(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076225
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】木製食器
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
A47G19/00 A
A47G19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186547
(22)【出願日】2020-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】513125304
【氏名又は名称】仲吉商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】屋田 高路
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA11
3B001BB02
3B001BB10
3B001CC36
3B001DB20
(57)【要約】
【課題】幼児、高齢者、手の不自由な人でも、取っ手を手に握ることにより、片手で保持しやすく、耐久性のある木製食器を提供すること。
【解決手段】食品を収容する略水平な面からなる底面及び前記底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部を形成した器本体と、
前記器本体の一端から突出し、横幅は中央部分が狭く前記器本体と対向する端にいくほど広く先端が円形状となっている柄部と、を備え、前記器本体の内壁は、上端近傍に突出部を有すると共に、前記器本体の内壁と前記器本体の底面とが接する部分はティースプーンの先端形状に沿ったカーブを有していることを特徴とする木製食器を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収容する略平らな面からなる底面及び前記底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部を形成した器本体と、
前記器本体の一端から突出し、横幅は中央部分が狭く、前記器本体と接する側とは反対の端にいくほど広くなり、先端が円形状となっている柄部と、を備えたことを特徴とする木製食器。
【請求項2】
食品を収容する略水平な面からなる底面及び前記底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部を形成した器本体と、
前記器本体の一端から突出し且つ横幅は中央部分が狭く前記器本体と対向する端にいくほど広く先端が円形状となっている柄部と、を備え、
前記器本体の内壁は、上端近傍に突出部を有すると共に、前記器本体の内壁と前記器本体の底面とが接する部分はティースプーンの先端形状に沿ったカーブを有していることを特徴とする木製食器。
【請求項3】
前記柄部の横幅は、前記器本体と接する部分が広く、前記柄部の中央近傍までは次第に狭くなり、前記柄部の前記柄部の中央近傍を超えたあたりから次第に広くなり、前記柄部の先端は広く円形状となっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製食器。
【請求項4】
前記柄部の前記厚み寸法は、前記器本体の側面の高さの半分の寸法より短く、前記器本体の側面の高さの4分の1の寸法よりも長いことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか1つに記載の木製食器。
【請求項5】
前記柄部の中央部分から先端にかけて設けられたカーブは、手の平の内側に前記柄部を包み込むように握ったときの指の付け根が描くカーブに沿った曲線であることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1つに記載の木製食器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ちやすく、且つ、食材を掬いとりやすい木製食器に関する。
【背景技術】
【0002】
木材を切り出して成形される木製食器は、木のぬくもりを感じられるお洒落な外観を有し、軽くて扱いやすいこと、食器を置く際に金属音がしないこと、スプーンやフォーク等のカトラリーと食器が触れ合う際の音が小さいこと等の長所があり、広く使用されている。
【0003】
木製食器の形状は、様々な形状のものが流通している。なかでも、手に持つための細長い取っ手をつけたフライパンのような形状の食器は、熱い食材を入れた際でも、取っ手を持つことで食器を支持することができるので、便利である。木材は、熱伝導性が低いため、取っ手部分と容器部分とがつながって一体となったものでも、容器部分の熱が取っ手まで伝導してくることはない。そのため、取っ手と容器部分とがつながって一体となった木製食器は、熱い食物を入れて食事に供するのに適している。
【0004】
