(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076464
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】スプール組立体および組立方法
(51)【国際特許分類】
B65H 75/14 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
B65H75/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179393
(22)【出願日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】63/111,465
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/113,592
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/163,248
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518338323
【氏名又は名称】サイエンティフィック アングラーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ハーバート ジェンキンス
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ネルソン ノーブル
【テーマコード(参考)】
3F058
【Fターム(参考)】
3F058AA01
3F058AB03
3F058AC01
3F058BB01
3F058CA00
3F058CA04
3F058DA05
3F058DB16
3F058DC00
3F058JA10
3F058MA05
(57)【要約】
【課題】環境に優しいフィラメント製品用スプールを提供する。
【解決手段】物体のロールを支持するよう構成されたスプール(100)。スプールは、心棒(102)、第1のフランジ(104)、および第2のフランジ(106)を有する。第1のフランジは、心棒の第1の心棒エッジのところで心棒のそれぞれの心棒パネル(110)に回転可能に連結された第1の複数のフランジパネル(118a等)を有する。第2のフランジは、心棒の第2の心棒エッジに連結されている。第1のフランジは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成されている。保持形態では、物体ロールは、第1および第2のフランジによって心棒軸線に沿う心棒からの取り外しが実質的に阻止される。開放形態では、物体ロールは、心棒から取り外し可能でありかつ心棒方向に心棒上に受け入れ可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体のロールを支持するスプールであって、前記スプールは、
心棒軸線回りに延びる心棒を有し、前記心棒は、互いに連結されるとともに前記心棒軸線回りに間隔を置いて配置された複数の心棒パネルを含み、前記複数の心棒パネルのうちの第1および第2の心棒パネルは各々、第1の心棒エッジを有し、前記複数の心棒パネルのうちの第3の心棒パネルは、第2の心棒エッジを有し、前記第1および前記第2の心棒パネルの前記第1の心棒エッジは、心棒方向において前記第3の心棒パネルの前記第2の心棒エッジから間隔を置いて位置し、前記心棒方向は、前記心棒軸線に実質的に平行であり、
第1の複数のフランジパネルを含む第1のフランジを有し、前記第1の複数のフランジパネルのうちの第1のフランジパネルは、前記第1の心棒パネルの前記第1の心棒エッジに回転可能に連結され、前記第1の複数のフランジパネルのうちの第2のフランジパネルは、前記第2の心棒パネルの前記第1の心棒エッジに回転可能に連結され、
前記第3の心棒パネルの前記第2の心棒エッジに連結された第2のフランジを有し、
前記第1のフランジは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成され、前記保持形態では、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルは、それぞれの前記第1の心棒エッジから保持高さまで延び、前記開放形態では、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルは、それぞれの前記第1の心棒エッジから開放高さまで延び、前記保持高さおよび前記開放高さは、フランジ方向に延び、前記フランジ方向は、前記心棒軸線に実質的に垂直であり、
前記保持高さは、前記開放高さよりも高く、前記保持形態では、前記物体ロールは、前記第1および前記第2のフランジによって前記心棒軸線に沿う前記心棒からの取り外しが実質的に阻止され、前記開放形態では、前記物体ロールは、前記心棒方向に前記心棒から取り外し可能である、スプール。
【請求項2】
前記第1、前記第2、および前記第3の心棒パネルは、実質的に平板状であり、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルは、実質的に平板状である、請求項1記載のスプール。
【請求項3】
前記心棒は、前記複数の心棒パネルのうちの第4の心棒パネルをさらに含み、前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4の心棒パネルは、前記心棒軸線回りに連続して互いに連結され、それにより前記心棒軸線に沿ってみて実質的に長方形の断面形状を形成している、請求項2記載のスプール。
【請求項4】
前記第1、前記第2、前記第3の心棒パネルの各々は、実質的に三角形の形をしており、前記第3の心棒パネルは、前記第1の心棒パネルと前記第2の心棒パネルとの間に円周方向に位置決めされ、前記第3の心棒パネルは、第1の内側エッジおよび第2の内側エッジをさらに有し、前記第1の内側エッジは、前記第1の心棒パネルに連結され、前記第2の内側エッジは、前記第2の心棒パネルに連結されている、請求項2記載のスプール。
【請求項5】
前記第1のフランジは、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルを前記第1および前記第2の心棒パネルのそれぞれの前記第1の心棒エッジ回りに回転させることによって前記保持形態と前記開放形態との間で移行可能である、請求項1記載のスプール。
【請求項6】
前記スプールは、板紙材料から成る、請求項1記載のスプール。
【請求項7】
前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1のフランジパネルと前記第1の心棒パネルの前記第1の心棒エッジとの間の回転可能な連結部は、前記板紙材料に入れられた折り目線から成り、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第2のフランジパネルと前記第2の心棒パネルの前記第1の心棒エッジとの間の前記回転可能な連結部は、前記板紙材料に入れられた折り目線から成る、請求項6記載のスプール。
【請求項8】
前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1のフランジパネルは、第1の内側フランジパネルであり、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第2のフランジパネルは、第2の内側フランジパネルであり、前記スプールは、
前記第1の内側フランジパネルのエッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第1の外側フランジパネルと、
前記第2の内側フランジパネルのエッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第2の外側フランジパネルとをさらに有し、
前記第1の外側フランジパネルは、前記第2の外側フランジパネルに回転可能に連結されている、請求項1記載のスプール。
【請求項9】
前記第1のフランジの前記保持形態では、1.)前記第1の外側フランジパネルの表面は、前記第1の内側フランジパネルの表面と衝合し、2.)前記第2の外側フランジパネルの表面は、前記第2の内側フランジパネルの表面と衝合し、3.)前記第1の外側フランジパネルと前記第2の外側フランジパネルとの間の前記回転可能な連結部は、前記第1の心棒エッジに対してほぼ45°の角度をなす線に沿って延びている、請求項8記載のスプール。
