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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075631
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】光学フィルム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20220511BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220511BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220511BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20220511BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20220511BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20220511BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20220511BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220511BHJP
【FI】
G02B5/02 C
G02F1/13357
F21S2/00 431
F21V5/00 320
F21V5/00 530
F21V5/02 100
F21V5/02 300
G02B5/04 A
G02B5/04 F
F21Y103:00
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180619
(22)【出願日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147107
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509179087
【氏名又は名称】エルエムエス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LMS Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンワン
(72)【発明者】
【氏名】チョ スンシク
(72)【発明者】
【氏名】イム ジュヒョク
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA12
2H042BA20
2H391AA15
2H391AB03
2H391AB04
2H391AB40
2H391AC13
2H391AC26
2H391AC27
2H391AC53
2H391DA07
3K244AA01
3K244BA03
3K244BA08
3K244BA26
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA05
3K244EA03
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA10
3K244GA18
3K244GB16
3K244GC02
3K244GC07
3K244GC08
3K244GC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善された画質を提供する液晶表示装置用の光学フィルムを提供する。
【解決手段】本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、一面に、第一方向に平行なパターン方向を有する複数のプリズムが形成されたプリズムパターン層と、前記プリズムパターン層の他面に形成された第1拡散層と、一面で前記第1拡散層と接し、前記第1方向と異なる第2方向の光軸方向を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの他面に接する第2拡散層とを含むことができる。その他に、様々な実施形態による光学フィルム、及び、光学フィルムを含むバックライトユニットを提供することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムにおいて、
一面に、第1方向に平行なパターン方向を有する複数のプリズムが形成されたプリズムパターン層と、
前記プリズムパターン層の他面に形成された第1拡散層と、
一面で前記第1拡散層と接し、前記第1方向と異なる第2方向の光軸方向を有するベースフィルムと、及び
前記ベースフィルムの他面に接する第2拡散層と、を含む光学フィルム。
【請求項2】
前記第1拡散層及び前記第2拡散層は、ヘイズ処理された、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記第1拡散層は、前記第2拡散層より高い濁度を有するようにヘイズ処理された、請求項2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記第1拡散層は、50%~90%の濁度を有するように形成され、前記第2拡散層は、5%~40%の濁度を有するようにヘイズ処理された、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムは、前記第1拡散層及び前記第2拡散層に比べて、相対的に高屈折率を有するように形成された、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムは、1.56~1.70の屈折率を有するように形成され、
