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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076120
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】無線通信装置及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20220512BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20220512BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20220512BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220512BHJP
   H04B 17/309 20150101ALI20220512BHJP
   H04B 17/382 20150101ALI20220512BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W72/08 110
H04W84/06
H04Q9/00 301B
H04B17/309
H04B17/382
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186389
(22)【出願日】2020-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魚住 浩一
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048AA06
5K048BA45
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048FA07
5K048GA06
5K048HA01
5K048HA02
5K067BB06
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE16
5K067JJ39
(57)【要約】
【課題】無線通信装置と制御装置との間の無線通信の切断を抑制する。
【解決手段】本無線通信装置は、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信する受信部と、第1周波数帯に含まれるチャネルの夫々をスキャンし、第1周波数帯に含まれるチャネルのうち他のチャネルよりも他無線通信装置による通信が少ないチャネルを特定する特定部と、特定部によって特定したチャネルを制御装置に通知する通知部と、第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合に、受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに切り替える切替部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信する受信部と、
前記第1周波数帯に含まれるチャネルの夫々をスキャンし、前記第1周波数帯に含まれるチャネルのうち他のチャネルよりも他無線通信装置による通信が少ないチャネルを特定する特定部と、
特定した前記チャネルを前記制御装置に通知する通知部と、
前記第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合に、前記受信部が用いるチャネルを特定した前記チャネルに切り替える切替部と、を備える、
無線通信装置。
【請求項2】
前記切替部は、前記第1チャネルの通信品質が前記所定条件を満たす場合に、前記受信部が用いるチャネルを特定した前記チャネルに切り替えることを前記制御装置に通知する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1チャネルを用いて所定間隔でビーコンを送信し、
前記切替部は、前記受信部によって受信される前記ビーコンの受信間隔が所定間隔より長い場合に、前記受信部が用いるチャネルを特定した前記チャネルに切り替える、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記受信部は、第1受信部と第2受信部とを含み、
前記第1受信部は、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信し、
前記切替部は、前記第2受信部が用いるチャネルを特定した前記チャネルに設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線通信装置は、前記制御装置からの制御信号に応じて移動する移動体である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記移動体は、前記制御装置からの制御信号に応じて飛行する無人航空機である、
請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて前記無線通信装置へ制御信号を送信する送信部と、
前記無線通信装置から通知されたチャネルを記憶する記憶部と、
前記制御信号が送信されてから所定時間内に前記制御信号に対する応答信号を前記無線通信装置から受信しない場合、前記送信部が用いるチャネルを前記記憶部に記憶させたチャネルに切り替える切替部とを含む、
無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置からの無線信号によって制御される無線通信装置が利用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58-175013号公報
【特許文献2】特開平4-345213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信で使用される通信帯域は、所定の周波数帯が複数のチャネルに区切られる。そして、無線通信装置は、複数のチャネルのうち、いずれかのチャネルを用いて制御装置との無線通信を行う。同じチャネルを用いる無線通信装置が多数存在する場合、混信が発生する可能性が高まり、ひいては無線通信が切断される虞がある。
【0005】
