IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装体 図1
  • 特開-包装体 図2
  • 特開-包装体 図3
  • 特開-包装体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076319
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20220512BHJP
   B65D 25/34 20060101ALI20220512BHJP
   B65D 5/06 20060101ALI20220512BHJP
   B65D 5/74 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
B65D77/20 S
B65D25/34 A
B65D5/06 300
B65D5/74 020
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020186679
(22)【出願日】2020-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北松 宗親
【テーマコード(参考)】
3E060
3E062
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA05
3E060AB04
3E060BA03
3E060BB02
3E060BC01
3E060BC04
3E060DA15
3E060EA03
3E062AA01
3E062AB02
3E062AC07
3E062JA03
3E062JA04
3E062JA08
3E062JB05
3E062JD00
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067BB26A
3E067BC07A
3E067CA01
3E067CA07
3E067EB19
3E067EB27
3E067EE40
3E067FA01
3E067FB01
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】シュリンクフィルムの使用量を低減して、しかも、口栓が未開封であることを証明できる包装体を提供すること。
【解決手段】液体内容物を密封した包装体本体と、この包装体本体を外装したシュリンクフィルム30とで包装体を構成する。前記包装体本体は液体用紙容器10に液体内容物を密封したものであり、この液体用紙容器は、四角筒状胴部11と、この胴部の上部を塞ぐゲーベルトップ型の頂部12と、胴部の下部を塞ぐ底部13とを有し、かつ、前記ゲーベルトップ型頂部に液体内容物を注出する口栓20が取り付けられている。そして、筒状の前記シュリンクフィルム30が前記液体用紙容器の上方から前記口栓を被覆して被せられており、しかも、このシュリンクフィルムが前記底部に達していない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体内容物を密封した包装体本体と、この包装体本体を外装したシュリンクフィルムとで構成された包装体であって、
前記包装体本体が液体用紙容器に液体内容物を密封したものであり、
この液体用紙容器が、四角筒状胴部と、この胴部の上部を塞ぐゲーベルトップ型の頂部と、胴部の下部を塞ぐ底部とを有するものであり、
かつ、前記ゲーベルトップ型頂部に液体内容物を注出する口栓が取り付けられており、
筒状の前記シュリンクフィルムが前記液体用紙容器の上方から前記口栓を被覆して被せられており、しかも、このシュリンクフィルムが前記底部に達していないことを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記シュリンクフィルムが液体用紙容器の前記四角筒状胴部に達していることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記シュリンクフィルムの一部が接着剤によって液体用紙容器の外面に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
前記固定部が前記シュリンクフィルムの下方端縁の近傍に位置することを特徴とする請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
収縮した前記シュリンクフィルムが、口栓の位置における径よりも、その下方の径が小さくなるように収縮しており、この径の相違によって前記シュリンクフィルム液体用紙容器の外面に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用紙容器に液体内容物を密封して構成される包装体に関する。特に、口栓付きのゲーベルトップ型液体用紙容器を使用した包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆる液体用紙容器は周知であり、その代表例としてゲーベルトップ型の液体用紙容器が広く知られている。この液体用紙容器10は、例えば、図3(a)に図示するように、四角筒状の胴部11と、この胴部の上部を塞ぐゲーベルトップ型の頂部12と、胴部の下部を塞ぐ底部13とを有するものである。頂部12は、一対の屋根板と、これら一対の屋根板をつなぐ一対の折り込み板、これら一対の屋根板及び一対の折り込み板の先端に配置されたシール片とで構成されているが、この構造も周知である。
