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特開2022-76468個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法
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  • 特開-個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076468
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180392
(22)【出願日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】17/092,993
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】アニル ナグパル
(72)【発明者】
【氏名】神頭 優帆
(72)【発明者】
【氏名】ニテーシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】櫛部 匡則
(72)【発明者】
【氏名】山口 朋成
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BA10
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA15
5K127GA14
(57)【要約】
【課題】個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】本方法は、1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられている1つのユーザプロファイルをロードすることと、複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、車両に最も最近にロードされたユーザプロファイルをロードすることと、検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、ゲストプロファイルをロードすることと、を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられている前記1つのユーザプロファイルをロードすることと、
複数のユーザプロファイルが、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、車両に最も最近にロードされた前記ユーザプロファイルをロードすることと、
前記検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、ゲストプロファイルをロードすることと、
を有している、方法。
【請求項2】
前記1つのユーザプロファイル、前記複数のユーザプロファイル、および前記ゲストプロファイルのそれぞれは、前記車両の1つ以上の構成要素と関連付けられているユーザにより好まれている1つ以上の設定を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲストプロファイルは、前記車両の1つ以上の構成要素と関連付けられている1つ以上のデフォルト設定を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ブルートゥース(登録商標)通信プロトコルまたはブルートゥース(登録商標)低エネルギー通信を使用して、前記1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、前記1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号を同時に一斉送信することと、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、車両システムと以前に対とされたモバイル装置に接続することを試みることとにより前記1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出された1つ以上のモバイル装置のそれぞれと関連付けられている装置IDを決定することと、
前記検出された1つ以上のモバイル装置の前記装置IDと関連付けられている1つ以上のユーザプロファイルを決定することと、
を更に有している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のユーザプロファイルが、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、前記複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが最も最近にロードされたかを決定するために、ユーザプロファイルが前記車両にロードされた以前の時間の記録を有しているプロファイルログにアクセスすることを更に有している、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードした後に、ロードされた前記ユーザプロファイルに基づいて前記プロファイルログを更新することを更に有している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
車両に対する車両システムであって、
1つ以上の車両センサと、
コントローラであって、
1つ以上のモバイル装置を検出し、
1つ以上のユーザプロファイルが、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられているかどうかを決定し、
1つのユーザプロファイルが、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられている前記1つのユーザプロファイルをロードし、
複数のユーザプロファイルが、前記検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、前記複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが前記車両に最も最近にロードされたかを決定し、前記車両に最も最近にロードされた前記ユーザプロファイルをロードし、
前記検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、ゲストプロファイルをロードする、
ように構成されているコントローラと、
