IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナノテムの特許一覧

<>
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図1
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図2
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図3
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図4
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図5
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図6
  • 特開-草刈用回転刃及びその製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076182
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】草刈用回転刃及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/73 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
A01D34/73 101
A01D34/73 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186480
(22)【出願日】2020-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】398046921
【氏名又は名称】株式会社ナノテム
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 篤
(72)【発明者】
【氏名】大橋 恭介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大地
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大和
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083CA03
2B083CA04
2B083CA07
2B083CA13
2B083CA27
2B083HA52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小石等の異物が周囲に飛散することを抑制できる草刈用回転刃及びその製造方法を提供する。
【解決手段】草刈用回転刃10は、円板状に形成される台座と、台座の外周側に固定され、台座の回転方向Cに沿って波板状に形成され、台座の径方向外側に位置する端部にて草を切断する第1波板部21と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状に形成される台座と、
前記台座の外周側に固定され、前記台座の回転方向に沿って波板状に形成され、前記台座の径方向外側に位置する端部にて草を切断する第1波板部と、を備える、
草刈用回転刃。
【請求項2】
前記台座の外周側に固定され、前記回転方向に沿って前記第1波板部と並列に波板状に形成され、前記台座の径方向外側に位置する端部にて草を切断する第2波板部を備える、
請求項1に記載の草刈用回転刃。
【請求項3】
前記第1波板部と前記第2波板部は、それぞれ矩形波部を備え、
前記草刈用回転刃は、前記第1波板部の前記矩形波部と前記第2波板部の前記矩形波部を互いに対向させることにより形成される筒状部を備える、
請求項2に記載の草刈用回転刃。
【請求項4】
前記台座は、前記台座の外周面に形成され、前記筒状部が嵌まる凸部を備える、
請求項3に記載の草刈用回転刃。
【請求項5】
前記第1波板部は、
前記回転方向に沿う平板状で形成される第1平板部と、
前記回転方向に沿う平板状で形成され、前記回転方向に交わる方向及び前記回転方向において前記第1平板部と異なる位置に設けられる第2平板部と、
前記回転方向に交わる方向に延び、前記第1平板部と前記第2平板部の間を接続する接続部と、を備える、
請求項1から4の何れか1項に記載の草刈用回転刃。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の草刈用回転刃の製造方法であって、
