくとも2つの部品(12、14)は、互いに対称的に形成され、および/または互いに補完して環状のリングを形成する請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項11】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、ホルダ(10)をフライスホルダ内、またはフライスホルダ上に取り付けるための少なくとも1つの嵌合プロファイルが、ホルダ(10)の外側に半径方向に形成され、および/または、
ここで、ホルダ(10)は、半径方向外側に、保持突起として、少なくとも部分的に円周方向に、アンダーカット(42)を有する嵌合プロファイルを備える請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項12】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、2つの部品(12、14)から成る少なくとも2つの部品は、半円形であり、互いに取り付けまたは接続する請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項13】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、ホルダ(10)の半径方向内側、および/またはホルダ(10)の端部リム(18、20)の半径方向内側と、ホルダ(10)の内部空間を覆うように延在するカバー(106)、および円形の歯科用ブランク(16)とが、その中に受容される請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項14】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記カバー(106)は、前記部品(12、14)の一方に連接され、および/または
ここで、前記カバーは、前記ホルダ(10)に一体的に、前記ホルダ(10)の硬さよりも軟らかい成分で接着され、および前記カバー(104)と前記ホルダ(10)との間の前記接続線(108)は、所望の破断点を形成し、および/または、
前記カバー(106)は、展開可能な剥離ストリップ(110)が設けられている請求項13に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項15】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記円形の歯科用ブランク(16)と前記ホルダ(10)との事前組立において、前記円形の歯科用ブランク(16)と前記ホルダ(10)との間に、0.1mm~0.5mmの厚さで空隙が形成されており、および
ここで、前記空隙に隣接して、膨張性接着剤が導入され、その膨張の際に、円形の歯科用ブランク(16)を前記ホルダ内に固定することができる請求項1に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【請求項16】
円形の歯科用ブランクホルダであって、
ここで、前記膨張性接着剤は、PURを含む請求項15に記載の円形の歯科用ブランクホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月6日に出願された欧州特許出願第20206313.7号に対する優先権を主張するものであり、その開示はその全体を引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、円形の歯科用ブランクホルダおよびホルダと円形の歯科用ブランクからなる配置に関する。
【背景技術】
【0003】
このタイプの円形の歯科用ブランクホルダおよびそれらの個々の部品、すなわちホルダと円形の歯科用ブランクは、古くから知られている。この一例は、特許文献1から知られている解決方法である。この解決方法の場合の円形の歯科用ブランクは直径に関して比較的小さく、明確に広いエッジを有する。このエッジは、フライスホルダ内で固定された方法で保持される。
【0004】
特許文献1による円形の歯科用ブランクは、その図5で示されているように、個々の歯により適している。
【0005】
その後数年の間に、直径は約10cmであり、フライス可能な材料から成り、複数の歯科補綴部材を受容することを意図するディスクが確立された。
【0006】