無線通信装置では、無線通信が切断される場合に備えて、フェイルセーフ機能が組み込まれていることが多い。フェイルセーフ機能では、無線通信が切断された場合に生じ得るリスクを抑制する所定の処理が実行される。しかしながら、このようなフェイルセーフ機能では、所定の処理は実行可能であるものの、ユーザ所望の処理を実行することは困難であった。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、無線通信装置と制御装置との間の無線通信の切断を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような無線通信装置によって例示される。本無線通信装置は、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信する受信部と、第1周波数帯に含まれるチャネルの夫々をスキャンし、第1周波数帯に含まれるチャネルのうち他のチャネルよりも他無線通信装置による通信が少ないチャネルを特定する特定部と、特定部によって特定したチャネルを制御装置に通知する通知部と、第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合に、受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに切り替える切替部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術は、無線通信装置と制御装置との間の無線通信の切断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るドローンシステムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態におけるドローンの外観を例示する図である。
図3図3は、実施形態におけるチャネルの使用状況管理テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るドローンシステムの処理フローの一例を示す第1の図である。
図5図5は、実施形態に係るドローンシステムの処理フローの一例を示す第2の図である。
図6図6は、実施形態に係るドローンシステムの処理フローの一例を示す第3の図である。
図7図7は、実施形態に係るドローンシステムの処理フローの一例を示す第4の図である。
図8図8は、実施形態に係るドローンシステムの定期タイマ処理の一例を示す図である。
図9図9は、第1変形例におけるコントローラの処理フローの一例を示す図である。
図10図10は、第1変形例におけるドローンの処理フローの一例を示す図である。
図11図11は、第1変形例におけるドローンシステムのタイマ処理の一例を示す図である。
図12図12は、第2変形例に係るドローンシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態では、無線通信装置と、無線通信装置と制御装置とを含む無線通信システムが例示される。無線通信装置は、例えば、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信する受信部と、第1周波数帯に含まれるチャネルの夫々をスキャンし、第1周波数帯に含まれるチャネルのうち他のチャネルよりも他無線通信装置による通信が少ないチャネルを特定する特定部と、特定したチャネルを制御装置に通知する通知部と、第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合に、受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに切り替える切替部と、を備える。
【0011】
本無線通信装置は、他のチャネルよりも他無線通信装置による通信が少ないチャネルを特定し、特定したチャネルを制御装置に通知しておくことで、受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに切り替えた後にも、制御装置との通信を維持することができる。
【0012】
ここで、第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合としては、例えば、制御装置から所定間隔で送信されるビーコンを所定間隔で受信できなかった場合を挙げることができる。
【0013】
そして、上記切替部は、第1チャネルの通信品質が所定条件を満たす場合に、受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに切り替えることを制御装置に通知してもよい。このような処理が行われることで、無線通信装置と制御装置とがチャネルを切り替えるタイミングを合わせることが容易となる。
【0014】
ここで、無線通信装置は、制御装置への通知を第1チャネルを用いて行ってもよいし、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯のうちの第2チャネルを用いて行ってもよい。無線通信装置は、第1チャネルを用いて通知を行う場合、制御装置への通知と制御装置からの制御信号の受信とを時分割で行う。なお、無線通信装置は、第2チャネルを用いて通知を行う場合、制御装置への通知と制御装置からの制御信号の受信とを並行して行うことができる。
【0015】
また、上記受信部は、第1受信部と第2受信部とを含んでもよい。そして、第1受信部は、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御装置から制御信号を受信し、上記切
替部は、第2受信部が用いるチャネルを特定したチャネルに設定してもよい。この場合、第2受信部は、特定したチャネルを用いた制御装置との通信を、第1受信部による第1チャネルを用いた制御装置との通信と並行して行ってもよい。第1受信部による第1チャネルを用いた通信と第2受信部による特定したチャネルを用いた通信が並行して行われることで、無線通信装置と制御装置との間の通信パスを冗長化することが可能となる。
【0016】
無線通信装置は、制御装置からの無線信号にしたがって移動する移動体であってもよく、移動体は無人飛行機であってもよい。
【0017】