前記第1波板部を前記台座にTig溶接、スポット溶接又はレーザー溶接により固定する工程を含む、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈用回転刃及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の刈払刃は、円盤状基板の外周端縁部に同一ピッチで形成された突出状の歯部と、円盤状基板の外周端縁部に沿って配設され、歯部にロウ付けされている超硬チップ刃を備える。超硬チップ刃の刃先は、刈払刃の回転方向を向き、隣り合う2つの歯部の間の凹状のポケットに入り込む草を切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-19610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の刈払刃では、ポケットに小石等の異物が引っ掛かって刈払刃の回転力により小石等の異物が周囲に飛散するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、小石等の異物が周囲に飛散することを抑制できる草刈用回転刃及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る草刈用回転刃は、円板状に形成される台座と、前記台座の外周側に固定され、前記台座の回転方向に沿って波板状に形成され、前記台座の径方向外側に位置する端部にて草を切断する第1波板部と、を備える。
【0007】
また、前記草刈用回転刃は、前記台座の外周側に固定され、前記回転方向に沿って前記第1波板部と並列に波板状に形成され、前記台座の径方向外側に位置する端部にて草を切断する第2波板部を備える、ようにしてもよい。
【0008】
また、前記第1波板部と前記第2波板部は、それぞれ矩形波部を備え、前記草刈用回転刃は、前記第1波板部の前記矩形波部と前記第2波板部の前記矩形波部を互いに対向させることにより形成される筒状部を備える、ようにしてもよい。
【0009】
また、前記台座は、前記台座の外周面に形成され、前記筒状部が嵌まる凸部を備える、ようにしてもよい。
【0010】
また、前記第1波板部は、前記回転方向に沿う平板状で形成される第1平板部と、前記回転方向に沿う平板状で形成され、前記回転方向に交わる方向及び前記回転方向において前記第1平板部と異なる位置に設けられる第2平板部と、前記回転方向に交わる方向に延び、前記第1平板部と前記第2平板部の間を接続する接続部と、を備える、ようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る前記草刈用回転刃の製造方法は、前記第1波板部を前記台座にTig溶接、スポット溶接又はレーザー溶接により固定する工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、草刈用回転刃及びその製造方法において、小石等の異物が周囲に飛散することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る草刈用回転刃の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る草刈用回転刃の一部を拡大した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る台座の一部を拡大した斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る(a)は図2のA-A線断面図であり、(b)は(a)のB-B線断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る図4(a)のD-D線断面図である。
図6】本発明の変形例に係る草刈用回転刃の一部を拡大した斜視図である。
図7】本発明の変形例に係る草刈用回転刃の一部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る草刈用回転刃及びその製造方法について図面を参照して説明する。
図1に示すように、草刈用回転刃10は、回転軸Oを中心に回転方向Cに沿って回転し、草刈用回転刃10の外周面にて草等を切断する。回転軸Oは、円板状の草刈用回転刃10の中心に草刈用回転刃10の厚さ方向に沿って延びる。
【0015】
図1に示すように、草刈用回転刃10は、台座11と、台座11に固定される切断部20と、を備える。
台座11は金属製の円板状に形成されている。
図3に示すように、台座11は、台座11の外周面に位置し、切断部20を位置決めする複数の凸部12を備える。凸部12は、台座11の外周面に回転方向Cに沿って並べられている。凸部12は、それぞれ、回転方向Cに沿って延びる矩形柱状に形成されている。本例では、複数の凸部12のうち隣り合う2つの凸部12a,12bには、図2に示すように、1つの切断部20が装着されている。
【0016】
図2及び図4(a)に示すように、切断部20は、凸部12a,12bに嵌まり、草刈用回転刃10の径方向外側(図4(b)の上側)に位置する端部にて草Gを切断する。本例では、切断部20は、凸部12aに嵌まる筒状部23と、凸部12bに嵌まる筒状部24と、を備える。筒状部23と筒状部24は、回転方向Cに並び互いに連結されている。