前記第1拡散層及び前記第2拡散層は、1.40~1.55の屈折率を有するように形成された、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムの屈折率と、前記第1拡散層及び前記第2拡散層の屈折率とは、0.01~0.3の屈折率の差を有するように形成された、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記プリズムパターン層の前記第1方向は、前記ベースフィルムの第2方向と少なくとも30度以上の角度を形成する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項9】
バックライトユニットにおいて、
光源と、
前記光源から放出された光をガイドする導光板と、
前記導光板を透過した光を拡散させる拡散シートと、
一方向に沿って平行に配列された複数の第1プリズムパターンと、前記第1プリズムパターンを支持する透光性ベースフィルムを含む第1プリズムシートと、及び
前記第1プリズムシートの上部に積層され、前記第1プリズムパターンの配列方向とは異なる方向に沿って平行に配列された複数の第2プリズムパターンと、前記第2プリズムパターンを支持する透光性ベースフィルムを含む第2プリズムシートと、を含み、
前記第2プリズムシートは、前記透光性ベースフィルムの両面に、第1拡散層及び第2拡散層を含む光学フィルムを構成するバックライトユニット。
【請求項10】
前記光学フィルムに含まれているプリズムパターンのパターン方向は、前記ベースフィルムの光軸方向と指定された角度の差を有するように形成された、請求項9に記載のバックライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な実施形態は、液晶ディスプレイ装置に用いられる光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶ディスプレイ装置(liquid crystal display、LCD)は、光を電子装置の画面全体に均一に照射するバックライトユニットを含むことができる。バックライトユニットは、光源、導光板、拡散シート、プリズムを含む光学フィルムを含むことができる。光源から出射された光は、導光板を介して上部に伝達され、上部に伝達された光は、拡散シートを通して拡散された後、上部に備えられた光学フィルムを介して、液晶パネルに伝達することができる。場合によって、バックライトユニットは、光学フィルムの上部に追加的な拡散シートをさらに備えてもよい。一般的な光学フィルムは、複数の拡散及び集光シートを積層することにより、光源の点光源を面光源に変換するように構成することができる。
【0003】
最近、開発されているディスプレイ装置は、徐々に厚さが薄くなっており、これにより、バックライトユニットも、薄型で制作されることが求められる。バックライトユニットでは、比較的厚い厚さを持つ拡散シートを除去するための開発が進められている。例えば、バックライトユニットとして、光源、導光板、 下拡散シート、光学フィルム及び上拡散シートを含む実施形態から、上拡散シートを除去することができる。
【0004】
しかし、バックライトユニットの厚さを減らすために、上拡散シートを除去する場合は、外観にフィルムを複数積層することにより発生される光の干渉現象であるニュートンリング(Newton's Ring)や電子装置のディスプレイ表面から虹色の汚れ(色不均一)が発生するレインボームラ(Rainbow Mura)現象が生じ、表示品質の低下が発生することができる。したがって、バックライトユニットを薄型化するとともに、表示品質の低下を防止できる方案の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2007-0013677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の様々な実施形態によると、改善された画質を提供する液晶表示装置用の光学フィルムを提供するためである。
【0007】
例えば、本開示によれば、光干渉の現象や色不均一の現象を防止できる光学フィルムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の様々な実施形態によれば、一面に第一方向に平行なパターン方向を有する複数のプリズムが形成されたプリズムパターン層と、前記プリズムパターン層の他面に形成された第1拡散層と、一面で前記第1拡散層と接し、前記第一方向とは異なる第2方向の光軸方向を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの他面に接している第2拡散層とを含む光学フィルムを提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の様々な実施形態によれば、光学フィルムの上面に、上拡散シートを備えていないことにより、バックライトユニットの薄型化に寄与することができる。
【0010】
本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、上拡散シートを備えていなくても、ベースフィルムの両面に拡散層を含むことにより、光の干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0011】
本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、プリズムパターン層のパターン方向と、ベースフィルムの光軸方向とが、所定の角度以上の差を有するようにすることにより、光の干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0012】
本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、光学フィルムを構成する各要素の屈折率に差を置いて光の干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0013】
