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特開2022-76481ビデオ編集またはメディアマネジメントシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076481
(43)【公開日】2022-05-19
(54)【発明の名称】ビデオ編集またはメディアマネジメントシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20220512BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20220512BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H04N5/91
G06F3/0481 170
H04N5/92 010
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021182789
(22)【出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】63/111463
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512262569
【氏名又は名称】ブラックマジック デザイン ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Blackmagic Design Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】11 Gateway Court, Port Melbourne, Victoria 3207, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラント ペティー
【テーマコード(参考)】
5C053
5E555
【Fターム(参考)】
5C053FA14
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA06
5E555AA05
5E555BA02
5E555BA73
5E555BB02
5E555BC04
5E555BC18
5E555CA02
5E555CB05
5E555CB33
5E555CB72
5E555CC01
5E555DB18
5E555DB52
5E555DC11
5E555EA07
5E555EA20
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より最適化されたビデオ編集ワークフロー環境をユーザーに提供するソフトウェアプロダクト、コンピュータシステム及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを表示し、ユーザーが該連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードし、ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることに応じて、関連するメタデータを備えるメディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させ、フォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように該単独メディアエレメントをモディファイして、該フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェアプロダクトであって、該命令がプロセッサによって実行されるとき:
ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンと;
前記メディアエレメントの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウと;
タイムラインと;
連結体エレメントと;
フォーカスエレメントと;
を含むビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを表示し;
ユーザーが前記連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードし;
ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることに応じて、関連するメタデータを備える、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させるフォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように前記単独メディアエレメントをモディファイして、前記フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする、ソフトウェアプロダクト。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースはさらにソートエレメントを含み、ユーザーが前記ソートエレメントを作動させることに応じて、メディアビンのメディアエレメントが予め定めたソーティングスキームに従って表示される、請求項1に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項3】
前記予め定めたソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組合せに従ってメディアエレメントをソーティングすることを含む、請求項2または3に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項4】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、関連するメタデータで定義された属性を共有するメディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項5】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在適用されているソーティングスキームに対応して、予め定義されたメタデータフィールドの1つ又は組み合わせによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項6】
前記連結体エレメントおよび前記フォーカスエレメントは、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項7】