【0003】
図3(a)に図示するように、このゲーベルトップ型液体用紙容器10に口栓20を取り付ける場合には、一対の前記屋根板のうち、一方の屋根板に取り付けることが通常である。
【0004】
この口栓付き液体用紙容器10は、図3(b)に示すブランク10aを組み立てることによって製造できる。なお、図中、11aは四角筒状の胴部11を構成する部分、12aはゲーベルトップ型頂部12を構成する部分、13aは底部13を構成する部分である。
【0005】
そして、このブランク10aからを四角筒状胴部11と底部13とを組み立て、次に開口した頂部12から液体内容物を充填した後、頂部12をシールして密封することにより、包装体を製造できる。
【0006】
ところで、屋根板に取り付けられた口栓20は、これが未開封であることを証明するため、この口栓20を含む包装体全体に筒状のシュリンクフィルムを被せ、収縮させて外装していることが多い(特許文献1)。図4はこうしてシュリンクフィルムで外装した包装体200を図示したもので、図4(a)はその説明用斜視図、図4(b)は説明用断面図である。なお、以下、シュリンクフィルムで外装した包装体と外装前の包装体とを区別するため、シュリンクフィルムで外装したものを「包装体」と呼び、外装前のものを「包装体本体」と呼ぶ。
【0007】
包装体本体をシュリンクフィルムで外装した包装体200とする方法は次のとおりである。すなわち、まず、帯状のシュリンクフィルムを丸め、その側縁同士を互に固定して、筒状とする。この固定は例えば静電気を利用して可能である。次に、この筒状シュリンクフィルム30に包装体本体を挿入し、包装体本体の上下にはみだしたシュリンクフィルムの両端をシールする。そして最後に加熱してシュリンクフィルム30を収縮させて液体用紙容器10の外面に密着させることにより、シュリンクフィルムで外装した包装体200とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-143231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、シュリンクフィルムによる外装は、口栓が未開封であることを証明すること
が目的である。しかしながら、この口栓を含めて包装体本体の全体をシュリンクフィルムで包んで外装している。
【0010】
このように、その目的に比較してシュリンクフィルムの量あるいは面積が大きく、この分無駄なコストを要していた。
【0011】
そこで、本発明はシュリンクフィルムの使用量を低減して、しかも、口栓が未開封であることを証明できる包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明は、液体内容物を密封した包装体本体と、この包装体本体を外装したシュリンクフィルムとで構成された包装体であって、
前記包装体本体が液体用紙容器に液体内容物を密封したものであり、
この液体用紙容器が、四角筒状胴部と、この胴部の上部を塞ぐゲーベルトップ型の頂部と、胴部の下部を塞ぐ底部とを有するものであり、
かつ、前記ゲーベルトップ型頂部に液体内容物を注出する口栓が取り付けられており、
筒状の前記シュリンクフィルムが前記液体用紙容器の上方から前記口栓を被覆して被せられており、しかも、このシュリンクフィルムが前記底部に達していないことを特徴とする包装体である。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、前記シュリンクフィルムが液体用紙容器の前記四角筒状胴部に達していることを特徴とする請求項1に記載の包装体である。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、前記シュリンクフィルムの一部が接着剤によって液体用紙容器の外面に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体である。
【0015】
次に、請求項4に記載の発明は、前記固定部が前記シュリンクフィルムの下方端縁の近傍に位置することを特徴とする請求項3に記載の包装体である。
【0016】
次に、請求項5に記載の発明は、収縮した前記シュリンクフィルムが、口栓の位置における径よりも、その下方の径が小さくなるように収縮しており、この径の相違によって前記シュリンクフィルム液体用紙容器の外面に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、筒状のシュリンクフィルムが液体用紙容器の上方から前記口栓を被覆して被せられているから、このシュリンクフィルムを破らない限り、口栓を開くことができない。このため、シュリンクフィルムが破られていなければ包装体が未開封であると分かるのである。
【0018】
また、このシュリンクフィルムは液体用紙容器の底部に達していないから、その使用量を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明の包装体の具体例に係り、図1(a)はその説明用斜視図、図1(b)はその説明用断面図である。