制御装置は、第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて上記無線通信装置へ制御信号を送信する送信部を備えるものであって良い。そして、制御装置は、上記無線通信装置から通知されたチャネルを記憶部に記憶し、上記制御信号が送信されてから所定時間内に上記制御信号に対する応答信号を上記無線通信装置から受信しない場合、上記送信部が用いるチャネルを上記記憶部に記憶させたチャネルに切り替えるとしてもよい。このような構成を採用することで、ビーコンを用いなくともチャネルの切り替えを行うことができる。
【0018】
以下、図面を参照して上記無線通信装置をドローンに適用した実施形態についてさらに説明する。図1は、実施形態に係るドローンシステムの一例を示す図である。ドローンシステム1は、ドローン10及びコントローラ20を含む。ドローン10とコントローラ20とは、相互に無線通信を行う。
【0019】
ドローン10は、コントローラ20から送信される制御信号によって制御される無人航空機である。図2は、実施形態におけるドローンの外観を例示する図である。ドローン10は、本体部101、複数の脚部102及び複数のプロペラ103を備える。ドローン10は、コントローラ20から受信する制御信号にしたがってプロペラ103を駆動することで飛行する。
【0020】
コントローラ20は、ドローン10に対して制御信号を送信する。コントローラ20は、操作部25によって受け付けたユーザの操作に応じた制御信号をドローン10に送信する。
【0021】
<ドローン10及びコントローラ20のハードウェア構成>
図1には、ドローン10及びコントローラ20のハードウェア構成も例示されている。図1を参照して、ドローン10及びコントローラ20のハードウェア構成について説明する。
【0022】
<ドローン10のハードウェア構成>
ドローン10は、制御部11、記憶部12、受信部13、スキャン部14、送信部15及び駆動部16を備える。記憶部12、受信部13、スキャン部14、送信部15及び駆動部16の夫々は、接続バスによって制御部11に接続される。制御部11、記憶部12、受信部13、スキャン部14、送信部15及び駆動部16の夫々は、例えば、ドローン10の本体部101内に収容される。
【0023】
制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することで、受信部13、スキャン部14、送信部15及び駆動部16の制御を行う。制御部11は、例えば、Central Processing Unit(CPU)によって例示されるプロセッサである。制御部11は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサと集積回路との組み合わせとしては、System-on-a-chip(SoC)を挙げることができる。
【0024】
記憶部12は、制御部11から直接アクセスされる記憶部として例示される。記憶部12は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0025】
受信部13は、複数のチャネルを含む第1周波数帯のうちの第1チャネルを用いて制御信号を受信する。制御部11は、制御信号にしたがった処理を実行し、その実行結果を示す実行結果通知を送信部15に送信させる。なお、制御部11は、受信部13が使用するチャネルを他のチャネルに変更することが可能である。
【0026】
スキャン部14は、第1周波数帯に含まれる複数のチャネルの夫々について、使用状況をスキャンする。使用状況は、例えば、チャネルを使用している無線通信装置の多寡を示すものであってもよい。制御部11は、スキャン部14による使用状況のスキャン結果を後述する使用状況管理テーブル141に記憶させる。スキャン部14は、例えば、スペクトルアナライザである。
【0027】
図3は、実施形態におけるチャネルの使用状況管理テーブルの一例を示す図である。使用状況管理テーブル141は、「スキャン帯域」、「チャネル」、「混信レベル」、「優先順位」及び「受信部設定」の各項目を含む。使用状況管理テーブル141は、記憶部12に記憶される。
【0028】
項目「スキャン帯域」は、スキャン部14によるスキャンの対象となる周波数帯域を示す情報が格納される。図3の例では、項目「スキャン帯域」には、受信部13が使用しているチャネルが含まれる第1周波数帯を示す情報が格納される。
【0029】
項目「チャネル」には、スキャンの対象となるチャネルを示すチャネル番号が格納される。図3では、第1周波数帯に含まれる1から10までの10チャンネル夫々の状態が例示される。本明細書において、チャネル番号が「1」であるチャネルは第1チャネル、チャネル番号が「3」であるチャネルは第3チャネルとも称する。項目「混信レベル」では、混信の度合い(チャネルを使用する無線通信装置の多寡)を示す情報が格納される。図3では、混信の度合いを「1」から「10」までの10段階とし、「1」が混信の度合いが最も低く「10」が混信の度合いが最も高い状態を示す。制御部11は、スキャン部14のスキャン結果を基に、チャネル夫々の混信レベルを決定し、決定した混信レベルを項目「混信レベル」に格納する。
【0030】
項目「優先順位」には、予備チャネルとして特定する優先順位を示す情報が格納される。図3の例では、「1」が最も高い優先順位を示し、数字が大きくなる程優先順位が低くなる状態を示す。なお、項目「優先順位」において「使用中」との情報は、受信部13が現在使用しているチャネルを示す。制御部11は、項目「混信レベル」が低いチャネルほど高い優先順位が設定されるようにチャネル夫々の優先順位を決定し、決定した優先順位を項目「優先順位」に格納する。なお、項目「混信レベル」が同じチャネルが複数存在する場合、制御部11は、当該複数のチャネルの中でチャネル番号の若いチャネルほど高い優先順位となるようにしてもよい。
【0031】
項目「受信部設定」は、受信部13に設定されたチャネルを示す情報が格納される。図3では、チャネル1が受信部13に設定された状態が例示される。制御部11は、使用状況管理テーブル141が項目「受信部設定」を含むことで、ドローン10が複数の受信部13を備える場合でも、何れの受信部13が何れのチャネルを使用しているかを管理することが可能となる。
【0032】
制御部11は、使用状況管理テーブル141を参照して、受信部13が現在使用してい
