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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075937
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】表示器用支持装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220511BHJP
【FI】
A63F7/02 349Z
A63F7/02 350A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048086
(22)【出願日】2022-03-24
(62)【分割の表示】P 2017211592の分割
【原出願日】2017-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】梅田 晶
(57)【要約】
【課題】本発明は、設置される遊技機の態様に応じ、表示器が表示する情報を視認可能にすることのできる表示器用支持装置を提供する。
【解決手段】本発明は、遊技機の上方位置に固定されるベース体3を備え、前記ベース体3は、遊戯者側を向く面を有した板状であって、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置及び高位置の少なくとも二か所で表示器1を支持可能に構成され、これにより、前記表示器1は、低位置と該低位置よりも高い位置にある高位置とに位置変更可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の上方位置に固定され、情報を表示するモニタ、遊技者がホールスタッフを呼ぶための呼出スイッチ、前記モニタに表示される情報の内容を切り替えるデータ切替スイッチ、の各々を備えた表示器が取り付けられるベース体を備え、
前記ベース体は、遊戯者側を向く面を有した板状であって、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置及び高位置の少なくとも二か所で前記表示器を支持可能に構成され、これにより、前記表示器は、低位置と該低位置よりも高い位置にある高位置とに位置変更可能であることを特徴とする表示器用支持装置。
【請求項2】
前記ベース体は、前記遊戯者側を向く面を有した部分が一体の板状体とされている、請求項1に記載の表示器用支持装置。
【請求項3】
前記ベース体は、遊技機の上方位置にある幕板の前方に配置される、請求項1または2に記載の表示器用支持装置。
【請求項4】
前記表示器は、遊技機の外装体または装飾体よりも上方で支持される、請求項1~3のいずれかに記載の表示器用支持装置。
【請求項5】
前記表示器は、前記低位置と前記高位置の二か所に加え、前記低位置と前記高位置との間の中間位置にも位置変更可能である、請求項1~4のいずれかに記載の表示器用支持装置。
【請求項6】
前記ベース体は、少なくとも前記低位置及び前記高位置の各位置において、前記表示器を同じ姿勢で支持する、請求項1~5のいずれかに記載の表示器用支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも遊技者に提供する情報を表示する表示器を、遊技機の上方位置に配置するための表示器用支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図32に示す如く、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機PMの設置された遊技場には、遊技者Pに情報を提供するための表示器1が設置されている。表示器1は、情報を表示するためのモニタ10を備え、該モニタ10を遊技機PMと対峙する遊技者P側に向けた状態で、遊技機PMの上方位置に配置される。これにより、遊技中の遊技者Pがモニタ10に表示される情報を認識可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、ここ最近において、図33及び図34に示す如く、外装体MEが大型化して前方(遊技者P側)に張り出した遊技機PMや、遊技状態或いは演出状態に応じて装飾体MDの姿勢や位置を変更させる遊技機PMが提供されつつある。
【0004】
これらの遊技機PMが設置された場合、遊技者Pの視線L上に遊技機PMの外装体MEや装飾体MDが位置し、遊技機PMの外装体MEや装飾体MDが遊技者Pの視界を遮ってしまうことがある。そのため、遊技者Pが表示器1のモニタ10に表示された情報を視認し難い或いは視認できない状態になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-245687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、設置される遊技機の態様に応じ、表示器に表示される情報を視認可能にすることのできる表示器用支持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技機の上方位置に固定され、情報を表示するモニタ、遊技者がホールスタッフを呼ぶための呼出スイッチ、前記モニタに表示される情報の内容を切り替えるデータ切替スイッチ、の各々を備えた表示器が取り付けられるベース体を備え、
前記ベース体は、遊戯者側を向く面を有した板状であって、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置及び高位置の少なくとも二か所で前記表示器を支持可能に構成され、これにより、前記表示器は、低位置と該低位置よりも高い位置にある高位置とに位置変更可能であることを特徴とする。
【0008】
また、前記ベース体は、前記遊戯者側を向く面を有した部分が一体の板状体とされていることができる。
【0009】
また、前記ベース体は、遊技機の上方位置にある幕板の前方に配置されることができる。
【0010】
また、前記表示器は、遊技機の外装体または装飾体よりも上方で支持されることができる。
【0011】
また、前記表示器は、前記低位置と前記高位置の二か所に加え、前記低位置と前記高位置との間の中間位置にも位置変更可能であることができる。
【0012】
また、前記ベース体は、少なくとも前記低位置及び前記高位置の各位置において、前記表示器を同じ姿勢で支持することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、設置される遊技機の態様に応じ、表示器に表示される情報を視認可能にすることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、表示器の正面図である。
図2図2は、表示器の側面図である。
図3図3は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の正面図である。
