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  • 特開-可撓性カプセル型電気光学媒質 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075875
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】可撓性カプセル型電気光学媒質
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/167 20190101AFI20220511BHJP
   G02F 1/16757 20190101ALI20220511BHJP
   G02F 1/1681 20190101ALI20220511BHJP
【FI】
G02F1/167
G02F1/16757
G02F1/1681
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022045650
(22)【出願日】2022-03-22
(62)【分割の表示】P 2021504825の分割
【原出願日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/715,314
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ダーウィン スコット ブル
(57)【要約】
【課題】電気光学媒質を提供すること
【解決手段】バインダを備えている連続相と、電気光学材料を備えている不連続相と含む電気光学媒質が開示される。バインダは、25MPa未満のヤング率を有する1つ以上のエラストマを含み得る。電気光学材料は、カプセルを含み得、カプセルは、懸濁流体内に分散させられた複数の荷電粒子等、光学状態を切り替え可能であり、懸濁流体に電場を印加したとき移動可能な種々の種類の材料をカプセル化する。電気光学媒質は、積層化された可撓性電気光学ディスプレイに組み込まれ得、積層化された電気光学ディスプレイは、外側の光透過性保護層と、電気光学媒質の両側の導電性層とを有する。電気光学媒質の少なくとも片側の導電性層も、光透過性であり得る。外側の保護層に対してディスプレイの反対側は、基板も含み得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2018年8月7日に出願された米国仮特許出願第62/715,314号の利益およびこの出願への優先権を主張し、この出願の内容は、その全体が参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の背景)
本願は、可撓性ディスプレイに関している。より詳しくは、一側面において、本願は、カプセル型電気光学媒質を含む電気光学ディスプレイに関している。
【背景技術】
【0003】
電気光学ディスプレイは、軽量材料と低電力消費とを要求する種々の用途で活用され得る。可撓性または折り畳み可能な電気光学ディスプレイに対するますますの需要も存在している。電気光学ディスプレイは、可撓性の層または基板を含み得るが、そのようなディスプレイ、特に、カプセル型電気光学媒質を組み込むディスプレイは、極限応力下で損傷し得る。そのような破壊は、カプセル壁の機械的破裂によって発生し得る。破裂により、カプセルの内相がディスプレイ内を移動することをもたらす。積層接着剤層が電気光学媒質に隣接して存在する場合、内相がこの接着剤層を分解し、ディスプレイの光学的不活性領域として残し、その後にディスプレイに書き込まれる任意の画像に視覚的欠陥を引き起こすリスクがある。
【0004】
よって、そのような視覚的欠陥の発生を低減させるために、可撓性または折り畳み可能なディスプレイ内のカプセル型電気光学媒質の機械的頑強さを改善するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の概要)
一側面において、電気光学媒質は、バインダを備えている連続相と、電気光学材料を備えている不連続相とを備え得、バインダは、25MPa未満のヤング率を有するエラストマを備えている。
【0006】
本発明のこれらの側面および他の側面は、以下の説明の点から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(図面の簡単な説明)
描いた図は、本概念による1つ以上の実装を、例としてのみ描写し、限定として描写しない。図面は、縮尺通りではないこともある。図において、同様の参照番号は、同一または同様の要素を指す。
【0008】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による電気光学ディスプレイの断面図である。
【0009】
図2図2は、折り畳まれた状態の図1の電気光学ディスプレイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
以下の詳細な説明において、数多くの特定の詳細は、関連技術の徹底的な理解を提供するために、例としてのみ述べられる。しかし、本技術は、そのような詳細なしで実施され得ることが当業者に明らかであるはずである。
【0011】
概して、本発明の種々の実施形態は、可撓性または折り畳み可能なディスプレイに組み込まれ得る電気光学媒質を備えている。電気光学媒質は、複数のカプセルと、バインダとを備え得る。バインダは、25MPa未満のヤング率を有する1つ以上のエラストマを含み得る。本明細書中で用いられる場合、本明細書および特許請求の範囲全体にわたる「エラストマ」という語は、弱い応力および応力の解放によるかなりの変形後にほぼ初期の寸法および形状へ迅速に戻る高分子材料を意味する。