本開示から得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していないまた他の効果は、以下の記載から、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】いくつかの実施形態による液晶表示装置の分解斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による光学フィルムが適用された液晶表示装置の分解斜視図である。
図3】本開示の一実施形態による光学フィルムを示す斜視図である。
図4】本開示の一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。
図5】ベースフィルムの母材が延伸された様子を示す概念図である。
図6】延伸されたベースフィルムの母材が、複数のベースフィルムにスリットされた様子を示した概念図である。
図7】延伸されたベースフィルムの母材の幅に応じた光軸の配向角を示す図面である。
図8】いくつかの実施形態による、スリットされた複数のベースフィルムにプリズムを成形する様子を示す図面である。
図9】ベースフィルムの光軸方向と、プリズムパターン層のパターン方向との交差角による、液晶パネルの色不均一現象を示す図面である。
図10】本開示の一実施形態による、スリットされた複数のベースフィルムにプリズムを成形する様子を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本文書の様々な実施形態及びこれに使用された用語は、本文書に記載されている技術的特徴を、特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、又は代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明に関連して、類似の又は関連の構成要素については、同様の参照符号を使用できる。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連の文脈上、特に断りのない限り、一個又は複数個の前記アイテムを含むことができる。
【0016】
様々な実施形態によると、前述の構成要素それぞれの構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、単数又は複数のオブジェクトを含んでもよく、複数のオブジェクトのうち一部は、他の構成要素に分離配置されてもよい。様々な実施形態によると、前述の当該構成要素のうち一つ以上の構成要素又は動作が省略されるか、又は一つ以上の他の構成要素又は動作が追加されることができる。代替的に又は追加に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、一つの構成要素に統合されることができる。このような場合には、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を、前記統合前に、前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって実行されるものと同一又は類似に行うことができる。様々な実施形態によると、モジュール、プログラム又は他の構成要素によって実行される動作は、順次に、並列に、繰り返しに、又はヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が、他の順序で実行されるか、省略されるか、又は一つ以上の他の動作が追加されることができる。
【0017】
以下、添付の図面を参照して様々な実施形態について説明する。本実施形態を説明するにおいて、同一の構成については、同一の名称及び同一の符号が使用され、これによる付加的な説明は、省略することにする。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、同一の機能を有する構成要素については、同一の名称及び同一の符号を使うだけ、実質的には、従来と全く同じではないことを、あらかじめ言う。
【0018】
様々な実施形態によると、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を、予め排除しないものと理解されるべきである。
【0019】
図1は、いくつかの実施形態による液晶表示装置1の分解斜視図である。
【0020】
図1を参照すると、液晶表示装置(又はLCD(liquid crystal display)装置))1は、バックライトユニット10と、液晶パネル20とを含むことができる。様々な実施形態によると、バックライトユニット10は、液晶パネル20に光を照射するように、液晶パネル20の背面(-Z方向を向く面)に向けて配置されることができる。バックライトユニット10は、光源11、反射板12、導光板13、拡散シート14、17及びプリズムシート15、16を含むことができる。一実施形態によると、バックライトユニット10は、図面に示されていないが、反射偏光シートをさらに含んでもよい。
【0021】
光源11は、液晶パネル20の背面に光を照射するための構成であって、光源11から放出された光は、導光板13によって面光源の形態に変換することができる。光源11は、配列の構造に応じて、エッジ型又は直下型に分けられるが、直下型は、エッジ型に比べて分割駆動が可能であるので、エッジ型よりも繊細な映像を実現することができる。一実施形態によると、光源11は、冷陰極蛍光ランプ(cold cathode fluorescent lamp: CCFL)、外部電極蛍光ランプ(external electrode fluorescent lamp)及び発光ダイオード(light emitting diode: LED、以下、LEDという)のうちいずれかであり得る。
【0022】
反射板12は、導光板13の後方に配置され、導光板13の後方(-Z軸方向を向く面)に向けて出射された光を、導光板13に向けて反射させて入射させることにより、光の損失を最小化することができる。
【0023】