図4図4は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の側面図である。
図5図5は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図6図6は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を中間位置で支持した状態の図である。
図7図7は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図8図8は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図9図9は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図10図10は、第一実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図11図11は、第二実施形態に係る表示器用支持装置の正面図である。
図12図12は、図11のXII-XII断面図である。
図13図13は、第二実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図14図14は、第二実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図15図15は、第二実施形態に係る表示器用支持装置の使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図16図16は、他実施形態に係る表示器用支持装置の正面図である。
図17図17は、図16に示す表示器用支持装置の側面図である。
図18図18は、図16に示す表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図19図19は、図16に示す表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図20図20は、図16に示す表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を中間位置で支持した状態の図である。
図21図21は、別の実施形態に係る表示器用支持装置の正面図である。
図22図22は、図21に示す表示器用支持装置の側面図である。
図23図23は、図21に示す表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図24図24は、図21に示す表示器用支持装置の概略使用状態図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図25図25は、さらに別の実施形態に係る表示器用支持装置の正面図である。
図26図26は、図25のXXVI-XXVI断面図である。
図27図27は、図25のXXVII-XXVII断面図である。
図28図28は、図25に示す表示器用支持装置の使用状態における断面図であって、表示器を低位置で支持した状態の図である。
図29図29は、図25に示す表示器用支持装置の使用状態における断面図であって、表示器を高位置で支持した状態の図である。
図30図30は、さらに別の実施形態に係る表示器用支持装置の概略使用状態図である。
図31図31は、さらに別の実施形態に係る表示器用支持装置の概略使用状態図である。
図32図32は、従来の表示器の配置を説明するための図である。
図33図33は、従来の表示器の配置を説明するための図である。
図34図34は、従来の表示器の配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第一実施形態に係る表示器用支持装置について、添付図面を参照しつつ説明する。まず、表示器用支持装置の説明に先立ち、該表示器用支持装置に支持される表示器について概略説明する。
【0016】
図1及び図2に示す如く、表示器1は、遊技者やホールスタッフに向けて情報を表示す
るための表示面100を有するモニタ10を備える。さらに、表示器1は、ホールスタッフを呼ぶための呼出スイッチ11(図1参照)や、モニタ10に表示させる情報(データ)の内容を切り替えるためのデータ切替スイッチ12を備える。ここでの表示器1は、ホールスタッフを呼び出した状態である旨を点灯表示する点灯表示部13を備える。
【0017】
表示器1は、遊技機又は遊技場(複数台の遊技機)の管理を行うホールコンピュータ(図示しない)と情報通信可能に接続され、遊技機又はホールコンピュータから必要な情報を入手する。これに伴い、表示器1のモニタ10に表示される情報には、遊技機の遊技状態や遊技機の稼働率等の情報が含まれる。
【0018】
また、表示器1は、遊技機やホールコンピュータ以外に、ホールスタッフの所持する端末等と通信可能にもなっている。これに伴い、表示器1のモニタ10に表示される情報には、遊技場におけるサービスに関する情報(例えば、ドリンクのメニュー等に関する情報)も含まれる。
【0019】
モニタ10には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が採用される。これにより、モニタ10は、遊技機に関する情報やサービスに関する情報を表示面100上に静止画或いは動画として表示する。これに対し、点灯表示部13は、点灯や点滅の組み合わせによって点灯表示を行う。この種の表示器1は、上述の如く、遊技機に関する情報を入手するため、遊技機の遊技状態に応じた演出を点灯表示するようにもなっている。
【0020】
モニタ10(表示面100)、呼出スイッチ11、データ切替スイッチ12、及び点灯表示部13は、表示器1の前面に配置される。これに伴い、表示器1の背面には、遊技機の上方位置に固定するための固定部14が設けられている(図2参照)。
【0021】
表示器1は、以上の通りであり、本実施形態に係る表示器用支持装置は、図3及び図4に示す如く、遊技機の上方位置に固定されるベース体3と、表示器1が取り付けられる支持体4とを備える。
【0022】
ベース体3は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成される。本実施形態において、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の二か所に加え、低位置P1と高位置P2との間の中間位置P3においても支持体4を支持可能に構成される。また、本実施形態に係るベース体3は、高位置P2において支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢で支持可能に構成される。
【0023】
これを前提に、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向(斜め上方)に間隔をあけて配置された複数の係止部30,31,32を備える。
【0024】