前記コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは、第1のコンテクストでは連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクストではフォーカスエレメントとして動作する、請求項6に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項8】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、ビューイングウィンドウに表示されたメディアエレメントの選択された1つと関連するメタデータを共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のソフトウェアプロダクト。
【請求項9】
ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを提供する方法であって、該方法は:
ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンと;
前記メディアエレメントの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウと;
タイムラインと;
連結体エレメントと;
フォーカスエレメントと;
を含む、グラフィカルユーザインターフェースを表示すること、
ユーザーが前記連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすること、および
ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることに応じて、関連するメタデータを備える、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させるフォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように前記単独メディアエレメントをモディファイして、前記フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすること、を含む方法。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースはソートエレメントをさらに含み、前記方法は、ユーザーが前記ソートエレメントを作動させることに応じて、メディアビンのメディアエレメントを予め定めたソーティングスキームに従って順序付けて表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記予め定めたソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組合せに従ってメディアエレメントをソーティングすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フォーカスエレメントが作動されると、関連するメタデータによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結することをさらに含む、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在適用されているソーティングスキームに対応して、予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組み合わせによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記連結体エレメントおよび前記フォーカスエレメントは、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含む、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは、第1のコンテクストで連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクストでフォーカスエレメントとして動作することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、ビューイングウィンドウに表示されたメディアエレメントの選択された1つと関連するメタデータを共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させる、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサおよびプロセッサにアクセス可能な非一時的な記憶媒体を含むコンピュータシステムであって、前記プロセッサは1つまたは複数の命令のシーケンスを実行することで、前記コンピュータシステムによって:
ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンと;
メディアエレメントの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウと;
タイムラインと;
連結体エレメントと;
フォーカスエレメントと;
を含むグラフィカルユーザインターフェースをディスプレイ上に表示し;
ユーザーが前記連結体エレメントを作動させることを含むユーザー入力を受け取ることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントを前記ビューイングウィンドウにロードし、
ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることを含むユーザー入力を受け取ることに応じて、関連するメタデータを備えた、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結するフォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように前記単独メディアエレメントをモディファイし、前記フォーカスされた単独メディアエレメントを前記ビューイングウィンドウにロードする、コンピュータシステム。
【請求項18】
前記フォーカスされた単独メディアエレメントは、ビューイングウィンドウに表示されたメディアエレメントの選択された1つに関連するメタデータを共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみの連結である、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記連結体エレメントおよび前記フォーカスエレメントは、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含む、請求項17または18に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーションに関する。より具体的には、本発明は、少なくとも好ましい実施形態では、より効率的なワークフロー環境をユーザーに提供する、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーション用のメディアマネジメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
