(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075616
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】経編み機用の経編みツールバー
(51)【国際特許分類】
D04B 27/06 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
D04B27/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180231
(22)【出願日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】20206076.0
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521088402
【氏名又は名称】カール マイヤー シュトール アールアンドディー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショルレンマー, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスマンテル, ヨーナス
【テーマコード(参考)】
4L054
【Fターム(参考)】
4L054AA02
4L054LA01
4L054NA01
4L054NA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い機械的負荷下での温度変化に関連する問題を最小化する。
【解決手段】中空形状部として構成されたベース本体1を備えた経編み機の経編みツールバーが特定される。ベース本体1は空洞2を有し、これは鋼の平坦形状部3により形成される。鋼の平坦形状部3は、何回も湾曲している。鋼の平坦形状部3は、2つの領域4、5を有し、これらの領域は、経編みツールホルダ6を介して互いに接合される。本事例では、領域4、5は、長手方向に平行に延びる鋼の平坦形状部3の端部に配置されている。領域4、5は、経編みツールホルダ6に溶接されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形状部として構成されるベース本体(1)を有する経編み機の経編みツールバーにおいて、
前記ベース本体(1)が鋼材から形成されることを特徴とする経編みツールバー。
【請求項2】
中空形状部は、少なくとも1つの鋼の平坦形状部(3;16、17、18、19)を有する、請求項1に記載の経編みツールバー。
【請求項3】
鋼の平坦形状部(3;16、17、18、19)が成形加工により作られている、請求項2に記載の経編みツールバー。
【請求項4】
少なくとも1つの鋼の平坦形状部(3)には、相互に結合した2つの領域(4、5)がある、請求項2又は3に記載の経編みツールバー。
【請求項5】
少なくとも2つの鋼の平坦形状部(16、17、18、19)が互いに結合されている、請求項2乃至4の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項6】
中空形状部の少なくとも1つの壁に少なくとも1つの肉厚部(12、14)があり、該肉厚部の中に取付け形状(13、15)が配備されている、請求項1乃至5の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項7】
中空形状部が少なくとも2つの異なる壁厚さを有する、請求項1乃至6の何れか記載の経編みツールバー。
【請求項8】
中空形状部の少なくとも1つの壁には、少なくとも2つの異なる厚さの壁がある、請求項7に記載の経編みツールバー。
【請求項9】
中空形状部の平均壁厚が1mm-10mmの範囲で、特に2mm-5mmの範囲で最大となる、請求項1乃至8の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項10】
中空形状部の少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの開口部(31、32)を有する、請求項1乃至9の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項11】
中空形状部は、長手方向に沿って複数の区間を有する、請求項1乃至10の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項12】