より具体的に説明する。ベース体3は、遊技機の上方位置にある取付対象(例えば、幕板)に直接的又は間接的に固定される取付部33と、取付部33から延出した台座部34とを備える。
【0025】
取付部33は、取付対象側に向けられる平面状の取付面S1を含む(図4参照)。本実施形態において、取付部33は、板状に形成され、厚み方向にある一方の面が取付面S1とされる。
【0026】
台座部34は、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する第一台座部340であって、第一端が取付部33に連結された第一台座部340と、第一端と該第一端の反対側の
第二端とを有する第二台座部341であって、第一端が第一台座部340の第二端に連結された第二台座部341とを含む。
【0027】
本実施形態において、ベース体3は、取付対象に固定された状態において、取付部33を第一台座部340及び第二台座部341よりも下側に位置させる。これに伴い、ベース体3は、取付対象に固定された状態において、第二台座部341を第一台座部340よりも高い位置させる。
【0028】
これを前提に、本実施形態に係るベース体3において、第一台座部340及び第二台座部341のそれぞれが支持体4を支持可能に構成される。すなわち、ベース体3には、支持体4を支持する位置として、第一台座部340の存在する範囲内に低位置P1が設定されるとともに、第二台座部341の存在する範囲内に高位置P2が設定されている。また、ベース体3には、支持体4を支持する位置として、低位置P1及び高位置P2に加え、低位置P1と高位置P2との間にある中間位置P3が設定されている。本実施形態において、中間位置P3は、第一台座部340の存在する範囲内に設定される。
【0029】
これに伴い、本実施形態においてベース体3は、第一台座部340及び第二台座部341のそれぞれに支持体4を係止する係止部30,31,32を有する。すなわち、ベース体3は、第一台座部340に低位置P1及び中間位置P3に対応する係止部30,32を有するとともに、第二台座部341に高位置P2に対応する係止部31を有する。
【0030】
より具体的に説明する。第一台座部340及び第二台座部341のそれぞれは、図4に示す如く、取付面S1に沿った仮想面(図示しない)に対して傾斜する方向に延びる。
【0031】
本実施形態において、第一台座部340は、厚みを有する板状に形成され、厚み方向にある一方の面の端縁が取付部33の取付面S1の端縁に接続されている。
【0032】
本実施形態において、第一台座部340は、取付部33の取付面S1に沿った仮想面に対して所定角度で傾斜している。
【0033】
本実施形態において、第一台座部340は、支持体4を低位置P1で支持するための係止部(以下、低位置用係止部という)30を一対(二つ)備える。また、第一台座部340は、支持体4を中間位置P3で支持するための係止部(以下、中間位置用係止部という)32を一対(二つ)備える。
【0034】
低位置用係止部30及び中間位置用係止部32のそれぞれは、溝状に形成され、第一台座部340の他方の面で開放し且つ第一台座部340の延出する方向(以下、この方向を第一延出方向という)に対して直交する方向(以下、この方向を幅方向という)に延びている(図3参照)。
【0035】
低位置用係止部30及び中間位置用係止部32のそれぞれは、幅方向から見て鉤状に形成される。すなわち、低位置用係止部30及び中間位置用係止部32のそれぞれは、第一台座部340の他方の面で開放して厚み方向に掘り下げられた第一空洞部300,320と、第一空洞部300,320に連続し且つ第一延出方向における第一台座部340の第一端側に掘り下げられた第二空洞部301,321とを含む。第一空洞部300,320は、第一台座部340の他方の面上で幅方向に延びた第一開放部302,322を形成し、第一台座部340の幅方向の両端面上に第二空洞部301,321とともにL字状の第二開放部303,323を形成する。
【0036】
二つの低位置用係止部30は、第一延出方向に間隔をあけて配置されている。また、二
つの中間位置用係止部32は、第一延出方向に間隔をあけて配置されている。第一延出方向における二つの低位置用係止部30の間隔と二つの中間位置用係止部32の間隔とは、同一又は略同一に設定される。
【0037】
本実施形態において、二つの中間位置用係止部32のうちの一方の中間位置用係止部32は、二つの低位置用係止部30の間に配置される。これに伴い、二つの中間位置用係止部32のうちの他方の中間位置用係止部32は、二つの低位置用係止部30よりも第一台座部340の第二端側に位置している。
【0038】
本実施形態において、第二台座部341は、厚みを有する板状に形成され、厚み方向にある一方の面の端縁が第一台座部340の一方の面の端縁に接続され、厚み方向にある他方の端縁が第一台座部340の他方の面の端縁に接続されている。
【0039】
第二台座部341は、取付面S1に沿った仮想面(図示しない)に対して所定角度で傾斜している。本実施形態において、第二台座部341の取付面S1に沿った仮想面に対する角度は、第一台座部340の取付面S1に沿った仮想面に対する角度よりも大きな角度に設定されている。これにより、第二台座部341は、第一台座部340よりも前傾している。
【0040】
本実施形態において、第二台座部341は、支持体4を高位置P2で支持するための係止部(以下、高位置用係止部という)31を一対(二つ)備える。
【0041】
高位置用係止部31は、溝状に形成され、第二台座部341の他方の面で開放し且つ幅方向に延びている(図1参照)。
【0042】
高位置用係止部31は、幅方向から見て鉤状に形成される。すなわち、高位置用係止部31は、第二台座部341の他方の面で開放して厚み方向に掘り下げられた第一空洞部310と、第一空洞部310に連続し且つ第二台座部341の延びる方向(以下、第二延出方向という)における第二台座部341の第一端側に掘り下げられた第二空洞部311とを含む。第二空洞部311は、第二台座部341の他方の面上で幅方向に延びた第一開放部312を形成し、第二台座部341の幅方向の両端面上に第二空洞部311とともにL字状の第二開放部313を形成する。
【0043】
すなわち、高位置用係止部31は、低位置用係止部30と同形且つ同サイズに形成される。本実施形態において、高位置用係止部31は、中間位置用係止部32に対しても同形且つ同サイズに形成される。
【0044】
二つの高位置用係止部31は、第二延出方向に間隔をあけて配置されている。第一延出方向における二つの低位置用係止部30の間隔と、第二延出方向における二つの高位置用係止部31の間隔とは、同一又は略同一に設定される。
【0045】
このように、本実施形態に係るベース体3の台座部34は、傾斜角度を異にする第一台座部340及び第二台座部341を含むため、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の高位置用係止部31を結ぶ仮想線の角度が、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の低位置用係止部30を結ぶ仮想線の角度よりも大きくなるように、一対の高位置用係止部31が配置される。これにより、高位置P2に配置された支持体4は、低位置P1に配置された支持体4よりも前傾した姿勢になる。