これらは、典型的には、ミルブランクの役割として円形の歯科用ブランク上に可能なかぎり最も省スペースの方法で配置される。この配置は、最初に仮想的に、すなわち、事前に行われる。次に、ミルブランクをフライスホルダに固定し、歯科補綴部材をフライス加工することを意図したフライス盤がその作業を開始する。
【0007】
高い精度を要求されるフライス加工の場合、歯科補綴部材は、ウェブを保持したまま、互いに明確に間隔を空けて設けなければならない。
【0008】
つまり、歯科補綴部材の配置を最適化するだけでなく、できるだけエッジに近づけることによって、円形の歯科用ブランクまたはフライス用ブランクを良好に使用することも試みられている。
【0009】
これには使用するミルブランクの材料の選択が関係する。ZrOからなるブランクは、500ユーロ前後のコストを容易に下げることができる。
【0010】
一方、円形の歯科用ブランクの取り付けには十分な安定性を確保する必要がある。取り付け時にできるだけ「フライススペース」を無駄にしないことが望まれるが、数100 Nのフライス力が必要なため、取り付けは依然として極めて安定している必要がある。
【0011】
高価なブランク材料を最も効率的に使用する必要があるため、例えば特許文献2に準拠した、最も安定したフライスホルダを製造する試みが行われてきた。
【0012】
特許文献3には、さらに改良された解決方法がある。この解決方法の場合、フライスホルダは、ブランク上に形成された突出エッジを把持する。
【0013】
必要に応じて、より小さなブランクも使用でき、その場合はそれに応じてより好ましくなる。
【0014】
さらに、参照により本明細書に組み込まれている特許文献4および対応する特許文献5から、歯科用ブランクの保持装置が知られており、そこでは、合成材料のリングが歯科用ブランクまたは円形の歯科用ブランクを固定するために使用される。その場合の固定要素は、固定することを目的とした調整要素を備えている必要がある。
【0015】
このような設定要素は、止めねじ、ねじ付きピン、カムまたはカムレバーとすることができる。
【0016】
その解決方法は確立されていない。問題は、使用されるフライスホルダと組み合わせを含む、実用的な実装と複雑さである。
【0017】
特許文献6、特許文献7および特許文献8は、ミルブランクを対象とし、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第4436231号 A1明細書
【特許文献2】ドイツ国実用新案第202010001125号 U1明細書
【特許文献3】ドイツ国実用新案第202013103515号 U1明細書
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第102015204174号 A1明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第20170065381号明細書
【特許文献6】米国特許第7604759号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第20170333168号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第20180055612号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
これに対し、本発明の目的は、請求項により、円形の歯科用ブランクホルダと、ホルダに円形の歯科用ブランクを固定するという問題を解決し、円形の歯科用ブランク材に対して、より良好かつ省材料で、取扱い上およびコスト上の不都合を生じることなく解決する、円形の歯科用ブランクホルダおよび円形の歯科用ブランクからなる配置を提示することである。
【0020】
本発明によれば、この目的は本願の請求項によって達成される。有利な展開は従属請求項から明らかである。
【0021】
本発明によれば、ホルダの特定の実施形態が提供される。「フライスホルダ」は、円形の歯科用ブランクを受け入れるためのフライス盤の固定装置として理解されるべきであり、一方、本発明に係るホルダは、その耐用年数を通して基本的に円形の歯科用ブランクに固定され、不要となった円形の歯科用ブランクの削り残しと共に廃棄される。
【0022】
本発明によれば、ホルダが、互いに補完し合って円を形成する少なくとも2つの部品からなるように設けられる。2つまたはそれ以上の部品は円形の歯科用ブランクに渡っており、それぞれの端で互いに接続されている。第1の部品は、その第1の端部で第2の部品の第1の端部に接続され、第1の部品は、第2の部品の第2の端部でその第2の端部に接続される。