拡散シート14、17は、導光板13から入射された光を、均一に分散することができる。拡散シート14、17は、光拡散剤ビーズ(beads)が加われている硬化性樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート及びラジカル発生型モノマーのうち少なくとも一つを選択して単独又は混合されたものである)溶液を塗布して、光拡散剤ビーズによって光拡散を引き起こすことができる。また、拡散シート14、17は、均一又は不均一なサイズの形状(例えば、球状)の突起パターン(又は突出部)が形成されて、光の拡散を促進することもできる。
【0024】
拡散シート14、17は、下拡散シート14及び上拡散シート17を含むことができる。下拡散シート14は、導光板13とプリズムシート15との間に配置されてもよく、上拡散シート17は、プリズムシート16と液晶パネル20との間に配置されてもよい。バックライトユニット10が、反射偏光シートをさらに含む場合には、上拡散シート17は、プリズムシート16と反射偏光シートとの間に配置されてもよい。
【0025】
プリズムシート15、16は、表面に形成された光学パターンを用いて入射された光を集光した後、液晶パネル20に出射することができる。プリズムシート15、16は、透光性ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上面(+Z軸方向を向く面)に形成されたプリズムパターン層とを含むことができる。プリズムパターン層は、面方向の輝度を向上するために、指定した角度の傾斜面(例えば、45°の傾斜面)が形成された三角アレイ(array)形態の光学パターン層として形成されることができる。プリズムパターン層のプリズムパターンは、三角柱形状であってもよく、三角柱の一面が、ベースフィルムと対面するように配置されることができる。
【0026】
一実施形態によると、プリズムシート15、16は、第1プリズムシート15と、第2プリズムシート16とを含んで、複合プリズムシートの構造を形成することができる。ここで、第2プリズムシート16は、第1プリズムシート15の上面の上に、重畳(overlap)されて配置されることができる。第1プリズムシート15において、複数の第1プリズムパターンは、互いに並んで配列されることができる。各々の第1プリズムパターンは、一方向に延長された構造であってもよい。例えば、第1プリズムパターンそれぞれの頂点線P1は、X軸方向を向くように延長形成されることができる。同様に、第2プリズムシート16では、複数の第2プリズムパターンも、互いに並んで配列されることができる。各々の第2プリズムパターンは、一方向に延長された構造であってもよい。例えば、第2プリズムパターンそれぞれの頂点線P2は、Y軸方向を向くように延長形成されることができる。ここで、第1プリズムパターンの延長方向と、第2プリズムパターンの延長方向とは、説明の便宜上、X軸Y軸に向けるものと示されている。ただし、図示された実施形態に限定されず、X軸又はY軸以外の他の方向に向けてもよい。
【0027】
反射偏光シート(図示せず)は、プリズムシート15、16及び上拡散シート17の上部に備えられて、プリズムシート15、16から集光され、上拡散シートによって拡散された光に対して、一部の偏光は透過させ、他の偏光は、下部に反射させる役割を果たすことができる。
【0028】
液晶パネル20は、光源11から照射された光を、電気信号に応じて所定のパターンで屈折することができる。前記屈折された光は、液晶パネル20の前面に配置されているカラーフィルタと偏光フィルタとを通過して、画面を構成することができる。
【0029】
図2は、本開示の一実施形態による光学フィルム100が適用された液晶表示装置1の分解斜視図である。
【0030】
図2を参照すると、本開示の一実施形態による液晶表示装置(又はLCD(liquid crystal display)装置))1は、バックライトユニット10と、液晶パネル20とを含み、バックライトユニット10は、光源11、反射板12、導光板13、下拡散シート14及びプリズムシート15を含むことができる。バックライトユニット10は、図面には示されていないが、反射偏光シートをさらに含んでもよい。以下、図1と重複する部分の説明は省略するようにする。本開示の液晶表示装置1は、図1の上拡散シート17を備えず、本開示の光学フィルム100を提供することを特徴とすることができる。
【0031】
本開示で「光学フィルム」とは、プリズムシートと透光性ベースフィルムにさらに光拡散層を含むフィルムを意味することがある。図2の図面では、説明の便宜のために、多少誇張して描いているが、光学フィルム100に含まれる光拡散層(例えば、図3で後述する第1拡散層120及び/又は第2拡散層140)は、上拡散シート17の厚さ(例えば、50~200μm)に比べて、厚さが非常に薄く形成(例えば、光拡散層の厚さ1~10μm)されることができる。光学フィルム100は、複数の光拡散層(例えば、図3で後述する第1拡散層120及び第2拡散層140)を含むことができる。光学フィルム100に含まれる光拡散層(例えば、図3で後述する第1拡散層120及び第2拡散層140)は、拡散シートの厚さに比べて薄く形成されるので、複数備えられても、図2の液晶表示装置1は、上拡散シート17を備えた図1の液晶表示装置1に比べて薄型化することができる。
【0032】
本開示の様々な実施形態による本開示の液晶表示装置1は、図1の上拡散シート17を備えず、プリズムシート15、16のいずれかを、複数の光拡散層が備えられている光学フィルム100に代替することができる。一実施形態によると、図1の第2プリズムシート16を光学フィルム100に代替することができる。本開示の様々な実施形態による光学フィルム100は、図1の上拡散シート17を備えていないものの、前記上拡散シート17を代替するように、既存の上拡散シート17に隣接した第2プリズムシート16を、複数の光拡散層120、140を含む光学フィルム100に代替することができる。
【0033】
図3は、本開示の一実施形態による光学フィルム100を示す斜視図である。図4は、本開示の一実施形態による光学フィルム100を示す断面図である。
【0034】