【0046】
支持体4は、ベース体3に設定された低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成される。本実施形態において、支持体4は、低位置P
1と高位置P2との間の中間位置P3にも位置変更可能に構成される。
【0047】
これに伴い、支持体4は、複数の係止部30,31,32の中から選択された係止部30,31,32に係止可能な被係止部40を備える。
【0048】
具体的には、支持体4は、表示器1が取り付けられる表示器取付部41と、表示器取付部41に対して直接的又は間接的に連結された被係止部40とを備える。
【0049】
表示器取付部41は、表示器1の固定部14が重ね合わされる固定面S2を含む。これに伴い、表示器取付部41の固定面S2とは反対側の面は、ベース体3と対向する面となる。
【0050】
本実施形態に係る支持体4において、被係止部40は表示器取付部41に対して間接的に連結される。具体的には、支持体4は、表示器取付部41から延出した板状のフレーム部42であって、厚み方向に第一面と第一面の反対側の第二面とを有するフレーム部42と、被係止部40が連結される突片部43とを備える。フレーム部42の第一面は、表示器1の背面と対向する面となる。これに伴い、突片部43は、フレーム部42の第二面から突出している。本実施形態において、支持体4は、幅方向に間隔をあけて配置された少なくとも一対の突片部43を備える。一対の突片部43の間隔は、ベース体3の幅方向の外寸よりも広く設定される。本実施形態において、支持体4は、一対の突片部43を二組備える。この二組の突片部43は、フレーム部42の延出する方向に間隔をあけて配置される。
【0051】
被係止部40は、低位置用係止部30、中間位置用係止部32、及び高位置用係止部31のそれぞれにおいて、第一空洞部300,310,320の形成した第一開放部302,312,322から挿入可能で且つ第一空洞部300,310,320を経由して第二空洞部301,311,321に到達可能に形成される。本実施形態において、低位置用係止部30、中間位置用係止部32、及び高位置用係止部31のそれぞれが溝状に形成されるに伴い、被係止部40は、棒状に形成される。該棒状の被係止部40の両端は、一対の突片部43に連結される。すなわち、被係止部40は、一対の突片部43によって両端支持される。
【0052】
本実施形態において、低位置用係止部30、中間位置用係止部32、及び高位置用係止部31のそれぞれが二つずつ設けられるに伴い、支持体4は、間隔をあけて配置された二つの被係止部40を備える。二つの被係止部40は、二つの低位置用係止部30の間隔、二つの中間位置用係止部32の間隔、及び二つの高位置用係止部31の間隔のそれぞれと同一又は略同一に設定される。
【0053】
本実施形態に係る表示器用支持装置2は、以上の通りであり、図5乃至図7に示す如く、ベース体3の取付部33が遊技機の上方位置に配置された取付対象(例えば、幕板)Tに対して直接的又は間接的に取り付けられる。なお、本実施形態においては、取付対象Tに固定された取付金具(採番しない)に対してベース体3の取付部33が固定されている。また、支持体4の表示器取付部41(固定面S2)に対して表示器1の取付部33が固定される。
【0054】
そして、支持体4の被係止部40がベース体3の係止部30,31,32に係止されると、表示器1は、表示面100(モニタ10)を遊技者側に向けて配置される。本実施形態において、例えば、遊技場に設置される遊技機が従来通りのもの(外装体が小型で装飾体が動作しないもの)である場合、図5及び図8に示す如く、低位置用係止部30に被係止部40を係止させることで、支持体4が低位置P1で支持される。
【0055】
本実施形態において、二つの低位置用係止部30のそれぞれに二つの被係止部40を係止させることで、支持体4及びこれに固定された表示器1は、低位置P1において安定した状態で支持される。この状態において、図8に示す如く、遊技者Pの視線L上には、遊技機PM(外装体MEや装飾体MD)が存在せず、遊技者Pは、表示器1の表示面100(モニタ10)に表示された情報を確認することができる。なお、支持体4が低位置P1で支持された状態で、遊技機PMの外装体ME或いは装飾体MDの一部が遊技者Pの視界を遮るような場合には、図6に示す如く、中間位置用係止部32に被係止部40を係止させることで、支持体4が低位置P1よりも高い位置(中間位置P3)で支持させればよい。
【0056】
そして、遊技場に設置される遊技機PMが大型化した外装体MEを有するものや、装飾体MDが動作するものである場合、図7図9及び図10に示す如く、高位置用係止部31に被係止部40を係止させることで、支持体4が高位置P2で支持される。
【0057】
この状態において、図9及び図10に示す如く、遊技者Pの視線L上には、遊技機PM(外装体MEや装飾体MD)が存在せず、遊技者Pは、表示器1の表示面100(モニタ10)に表示された情報を確認することができる。
【0058】
特に、本実施形態において、ベース体3は、高位置P2において支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢で支持する。これにより、支持体4に取り付けた表示器1の表示面100(モニタ10)に対する遊技者Pの視線Lの角度が90°に近づくため、表示器1(表示面100)を直視することができ、周囲の光の影響を抑えた状態で情報を把握することができる。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る表示器用支持装置2は、遊技機PMの上方位置に固定されるベース体3と、情報を表示する表示器1が取り付けられる支持体4とを備え、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成され、支持体4は、低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成される。
【0060】
上記構成によれば、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成され、支持体4は、低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成されるため、支持体4に取り付けられた表示器1を、遊技機PMに対峙する遊技者Pの視界に入る位置に配置することができる。
【0061】
すなわち、支持体4を低位置P1と高位置P2とに位置変更することで、支持体4に取り付けられた表示器1も低位置P1又は高位置P2に配置される。これにより、表示器1は、遊技者P等が情報を認識できる位置に配置される。
【0062】