を備えている、車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は運転者支援システムに関し、より特別には、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、運転者の個人的な好みに基づいて運転者が調整できる多数の設定を有することができる。例えば、これらの設定には、座席の位置、ミラーの位置、ペダルの位置、ラジオ局のプリセット、暖房と空調設定、ナビゲーション設定、音声設定、オーディオ設定、検索設定、加入ステータス、画面構成などを含むことができる。車両は、運転者と関連付けられているユーザプロファイルに、これらの設定の1つ以上に対するパラメータを格納できる。そして、運転者が車両に乗り込むときに、ユーザプロファイルに基づいて、車両設定を自動的にユーザの好みに調整することができる。そのため、運転者は車両に乗り込むたびにこれらの設定を手動で調整する必要がない。
【0003】
複数の運転者が特別な車両を使用する場合は、車両はそのような運転者それぞれに対するユーザプロファイルを格納できる。そのため、特別な運転者が車両を使用するときは、車両がその運転者と関連付けられているユーザプロファイルをロードし、ユーザプロファイルに従って車両設定を調整することは望ましいことである。
【0004】
運転者が車両に乗り込むときに、車両は運転者が携帯しているモバイル装置(例えば、スマートフォン)を検出できる。車両は検出されたモバイル装置に基づいて運転者を識別でき、その運転者と関連付けられているユーザプロファイルを自動的にロードできる。これは運転者が手動でユーザプロファイル選択する必要をなくすことにより運転者の利便性を増大できる。しかし、複数の個人(例えば、運転者と1人以上の同乗者)が車両に乗り込み、各個人が車両により検出可能で、ユーザプロファイルと関連付けられているモバイル装置を携帯している場合、車両は何れの個人が運転者なのかを知ることができない。従って、車両は車両を運転する個人に対して適切なユーザプロファイルをロードすることができない可能性がある。従って、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態においては、1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定されると、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられているその1つのユーザプロファイルがロードされる。複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定されると、車両に最も最近に(most recently)ロードされたユーザプロファイルがロードされる。検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定されると、ゲストプロファイルがロードされる。
【0006】
他の実施形態においては、車両に対する車両システムは、1つ以上のプロセッサと1つのコントローラを含んでいる。コントローラは、1つ以上のモバイル装置を検出して、1つ以上のユーザプロファイルがその検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられているかどうかを決定するように構成されている。1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、コントローラはそのユーザプロファイルをロードする。複数のユーザプロファイルが、その検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、コントローラは複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが車両に最も最近にロードされたかを決定し、そのユーザプロファイルをロードする。検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、コントローラはゲストプロファイルをロードする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面において記述されている実施形態は本質的に例であり、開示を制限することは意図されていない。例としての実施形態の下記の詳細な記述は、下記の図面と連携して読むことにより理解でき、下記の図面においては、類似の構造体は類似の参照番号により示されている。
【0008】
図1】ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するための例としてのシステムを示している。
図2】ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る例としての車両システムの模式図を示している。
図3】ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る、図2の車両システムの例としてのメモリモジュールの模式図を示している。
図4】ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択する例としての方法のフローチャートを示している。
図5】ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのタイミング図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここにおいて開示される実施形態は、個人(例えば、モバイル)装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法を含んでいる。1人以上のユーザが車両に乗り込むことができる。各ユーザは、スマートフォンなどのようなモバイル装置を携帯することができる。各モバイル装置は、車両の車両システムにより検出できるIDを有することができる。更に、各モバイル装置IDは、ユーザプロファイルと関連付けることができる。各ユーザプロファイルは、対応するモバイル装置を携帯しているユーザと関連付けることができ、特別なユーザにより好まれている一連の車両設定を備えることができる。
【0010】
車両システムが、複数のユーザプロファイルと関連付けられている複数のモバイル装置を検出すると、車両システムは、何れのユーザプロファイルをロードするかを決定しなければならない。ここにおいて開示されているのは、何れのユーザプロファイルをロードするかを決定するために車両システムが従うことができるルールである。特に、車両システムは、検出されたモバイル装置と関連付けられている何れのユーザプロファイルが最も最近にロードされたか(例えば、前回の運転走行の間)を決定でき、そのプロファイルをロードできる。そのため、車両システムは、車両の運転者と関連付けられているユーザプロファイルをロードする可能性がより高い。例えば、運転者と同乗者がある距離だけ運転して、ガソリンを補給するために停止した場合、運転走行が再開されるときに、同じ人間が車両の運転を継続する可能性がより高い。既知のユーザプロファイルと関連付けられているモバイル装置が検出されない場合、車両システムはゲストプロファイルをロードできる。
【0011】