映画および/または映像の製作物は、通常、構成エレメントの集合からプロジェクトを組み立てることにより、ビデオ編集システム上で作成される。ビデオ編集システムにより、ビデオクリップ、オーディオビジュアルクリップ、オーディオクリップ、および関連するメタデータを含むこれらの構成エレメントを個別にインポートして編集し、最終の製作物に統合することができる。最新のビデオ編集システム(特に映画やテレビ業界でプロが使用するビデオ編集システム)は、高機能のビデオ編集ソフトウェアアプリケーションを含む。ダビンチリゾルブ(登録商標)として知られている出願人のビデオ編集システムは、プロの現場で広範囲にわたって使用されている最新のビデオ編集システムの一例である。ダビンチリゾルブ(登録商標)の総合機能は、代表的なワークフローの順序に編成された(それぞれが各自のグラフィカルユーザインターフェースを有する)多数の個別のページに分割される。該ダビンチリゾルブ(登録商標)のページは、Media(メディアマネジメント及びクリップ編成用);Edit(ノンリニアビデオ編集);Cut(代替のノンリニアビデオ編集)Color(カラーコレクション及びカラーグレーディング用);Sound(デジタルオーディオワークステーション);Delivery(最終レンダリング又は出力用);Fusion(ビデオエフェクトを適用するための)を含む。
【0003】
他のノンリニアビデオ編集と同様に、ダビンチリゾルブ(登録商標)のEditページおよびCutページのユーザインターフェースは、編集中のプロジェクトのグラフィック表示であるタイムラインを含む。該タイムラインは、通常ユーザインターフェースウィンドウの長さ方向に沿って水平方向に伸びる、線状に間隔をおいた複数のタイムコードマーキングを含む。タイムラインの時間的マーキングと位置合わせすることで、タイムラインにより、プロジェクトの構成エレメントを、望ましい時間順序に配置することができる。タイムラインに配置が終わると、編集ツールを操作することでエレメントの編集が可能となり、トリミングやスプリッティング、インサーティングやマージング、および所望位置へのクリップの移動などのオペレーションを実行できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも好ましい実施形態において、より最適化されたビデオ編集ワークフロー環境をユーザーに提供する、ビデオ編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェアプロダクトが提供され、該命令がプロセッサによって実行されるとき:
ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンと;
メディアエレメントの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウと;
タイムラインと;
連結体エレメントと;
フォーカスエレメントと;
を含むビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを表示し;
ユーザーが連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードし;および
ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることに応じて、関連するメタデータを備える、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させるフォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように該単独メディアエレメントをモディファイして、該フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。
【0006】
少なくとも一実施形態によれば、ユーザインターフェースはさらにソートエレメントを含み、ユーザーが前記ソートエレメントを作動させることに応じて、メディアビンのメディアエレメントが予め定めたソーティングスキームに従って表示される。少なくとも一実施形態では、予め定めたソーティングスキームは、ユーザーによって定義されるか、またはユーザーによって選択される。予め定めたソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つ又は組合せに従ってメディアエレメントをソーティングすることを含む。
【0007】
少なくとも一実施形態によれば、フォーカスされた単独メディアエレメントは、関連するメタデータにより定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する。該関連するメタデータは、共通メタデータ、類似メタデータ、あるいは定義された数値範囲内のメタデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、該フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在適用されているソーティングスキームに対応して、予め定義されたメタデータフィールドの1つ又は組み合わせによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する。
【0008】
予め定義された1又は複数のメタデータフィールドは、1又は複数の:タイムコード;メディアが捕捉されたカメラやカメラタイプ;日付;時間;クリップ名;シーン;ショット;クリップカラー;モディファイされた日;インポートされた日;および/またはビンを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、フォーカスされた単独メディアエレメントは、ビューイングウィンドウに表示されたメディアエレメントの選択された1つと関連するメタデータを共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させる。
【0010】
いくつかの実施形態では、連結体エレメントとフォーカスエレメントはコンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含む。少なくとも1つの実施例では、該コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは第1のコンテクストでは連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクストではフォーカスエレメントとして動作する。第2のコンテクストは、メディアビンにあるメディアエレメントの連結によって単独メディアエレメントが形成されたときに立ち上がることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは、第3のコンテクストでは復帰エレメントとしても動作できる。該復帰エレメントは、フォーカスエレメントの動作を元に戻す動作を行い、単独メディアエレメントが再度形成されることでメディアビンにある全てのメディアエレメントを連結し、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。