【請求項10】
前記心棒は、前記複数の心棒パネルのうちの第4の心棒パネルをさらに含み、前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4の心棒パネルは、前記心棒軸線回りに連続して互いに連結され、前記スプールは、
前記第3の心棒パネルの第1の心棒エッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第3の内側フランジパネルと、
前記第4の心棒パネルの第1の心棒エッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第4の内側フランジパネルと、
前記第3の内側フランジパネルのエッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第3の外側フランジパネルと、
前記第4の内側フランジパネルのエッジに回転可能に連結された前記第1の複数のフランジパネルのうちの第4の外側フランジパネルとをさらに有し、
前記第3の外側フランジパネルは、前記第4の外側フランジパネルに回転可能に連結されている、請求項8記載のスプール。
【請求項11】
前記第1の外側フランジパネルは、第1の連結要素を有し、前記第2の外側フランジパネルは、第2の連結要素を有し、前記第1のフランジの前記保持形態では、前記第1の連結要素は、前記保持形態において前記第1のフランジを選択的に保持するよう前記第2の連結要素に連結するよう構成されている、請求項8記載のスプール。
【請求項12】
前記第1および前記第2の外側フランジパネルのうちの少なくとも一方は、第1の孔を備え、前記第3および前記第4の外側フランジパネルのうちの少なくとも一方は、第2の孔を備え、前記第1のフランジの前記保持形態では、前記第1の孔は、前記心棒軸線にそって前記第2の孔と実質的に整列する、請求項10記載のスプール。
【請求項13】
前記第1のフランジが前記保持形態にあるとき、前記心棒、前記第1の孔、および前記第2の孔を前記心棒軸線に沿って貫通するよう構成された合せピン部材をさらに有する、請求項12記載のスプール。
【請求項14】
前記第2のフランジは、第2の複数のフランジパネルを有し、前記第2の複数のフランジパネルのうちの第1のフランジパネルは、前記第1の心棒パネルの第2の心棒エッジに回転可能に連結され、前記第2の複数のフランジパネルのうちの第2のフランジパネルは、前記第2の心棒パネルの第2の心棒エッジに回転可能に連結され、前記第2の複数のフランジパネルのうちの第3のフランジパネルは、前記第3の心棒パネルの前記第2の心棒エッジに回転可能に連結され、
前記第2のフランジは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成され、前記第2のフランジの前記保持形態では、前記第2の複数のフランジパネルのうちの前記第1、前記第2、および前記第3のフランジパネルは、それぞれの前記第2の心棒エッジから前記保持高さまで延び、前記開放形態では、前記第2の複数のフランジパネルのうちの前記第1、前記第2、および前記第3のフランジパネルは、それぞれの前記第2の心棒エッジから前記開放高さまで延びる、請求項1記載のスプール。
【請求項15】
一体形板紙ブランクから板紙スプールを組み立てる方法であって、前記方法は、
複数の心棒パネルのうちの第1の心棒パネルを前記複数の心棒パネルのうちの第2の心棒パネルに連結するステップを含み、前記第1および前記第2の心棒パネルは、心棒軸線回りに延びる心棒の少なくとも一部分を形成し、
前記第1の心棒パネルと第1の複数のフランジパネルのうちの第1のフランジパネルとの間に第1のフランジパネル折り目線を形成して前記第1のフランジパネルが前記第1の心棒パネルに対して回転可能であるようにするステップを含み、
前記第2の心棒パネルと第1の複数のフランジパネルのうちの第2のフランジパネルとの間に第2のフランジパネル折り目線を形成して前記第2のフランジパネルが前記第2の心棒パネルに対して回転可能であるようにするステップを含み、
前記第1の複数のフランジパネルは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成された第1のフランジを構成し、前記保持形態では、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルは、それぞれの前記第1および前記第2の心棒エッジから保持高さまで延び、前記開放形態では、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1および前記第2のフランジパネルは、それぞれの前記第1および前記第2の心棒エッジから開放高さまで延び、前記保持高さおよび前記開放高さは、前記心棒軸線からフランジ方向に延び、前記フランジ方向は、前記心棒軸線に実質的に垂直であり、
前記保持高さは、前記開放高さよりも高く、前記保持形態では、前記物体ロールは、前記第1のフランジおよび第2のフランジによって前記心棒軸線に沿う前記心棒からの取り外しが実質的に阻止され、前記第1のフランジは、前記心棒軸線に実質的に平行な心棒方向に沿って前記第2のフランジから間隔を置いて配置され、前記開放形態では、前記物体ロールは、前記心棒方向に前記心棒軸線に沿って前記心棒から取り外し可能である、方法。
【請求項16】
前記第2の心棒パネルと前記複数の心棒パネルのうちの第3の心棒パネルとの間に第1の心棒折り目線を形成するステップをさらに含み、前記第1、前記第2、および前記第3の心棒パネルは、前記心棒の少なくとも一部分を形成する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第3の心棒パネルと前記複数の心棒パネルのうちの第4の心棒パネルとの間に第2の心棒折り目線を形成するステップをさらに含み、前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4の心棒パネルは、前記心棒の少なくとも一部分を形成し、
前記第4の心棒パネルと前記第1の心棒パネルとの間に第3の心棒折り目線を形成するステップをさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4の心棒パネルは、前記心棒軸線回りに延び、それにより前記心棒軸線に沿ってみて実質的に長方形の断面形状を形成している、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1のフランジパネルは、第1の内側フランジパネルであり、前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第2のフランジパネルは、第2の内側フランジパネルであり、前記方法は、
前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第1の内側フランジパネルと第1の外側フランジパネルとの間に第3のフランジパネル折り目線を形成して前記第1の外側フランジパネルが前記第1の内側フランジパネルに対して回転可能であるようにするステップと、
前記第1の複数のフランジパネルのうちの前記第2の内側フランジパネルと第2の外側フランジパネルとの間に第4のフランジパネル折り目線を形成して前記第2の外側フランジパネルが前記第2の内側フランジパネルに対して回転可能であるようにするステップとをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記第1の外側フランジパネルと前記第2の外側フランジパネルとの間に第5のフランジパネル折り目線を形成して前記第1の外側フランジパネルが前記第2の外側フランジパネルに対して回転可能であるようにするステップをさらに含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、一般に、スプールパッケージ化組立体、特に、保持位置と開放位置との間で移行するよう構成された板紙スプールに関する。
【背景技術】
【0002】
フィラメント製品は、保管スプールに取り付けた状態で最終使用者に供給される場合がある。フィラメント製品は、時間の長さがどれほどであってもリールに巻き付けたままにしておこうとする未使用フィラメントおよび/または使用済みフィラメントを含む場合がある。保管スプールは、輸送、取り扱い、および一般的使用中、フィラメント製品を保護することができる。