【0023】
また、部品が1点で互いに固定され、および接合部やヒンジ、特にフィルムヒンジ、特にフィルムヒンジを介して、反対側の位置に、互いに接続されることも可能である。この実施形態により、ホルダは、いわば展開することができ、ラッチ接続のスナップインによって、円形の歯科用ブランクをその中に固定することができる。
【0024】
組立の手間が少なくなる。
【0025】
ラッチまたはスナップイン接続は、好ましくは、引張応力の発生下で行われる。張力は、互いに補完し合って円を形成する部品に円周方向に存在する張力をもたらし、それに応じて張力が半径方向内側に作用し、円形の歯科用ブランクを半径方向内側方向の圧力下に配置する。
【0026】
しかし、ホルダの部品が組立中に単に円形の歯科用ブランクを取り囲むようにすることも可能であり、おそらく、公差を補償するのにも役立つ0.1~0.5mmの間の空隙を有している。
【0027】
この解決方法は、実際の取付けが接着剤を使用した第2の工程で行われる場合に好ましい。
【0028】
ポリウレタン反応性(PUR)接着剤のような膨張性接着剤の使用も可能である。このような場合、例えば0.2mmの空隙であるが、0.1mmから0.5mmの空隙も接着剤の前に放置されることが好ましく、この隙間は膨張時に接着剤によって充填される。
【0029】
膨張によって発生する圧力は、ホルダと円形のブランクとの間の-狭い-隙間内に過圧を生じさせ、その結果、円形のブランクとホルダの隣接面に対する接着剤の圧力が特に良好になる。
【0030】
円形の歯科用ブランクがPMMAのようなプラスチックで製造される場合には、一体的に接着された接続部を製造することもできる。このために、円形のブランクの外周は接着剤によって部分的に溶融される。
【0031】
有利な実施形態では、部品は、引張応力を加えるのに適したスナップフィットまたはラッチ接続を介して互いに接続される。
【0032】
さらなる有利な実施形態では、ホルダの部品も、上述したように、材料接合または摩擦または非固定的接続を介して、一体的に接合された態様で接続されるように設けられる。これは、例えば、挿入された両面粘着テープ、超音波、レーザー溶接、または任意の他の接着プロセスによって起こり得る。このようにして、フォースロッキング、または非固定的、および一体的に接合された(材料-ロック)複合材料を製造することができる。
【0033】
前記2つの部品に歯科用ブランクを取り付けるために、いかなる非固定的または接続を用いてもよい。前記取り付けは、フォースフィット取り付け、フォース作動取り付けまたは摩擦取り付けまたは接続、または前記2つの部品に作用して、これらを前記ブランクに押し付け、これにより、それらの間に堅固で固定された接続を得ることによって達成される任意の取り付けでもよい。
【0034】
ホルダの部品も断面がC字型になっており、その上側と下側で円形の歯科用ブランクに重なるようになっている場合には、嵌合接続、つまり、可能な3種類の接続の全てを同時に行うことができるは、言うまでもない。
【0035】
C字形状の代わりに、ホルダの断面で見ると、L字形状も可能である。しかし、この解決方法では上端のリムは存在しないが、下端部のリムは停止部として、またあらかじめ円形のブランクの垂直位置を設定する取り付け補助具としての役割を果たす。
【0036】
驚くべきことに、ホルダを円周方向に分割し、部品を一緒に組み合わせて円形の歯科用ブランクのためのホルダを提供することで、本発明に従った解決方法で、円形の歯科用ブランクの高価な材料を節約することができる。
【0037】
円形のブランクは、比較的力を加えることなく保持および加工が可能である。本発明によるホルダの材料費は、例えば、1ユーロ、すなわち、円形の歯科用ブランクの材料費の2桁以上も安価にすることができる。
【0038】
意外なことに、本発明による円形の歯科ブランクとホルダから成る配置は、フライス盤の利用可能なフライスホルダ、または固定装置での使用に特に適している。部品の端部におけるスナップインラッチ機能は、ホルダのコースに容易に一体化することができ、即ち、ラッチ装置を収容するためにフライスホルダ上に凹部を作る必要がなくなる。
【0039】