本開示の一実施形態による光学フィルム100は、プリズムパターン層110、第1拡散層120、ベースフィルム130及び第2拡散層140を含むことができる。
【0035】
プリズムパターン層110の一面には、第1方向(例えば、Y方向)に向けて平行なパターン方向を有する複数のプリズムパターンが形成できる。プリズムパターンの断面は、三角形であってもよい。プリズムパターン層の他面には、第1拡散層120が形成される。第1拡散層120は、プリズムパターン層のプリズムパターンが形成された面とは反対面に形成され、第1拡散層120の他の一面には、ベースフィルム130が配置されることができる。前記プリズムパターン層110、第1拡散層120、ベースフィルム130及び第2拡散層140は、接着剤によって接着することができる。ここで、接着剤は、アクリル系、ポリエステル系ポリマーを含む接着剤であってもよい。また、接着剤は、感圧性接着剤(PSA: pressure sensitive adhesive)であってもよい。ただし、前記接着剤の例示に限定されないことに留意しなければならない。
【0036】
ベースフィルム130は、第1拡散層120及びプリズムパターン層110を支持するための構成である。例えば、ベースフィルム130は、光を透過できる透明な材質、例えば、ポリカーボネート(polycarbonate)系、ポリスルホン(polysulfone)系、ポリアクリレート(polyacrylate)系、ポリスチレン(polystyrene)系、ポリ塩化ビニル(poly vinyl chloride)系、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)系、ポリノールボーネン(polynorbornene)系、ポリエステル(polyester)系の物質を含んでなり得る。具体的な例として、ベースフィルム130は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephtalate)又はポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)などからなり得る。以下の図5の説明から詳しく後述するが、ベースフィルム130は、プリズムパターン層110のパターン方向である第1方向(例えば、Y軸)とは異なる第2方向の光軸方向を有することができる。これと共に、ベースフィルム130の他の一面には、第2拡散層140が形成されることができる。
【0037】
ベースフィルム130の厚さは、例えば、約10~約500μm、より具体的には、約50~約300μmであり得る。しかし、ベースフィルム130の厚さは、前記例示に限定されないのはもちろんである。
【0038】
本開示による光学フィルム100は、ベースフィルム130に基づいて、一面と他面、即ち、両面に光拡散層120、140をそれぞれ備えることで、光拡散の効果と、光干渉現象及び色不均一現象を低減する効果とを増大することができる。
【0039】
光拡散の効果と関連して、プリズムパターン層110及びベースフィルム130は、高屈折率を有することができ、第1拡散層120及び第2拡散層140は、プリズムパターン層110及びベースフィルム130に比べて、相対的に低い屈折率を有するように形成されることができる。
【0040】
次は、光学フィルム100を構成する各レイヤーの屈折率を示す表である。
【0041】
【表1】
【0042】
例えば、前記表1で示しているように、真空状態の屈折率を1とすると、プリズムパターン層110及びベースフィルム130は、1.56~1.70の屈折率を有し、第1拡散層120及び第2拡散層140は、1.40~1.55の屈折率を有することができる。ここで、プリズムパターン層110及びベーフィルム130の屈折率と、第1拡散層120及び第2拡散層140の屈折率との差は、0.01~0.3であり得る。
【0043】
次は、光学フィルム100を構成するレイヤーの屈折率の様々な例示及びこれによる拡散効果を示す表である。
【0044】
【表2】
【0045】
例えば、前記表2の第1実施形態及び第2実施形態を比較すると、上拡散シートを備えていない光学フィルム100に設けられた拡散層として、プリズムパターン層110と、ベースフィルム130との間の第1拡散層120をのみ備える場合には、ベースフィルム130の下面を通して入射された光が順次に、高屈折率の部材 → 低屈折率の部材 → 高屈折率の部材を通過して出射するようになる。このように、光学フィルム100に第1拡散層120をのみ備える場合には、ニュートンリング(newton's ring)と、レインボームラ(rainbow mura)現象とが観測され得る。これと異なって、光学フィルム100に第2拡散層140をさらに含むと、ニュートンリング(newton's ring)とレインボームラ(rainbow mura)現象を防止できるようになる。即ち、光学フィルム100に、第1拡散層120のみならず、第2拡散層140をさらに含むことにより得られる光学効果が顕著に大きくなり得る。
【0046】
また、前記表2の第3実施形態と第4実施形態をさらに参考すると、第3実施形態に比べて、第4実施形態の場合には、他の光学フィルム100層内の他の媒質に比べて、相対的に低屈折率を有する第2拡散層140がさらに含まれることにより、光拡散度をより下げることができるようになり、これにより、光拡散による光の干渉現象を低減できる効果を有することがある。例えば、第2拡散層140の下面を通して入射された光が、順次に低屈折率の部材→高屈折率の部材 → 低屈折率の部材→ 高屈折率の部材を通過して出射するようになる。一実施形態によると、本発明は、第2拡散層140をさらに含むことにより、低屈折率の媒質から高屈折率の媒質を通過することに従い、光が拡散される経路を2重に備えることにより、光拡散度をより精密に調整できるという長所がある。第1拡散層120及び第2拡散層140は、硬化性樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルクリレート)及びラジカル発生型モノマーのうち少なくとも一つを選択して単独又は混合されたものである)溶液に光拡散剤ビーズを添加して、光拡散を引き起こすこともできる。