特許文献1には、様々な形状の取っ手が設けられた食器が開示されている。取っ手の形状は、様々であり、直線状の取っ手、ループ状の取っ手、支柱のように容器本体の下部に設けられた持ち手つきの食器が開示されている。取っ手を設けることによって、食器を片手で安定的に支えやすく、立食形式での食事の際や、手元のおぼつかない幼児や高齢者でも、簡単に、食器を安定的に支えることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】公開実用新案昭59-48278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの取っ手や持ち手が設けられた食器は、食器を片手で安定的に支持することが可能となる便利さがある一方、取っ手の付け根部分が容器本体にしっかりと固定されていないと、容器部分が外れて落下したり、盛り付けた食物の重さで破損や変形してしまう。取っ手つきの食器を製造する際は、容器本体と、取っ手を、それぞれ別個に製作し、金具で固定したり接着剤で接着したりして、固定処理を行う。2つの構成部材を結合させて製作する性質上、容器本体と、取っ手部分が外れてしまう事態を完全に回避することは困難である。また、2つの構成部材とせず1つの構成部材として削り出す、すなわち、木材ブロックから取っ手と容器とがつながった形状を削り出す方法もあるが、容器部分の体積が取っ手部分の体積に比して大きい形状であるため、取っ手部分を握って容器を支持すると、容器部分の重量負荷が取っ手と容器の境界近傍に集中する。そのため、取っ手部分が重量負荷に耐え切れず、変形してしまったり破断してしまったりする。
【0007】
本発明では、取っ手部分と容器部分が外れてしまわない構成の木製食器を提供する。本発明の木製食器は、1つの木材からの一体的に削り出すことによって、取っ手部分と容器部分とを一体として削り出し成形された木製食器でありながら、取っ手部分と容器部分の境界が破断したり変形することのない耐久性の高い形状の木製食器である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の木製食器は、食品を収容する略平らな面からなる底面及び前記底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部を形成した器本体と、前記器本体の一端から突出し、横幅は中央部分が狭く、前記器本体と接する側とは反対の端にいくほど広くなり、先端が円形状となっている柄部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、柄部と容器本体とが一体として削り出されているため、柄部が容器本体から外れたり、柄部と容器本体との境界が破損したり変形したりしにくく、耐久性のある木製食器を提供することができる。また、柄部は、中央部分が狭く、先端にいくほど広くなり先端が円形状となっているので、柄部のラインが手の平の内側にしっかりとフィットして、握りやすい。
【0010】
また、本発明の木製食器は、食品を収容する略水平な面からなる底面及び前記底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部を形成した器本体と、前記器本体の一端から突出し且つ横幅は中央部分が狭く前記器本体と対向する端にいくほど広く先端が円形状となっている柄部と、を備え、前記器本体の内壁は、上端近傍に突出部を有すると共に、前記器本体の内壁と前記器本体の底面とが接する部分はティースプーンの先端形状に沿ったカーブを有していることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、この発明によれば、柄部と容器本体とが一体として削り出されているため、柄部が容器本体から外れたり、柄部と容器本体との境界が破損したり変形したりしにくく、耐久性のある木製食器を提供することができる。また、柄部は、中央部分が狭く、先端にいくほど広くなり先端が円形状となっているので、柄部のラインが手の平の内側にしっかりとフィットして、握りやすい。また、容器本体の内壁は、上端近傍に突出部を有しているので、スプーンで容器内の食べ物を掬いやすい。
【0012】
また、本発明の木製食器の柄部の横幅は、前記器本体と接する部分が広く、前記柄部の中央近傍までは次第に狭くなり、前記柄部の前記柄部の中央近傍を超えたあたりから次第に広くなり、前記柄部の先端は広く円形状となっていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、柄部と容器本体とが一体として削り出されているため、柄部が容器本体から外れたり、柄部と容器本体との境界が破損したり変形したりしにくく、耐久性のある木製食器を提供することができる。また、柄部は、中央部分が狭く、先端にいくほど広くなり先端が円形状となっているので、柄部のラインが手の平の内側にしっかりとフィットして、握りやすい。
【0014】
また、本発明の木製食器の柄部の前記厚み寸法は、前記器本体の側面の高さの半分の寸法より短く、前記器本体の側面の高さの4分の1の寸法よりも長いことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、柄部と容器本体とが一体として削り出されているため、柄部が容器本体から外れたり、柄部と容器本体との境界が破損したり変形したりしにくく、耐久性のある木製食器を提供することができる。また、柄部は、中央部分が狭く、先端にいくほど広くなり先端が円形状となっているので、柄部のラインが手の平の内側にしっかりとフィットして、握りやすい。
【0016】
また、本発明の木製食器の柄部の中央部分から先端にかけて設けられたカーブは、手の平の内側に前記柄部を包み込むように握ったときの指の付け根が描くカーブに沿った曲線であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、柄部と容器本体とが一体として削り出されているため、柄部が容器本体から外れたり、柄部と容器本体との境界が破損したり変形したりしにくく、耐久性のある木製食器を提供することができる。また、柄部は、中央部分が狭く、先端にいくほど広くなり先端が円形状となっているので、柄部のラインが手の平の内側にしっかりとフィットして、握りやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1の木製食器を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1の木製食器を示す底面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1の木製食器の使用状態を示す参考平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1の木製食器を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1の木製食器を示す背面図である。