【0012】
カプセルは、懸濁流体中で分散させられ、懸濁流体への電場の印加時に移動することが可能な複数の荷電粒子を備えている電気泳動流体等、光学状態を切り替えることが可能な種々の種類の材料をカプセル化し得る。電気光学媒質は、積層型可撓性電気光学ディスプレイに組み込まれ得、積層型可撓性電気光学ディスプレイは、外側の光透過性保護層と、電気光学媒質の両側にある導電性材料とを有する。電気光学媒質の少なくとも1つの側にある導電性材料も、光透過性であり得る。外側の保護層に対するディスプレイの反対側は、基板も含み得る。
【0013】
「電気光学」という語は、本明細書中で材料またはディスプレイに適用される場合、少なくとも1つの光学特性の異なる第1および第2のディスプレイ状態を有する材料を指すために、画像技術におけるその従来の意味で用いられ、材料は、材料への電場の印加によってその第1のディスプレイ状態からその第2のディスプレイ状態へと変化させられる。光学特性は、典型的に、人間の目に知覚可能な色であるが、光学特性は、光透過性、反射性、発光、または、マシンリーディング向けのディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射性における変化の意味での偽色等、別の光学特性であり得る。
【0014】
いくつかの電気光学材料は、材料が液体または気体で充填された内部空間を有し得、たいていそのような空間を有しているが、材料が固体の外部表面を有するという意味で固体である。固体の電気光学材料を用いるそのようなディスプレイは、本明細書中で以後、便宜上「固体電気光学ディスプレイ」と称され得る。従って、「固体電気光学ディスプレイ」という語は、回転する2色部材ディスプレイ、カプセル型電気泳動ディスプレイ、マイクロセル電気泳動ディスプレイ、およびカプセル型液晶ディスプレイを含む。
【0015】
「双安定」および「双安定性」という用語は、少なくとも1つの光学特性において異なる第1および第2のディスプレイ状態を有するディスプレイ要素を備えているディスプレイを指すために、業界におけるそれらの従来的な意味で本明細書中において用いられ、少なくとも1つの光学特性において異なることによって、有限の持続時間のアドレスパルスによって任意の所与の要素が駆動された後、その第1のディスプレイ状態または第2のディスプレイ状態のいずれかをとり、アドレスパルスが終了した後、その状態は、ディスプレイ要素の状態を変化させるために要求されるアドレスパルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば少なくとも4倍の間持続する。グレースケールを可能とするいくつかの粒子ベースの電気泳動ディスプレイは、それらの極端な黒色状態および白色状態だけでなく、それらの中間のグレー状態でも安定することが、米国特許第7,170,670号に示されており、いくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイに同一のことが当てはまる。このタイプのディスプレイは、適切に、双安定よりむしろ「複数安定」と呼ばれるが、便宜上、「双安定」という用語が、双安定ディスプレイおよび複数安定ディスプレイの両方をカバーするように本明細書中で用いられ得る。
【0016】
1つのタイプの電気光学ディスプレイは、例えば米国特許第5,808,783号、第
5,777,782号、第5,760,761号、第6,054,071号、第6,055,091号、第6,097,531号、第6,128,124号、第6,137,467号および第6,147,791号で説明されるような、回転式2色部材タイプである(このディスプレイのタイプはしばしば、「回転する2色ボール」ディスプレイと称されるが、上記で述べられる特許のいくつかにおいては、回転する部材は球状ではないので、「回転式2色部材」という語がより正確なものとして好ましい)。そのようなディスプレイは、光学特性を異にする2以上のセクションおよび内部の双極子を有する数多くの(典型的に球状または柱状の)小さなボディを用いる。これらのボディは、マトリクス内の液体で満たされた液胞内に浮遊させられ、液胞は、ボディが自由に回転するように液体で満たされている。ディスプレイの様相は、液体に電場を印加し、それによってボディを種々の位置へ回転させ、どのボディのセクションが閲覧面を通して見られるかを変化させることにより変化させられる。このタイプの電気光学媒質は典型的に双安定である。
【0017】
長年にわたる熱心な研究および開発の主題であった1タイプの電気光学ディスプレイは、粒子ベースの電気泳動ディスプレイであり、このディスプレイでは、複数の荷電粒子が電場の影響下で流体を通って移動する。電気泳動ディスプレイは、液晶ディスプレイと比較すると、適切な明るさおよびコントラスト、幅広い閲覧角度、状態双安定性、および、低い電力消費という属性を有し得る。それにもかかわらず、これらのディスプレイの長期的な画像の質についての問題がそれらの広範な使用を妨げてきた。例えば、電気泳動ディスプレイを構成する粒子は沈殿する傾向にあり、この傾向は、これらのディスプレイのための不十分な耐用年数をもたらす。
【0018】