図2図2は本発明の包装体の第2の具体例に係り、図2(a)はその説明用斜視図、図2(b)はその説明用断面図である。
図3図3は液体用紙容器の具体例に係り、図3(a)はその説明用斜視図、図3(b)は液体用紙容器のブランクの説明用平面図である。
図4図4は従来の包装体の具体例に係り、図4(a)はその説明用斜視図、図4(b)はその説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体例を説明する。図1は本発明の包装体の具体例に係り、図1(a)はその説明用斜視図、図1(b)はその説明用断面図である。
【0021】
この包装体100Aは、図示のように、包装体本体をシュリンクフィルム20で外装したものである。
【0022】
包装体本体は、液体用紙容器10の中に液体内容物を収容して密封したもので、このため、その外観は液体用紙容器10の外観とほぼ同様である。
【0023】
そして、液体用紙容器10は、図3(a)に示すように、四角筒状胴部11と、この胴部11の上部を塞ぐゲーベルトップ型の頂部12と、胴部11の下部を塞ぐ底部13とを有するものである。そして、その頂部を構成する屋根板には口栓20が取り付けられており、この口栓20を開くことにより、液体用紙容器10の内部に収容された液体内容物を注出することができる。なお、液体内容物としては、日本酒や焼酎等のアルコール飲料を代表例として例示できる。もちろん、その他の飲料であってもよいし、飲料でなくてもよい。
【0024】
そして、この包装体100Aにおいては、包装体本を構成する液体用紙容器10の上方から筒状のシュリンクフィルム30を被せ、収縮させている。シュリンクフィルム30は、例えば、帯状のシュリンクフィルムを丸め、その側縁同士を重ねて互に固定することによって筒状とすることができる。また、帯状のシュリンクフィルムを液体用紙容器10の上部に巻くことによって筒状としてもよい。
【0025】
この筒状のシュリンクフィルム30の上端は、液体用紙容器10の上方に突出していてもよいし、液体用紙容器10の頂点位置より低い位置にあってもよい。シュリンクフィルム30の上端が液体用紙容器10の上方に突出している場合には、このシュリンクフィルム30を収縮させたとき、液体用紙容器の頂点位置を被覆することができる。また、シュリンクフィルム30の上端が液体用紙容器10の頂点位置より低い位置にある場合には、シュリンクフィルム30を収縮させたときにも液体用紙容器10の頂点がシュリンクフィルム30で被覆されず、シュリンクフィルム30の上方に突出することになる。この場合でも、シュリンクフィルム30の上端は口栓20より高い位置に位置する必要がある。
【0026】
また、シュリンクフィルム30の下端は、液体用紙容器10の胴部11に位置していてもよいし、頂部12に位置していてもよいが、シュリンクフィルム30の下端が頂部12に位置している場合でも、口栓20より低い位置に位置する必要がある。シュリンクフィルム30の上端が口栓20より高い位置に位置しており、下端が口栓20より低い位置に位置しているとき、このシュリンクフィルム30で口栓20を被覆することができる。
【0027】
なお、シュリンクフィルム30の下端は液体用紙容器10の底部13に達していてはならない。シュリンクフィルム30の使用量を低減するためである。
【0028】
図1に示す例は、シュリンクフィルム30の下端が液体用紙容器10の胴部11に位置している例である。そして、このシュリンクフィルム30が抜けるのを防止するため、シュリンクフィルム30の下端近傍で液体用紙容器10の外面に固定されている。この固定部40は、例えば、粘着剤層で構成することができる。また、感熱接着剤で構成することも可能である。
【0029】
この例では、固定部40は、液体用紙容器10の胴部を構成する4つの面のそれぞれに配置されており、このため、4か所を固定部40としているが、もちろん、これに限られない。シュリンクフィルム30が抜けるのを防止できれば十分である。
【0030】
この固定部40として粘着剤を使用する場合には、所定の位置に粘着剤を塗工したシュリンクフィルム30を、包装体本体を構成する液体用紙容器10に巻き付けると共に、粘着剤によって接着固定し、次に加熱してシュリンクフィルム30を収縮すればよい。
【0031】
また、固定部40として感熱接着剤を使用する場合には、所定の位置に感熱接着剤を塗工したシュリンクフィルム30を液体用紙容器10に巻き付け、次に部分的に熱圧して接着固定し、次に加熱してシュリンクフィルム30を収縮すればよい。
【0032】
次に、図2は、本発明の包装体の第2の具体例に係る説明用斜視図である。この例では、シュリンクフィルム30の下端は胴部11に達しておらず、このため、シュリンクフィルム30で被覆されているのは頂部12だけである。
【0033】
そして、収縮したシュリンクフィルム30は、口栓の位置における径よりも、その下方の径が小さくなるように収縮している。この径の相違によってこのシュリンクフィルム30は液体用紙容器10の外面に固定されており、包装体がこのシュリンクフィルム30から抜けることがないのである。
【符号の説明】
【0034】
100A,100B:包装体
10:液体用紙容器 11:胴部 12:頂部 13:底部
20:口栓
30:シュリンクフィルム
40:固定部
図1
図2
図3
図4