図1は、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するための例としてのシステム100を示している。システム100は、車両システム200(図2参照)を有している車両102を含んでいる。車両102は、ここにおいて記述されている技術を使用してユーザプロファイルを選択するために使用できるヘッドユニット(示されていない)を含むことができる。車両システム200を図2と3と関連してより詳細に検討する。
【0012】
図2は、図1の車両102に含まれている例としての車両システム200を示している。車両システム200は、1つ以上のプロセッサ202、通信経路204、1つ以上のメモリモジュール206、トランシーバ208、1つ以上の車両センサ210、ネットワークインタフェースハードウェア212、およびデータ格納構成要素214を含んでおり、それらの詳細は下記の段落で記述される。例においては、車両102は自律車両であり、車両システム200はまた車両102の自律運転を実行するための1つ以上のモジュールも含むことができる。図2の車両システム200は、例示の目的のみのために提供され、より多い構成要素、またはより少ない構成要素、または他の構成要素を備えている他の車両システム200も利用できるということは理解されるべきである。
【0013】
1つ以上のプロセッサ202のそれぞれは、機械読み取り可能および実行可能命令を実行できる任意の装置であってよい。従って、1つ以上のプロセッサ202のそれぞれは、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または、任意の他の演算装置であってよい。1つ以上のプロセッサ202は、車両システム200の種々のモジュール間の信号相互接続性を提供する通信経路204に結合される。従って、通信経路204は任意の数のプロセッサ202を相互に通信可能に結合でき、通信経路204に結合されたモジュールが分散型演算環境において動作することを可能にできる。具体的には、モジュールのそれぞれは、データを送る、および/または、受信できるノードとして動作できる。ここにおいて使用されているように、「通信可能に結合される」という用語は、結合された構成要素が、例えば、導体媒体を介しての電気信号、空中を介しての電磁信号、光導波管を介しての光信号などのようなデータ信号をお互いに交換できるということを意味している。
【0014】
従って、通信経路204は、例えば、導体ワイヤ、導体トレース、光導波管などのような、信号を送信できる任意の媒体から形成できる。幾つかの実施形態においては、通信経路204は、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信(NFC)などのような、無線信号の送信を促進できる。更に、通信経路204は、信号を送信できる媒体の組み合わせから形成できる。1つの実施形態においては、通信経路204は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置、および通信装置などのような構成要素への電気データ信号の送信を可能にするために協働する導体トレース、導体ワイヤ、コネクタ、およびバスの組み合わせを備えることができる。従って、通信経路204は、例えば、LINバス、CANバス、VANバスなどのような車両バスを備えることができる。追加的に、「信号」という用語は、DC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動などのような、媒体を通して伝わることができる波形(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的、または電磁的)を意味しているということに言及しておく。
【0015】
車両システム200は、通信経路204に結合されている1つ以上のメモリモジュール206を含んでいる。1つ以上のメモリモジュール206は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または、機械読み取り可能および実行可能命令が1つ以上のプロセッサ202によりアクセスできるように、機械読み取り可能および実行可能命令を格納できる任意の装置を備えることができる。機械読み取り可能および実行可能命令は、例えば、プロセッサにより直接実行できる機械言語、またはアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどのような、機械読み取り可能および実行可能命令にコンパイルまたはアセンブルでき、1つ以上のメモリモジュール206に格納できる、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、または5GL)の任意のプログラムミング言語で記述されている論理またはアルゴリズムを備えることができる。代替的に、機械読み取り可能および実行可能命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成、または特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの等価物の何れかを介して実現される論理などのような、ハードウェア記述言語(HDL)で記述できる。従って、ここにおいて記述されている方法は、予めプログラムされたハードウェア要素、または、ハードウェアとソフトウェア構成要素の組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語において実現できる。車両システム200のメモリモジュール206は、図3に関して下記により詳細に記述される。実施形態においては、1つ以上のプロセッサ202と1つ以上のメモリモジュール206の組み合わせは、車両システム200に対するコントローラを構成する。実施形態においては、車両システム200の構成要素の1つ以上は、車両102に結合されているヘッドユニットに含むことができる。
【0016】
更に図2を参照すると、例としての車両システム200は、通信経路204がトランシーバ208を車両システム200の他のモジュールに通信可能に結合するように通信経路204に結合されているトランシーバ208を備えている。トランシーバ208は、ここにおいて記述されているように、車両システム200と車両102内の1つ以上のモバイル装置との間の通信を確立するように構成されている。そのため、トランシーバ208は1つ以上のモバイル装置に信号を送り、そこから信号を受信できる。示されている例においては、トランシーバ208はブルートゥース(登録商標)通信プロトコルを使用してモバイル装置と通信する。他の例においては、トランシーバ208は任意の他の適切な通信プロトコルを使用してモバイル装置と通信できる。示されている例においては、トランシーバ208は、下記に更に詳細に記述されるように、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル(SSP)とブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)通信プロファイルを使用してモバイル装置と通信できる。他の例においては、車両システム200はブルートゥース(登録商標)SPPプロトコルを使用してモバイル装置と通信するための1つのトランシーバと、BLEプロトコルを使用してモバイル装置と通信するための他のトランシーバを備えることができる。