上記で指摘されたように、電気泳動媒質は流体の存在を要求する。ほとんどの先行技術の電気泳動媒質において、この流体は液体であるが、電気泳動媒質は気体の流体を用いて生み出され得る。例えばKitamura,T., et al., “Electrical toner movement for electronic paper-like display”, IDW Japan,2001年,Paper HCS1-1、および、Yamaguchi,Y., et al., “Toner display using insulative particles charged triboelectrically”, IDW Japan,2001年,Paper AMD4-4を参照されたい)。米国特許第7321459号および第7236291号も参照されたい。媒質が粒子の沈殿を可能にする向き、例えば媒質が垂直面に配置される標識において用いられるとき、そのような気体ベースの電気泳動媒質は、粒子の沈殿に起因する液体ベースの電気泳動媒質と同一のタイプの問題に影響されやすいと思われる。実際、液体の粘性と比較して流体を浮遊させる気体のより低い粘性は、電気泳動粒子のより速い沈殿を可能とするので、粒子の沈殿は、液体ベースの電気泳動媒質より気体ベースの電気泳動媒質においてより深刻な問題であるように思われる。
【0019】
Massachusetts Institute of Technology(MIT)、E Ink Corporation、E Ink California,LLCおよび関連企業へ譲渡されまたはその名における数多くの特許および出願は、カプセル型電気泳動媒質およびマイクロセル電気泳動媒質、および、他の電気光学媒質で用いられる種々のテクノロジを説明している。カプセル型電気泳動媒質は、数多くの小さなカプセルを備え、各カプセル自体は、流体媒質中の電気泳動可動粒子を含む内相と、内相を囲むカプセル壁とを備えている。典型的に、カプセル自体は、2つの電極間に位置付けられた干渉性層を形成するために、ポリマバインダ内に保持される。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電粒子および流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されず、代わりにキャリア媒質、典型的にポリマフィルム内に形成された複数の空洞内に保有される。これらの特許および出願において説明されるテクノロジは、
(a)電気泳動粒子、流体および流体添加剤(例えば、米国特許第7,002,728
号および第7,679,814号参照)と、
(b)カプセル、バインダおよびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照)と、
(c)マクロセル構造、壁材料、およびマイクロセルを形成する方法(例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号参照)と、
(d)マイクロセルを充填し封止する方法(例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号参照)と、
(e)電気光学材料を含むフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照)と、
(f)背面板、接着剤層および他の補助層、ならびにディスプレイにおいて用いられる方法(例えば、米国特許第7,116,318号および第7,535,624号参照)と、
(g)色形成および色調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号参照)と、
(h)ディスプレイを駆動する方法(例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号参照)と、
(i)ディスプレイの用途(例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号参照)と、
(j)米国特許第6,241,921号、および米国特許出願公報第2015/0277160号で説明されるような非電気泳動ディスプレイと、ディスプレイではないカプセル化およびマイクロセルテクノロジの用途(例えば、米国特許出願公報第2015/0005720号および第2016/0012710号)とを含む。
【0020】
上述される特許および出願の多くは、カプセル化された電気泳動媒質内の個別のマイクロカプセルを囲む壁が、連続相によって取り替えられ得、従っていわゆるポリマ分散型電気泳動ディスプレイを生産し、電気泳動媒質は、複数の電気泳動流体の複数の個別の液滴と、ポリマ材料の連続相とを備えていること、および、いずれの個別のカプセル膜も各々の個々の液滴に関連付けられないとしても、そのようなポリマ分散型電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の個別の液滴は、カプセルまたはマイクロカプセルとみなされ得ることを認めている(例えば、上述される米国特許第6,866,760号参照)。よって、本出願の目的のために、そのようなポリマ分散型電気泳動媒質は、カプセル化された電気泳動媒質の亜種とみなされる。
【0021】
他のタイプの電気光学媒質も、本発明のディスプレイで用いられ得る。
【0022】