【0047】
また、光干渉現象及び色不均一現象を低減する効果と関連して、第1拡散層120及び第2拡散層140をヘイズ(haze)処理することができる。ここで、「ヘイズ処理」とは、第1拡散層120及び第2拡散層140の表面を粗い表面にして濁度を高めるマット(matte)処理、ガラス、ポリマーなどビーズを用いて濁度を高めるビーズ(bead)処理を含めて、濁度を高める全ての処理方式を含むことができる。前記第1拡散層120及び第2拡散層140をヘイズ(haze)処理することにより、図1の上拡散シート17を備えていないことによる光干渉や色不均一現象を低減することができる。例えば、光学フィルムに備えられる拡散層として、プリズムパターン層110と、ベースフィルム130との間に、ヘイズ処理された第1拡散層120をのみ備える場合には、ベースフィルム130の下面を通して入射された光が、順次にベースフィルム130、第1拡散層120及びプリズムパターン層110を通過しながら出光されるが、出光される光の濁度は、各部材の屈折率の差によって、希望の程度の値を持たないことがある。例えば、60%~90%の濁度を有するように、ヘイズ処理された第1拡散層120をのみ含む光学フィルムの場合、プリズムパターン層110から出光される光は、30%~45%の濁度をのみ有することができる。このような現象を補償するために、本開示の光学フィルム100は、第1拡散層120及び第2拡散層140の両方にヘイズ処理を行うことができる。例えば、第1拡散層120は、50%~90%の濁度を有するようにヘイズ処理し、第2拡散層140は、5%~40%の濁度を有するようにヘイズ処理をすることができる。このようにヘイズ処理された第1拡散層120をのみ備える場合より、第1拡散層120と共にヘイズ処理された第2拡散層140がさらに含まれることにより得られる光干渉現象及び色ムラ現象を低減する効果が顕著に大きくなり得る。
【0048】
図5は、ベースフィルムの母材200が延伸された様子を示す概念図である。
【0049】
図5を参照すると、ベースフィルム(例えば、図3のベースフィルム130)を用意するために、ベースフィルムの母材200を一方向に延伸した状態で、複数のベースフィルム片にスリット(slitting)することができる。例えば、工程進行方向と平行な方向(例えば、以下、フィルム走行方向(MD)という)にベースフィルムの母材200をカットして、複数のフィルム片(N1、N2、N3、N4、N5)を作ることができる。ただし、図5の前記複数のフィルム片は、一例示に過ぎず、一つのベースフィルムの母材200を用いて、これよりも多くの数のフィルム片又はこれよりも少ない数のフィルム片を制作することも可能である。
【0050】
様々な実施形態によると、ベースフィルムの母材200は、ロール(roll)の形態で巻いて備えられることができる。
【0051】
本開示では、「延伸」とは、未延伸されたベースフィルムの母材200を、一方向(例えば、フィルム走行方向(MD))に伸ばすことを意味する。
【0052】
様々な実施形態によると、ベースフィルムの母材200は、二軸延伸工程を経て異方性(anisotropy)を有することができる。
【0053】
ここで、「二軸延伸」というのは、未延伸されたベースフィルムの母材200を、互いに異なる二つの方向(例えば、フィルム走行方向(MD)と、フィルム幅方向(TD))に伸ばすことを意味する。
【0054】
ベースフィルムの母材200を、互いに異なる二つの方向(例えば、MDとTD)に伸ばすことにより、ベースフィルムの内部の分子配列方向が変わり得る。一実施形態によると、ベースフィルムの母材200は、工程進行方向に延伸される過程で、図5の矢印のような方向に力を受け、フィルム走行方向への延伸はもちろん、フィルムの幅方向にも延伸することができる。様々な実施形態によると、このような二軸延伸工程は、複数のロール成型機210、220を用いて実現することができる。
【0055】
ベースフィルムの母材200は、二軸延伸工程を経て広く伸ばし、かつ長く伸ばす過程で異方性を示すようになり、光の進行方向に沿って屈折率が変化する複屈折(double refraction)を示す分子配列方向を有することができる。
【0056】
図6は、延伸されたベースフィルムの母材が、複数のベースフィルムにスリットされた様子を示した概念図である。図7は、延伸されたベースフィルムの母材の幅に沿った光軸配向角を示す図面である。
【0057】
図6を参照すると、ベースフィルムの母材は、二軸延伸したとき、ベースフィルムの母材の走行方向と幅方向に沿って、分子配列方向(配向角)が変わり得る。例えば、ベースフィルムの母材の複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)のうち中央に位置した片(N3;Slitting No. 3)の分子配列方向は、フィルムの走行方向と大体に平行に形成されることができる。そして、ベースフィルムの母材の複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)のうち中央に位置した片(N3;Slitting No. 3)に隣接した片(N2;Slitting No. 2)(N4;Slitting No. 4)の分子配列方向は、フィルム走行方向から0度より大きい角度の差を有するように形成されることができる。そして、ベースフィルムの母材の複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)のうち最外郭に位置した片(N1;Slitting No. 1)(N5;Slitting No. 5)の分子配列方向は、フィルム走行方向に基づいて、前記片(N2;Slitting No. 2)(N4;Slitting No. 4)よりも大きな角度の交差角を有するように形成されることができる。
【0058】