【0003】
従来型保管スプールでは、フィラメント製品を供給する上で二通りの一般的な方法が用いられている。フィラメントは、スプールに直接巻き付けられるか、または弛んだコイルの状態に巻回してスプールに掛けるかのいずれかである。典型的には、フライフィッシングラインは、後者の方法に基づいてパッケージ化される。スプールは、フィラメントを支持するための心棒およびフィラメントを心棒上に保持する2つのフランジを有する。弛んだコイルを心棒に掛けることができるようにするため、スプールは、少なくとも2つの部分に分離される場合があり、フランジは、コイルを心棒に掛けることができるよう互いに分離される場合がある。コイルを心棒に装填することができるようにするためには十分な隙間がコイルの内周部とスプールの心棒の外周部との間に設けられなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多数の部品から成るスプールには欠点がある。例えば、フィラメントをスプール部品の互いに合致する表面相互間で挟みつぶす潜在的恐れがあり、これにより、フィラメント製品が台無しになる場合がある。さらに、多数の部品は、使用中、高速度での使用中に偶発的に分離する場合があり、それによりフィラメントの絡み合い、屈曲または他の損傷が生じる。また、多くの従来型保管スプールは、プラスチックで作られており、フィラメントを送り出した後に破棄される。
【0005】
上述の技術背景に関する説明は、読者の手助けとなることが意図されているに過ぎない。この説明は、本明細書において説明する技術的に新規な技術を制限するものではない。かくして、上記説明は、先行システムの任意特定の要素が本明細書において説明する新規な技術に使用するのに不適当であるということを示すものとみなされるべきではなく、しかも任意の要素が本明細書において説明する新規な技術を具体化する上で必須であることを示すものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記要望は、本願において開示するスプール組立体によってかなりの程度まで満たされる。1回使用のプラスチック製品を減少させるという世界的な運動の高まりがある。本明細書において説明するスプール組立体は、環境に優しく、しかも多数の部品から成るスプール設計の欠点を解決する単一片の板紙スプールから成る。
【0007】
本発明の一観点は、物体のロールを支持するスプールを提供する。本スプールは、心棒、第1のフランジ、および第2のフランジを有する。心棒は、心棒軸線回りに延び、心棒は、互いに連結されるとともに心棒軸線回りに間隔を置いて配置された複数の心棒パネルを含む。複数の心棒パネルのうちの第1および第2の心棒パネルは各々、第1の心棒エッジを有し、複数の心棒パネルのうちの第3の心棒パネルは、第2の心棒エッジを有する。第1および第2の心棒パネルの第1の心棒エッジは、心棒方向において第3の心棒パネルの第2の心棒エッジから間隔を置いて位置し、心棒方向は、心棒軸線に実質的に平行である。
【0008】
第1のフランジは、第1の複数のフランジパネルを含む。第1の複数のフランジパネルのうちの第1のフランジパネルは、第1の心棒パネルの第1の心棒エッジに回転可能に連結され、第1の複数のフランジパネルのうちの第2のフランジパネルは、第2の心棒パネルの第1の心棒エッジに回転可能に連結される。第2のフランジは、第3の心棒パネルの第2の心棒エッジに連結される。
【0009】
第1のフランジは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成される。保持形態では、第1の複数のフランジパネルのうちの第1および第2のフランジパネルは、それぞれの第1の心棒エッジから保持高さまで延びる。開放形態では、第1の複数のフランジパネルのうちの第1および第2のフランジパネルは、それぞれの第1の心棒エッジから開放高さまで延びる。保持高さおよび開放高さは、心棒軸線からフランジ方向に延びる。フランジ方向は、心棒軸線に実質的に垂直である。保持高さは、開放高さよりも高く、保持形態では、物体ロールは、第1および第2のフランジによって心棒軸線に沿う心棒からの取り外しが実質的に阻止され、開放形態では、物体ロールは、心棒方向に心棒から取り外し可能である。
【0010】
本発明のもう1つの観点は、一体形板紙ブランクから板紙スプールを組み立てる方法を提供する。本方法は、複数の心棒パネルのうちの第1の心棒パネルを複数の心棒パネルのうちの第2の心棒パネルに連結するステップを含み、第1および第2の心棒パネルは、心棒軸線回りに延びる心棒の少なくとも一部分を形成し、本方法は、第1の心棒パネルと第1の複数のフランジパネルのうちの第1のフランジパネルとの間に第1のフランジパネル折り目線を形成して第1のフランジパネルが第1の心棒パネルに対して回転可能であるようにするステップと、第2の心棒パネルと第1の複数のフランジパネルのうちの第2のフランジパネルとの間に第2のフランジパネル折り目線を形成して第2のフランジパネルが第2の心棒パネルに対して回転可能であるようにするステップとをさらに含む。
【0011】
第1の複数のフランジパネルは、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成された第1のフランジを構成している。保持形態では、第1の複数のフランジパネルのうちの第1および第2のフランジパネルは、それぞれの第1および第2の心棒エッジから保持高さまで延びる。開放形態では、第1の複数のフランジパネルのうちの第1および第2のフランジパネルは、それぞれの第1および第2の心棒エッジから開放高さまで延びる。保持高さは、開放高さよりも高い。
【0012】
本発明の別の観点は、コイル状であるのが良いアイテムを保持するスプールを提供する。スプールは、胴または筒体および互いに間隔を置いて配置されたフランジを有する。スプールによって支持されるべきアイテムは、フランジ相互間で胴上に配置される。フランジのうちの一方は、すでにコイル状になっているアイテムを胴上に装填することができるようにするよう押しつぶし可能である。押しつぶし状態では、押しつぶし可能なフランジは、断面でみて胴と実質的に同一のサイズのものである。一構成例では、押しつぶし可能スプールは、スプール上へのコイル状アイテムの装填を容易にするよう断面が胴から遠ざかるにつれて細くなっている。
【0013】
本発明の別の観点は、折り畳み可能な材料、例えば板紙またはポリマーボードで作られたスプールを提供する。スプールは、刻み目が作られ、切れ目が入れられ、またはエンボス加工された折り畳み線を備える扁平なブランクで提供される。スプールを立て(直立させ)、この立てられた状態を維持するために接着剤および相互係止要素が設けられる。一構成例では、スプールを部分的に立ててこれを中間状態にすることができ、この中間状態では、スプールは、扁平となり、保管および輸送に便利である。この構成例では、最終の直立ステップでは、スプールの直立を完了するのに追加の接着剤は必要とされない。
【0014】
本発明の別の観点は、スプール上にコイル状アイテムを装填する方法を提供し、この方法は、スプールのフランジを胴の断面よりも大きくない断面の状態に押しつぶすステップ、コイル状アイテムを押しつぶし状態のフランジ上に沿って滑らしてこれを胴に嵌めるステップと、次に押しつぶし状態のフランジを展開してその拡張状態にするステップとを有し、この拡張状態では、フランジは、コイル状アイテムを胴上に保持する。
【0015】
本発明の別の観点は、スプールを形成する方法を提供し、この方法では、ブランクを用意し、これを立てて幾つかの部分が接着剤によって固定された状態の全体として扁平な中間状態にする。後に、接着剤を硬化させた後、接着剤を必要としない相互係止連結方式だけを用いてスプールをその直立状態に立てる。
【0016】
本発明の別の観点は、フライフィッシングライン用の板紙スプールを提供し、この場合、スプールを扁平なブランクから直立させることができる。スプールは、4つの壁で作られた胴を有する。2つのフランジが胴の外周部から外方に突き出る。スプールは、装填状態につぶれる押しつぶし可能なフランジを提供し、この装填状態では、押しつぶされたフランジは、コーナーウェブを内方に折り曲げることによって形成されたピラミッド形錐台の形態をしている。スプールは、その直立操作中、中間状態を有し、この中間状態では、接着剤による連結部の全てが作られ、また、スプールを実質的に扁平な状態にすることができ、胴壁は、互いに平行でありかつフランジと実質的に平行であるよう折り畳まれる。