【0017】
車両システム200は1つ以上の車両センサ210を備えている。1つ以上の車両センサ210のそれぞれは通信経路204に結合され、1つ以上のプロセッサ202に通信可能に結合されている。1つ以上のセンサ210には、下記に制限されないが、ライダーセンサ、レーダーセンサ、光学センサ(例えば、カメラ、レーザセンサ、近接センサ、位置センサ)などを含むことができる。幾つかの例においては、車両センサ210は車両102を自律的にナビゲートするために使用できる。
【0018】
更に図2を参照すると、車両システム200は、車両システム200を外部装置(例えば、ナビゲーションまたは他のサービスを提供するサーバ)に通信可能に結合するためのネットワークインタフェースハードウェア212を備えている。ネットワークインタフェースハードウェア212は通信経路204に通信可能に結合させることができ、ネットワークを介してデータ送信および/または受信できる任意の装置であることができる。従って、ネットワークインタフェースハードウェア212は、任意の有線または無線通信を送る、および/または、受信するための通信トランシーバを含むことができる。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア212には、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離無線通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、および/または、他のネットワークおよび/または装置と通信するための任意の有線または無線ハードウェアを含むことができる。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェースハードウェア212は、ブルートゥース(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されているハードウェアを含んでいる。
【0019】
更に図2を参照すると、車両システム200はデータ格納構成要素214を備えている。データ格納構成要素214は、車両システム200のメモリモジュール206および/または他の構成要素が利用できるデータを格納できる。例えば、データ格納構成要素214は、1人以上のユーザと関連付けられているユーザプロファイルを格納できる。ユーザと関連付けられているユーザプロファイルは、車両102と関連付けられている構成要素の1つ以上の設定に対するユーザの好みを備えることができる。
【0020】
ここで図3を参照すると、車両システム200の例としてのメモリモジュール206が示されている。1つ以上のメモリモジュール206は、BLE通信モジュール300、SPP通信モジュール302、モバイル装置検出モジュール304、ユーザプロファイルルックアップモジュール306、ユーザプロファイル決定モジュール308、ユーザプロファイルローディングモジュール310、およびゲストプロファイルローディングモジュール312を含んでいる。BLE通信モジュール300、SPP通信モジュール302、モバイル装置検出モジュール304、ユーザプロファイルルックアップモジュール306、ユーザプロファイル決定モジュール308、ユーザプロファイルローディングモジュール310、およびゲストプロファイルローディングモジュール312のそれぞれは、1つ以上のメモリモジュール206に格納されているオペレーティングシステム、アプリケーションプログラムモジュール、および他のプログラムモジュールの形状のプログラムモジュールであってよい。そのようなプログラムモジュールは、下記に制限されないが、下記に記述されるように、特定のタスクを実行するために、または、特定のデータタイプを実行するためのルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含むことができる。
【0021】
BLE通信モジュール300はBLEプロトコルを使用して、1つ以上のモバイル装置とのBLE通信を確立できる。具体的には、BLE通信モジュール300はトランシーバ208に、車両102の内部またはその近くに位置しているモバイル装置が検出できるBLE信号を一斉送信(broadcast)させる。モバイル装置がBLE一斉送信信号を受信すると、BLEプロトコルを使用して、モバイル装置をBLE通信モジュール300と対とすることにより、BLE通信モジュール300とモバイル装置との間に通信チャネルを確立できる。
【0022】
実施形態においては、モバイル装置は、モバイル装置がBLE通信モジュール300と対とされることが可能なように、適切なアプリケーション(例えば、システム100と互換性のあるアプリケーション)を起動できる。BLEプロトコルを使用することにより、モバイル装置が車両システム200と以前に対とされたことがない場合でも、BLE通信モジュール300はモバイル装置と対となることができる。モバイル装置がBLE通信モジュール300と対とされると、トランシーバ208を介して、データをBLE通信モジュール300とモバイル装置との間で送信できる。
【0023】
SPP通信モジュール302はSPPプロトコルを使用して、モバイル装置とのSPP通信を確立できる。しかし、BLEプロトコルとは異なり、SPPプロトコルは、車両システム200と以前に対とされたことのあるモバイル装置と対となるために使用できるだけである。従って、SPP通信モジュール302はトランシーバ208に、以前にSPP通信モジュール302と対とされたことのあるモバイル装置にピング(ping)を送らせる。モバイル装置がSPP通信モジュール302からのピングに応答すると、SPPプロトコルを使用して、モバイル装置をSPP通信モジュール302と対とすることにより、SPP通信モジュール302とモバイル装置との間に通信チャネルを確立できる。モバイル装置がSPP通信モジュール302と対とされると、トランシーバ208を介して、データをSPP通信モジュール302とモバイル装置との間で送信できる。
【0024】
モバイル装置検出モジュール304は、車両102内またはその近傍に位置している1つ以上のモバイル装置を検出できる。具体的には、モバイル装置がBLE通信モジュール300またはSPP通信モジュール302と対とされた後に、モバイル装置検出モジュール304は、対とされたモバイル装置と関連付けられている装置IDを決定できる。実施形態においては、BLE通信モジュール300および/またはSPP通信モジュール302と対となることができる各モバイル装置(例えば、システム100と関連付けられているアプリケーションを起動している各モバイル装置)は、モバイル装置を一意的に識別する装置IDを有している。従って、対とされたモバイル装置の装置IDは、対とされたモバイル装置を識別するためにモバイル装置検出モジュール304により検出できる。更に、各装置IDは装置IDを有しているモバイル装置の所有者またはユーザと関連付けられている特別なユーザプロファイルと関連付けることができる。そのため、モバイル装置の装置IDは、特別なユーザと関連付けられているユーザプロファイルを決定するために使用できる。