【
図6】
図2に示した木製食器のA-A断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1の木製食器を示す左側面図である。
【
図8】本発明の実施の形態1の木製食器を示す右側面図である。
【
図9】
図2に示した木製食器のB-B断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1の木製食器の使用方法を示す参考図である。
【
図11】本発明の実施の形態1の木製食器を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態1の木製食器を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態1の木製食器を示す平面図である。
【
図14】本発明の実施の形態1の木製食器を示す底面図である。
【
図15】本発明の実施の形態1の木製食器を示す背面図である。
【
図16】本発明の実施の形態1の木製食器を示す正面図である。
【
図18】本発明の実施の形態1の木製食器を示す左側面図である。
【
図19】本発明の実施の形態1の木製食器を示す右側面図である。
【
図21】本発明の実施の形態2の木製食器を示す平面図である。
【
図22】本発明の実施の形態2の木製食器を示す底面図である。
【
図23】本発明の実施の形態2の木製食器の使用状態を示す参考平面図である。
【
図24】本発明の実施の形態2の木製食器を示す背面図である。
【
図25】本発明の実施の形態2の木製食器を示す正面図である。
【
図27】本発明の実施の形態2の木製食器を示す左側面図である。
【
図28】本発明の実施の形態2の木製食器を示す右側面図である。
【
図30】本発明の実施の形態2の木製食器の使用方法を示す参考図である。
【
図31】本発明の実施の形態2の木製食器の使用方法を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の木製食器100を示す平面図であって、
図2は底面図、
図3は使用状態を示す参考平面図である。
図4は、木製食器100を示す正面図であって、
図5は背面図、
図6は
図2に示した木製食器100のA-A断面図である。
図7は木製食器100を示す左側面図、
図8は右側面図である。
図9は
図2に示した木製食器100のB-B断面図である。
図10は、木製食器100の使用方法を示す参考図である。
図11及び
図12は、木製食器100の斜視図である。
【0021】
図1に示すように、木製食器100は、食べ物を盛り付ける容器本体2と、容器本体2の一端から突出して設けられた柄部1を主に有する。柄部1と容器本体2は一体として、木材ブロックから削り出されたものである。本発明の実施の形態1の木製食器では、木材ブロックは、ラバーウッドその他の木製であって、平板形状の木製板を、木目が互い違いになるように、少なくとも3枚以上重ねて圧着接着することにより製造された木材ブロックである。木製板を重ねる際、木目方向が、隣接する木製板の木目方向と直交するように重ねられているので、横方向の圧力にも縦方向の圧力にも耐えうる強度をもった木材ブロックである。
【0022】
図1及び
図2に示すように、木製食器100の柄部1は、器本体2と一体として削り出されたものであって、器本体2の一端から突出している。柄部1は、厚みが一定であり、且つ横幅は中央部分が狭く前記器本体と対向する端にいくほど広く先端が円形状となっている。このように、柄部1が、器本体2と接する部分が広く、前記柄部の中央近傍までは次第に狭くなり、柄部1の中央近傍を超えたあたりから次第に広くなり、先端は広く円形状となっていることで、柄部1を握ったときに手の平の内側にフィットして握りやすい。
図3に示すように、柄部1の中央部分から先端にかけて設けられたカーブは、手の平の内側に柄部1を包み込むように握ったときの指の付け根が描くカーブに沿った曲線となっている。
【0023】
図4及び
図5に示すように、発明の実施例1の木製食器100の柄部1の厚み寸法aは、柄部1の下部から床までの寸法bよりも短く、本体2の側面の高さ寸法cの約3分の1となっている。柄部1の厚み寸法aは、器本体2の側面の高さ寸法cの半分の寸法より短く、器本体2の側面の高さの4分の1の寸法よりも長いことが望ましい。柄部1の厚み寸法aを体2の側面の高さ寸法cよりも短く、薄くすることで、柄部1を握りやすくし、木製食器100全体の重量を軽量にすることができる。柄部1を薄くすると強度が弱くなるが、本発明の木製食器100では、柄部1の付け根14の横幅を広くしているので、器本体2と強固に一体化し、耐久性の高い木製食器100とすることができる。
【0024】
図6及び
図9に示すように、木製食器100の容器本体2は、食品を収容するための略水平な面からなる底面部22を有し、底面部22の周縁から上方に向かって設けられた内壁部23とで、食品を収容する空間である食品収容部27を形成している。内壁部23と底面部22とで形成する角度は鈍角となっており、スプーンで底面部22に盛り付けられた食材を掬い取り、内壁部23にスプーンの先端を摺動させながら上方に移動させると、食材をスプーンからこぼさずに掬い上げることができる。