この目的のために、ラッチングタンおよびラッチング突起を有する、それ自体が既知であるラッチ装置を製造することができる。任意のタイプのラッチ装置を使用することができる。このようなラッチ装置の他の例は、クリックストップ装置である。ラッチ装置は、2つの部品の間、すなわち両端の間のスナップインラッチ機能を提供する。このような装置には、前記端部を互いに密着させたときに嵌合を提供する装置が含まれる。第1の部品の端部における「オス」部品としてのラッチングタン部は、「メス」部品としてラッチング凹部内に挿入されてもよい。「オス」部品は、係合フックを含み、「メス」部品は、アンダーカットを含む。これら両者は、「オス」部品が「メス」部品に完全に挿入されると互いにスナップするように、互いに向かい合うようにバネで付勢され、したがって、嵌合接続を形成する。
【0040】
また、本発明によるホルダは、円形の歯科用ブランクを最大限に利用する能力を損なうものではない。エッジスペース、つまり、フライス加工されるミルブランクや、フライス加工される円形の歯科ブランクの使用可能な部品は、わずかでも減らすことができる。これは、ミルブランクが、通常焼結される材料から成るという事実による。これは圧力に対して非常に耐性があるが、張力に対しては耐性がない。本発明によるホルダが半径方向内側に与える応力または張力によって、切削中に与える力ベクトルは、圧力に向かってシフトされ、その結果、切削力による歯科用ブランクの耐荷重能力が増加する。
【0041】
本発明によれば、部品が互いにクリップ留めされたときにホルダを形成するハーフシェルとして形成されることが特に好ましい。2つのハーフシェルまたは複数の部品は、第1の組立工程において互いにラッチされ、その目的のために、それらはそれぞれ、端部において適切なラッチ装置を有する。
【0042】
この状態でも、ホルダとしての2つのハーフシェルは、円形の歯科用ブランクに圧力を与える。
【0043】
第2の工程では、ホルダとしての2つのハーフシェルは、円形の歯科用ブランク上に取り外し不能に固定される。これは、超音波、レーザー溶接手段によって影響され、または接着プロセスの手段によってさえも影響される。
【0044】
本発明の有利な実施形態では、ホルダの端部リムまたは複数の端部リムを、円形の歯科用ブランクを端部のリムの間にプレストレスまたはプレテンションをかけて配置することができる少なくとも1つの傾斜面を有するように、設けることができる。
【0045】
2つのハーフシェルは、合成またはプラスチック材料で作ることができ、ここで、より弾力性のある、またはより柔らかいプラスチック、または合成材料の層の形態で半径方向内側領域を形成し、より硬いプラスチックまたは合成材料から半径方向外側領域を形成することもできる。
【0046】
2つのハーフシェルは、任意の適切な材料から作ることができる。好ましくは、このような材料は、50ショア-D以上の硬度を有し、より好ましくは80ショア-D以上、またはさらには90ショア-D以上の硬度を有する。それは、ABS、PMMA、PA等であってもよい。
【0047】
より柔らかい材料は、上記のハーフシェルの硬度よりも低い硬度を有する。その硬度は、12ショア-Aと80ショア-Dの間、好ましくは16ショア-Aと50ショア-Aの間であってもよい。例えば、SEBSのようなTPE(熱可塑性エラストマー)、または、例えば、20ショア-Aと40ショア-Aの間の硬度を有する発泡PURであってもよい。軟質材料の層厚は、0.1mmと1mmの間、好ましくは0.2mmと0.5mmの間であってもよい。下層の層厚は、より柔らかい材料の望ましくない変位なしに、より低い硬度を可能にする。
【0048】
本発明の有利な実施形態では、円形の歯科用ブランクホルダが少なくとも2つの成分を有するように設けられ、そのうちの硬い方が軟らかい方の上に重なる。本発明の更なる有利な実施形態では、ホルダの半径方向内側面がより柔らかい成分によって、およびより柔らかい成分上に形成されるように設けられる。
【0049】
取り外し不可能または取り外し不能な固定により、円形の歯科用ブランクをより少ない力の付与で保持および機械加工することができる。
【0050】
フライスホルダ内への取り付けは、ホルダの嵌合プロファイルによって行うことができ、ホルダは、円形の歯科用ブランクに重なり、すなわち、その上側およびその下側の両方に接することができ、したがって、断面においてC字形プロファイルを形成することができる。
【0051】
円形の歯科用ブランクは、例えば、ZrO、PMMA、チタン、Co-Cr、および他の適切な材料を含む任意の適切な材料で製造することができ、これらの材料は、サブトラクティブ機械加工による材料の除去を必要とする。