【0017】
この発明の概要の項は、詳細な説明の区分において以下にさらに説明される単純化された形態で一揃いの技術的思想を導入するために設けられている。発明の概要の項は、クレーム請求された発明の重要な特徴または必須の特徴を特定しているわけではなく、しかも、クレーム請求された発明の範囲を限定するために用いられているものでもない。さらに、クレーム請求された発明は、本開示の任意の部分において注記された任意の欠点または全ての欠点を解決する特徴に制約されない。
【0018】
上記発明の概要ならびに本願の例示の実施形態についての以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して読まれると良好に理解されよう。本願を説明する目的で、図面には、本発明の例示の実施形態が示されている。しかしながら、本願は、図示の構成および作用そのものには限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一観点に係るスプールの上から見た斜視図である。
【
図4A】開放形態にある
図1に示されたスプールの第1の上から見た斜視図である。
【
図4B】開放形態にある
図1に示されたスプールの第2の上から見た斜視図である。
【
図5】開放形態にある
図1に示されたスプールの上から見た斜視図であり、物体のロールがスプール上に位置決めされた状態を示す図である。
【
図6】保持形態にある
図1に示されたスプールの上から見た斜視図であり、物体のロールがスプール上に位置決めされた状態を示す図である。
【
図7】本発明の別の観点にかかるスプールの上から見た斜視図である。
【
図10】開放形態にある
図7に示されたスプールの上から見た斜視図である。
【
図11】開放形態にある
図7に示されたスプールの上から見た斜視図であり、物体ロールがスプール上に位置決めされた状態を示す図である。
【
図12】保持形態にある
図7に示されたスプールの上から見た斜視図であり、物体ロールがスプール上に位置決めされた状態を示す図である。
【
図13】開放形態にある
図7に示されたスプールの上から見た斜視図である。
【
図14】本発明の別の観点に係るスプールの上から見た斜視図である。
【
図17】開放形態にある
図14に示されたスプールの上から見た斜視図である。
【
図18】本発明の別の観点に係るスプールの上から見た斜視図である。
【
図21】開放形態にある
図18に示されたスプールの上から見た斜視図である。
【
図22】本発明の一観点に係る非組立形態のスプールの平面図である。
【
図23】本発明の一観点に係るスプールブランクの平面図である。
【
図24】実質的に扁平な中間位置にある
図23に示されたスプールの平面図である。
【
図25】直立状態にある
図23に示されたスプールの斜視図である。
【
図27】押しつぶし状態にある
図25に示されたスプールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で用いられるある特定の用語は、便宜上のものであるに過ぎず、本発明を限定するものではない。用語「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」、「外方」、「内方」、「上方」、および「下方」は、参照する図面における方向を指示している。本明細書で用いられる「実質的に」という用語およびこの派生語、ならびに同様な意味の用語は、寸法、形状、向き、距離、空間関係、または他のパラメータを説明するために用いられる場合、記載した寸法、形状、向き、距離、空間関係、または他のパラメータを含み、さらに、記載したパラメータよりも最高10%大きくかつ10%小さい範囲を含む場合があり、かかる範囲は、パラメータの±5%、±3%、±1%を含む。本明細書に開示する全ての範囲は、列挙した端点を含み、かつ別個独立に組み合わせ可能である(例えば、「2グラムから10グラムまで」の範囲は、端点2グラムおよび10グラム、および全ての中間値を含む)。用語は、上述の用語、その派生語および同様な意味の用語を含む。
【0021】
図1~
図6は、本発明の一観点にかかるスプール100を示している。スプール100は、心棒102、第1のフランジ104、および第2のフランジ106を有する。心棒102は、物体のロールまたはコイル108を心棒上に支持するよう構成されている。スプール100は、板紙材料から成るのが良く、この板紙材料は、折り畳み線および/または折り目線をスプール100上に形成するよう折り畳み可能であるとともに折り曲げ可能である。一観点では、スプール100は、板紙材料の単一片から成る。単一片スプール100は、第1および第2のフランジ104,106のうちの一方または両方が以下にさらに説明するように、保持形態と開放形態との間で移行することができるよう構成されている。保持形態では、物体ロール108は、心棒102上に保持される(
図6参照)。開放形態では、物体ロール108は、心棒102から取り外し可能である(
図5参照)。
【0022】
心棒102は、心棒軸線90回りに延びている。一観点では、心棒軸線90は、心棒102の半径方向中心を貫通している。心棒102は、複数の心棒パネル110を含む。心棒パネル110の各々は、他の心棒パネル110の各々に連続的に連結されている。例えば、第1の心棒パネル110aは、第2の心棒パネル110bに連結されている。一観点では、複数の心棒パネル110は、4枚のパネル(図示のように)から成り、その結果、心棒102は、心棒軸線Aに沿ってみて実質的に長方形の断面形状をなすようになっている。理解されるように、心棒102は、異なる枚数のパネルから成っていても良い。例えば、心棒102は、3枚のパネルまたは5枚以上のパネルから成っていても良い。
【0023】
心棒パネル110の各々は、第1の心棒エッジ112および第2の心棒エッジ114を有する。第1の心棒エッジ112の各々は、心棒方向Aにおいてそれぞれの第2の心棒エッジ114から間隔を置いて配置されている。心棒方向Aは、心棒軸線90に実質的に平行である。心棒パネル110の各々は、第3の心棒エッジ115および第4の心棒エッジ117をさらに有する。心棒パネル110の第3の心棒エッジ115は、隣りの心棒パネル110の対応の第4の心棒エッジ117に連結されている。例えば、第1の心棒パネル110aの第3の心棒エッジ115は、第2の心棒パネル110bの第4の心棒エッジ117に連結されている。同様に、第2の心棒パネル110bの第3の心棒エッジ115は、第3の心棒パネル110cの第4の心棒エッジ117に連結されている(
図4A参照)。
【0024】
一観点では、各心棒パネル110の第3および第4の心棒エッジ115,117は、心棒軸線90に実質的に平行な方向に延びている。第1、第2、第3、および第4の心棒エッジ112、114、115、および117は、実質的に長方形の心棒パネル110を画定することができる。別の観点では、第3の心棒エッジ115と第4の心棒エッジ117は、互いに角度的にオフセットしており(例えば、互いに実質的に平行ではない)、その結果、各心棒パネル110は、台形の形、ひし形の形状、これらの組み合わせ、または他の四辺形の形を含む。別の変形例では、各心棒パネル110は、3個以下または5個以上の心棒エッジを有しても良く、そして三角形の形、六角形の形、これらの組み合わせ、または他の形状をとることができる。一観点では、各心棒パネル110は、各心棒エッジ(例えば、エッジ112,114,115,117)が実質的に同一の平面に沿って延びるよう実質的に平板状である。
【0025】
隣り合う心棒パネル110のそれぞれの第3および第4の心棒エッジ115,117相互間の連結部は、折り目線を含むのが良い。折り目線は、スプール100の材料に設けられた折り畳み部または折り曲げ部を含むのが良い。折り目線により、各心棒パネル110は、折り目線回りに隣りの心棒パネル110に対して回転することができる。理解されるように、それぞれの第3の心棒エッジ115と第4の心棒エッジ117との間の連結部は、心棒パネル110が隣接の心棒パネル110に対して回転することができるようにする他形式の回転可能な連結部から成っていても良い。
【0026】