るチャネルの通信状況が混信を示す混信条件を満たす場合に切り替える予備チャネルを特定する。混信条件は適宜決定されればよい。本実施形態では、例えば、混信レベルが「4」以上である場合に混信を示すものとする。制御部11は、例えば、項目「優先順位」に最も高い優先順位を示す情報が格納されたチャネルを予備チャネルとして特定すればよい。
【0033】
図1に戻り、送信部15は、受信部13によって受信された制御信号にしたがった処理の実行結果を示す実行結果通知をコントローラ20に送信する。また、送信部15は、制御部11によって特定された予備チャネルをコントローラ20に通知する。送信部15がコントローラ20への通知に用いるチャネルは、受信部13が使用しているチャネルであってもよいし、他のチャネルであってもよい。
【0034】
送信部15は、受信部13が使用しているチャネルを用いてコントローラ20への通知を行う場合、例えば、受信部13による無線通信と送信部15による無線通信とを時分割で行えばよい。
【0035】
なお、送信部15は、受信部13が使用しているチャネルとは異なるチャネルを用いてコントローラ20への通知を行う場合、受信部13による無線通信と送信部15による無線通信とを並行して行うことができる。すなわち、受信部13による無線通信と送信部15による無線通信とが時分割されなくともよい。そのため、送信部15と受信部13とが互いに異なるチャネルを用いる方が、ドローン10とコントローラ20との間の通信効率を高めることができる。ここで、受信部13が使用しているチャネルとは異なるチャネルとしては、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯から選択することが好ましい。
【0036】
制御部11は、受信部13が使用しているチャネルの通信品質を監視する。制御部11は、コントローラ20に予備チャネルが通知された後において、受信部13が使用しているチャネルの通信品質が所定の品質条件を満たすと、受信部13が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。所定の品質条件は、例えば、コントローラ20からの制御信号を受信部13が受信できなくなる通信品質を示す。また、所定の品質条件は、受信部13が使用しているチャネルにおける信号雑音比(Signal-Noise Ratio、SNR)が閾値以下となることであってもよい。また、所定の品質条件は、受信部13が使用しているチャネルにおける混信の発生であってもよい。
【0037】
駆動部16は、プロペラ103を駆動する。駆動部16は、例えば、プロペラ103に接続されたモーターである。制御部11は、受信部13が受信した制御信号にしたがって駆動部16を制御することでプロペラ103を駆動する。
【0038】
<コントローラ20のハードウェア構成>
コントローラ20は、制御部21、記憶部22、送信部23、受信部24及び操作部25を備える。記憶部22、送信部23、受信部24及び操作部25の夫々は、接続バスによって制御部21に接続される。
【0039】
制御部21は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することで、送信部23、受信部24及び操作部25の制御を行う。制御部21は、例えば、CPUによって例示されるプロセッサやSoCによって例示されるプロセッサと集積回路との組み合わせである。
【0040】
記憶部22は、制御部21から直接アクセスされる記憶部として例示される。記憶部22は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0041】
送信部23は、複数のチャネルを含む所定の周波数帯域のうちの第1チャネルを用いて制御信号を送信する。なお、制御部11は、送信部23が使用するチャネルを他のチャネルに変更することが可能である。
【0042】
受信部24は、ドローン10からの予備チャネルの通知を受信する。受信部24が使用するチャネルは、ドローン10の送信部15が使用するチャネルと同一のチャネルを使用する。制御部21は、予備チャネルを示す情報を記憶部22に記憶させる。また、受信部24は、ドローン10からの実行結果通知を受信する。
【0043】
操作部25は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部25は、例えば、レバー、ボタン、ダイヤル等のハードウェアキーを備え、ハードウェアキーを介してユーザからの操作を受け付けてもよい。また、操作部25は、例えば、タッチパネルを備え、タッチパネルを介してユーザからの操作を受け付けてもよい。制御部21は、操作部25によって受け付けられたユーザ操作に応じたコマンドを生成する。
【0044】
制御部21は、操作部25によって受け付けられたユーザからの操作に応じて、制御信号を送信部23に送信させる。制御信号は、例えば、ユーザからの操作に応じた処理をドローン10に実行させる命令を含む。
【0045】
制御部21は、例えば、制御信号を送信してから所定時間を経過しても実行結果通知をドローン10から受信しない場合、送信部23が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。送信部23は、ドローン10に対する制御信号を予備チャネルを用いて再送してもよい。
【0046】
<ドローンシステム1の処理フロー>
図4から図7は、実施形態に係るドローンシステムの処理フローの一例を示す図である。図4及び図5は、実施形態に係るコントローラの処理フローの一例を示す。図6及び図7は、実施形態に係るドローンの処理フローの一例を示す。まず、図4及び図5を参照して、コントローラ20の処理フローについて説明する。
【0047】
(コントローラ20の処理フロー)
T1では、コントローラ20の制御部21は、操作部25を介してユーザによる操作の開始を検知する。T2では、制御部21は、開始コマンドの送信を送信部23に指示する。送信部23は、第1チャネルを介してドローン10に開始コマンドを送信する。さらに、制御部21は、所定期間でタイムアップするように定期タイマを設定する。
【0048】
T3では、制御部21は、定期タイマがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップした場合(T3でYES)、処理はT4に進められる。タイムアップしていない場合(T3でNO)、処理はT8に進められる。
【0049】