【0017】
詳しくは、図4(a),(b)に示すように、切断部20は、第1波板部21と、第2波板部22と、接着部25a,25b,25c,26と、を備える。
第1波板部21と第2波板部22は、回転方向Cに沿って延びる矩形波板状をなす。本例では、第1波板部21と第2波板部22は、それぞれ2周期分の台形波板状をなす。第1波板部21と第2波板部22は、それぞれの台形波部が回転方向Cに直交する方向、すなわち回転軸O(図1参照)に沿う方向に互いに対向するように配置されている。第1波板部21と第2波板部22の板厚は、例えば、0.1μm~500μmに設定される。
【0018】
図4(a)に示すように、第1波板部21は、第1平板部21a,21b,21cと、第2平板部21d,21eと、接続部21f,21g,21h,21iと、を備える。
図4(b)に示すように、第1平板部21a,21b,21cは、回転方向Cの接線方向Eに沿って延びる長方形板状をなす。第1平板部21a,21b,21cは、接線方向Eに沿って並べられる。
第2平板部21d,21eは、接線方向Eに沿って延びる長方形板状をなす。図4(a)に示すように、第2平板部21d,21eは、第1平板部21a,21b,21cとは回転方向C及び回転方向Cに直交する方向に異なる位置に設けられる。
接続部21f,21g,21h,21iは、第1平板部21a,21b,21cと第2平板部21d,21eの間を接続するように設けられ、回転方向Cに交わる方向に延びる。接続部21fは、回転方向Cにおいて第1平板部21aと第2平板部21dの互いに近くに位置する端部同士を接続する。接続部21gは、回転方向Cにおいて第2平板部21dと第1平板部21bの互いに近くに位置する端部同士を接続する。接続部21hは、回転方向Cにおいて第2平板部21eと第1平板部21bの互いに近くに位置する端部同士を接続する。接続部21iは、回転方向Cにおいて第2平板部21eと第1平板部21cの互いに近くに位置する端部同士を接続する。
【0019】
図4(a)に示すように、第2波板部22は、第1波板部21と同様に、第1平板部22a,22b,22cと、第2平板部22d,22eと、接続部22f,22g,22h,22iと、を備える。
第2波板部22は、回転方向Cに直交する方向において第1波板部21に対して対称となるように設けられる。
第1波板部21の第1平板部21aと第2波板部22の第1平板部22aは互いに対面し接着部25aを介して接着されている。第1波板部21の第1平板部21bと第2波板部22の第1平板部22bは互いに対面し接着部25bを介して接着されている。第1波板部21の第1平板部21cと第2波板部22の第1平板部22cは互いに対面し接着部25cを介して接着されている。接着部25a,25b,25cは、エポキシ樹脂又は銀ロウ等の接着剤からなる。
【0020】
図4(a)に示すように、筒状部23は、接続部21f,21g,22f,22g及び第2平板部21d,22dにより構成され、凸部12aが嵌まる空洞部HLを有する。筒状部23は、それぞれの内角が120°となる6角形筒状をなす。第2平板部21d,22dに対応する辺の長さは、接続部21f,21g,22f,22gに対応する辺の長さよりも長く設定されている。筒状部23は、回転方向Cに長い6角形筒状をなす。第2平板部21d,22dは、凸部12aを回転方向Cに直交する方向から挟み込む。
【0021】
図4(a)に示すように、筒状部24は、接続部21h,21i,22h,22i及び第2平板部21e,22eにより構成され、凸部12bが嵌まる空洞部HLを有する。筒状部24は、筒状部23と同様の形状をなす。
図4(b)に示すように、接着部26は、台座11の外周の側面と第1波板部21と第2波板部22の下端部の間に設けられ、第1波板部21と第2波板部22を台座11の外周の側面に固定する。接着部26は、エポキシ樹脂又は銀ロウ等の接着剤からなる。
また、第1波板部21及び第2波板部22は、台座11に、例えば、Tig(Tungsten Inert Gas)溶接、スポット溶接又はレーザー溶接により固定されてもよい。
【0022】
図5に示すように、第1波板部21と第2波板部22は、それぞれ、草G等を切断するための複数の砥粒15と、複数の砥粒15を結合する結合材16と、を備える。複数の砥粒15は、結合材16内に分布している。複数の砥粒15は、草刈用回転刃10の径方向(図5の上下方向)に1列に並べられている。これにより、第1波板部21と第2波板部22を薄くすることができ、草刈用回転刃10の切れ味を向上させることができる。
砥粒15は、例えば、ダイヤモンドである。なお、砥粒15は、ダイヤモンドに限らず、立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒であってもよいし、CBN砥粒とダイヤモンドを混合させてもよい。さらには、複数の砥粒15は、炭化ケイ素(SiC)、又は溶融アルミナ(Al)、若しくはこれらを混合したものであってもよい。結合材16は、内部に複数の砥粒15を保持する。結合材16は、ニッケル、鉄、アルミニウム等の金属、アルミニウム合金・青銅(ブロンズ)等の合金、又はセラミック等により形成される。