各心棒パネル110の第1の心棒エッジ112は、第1のフランジ104に回転可能に連結されている。各第1の心棒エッジ112と第1のフランジ104との間の回転可能な連結部は、折り目線を含むのが良い。折り目線は、スプール100の材料に設けられた折り畳み部または折り曲げ部を含むのが良い。一観点では、あらゆる心棒パネル110の第1の心棒エッジ112は、第1のフランジ104に回転可能に連結される。変形例として、各心棒パネル110の全てには至らない数の第1の心棒エッジ112が第1のフランジ104に連結される。例えば、4枚の心棒パネル110を含む心棒102は、第1のフランジ104に連結された心棒パネル110のうちの2枚の2つの第1の心棒エッジ112を有するのが良く、これに対し、他の2枚の心棒パネル110の第1の心棒エッジ112は、第1のフランジ104には連結されない。
【0027】
各心棒パネル110の第2の心棒エッジ114は、第2のフランジ106に回転可能に連結されている。各第2の心棒エッジ114と第2のフランジ106との回転可能な連結部は、折り目線を含むのが良い。折り目線は、スプール100の材料に設けられた折り畳み部または折り曲げ部を含むのが良い。一観点では、あらゆる心棒パネル110の第2の心棒エッジ114は、第2のフランジ106に回転可能に連結されている。変形例として、各心棒パネル110の全てには至らない数の第2の心棒エッジ114が第2のフランジ106に連結される。例えば、4枚の心棒パネル110を含む心棒102は、第2のフランジ106に連結された心棒パネル110のうちの2枚の2つの第2の心棒エッジ114を有するのが良く、これに対し、他の2枚の心棒パネル110の第2の心棒エッジ114は、第2のフランジ106には連結されない。
【0028】
各心棒パネル110の第1の心棒エッジ112と第1のフランジ104との間の連結部と、各心棒パネル110の第2の心棒エッジ114と第2のフランジ106との間の連結部は、心棒軸線90に実質的に垂直な方向にみて実質的に対称であるのが良い。例えば、各第1の心棒エッジ112および各第2の心棒エッジ114は、実質的に同様な仕方でそれぞれの第1のフランジおよび第2のフランジ104,106に連結されるのが良い。別の観点では、第1のフランジ104に連結された第1の心棒エッジ112を有する各心棒パネル110は、第2のフランジ106に連結されていない第2の心棒エッジ114を有する。また、第2のフランジ106に連結された第2の心棒エッジ114を有する各心棒パネル110は、第1のフランジ104に連結されていない第1の心棒エッジ112を有する。この観点では、第1のフランジ104と第2のフランジ106は、心棒軸線90に沿ってみて互いに円周方向にオフセットしている。理解されるように、心棒パネル110と第1および第2のフランジ104,106との間の他の変形連結部は、本明細書において説明する観点と一致した連結部であるとみなされ得る。
【0029】
第1のフランジ104は、第1の複数のフランジパネル116を有する。第1の複数のフランジパネル116は、第1の複数の内側のフランジパネル118および第1の複数の外側のフランジパネル120から成る。第1の複数の内側フランジパネル118は、心棒102から第1の複数の外側フランジパネル120まで延びている。第1の複数の外側フランジパネル120は、第1のフランジ104の端121まで延びている。
【0030】
心棒パネル110の第1の心棒エッジ112の各々は、第1の複数の内側フランジパネル118の各々に対応関係をなして回転可能に連結されている。例えば、第1の心棒パネル110aは、第1の内側フランジパネル118aに回転可能に連結されている。同様に、第2の心棒パネル110bは、第2の内側フランジパネル118bに回転可能に連結されている。第1の複数の外側フランジパネル120の各々は、第1の複数の内側フランジパネル118の各々のエッジに回転可能に連結されている。パネル110,118,120の各々相互間の回転可能な連結部は、スプール100を構成する材料中に形成された折り目線を含むのが良い。
【0031】
心棒パネル110の各第1の心棒エッジ112と第1の複数の内側フランジパネル118の対応の各々との間の回転可能な連結部は、心棒軸線90に実質的に垂直な方向に延びるのが良い。第1の複数の内側フランジパネル118の各々は、内側フランジパネル118が連結されているそれぞれの心棒パネル110に対して少なくとも90゜~180゜回転することができる。例えば、第1の複数の内側フランジパネル118のうちの1枚をこれが連結されている対応の心棒パネル110に対してほぼ90゜回転させると、内側フランジパネル118は、心棒軸線90から遠ざかる方向に(例えば、半径方向外方に)延び、その結果、フランジパネル118は、心棒軸線90に実質的に垂直関係をなすようになっている。第1の複数の内側フランジパネル118の1枚をこれが連結されている対応の心棒パネル110に対してほぼ180゜回転させると、内側フランジパネル118は、心棒軸線90に実質的に平行な方向に延びる。この向き(例えば、180゜回転)では、内側フランジパネル118は、これが連結されている対応の心棒パネル110と実質的に平面をなす(例えば、同一の平面に沿って整列する)のが良い。理解されるように、第1の複数の内側フランジパネル118の各々は、これが連結されている対応の心棒パネル110に対して、180゜超かつ90゜未満の角度まで回転することができ、それにより以下にさらに説明するように、心棒102上への物体ロール108の受け入れかつ保持を容易にすることができる。
【0032】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、第1の複数の外側フランジパネル120の各々は、第1の複数の内側フランジパネル118の対応のエッジ122に連結されている。第1の複数の外側フランジパネル120の各々は、第1の複数の内側フランジパネル118の各々に対してエッジ122回りに対応関係をなして回転可能である。一観点では、エッジ122は、心棒軸線90に実質的に垂直であるのが良い。例えば、第1の複数の内側フランジパネル118のうちの第1の内側フランジパネル118aを対応の心棒パネル110aに対して90゜のところに位置決めすると、エッジ122aは、心棒軸線90に実質的に垂直に延びる。理解されるように、エッジ122は、第1のフランジパネルが90゜超のところに位置すると、心棒軸線90に実質的に垂直な角度以外の他の角度をなして延びるのが良い。例えば、第1の内側フランジパネル118aを対応の心棒パネル110に対してほぼ180゜のところに位置決めすると、エッジ122aは、心棒軸線90に実質的に垂直な角度以外の角度をなして延びるのが良い。
【0033】
第1の複数のフランジパネル116は、第2の内側フランジパネル118bおよびエッジ122bのところで第2の内側フランジパネル118bに回転可能に連結された第2の外側フランジパネル120bをさらに含む。第2の内側フランジパネル118bは、第1の内側フランジパネル118aが上述したように第1の外側フランジパネル120aに連結されるのと実質的に同一の仕方で第2の外側フランジパネル120bに連結されるのが良い。一観点では、第1の外側フランジパネル120aは、第2の外側フランジパネル120bに回転可能に連結される。一観点では、第1の外側フランジパネル120aと第2の外側フランジパネル120bとの間の回転可能な連結部は、折り目線124によって定められる。理解されるように、第1の外側フランジパネル120aと第2の外側フランジパネル120bとの間の回転可能な連結部は、別の構造、例えば、多数の折り目線124、可撓性パネル、これらの組み合わせ、またはさらに別の構造によって定められても良い。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bならびに第1および第2の外側フランジパネル120a,120bは、第1の内側フランジパネル118aおよび第1の外側フランジパネル120aが第2の内側フランジパネル118bおよび第2の外側フランジパネル120bの鏡像であるよう構成されているのが良い。
【0034】
図2を参照すると、第1および第2の外側フランジパネル120a,120b相互間の回転可能な連結部は、エッジ122a,122bから角度的にオフセットした角度を成して延びるのが良い。例えば、第1および第2の外側フランジパネル120a,120bをこれら両方が実質的に同一の平面上に位置するよう互いに整列すると、折り目線124は、ほぼ45゜の角度Aだけエッジ122aから角度的にオフセットするのが良い。同様に、折り目線124は、エッジ122aと折り目線124との間の角度的オフセットと逆の方向に約45゜の角度Bだけエッジ122bから角度的にオフセットするのが良い。