【0052】
本発明のさらなる利点、詳細および特徴は、図面を参照して、本発明の例示的ないくつかの実施形態の以下の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明の一実施形態における、円形の歯科用ブランクホルダと、共に嵌合される前の円形の歯科用ブランクとを示す。
図2】円形の歯科用ブランクホルダと、円形の歯科用ブランクを共に嵌合した場合の組み合わせを示す。
図3】本発明の一実施形態における、ハーフシェルの斜視図またはホルダの一部を示す。
図4】本発明のさらなる実施形態における、円形の歯科用ブランクが挿入された円形の歯科用ブランクホルダを示す。
図5】本発明のさらなる実施形態における、円形の歯科用ブランクホルダの詳細を示す。
図6】本発明の一実施形態における、円形の歯科用ブランクが挿入された円形の歯科用ブランクホルダを示す。
図7】本発明の一実施形態における、一体型円形の歯科用ブランクホルダと円形の歯科用ブランクの概略斜視断面図である。
図8】本発明の図5または図7に係る実施形態の変形例を示す、嵌合プロファイルを説明するための概略断面図である。
図9図8における図の変形例を示す。
図10図8および図9における図のさらなる変形例を示す。
図11】変形例的な嵌合プロファイルを備えた円形の歯科用ブランクホルダの変形図である。
図12】円形の歯科用ブランクホルダおよび円形の歯科用ブランクチェンジャのフライスホルダの実施形態の概略選択図を示す。
図13図12による実施形態の断面図である。
図14図12による図の変形実施形態を示す。
図15】本発明の別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、円形の歯科用ブランクホルダ10を分解斜視図である。円形の歯科用ブランクホルダ10は、第1の部品または第1のハーフシェル12、および第2の部品または第2のハーフシェル14から構成される。各ハーフシェル12または14は、実質的に半円筒形であり、および歯科用ブランク16を取り囲むことを意図している。円形の歯科用ブランク16は、例えばZrOから成り、約100mmの直径を有する平らな円筒形の本体として公知の方法で形成される。
【0055】
円形の歯科用ブランクホルダ10は、円形の歯科用ブランク16の外径と実質的に同じ内径を有する。断面で見られるように、ホルダ10のプロファイルは、実質的にC字形であり、すなわち、上端またはリム18、下端レフまたはリム20、および中脚またはリム22を備えている。
【0056】
中間リム22の高さは円形の歯科用ブランク16の高さに相当する。したがって、上端リム18は円形の歯科用ブランク16の上部に位置し、および下端部リム20は円形の歯科用ブランク16の下部に位置する。この点において、ホルダ10は、全ての側面において円形の歯科用ブランク16と重なる。
【0057】
円形の歯科用ブランク16の上側24の表面は、ホルダ10の重なった、または半径方向内側に向けられた突出寸法によっていくぶん縮小される。しかし、これは、ホルダ10の材料が合成材料であり、従って、フライス加工も可能であるため、フライス加工に対する適性を損なうものではない。
【0058】
2つのハーフシェル12および14は、各端部にラッチ装置を有し、そのラッチ装置は、メス型ラッチ装置28およびオス型ラッチ装置30が図1に示されている。ラッチ装置28は、ラッチ凹部32を有し、およびラッチ装置30は、ラッチタング34を有している。ラッチタング34は、ラッチ凹部32のアンダーカットにラッチするものである。本発明の範囲を逸脱することなく、任意の他のラッチシステムが可能であることが理解されるであろう。
【0059】
図2は、ホルダ10が円形の歯科用ブランク16と重なり、ラッチ装置28および30、およびそれに対向する対応するラッチ装置が互いにラッチされた状態を示す。この状態では、ホルダ10が、円形の歯科用ブランク16にプレテンションまたはプレストレスを与えるため、円形の歯科用ブランク16は加圧下にある。
【0060】
例示の実施形態では、両面粘着テープが中間リムまたは中央脚部22に挿入されている。プレストレスの効果によって、このテープに対して圧力が加えられ、円形の歯科用ブランク16がホルダ10内にしっかりと固定される。
【0061】