本実施形態において、ベース体3は、高位置P2において支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢で支持するように構成される。
【0063】
このようにすれば、高位置P2に配置された表示器1が遊技者P側に向くため、周囲の光の影響(表示器1の表示面100で反射する光の影響)を抑えることができ、遊技者P等が表示器1の情報を確実に把握することができる。
【0064】
本実施形態において、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて配置された複数の係止部30,31,32を備え、支持体4は、複数の係止部30,31,32
の中から選択された係止部30,31,32に係止可能な被係止部40を備え、複数の係止部30,31,32には、被係止部40を係止した状態で支持体4を高位置P2で維持させる係止部30,31,32及び支持体4を低地位で維持させる係止部30,31,32が含まれる。
【0065】
このようにすれば、被係止部40を選択した係止部30,31,32に係止させるだけで、少なくとも支持体4(表示器1)が低位置P1或いは高位置P2に配置される。
【0066】
次に、本発明の第二実施形態に係る表示器用支持装置について説明する。なお、以下の説明において、第一実施形態で説明した構成と同一、或いは、第一実施形態で説明した構成に相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。また、表示器1は、第一実施形態と同一のものとし、ここでの説明は割愛する。
【0067】
図11に示す如く、本実施形態に係る表示器用支持装置2は、遊技機PMの上方位置に固定されるベース体3と、情報を表示する表示器1が取り付けられる支持体4とを備える。
【0068】
本実施形態に係る表示器用支持装置2において、第一実施形態と同様に、ベース体3は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成される。また、支持体4は、低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成される。
【0069】
本実施形態において、表示器用支持装置2は、ベース体3及び支持体4に加え、支持体4を低位置P1と高位置P2との間で移動させる送り機構5をさらに備えている。また、表示器用支持装置2は、低位置P1と高位置P2との間で移動する支持体4を案内する案内手段6を備える。
【0070】
本実施形態において、ベース体3は、図12に示す如く、遊技機PMの上方位置にある取付対象(一般的には、幕板)に直接的又は間接的に固定される取付部33と、取付部33に連結された台座部34とを備える。
【0071】
取付部33は、取付対象側に向けられる平面状の取付面S1を含む。台座部34は、厚みを有する板状に形成され、厚み方向に第一面と該第一面の反対側の第二面とを有する。台座部34は、第一面を遊技者側に向けて配置される。これに伴い、台座部34の第二面に取付部33が固定される。
【0072】
支持体4は、表示器1が取り付けられる表示器取付部41であって、表示器1の固定部14が直接的又は間接的に重ね合わされる固定面S2を含む表示器取付部41を備える。具体的には、支持体4は、厚みを有する板状のフレーム部42であって、厚み方向に第一面と該第一面の反対側の第二面とを有するフレーム部42と、フレーム部42の第一面に連結された表示器取付部41とを備える。本実施形態において、支持体4は、フレーム部42の第二面を台座部34の第一面と対向させて配置される。これに伴い、フレーム部42の第一面に連結された表示器取付部41の固定面S2は、台座部34側とは反対側(遊技者側)に向くようになっている。
【0073】
本実施形態において、送り機構5は、ねじ軸500と、複数のボール501を介してねじ軸500に螺合するナット502とを含むボールねじ50を備える。本実施形態において、送り機構5は、ねじ軸500を回転駆動するための駆動源51をさらに備える。
【0074】
ボールねじ50のねじ軸500は、台座部34に対して回転自在に支持される。本実施
形態において、ねじ軸500は、台座部34の第一面に固定された軸受52に軸支される。ナット502は、支持体4に連結される。本実施形態において、ナット502は、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向に延びる軸線回りで回転自在に支持体4に連結される。すなわち、支持体4とナット502とは、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向に延びるピン53を介して回転自在に連結される。
【0075】
本実施形態において、駆動源51には、回転制御可能なモータが採用される。モータ51は、ねじ軸500に対して同心で連結される出力軸510を備え、台座部34に固定されている。駆動源51は、遊技者或いはホールスタッフが支持体4を位置変更させることを希望するときにのみ駆動するようになっている。すなわち、駆動源51は、図示しないスイッチの操作により、ねじ軸500を正逆転させる。
【0076】
案内手段6は、台座部34に固定されたガイドレール60と、ガイドレール60に案内される被案内体61であって、支持体4に固定された被案内体61とを含む。
【0077】
本実施形態において、案内手段6は、図11に示す如く、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向(幅方向に相当)に間隔をあけて配置された一対のガイドレール60と、一対のガイドレール60のそれぞれに案内される一対の被案内体61とを含む。
【0078】
一対のガイドレール60は、ねじ軸500を挟んで配置される。ガイドレール60は、台座部34の第一面に固定される。ガイドレール60は、ねじ軸500の延びる方向と同方向に延びる。ガイドレール60は、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向に開放した溝600を有する。溝600は、台座部34と支持体4とが並ぶ方向と直交する方向に開放している。
【0079】
本実施形態において、ガイドレール60は、図12に示す如く、ねじ軸500の延びる方向に真っ直ぐに延びる直線部600aであって、自身の延びる方向に第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する直線部600aと、直線部600aに接続された第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する円弧部600bであって、第一端から第二端に向かうにつれて台座部34から離間するように湾曲した円弧部600bとを含む。これに伴い、溝600は直線部600aの第二端から円弧部600bの第二端に至るまで形成される。
【0080】