【0012】
上記実施形態のいずれにおいても、フォーカスされた単独メディアエレメントの一部を形成しないメディアビンにあるメディアエレメントの表示は、(たとえば、グレー表示、減光表示、フェーディング、配色変更、ぼかし等により)隠したり、目立たなくしたりできる。
【0013】
上記実施形態のいずれにおいても、フォーカスされた単独メディアエレメントの一部を形成するメディアエレメントは、メディアビンの表示において強調することができる。
【0014】
少なくとも一実施形態によれば、単独メディアエレメントの再生速度は該単独メディアエレメントを構成するメディアエレメントの特性を参照することで変化する。たとえば、その特性は単独メディアエレメントの持続時間であってもよい。この実施形態によれば、持続時間がしきい値を超えるメディアエレメントの再生速度を速めることができる。
【0015】
好ましくは、ユーザー入力に応じた命令により、メディアエレメントの1つ、あるいは、1又は複数のメディアエレメントの選択された部分をタイムラインへインサートする。このインサートされたメディアエレメントは、通常、ビューイングウィンドウで現在見られている単独メディアエレメントの一部分に対応するメディアエレメントである。
【0016】
グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザー入力に応じて:
ビューイングウィンドウで見られているメディアエレメントの始点と終点を定義し;
定義された始点と終点からメディアエレメントを作成し;
作成されたメディアエレメントをタイムラインにインサートするように構成された、定義オブジェクトをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを提供する方法が提供され、該方法は:
ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンと;
メディアエレメントの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウと;
タイムラインと;
連結体エレメントと;
フォーカスエレメントと;
を含む、グラフィカルユーザインターフェースを表示すること、
ユーザーが該連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすること、および
ユーザーが前記フォーカスエレメントを作動させることに応じて、関連するメタデータを備える、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させるフォーカスされた単独メディアエレメントを形成するように該単独メディアエレメントをモディファイして、該フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすること、を含む。
【0018】
連結体エレメントは、作動されると、メディアビンにある全てのメディアエレメントを単独メディアエレメントに連結する。すなわち、メディアビンにあるメディアエレメントがビデオクリップ(オーディオトラックを含んでも含まなくともよい)である場合、前記連結によりノーカットのビデオクリップが該単独メディアエレメントに含まれる。メディアエレメントが静止画像である場合、それは、シングルフレームとして、または、予め定めた時間長の、あるいはユーザーが選択可能な時間長のマルチフレームのシーケンスとして、該単独メディアエレメントに連結されてもよい。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、ユーザインターフェースはソートエレメントをさらに含み、該方法は、ユーザーが前記ソートエレメントを作動させることに応じて、メディアビンのメディアエレメントを予め定めたソーティングスキームに従って順序付けて表示することを含む。少なくとも1つの実施形態によれば、予め定めたソーティングスキームはユーザーによって定義され、あるいは選択される。該予め定めたソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つ又は組合せに従ってメディアエレメントをソーティングすることを含み得る。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、該方法は、フォーカスエレメントを作動させると、関連するメタデータによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結することを含む。該関連するメタデータは、共通メタデータ、類似メタデータ、あるいは定義された数値範囲内のメタデータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、該フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在適用されているソーティングスキームに対応して、予め定義されたメタデータフィールドの1つ又は組み合わせによって定義された属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する。
【0021】
予め定義された1又は複数のメタデータフィールドは、1又は複数の:タイムコード;メディアが捕捉されたカメラやカメラタイプ;日付;時間;クリップ名称;シーン;ショット;クリップカラー;モディファイされた日;インポートされた日;および/またはビンを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、フォーカスされた単独メディアエレメントは、ビューイングウィンドウに表示されたメディアエレメントの選択された1つと関連するメタデータを共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させる。
【0023】
いくつかの実施形態では、連結体エレメントとフォーカスエレメントはコンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含む。1つの実施例では、該コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは第1のコンテクストでは連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクストではフォーカスエレメントとして動作する。第2のコンテクストは、メディアビンにあるメディアエレメントの連結によって単独メディアエレメントが形成されるときに立ち上がることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、該コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは、第3のコンテクストでは復帰エレメントとしても動作できる。該復帰エレメントは、フォーカスエレメントの動作を元に戻す動作を行い、単独メディアエレメントが再度形成されることでメディアビンにある全てのメディアエレメントを連結し、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。