経編み機のレバー上の2つの区域の間に隣接部が配置される、請求項11に記載の経編みツールバー。
【請求項13】
中空形状部には少なくとも1つの補強リブ(27、28)があり、該補強リブ(27、28)は特に鋼の平坦形状部として構成されている、請求項1乃至12の何れかに記載の経編みツールバー。
【請求項14】
補強リブ(27、28)が区域の少なくとも1つの端部に配置される、請求項13に記載の経編みツールバー。
【請求項15】
中空形状部は、少なくとも1つの補強ビードを有する、請求項1乃至14の何れかに記載の経編みツールバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空形状部として構成されたベース本体を備えた、経編み機用の経編みツールバーに関する。
【背景技術】
【0002】
このような経編みツールバーは、例えば、ヨーロッパ特許3 216 903号からの周知の技術である。
このような経編みツールバーは、通常、マグネシウム又はアルミニウムのような軽金属から成るベース本体、または繊維強化プラスチック材料から成るベース本体を用いて設計される。これらの材料は、一般的に、経編みツールバーの質量を低く抑えるために使用される。経編み工程に関与する経編みツールバーの多くは、ステッチ形成作業中に2回加速及び減速されなければならない。経編みバーの質量が小さいほど、経編みバーに作用する力が小さくなる。これは、原則として、駆動パワーと摩耗も低く抑えることができることを意味する。
【0003】
繊維強化プラスチック製の経編みツールバーも高温での安定性の利点がある。このような経編みツールバーの長さの熱的に誘起された変化、即ち、熱膨張は最小である。しかし、製造コストは相対的に高い。
別の経編みツールバーは、ドイツ特許1 585 174号からの公知技術である。ここでは、軽金属からバーが形成され、該バーが片側で長手方向に予め応力をかけられた鋼帯に接合される。ここでの意図は、熱膨張を最小限に抑えることである。
【0004】
高い繊維剥離力が生じると、経編み編物、すなわち、縦編み編物を形成する縦糸と、縦編み編物が接触する縦編機のバーまたは他の部分との間の接触面で摩耗が増加する。その一例が、いわゆる「切断端」である。高い繊維剥離力では、機械要素の結果として生じる変形を小さく抑えることも重要である。このため、鋼は、静止部品の材料として、あるいは動きの少ない部品、特に糸や縦編み編物に接する表面にクロムメッキを施した鋼を使用している。
【0005】
しかし、このような材料の選択により、気温の変化に伴う問題が生じる。鋼は、例えば、繊維強化プラスチックからの熱膨張挙動、あるいはアルミニウムやマグネシウムのような軽金属の熱膨張挙動とは異なる熱膨張挙動を有する。
本発明は、高い機械的負荷下での温度変化に関連する問題を最小化するという目的に基づいている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、ベース本体が鋼から形成されるという点で、上記のタイプの経編みツールバーによって達成される。
この構成により、経編み機の長手方向、即ち、作業幅に亘って延びる全てのバーやその他の部品に同じ材料、即ち、鋼を使用することが可能である。ベース本体は中空形状部として構成されているため、この場合には、軽量の構成で鋼を使用することも可能であり、これにより、縦編み機のバーの質量を再び低く抑えることができる。
【0007】
中空形状部は、少なくとも1つの鋼の平坦形状部を有することが好ましい。鋼の平坦形状部は、短く言えば「プレート」と呼ぶこともできる。複数の鋼の平坦形状部を接合して、ベース本体の中空形状を形成することができる。接合工程は、例えば、溶接、スタンピング、圧着、又はクリンチの形態をとる。
【0008】
ここでは、中空形状部は、鋼の平坦形状部で形作られるのが望ましい。成形工程は、曲げ加工又は湾曲加工の形態をとることができる。曲げ加工の場合、曲げ線は長手方向の延びに平行である。湾曲加工の場合、曲線半径の中心が位置する線も長手方向の延びに平行である。個々の鋼の平坦形状部の機械的剛性を高めるべく、成形工程を使用することができる。従って、問題の鋼の平坦形状部は、比較的薄くなるように構成される。鋼の平坦形状部は、縦編みツールバーの円周方向に複数の成形された区域を良好に有する。
【0009】