【0025】
図7及び
図8に示すように、木製食器100の柄部1は、器本体2の上方に設けられている。柄部1が器本体の上方に設けられていることで、柄部1の下方に、こぶし半分程度の適度な空間が確保される。この空間が生ずることで、柄部1を手で握ったときに、握った手がテーブル上に自然に接することになり、木製食器100を支える手がテーブル上に支持され、手が疲れにくい。
図10に示すように、柄部1を手で握り、スプーンを底面部22から内壁部23に沿って摺動させれば、器本体2を安定的に支えながら、食材をこぼさずに掬いとりやすい。
【0026】
図11及び
図12に示すように、木製食器100は、柄部1と器本体2との境目がなく、一体として削り出すことにより成形されている。これは、木材ブロックから、柄部1と器本体2を一体として削り出すことで実現されている。柄部1と器本体2とが分離しておらず、接着剤や金具が使用されていないので、柄部1と器本体2とが分離したり破断・変形することがなく、長期間、型崩れしない丈夫で耐久性の高い木製食器100とすることができる。また、柄部1は、器本体2の高さ寸法よりも薄い棒状突起であるが、柄部1と器本体2とのつなぎ目部分の横幅寸法が広くとってあり強度が担保されているので、柄部1に大きな力を加えても器本体2とのつなぎ目部分で破断したり変形しにくい。
【0027】
(実施の形態2)
次に、
図21から
図31を示しながら、本発明の実施の形態2の木製食器200を説明する。
【0028】
図21は、本発明の実施の形態2の木製食器200を示す平面図であって、
図22は底面図である。
図23は、木製食器200の使用状態を示す参考平面図であって、
図24は木製食器200の背面図、
図25は正面図である。
図26は、
図22に示した木製食器のA-A断面図であって、
図27は木製食器200を示す左側面図、
図28は右側面図である。
図29は、
図22に示した木製食器のB-B断面図である。
図30及び
図31は、本発明の実施の形態2の木製食器の使用方法を示す参考図である。
【0029】
実施の形態2の木製食器200は、実施の形態1の木製食器100より、ひとまわり小さい乳幼児向けの木製食器200である。柄部1と器本体2とが薄い木製板を少なくとも3枚以上重ねて圧着接着することにより製造された木材ブロックから一体的に削り出された構成は実施の形態1の木製食器100と同様である。
【0030】
図21及び
図22に示すように、木製食器200の柄部1の形状は、器本体2と接する部分が広く、前記柄部の中央近傍までは次第に狭くなり、柄部1の中央近傍を超えたあたりから次第に広くなり、先端は広く円形状となっている。木製食器200の柄部1の長さは、木製食器100の柄部1の長さより短い。木製食器200は、乳幼児用の食器であるため、柄部1の長さは、乳幼児の手の大きさにあわせた寸法となっている。
図23に示すように、柄部1の湾曲13は、乳幼児の手の平の指の付け根が描くカーブに沿ったカーブとなっている。
【0031】
図24及び
図25に示すように、実施の形態2の木製食器200の柄部1の厚み寸法aは、柄部1から器本体2の底辺までの寸法bよりも短い寸法となっている。木製食器200の柄部1の厚み寸法aは、器本体2の高さ寸法cの半分よりも短い寸法である。柄部1の厚み寸法aが、器本体2の高さ寸法cの半分以下の寸法となっていることで、柄部1の下部に空間が生じて、柄部1を乳幼児が握った際に、握ったこぶしの下辺がテーブルに接して、器本体2の重量をテーブルが支えることになり、手にかかる負担が少なく、木製食器200を楽に支えることができる。
【0032】
図26に示すように、木製食器200の器本体2は、略水平な面からなる底面と、底面の周縁から上方に向かって設けられた側面により食品を収容する空間である食品収容部27を形成している。
【0033】
図30に示すように、木製食器200の内壁部23の上端近傍は、若干のカーブをもって内側に突出している。内壁部23の中央から上端近傍にかけての角度dは、約15度である。このように、若干の角度をつけて内側に突出されていることで、食材を掬い上げたスプーンの先端を内壁部23に摺動させ、スプーンを内壁部23に沿って上方に動かすと、食材がスプーンの中にしっかりとおさまり、こぼさずに掬い上げることができる。
【0034】
また、木製食器200の底面部22と内壁部23とが接する部分は、なだらかな丸みが設けられ、Rがつけられている。Rがつけられていることでスプーンの先端がしっかりと器本体2にフィットして、
図31のように、食材を綺麗に掬い上げることができる。
【0035】
木製食器200は、器本体2の底面部22と内壁部23が接する部分にRがつけられていること、内壁部23の上方近辺が、若干の角度をもって内側に突出していることで、スプーンで食材を掬い取りやすい。また、柄部1を握って保持することで、器本体2を片手で安定して固定することができ、もう一方の手で、スプーンを掬えるので、乳幼児でも、一人で上手に食事ができるようになる。木製食器200は、柄部1と器本体2とが一体化しているので、柄部1が破損したり変形する心配がなく、丈夫で耐久性に優れているため、乳幼児用の食器として最適である。
【符号の説明】
【0036】
100,200 木製食器
1 柄部
11 先端
12 中央
13 湾曲
14 付け根
2 器本体
21 縁部
22 底面部
23 内壁部
24 外壁部
25 底面部
26 高台
27 食品収容部
S スプーン
H 手