【0025】
上記実施形態のいずれにおいても、該方法は、フォーカスされた単独メディアエレメントの一部を形成しないメディアビンにあるメディアエレメントの表示を目立たなくしたり、隠したりすることを含むことができる。
【0026】
上記実施形態のいずれにおいても、該方法は、フォーカスされた単独メディアエレメントの一部を形成するメディアエレメントを、メディアビンにおいて強調することを含むことができる。
【0027】
少なくとも一実施形態によれば、単独メディアエレメントの再生速度は該単独メディアエレメントを構成する個々のメディアエレメントの特性を参照することで変化する。その特性は単独メディアエレメントの持続時間であってもよい。さらに、持続時間がしきい値を超えるメディアエレメントの再生速度を速めることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、該方法は、ユーザー入力に応じて、メディアエレメントの1つをタイムラインにインサートすることを含む。このインサートされたメディアエレメントは、ビューイングウィンドウで現在見られている単独メディアエレメントの一部分に対応するメディアエレメントとすることができる。
【0029】
グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザー入力に応じて:
メディアエレメントが単独メディアエレメントまたはフォーカスされた単独メディアエレメントであって、始点と終点がメディアビンにある異なったメディアエレメントとなり得る、ビューイングウィンドウで見られているメディアエレメントの始点と終点を定義し、
定義された始点と終点から、定義された始点と終点の間の全てのメディアを含む、メディアエレメントを作成し;
作成されたメディアエレメントをタイムラインにインサートするように構成された、定義オブジェクトをさらに含むことができる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを表示する方法が提供され、該方法は:
第1の複数のメディアエレメントを含むメディアビンを表示すること;
該第1の複数のメディアエレメントの連結をビューアウィンドウに表示すること;および
フォーカス機能を起動するユーザーアクションに応じて、
関連するメタデータを備えた、メディアビンにあるメディアエレメントのみを含む、第2の複数のメディアエレメントの連結をビューアウィンドウに表示すること、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、該方法は、フォーカス機能を起動するユーザーアクションに応じて、メディアビンの該第2の複数のメディアエレメントのみを表示することをさらに含む。
【0032】
本発明の別の態様によれば、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを表示する方法が提供され、該方法は:
ソートエレメントを表示すること;
ユーザーが該ソートエレメントを作動させることに応じて、メディアエレメントを予め定めたソーティングスキームに従って順序付けて表示すること;および
ユーザーアクションに応じて、該ソーティングスキームによって関連付けられたメディアエレメントを連結する、フォーカスされた単独メディアエレメントを表示することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、該予め定めたソーティングスキームは、メディアエレメントの特定のメタデータに基づいて、たとえば、本明細書に記載の任意のメタデータに従って、ソートを行う。フォーカスされた単独メディアエレメントは、該特定のメタデータの属性を共有するメディアエレメントに基づいてそれらを連結できる。
【0034】
文脈からそれ以外の意味を必要とする場合を除き、本明細書に使用する用語である“comprise”、及びその用語の“comprising”、“comprises”、“comprised”等の変化形は、さらなる添加物、コンポーネント、整数又はステップを除外することを意図しない。
【0035】
本発明のさらなる態様、および先行するパラグラフに記載された態様のさらなる実施形態は、実施例を通しておよび添付する図面を参照して提供される以下の説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】一実施形態に係るユーザインターフェースの第1ビューを表す図である。
図2】一実施形態に係る第2のユーザインターフェースの第1ビューを表す図である。
図3】一実施形態に係る第2のユーザインターフェースの第2ビューを表す図である。
図4】一実施形態に係る第2のユーザインターフェースのソートエレメントを表す図である。
図5】一実施形態に係る第2のユーザインターフェースの第3ビューを表す図である。
図5b図5の実施形態のバリエーションに係るユーザインターフェースの対応するビューを表す図である。
図6】一実施形態に係る第2のユーザインターフェースの第4ビューを表す図である。
図7】本発明の実施形態に係るグラフィカルユーザインターフェース機能を実行するのに適したハードウェア環境を表す概略図である。
図8】ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを提供する方法例としてのフロー図である。
図9】ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを提供する方法例としてのフロー図である。
図10】ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェースを提供する方法例としてのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーション用ユーザインターフェース100を示す。該ビデオ編集ソフトウェアにより、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーションにインポートされメディアビンエリア101に表示される構成メディアエレメントから、プロジェクトを創作することができる。それについては、たとえば、出願人の同時継続中の国際特許出願PCT/AU2020/050322に説明されており、その内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。図示の実施形態では、「マスター」と名付けるメディアエレメントの単一のビンが存在するが、当業者は、任意の数のメディアビンをつくることができ、そこに配置されたメディアエレメントによりプロジェクトを編成するフレームワークを提供できることに気づくであろう。
【0038】