T4では、制御部21は、開始コマンドまたは定期コマンドに対するドローン10からの応答を受信部24を介して受信したか否かを判定する。受信した場合(T4でYES)、処理はT5に進められる。受信していない場合(T4でNO)、処理はT7に進められる。
【0050】
T5では、制御部21は、T4でドローン10から応答を受信したことで、現在使用しているチャネル(例えば、第1チャネル)の使用を継続して良いと判定する。なお、制御部21は、受信した応答が予備チャネルの通知である場合には、通知された予備チャネルを記憶部22に記憶させる。
【0051】
T6では、制御部21は、前回送信した開始コマンドまたは定期コマンドから所定期間が経過したことにより、定期コマンドの送信を送信部23に指示する。送信部23は、第1チャネルを介してドローン10に開始コマンドを送信する。さらに、制御部21は、所定期間でタイムアップするように定期タイマを設定する。
【0052】
T7では、制御部21は、T3でタイムアウトしたにもかかわらずT4でドローン10からの応答を受信できていないことから、第1チャネルが混信していると判定する。そこで、制御部21は、送信部23が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。制御部21は、予備チャネルを介した前回のコマンド(例えば、T2で送信したコマンド)の再送信を送信部23に指示する。送信部23は、予備チャネルを介してドローン10に前回のコマンドを再送信する。なお、制御部21は、T5で予備チャネルが通知されていない場合には、予備チャネルへの切り替えを行わず、第1チャネルの使用を継続してもよい。
【0053】
T8では、制御部21は、操作部25によって受け付けられたユーザ操作に応じたコマンドが、ドローン10の制御を要求するコマンドであるか否かを判定する。制御を要求するコマンドである場合(T8でYES)、T9に進められる。制御を要求するコマンドではない場合(T8でNO)、処理はT11に進められる。
【0054】
T9では、制御部21は、操作部25によって受け付けられたユーザ操作に応じたコマンドの送信準備を行う。T10では、制御部21は、送信部23に対して、T9で送信準備したコマンドの送信を指示する。送信部23は、T9で送信準備されたコマンドをドローン10に対して送信する。
【0055】
T11では、制御部21は、T10で送信したコマンドに対する応答を受信したか否かを判定する。T10で送信したコマンドに対する応答を受信した場合(T11でYES)、処理はT12に進められる。T10で送信したコマンドに対する応答を受信しなかった場合(T11でNO)、処理はT3に進められる。
【0056】
T12では、制御部21は、ドローン10からの応答をT11で受信したことにより、T10で送信したコマンドの送信が正常に完了したと判定する。
【0057】
(ドローン10の処理フロー)
続いて、図6及び図7を参照して、ドローン10の処理フローについて説明する。J1では、ドローン10の制御部11は、コントローラ20からの開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信した場合(J1でYES)、制御部11は所定期間でタイムアップするように定期タイマを設定するとともに、処理をJ2に進める。受信しない場合(J1でNO)、処理はJ1に進められる。
【0058】
J2では、制御部11は、第1周波数帯に含まれる複数のチャネルの夫々について、使用状況のスキャンをスキャン部14に実行させる。制御部11は、スキャン部14による使用状況のスキャン結果を使用状況管理テーブル141に記憶させる。制御部11は、スキャン結果を使用状況管理テーブル141に記憶させたチャネルのうち、混信レベルの最も低いチャネルを予備チャネルに決定する。
【0059】
J3では、制御部11は、J1で受信した開始コマンドに対する応答を準備する。応答は、予備チャネルの通知を含む。送信部15は、制御部11が準備した応答を第1チャネルを介してコントローラ20に送信する。
【0060】
J4では、制御部11は、コントローラ20からの定期コマンドを定期的に受信できているか否かを判定する。受信できている場合(J4でYES)、処理はJ5に進められる
。定期的に受信できていない場合(J4でNO)、処理はJ6に進められる。
【0061】
J5では、スキャン部14は、第1周波数帯に含まれる複数のチャネルの夫々について、使用状況をスキャンし、そのスキャン結果を使用状況管理テーブル141に記憶させる。制御部11は、スキャン結果を使用状況管理テーブル141に記憶させたチャネルのうち、混信レベルの最も低いチャネルを予備チャネルに決定する。決定した予備チャネルが、前回のスキャン結果を基に決定した予備チャネルとは異なるチャネルである場合(J5でYES)、処理はJ7に進められる。決定した予備チャネルが前回のスキャン結果を基に決定した予備チャネルと同じチャネルである場合(J5でNO)、処理はJ8に進められる。
【0062】
J6では、制御部11は、受信部13が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。J7では、制御部11は、J5で決定した予備チャネルをコントローラ20に通知する通知コマンドを準備する。
【0063】
J8では、制御部11は、コントローラ20から制御コマンドを受信したか否かを判定する。制御コマンドを受信した場合(J8でYES)、処理はJ9に進められる。制御コマンドを受信していない場合(J8でNO)、処理はJ10に進められる。
【0064】
J9では、制御部11は、コントローラ20から受信した制御コマンドにしたがった制御を行う。制御部11は、例えば、制御コマンドにしたがってドローン10が備えるカメラで写真撮影を実行させる。
【0065】
J10では、送信部15は、J4で受信したコマンドに対する応答をコントローラ20に送信する。送信部15は、J5で予備チャネルが変更されている場合、変更された予備チャネル(J5で決定された予備チャネル)をコントローラ20に通知する。予備チャネルの通知は、コントローラ20に送信する応答に含まれてもよい。制御部11は、所定期間でタイムアップするように定期タイマを設定する。その後、処理はJ4に進められる。
【0066】