カプセル化された電気泳動ディスプレイは、典型的に、伝統的な電気泳動デバイスのクラスタリングおよび沈殿破壊モードを被らず、多種多様な可撓性の頑強な基板上にディスプレイを印刷またはコーティングする能力等のさらなる利点を提供する。(「印刷する(printing)」という語の使用は、パッチダイコーティング、スロットまたは押出コーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング等の前計量コーティング、ナイフオーバーロールコーティング、正逆方向ロールコーティング等のロールコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、メニスカスコーティング、スピンコーティング、ブラシコーティング、エアナイフコーティング、シルクスクリーン印刷加工、静電印刷加工、熱印刷加工、インクジェット印刷加工、電気泳動堆積(米国特許第7,339,715号を参照されたい)、および他の同様の技術を含むがこれら限定されない印刷およびコーティングの全ての形式を含むように意図される。)従って、結果的にディスプレイは可撓性であり得る。さらに、ディスプレイ媒質が(各種の方法を用いて)印刷され得るので、ディスプレイ自体は安価に作製され得る。
【0023】
既に述べられたように、カプセル型電気光学媒質は、典型的に、ポリマバインダ内に分散させられたカプセルを備え、ポリマバインダは、干渉性層に個別のカプセルを形成する役割を果たす。ポリマ分散型電気泳動媒質内の連続相は、同様の機能を果たす。本発明は、改善されたバインダ構成を提供し、可撓性ディスプレイを曲げる間に加えられる応力から生じ得るカプセル型電気光学媒質の破裂および漏洩の可能性を低減させ、またはそれを除去することを目的とする。本発明の種々の実施形態によるバインダシステムは、好ましくは、非常に小さい半径(すなわち、<7mm)に曲げるとき生じる応力に耐えるために十分な強度を有する。
【0024】
現在のバインダテクノロジは、極限曲げ中に生じる応力を消散させるように設計されておらず、結果として、応力は、カプセル壁に集中する。バインダシステム内で高粘弾性ポリマを用いることによって、応力は、非局在化させられ、破裂の可能性を低減させ、またはそれを除去し得ることが確信されている。本発明のある側面では、バインダシステムは、エネルギー消散エラストマを含む。そのようなエラストマは、典型的に、ブロックコポリマおよび熱可塑性ポリマ等の相分離型ポリマである。バインダ内に組み込まれたエラストマは、好ましさが増加していく順に、約25MPa、約20MPa、約15MPa、約10MPa、約5MPa、および約1MPa未満のヤング率を有し得る。本発明の種々の実施形態に組み込まれたエラストマは、-10℃と+40℃との間の温度において、0.1MPaと1000MPaとの間のヤング貯蔵率E’、0.3より大きい損失係数、および周波数範囲0Hzから500Hzにおいて0.1MPaと500MPaとの間の貯蔵剪断率G’を有し得る。エラストマは、-125℃から+20℃の範囲内のガラス遷移温度も有し得る。バインダシステム内のエラストマは、好ましくは電気光学材料において非混和性でもある。さらに、カプセル内にカプセル化された電気光学材料に関して、エラストマは、好ましくはカプセル材料と適合可能であり、すなわち、エラストマは、カプセル壁に反発しない。
【0025】
本発明の種々の実施形態に含まれ得るエラストマの例は、合成ゴムおよび天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(Stryene)ブロックコポリマ、スチレン-エチレン/プロピレンブロックコポリマ、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロックコポリマ、イソプレン-ブタジエンブロックコポリマ、ブタジエン-イソプレン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-イソブチレン-スチレンブロックコポリマ、ブチルゴム、エチレン-プロピレン-ジエンモノマゴム(エチレンプロピレンジエンターポリマ、エチレンオクテンコポリマ、エチレンブテンコポリマ、エチレンオクテンターポリマ、エチレンブテンターポリマ、エチレンビニルアセテート、およびエチレンメチルアクリレート等)、ポリウレタンエラストマ、エポキシアクリレートサーモセット樹脂、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、アルキル化クロロスルホ化ポリエチレン、エピクロロヒドリン、エチレンアルファオレフィンエラストマ、シリコーンゴム、シリコーンブロックコポリマ(ポリ(ジメチルシロキサン-コ-ポリカーボネート)等)、アクリルポリマ、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本発明のさらなる側面は、ポリマ分散型電気光学媒質と同様の機械的に頑強な電気光学材料を提供し、この電気光学材料は、可撓性ディスプレイに組み込まれ得るが、比較的低いカプセル型媒質に対するバインダの重量比を活用する。これは、切り替え可能層に存在するカプセル型媒質の量が増加させられるので、ポリマ分散型電気光学媒質を含むディスプレイに比べ、改善された光学特性を有するより軽量なディスプレイを提供し得る。本発明の種々の実施形態は、好ましさが増加していく順に、少なくとも0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.40、0.45、0.50、0.55、
および0.60の電気光学媒質内の電気光学材料に対するバインダの重量比を有する。
【0027】