少なくとも1つの鋼の平坦形状部は、相互に結合した2つの領域があるのが好ましい。次いで、鋼の平坦形状部は、断面でループまたは周回路を形成する。2つの領域の結合は、例えば2つの領域を一緒に溶接することによって直接行うことができる。また、両領域間に更なる要素を配置することも可能であり、該更なる要素は例えば、ベース本体から突き抜けて、経編みツールの取付け面として機能する。
【0010】
或いは又は更に、少なくとも2つの鋼の平坦形状部を互いに結合するように作ることができる。この場合、ベース本体の中空形状部は、複数の鋼の平坦形状部で構成される。ここでも、少なくとも1つ、または全ての、鋼の平坦形状部に対して、少なくとも1つの湾曲部、または少なくとも1つの曲げ部を有することが可能である。
【0011】
中空形状部の少なくとも1つの壁には、少なくとも1つの肉厚部があり、該肉厚部内に取付け形状が提供される。取付け形状は、例えば、内部ねじとして構成することができる。肉厚部は、例えば、熱流ドリルによって内部ねじを生成することによって作成することができる。その場合、穴から除去された材料は、肉厚部を形成する。
【0012】
中空形状部は、少なくとも2つの異なる壁厚を有するのが好ましい。そうすると、壁厚はさまざまな負荷状況に適応することができる。場合によっては、第1の方向への加速が、第1の方向を横断する第2の方向への加速よりも大きくなることもある。このとき、第1の方向の加速度に耐えなければならない肉厚を、幾分大きく選択することができる。
【0013】
また、中空形状部の少なくとも1つの壁が、少なくとも2つの異なる厚みの壁を有する場合も有利である。また、1つの壁に異なる厚さの壁を想定することも可能である。
また、中空形状部が1mm-10mm、特に2mm-5mmの範囲で最大の平均壁厚を有する場合も有利である。そうすれば、中空形状部は比較的低い質量で形成することができる。壁の厚さは薄く抑えることができる。
中空形状部の少なくとも1つの壁には、少なくとも1つの開口部があることが望ましい。開口部により、ベース本体の質量を再利用することができる。
【0014】
中空形状部は、長手方向に複数の区域を有するのが好ましい。すなわち、ベース本体として使用される1つの連続した中空形状部の代わりに、複数の区域が、縦編み機の作業幅にわたって使用される。
これは、各区域の絶対熱膨張が全体としてツールバーの熱膨張より小さいという利点がある。これにより、他の経編みツールに対する経編みツールの変位を小さく抑えることができる。
【0015】
経編み機のレバー上の2つの区域の間に隣接部が配置されることが好ましい。これにより、便利な方法で区域を位置づけることができる。
中空形状部は、少なくとも1つの補強リブを有するのが好ましく、該補強リブは、特に、鋼の平坦形状部として構成される。補強リブは、中空形状部を補強する役割を果たし、その結果、中空形状部は、他の点で比較的弱い寸法にすることができる。鋼の平坦形状部を使用すれば、補強リブを低コストで製造することができる。
【0016】
補強リブは、区域の少なくとも1つの端部に配置されることが望ましい。これにより、生産が容易になる。
中空形状部に少なくとも1つの補強ビードがある場合も有利である。補強ビードは、例えば、プレスによって形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
なお、以下では、図面と併せて、実施形態の好ましい例を参考にして発明を説明する。:
【
図1】経編みツールバーのベース本体の第1の実施形態の概略的な部分断面図を示す図である。
【
図2】
図1に示すベース本体を斜視図で示す図である。
【
図3】経編みツールバーのベース本体の第2の実施形態の概略的な斜視図を示す図である。
【
図4】経編みツールバーのベース本体の第3の実施形態の概略的な斜視図を示す図である。
【
図5】経編みツールバーのベース本体の第4の実施形態の概略的な斜視図を示す図である。
【
図6】経編みツールバーのベース本体を異なる角度から見た概略的な斜視図である。
【
図7】経編みツールバーのベース本体の一部の概略的な斜視図である。
【
図8】
図2-
図5に対応する視角から
図6に係るベース本体を見た概略的な斜視図である。
【
図9】
図1に係るベース本体を備えた経編みツールバーの側面図を示す。
【
図10】
図3に係るベース本体を備えた経編みツールバーの概略的な斜視図である。
【