変形の実施形態では、両面粘着テープの代わりに、熱硬化性またはホットカーリング性の接着剤、または可視光線で硬化する接着剤が適用される。いずれの場合も、ホルダ10の材料は、透明なプラスチックまたは可視光で透明である合成材料からなることが好ましい。供給された放射線は、光放射か熱放射かにかかわらず、接着剤を硬化させ、それに円形の歯科用ブランク16を強固に接続する。
【0062】
さらに別の実施形態では、弾性軟質層がホルダの内側に取り付けられる。これは、所望のプレテンションを与え、それを円形の歯科用ブランク16に渡すのに特に適している。
【0063】
代替的な実施形態では、ラッチ装置28、30のうちの1つは、ヒンジまたは接合部によって置き換えられる。2つの部品12および14は、垂直軸を中心として枢動するようにヒンジによって互いに接続されている。
【0064】
この実施形態、例えば射出成形により2つの部品を一体として製造することができる。加えて、組立てのために部品12、14をそれぞれに動かし、または広げることができるので、ホルダ10内の円形のブランク16の取り付けは簡略化される。一緒に枢動し、ヒンジに対向するラッチ装置28、30でラッチすることにより、円形のブランク16は、ホルダ10内に既に固定され、取り付けられている。
【0065】
図3は、別の斜視図におけるハーフシェル12を示す。端部リム18および20は、例えば2mmだけ、半径方向内側に少し突出することが分かる。この投影寸法は、依然として所望の固定を確実にするのに十分である。
【0066】
本発明による円形の歯科用ブランク16、および本発明による円形の歯科用ブランクホルダ10のさらなる実施形態が、図4に示されている。そこに図示されているラッチ装置28および30は、異なるように形成されたラッチタング34、およびラッチ凹部32を有している。半径方向外側方向において、ホルダ10は、図4では見えないフライスホルダ48によって重なり合う突出リング40を備え、それによって円形の歯科用ブランク16を固定する。
【0067】
図5は、本発明によるホルダ10の変形実施形態を示す。この解決法は、外側に放射状に取り付けられ、この位置でのフライスホルダの係合を意図したアンダーカットプロファイル42によって、図1図4の実施形態による解決法とは異なる。半径方向内側方向に考慮したときのホルダ10のプロファイルは、再び、実質的にC字形であり、およびホルダ10は、円形のブランク12と、上端リム18および下端部リム20とが重なる。2つの端部リム18と20は、中央リム22によって互いに接続されている。
【0068】
これらは、できればプレテンションをかけて、円形の歯科用ブランク16に遊びなしに、および/または固く静止している。
【0069】
端部リム18および20の中間リム22への移行部は、内側にコーナー凹部23を有し、これは好ましくは小さな半径を有する。これはまた、円形の歯科用ブランク16のコーナーエッジの周囲に延在することができ、したがって、それを露出することができる。内半径は、端部リム18から中間リム22への移行部、および末端リム20から中間リム22への移行部に延在する。また、破壊に対して繊細である、例えばセラミック製の、円形の歯科用ブランク16の半径方向外側エッジの保護としても機能する。
【0070】
変形の実施形態では、円形の歯科用ブランク16は、末端リム18と末端リム20との間の間隔に関して、わずかに寸法が大きい。この大きい寸法により、組立および公差補正のために、関連するハーフシェル12の形態でホルダ20を円形の歯科用ブランク16上に押し付けることが可能になる。この目的のために、各端部リム20は、端部に挿入ベベルまたはスロープ44を有する。挿入スロープ44は、ハーフシェル12のC字形プロファイルへの円形の歯科用ブランク16の挿入を容易にする。
【0071】
例示の実施形態では、ダブテールプロファイルがアンダーカットプロファイル42として提供される。本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他のアンダーカットが可能であることが理解されるであろう。
【0072】
図6は、ホルダ10が上端リム18に隣接するノッチ54を有することを示している。ノッチ54は、回転に対して固定する役割を果たし、およびノッチ54に係合する、フライス盤上の対応するプローブまたは突起に対応する。
【0073】
図7は、ホルダ10のL字型プロファイル70を有する本発明の更なる実施形態を断面図で示す。プロファイル70は、嵌合プロファイル42が半径方向外側方向に一体構造として形成された垂直リム72と、半径方向内側に延在し、C形状プロファイルの下端部リムに対応する、底部でそこから発行された水平リム43とで構成される。