図8は、実施形態に係るドローンシステムの定期タイマ処理の一例を示す図である。ドローンシステム1では、上記の通り、定期タイマのタイムアウトを検知すると、使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。以下、図8を参照して、実施形態に係るドローンシステムの定期タイマ処理の一例について説明する。
【0067】
K1では、コントローラ20は、定期コマンドをドローン10に対して送信する。K2では、コントローラ20は、K1における定期コマンド送信を契機として定期タイマを開始する。
【0068】
D1では、ドローン10は、K1においてコントローラ20によって送信された定期コマンドを受信する。D2では、ドローン10は、定期コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。D3では、ドローン10は、D2における応答送信を契機として定期タイマを開始する。
【0069】
K3では、コントローラ20は、K1で送信した定期コマンドに対する応答をドローン10から受信したことにより、定期タイマをリセットする。K4では、コントローラ20は、制御コマンドをドローン10に対して送信する。
【0070】
D4では、ドローン10は、K4においてコントローラ20によって送信された制御コマンドを受信する。ドローン10では、受信した制御コマンドにしたがった制御が行われる。D5では、ドローン10は、D4において受信した制御コマンドに対する応答をコン
トローラ20に対して送信する。
【0071】
K5では、コントローラ20は、K4で送信した制御コマンドに対する応答をドローン10から受信する。K6では、コントローラ20は、K1における定期コマンド送信から所定期間が経過したことから、定期コマンドをドローン10に対して送信する。K7では、コントローラ20は、K6における定期コマンド送信を契機として定期タイマを開始する。K8では、コントローラ20は、制御コマンドをドローン10に対して送信する。図8に例示するように、K6で送信された定期コマンド及びK8で送信された制御コマンドはドローン10に到達しない。
【0072】
K9では、コントローラ20は、K7で定期タイマを設定してから所定期間が経過したことにより、定期タイマのタイムアウトを検知する。K10では、コントローラ20は、定期タイマに対するドローン10からの応答を定期タイマのタイムアウトまでに受信しなかったことから、送信部23が使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。
【0073】
D6では、ドローン10は、D3で定期タイマを設定してから所定期間が経過したことにより、定期タイマのタイムアウトを検知する。D7では、ドローン10は、D3で設定した定期タイマのタイムアウトまでに定期コマンドをコントローラ20から受信できなかったことから、受信部13が使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。
【0074】
K11では、コントローラ20は、K6における定期コマンド送信から所定期間が経過したことから、予備チャネルを用いて定期コマンドをドローン10に対して送信する。K12では、コントローラ20は、K11における定期コマンド送信を契機として定期タイマを開始する。
【0075】
D8では、ドローン10は、K11においてコントローラ20によって送信された定期コマンドを受信する。D9では、ドローン10は、D8で受信した定期コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。D10では、ドローン10は、D9における応答送信を契機として定期タイマを開始する。
【0076】
K13では、コントローラ20は、K11で送信した定期コマンドに対する応答をドローン10から受信したことにより、定期タイマをリセットする。K14では、コントローラ20は、K11における定期コマンド送信から所定期間が経過したことから、定期コマンドをドローン10に対して送信する。K15では、コントローラ20は、K14における定期コマンド送信を契機として定期タイマを開始する。
【0077】
D11では、ドローン10は、K14においてコントローラ20によって送信された定期コマンドを受信する。D12では、D11における定期コマンド受信を契機として定期タイマをリセットする。D13では、ドローン10は、D11で受信した定期コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。
【0078】
K16では、コントローラ20は、K14で送信した定期コマンドに対する応答をドローン10から受信したことにより、定期タイマをリセットする。
【0079】
<実施形態の作用効果>
実施形態では、ドローン10は、第1周波数帯に含まれる複数のチャネルの夫々について使用状況をスキャンし、他のチャネルよりも混信レベルが低いチャネルを予備チャネルとして決定する。ドローン10は、決定した予備チャネルをコントローラ20に通知する
。そして、ドローン10及びコントローラ20は、定期タイマがタイムアップすると第1チャネルが混信していると判定し、通信に使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。そのため、本実施形態によれば、第1チャネルにおいて混信が発生しても、予備チャネルによってドローン10とコントローラ20との間の通信を継続することができる。
【0080】
実施形態では、ドローン10がチャネルのスキャンを実行し、スキャン結果を基に予備チャネルを決定する。そのため、予備チャネルには、スキャンを行った時点におけるドローン10の位置に好適なチャネルが選択される。例えば、ドローン10の通信状況は、ドローン10の高度が高くなるにつれて、ユーザによって保持されることで地上付近に存在するコントローラ20とは異なることが考えられる。例えば、ドローン10の高度が高くなることでドローン10が無線通信可能な範囲が広がり、ひいては第1チャネルを使用する無線通信装置が当該範囲内に多数存在する場合が考えられる。このような場合、第1チャネルにおいて混信が発生する可能性が高まり、ひいては無線通信が切断される虞がある。本実施形態によれば、移動するドローン10の現在位置における通信状況に応じて予備チャネルが決定されることにより、ドローン10とコントローラ20との間の通信を維持しやすくなる。
【0081】
<第1変形例>