本発明の種々の実施形態によるバインダシステムは、1つ以上の非エラストマポリマをさらに備え得る。本発明の種々の実施形態に組み込まれ得る非エラストマポリマの例は、多糖類、ポリビニルアルコール、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコール、ポリ(2-ヒドロキシエチルアクリレート)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのポリマ、1つ以上のアクリルと随意に化合されたポリウレタンのラテックス、ポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、エポキシ化植物油脂肪酸、植物油脂肪酸のエポキシ化エステル、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。本発明の種々の実施形態に組み込まれ得る追加的な非エラストマ材料は、米国特許第6,831,769号、第7,110,164号、第7,173,752号、第7,477,444号、第7,551,346号、および第9,470,950号、ならびに、米国特許出願公報第2007/0091417号および第2009/0122389号で開示されており、これらの内容は、それらの全体が参照により本明細書中に援用される。本発明の種々の実施形態による材料の混合を備えているバインダシステムは、好ましさが増加していく順に、少なくとも0.05、0.10、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、および、好ましさが増加していく順に、多くとも0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50のエラストマ対非エラストマポリマの重量比を含むことが好ましい。
【0028】
バインダシステムの架橋結合のいくつかのレベルは、バインダシステムが種々の層を有する積層型ディスプレイに組み込まれるとき、層が曲げ中に寸法安定性を維持し、クリープに抵抗することを確実にするために特定の用途において所望され得る。本明細書中で用いられる場合、「クリープ」は、可撓性積層型ディスプレイ内のバインダシステムまたは接着剤等の特定の材料が、屈曲させられるときに流体の流れを受け、結果として電気光学媒質および/または他の層が、背面板に対してわずかに移動する傾向があることを意味する。これは、例えば、ディスプレイがカラーディスプレイであり、カラーフィルタアレイが背面板から電気光学媒質の反対側に配置される場合、深刻な問題を引き起こし得る。なぜなら、そのようなディスプレイでは、カラーフィルタアレイの種々のカラーストライプまたは他のユニットがピクセル電極と位置合わせされる必要があるからであり、または、表示される画像において深刻な色の歪みが発生し得るからである。例えば、2つの隣接するピクセル電極が赤および青色のカラーフィルタ要素と位置合わせされるディスプレイを考慮されたい。カラーフィルタアレイが背面板に対してずれ、それによって、元々赤要素と位置合わせされていたピクセル電極が、現在は赤要素の半分および青要素の半分と位置合わせされている場合、表示された画像の色が意図されたものと実質的に異なることは容易に明らかであろう。
【0029】
本発明の種々の実施形態によるバインダシステムの架橋結合は、架橋結合可能なエラストマを用いることによって(例えば、米国特許第5,262,232号参照)、または架橋結合可能な非エラストマポリマとエラストマを混合することによって(例えば、米国特許第5,331,062号参照)達成され得る。従って、架橋結合の程度は、バインダシステム内で変化し、所与の用途に関するエネルギー消散特性およびクリープ抵抗の両方を提供し得る。
【0030】
他の添加剤は、本発明の種々の実施形態によるバインダシステムに援用され、それらの粘弾性または他の特性を改善し得る。そのような添加剤は、安定剤/抗酸化物質(例えば、立体障害フェノールおよび/またはチオエーテル、立体障害芳香族アミン等)、粘着付与樹脂(例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、分解された石油蒸留物由来の炭化水素樹脂、芳香族粘着付与樹脂、トール油樹脂、ケトン樹脂およびアルデヒド樹脂)、可塑剤(二塩基性酸のCl-10アルキルエステル(例えば、フタル酸エ
ステル)、ジアリールエーテル、ポリアルキレングリコールの安息香酸、有機リン酸、および、フェノールまたはクレゾールのアルキル硫酸エステル等)、フィルタ(例えば、ナノクレイ、カーボンナノチューブ、チョーク、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック、カルシウム-マグネシウム炭酸塩、重晶石、粘土、マイカ、ケイ酸塩)、および、蝋を含むが、これらに限定されない。
【0031】
架橋結合が所望される混合の場合、バインダシステムは、硬化剤と随意の硬化促進剤とをさらに含み得る。硬化剤の例は、フリーラジカル反応を誘導することが可能な物質、例えば、ケトンペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルエステル、ペルケタール、過酸化水素、および、他のもの(クメンヒドロペルオキシド、ビス(tert-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ(-2-tert-ブチルぺルオキシイソプロピルベンゼン)、1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、t-ブチルペルオキシ-安息香酸塩、ジ-アルキルペルオキシジカーボネート、ジ-ペツオキシケタール、ジペルオキシケタール(1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等)、ケトンペルオキシド(例えば、メチルエチルケトンペルオキシド)、および4,4-ジ-tert-ブチルペルオキシn-ブチル吉草酸塩等)を含む過酸化有機物を含むが、これらに限定されない。過酸化物に加えて、イソシアネート、エポキシ、およびマレイミド等、多官能反応性化合物が用いられ得る。促進剤の例は、チアゾールおよびスルフェンアミドを含むが、これらに限定されない。