結合材16の先端面16sに露出する砥粒15により草Gが切断される。この砥粒15が摩耗すると結合材16から脱落して、新たな砥粒15が結合材16の先端面16sに露出する。よって、第1波板部21と第2波板部22のそれぞれの先端部が摩耗した場合でも、草刈用回転刃10の切れ味が維持される。
【0023】
図4(a),(b)に示すように、空洞部HLは小石が進入しない程度の大きさに形成される。例えば、空洞部HLにおける第2平板部21dと第2平板部22dの間の距離は、20μm~5mmの範囲に設定される。好ましくは、この距離は、20μm~1mmの範囲に設定される。一例として、この距離は、約20μm、約0.4mm、約0.8mm、又は約1.0mmに設定される。
図2に示すように、隣り合う2つの切断部20の隙間Skは、小石が進入しない程度の大きさに形成される。例えば、この隙間は、20μm~5mmの範囲に設定される。小石は、粒径2mm以上の岩石の破片を指し、粒径256mm以上を巨礫、粒径64mm~256mmを大礫、粒径4mm~64mmを中礫、粒径2mm~4mmを細礫という。
【0024】
次に、草刈用回転刃10の使用方法について説明する。
草刈用回転刃10は、図示しない草刈り機に装着された状態で、回転軸Oを中心に回転方向Cに回転させられる。草刈用回転刃10が回転した状態で、草刈用回転刃10の第1波板部21と第2波板部22の端部が草Gに接触する。第1平板部21a,21b,21c,22a,22b,22cと第2平板部21d,21e,22d,22eはそれぞれ回転方向Cにおいて周期的に交互に草Gに接触する。このため、鋸歯と同様に作用することから、切断部20の草Gに対する接触圧が高まり、草Gの切断が容易となる。また、第1平板部21a,21b,21c,22a,22b,22cと第2平板部21d,21e,22d,22eが回転方向Cにおいて異なる位置に設けられているため、複数箇所で草Gに接触して草Gを切断することができる。例えば、草刈用回転刃10が接触する草Gの複数箇所のうち草Gの切断が容易な箇所が切断される。このため、草Gの切断が容易となる。
次に、草刈用回転刃10の製造方法について説明する。この製造作業は、人又は作業ロボット、若しくは人と作業ロボットの協働により行われる。
まず、第1波板部21と第2波板部22を接着部25a,25b,25cにより接着することによりチップ状の切断部20が製造される。そして、切断部20の筒状部23,24が台座11の凸部12a,12bに嵌め込まれる。次に、切断部20は、Tig溶接、スポット溶接、レーザー溶接又はロウ付けにより台座11に固定される。台座11の全ての凸部12に切断部20が嵌め込まれて固定されることにより、草刈用回転刃10の製造が完了する。
【0025】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)草刈用回転刃10は、円板状に形成される台座11と、台座11の外周側に固定され、台座11の回転方向Cに沿って波板状に形成され、台座11の径方向外側に位置する端部にて草Gを切断する第1波板部21と、を備える。
この構成によれば、草刈用回転刃10の草Gを切断する部位が草刈用回転刃10の径方向外側を向くため、上記特許文献1に記載の刈払刃と異なりポケットを形成せずに済む。このため、草刈用回転刃10では、小石等の異物が周囲に飛散することを抑制できる。
また、第1波板部21は、台座11の回転方向Cに沿って波板状に形成されるため、草刈用回転刃10の回転中に草Gの複数箇所に周期的に接触する。このため、草Gの切断が容易となる。
【0026】
(2)草刈用回転刃10は、台座11の外周側に固定され、台座11の回転方向Cに沿って第1波板部21と並列に波板状に形成され、台座11の径方向外側に位置する端部にて草Gを切断する第2波板部22を備える。
この構成によれば、第1波板部21と第2波板部22が並列に設けられるため、草Gの接触箇所の数を増やすことができ、草Gの切断が容易となる。
【0027】
(3)第1波板部21は、第2平板部21dと接続部21f,21gからなる矩形波部を備える。第2波板部22は、第2平板部22dと接続部22f,22gからなる矩形波部を備える。草刈用回転刃10は、第1波板部21の矩形波部と第2波板部22の矩形波部を互いに対向させることにより形成される筒状部23を備える。
この構成によれば、草刈用回転刃10は筒状部23を有するため、草刈用回転刃10の強度を高めることができる。
【0028】
(4)台座11は、台座11の外周面に形成され、筒状部23が嵌まる凸部12aを備える。
この構成によれば、筒状部23が凸部12aに嵌まることにより、第1波板部21と第2波板部22が台座11に位置決めされる。
【0029】