被案内体61は、ガイドレール60の溝600内に配置される。本実施形態において、被案内体61には、カムフォロアが採用される。被案内体(カムフォロア)61は、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向に延びる軸線回りで回転自在に設けられる。すなわち、被案内体61は、ねじ軸500の延びる方向と直交する方向に延びる軸線回りで回転自在になるように、支持体4に連結されている。
【0081】
本実施形態に係る表示器用支持装置2は、以上の通りであり、図13乃至図15に示す如く、ベース体3の取付部33が遊技機PMの上方位置に配置された取付対象(例えば、幕板)Tに対して直接的又は間接的に取り付けられ、支持体4の表示器取付部41(固定面S2)に対して表示器1の固定部14が直接的又は間接的に固定される。なお、本実施形態においては、ベース体3の取付部33は、取付対象Tに固定された取付金具(採番しない)に固定され、表示器1は、固定部14と表示器取付部41の固定面S2との間にスペーサ(採番しない)を挟んだ状態で固定されている。
【0082】
この状態で、表示器1は、表示面100(モニタ10)を遊技者P側に向けて配置される。本実施形態において、例えば、遊技場に設置される遊技機PMが従来通りのもの(外装体が小型で装飾体が動作しないもの)である場合、スイッチ操作によって駆動源51を駆動し(出力軸510を正転或いは逆転させ)、ボールねじ50のねじ軸500を回転さ
せることで、ナット502をねじ軸500の軸線方向に移動させ、ナット502を低位置P1に対応する位置に配置する。これにより、支持体4が低位置P1で支持された状態になる。
【0083】
この状態において、図13に示す如く、遊技者Pの視線L上には、遊技機PM(外装体MEや装飾体MD)が存在せず、遊技者Pは、表示器1の表示面100(モニタ10)に表示された情報を確認することができる。なお、支持体4が低位置P1で支持された状態で、遊技機PMの外装体ME或いは装飾体MDの一部が遊技者Pの視界を遮るような場合には、スイッチ操作によって駆動源51を駆動し(出力軸510を正転或いは逆転させ)、ナット502を低位置P1に対応する位置よりも高い位置に配置することで、支持体4を低位置P1よりも高い位置(中間位置P3)で支持させればよい。
【0084】
そして、遊技場に設置される遊技機PMが大型化した外装体MEを有するものや、装飾体MDが動作するものである場合、スイッチ操作によって駆動源51を駆動し(出力軸510を正転或いは逆転させ)、ボールねじ50のねじ軸500を回転させることで、ナット502を高位置P2に対応する位置に配置すると、図14及び図15に示す如く、支持体4が高位置P2で支持される。
【0085】
この状態において、遊技者Pの視線L上には、遊技機PM(外装体MEや装飾体MD)が存在せず、遊技者Pは、表示器1の表示面100(モニタ10)に表示された情報を確認することができる。
【0086】
特に、本実施形態では、被案内体61がガイドレール60の円弧部600bの溝600に沿って移動するため、支持体4(ナット502)が高位置P2に向かうにつれて前傾姿勢になる。これにより、ベース体3は、高位置P2において支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢で支持するため、支持体4に取り付けた表示器1の表示面100(モニタ10)に対する遊技者Pの視線Lの角度が90°に近づくため、表示面100を直視することができ、周囲の光の影響を抑えた状態で情報を把握することができる。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る表示器用支持装置2は、遊技機PMの上方位置に固定されるベース体3と、情報を表示する表示器1が取り付けられる支持体4とを備え、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成され、支持体4は、低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成される。
【0088】
上記構成によれば、ベース体3は、上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置P1及び高位置P2の少なくとも二か所で支持体4を支持可能に構成され、支持体4は、低位置P1と該低位置P1よりも高い位置にある高位置P2とに位置変更可能に構成されるため、支持体4に取り付けられた表示器1を、遊技機PMに対峙する遊技者Pの視界に入る位置に配置することができる。
【0089】
すなわち、支持体4を低位置P1と高位置P2とに位置変更することで、支持体4に取り付けられた表示器1も低位置P1又は高位置P2に配置される。これにより、表示器1は、遊技者P等が情報を認識できる位置に配置される。
【0090】
本実施形態において、ベース体3は、高位置P2において支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢で支持するように構成される。
【0091】
このようにすれば、高位置P2に配置された表示器1が遊技者P側に向くため、周囲の光の影響(表示器1の表示面100で反射する光の影響)を抑えることができ、遊技者P
等が表示器1の情報をより確実に把握することができる。
【0092】
本実施形態において、表示器用支持装置2は、支持体4を低位置P1と高位置P2との間で移動させる送り機構5をさらに備えている。
【0093】
このようにすれば、支持体4が低位置P1と高位置P2との間で移動するため、低位置P1及び高位置P2だけでなく、支持体4を低位置P1と高位置P2との間の任意の中間位置P3にも配置することができる。
【0094】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論である。
【0095】
上記第一及び第二実施形態において、支持体4が低位置P1、中間位置P3、及び高位置P2に位置変更可能に構成されたが、これに限定されない。支持体4は、低位置P1及び高位置P2(二つの位置)で位置変更可能であってもよい。すなわち、支持体4は、少なくとも低位置P1及び高位置P2に位置変更可能であればよい。ただし、高位置P2は、遊技機PMの外装体MEや装飾体MDによって遊技者Pの視界が遮られることなく、遊技者Pが支持体4に取り付けられた表示器1の表示面100(モニタ10)を視認できる位置であることは勿論である。
【0096】
上記第一実施形態において、支持体4(表示器1)を支持する位置として、低位置P1と高位置P2との間に一つの中間位置P3が設定されたが、これに限定されない。例えば、支持体4(表示器1)を支持する位置として中間位置P3を設定する場合、中間位置P3は二つ以上設定されてもよい。
【0097】