【0032】
本発明の種々の実施形態による電気光学媒質は、可撓性電気光学ディスプレイに組み込まれ得る。電気光学ディスプレイは、通常、電気光学材料の層と、電気光学材料の反対側に配置された少なくとも2つの他の層とを備え、これらの2つの層のうちの1つは、電極層である。ほとんどのそのようなディスプレイでは、層の両方が電極層であり、電極層の一方または両方が、ディスプレイのピクセルを画定するようにパターン化される。例えば、1つの電極層は、細長い行電極にパターン化され得、もう一方は、行電極に直角に延びる細長い列電極にパターン化され得、ピクセルは、行電極と列電極との交差によって画定される。代替としてかつより一般的に、1つの電極層は、単一の連続電極の形態を有し、もう一方の電極層は、ピクセル電極のマトリクスにパターン化され、その各々が、ディスプレイの1つのピクセルを画定する。スタイラス、プリントヘッド、またはディスプレイから分離された同様の可動電極を伴う使用のために意図された別のタイプの電気光学ディスプレイでは、電気光学層に隣接する層のうちの1つのみが電極を備え、電気光学層の反対側の層は、典型的に、可動電極が電気光学層を傷付けることを防ぐことを意図した保護層である。
【0033】
ここで、図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による可撓性ディスプレイが図示されている。可撓性ディスプレイは、閲覧表面を提供する光透過性保護層10を含み得る。保護層10は、好ましくは可撓性であり、第1の導電性材料の層12でコーティングされ、第1の導電性材料の層12も光透過性である。そして、バインダシステム13とカプセル型媒質11とを含む電気光学媒質の層14が、導電性材料12に塗布される。随意の第2の導電性材料の層16は、電気光学媒質14と基板18との間に含まれ得る。いくつかの実施形態では、基板18は、背面であり得、第2の導電性材料の層16は、複数の導体を含み得る。いくつかの実施形態では、基板18および第2の導電性材料の層16は、両面ディスプレイを提供するように光透過性であり得る。他の実施形態では、基板18は、次の積層工程の前に除去される離型シートであり得る。図1および図2に図示されたディスプレイは、スタック内の任意の2層間に1つ以上の積層接着剤の層(示されず)も含み得る。図2に示されるように、バインダシステム13が十分にエネルギー消散させることによって、ディスプレイを屈曲させることは、比較的小さい半径に曲げられるときであっても、ディスプレイの曲げられた領域内に存在するカプセル型媒質11を破裂さ
せない。
【0034】
電気光学ディスプレイの製造は、通常、少なくとも1つの積層動作を含む。例えば、前述されたMITおよびE Inkの特許および出願のいくつかでは、カプセル型電気泳動ディスプレイを製造するプロセスが説明されており、カプセル型電気泳動ディスプレイでは、バインダ内にカプセルを備えているカプセル型電気泳動媒質が、プラスチックフィルム上に(最終的なディスプレイの1つの電極としての役割を果たす)酸化インジウム錫(ITO)または同様の導電性コーティングを備えている可撓性基板上にコーティングされ、カプセル/バインダコーティングは、基板にしっかりと接着された電気泳動媒質の干渉性層を形成するように乾燥させられる。別途、ピクセル電極のアレイと、回路を駆動するようにピクセル電極を接続する適切な配置の導体とを含む背面が準備される。最終的なディスプレイを形成するために、その上にカプセル/バインダ層を有する基板は、積層接着剤を用いて背面に積層される。(プラスチックフィルム等の単純な保護層で背面を置き換えることによって、スタイラスまたは同様の可動電極と共に使用可能な電気泳動ディスプレイを準備するために、非常に似通ったプロセスが用いられ得、スタイラスまたは他の可動電極は、単純な保護層の上でスライドし得る。)そのようなプロセスの1つの好ましい形態では、背面は、それ自体が可撓性であり、プラスチックフィルムまたは他の可撓性基板上にピクセル電極および導体をプリントすることによって準備される。このプロセスによるディスプレイの大量生産のための明白な積層技術は、積層接着剤を用いたロール積層である。同様の製造技術は、他のタイプの電気光学ディスプレイにおいて用いられ得る。例えば、マイクロセル電気泳動媒質または回転式2色部材媒質は、カプセル型電気泳動媒質と実質的に同一の態様で、背面に積層され得る。
【0035】
米国特許出願公報第2007/0109219号は、逆前面積層を用いた電気光学ディスプレイの高体積製造のために設計された種々の方法も説明しており、これらの方法の好ましい形態は、一度に複数の電気光学ディスプレイのための構成要素の積層を可能とするように設計された「マルチアップ」法である。
【0036】
電気光学ディスプレイは、しばしば費用のかかるものであり、例えば、ポータブルコンピュータで見られるカラーLCDのコストは、典型的に、コンピュータのコスト全体のかなりの部分である。電気光学ディスプレイの使用が、ポータブルコンピュータより遥かに費用のかからない携帯電話およびパーソナルデジタルアシスタント(PDA’s)等のデバイスに広まるにつれて、そのようなディスプレイのコストを低減させるより大きな圧力が存在している。可撓性基板上にプリント技術によっていくつかの固体電気光学媒質の層を形成する能力は、上で議論されるように、コーティングされた紙、ポリマフィルムおよび同様の媒質の生産のために用いられる市販の設備を用いるロールツロールコーティング等の大量生産技術を用いることによって、ディスプレイの電気光学構成要素のコストを低減させる可能性を開拓する。