【0035】
第1の複数のフランジパネル116は、第3の内側フランジパネル118c、第4の内側フランジパネル118d、第3の外側フランジパネル120c、および第4の外側フランジパネル120dをさらに含むのが良い。第3および第4の内側フランジパネル118c,118dならびに第3および第4の外側フランジパネル120c,120dは、それぞれ、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bならびに第1および第2の外側フランジパネル120a,120bと実質的に同一に構成されるのが良い。第3および第4の内側フランジパネル118c,118dの各々は、心棒の対応の第1の心棒エッジ112から延びるのが良い。第3および第4の外側フランジパネル120c,120dの各々は、対応の第3および第4の内側フランジパネル118c,118dから延びるのが良い。
【0036】
図2を参照すると、第1および第2の外側フランジパネル120a,120bは、第3および第4の外側フランジパネル120c,120dに連結されるよう構成されているのが良い。一観点では、第1および第2の外側フランジパネル120a,120bのうちのいずれか一方または両方は、第1の連結要素126を有するのが良い。第3および第4の外側フランジパネル120c,120dのうちのいずれか一方または両方は、第2の連結要素128を有するのが良い。第1および第2の連結要素126,128は、第1のフランジ104を保持形態に選択的に保持するよう互いに連結するよう構成されている。第1および第2の連結要素126,128は、第1および第2の外側フランジパネル120a,120bを第3および第4の外側フランジパネル120c,120dに選択的に連結するために、例えば、ベルクロ(登録商標)(Velcro)コネクタ、突起・スロット連結部、スナップ連結部、または他形式の連結部を有するのが良い。
【0037】
別の観点または追加の観点として、第1の複数の内側フランジパネル118のうちの少なくとも1つは、第1の複数の外側フランジパネル120のうちの対応の1つに連結するよう構成されているのが良い。第1の複数の内側フランジパネル118のうちの少なくとも1つと第1の複数の外側フランジパネル120のうちの対応の1つとの連結部は、以下にさらに説明するように、第1のフランジ104を保持形態に選択的に保持することができる。
【0038】
第1のフランジ104は、保持形態(
図2および
図6参照)と開放形態(
図4A、
図4B、および
図5参照)との間で移行するよう構成されている。保持形態では、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bは、対応の第1の心棒エッジ112から保持高さRまで延びている。開放形態では、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bは、対応の第1の心棒エッジ112から開放高さまで延びている。保持高さおよび開放高さは、心棒軸線90からフランジ方向Bに延びている。フランジ方向Bは、心棒軸線90に実質的に垂直である。
【0039】
保持高さは、物体ロール108を心棒102上にかつこの回りに挿入することができる開放高さよりも大きい(
図5参照)。例えば、第1のフランジ104の開放形態では、第1の複数のフランジパネル116の外側断面寸法は、物体ロール108の内側断面寸法よりも小さい。開放形態では、第1の複数のフランジパネル118のうちの少なくとも1つは、これが連結されている対応の心棒パネルに対してほぼ90゜よりも小さい角度を成して位置決めされている。一実施例では、完全開放位置では、第1の複数の内側フランジパネル118の各々は、これが連結されている対応の心棒パネルに対してほぼ180゜の角度をなして位置決めされている。開放形態では、物体ロール108は、心棒軸線90に沿いに心棒方向Aに心棒102から取り外し可能である。
【0040】
保持形態では、物体ロール108は、第1および第2のフランジ104,106(
図6参照)によって心棒軸線90に沿う心棒102からの取り外しが実質的に阻止される。例えば、第1のフランジ104の保持形態では、第1の複数のフランジパネル116の外側断面寸法は、物体ロール108の内側断面寸法よりも大きい。保持形態では、第1の複数の内側フランジパネル118のうちの少なくとも1つは、これが連結されている対応の心棒パネルに対してほぼ90゜の角度をなして位置決めされている。理解されるように、物体ロール108は、第1の複数の内側フランジパネル118のうちの少なくとも1つが、これが連結されている心棒パネル110に対してほぼ90゜未満の角度を成しているとき、第1の複数の内側フランジパネル118の外側断面寸法が物体ロール108の内側断面寸法よりも大きい場合、心棒102上に保持できる。
【0041】
第1の複数のフランジパネル116のうちの1つ以上を回転させることによって第1のフランジ104を保持形態から開放形態に移行させることができる。例えば、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bを対応の心棒エッジ112に対してほぼ90゜からほぼ90゜よりも大きい角度まで回転させることができる。一観点では、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bをほぼ180゜まで回転させることができる。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bの回転により、それぞれ対応の第1および第2の外側フランジパネル120a,120bは、それぞれのエッジ122a,122b回りに回転する。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bならびに第1および第2の外側フランジパネル120a,120bが心棒102に対して90゜から180゜に向かって回転すると、第1のフランジ104は、心棒方向Aに心棒102から軸方向外方に延びる。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bが開放高さに達すると、物体ロールを心棒軸線90に沿って動かすことによって物体ロールを心棒102上に位置決めすることができる。
【0042】
第1のフランジを開放形態から保持形態に移行させるため、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bを対応の心棒パネル110に対して90゜の位置に向かって回転させる。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bならびに第1および第2の外側フランジパネル120a,120bが心棒102に対して90゜回転すると、第1のフランジ104は、心棒方向Aとは逆の方向に心棒102に向かって軸方向内方に引っ込む。第1および第2の内側フランジパネル118a,118bが保持高さRに達した後、物体ロール108は、心棒102上に保持される。
【0043】
第1のフランジ102は、第1の連結要素126を第2の連結要素128に連結することによって保持形態に選択的に保持可能である。一観点では、第1のフランジ104の保持形態では、第1の外側フランジパネル120aの表面は、第1の内側フランジパネル118aの表面に衝合し、第2の外側フランジパネル120bの表面は、第2の内側フランジパネル118bの表面に衝合する。第1の内側および外側フランジパネル118a,120aならびに第2の内側および外側フランジパネル118b,120bの衝合面の組をのうちの一方または両方は、衝合面を選択的に互いに連結する連結要素(例えば
図22参照‐スナップ特徴部)を有するのが良い。衝合面相互間の選択的連結部は、第1のフランジ104を保持形態に選択的に保持することができる。
【0044】
理解されるように、第3および第4の内側フランジパネル118c,118dならびに第3および第4の外側フランジパネル120c,120dを、第1および第2の内側フランジパネル118a,118bならびに第1および第2の外側フランジパネル120a,120bと実質的に同様に動かすとともに/あるいは移行させることができ、それにより第1のフランジ104を保持形態と開放形態との間で移行させることができる。