実施形態では、一定間隔で送信される定期コマンドを契機に開始される定期タイマを用いて、ドローン10とコントローラ20との間の通信状況を判定した。第1変形例では、制御コマンドの送信を契機に開始される定期タイマを用いて、ドローン10とコントローラ20との間の通信状況を判定する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、図面を参照して、第1変形例について説明する。
【0082】
図9は、第1変形例におけるコントローラの処理フローの一例を示す図である。以下、図9を参照して、第1変形例におけるコントローラ20の処理フローの一例について説明する。
【0083】
B1では、コントローラ20の制御部21は、開始コマンドの送信を送信部23に指示する。送信部23は、第1チャネルを介してドローン10に開始コマンドを送信する。さらに、制御部21は、開始コマンドの送信を契機として所定期間でタイムアップするタイマを設定する。
【0084】
B2では、制御部21は、開始コマンドや制御コマンドに対する応答をドローン10から受信したか否かを判定する。受信した場合(B2でYES)、処理はB6に進められる。受信していない場合(B2でNO)、処理はB3に進められる。
【0085】
B3では、制御部21は、開始コマンドや制御コマンドの送信を契機として設定されたタイマがタイムアウトしたか否かを判定する。タイムアウトした場合(B3でYES)、処理はB8に進められる。タイムアウトしていない場合(B3でNO)、処理はB4に進められる。
【0086】
B4では、制御部21は、操作部25に対する操作等によって生じる新規の制御コマンドの有無を判定する。新規の制御コマンドがある場合(B4でYES)、処理はB5に進められる。新規の制御コマンドが無い場合(B4でNO)、処理はB2に進められる。なお、制御部21は、所定のコマンド送信間隔以上コマンドの送信が無い場合、ドローン10に対してビーコンを送信してもよい。
【0087】
B5では、制御部21は、操作部25に対する操作等に応じた制御コマンドを生成する
。制御部21は、生成した制御コマンドの送信を送信部23に指示する。送信部23は、ドローン10に制御コマンドを送信する。制御部21は、制御コマンド送信を契機として、所定期間でタイムアップするタイマを設定する。
【0088】
B6では、制御部21は、ドローン10から応答を受信したことを契機として、タイマをリセットする。B7では、制御部21は、B2で受信した応答に応じた処理を実行する。制御部21は、例えば、ドローン10から予備チャネルの通知を受信した場合、記憶部22に予備チャネルを記憶させてもよい。
【0089】
B8では、制御部21は、タイマがタイムアウトしたことにより、第1チャネルが混信していると判定する。そこで、制御部21は、送信部23が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。制御部21は、予備チャネルを介した前回のコマンド(例えば、B5で送信したコマンド)の再送信を送信部23に指示する。送信部23は、予備チャネルを介してドローン10に前回のコマンドを再送信する。
【0090】
図10は、第1変形例におけるドローンの処理フローの一例を示す図である。以下、図10を参照して、第1変形例におけるドローン10の処理フローの一例について説明する。
【0091】
C1では、ドローン10の制御部11は、コントローラ20からコマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信した場合(C1でYES)、処理はC2に進められる。コマンドを受信していない場合(C1でNO)、処理はC4に進められる。
【0092】
C2では、制御部11は、C1で受信したコマンドに応じた処理を実行するとともに、所定のコマンド受信間隔でタイムアップするタイマを設定する。なお、所定のコマンド受信間隔は、コントローラ20が設定する所定のコマンド送信間隔と一致する長さである。
【0093】
C3では、制御部11は、C2で実行した処理の結果の送信を送信部15に指示する。送信部15は、C2で実行された処理の結果をコントローラ20に送信する。なお、C5で予備チャネルに切り替えられた場合、送信部15が送信する処理の結果に予備チャネルに切り替えた旨の通知を含めてもよい。
【0094】
C4では、制御部11は、J1やC2で設定したタイマがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップした場合(C4でYES)、処理はC5に進められる。タイムアップしていない場合(C4でNO)、処理はC1に進められる。
【0095】
C5では、制御部11は、受信部13が使用するチャネルを予備チャネルに切り替える。
【0096】
図11は、第1変形例におけるドローンシステムのタイマ処理の一例を示す図である。第1変形例では、上記の通り、ドローン10ではコマンドの受信を契機としてタイマが設定され、コントローラ20ではコマンドの送信を契機としてタイマが設定される。ドローン10及びコントローラ20は、タイムアウトを検知すると、使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。以下、図11を参照して、第1変形例におけるドローンシステムのタイマ処理の一例について説明する。
【0097】
P1では、コントローラ20は、制御コマンドをドローン10に対して送信する。P2では、コントローラ20は、P1における制御コマンド送信を契機としてタイマを開始する。
【0098】
R1では、ドローン10は、P1においてコントローラ20によって送信された制御コマンドを受信する。R2では、ドローン10は、制御コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。R3では、ドローン10は、R2における応答送信を契機としてタイマを開始する。
【0099】
P3では、コントローラ20は、P1で送信した制御コマンドに対する応答をドローン10から受信したことにより、タイマをリセットする。P4では、コントローラ20は、制御コマンドをドローン10に対して送信する。P5では、コントローラ20は、P4における制御コマンド送信を契機としてタイマを開始する。
【0100】