【0025】
実施形態においては、1つ以上の装置IDと関連付けられている1つ以上のユーザプロファイルはデータ格納構成要素214に格納できる。上記に検討したように、各ユーザプロファイルは、ユーザプロファイルと関連付けられているユーザが好む、車両102の1つ以上の構成要素に対する設定を備えることができる。ユーザプロファイルの設定はデータ格納構成要素214に格納できる。幾つかの例においては、ユーザは車両102のヘッドユニットを使用してユーザプロファイルを確立できる。幾つかの例においては、ユーザはモバイル装置を使用してユーザプロファイルを確立できる。他の例においては、ユーザは他の方法および/または装置を使用してユーザプロファイルを確立できる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のユーザプロファイルをリモートサーバに格納でき、車両システム200は、対応するプロファイルを車両システム200にロードする必要があるときに、リモートサーバから1つ以上のユーザプロファイルを受信できる。
【0026】
更に図3を参照すると、ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、特別な装置IDと関連付けられているユーザプロファイルを探すことができる。つまり、モバイル装置がBLE通信モジュール300またはSPP通信モジュール302の何れかと対とされ、モバイル装置検出モジュール304が対とされたモバイル装置の装置IDを決定した後に、ユーザプロファイルルックアップモジュール306はデータ格納構成要素214にアクセスでき、決定された装置IDと関連付けられているユーザプロファイルが存在するかどうかを決定できる。ユーザプロファイルが、検出された装置IDと関連付けられているユーザに対して確立されている場合は、そのユーザプロファイルがデータ格納構成要素214に格納され、ユーザプロファイルルックアップモジュール306はそのユーザプロファイルにアクセスできる。代替的に、検出された装置IDに対するユーザプロファイルが存在しない場合は、検出された装置IDと関連付けられているユーザプロファイルはデータ格納構成要素214に格納されず、ユーザプロファイル決定モジュール308は、検出された装置IDと関連付けられているユーザプロファイルにアクセスできない。複数のモバイル装置がモバイル装置検出モジュール304により検出されると、ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、そのような各モバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルが存在するかどうかを決定でき、各存在するユーザプロファイルにアクセスできる。
【0027】
装置IDと関連付けられているユーザプロファイルを格納することに加えて、データ格納構成要素214はまた、車両システム200により以前にロードされたユーザプロファイルを備えているプロファイルログも維持できる。このログは、各ユーザプロファイルがロードされたときのタイムスタンプを含むことができる。ユーザプロファイルがロードされるたびにログを更新できる。下記に更に詳細に説明するように、このログは車両システム200が使用できる。
【0028】
更に図3を参照すると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、モバイル装置検出モジュール304により1つ以上のモバイル装置が検出された後に、何れのユーザプロファイルをロードするかを決定する。モバイル装置検出モジュール304により1つのみのモバイル装置が検出され、ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、検出されたモバイル装置の装置IDと関連付けられているユーザプロファイルにアクセスできる場合は、ユーザプロファイル決定モジュール308は、検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードすべきであると決定できる。この状況は、ユーザプロファイルと関連付けられているモバイル装置を携帯している1人の個人のみが車両102に乗り込むときに起こり得る。この状況においては、唯一の検出された個人が車両102を運転する可能性が高く、ユーザプロファイル決定モジュール308は、その個人と関連付けられているユーザプロファイルをロードすべきであると決定する。
【0029】
代替的に、モバイル装置検出モジュール304により1つのみのモバイル装置が検出されたが、ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、検出されたモバイル装置の装置IDと関連付けられているユーザプロファイルを見つけることができない場合は、ユーザプロファイル決定モジュール308は、ゲストプロファイルをロードすべきであると決定できる。ゲストプロファイルは、車両102を運転している個人がユーザプロファイルを確立していないときにロードできる、車両102の1つ以上の構成要素に対するデフォルト設定を備えることができる。ゲストプロファイルはデータ格納構成要素214に格納できる。この状況は、ユーザプロファイルと関連付けられていないモバイル装置を携帯している1人の個人のみが車両102に乗り込むときに起こり得る。この状況においては、唯一の検出された個人が車両を運転する可能性が高いが、以前にユーザプロファイルを確立したことがない。従って、ユーザプロファイル決定モジュール308は、ゲストユーザプロファイルをロードすべきであると決定できる。
【0030】
モバイル装置検出モジュール304が複数のモバイル装置を検出する例においては、複数のモバイル装置と関連付けられている複数のユーザプロファイルが存在し得る。そのため、ユーザプロファイル決定モジュール308は、ここにおいて記述されている技術を使用して何れのユーザプロファイルをロードするかを決定できる。モバイル装置検出モジュール304が複数のモバイル装置を検出すると、ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、データ格納構成要素214が検出されたモバイル装置のそれぞれの装置IDと関連付けられているユーザプロファイルを含んでいるかどうかを決定する。ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、データ格納構成要素214は検出されたモバイル装置の何れのユーザプロファイルも含んでいないと決定すると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、ゲストプロファイルをロードすべきであると決定する。