図示の実施形態では、ユーザーはプロジェクトに12個の構成メディアエレメントをインポートし、そのうちの6個が図1に示されている。残りのメディアエレメントは、メディアビンエリア101の右手側に位置するスクロールバーを操作することで見ることができる。6個の目視可能な構成エレメントは、オーディオトラック102Aと5個のオーディオビジュアルクリップ102B-102F(即ちそれぞれが録音されたオーディオトラックを備えたビデオクリップ)を含む。熟練のユーザーによって理解されるように、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーションは、プロジェクト全体に対するのと同様に各個の構成メディアエレメントに対してもメタデータを記憶し管理する。
【0039】
さらに、ユーザインターフェース100は、選択されたビデオクリップまたはオーディオビジュアルクリップを見るためのビューアウィンドウ110、第1タイムライン120、および第1タイムライン120の上に第1タイムラインと平行に第2のタイムライン140を含む。2つのタイムラインのオペレーションは、同日付で出願された出願人の同時係属中の国際特許出願PCT/AU2020/050320に記載され、その内容は本明細書に組み込まれる。
【0040】
ユーザーは、タイムライン120および140を使って、構成メディアエレメントをタイムラインにインサートし、編集およびアレンジするオペレーションを実行することで、プロジェクトを創作する。これに関して、個々のソースメディアエレメント102B-102Fを、メディアビンエリア101またはビューアウィンドウ110からタイムライン120、140の1つにドラッグまたはインサートすることができる。一旦タイムラインに入ると、構成メディアエレメントを適宜編集やアレンジすることが可能になる。
【0041】
ユーザインターフェース100は、単にダビンチリゾルブ(登録商標)のCutページ上に表示される、通常のユーザインターフェースエレメントのサブセットを表示することで簡素化されている。たとえば、ユーザインターフェース100は、ビデオクリップやオーディオビジュアルクリップを見るための別個のビューアウィンドウをメディアビンエリア101内に含まない。簡素化されたユーザインターフェースは、たとえば、メディアのインポート、編集、トリミング、トランジションやタイトルの追加、自動カラーマッチングやオーディオミキシングを行うために、特定のプロジェクトに必要とされるコアツールを表示する。
【0042】
構成メディアエレメントは6個のみが示されているが、プロジェクトに使用することを見込んで、数十または数百の構成メディアエレメントがインポートされることも珍しくない。これによって、メディアビンエリア101に存在するすべてのファイル内から所望のクリップを見つけることが困難となる。
【0043】
この問題に対処するために、ユーザインターフェース100は、図1の実施例ではボタン150の形態として、連結体オブジェクトをさらに含む。ボタン150は、通常、マウスや他のポインターデバイスを使ったクリック操作や、タッチスクリーン上の適切なジェスチャーの実行や、該ボタンにリンクされたキーボードショートカットの入力などのシングルアクションで適宜ユーザーによって作動される。連結体オブジェクトを作動させることに応じて、ユーザインターフェース100は、メディアビンエリア101に存在する各メディアエレメントを単独メディアエレメントに連結し、作成された単独メディアエレメントをビューアウィンドウ110にロードする。ユーザインターフェース100は、単独メディアエレメントに含まれるメディアエレメントの総数(この場合は12)を表示し、ビューアウィンドウ110で現在見られているメディアエレメントを含むメディアビンの名称(この場合は「マスター」)を表示する。図示される具体的な実施例では、メディアエレメントの合計数の表示とメディアビンの名称が単一アイテムの表示に結合され、この場合は、「12Clips-Master」としてビューアウィンドウ110のヘッダーに表示される。単独メディアエレメントの全長もユーザインターフェース100に表示される。図示の実施形態では、エレメント番号、メディアビン識別子および長さが、ビューアウィンドウの上のエリアに表示されるが、このデータは、ユーザインターフェース100の他のロケーションに容易に表示できる。
【0044】
メディアビンエリア101に複数のビンが作成され、表示される場合、連結アクションを実行して、選択されたビンの1つに存在するメディアエレメントから、または複数のビンのコンテンツから単独メディアエレメントを生成することができる。好ましい形態では、連結体エレメント150の作動により(選択された、あるいは全ての)メディアビン101にあるそれぞれのメディアエレメントの全体が単独メディアエレメントに連結される。
【0045】
グラフィカルディスプレイオブジェクト160は、ビューアウィンドウ110の下に配置されている。図示の実施形態では、単独メディアエレメント全体が、オーディオ波形を含むグラフィカルディスプレイオブジェクト160に描かれている。この描写では、ユーザーは、たとえば、音量が小さいまたはゼロのクリップを示すオーディオ波形のトラフ領域を調べることによって、特定のクリップを簡単に識別できる。
【0046】
グラフィカルディスプレイオブジェクト160はその構成エレメントの連結を表すストリップとして出現する。グラフィカルディスプレイオブジェクト160では、構成メディアエレメント間の境界はコントラストのある色(白など)の垂直ラインで示される。
長方形などのシンプルな幾何学的形状を使用して構成メディアエレメントを概略的に示すなど、単独メディアエレメントのグラフィカルディスプレイオブジェクト160での他の描写法も使用することができる。構成メディアエレメントは、例えば、概略図に異なる色を使用することによって、グラフィカルディスプレイオブジェクト160において識別できる。
【0047】
メディアビンエリアに存在するすべてのメディアエレメントから成る単独メディアエレメントを有することで、ユーザーは単独メディアエレメントをスクラブして(必要により高速で)、必要とする構成メディアエレメントを容易に見つけることができる。高速スクラビングは、グラフィカルディスプレイオブジェクト160に配置されたプレイヘッド123を操作することにより行うことができる。(高速スクラビングを含む)他のオペレーションは、図1に示された実施例では、グラフィカルディスプレイオブジェクト160の下に配置されるビューアウィンドウコントロール170を使用して行うことができる。
【0048】
必要とするメディアエレメントは、一旦見つければ、ビューアウィンドウ110またはグラフィカルディスプレイオブジェクト160からドラッグアンドドロップなどにより、タイムライン120および140の1つに容易にインサートできる。ユーザインターフェース100は、単独メディアエレメント全体をインサートするのではなく、ビューアウィンドウ110に現在表示されている個々のメディアエレメントのみをタイムラインにインサートするように構成される。
【0049】