R4では、ドローン10は、P4においてコントローラ20によって送信された制御コマンドを受信する。R5では、ドローン10は、R3で開始したタイマがタイムアップする前に制御コマンドを受信したことにより、タイマをリセットする。R6では、ドローン10は、R4で受信した制御コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。R7では、ドローン10は、R6における応答送信を契機としてタイマを開始する。
【0101】
P6では、コントローラ20は、P4で送信した制御コマンドに対する応答をドローン10から受信したことにより、タイマをリセットする。P7では、コントローラ20は、制御コマンドをドローン10に対して送信する。P8では、コントローラ20は、P7における制御コマンド送信を契機としてタイマを開始する。図11に例示するように、P7で送信された制御コマンドはドローン10に到達しない。
【0102】
R8では、ドローン10は、R7でタイマを設定してから所定期間が経過したことにより、タイマのタイムアウトを検知する。R9では、ドローン10は、R7で設定したタイマのタイムアウトまでに制御コマンドをコントローラ20から受信できなかったことから、受信部13が使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。
【0103】
P9では、コントローラ20は、P8でタイマを設定してから所定期間が経過したことにより、タイマのタイムアウトを検知する。P10では、コントローラ20は、P8で設定したタイマのタイムアウトまでに制御コマンドに対する応答をドローン10から受信できなかったことから、送信部23が使用するチャネルを第1チャネルから予備チャネルに切り替える。
【0104】
P11では、コントローラ20は、予備チャネルを介してドローン10にP7で送信したコマンドを再送信する。P12では、コントローラ20は、P11における制御コマンド送信を契機としてタイマを開始する。
【0105】
R10では、ドローン10は、P11においてコントローラ20によって送信された制御コマンドを受信する。R11では、ドローン10は、R10で開始したタイマがタイムアップする前に制御コマンドを受信したことにより、タイマをリセットする。R12では、ドローン10は、R10で受信した制御コマンドに対する応答をコントローラ20に対して送信する。R13では、ドローン10は、R12における応答送信を契機としてタイマを開始する。
【0106】
第1変形例では、定期コマンドに代えて、制御コマンドの送受信を契機としてタイマを制御した。第1変形例によっても、タイマのタイムアップに応じて予備チャネルに切り替えることで、第1チャネルに混信が生じてもドローン10とコントローラ20との間の通信を継続することができる。
【0107】
<第2変形例>
以上説明した実施形態及び第1変形例では、ドローン10はひとつの受信部13を備えるが、ドローン10は複数の受信部を備えてもよい。第2変形例では、2つの受信部を備えたドローン10について説明する。
【0108】
図12は、第2変形例に係るドローンシステムの一例を示す図である。図12に例示されるドローンシステム1aは、ドローン10aを備える点で実施形態に係るドローンシステム1とは異なる。ドローン10aは、受信部13に加えて、第2受信部13aを備える点で、ドローン10とは異なる。そして、ドローン10aでは、制御部11がスイッチSW1を切り替えることで、制御部11に接続させる受信部を受信部13と第2受信部13aとの間で切り替え可能となっている。制御部11は、例えば、受信部13が使用するチャネルを第1チャネルとし、第2受信部13aが使用するチャネルを予備チャネルとすることができる。
【0109】
そして、ドローン10aは、第2受信部13aに予め予備チャネルが設定されていることにより、スイッチSW1によって、制御部11に接続させる受信部を受信部13から第2受信部13aに切り替えることで予備チャネルに切り替えることができる。スイッチSW1の切り替えという機械的な操作で予備チャネルに切り替えることができるため、ドローン10aはドローン10よりも短時間で予備チャネルへの切り替えを実行することができる。
【0110】
さらに、ドローン10aは、受信部13では第1チャネルを用いた受信部13による通信と、予備チャネルを用いた第2受信部13aによる通信を並行して行うことで、ドローン10aとコントローラ20との間の通信パスを冗長化してもよい。通信パスが冗長化されることで、一方の通信パスの通信品質が低下した場合でも他方の通信パスによってドローン10aとコントローラ20との間の通信を維持することが可能となる。
【0111】
<その他の変形>
ドローン10の送信部15とコントローラ20の受信部24との間の通信に用いるチャネルは、ドローン10の受信部13とコントローラ20の送信部23との間の通信に用いるチャネルとは異なるチャネルとしてもよい。そして、ドローン10は、コントローラ20からの定期コマンドや制御コマンドをタイマのタイムアップまでに受信できなかった場合、受信部13が使用するチャネルを予備チャネルに切り替えるとともに、その旨を送信部15からコントローラ20の受信部24に向けて通知してもよい。そして、コントローラ20は、ドローン10から通知を受信したことを契機として、送信部23が使用するチャネルを予備チャネルに切り替えてもよい。
【0112】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0113】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0114】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-Re
Writerable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0115】
1、1a:ドローンシステム
10、10a:ドローン
101:本体部
102:脚部
103:プロペラ
11:制御部
12:記憶部
13、13a:受信部
14:スキャン部
141:使用状況管理テーブル
15:送信部
16:駆動部
20:コントローラ
21:制御部
22:記憶部
23:送信部
24:受信部
25:操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12