【0045】
第2のフランジ106は、第1のフランジ104と実質的に同様に構成されるのが良いことは理解されよう。例えば、第2のフランジ106は、第2の複数のフランジパネル132を有するのが良い。第2の複数のフランジパネル132は、物体ロール108を心棒102上に保持するための保持形態と心棒102が物体ロール108を受け入れることができるようにするとともに物体ロール108を心棒102から取り外すことができるようにする開放形態との間で第2のフランジ106を移行させることができる。第1および第2のフランジ104,106は、互いに異なるように構成されるのが良いことは理解されよう。例えば、第2のフランジ106は、第2のフランジが保持位置に保持されまたはロックされるよう構成されているのが良い。物体ロール108を受け入れたりこれを心棒102から取り外したりするため、第1のフランジ104は、保持形態と開放形態との間で選択的に移行される。
【0046】
スプール100によって定められる見掛けおよび構造そのものは、本発明の範囲から逸脱することなく改造可能である。例えば、連結要素126,128は、第1および第2のフランジ104,106のうちのいずれか一方の互いに異なるパネル上に配置されても良い。別の変形例では、スプール100は、保持形態と開放形態との間で移行するよう構成された少ない枚数のまたは多い枚数の内側パネルおよび/または少ない枚数または覆い枚数の外側パネルを有しても良い。別の変形例としての観点では、外側フランジパネル120の各々は、隣接の外側フランジパネル120の各々に連結されるのが良い。
【0047】
図7~
図13は、本発明の別の観点に係るスプール200を示している。スプール200を本明細書において説明したスプール100と実質的に同一の仕方で移行し、整列させ、そして構成することができることは理解されよう。スプール200は、心棒202、第1のフランジ204、および第2のフランジ206を有する。心棒部材202ならびに第1および第2のフランジ204,206は、単一片として一体に形成できる。例えば、第1および/または第2のフランジ204,206は、第1および第2のフランジ204,206のいずれをも心棒202から取り外さないで開放位置と保持位置との間で移行することができる。スプール200は、板紙材料から成るのが良い。
【0048】
図8~
図10を参照すると、複数の第1のフランジパネル216の第1の外側パネル220aは、第1の連結要素226を有する。第1の連結要素226を貫通して延びる第1の孔230が設けられている。複数の第1のフランジパネル216の第3の外側パネル220cは、第2の連結要素228を有し、この第2の連結要素を貫通して第2の孔232が設けられている。第1のフランジ204の保持形態では、第1の孔230は、心棒軸線190に沿って第2の孔232と実質的に整列することができる。一観点では、スプール200は、合せピン部材(図示せず)を有するのが良い。合せピン部材は、第1のフランジ204が保持形態にあるとき、心棒軸線190に沿って心棒202、第1の孔230、および第2の孔232を貫通するよう構成されているのが良い。一観点では、第2のフランジ206は、第1のフランジ204と実質的に同一に構成されているのが良い。合せピン部材は、第2のフランジ206の第1および第2の孔(図示せず)をさらに貫通するのが良い。合せピン部材により、スプールは、心棒軸線190回りに回転することができ、その結果、スプール200をコイル方向に心棒軸線190回りに回転させることによって物体ロール208を心棒202に巻き付けることができるようになっている。同様に、スプール200をコイル方向とは逆の方向に心棒軸線190回りに回転させることによって物体ロール208を心棒202から巻きだすことができる。
【0049】
図14~
図17は、本発明の別の観点に係るスプール300を示している。スプール300を本明細書において説明したスプール100,200のうちのいずれとも実質的に同一の仕方で移行させ、整列させ、そして構成することができることは理解されよう。スプール300は、心棒302、第1のフランジ304、および第2のフランジ306を有する。
【0050】
心棒302は、複数の心棒パネル310を有する。心棒パネル310の各々は、実質的に三角形の形をしている。心棒パネル310の各々は、心棒軸線290回りに隣接の各心棒パネル310に連続的に連結されている。一観点では、心棒軸線290回りに間隔を置いて配置された1つおきの心棒パネル310は、第1のフランジ304に連結された第1の心棒エッジを有する。心棒軸線290回りに間隔を置いて配置されたもう片方の1つおきの心棒パネル310の各々は、第2のフランジ306に連結された第2の心棒エッジを有する。例えば、複数の心棒パネル310の第1の心棒パネル310aおよび第3の心棒パネル310cは、各々、第1の心棒エッジを有する。第1の心棒パネル310aと第3の心棒パネル310cの両方の第1の心棒エッジは、複数のフランジパネル316の対応のフランジパネルに対応可能に連結されている。複数の心棒パネル310の第2の心棒パネル310bは、第1の心棒パネル310aと第3の心棒パネル310cとの間に円周方向に位置決めされている。第2の心棒パネル310bは、第2のフランジ306に連結された第2の心棒エッジを有する。複数の心棒パネル310の構成により、心棒軸線290(
図15参照)に沿ってみて、第1のフランジ304を第2のフランジ306から円周方向にオフセットさせることができる。
【0051】
図18~
図21は、本発明の別の観点に係るスプール400を示している。スプール400を本明細書において説明したスプール100,200,300の任意のものと実質的に同一の仕方で移行させ、整列させ、そして構成することができることは理解されよう。スプール400は、板紙材料の単一片で構成された心棒402、第1のフランジ404、および第2のフランジ406を有する。
【0052】
図22は、本発明に一観点に従って非組立形態にあるスプール500の平面図である。スプール500を本明細書において説明したスプール100,200,300,400のうちの任意のものと実質的に同一の仕方で移行させ、整列させ、そして構成することができることは理解されよう。スプール500は、一体形板紙ブランク501から成る。ブランク501は、心棒502、第1のフランジ504、および第2のフランジ506を形成するよう組立可能である。
【0053】
スプール500を組み立てる方法は、複数の心棒パネル510の各々相互間でブランク501に折り目線511を形成するステップを含む。折り目線511の各々により、各心棒パネル510は、隣接の心棒パネル510に対して回転することができる。折り目線513を複数の心棒パネル510の各々と複数の内側フランジパネル518の対応の内側フランジパネルとの間に形成するのが良い。折り目線513の各々により、複数の内側フランジパネル518の各々は、複数の心棒パネル510の各々に対して対応関係をなして回転することができる。折り目線515を複数の内側フランジパネル518の各々と複数の外側フランジパネル520の対応の外側フランジパネルとの間に形成するのが良い。折り目線515の各々により、複数の外側フランジパネル520の各々は、複数の内側フランジパネル518の対応の各々に対して回転することができる。折り目線(例えば
図2の折り目線124を参照されたい)を隣り合う外側フランジパネル520相互間に形成するのが良く、それにより隣り合う外側フランジパネル520は、互いに対して回転することができる。折り目線をブランク501に形成した後、複数の心棒パネル510のうちの第1の心棒パネル510aを複数の心棒パネル510のうちの第2の心棒パネル510bに連結するのが良い。第1の心棒パネル510aを第2の心棒パネル510bに連結した後においては、スプール500は、開放形態と保持形態との間で移行可能である。
【0054】
図23~
図27は、本発明の別の変形例としての観点に係るスプール2を示している。スプール2は、一般に、または胴4(例えば、心棒)、固定フランジ6、および押しつぶし可能フランジ8を有する。押しつぶし可能フランジ8は、