一方、ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、データ格納構成要素214は検出されたモバイル装置のちょうど1つに対するユーザプロファイルを含んでいると決定すると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、その検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードすべきであると決定する。代替的に、ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、データ格納構成要素214は複数の検出されたモバイル装置に対するユーザプロファイルを含んでいると決定すると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、何れのユーザプロファイルをロードするかを決定するために下記に記述される技術を使用できる。
【0031】
ユーザプロファイルルックアップモジュール306が、データ格納構成要素214は複数の検出されたモバイル装置に対するユーザプロファイルを含んでいると決定すると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、データ格納構成要素214に格納されているプロファイルログにアクセスできる。上記で検討したように、プロファイルログは、ユーザプロファイルがロードされるたびに記録を記録する。従って、プロファイルログにアクセスした後、ユーザプロファイル決定モジュール308は、検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルの何れが最も最近にロードされたかを決定できる。そして、ユーザプロファイル決定モジュール308は、検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルの中で最も最近にロードされたユーザプロファイルをロードすべきであると決定できる。特に、ユーザプロファイル決定モジュール308は、ユーザプロファイルがロードされた順序と逆の順序で、最も最近にロードされたユーザプロファイルから開始してプロファイルログにおけるユーザプロファイルを調べることができる。検出されたモバイル装置の1つの装置IDと一致する装置IDと関連付けられている、以前にロードされたユーザプロファイルが見つかると、ユーザプロファイル決定モジュール308は、そのユーザプロファイル(つまり、最も最近にロードされたユーザプロファイル)を選択してロードできる。
【0032】
最も最近にロードされたユーザプロファイルをロードすることにより、ユーザプロファイル決定モジュール308が、車両102を実際に運転すると思われる人間と関連付けられているユーザプロファイルを選択する可能性がより高くなる。例えば、それぞれが別個のユーザプロファイルを有している運転者と同乗者が車両に乗り込んで運転が開始されるときに、ここにおいて記述されている技術を使用して車両システム200により自動的に、または、運転者が手動で自身のユーザプロファイルを選択するかの何れかにより、運転者のユーザプロファイルをロードできる。そして、車両が停止され、スイッチがオフにされ(例えば、ガソリンスタンド、レストランなどにおいて)、そして車両が再び始動されるときはユーザプロファイルを再びロードする必要がある。同じ運転者と同乗者が車両に再び乗り込む場合、車両が停止される前に運転していた人間と同じ人間が運転する可能性がより高いと推定される。従って、以前の運転者のユーザプロファイルがより最近にロードされたので、同じ人間が車両102の運転を継続すると、同じユーザプロファイルがユーザプロファイル決定モジュール308によりロードされるユーザプロファイルとして自動的に決定される。これは、運転者が何の行動も起こす必要もなく正しいユーザプロファイルが自動的にロードされることを可能にできる。正しくないユーザプロファイルがロードされた場合、実際の運転者は、ロードされるべき正しいユーザプロファイルを手動で選択できる。
【0033】
下記の表は、何れのプロファイルがヘッドユニットにロードされるべきかを決定するためのルールの例としてのセットである。
【0034】
例えば、第1ユーザに対するユーザプロファイルと第2ユーザ1に対するユーザプロファイルが識別されると、ヘッドユニットは、第1ユーザまたは第2ユーザ1に対するプロファイルとでどちらか最後にロードされたプロファイルをロードできる。つまり、第2ユーザ1に対するユーザプロファイルが最後にロードされた場合、ヘッドユニットは、第1ユーザに対するユーザプロファイルではなく、第2ユーザ1に対するユーザプロファイルをロードする。他の例として、第1ユーザに対するユーザプロファイル、第2ユーザ1に対するユーザプロファイル、および第2ユーザ2に対するユーザプロファイルが識別された場合、ヘッドユニットは、第1ユーザ、第2ユーザ1、または第2ユーザ2に対するプロファイルの中で最後にロードされたプロファイルをロードできる。任意のプロファイルを、上記のマトリックスに基づいて自動的にロードできる。
【0035】
更に図3を参照すると、ユーザプロファイルローディングモジュール310は、データ格納構成要素214に格納されている、ユーザプロファイル決定モジュール308により選択されたユーザプロファイルをロードできる。これは、選択されたユーザプロファイルと関連付けられている車両設定を車両102により実現させることができる。加えて、ユーザプロファイルローディングモジュール310がユーザプロファイルをロードした後に、ユーザプロファイルローディングモジュール310は、選択されたユーザプロファイルがロードされたことを示すために、データ格納構成要素214におけるプロファイルログを更新できる。従って、プロファイルログは、車両システムが次回に何れのユーザプロファイルをロードするかを決定するときに最新のものになっている。
【0036】
ゲストプロファイルローディングモジュール312は、ユーザプロファイル決定モジュール308がゲストプロファイルをロードすべきであると決定すると、データ格納構成要素214に格納されているゲストプロファイルをロードできる。これは、ゲストユーザプロファイルと関連付けられている車両設定を車両102により実現させることができる。幾つかの例においては、ユーザはゲストプロファイルと関連付けられているデフォルト車両設定を調整できる。
【0037】
図4は、ここにおいて示され且つ記述されている1つ以上の実施形態に係る、例としての車両システム200を動作させるための例としての方法のフローチャートを示している。ステップ400において、BLE通信モジュール300はトランシーバ208に、1つ以上のモバイル装置により検出できるBLE信号を一斉送信させる。ステップ402において、SPP通信モジュール302はトランシーバ208に、以前にSPP通信モジュール302と対とされたことのあるモバイル装置にピング(ping)を送らせる。トランシーバ208はBLE一斉送信信号とSPPピング信号を同時に発することできる。そのため、車両システム200はBLEプロトコルとSPPプロトコルを使用してモバイル装置との通信を同時に確立することを試みることができる。幾つかの例においては、ステップ400と402は、車両102が始動されるときにいつも起こる。他の例においては、ステップ400と402は他のタイミングで起こることができる。