【0037】
前述される米国特許第6,982,178号は、大量生産のためよく適応される(カプセル型電気泳動ディスプレイを含む)固体電気光学ディスプレイを組み立てる方法を説明している。実質的に、この特許は、いわゆる「前面積層」(「FPL」)を説明しており、前面積層は、順に、光透過性導電性層と、導電性層に電気的に接触している固体電気光学媒質の層と、接着剤層と、離型シートとを備えている。典型的に、光透過性導電性層は、光透過性基板上に支持され、光透過性基板は、基板が永久的に変形せず(例えば)直径約10インチ(254mm)のドラムの周りに手動で巻き付けられ得るという意味で、好ましくは可撓性である。「光透過性」という語は、この特許中および本明細書中では、かくして指定された層が、十分な光を透過し、その層を通して見ている閲覧者が電気光学媒質のディスプレイ状態における変化を観測することを可能とするということを意味し、電気光学媒質のディスプレイ状態は、通常、導電性層および(存在する場合)隣接する基板
を通して閲覧され、電気光学媒質が非可視波長で反射性における変化を表示する場合、「光透過性」という語は、もちろん、関連する非可視波長の透過を指すように解釈されるべきである。基板は、典型的に、ポリマフィルムであり、通常約1~約25mil(25~634μm)、好ましくは約2~約10mil(51~254μm)の範囲の厚みを有する。導電性層は、都合よく、例えばアルミニウムまたはITOの薄い金属または金属酸化物の層であるか、または導電性ポリマであり得る。アルミニウムまたはITOでコーティングされたポリ(エチレンテレフタラート)(PET)フィルムは、市販的に利用可能であり、例えば、デラウェア州WilmingtonのE.I. du Pont de Nemours&Companyの「aluminized Mylar」(「Mylar」は登録商標である)があり、そのような市販の材料は、前面積層で適切な結果を伴って用いられ得る。
【0038】
そのような前面積層を用いる電気光学ディスプレイの組み立ては、前面積層から離型シートを除去し、接着剤層を背面に接着させるために効果的な状況下で接着剤層を背面に接触させることによって、接着剤層と、電気光学媒質の層と、導電性層とを背面に固定することによって成し遂げられ得る。前面積層は、典型的にロールツロールコーティング技術を用いて大量生産され得るので、このプロセスは大量生産に良く適応され、その後、特定の背面での使用のために必要とされる任意のサイズのピースに切断される。
【0039】
米国特許第7,561,324号は、いわゆる「両離型シート」を説明しており、両離型シートは、本質的に、前述される米国特許第6,982,178号の前面積層の単純化されたバージョンである。両離型シートの一形態は、2つの接着剤層間に挟まれた固体電気光学媒質の層を備え、接着剤層の一方または両方が、離型シートで覆われている。両離型シートの別の形態は、2つの離型シート間に挟まれた固体電気光学媒質の層を備えている。両解放フィルムの両形態は、既に説明された前面積層で電気光学ディスプレイを組み立てるプロセスと概して同様のプロセスにおける使用が意図されているが、2つの別個の積層を含み、典型的に、第1の積層において、両離型シートは、前面電極に積層され、前面サブアセンブリを形成し、その後、第2の積層において、前面サブアセンブリは、背面に積層され、最終的なディスプレイを形成するが、これら2つの積層の順序は所望される場合逆にされ得る。
【0040】
米国特許第7,839,564号は、いわゆる「逆前面積層」を説明しており、「逆前面積層」は、前述される米国特許第6,982,178号で説明される前面積層の変種である。この逆前面積層は、順に、光透過性保護層および光透過性導電性層のうちの少なくとも1つと、接着剤層と、固体電気光学媒質の層と、離型シートとを備えている。この逆前面積層は、電気光学層と前面電極または前面基板との間に積層接着剤の層を有する電気光学ディスプレイを形成するために用いられ、典型的に、2番目の接着剤の薄層は、電気光学層と背面との間に存在することも、存在しないこともある。そのような電気光学ディスプレイは、適切な分解能を適切な低温性能と組み合わせ得る。
【0041】
電気泳動媒質およびディスプレイは、例えば、液晶媒質の両側に、透明、典型的にガラスの基板を要求する液晶ディスプレイと比べて機械的に頑強である傾向がある。前述されるE Inkの特許および出願のいくつかは、導電性層を設けられた可撓性プラスチック基板に電気泳動媒質がコーティングされる電気泳動ディスプレイを生産するプロセスを説明しており、結果的な電気泳動媒質/基板サブアセンブリは、電極のマトリクスを含む背面に積層され、最終的なディスプレイを形成する。さらに、前述される米国特許第6,825,068号は、電気泳動ディスプレイにおいて有用であり、ポリイミドでコーティングされたステンレス鋼箔に基づく背面を説明している。そのようなテクノロジは、ガラスベースの液晶ディスプレイより遥かに破損しにくい可撓性電気泳動ディスプレイを生産し得る。