図27に示されているように押しつぶし状態に構成されるのが良く、それにより、コイル状アイテムをフランジ8上でこれに沿って滑らせて胴4に嵌めることができる。コイル状アイテムは、糸、コード、ワイヤ、ロープ、またはラインのコイルであるのが良い。フィッシングライン、例えばフライフィッシングラインをスプール2に巻いて保管することができる。スプール2は、スプール2がハンガーに取り付けられまたはこれに保管された状態で回転可能であるようにする中央開口部10を有する。別の観点では、スプール2は、多数の押しつぶし可能なフランジを有しても良い。例えば、固定フランジ6および押しつぶし可能フランジ8の両方が、対応関係にあるフランジ上でこれに沿って滑らせるべきコイル状アイテムを受け入れるよう押しつぶし状態に移行できるよう構成されているのが良い。
【0055】
スプール2を
図23の扁平な状態から
図24の中間状態に折りたたむことができ、次に
図25および
図26の直立位置にすることができる。
図23の扁平状態を扁平な材料片、例えば紙、板紙、またはポリマーボードの扁平な片から切断形成することができる。例示の形態では、折りたたみ可能な材料は、0.018漂白硫酸塩ボード(Solid Bleached Sulphate :SBS)板紙である。この材料が折り畳まれる場所に刻み目をつけ、これを切り開き、またはこれにギザギザをつけるのが良い。
図23に波線で示されているようにかつマーク付けしたように幾つかの部分を互いに結合するために接着剤が用いられる。スプール2を接着剤とは別の手法で(例えば、スナップ嵌め、締まり嵌め、機械的相互係止など)で互いに保持することができることは理解されよう。スプール2は、再生利用可能な紙またはポリマー材料で作られるのが良い。他の形態では、スプール2の諸要素を別々に形成して接合することができる。
【0056】
スプール2を
図23に示された扁平状態から直立させてこれを
図24の中間状態にすることができ、この中間状態では、連結部の全て(例えば、接着剤連結部)を作っているが、胴4は、完成されていない。この状態では、胴4を形成するために用いられる壁は、2つの互いに平行な部材として配置され、それにより、押しつぶし可能フランジ8は、その内側表面のところどころの部分が固定フランジ6の内面のところどころの部分に係合するまで下方に回動することができる。この状態では、スプール2は、保管および輸送に望ましい実質的な扁平な状態にある。この中間状態から、ユーザは、押しつぶし可能フランジ8を固定フランジ6から上方に遠ざけて回動させ、ついには胴4を形成するために用いられる壁がフランジ6,8に実質的に垂直になるようにすることによってスプール2の直立を完了させる。胴半部の壁を互いに向かって折り畳み、これらの端が相互係止してスプール2の直立状態を完成させる。
【0057】
いったん直立状態になると、アイテムを胴に巻くことによりまたはコイル状アイテムを押しつぶし可能フランジ8上にこれに沿って滑らせることにより、スプール2にコイル状アイテムを装填するのが良い。あるコイル状アイテム、例えばフライフィッシングラインを製造中にコイル状にし、そしてこのラインをその状態からほどいてこれを胴4上に再び巻くことは望ましくない。したがって、押しつぶし可能フランジ8を
図27に示されたその押しつぶし状態に変更することができ、それにより、コイル状アイテムを押しつぶし状態のフランジ8上でこれに沿って滑らせて胴4に嵌めることができる。押しつぶし状態にあるとき、フランジ8は、胴4の断面以下の断面(スプール2の回転軸線に垂直にとって)を有する。押しつぶし状態のフランジ8は、その長さに沿って細くなってコイル状アイテムの容易な装填をもたらすことができる。コイル状アイテムを胴4に装填した後、押しつぶし可能フランジ8を
図25および
図26に示された直立状態に戻してコイル状アイテムをスプール2上に保持する。
【0058】
胴4は、4つの壁20,22,24,26を有し、壁22,26は、機械的に相互係止された端部分30を有する胴半部壁28によって形成されている。幾つかの構成例では、ユーザは、オプションとして、接着剤を用いて相互係止端部分30を固定しても良い。相互係止端部分30は、例えば、対応のスナップ嵌め、締まり嵌め、または他の対応の連結または相互係止部分を有するのが良い。壁20,24は、互いに平行であり、フランジ6,8のところでまたはこれにヒンジ留めされる。これらヒンジにより、フランジ8および胴4は、これらが中間状態にあるとき、実質的に扁平な状態まで下方に回動することができる。
【0059】
固定フランジ6は、2つの主要な層および胴壁24を固定するために用いられる取り付けフランジ32を有する。取り付けフランジは、胴4の内部に位置するフランジ6の内面の一部分に接着される。フランジ6の2つの主要な層は、外側パネル34(開口部10の一部分を構成する)ならびに第1の内側パネル36および第2の内側パネル38を有し、これら内側パネルは、外側パネル34に当てて折りたたまれてこれに接着される。第1の内側パネルは、開口部10の一部分とオーバーラップしてこれを定める。バレル壁20は、第2の内側パネル38の内端に連結される。フランジ6は、多角形であるのが良い。
【0060】
押しつぶし可能フランジ8は、外側パネル44ならびに第1の内側パネル46および第2の内側パネル48によって構成された2つの主要な層を有し、これらの内側パネルは、外側パネルに接着される。第1の内側パネル46は、胴壁20の頂部に連結され、第2の内側パネル48は、胴壁24の頂部に連結されている。
【0061】
押しつぶし可能フランジ8は、長方形または正方形の中央部分50を有するのが良く、この中央部分から4つのテーパ付きサブパネル52が延びている。これよりも少ないまたはこれよりも多いサブパネル52が中央部分50から延びても良い。
図23および
図24は、サブパネル52のテーパ付き辺を示している。サブパネル52のテーパ付き辺は、スプール2が押しつぶし状態にあるとき、フィッシングラインの挿入を容易にすることができる。折り畳み式コーナーパネル54がサブパネル52の側縁を互いに連結してコーナーレリーフを構成している。フランジ8を押しつぶすとき、折り畳み式コーナーパネル54を
図27に示されているように内方に折り畳み、その結果、サブパネルは、胴4の断面周囲のところまたはこの中に配置されるようになる。折り畳み式コーナーパネルは、胴4回りに位置決めされたフィラメントのからみ合い、折り曲げ、または他の損傷を最小限に抑えることができる。
【0062】
本明細書において開示するスプール組立体は、環境に優しくしかも多数の片からなるスプール設計例の欠点を解決する単一片板紙スプールを含むのが良い。
【0063】
上記説明は、開示したシステムおよび方法の実施例を提供していることが理解されよう。しかしながら、本発明の他の具体化例が上述の実施例とは細部において異なっても良いことが想定される。例えば、本明細書において開示した実施例のうちの任意のものは、本明細書において開示した他の実施形態のうちの任意のものに対して開示された特徴を含むことができる。本発明およびその実施例の参照は全て、その時点で説明されている特定の実施例を参照しており、より一般的に本発明の範囲に関する限定をなんら示唆するものではない。ある特定の特徴に関する区別やこれらを軽視する言葉の全ては、かかる特徴について好みがないことを示唆しているが、別段の指示がなければ、かかる特徴を本発明の範囲から排除するものではない。
【0064】
当業者であれば容易に理解されるように、現時点において存在しまたは後で開発される本明細書において説明した対応の実施形態と実質的に同一の機能を実行しまたは実質的に同一の結果を達成するプロセス、機械、製造法、物体の組成、手段、方法、またはステップを本発明に従って利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
2,100,200,300,400,500 スプール
4 胴または筒体
6 固定フランジ
8 押しつぶし可能フランジ
90,190,290 心棒軸線
102,202,302,402,502 心棒
104,204,304,404,504 第1のフランジ
106,206,306,406,506 第2のフランジ
108,208 物体のロール
110 心棒パネル
110a 第1の心棒パネル
110b 第2の心棒パネル
112,115 第1の心棒エッジ
114,117 第2の心棒エッジ
118 内側フランジパネル
118a 第1の内側フランジパネル
118b 第2の内側フランジパネル
120 外側フランジパネル