【0038】
ステップ404において、モバイル装置検出モジュール304は、車両102内または車両102の近くの1つ以上の装置を検出する。モバイル装置検出モジュール304は、BLE通信モジュール300またはSPP通信モジュール302の何れかと対とされたことのあるモバイル装置を検出できる。モバイル装置検出モジュール304はまた、各検出されたモバイル装置と関連付けられている装置IDを決定することもできる。
【0039】
ステップ406において、ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、データ格納構成要素214における検出されたモバイル装置の装置IDのそれぞれと関連付けられているユーザプロファイルを探す試みをする。具体的には、ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、データ格納構成要素214が検出された装置IDのそれぞれと関連付けられているユーザプロファイルを含んでいるかどうかを決定する。
【0040】
ステップ408において、ユーザプロファイル決定モジュール308は検出された装置IDのそれぞれに対して、データ格納構成要素214が装置IDに対する格納されているユーザプロファイルを含んでいるかどうかを決定する。ユーザプロファイルルックアップモジュール306が検出された装置IDの何れかと関連付けられているユーザプロファイルを見つけることができないときは(ステップ408でNO)、ステップ410において、ユーザプロファイルローディングモジュール310はゲストプロファイルをロードする。代替的に、ユーザプロファイルルックアップモジュール306が検出された装置IDの1つ以上と関連付けられている1つ以上のユーザプロファイルを見つけることができると(ステップ408でYES)、制御はステップ412に進む。
【0041】
ステップ412において、ユーザプロファイル決定モジュール308は、検出された装置IDと関連付けられているユーザプロファイルの何れがユーザプロファイルローディングモジュール310により最も最近にロードされたかを決定し、そのユーザプロファイルを選択してロードする。そして、ステップ414において、ユーザプロファイルローディングモジュール310は、ユーザプロファイル決定モジュール308により選択されたユーザプロファイルをロードする。ステップ416において、選択されたユーザプロファイルがロードされた後、ユーザプロファイルローディングモジュール310は、データ格納構成要素214におけるプロファイルログを、選択されたユーザプロファイルがロードされたこと、およびそのときのタイムスタンプを示す新しい記録で更新できる。
【0042】
ここで図5を参照すると、タイミンング図500が車両システム200の例としての動作に対して示されている。図5の例は、車両102のヘッドユニットが起動したときに(例えば、車両102が始動されたときに)タイミング502において開始する。タイミング504において、SPP通信モジュール302は以前に対となったことのあるモバイル装置と対となることを試み、BLE通信モジュール300はBLE一斉送信または公示を開始する。
【0043】
図5の例においては、タイミング506において、第1ユーザがSPP通信モジュール302により検出され、第1ユーザのモバイル装置がSPP通信モジュール302と対とされる。タイミング508において、第2ユーザがBLE通信モジュール300により検出され、タイミング510において、第3ユーザがBLE通信モジュール300により検出される。ユーザプロファイルルックアップモジュール306は、検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルを探すことを試み、ユーザプロファイル決定モジュール308は、上記の技術を使用して、何れのユーザプロファイルをロードするかを決定する。タイミング512において、BLE通信モジュール300とSPP通信モジュール302はモバイル装置を探すことを停止する。図5の例において示されているように、BLE通信モジュール300とSPP通信モジュール302がモバイル装置を探すプロファイル受信時間は7秒である。しかし他の例においては、プロファイル受信時間は時間の他の長さを備えることができる。
【0044】
図5の例においては、車両102の電子制御ユニット(図5においてはBODY_ECUと示されている)は、車両にいるユーザを顔識別または他の方法で検出できる。この方法でユーザが検出されると、BODY_ECUは、検出されたユーザと関連付けられている装置IDをヘッドユニットに送ることができる。
【0045】
ここで、ここにおいて記述されている実施形態は、個人装置を携帯している複数のユーザからユーザプロファイルを選択するためのシステムと方法に向けられているということは理解されるべきである。車両システムは、車両内または車両の近くの1つ以上のモバイル装置を検出できる。1つ以上の装置が検出されると、車両システムは各検出されたモバイル装置と関連付けられている装置IDを決定でき、格納されているユーザプロファイルが、検出されたモバイル装置のそれぞれと関連付けられているかどうかを決定する。1つのみの格納されているユーザプロファイルが検出されたモバイル装置の1つと関連付けられている場合、車両システムはそのユーザプロファイルをロードできる。複数のプロファイルが複数の検出されたモバイル装置と関連付けられている場合、車両システムは、車両システムにより最も最近にロードされた検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードできる。検出されたモバイル装置の何れかと関連付けられているユーザプロファイルがない場合、車両システムはゲストプロファイルをロードできる。
【0046】
「ほぼ」および「約」という用語は、ここにおいては、任意の量的比較、値、測定、または他の表現に起因すると見なすことができる不確定性の固有の程度を表わすために利用できる。ここにおいてはこれらの用語はまた、量的表現が記述された基準から、ここにおける主題の基本的機能における変化という結果にすることなく変化できる程度を表わすためにも利用される。
【0047】
特別な実施形態がここにおいて例示され記述されてきたが、種々の他の変更および修正を、主張される主題の精神と範囲から逸脱することなく行うことができるということは理解されるべきである。更に、主張される主題の種々の態様がここにおいて記述されてきたが、そのような態様は組み合わせて利用する必要はない。従って、付随する請求項は、主張される主題の範囲内であるすべてのそのような変更および修正もカバーすることが意図さえている。