上記第一実施形態において、ベース体3の台座部34が板状に形成され、この台座部34の幅方向の全長に亘って溝状の係止部30,31,32(低位置用係止部30、中間位置用係止部32、高位置用係止部31)が形成されたが、これに限定されない。例えば、ベース体3は、図16に示す如く、幅方向に間隔をあけて配置される一対の台座部34を備えてもよい。この場合、図17に示す如く、一対の台座部34のそれぞれに、対応する切欠き状の係止部30,31,32が形成されればよい。また、この場合において、第一実施形態と同様に、被係止部40は、幅方向に延びる棒状に形成されるとともに、係止部30,31,32は、幅方向から見て鉤状に形成されればよい。
【0098】
そして、上記第一実施形態において、支持体4は、被係止部40を係止させる係止部30,31,32として、低位置用係止部30、中間位置用係止部32、及び高位置用係止部31をそれぞれ一対ずつ備え、これらが異なる位置に配置にされたが、これに限定されない。例えば、図17に示す如く、一対の低位置用係止部30のうちの上方側にある一方の低位置用係止部30と、一対の高位置用係止部31のうちの下方側にある一方の高位置用係止部31とを兼用させるようにしてもよい。
【0099】
また、図17においては、一対の中間位置用係止部32が低位置用係止部30と高位置用係止部31とに兼用する係止部30,31を挟んで配置されているが、一対の低位置用係止部30のうちの上方側にある一方の低位置用係止部30と、一対の中間位置用係止部32のうちの下側にある中間位置用係止部32とを兼用させてもよいし、一対の高位置用係止部31のうちの下方側にある一方の高位置用係止部31と、一対の中間位置用係止部32のうちの上側にある中間位置用係止部32とを兼用させてもよい。なお、上記のいずれの場合においても、異なる組(対)の係止部30,31,32同士の間隔は同一に設定されることは勿論である。
【0100】
さらに、一対の中間位置用係止部32が複数組設けられる場合には、異なる組の中間位置用係止部32の一方同士を兼用させてもよい。
【0101】
そして、これらの場合においても、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の高位置用係止部31を結ぶ仮想線の角度が、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の低位置用係止部30を結ぶ仮想線の角度よりも大きくなるように、一対の高位置用係止部31が配置されることで、図18及び図19に示す如く、高位置P2に配置された支持体4(表示器1)が低位置P1に配置された支持体4(表示器1)よりも前傾した姿勢になる。
【0102】
また、図18乃至図20に示す如く、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の高位置用係止部31を結ぶ仮想線の角度が、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の中間位置用係止部32を結ぶ仮想線の角度よりも大きく、且つ鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の中間位置用係止部32を結ぶ仮想線の角度が、鉛直方向に延びる仮想線に対する一対の低位置用係止部30を結ぶ仮想線の角度よりも大きくなるように、高位置用係止部31、中間位置用係止部32、及び低位置用係止部30を配置することで、支持体4が上方側に位置変更するにつれて前傾姿勢になる。これにより、支持体4に取り付けられた表示器1の配置が上方側に変更されても、周囲の光の影響が抑えられ、遊技者Pは表示器1の表示を良好に認識することができる。
【0103】
上記第一及び第二実施形態において、ベース体3は、高位置P2において、支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢になるように支持したが、これに限定されるものではない。例えば、ベース体3は、低位置P1及び高位置P2の各位置(中間位置P3がある場合には中間位置P3も含む)において、支持体4を同じ姿勢で支持するようにしてもよい。
【0104】
具体的には、上記第一実施形態において、ベース体3の台座部34が取付面S1に沿った仮想面に対する傾斜角度を異にする第一台座部340及び第二台座部341を含んだが、これに限定されない。例えば、図21及び図22に示す如く、台座部34全体が上下方向を成分に含む方向に真っ直ぐ又は略真っ直ぐに延びるように形成されてもよい。すなわち、台座部34は、第一実施形態における第一台座部340及び第二台座部341を直線的に接続した態様で形成されてもよい。
【0105】
この場合においても、図23及び図24に示す如く、第一実施形態と同様に、台座部34に低位置用係止部30及び高位置用係止部31を設けることで、支持体4を高位置P2及び低位置P1に配置することができる。また、台座部34に中間位置用係止部32を設けることで、支持体4を中間位置P3に配置することもできる。
【0106】
上記第二実施形態において、案内手段6のガイドレール60が直線部600a及び円弧部600bを含んだが、これに限定されない。例えば、図25乃至図27に示す如く、案内手段6のガイドレール60が直線状に形成されてもよい。この場合において、支持体4は、ガイドレール60の形態に即して直線状に移動し、姿勢を一定に維持させるため、支持体4に対して送り機構5のボールねじ50のナット502を固定してもよい。また、この場合において、案内手段6の被案内体61は、上記実施形態と同様にカムフォロア61で構成されてもよいが、図27に示す如く、ガイドレール60の溝600内に対して移動可能に嵌合するガイドシューであって、支持体4に固定されたガイドシューであってもよい。
【0107】
この場合においても、図28及び図29に示す如く、第二実施形態と同様に、駆動源51の出力軸510を正逆転させることで、支持体4(表示器1)を低位置P1と高位置P2とに位置変更させることができる。また、支持体4(表示器1)を高位置P2と低位置
P1との間にある任意の中間位置P3にも配置することができる。
【0108】
なお、遊技者Pは遊技機PMの前方で着座している(遊技者Pの目の高さが略一定範囲で維持する)ため、支持体4の姿勢が低位置P1及び高位置P2で同じあると、表示器1の表示面100(モニタ10)に対する遊技者Pの視線Lの角度が、表示器1(支持体4)が低位置P1にある状態よりも高位置P2にある状態の方が小さくなる。従って、支持体4(表示器1)の姿勢を低位置P1及び高位置P2で同じにすると、高位置P2に配置した状態で、周囲の光の影響(反射)を受けて表示面100(モニタ10)に表示される情報が低位置P1に配置した状態よりも見えづらくなる。この点を考慮すれば、上記実施形態と同様に、ベース体3は、高位置P2において、支持体4を低位置P1での姿勢よりも前傾した姿勢になるように支持することが好ましい。
【0109】
上記第一及び第二実施形態において、支持体4を支持させる位置(低位置P1及び高位置P2)が上下方向を成分に含む方向(傾斜方向)に間隔をあけて設定されたが、これに限定されない。例えば、図30に示す如く、支持体4を支持させる位置(低位置P1及び高位置P2)は、上下方向に間隔をあけて設定されてもよい。