図11】ベース本体の第7の実施形態を備えた経編みツールバーの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同一の要素及び対応する要素は、全ての図において同一の符号を付されている。
図1は、中空形状部として構成され、かくして中空形状を形成する、経編みツールバーのベース本体1を概略的に示す。ベース本体1は空洞2を有し、これは鋼の平坦形状部3により形成される。鋼の平坦形状部3は、何回も湾曲している。鋼の平坦形状部3は、2つの領域4、5を有し、これらの領域は、経編みツールホルダ6を介して互いに接合される。本事例では、領域4、5は、長手方向に平行に延びる鋼の平坦形状部3の端部に配置されている。ただし、これは必須ではない。領域4、5は、例えば、経編みツールホルダ6に溶接されている。他にも可能な形の結合が考えられる。
【0019】
本事例では、ベース本体1を形成する鋼の平坦形状部3は、合計5つの曲げ部7-11を有する。各曲げ部7-11の頂点は、ベース本体1の長手方向の範囲に平行に延びている。
この鋼の平坦形状部3は、肉厚部12を有する。肉厚部12にねじ穴13が配置されており、ねじ穴13を用いて、ベース本体1は、縦編み機のレバー(図示していない)に取り付けることができる。
【0020】
同様に、経編みツールホルダ6は、穴15を備えた肉厚部14を有しており、これにより、経編みツール(
図1には示されていない)を経編みツールホルダ6に取り付けることができる。また、経編みツールホルダ6は、鋼の平坦形状部として構成することもできる。
肉厚部12、14は、熱流ドリル加工によって穴13、15を作ることによって作ることができる。これは、材料を、後に肉厚部12、14を形成する鋼の平坦形状部3または経編みツールホルダ6から変位させる。取付け形状(例えば内部ねじ)を、穴13、15に配備することもできる。
【0021】
このような内部ねじは、例えば、ブラインドリベットナット、または溶接ナット、またはキャプティブナットを使用して、他の手段で製造することもできる。しかしながら、熱流ドリル加工による生産は、ベース本体1の質量を増加させないので有利である。
【0022】
図3は、中空形状として構成されたベース本体1の第2の構成を示しており、複数の鋼の平坦形状部16-19が組み立てられている。ここで、鋼の平坦形状部16は、平面形状として構成される。鋼の平坦形状部19は、L字型の形状として構成され、従って、曲げ部を有する。他の2つの鋼の平坦形状部17、18は湾曲しており、従って丸みを有する。鋼の平坦形状部16は、溶接継ぎ目20に沿って鋼の平坦形状部17に接合される。鋼の平坦形状部16と鋼の平坦形状部18との間には第2の溶接継ぎ目21がある。鋼の平坦形状部18と鋼の平坦形状部19との間には第3の溶接継ぎ目22がある。鋼の平坦形状部17と鋼の平坦形状部19との間には第4の溶接継ぎ目23がある。夫々の場合の溶接継ぎ目20-23は、隣接する鋼の平坦形状部を一緒に接合する。
また、鋼の平坦形状部19のL字形形状は、ベース本体の剛性に寄与する。
【0023】
図4は、ベース本体1の実施形態の修正例を示す。ここで、鋼の平坦形状部16は、曲線26を介して互いに接合される2つの部分24、25で構成される。部分24は、部分25よりも大きな肉厚を有する。鋼の平坦形状部16の部分25は、鋼の平坦形状部17、18の壁厚よりも大きい壁厚を有する。そして、鋼の平坦形状部16は、溶接継ぎ目20を介して鋼の平坦形状部17に接合される。鋼の平坦形状部16は、溶接継ぎ目21を介して鋼の平坦形状部18に接合される。鋼の平坦形状部19は、溶接継ぎ目22を介して鋼の平坦形状部18に接合される。鋼の平坦形状部19は、溶接継ぎ目23を介して鋼の平坦形状部16の部分24と鋼の平坦形状部17の両方に接合される。
【0024】
図5は、
図4のベース本体1に対応するベース本体1の構成を示す。
図4の構成とは対照的に、鋼の平坦形状部17は、構成において大部分が平面である。鋼の平坦形状部17は、溶接継ぎ目20の領域においてのみ、多少角度をつけられており、その結果、2つの鋼の平坦形状部16、17の間に、比較的大きな接触領域が形成される。
【0025】
図6及び
図8は、ベース本体1の更なる構成を示しており、その中にさらに2つの特徴が追加されている。
1つの特徴において、ベース本体1は、その長手方向の2つの端面に補強リブ27、28を備えている。補強リブ27、28は、例えば、鋼の平坦形状部16-19に溶接することができる。補強リブ27、28は、補強リブ27、28の質量を低く抑えるために開口部29、30を有する。補強リブ27、28は、鋼の平坦形状部として構成することもできる。