図7を参照すると、ベースフィルムの母材は、ベースフィルムの母材の幅方向に沿って、ベースフィルムの母材の中央から外郭に行くほど分子配列方向(配向角)が、変化することが確認できる。例えば、厚さが異なる(例えば、50μm、75μm)二つのベースフィルムの母材を延伸する実施形態において、二つのベースフィルムの両方とも二軸延伸される工程を経て、異方性を示すようになって、ベースフィルムの母材の中央から外郭に行くほど分子配列方向(配向角)が変わることが確認できる。分子配列方向(配向角)は、大体に幅方向に対して線形的に増加することができる。
【0059】
例えば、図6及び図7を一緒に参照すると、ベースフィルムの母材のスリットされた複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)のうち、中央に位置した片(N3;Slitting No. 3)の配向角は、約0度と形成され、それに隣接した片(N2;Slitting No. 2)(N4;Slitting No. 4)の配向角は、約0度超過30度未満と形成され、最外郭に位置した片(N1;Slitting No. 1)(N5;Slitting No. 5)の配向角は、30度以上と形成され得る。前記ベースフィルムの片に対して光を入射させると、光の進行方向が、前記互い異なる配向角に対応して変わり得る。即ち、本開示で配向角が変わることは、光の進行方向(以下、「光軸方向」という)が変わることを意味する。
【0060】
本開示の様々な実施形態による光学フィルム100は、ベースフィルム130を含むものの、前記ベースフィルム130の光軸方向(例えば、第2方向)が、プリズムパターン層110のパターン方向(例えば、第1方向)と所定の角度以上に交差するようにすることで、光干渉現象と、色不均一現象とを低減しようとする。
【0061】
図8は、いくつかの実施形態による、スリットされた複数のベースフィルムにプリズムを成形する様子を示す図面である。
【0062】
図8を参照すると、比較実施例として、二軸延伸されたベースフィルムの母材の幅方向(TD)に五つの片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)が配列されたものに、フィルム走行方向(図8に示された矢印の方向)と平行な方向にプリズムを成形することを示す。ここで、プリズム成形方向(PD)は、プリズムパターンのパターン方向を意味する。
【0063】
この場合、ベースフィルムの母材のスリットされた複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)のうち、中央に位置した片(N3;Slitting No. 3)の配向角は、約0度に形成され、この片を用いて製造されたベースフィルムの光軸方向(第2方向)は、プリズムパターンのパターン方向(第1方向)とほぼ平行することができる。これに隣接した片(N2;Slitting No. 2)、(N4;Slitting No. 4)の配向角は、約0度超過30度未満に形成され、この片を用いて製造されたベースフィルムの光軸方向(第2方向)は、プリズムパターンのパターン方向(第1方向)と約0度超過30度未満の交差角を有することができる。また、最外郭に位置した片(N1;Slitting No. 1)(N5;Slitting No. 5)の配向角は、約30度以上に形成され、この片を用いて製造されたベースフィルムの光軸方向(第2方向)は、プリズムパターンのパター方向(第1方向)と約30度以上の交差角を有することができる。
【0064】
図9は、ベースフィルムの光軸方向と、プリズムパターン層のパターン方向との交差角による、液晶パネルの色不均一現象を示す図面である。
【0065】
本出願人は、前記ベースフィルムの光軸方向(第2方向)及びプリズムパターンのパターン方向(第1方向)の交差角に応じて出光される光によって、液晶フィルム20に表示される画面における色不均一現象(rainbow mura)を測定した。
【0066】
例えば、図9に示されたように、ベースフィルムの光軸方向(第2方向)と、プリズムパターンのパターン方向(第1方向)との交差角が、0度である実施形態では、液晶パネル20に表示される画面にレインボー汚れ(rainbow mura現象による汚れ)が顕著であることが確認できる。ベースフィルムの光軸方向(第2方向)と、プリズムパターンのパターン方向(第1方向)との交差角が、0度超過30度未満である実施形態では、液晶パネル20に表示される画面のレインボームラが、交差角の0度である実施形態より少ないが、少なくとも視認される程度に観測されることが確認できる。ベースフィルムの光軸方向(第2方向)と、プリズムパターンのパターン方向(第1方向)との交差角が、30度以上である実施形態では、液晶パネル20に表示される画面のレインボームラが、観測されないことが確認できる。
【0067】
そこで、再び図8を参照すると、二軸延伸工程を経て形成された複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)をベースフィルムとして、これにプリズムパターン層を成形して光学フィルムを製造する際、N2、N3、N4を用いたものは、レインボームラが観測され得る。即ち、ベースフィルムの製造工程上の理由から、レインボームラが観測され、製品の品質の低下を引き起こすことができる。
【0068】
図10は、本開示の一実施形態による、スリットされた複数のベースフィルムにプリズムを成形する様子を示す図面である。
【0069】
色不均一現象を最小化するために、本開示の様々な実施形態による光学フィルム100は、光軸方向(第2方向)が、プリズムパターン層のパターン方向(第1方向)と所定の角度以上(例えば、30度以上)の交差角を有するように形成されたベースフィルムを含むことができる。
【0070】
図10を参照すると、二軸延伸されたベースフィルムの母材の幅方向(TD)に五つの片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)が配列されたものに、前記五つの片に形成された光軸方向を考慮して、各五つの片ごとに互いに異なる方向(例えば、図10に示された矢印の方向)にプリズムが配向されるように成形することができる。