【0074】
これらのリム72および43との間の移行部において、溝54が、挿入されたセラミック製の円形の歯科用ブランク16の破砕エッジを完全に露出する内側に設けられる。
【0075】
より硬い成分48からなるL字形プロファイル72は、より柔らかい成分50で内側に完全に裏打ちされている。
【0076】
L字型プロファイル72は上部で開口しているので、そこからホルダ10内に円形の歯科用ブランク16を挿入することができる。挿入を容易にするために、内側の、より柔らかい成分48は挿入勾配76を有する。さらに、ホルダ10は、円形の歯科用ブランク16を越えて上方に延在し、そのため、安全に保護された方法でその中に受容される。
【0077】
図8は、部品的に図示されたフライスホルダ78に係合された円形の歯科用ブランクホルダ10の断面図を示す。フライスホルダ78内へのホルダ10の取り付けは、例示の実施形態におけるダブテールプロファイルであるアンダーカットプロファイル42を介して行われる。
【0078】
以下の説明は、また、本発明の範囲から逸脱することなく、形態適合プロファイルの多数の所望の実施形態が可能であることを例示するために役立つ。
【0079】
それ自体公知の方法で、嵌合プロファイルは、フライスホルダ78のウェブ82が係合する溝80を有する。
【0080】
図8は、ダブテールプロファイル42の上部およびフライスホルダ78を示しており、下部はこれに対して鏡面対称性を有することが理解される。
【0081】
溝80は、円形のブランク側に溝フランク84を有し、フライスホルダ側に溝フランク86を有する。
【0082】
さらに、フライスホルダ78の移動軸Yが図8に示されており、これに沿って2つのフライスホルダが半分、すなわち、この場合に図示された上部のものと下部のものとが移動または動くことができる。
【0083】
図8に示すように、円形のブランク側の軸Yと溝フランク84との間には角度αがあり、およびフライスホルダ側の軸Yと対抗する溝フランク86の間には角度βがある。
【0084】
この角度は、要件に合わせて広範囲に適応させることができる。角度αは例えば1°~8°であり、実施例の場合は5°である。
【0085】
対照的に、角度βは、より大きいことが好ましく、具体的には、1°~45°の間であり、好ましくは、5°~20°の間であり、例示の実施形態では15°である。
【0086】
角度が大きいほど、交差によりよく対応できる利点があり、角度が小さいほど、保持力が低下して固定が容易になる利点がある。
【0087】
この場合、要件への適合を広範囲に行うことができる。
【0088】
図8によれば、ウェブ82は、溝が完全に、またはほぼ完全に満たされるように、溝80内に延在する。しかし、これは、特に図9および図10および基本的な考察によって示されるように、必ずしも必要ではない。アンダーカットプロファイル42は同様に上部および下部と共に延在し、およびフライスホルダ78の2つの部品は、嵌合を提供するために互いに向かって移動されるので、高さの垂直設定は、その位置で水平面を介してプロファイル42の端部90での接触によって達成される。
【0089】
フライス加工力の伝達のためには、接触点または接触線の周囲に作用するモーメントに対して支持を与えることが重要であり、フライス加工ホルダ78の2部品設計、従って、嵌合プロファイル、およびこのようにして生成された長いロードアームは好ましい効果をもたらし、ここで考察した上部では、力の一部しか吸収する必要がない。
【0090】
モーメント(吸収モーメント)のトルク感知のために、ウェブ82と円形のブランク側の溝フランク84との間だけではなく、フライスホルダ側の溝フランク86との間の大きな表面接触が必要とされる。しかし、これは、溝80の全高にわたって行われる必要はなく、したがって、ウェブ82の上部のみが溝80内に延在していれば十分である。この時点では、レバレッジ効果が最も優れている。
【0091】
それに関する変形実施形態が図10に示されている。この場合、ウェブ82もまた、溝80内には完全に延在するのではなく、ウェブ82の下方/半径方向外側の点に挿入勾配92が形成されている。例示的な実施形態において、角度αおよび角度βは、さらに、実質的に小さく、具体的には、α=2°であり、β=4°である。
【0092】