【0048】
〔例1〕
1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられている1つのユーザプロファイルをロードすることと、
複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、車両に最も最近にロードされたユーザプロファイルをロードすることと、
検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、ゲストプロファイルをロードすることと、
を有している、方法。
〔例2〕
1つのユーザプロファイル、複数のユーザプロファイル、およびゲストプロファイルのそれぞれは、車両の1つ以上の構成要素と関連付けられているユーザにより好まれている1つ以上の設定を有し有している、例1に記載の方法。
〔例3〕
ゲストプロファイルは、車両の1つ以上の構成要素と関連付けられている1つ以上のデフォルト設定を有している、例1に記載の方法。
〔例4〕
ブルートゥース(登録商標)通信プロトコルを使用して、1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、例1に記載の方法。
〔例5〕
ブルートゥース(登録商標)低エネルギー通信を使用して、1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、例1に記載の方法。
〔例6〕
ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、1つ以上のモバイル装置を検出することを更に有している、例1に記載の方法。
〔例7〕
ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号を同時に一斉送信することと、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、車両システムと以前に対とされたモバイル装置に接続することを試みることとにより1つ以上のモバイル装置を検出することと、を更に有している、例1に記載の方法。
〔例8〕
検出された1つ以上のモバイル装置のそれぞれと関連付けられている装置IDを決定することと、
検出された1つ以上のモバイル装置の装置IDと関連付けられている1つ以上のユーザプロファイルを決定することと、
を更に有している、例1に記載の方法。
〔例9〕
複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが最も最近にロードされたかを決定するために、ユーザプロファイルが車両にロードされた以前の時間の記録を有しているプロファイルログにアクセスすることを更に有している、例1に記載の方法。
〔例10〕
検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードした後に、ロードされたユーザプロファイルに基づいてプロファイルログを更新することを更に有している、例9に記載の方法。
〔例11〕
1つ以上の車両センサと、
コントローラであって、
1つ以上のモバイル装置を検出し、
1つ以上のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられているかどうかを決定し、
1つのユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられている1つのユーザプロファイルをロードし、
複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが車両に最も最近にロードされたかを決定し、車両に最も最近にロードされたユーザプロファイルをロードし、
検出された1つ以上のモバイル装置にユーザプロファイルが関連付けられていないと決定すると、ゲストプロファイルをロードする、
ように構成されているコントローラと、
を備えている、車両に対する車両システム。
〔例12〕
1つのユーザプロファイル、複数のユーザプロファイル、およびゲストプロファイルのそれぞれは、車両の1つ以上の構成要素と関連付けられているユーザにより好まれている1つ以上の設定を有している、例11に記載の車両システム。
〔例13〕
ゲストプロファイルは、車両の1つ以上の構成要素と関連付けられている1つ以上のデフォルト設定を有している、例11に記載の車両システム。
〔例14〕
コントローラは、
ブルートゥース(登録商標)通信プロトコルを使用して、1つ以上のモバイル装置を検出するように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例15〕
コントローラは、
ブルートゥース(登録商標)低エネルギー通信を使用して、1つ以上のモバイル装置を検出するように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例16〕
コントローラは、
ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、1つ以上のモバイル装置を検出するように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例17〕
コントローラは、
ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号を同時に一斉送信することと、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル通信を使用して、車両システムと以前に対とされたモバイル装置に接続することを試みることとにより1つ以上のモバイル装置を検出するように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例18〕
コントローラは、
検出された1つ以上のモバイル装置のそれぞれと関連付けられている装置IDを決定し、
検出された1つ以上のモバイル装置の装置IDと関連付けられている1つ以上のユーザプロファイルを決定するように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例19〕
コントローラは、
複数のユーザプロファイルが、検出された1つ以上のモバイル装置と関連付けられていると決定すると、複数のユーザプロファイルの何れのユーザプロファイルが最も最近にロードされたかを決定するために、ユーザプロファイルがロードされた以前の時間の記録を有しているプロファイルログにアクセスするように構成されている、例11に記載の車両システム。
〔例20〕
コントローラは、
検出されたモバイル装置と関連付けられているユーザプロファイルをロードした後に、ロードされたユーザプロファイルに基づいてプロファイルログを更新するように構成されている、例19に記載の車両システム。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】