【0026】
さらに、鋼の平坦形状部16、18には、鋼の平坦形状部16、18の質量を低く保つように開口部31、32も設けられている。さらに、鋼の平坦形状部18は、補強ビード33を備えており、これは、例えば、鋼の平坦形状部18にプレスにて形成される。
補強リブ27,28は、全てのベース本体に提供可能であることが強調される。
図6及び
図8による構成では、補強リブ27、28はベース本体の端部に配置されている。
図7に従った構成では、補強リブ27は、ベース本体1の中心部、即ち、空洞2にも配置することができる。
図7に従った構成については、以下に詳しく述べる。
【0027】
開口部31、32は、鋼の平坦形状部16、18だけでなく、原理的には、全ての鋼の平坦形状部、すなわち、鋼の平坦形状部3、17、19にも設けることができる。補強ビード33は、全ての鋼の平坦形状部3、16-19にも提供可能である。
図7による構成では、3つの鋼の平坦形状部16、17、19のみが提供され、ここで、鋼の平坦形状部16、17のみが溶接継ぎ目20を介して互いに接合される。補強リブ27は、2つの鋼の平坦形状部16、17に接合され、同時に、鋼の平坦形状部16、17を鋼の平坦形状部19に接合し、それは、構成にてL字型である。接合は、例えば溶接によって作ることができる。
図7による構成では、中空形状部は、補強リブ27が鋼の平坦形状部16、17を越えて突出する側に開口している。
【0028】
図9乃至
図11は、本実施形態では、経編み針として構成された経編みツール34を備えたベース本体1を示したものである。その他の経編みツールも可能である。
図9による構成では、
図1及び
図2に例示されているように、針キャリア35がベース本体に接合されている。針キャリア35は、同時に経編みツールホルダ6に接合される。ここで、この接合部は、穴15にねじ込まれるねじによって作られる。経編みツール34は、周知のように、カバー36の形で針キャリア35に保持される。針キャリア35は、鋼の平坦形状部3の丸み部11上に支持される。丸み部11は、経編みツールホルダ6に隣接している。
【0029】
図10は、針キャリア35を装着した
図3に従ったベース本体1を示し、針キャリア35には、経編み針の形で経編みツール34が装着されている。針キャリア35は、鋼の平坦形状部19に接合される。針キャリア35は、L字型の鋼の平坦形状部19の一方の脚部に接合されており、L字型の鋼の平坦形状部19の他方の脚部上に支持される。
図11による構成では、経編みツール34用のための針キャリア35が、2本の溶接線37、38に沿ってベース本体1に接合され、より正確には、溶接される。一方の溶接線37は、鋼の平坦形状部17上に配置されている。他方の溶接線38は、鋼の平坦形状部18の端部に配置され、この場合は鋼の平坦形状部17に直接、即ち溶接シーム39上に溶接される。
図11による構成では、3つの鋼の平坦形状部16、17、18のみが提供される。
【0030】
ここでは、
図4との関連においてのみ、異なる肉厚を有する中空形状を有するベース本体を示す。しかしながら、別の実施形態においても、異なる壁厚さを使用することができることは容易に明らかである。異なる肉厚は、例えば、個々の鋼の平坦形状部が他の鋼の平坦形状部と異なる肉厚を有するという点で実施することができる。他の構成では、2つの異なる肉厚で構成される鋼の平坦形状部を準備することもできる。
全ての場合において、湾曲した又は曲がった鋼の平坦形状部は、大部分が鋼の平坦形状部と組み合わせることができる。
【0031】
全ての場合において、比較的薄い暑さの壁が用いられている。中空形材の肉厚、従って平鋼形材の肉厚は、1mmから10mm、特に2mmから5mmの範囲にある。全体的に見て、ベース本体1の質量は、平均壁厚が1mmから10mmの範囲、特に2mmから5mmの範囲にあるという点で低く抑えることができる。
ベース本体1を用いて形成される経編みツールバーには、複数の区域がある。例えば、1つの区域の長さは1mから1.5mであり、補強リブ27、28は上記のようにそのような区域の両端に設けることができる。必要に応じて、このような区域の中心に更なる補強リブ27を設けることもできる。
区域は、経編み機がレバーを有し、該レバーを用いて経編みツールバーが移動されるところで終わるのが好ましい。
【外国語明細書】