図11は、円形の歯科用ブランクホルダ10の発明によるさらなる実施形態を概略的に示す。この実施形態では、ホルダ10には、嵌合凹部94が設けられている。これらは、ホルダ10の周囲に不均一に分布することができ、互いに同一であるか、または互いに異なる形態を有することができる。
【0093】
単なる例として、この場合には、立方形凹部96、円錐形凹部98および半球形凹部100が示されている。円錐形凹部98の代わりに、三角形凹部を作製することもでき、他の所望の形状が可能である。
【0094】
例示の実施形態では、本明細書に記載される嵌合プロファイルは、360°未満の角度、例えば240°を通って延在する。それらは、フライスホルダ78の対応する適切な形状のスピゴットを受容することを意図している。
【0095】
フライスホルダ78は、この解決方法を用いて、水平方向ではなく垂直方向に分割されることが好ましい。さらに、図11において左側のホルダ10の領域には、ワークピースマガジンの交換器と係合するための凹部102が設けられている。
【0096】
機械加工された円形の歯科用ブランク12を交換するために、この目的に適した交換器が凹部102でホルダ10を把持し、およびフライスホルダ78がホルダ10と共に円形の歯科用ブランク16を機械加工の形態で解放する。交換器は、円形のブランク16をフライス領域から取り除き、さらに機械加工される新しい円形のブランク16をフライスホルダ78に提供する。
【0097】
例示の実施形態では、交換器の把持領域は、180°よりかなり小さく、例えば120°超または同等の角度にわたって延在する。
【0098】
交換器104と協働するこのようなフライスホルダ78のさらなる実施形態が図12に示されている。その場合、2つの台形凹部108が、ホルダ10の異なった、および互いに非対称な角度位置に設けられている。フライスホルダ78の対応するスピゴット110がその中に係合する。
【0099】
図示のように、この場合のフライスホルダ78も垂直分離面で分割されている。フライスホルダ78の両タイン111は、そのホルダ10と共に円形の歯科用ブランク12と約230°重なり、および垂直分離面を有する2つのタイン112および114を有する交換器104は、ホルダ10に対して約120°のラップ角度を有する。
【0100】
図12の詳細な断面が図13に示されている。図示されているように、凹部108は、単にホルダ10の高さの中央部品にわたって延在している。スピゴット110は、この凹部を満たす。したがって、所望の嵌合が確保される。
【0101】
図示のように、ホルダ10はまた、この実施形態では断面がC字形であり、そのため、円形のブランク12とその端部リム18および20とが重なる。
【0102】
関連するフライスホルダ78を備えた、本発明による円形の歯科用ブランクホルダ10のさらなる実施形態が図14に示されている。この図中および他の図中の符号は同じ部品を参照しており、このホルダ10はワークピースマガジンを有するフライス盤用の交換器104の製造も意図している。
【0103】
図15は本発明の別の実施形態を示す図である。カバー106がホルダ10上で連接され、円形の歯科用ブランク12の露出されたディスク表面上に延在する円形の歯科用ブランク12のためのカバー106が提供される。カバー106は、フィルムヒンジ112によって保持リングに接続することができ、また、円形の歯科用ブランク12の上側24全体を覆うこともできる。
【0104】
カバー106は、保持リングと共に2つのカバーが円形の歯科用ブランク12のためのパッケージを形成するように、円形の歯科用ブランクの下側にも同様に設けることができる。
【0105】
カバー106はまた、カバー106と保持リングとの間の遷移の領域がヒンジ112として形成され、残りの領域は、カバー106がこのように形成されたヒンジで展開されるように分割できるように設計され得る。
【0106】
図15は、カバー106が円形の歯科用ブランク12の上側24にわたって延在できる方法を示している。例示の実施形態では、カバー106は、その部品が展開することができ、このためにフィルムヒンジを介してカバー106に接続された剥離ストリップ110を有する。
【0107】
剥離ストリップ110が引っ張られると、カバー106は、その位置で薄くなっているより柔らかい成分を介して、接続線108においてホルダ10から分離する。この点に関し、この接続線108は、カバー106の容易な取り外しを可能にする所望の破断点を形成する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】