【0071】
例えば、ベースフィルムの母材のスリットされた複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)の光軸方向と、前記複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)上に成形されたプリズムパターンのパターン方向とは両方、30度以上の交差角を有することができる。
【0072】
本開示の様々な実施形態によると、ベースフィルム130の光軸方向と、前記プリズムパターンのパターン方向とは、30度以上の交差角を有するように成形することができ、これにより、色不均一(rainbow mura)現象を著しく低減できるようになる。また、本開示の様々な実施形態によると、二軸延伸された複数の片(例えば、図5のN1、N2、N3、N4、N5)すべてに対して、色不均一現象を低減できる方法を提供することができる。
【0073】
前述の内容をまとめると、本開示の様々な実施形態による光学フィルム100は、上面に上拡散シートを備えていないことにより、バックライトユニットの薄型化に寄与することができる。
【0074】
また、本開示の様々な実施形態による光学フィルム100は、上拡散シートを備えていなくても、ベースフィルム130の両面に拡散層120、140を含むことにより、光干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0075】
なお、本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、プリズムパターン層110のパターン方向(第1方向)と、ベースフィルム130の光軸方向(第2方向)とが、所定の角度以上の差を有するようにすることにより、光干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0076】
本開示の様々な実施形態による光学フィルムは、光学フィルム100を構成する各要素(プリズムパターン層110、第1拡散層120、ベースフィルム130、第2拡散層140)の屈折率に差を置くことにより、光干渉現象や色不均一現象を防止して、改善された画質を提供することができる。
【0077】
本開示の様々な実施形態によれば、一面に、第一方向に平行なパターン方向を有する複数のプリズムが形成されたプリズムパターン層(例えば、図3のプリズムパターン層110)と、前記プリズムパターン層の他面に形成された第1拡散層(例えば、図3の第1拡散層120)と、一面で前記第1拡散層と接し、前記第1方向とは異なる第2方向の光軸方向を有するベースフィルム(例えば、図3のベースフィルム130)と、前記ベースフィルムの他面に接する第2拡散層(例えば、図3の第2拡散層)と、を含む光学フィルム(例えば、図3の光学フィルム100)を提供することができる。
【0078】
様々な実施形態によると、前記第1拡散層及び第2拡散層は、ヘイズ処理されることができる。
【0079】
様々な実施形態によると、前記第1拡散層は、60~90%の濁度を有するように形成され、前記第2拡散層は、5~25%の濁度を有するようにヘイズ処理されることができる。
【0080】
様々な実施形態によると、前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムは、前記第1拡散層及び前記第2拡散層に比べて、相対的に高屈折率を有するように形成されることができる。
【0081】
様々な実施形態によると、前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムは、1.56~1.70の屈折率を有するように形成され、前記第1拡散層及び前記第2拡散層は、1.40~1.55の屈折率を有するように形成されることができる。
【0082】
様々な実施形態によると、前記プリズムパターン層及び前記ベースフィルムの屈折率と、前記第1拡散層及び前記第2拡散層の屈折率とは、0.01~0.3の屈折率の差を有するように形成されることができる。
【0083】
様々な実施形態によると、前記プリズムパターン層の前記第1方向は、前記ベースフィルムの第2方向と少なくとも30度以上の角度を形成することができる。
【0084】
本開示の様々な実施形態によると、光源と、前記光源から放出された光をガイドする導光板と、前記導光板を透過した光を拡散させる拡散シートと、一方向に沿って平行に配列された複数の第1プリズムパターンと、前記第1プリズムパターンを支持する透光性ベースフィルムを含む第1プリズムシートと、及び前記第1プリズムパターンの配列方向とは異なる方向に沿って平行に配列された複数の第2プリズムパターンと、前記第2プリズムパターンを支持する透光性ベースフィルムを含む第2プリズムシートと、を含み、前記第1プリズムシート又は第2プリズムシートのうち少なくとも一つは、前記透光性ベースフィルムの両面に、第1拡散層及び第2拡散層を含む光学フィルムを構成するバックライトユニットを提供することができる。
【0085】
様々な実施形態によると、前記光学フィルムに含まれたプリズムパターンのパターン方向は、前記ベースフィルムの光軸方向と指定された角度の差を有するように形成されることができる。
【0086】
以上で説明した本開示の様々な実施形態の光学フィルム、及び、これを含むバックライトユニットは、前述の実施形態及び図面によって限定されるものではなく、本開示の技術的範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0087】
10 バックライトユニット
11 光源
13 導光板
14 下拡散シート
15 第1プリズムシート
16 第2プリズムシート
17 上拡散シート
100 光学フィルム
110 プリズムパターン層
120 第1拡散層
130 ベースフィルム
140 第2拡散層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10