作成された単独メディアエレメント内の構成メディアエレメントの順序は、元のメディアビン内の構成メディアエレメントの順序に対応する。ただし、作成された単独メディアエレメント内の個々のソースメディアエレメントの順序は、ユーザーでも定義でき、メディアビン内のメディアエレメントの順序に従う必要はない。
【0050】
グラフィカルディスプレイオブジェクト160は、ユーザー入力(キーボード入力、マウスクリック、またはタッチスクリーンディスプレイコンタクトなど)を受け、それに応じて、単独メディアエレメントがビューアウィンドウ110で再生される処理の間に単独メディアエレメント内の開始点および/または終了点を定義するように構成される。このように(すなわち、開始点および対応する終了点の定義により)定義された新しいクリップは、タイムライン120および140の一方または両方に自動的にロードされる。グラフィカルディスプレイオブジェクト160では、複数の開始点および/または終了点を定義して、開始点および終了点のペアによって定義された複数のクリップをタイムライン120および140に加えることができる。すべての構成メディアオブジェクトの連結を単独メディアエレメントとして提示し、複数のクリップをこのように定義することによって、個々のクリップをタイムラインにロードする必要がなくなるので、ユーザーワークフローを改善できる。
【0051】
複数のクリップがタイムライン120および140に存在すると、その境界は、トリミングおよび/または拡大などによって適宜編集できる。この機能により、グラフィカルディスプレイオブジェクト160を使用して、おおよその境界を備えたクリップを作成することができ、その後その境界をタイムラインの編集ツールを用いて精緻化することができる。
【0052】
複数のメディアエレメントを単独メディアエレメントに連結することで、連結オペレーションの前に個々のエレメントが本来定義していた開始点と終了点が効果的に削除される。これにより、(つまり、作成された単独メディアエレメントの開始点と終了点を定義することによって)複数の元のソースメディアエレメントからのコンテンツを含む新しいメディアエレメントを作成する可能性が開かれる。トランジションエフェクトは、その後に、新しく作成されたメディアエレメント間に容易にインサートできる。
【0053】
図2乃至6は、ノンリニアエディターなどのビデオ編集ソフトウェアアプリケーション用のユーザインターフェース200のさらなる実施形態を示している。図2および6の実施形態は図1の実施形態に類似しており、100から170までの参照符号を有する図1と共通のエレメントは、200から270の範囲の番号が付され、参照符号1XXを付された図1のエレメントは、図2乃至6では参照符号2XXを付されて示されており、そのように対応するエレメントは、別途記載がない限り、各個の実施形態において同様の機能を有する。
【0054】
図2を参照すると、ビデオ編集ソフトウェアにより、ビデオ編集ソフトウェアアプリケーションにインポートされてメディアビンエリア201に表示される構成メディアエレメントからプロジェクトの創作が可能になる。図示の実施形態では、「マスター」と名付けられたメディアエレメントの単一のビンが存在するが、当業者は、任意の数のメディアビンを作成することができ、そこに配置されたメディアエレメントによりプロジェクトを編成するフレームワークを提供できることに気づくであろう。
【0055】
図示の実施形態では、ユーザーは、該プロジェクトに90個の構成メディアエレメントをインポートし、そのうちの19個が図1に示されている。残りのメディアエレメントは、メディアビンエリア201の右手側に位置するスクロールバー231を操作することにより目視可能とされる。該19個の目視可能な構成メディアエレメントは、第1列のアイコンで表される7個のオーディオビジュアルクリップ202A.1乃至202A.7と、第2列のアイコンで表される5個のオーディオビジュアルクリップ202B.1乃至202B.5と、第3列のアイコンで表されるオーディオビジュアルクリップ202Cと、第4列のアイコンで表される6個オーディオビジュアルクリップ202D.1乃至202D.6とからなる。当業者によって理解されるように、該ビデオ編集ソフトウェアアプリケーションは、プロジェクト全体に対するのと同様に、さらに、各構成エレメントに対するメタデータを記憶し管理する。図3はメディアエレメントがクリップ又はフィルムストリップとして目視可能とされた、該インターフェースの第2ビューを示す。クリップ(たとえば、リスト、フォルダーとして)の他のビューも可能である。
【0056】
ユーザインターフェース200は、さらに、選択されたビデオやオーディオビジュアルクリップを見るためのビューアウィンドウ210、第1タイムライン220、および第1タイムライン220の上に平行に配置された第2タイムライン240を含む。2つのタイムラインのオペレーションは、出願人の同時継続中のPCT特許出願PCT/AU2020/050320に記載され、その内容は本明細書に組み込まれる。
【0057】
タイムライン220および240を使って、ユーザーは、構成メディアエレメントをタイムラインのいずれかにインサートして編集とアレンジメントのオペレーションを実行することでプロジェクトを創作できる。メディアエレメントをタイムライン220、240のいずれか一方にインサートすることで、その同じメディアエレメントが他方のタイムラインの対応する位置に表示される。これに関して、個々のソースメディアエレメント202A.1乃至202A.4(または、メディアビンにあるが現在のビューで目視できないその他の任意のメディアエレメント)を、メディアビンエリア201またはビューアウィンドウ210からタイムライン220または240のいずれか一方に、ドラッグまたは他の方法でインサートできる。タイムラインに入れることで、該構成メディアエレメントを適宜編集及びアレンジすることができる。
【0058】
ユーザインターフェース200は、ダビンチリゾルブ(登録商標)のCutページ上に表示される、単に通常のユーザインターフェースエレメントのサブセットを表示することで簡素化される。たとえば、ユーザインターフェース200は、ビデオクリップやオーディオビジュアルクリップを見るための別個のビューアウィンドウをメディアビンエリア201内に含まない。簡素化されたユーザインターフェースは、特定のプロジェクトのために、たとえば、メディアのインポート、編集、トリミング、トランジションやタイトルの追加、自動カラーマッチングやオーディオミキシングを行うために必要とされるコアツールを表示する。
【0059】
図2には、構成メディアエレメントは19個のみが示されているが、本実施例では90個のクリップをビンにロードしている。しかし、プロジェクトに使用することを見込んで、数百の構成メディアエレメントがインポートされることも珍しくない。これによって、図1に関連して説明した連結体エレメントを使う場合でも、メディアビンエリア201に存在するすべてのファイル内から所望のクリップを特定し管理することが困難となる場合がある。したがって、本実施形態では、メディアを特定し管理するために改善されたメカニズムを提示する。
【0060】