【0110】
この態様において、ベース体3に係止部30,31が設けられるとともに、支持体4に被係止部40が設けられる場合、ベース体3において、低位置P1に対応する低位置用係止部30と高位置P2に対応する高位置用係止部31とは上下方向に間隔をあけて配置されればよい。
【0111】
これに対し、送り機構5及び案内手段6が設けられる場合、案内手段6のガイドレール60が真っ直ぐ上下方向に延び、支持体4が上下方向に案内されるようにすればよい。なお、ベース体3に係止部30,31が設けられるとともに、支持体4に被係止部40が設けられる場合、低位置P1と高位置P2との間に複数の中間位置P3を設ける場合には、低位置用係止部30と高位置用係止部31との間に複数の中間位置用係止部32が設けられればよい。この点、支持体4を支持させる位置(低位置P1、高位置P2、中間位置P3)の間隔をあける方向は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向のいずれであってもよいことは勿論である。
【0112】
上記第二実施形態において、送り機構5が駆動源51(上記第二実施形態においてはモータ51)を備えたが、これに限定されない。例えば、図31に示す如く、送り機構5は、支持体4を位置変更させるためのハンドル54を備えてもよい。具体的には、送り機構5がボールねじ50を含む場合、ねじ軸500を回転させるためのハンドル54を備えてもよい。このようにすれば、手動によって支持体4を低位置P1と高位置P2とに位置変更させることができる。
【0113】
上記第二実施形態において、支持体4が単一の軌道(ガイドレール60)に沿って移動することで、低位置P1と高位置P2とに位置変更したが、これに限定されない。例えば、図31に示す如く、支持体4は、同じ方向又は異なる方向に延びる二つ以上の軌道に沿って移動可能に構成され、各軌道で移動することで低位置P1と高位置P2とに位置変更できるようにしてもよい。この場合、軌道の数に応じた数の送り機構5が設けられればよい。
【0114】
上記第二実施形態において、送り機構5の駆動源51は、スイッチ操作によって駆動するように構成されたが、これに限定されない。例えば、モータ51は、遊技機PMからの情報に基づいて駆動するようにしてもよい。すなわち、モータ51は、遊技機PMの演出の状態(動作する装飾体MDの配置)に応じてねじ軸500を正逆転させるようにしてもよい。また、送り機構5の駆動源51は、遊技機PMから得られる情報に基づいて駆動可
能に構成されるとともに、スイッチ操作で駆動可能に構成されても勿論よい。
【0115】
上記第二実施形態において、ガイドレール60が直線部600aと円弧部600bとを含んだが、これに限定されない。例えば、ガイドレール60が曲率半径の大きな円弧部600bのみで構成されてもよい。このようにすれば、支持体4が低位置P1から高位置P2に向かうにつれて前傾姿勢になるため、支持体4が低位置P1と高位置P2との間の位置で支持された状態においても、表示器1の表示面100が遊技者P側に向くようになり、周囲の光の影響を抑えて表示器1の表示が視認良好となる。
【0116】
上記各実施形態において、表示器1と支持体4とが別体とされ、表示器1(固定部14)が支持体4の表示器取付部41に取り付けられたが、これに限定されない。例えば、支持体4の表示器取付部41に対して表示器1の固定部14が分離不能に取り付けられ、表示器1と支持体4とが一体的に形成されていてもよい。すなわち、支持体4は、表示器1の固定部14の一部として構成されてもよい。
【0117】
また、遊技機の上方位置に固定されるベース体と、情報を表示する表示器が取り付けられる支持体とを備え、ベース体は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置及び高位置の少なくとも二か所で支持体を支持可能に構成され、支持体は、低位置と該低位置よりも高い位置にある高位置とに位置変更可能に構成されることもできる。
【0118】
上記構成によれば、ベース体は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて設定された低位置及び高位置の少なくとも二か所で支持体を支持可能に構成され、支持体は、低位置と該低位置よりも高い位置にある高位置とに位置変更可能に構成されるため、支持体を低位置と高位置とに位置変更することで、支持体に取り付けられた表示器も低位置又は高位置に配置される。これにより、表示器は、遊技者等が情報を認識できる位置に配置される。
【0119】
また、ベース体は、高位置において支持体を低位置での姿勢よりも前傾した姿勢で支持することが好ましい。
【0120】
このようにすれば、高位置に配置された表示器が遊技者側に向くため、周囲の光の影響(表示器の表示面で反射する光の影響)を抑えることができ、遊技者が表示器の情報を確実に把握することができる。
【0121】
また、ベース体は、上下方向又は上下方向を成分に含む方向に間隔をあけて配置された複数の係止部を備え、支持体は、複数の係止部の中から選択された係止部に係止可能な被係止部を備え、複数の係止部には、被係止部を係止した状態で支持体を高位置で維持させる係止部及び支持体を低地位で維持させる係止部が含まれることが好ましい。
【0122】
このようにすれば、被係止部を選択した係止部に係止させるだけで、少なくとも支持体(表示器)が低位置或いは高位置に配置される。
【0123】
また、支持体を低位置と高位置との間で移動させる送り機構をさらに備えてもよい。
【0124】
このようにすれば、支持体が低位置と高位置との間で移動するため、低位置及び高位置だけでなく、低位置と高位置との間の任意の中間位置にも配置することができる。
【符号の説明】
【0125】
1…表示器、2…表示器用支持装置、3…ベース体、4…支持体、5…送り機構、6…案内手段、10…モニタ、11…呼出スイッチ、12…データ切替スイッチ、13…点灯表示部、14…固定部、30…低位置用係止部(係止部)、31…高位置用係止部(係止部)、32…中間位置用係止部(係止部)、33…取付部、34…台座部、40…被係止部、41…表示器取付部、42…フレーム部、43…突片部、51…駆動源(モータ)、52…軸受、53…ピン、54…ハンドル、60…ガイドレール、61…被案内体(カムフォロア)、100…表示面、300,310,320…第一空洞部、301,311,321…第二空洞部、302,312,322…第一開放部、303,313,323…第二開放部、340…第一台座部、341…第二台座部、500…ねじ軸、501…ボール、502…ナット、510…出力軸、600…溝、600a…直線部、600b…円弧部、L…視線、MD…装飾体、ME…外装体、P…遊技者、P1…低位置、P2…高位置、P3…中間位置、PM…遊技機、S1…取付面、S2…固定面、T…取付対象
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