【0042】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書中で示され、説明されたが、そのような実施形態は、例としてのみ提供されることが理解されるであろう。本発明の意図から逸脱せずに数多くの変化、変更、および代用が、当業者に思い浮かぶであろう。よって、付随の請求項は、本発明の意図および範囲内に属するような全ての変化形をカバーすることが意図される。
【0043】
前述される特許および出願の内容の全ては、それらの全体が参照によって本明細書中に援用される。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
電気光学媒質であって、前記電気光学媒質は、バインダを備えている連続相と、電気光学材料を備えている不連続相とを備え、前記バインダは、25MPa未満のヤング率を有するエラストマを備えている、電気光学媒質。
(項2)
前記電気光学材料は、複数の荷電粒子を備え、前記複数の荷電粒子は、懸濁流体内に分散させられており、前記懸濁流体への電場の印加時、前記懸濁流体を通って移動可能である、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項3)
前記電気光学媒質は、カプセル内にカプセル化されている、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項4)
前記エラストマは、ブロックコポリマである、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項5)
前記ブロックコポリマは、スチレン-イソブチレン-スチレンポリマである、上記項4に記載の電気光学。
(項6)
前記エラストマは、アクリルポリマである、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項7)
前記バインダは、少なくとも2つのエラストマの混合物を備えている、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項8)
前記バインダは、少なくとも1つのエラストマを備え、前記少なくとも1つのエラストマは、合成ゴムおよび天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-エチレン/プロピレンブロックコポリマ、スチレン-エチ
レン/プロピレン-スチレンブロックコポリマ、イソプレン-ブタジエンブロックコポリ
マ、ブタジエン‐イソプレン-スチレンブロックコポリマ、スチレン-イソブチレン-スチレンブロックコポリマ、ブチルゴム、エチレン-プロピレン-ジエンモノマゴム、ポリウレタンエラストマ、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、アルキル化クロロスルホ化ポリエチレン、エピクロロヒドリン、エチレンアルファオレフィンエラストマ、シリコーンゴム、シリコーンブロックコポリマ、アクリルポリマ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項9)
前記エチレン-プロピレン-ジエンモノマゴムは、エチレンプロピレンジエンターポリマ、エチレンオクテンコポリマ、エチレンブテンコポリマ、エチレンオクテンターポリマ、エチレンブテンターポリマ、エチレンビニルアセテート、およびエチレンメチルアクリレートから成る群から選択される、上記項8に記載の電気光学媒質。
(項10)
前記エラストマは、10MPa未満のヤング率を有する、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項11)
前記エラストマは、-125℃~+20℃の範囲のガラス遷移温度を有する、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項12)
前記バインダは、前記電気光学媒質の重量で少なくとも約20パーセント~約50パーセントを備えている、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項13)
前記バインダは、少なくとも1つの非エラストマポリマをさらに備えている、上記項1に記載の電気光学媒質。
(項14)
前記少なくとも1つの非エラストマポリマは、多糖類、ポリビニルアルコール、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(2-ヒドロキシエチルアクリレート)、1つ以上のアクリルと随意に化合されたポリウレタンのラテックス、ポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、エポキシ化植物油脂肪酸、植物油脂肪酸のエポキシ化エステル、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、上記項13に記載の電気光学媒質。
(項15)
上記項1に記載の電気光学媒質の層と、光透過性基板と、前記電気光学媒質と前記基板との間に配置された光透過性電極とを備えている、積層物。
(項16)
離型シートをさらに備え、前記電気光学媒質は、前記離型シートと前記光透過性電極との間に配置されている、上記項15に記載の積層物。
(項17)
電気光学ディスプレイであって、前記電気光学ディスプレイは、
光透過性保護層と、
光透過性導電性層と、
電気光学媒質であって、前記電気光学媒質は、バインダを備えている連続相と、電気光学材料を備えている不連続相とを備え、前記バインダは、25MPa未満のヤング率を有するエラストマを備えている、電気光学媒質と、
少なくとも1つの導体を備えている基板と
を順に備えている、電気光学ディスプレイ。
図1
図2
【外国語明細書】