(5)第1波板部21は、回転方向Cに沿う平板状で形成される第1平板部21a,21b,21cと、回転方向Cに沿う平板状で形成され、回転方向Cに交わる方向及び回転方向Cにおいて第1平板部21a,21b,21cと異なる位置に設けられる第2平板部21d,21eと、回転方向Cに交わる方向に延び、第1平板部21a,21b,21cと第2平板部21d,21eの間を接続する接続部21f,21g,21h,21iと、を備える。
この構成によれば、第1平板部21a,21b,21cと第2平板部21d,21eは、それぞれ異なる位置で草Gを切断することができる。
【0030】
(6)草刈用回転刃10の製造方法は、第1波板部21を台座11にTig溶接、スポット溶接又はレーザー溶接により固定する工程を含む。
この構成によれば、第1波板部21を台座11に低エネルギーで接合することが可能となる。
また、第1波板部21及び第2波板部22からなるチップ状の切断部20を台座11にTig溶接、スポット溶接又はレーザー溶接により固定してもよい。
【0031】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0032】
(変形例)
上記実施形態においては、1つの切断部20は、2つの筒状部23,24を有していたが、これに限らず、1つ又は3つ以上の筒状部を有していてもよい。
【0033】
上記実施形態においては、第1波板部21と第2波板部22は、それぞれ、複数の砥粒15を備えていたが、複数の砥粒15が省略されてもよい。この場合、第1波板部21と第2波板部22は先端が鋭利となる超硬合金等の金属により形成されてもよい。
【0034】
上記実施形態においては、第1波板部21と第2波板部22は、2周期分の矩形波板状をなしていたが、これに限らず、それぞれ1周期分の矩形波板状をなしていてもよいし、3周期以上分の矩形波板状をなしていてもよい。
また、上記実施形態においては、第1波板部21の矩形波部と第2波板部22の矩形波部は互いに対向するように設けられていたが、これに限らず、第1波板部21の矩形波部と第2波板部22の矩形波部が互いに対向しないように設けられていてもよい。言い換えると、第1波板部21と第2波板部22の位相がずれるように設けられてもよい。これにより、空洞部HLのサイズが小さくなる。
【0035】
上記実施形態においては、草刈用回転刃10は、回転軸Oに沿って並ぶ第1波板部21と第2波板部22を備えていたが、第1波板部21と第2波板部22の何れか一方が省略されてもよい。例えば、図7に示すように、第2波板部22が省略されて、第1波板部21のみから切断部20が構成されてもよい。
また、草刈用回転刃10は回転軸Oに沿って並ぶ3つ以上の波板部を備えていてもよい。
【0036】
上記実施形態においては、複数の切断部20は、草刈用回転刃10の外周全域に沿って隙間Skを持って並べられていた。しかしながら、これに限らず、図6に示すように、1つの第1波板部21と1つの第2波板部22は、それぞれ、草刈用回転刃10の外周の全域に沿ってリング状に形成されてもよい。
【0037】
上記実施形態においては、筒状部23,24は、それぞれ、6角形筒状をなしていたが、これに限らず、五角以下又は七角以上の多角形筒状であってもよいし、楕円を含む円筒状をなしていてもよい。
上記実施形態における台座11の凸部12a,12bは省略されてもよい。
【0038】
上記実施形態においては、第1波板部21と第2波板部22は、接着部25a,25b,25cを介して接着されていたが、これに限らず、互いに離れた位置に設けられていてもよい。
【0039】
上記実施形態における接着部25a,25b,25c内には、草Gを切断するCBN砥粒又はダイヤモンド等の砥粒が分布していてもよい。これにより、草刈用回転刃10の切れ味を向上させることができる。この砥粒の平均粒径は、砥粒15の平均粒径と同等であってもよいし、砥粒15の平均粒径よりも小さく設定されてもよい。
【0040】
上記実施形態においては、複数の砥粒15は、結合材16内で草刈用回転刃10の径方向に1列に並べられていたが、これに限らず、2列以上で並べられていてもよいし、結合材16内でランダムに分布していてもよい。
また、台座11と第1波板部21及び第2波板部22は一体形成されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…草刈用回転刃、11…台座、12,12a,12b…凸部、15…砥粒、16…結合材、16s…先端面、20…切断部、21…第1波板部、21a,21b,21c,22a,22b,22c…第1平板部、21d,21e,22d,22e…第2平板部、21f,21g,21h,21i,22f,22g,22h,22i…接続部、22…第2波板部、23,24…筒状部、25a,25b,25c,26…接着部、C…回転方向、E…接線方向、G…草、O…回転軸、HL…空洞部、Sk…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7