本ユーザインターフェース200は、連結体オブジェクトをさらに含み、それは図2の実施例ではボタン250の形態となる。ボタン250は、マウスや他のポインターデバイスを使ったクリック操作や、タッチスクリーン上の適切なジェスチャーの実行や、あるいは該ボタンにリンクされたキーボードショートカットの入力などにより、通常シングルアクションで適宜ユーザーによって作動される。連結体オブジェクトを作動させることに応じて、ユーザインターフェース200は、メディアビンエリア201に存在する各メディアエレメントを連結して単独メディアエレメントとし、作成された該メディアエレメントをビューアウィンドウ210にロードする。ユーザインターフェース200は、単独メディアエレメント(234)に含まれるメディアエレメントの総数(232)およびビューアウィンドウ210で現在見られているメディアエレメントを含むメディアビンのメディアビン名(233)(この場合は「マスター」)を表示する。単独メディアエレメント(234)の全長もユーザインターフェース200に表示される。図示の実施形態では、メディアエレメントカウント(232)、メディアビン名またはアイデンティファイア(233)、および連結によって形成された単独メディアエレメント(234)の長さが、ビューアウィンドウの上のエリアに表示されるが、これらのデータは、ユーザインターフェース200の他のロケーションに容易に表示できる。
【0061】
メディアビンエリア201に複数のビンが作成されて表示される場合、選択されたビンの1つにあるメディアエレメントから、あるいは複数のビンの内容から単独メディアエレメントを生成するように連結アクションを実行することができる。
【0062】
図1と同様に、グラフィカルディスプレイオブジェクト260はビューアウィンドウ210の下に位置している。図示の実施形態では、単独メディアエレメントの全体が、オーディオ波形を含むグラフィカルディスプレイオブジェクト260に描かれている。この描写では、ユーザーは、たとえば、ボリュームがゼロまたは小さいクリップを示すオーディオ波形のトラフ領域を調べることによって、特定のクリップを簡単に識別できる。構成メディアエレメントの時間的境界(すなわち、エッジ)は、(白などの)コントラストのある色のたとえば262や264の垂直ラインで示され、単独メディアオブジェクト全体の長さに対する構成メディアエレメントの長さを決めるうえで、ユーザーを支援する。
【0063】
長方形などのシンプルな幾何学的形状を使用して構成メディアエレメントを概略的に示すなど、単独メディアエレメントの他の描写法も使用できる。構成メディアエレメントは、たとえば、概略図に異なる色を使用することによって、グラフィカルディスプレイオブジェクト260において識別できる。
【0064】
単独メディアエレメントをメディアビンエリアに存在するすべてのメディアエレメントから構成することによって、ユーザーは単独メディアエレメントをスクラブして(必要により高速で)、必要とする構成メディアエレメントを容易に見つけることができる。高速スクラビングは、グラフィカルディスプレイオブジェクト260に配置されたプレイヘッド223を操作することにより行うことができる。(高速スクラビングを含む)他のオペレーションは、グラフィカルディスプレイオブジェクト260の下に配置されるビューアウィンドウコントロール270を使用して行うことができる。
【0065】
作成された単独メディアエレメント内の構成メディアエレメントの順序は、元のメディアビン内の構成メディアエレメントの順序に対応する。ただし、作成された単独メディアエレメント内の個々のソースメディアエレメントの順序は、ユーザーによっても定義でき、メディアビン内のメディアエレメントの順序に従う必要はない。本実施形態では、メディアエレメント202A.1乃至202D.6は、インポートの日付でソートされてメディアビン201に示されている。該メディアエレメントは、インポートの日付でグループ単位に配置されている。このソーティングをセットするために、この実施形態にかかるユーザインターフェースは、ソートエレメント252を含む。該ソートエレメント252が作動されると、予め定めたソーティングスキームに従った順序でメディアビン201のメディアエレメントが表示される。該ソーティングスキームはユーザーによって定義され、ユーザーによって選択される。図4はソートエレメントの一例を示す。このソートエレメント252はインターフェースボタンを選択することで作動され、その後ユーザーが使用するソーティングスキームを選択する。該ソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組合せに従ってメディアエレメントをソーティングすることを含んでもよい。可能性のあるメタデータフィールドのリストを図4のソートスキームリスト254に示す。ソートスキームが選択されると、ビンにあるメディアエレメントの順序が新しいソート順序で示される。ビンを表示することでソ-ティングスキームのための適切なメタデータに従ってメディアエレメントをグルーピングすることもできる。これに関して、図5は、図2及び3の実施形態で示されたメディアエレメントを、シーンネームでグループ256、258、259にソートして表示する。
【0066】
上記内容から分かるように、メディアエレメントは、様々な異なったメタデータフィールドを含むデータまたはファイルフォーマットで格納することができ、任意の1つまたは複数のメタデータフィールドを使用して、メディアエレメントをソートすることができる。表示におけるグルーピングは、ソーティングスキームによってセットされた1つまたは複数のフィールドでの一致するメタデータ、またはソーティングスキームによってセットされた1つまたは複数のメタデータフィールドの数値の範囲内にあるメタデータに基づいて実行される。便利なメタデータフィールドは、次のうちの1つまたは複数を含むことができる:
タイムコード;メディアが捕捉されたカメラやカメラタイプ;日付;時間;クリップ名;シーン;ショット;クリップカラー;モディファイされた日付;インポートされた日付;および/またはビン。
【0067】
図5に戻ると、図2および3のグルーピングとは異なる方法でメディアビン201内のメディアエレメントがグルーピングされていることが分かる。これにより、ユーザーは、編集ワークフローとタスクにとって最も有用と考えられるメディアエレメントのグループピングを見ることができる。しかし、多数のメディアエレメントを扱う場合は、それが依然困難となり得る。
【0068】
この実施形態では、ユーザインターフェース200は、ユーザーが一回で取り扱うメディアエレメントのその時のセットを削減するために利用できるフォーカスエレメントをさらに含み、これにより、オペレーションを単純化しスピードアップすることができる。フォーカスエレメントは、単独メディアエレメントを形成するメディアエレメントのグループ内のエレメントの数を減らすために使用される。この実施形態では、これは単に特定のメタデータの属性を共有するメディアビン内のメディアエレメントを、上記のように表示され得る、モディファイされた単独メディアエレメントとして連結することに関わる。
【0069】
クリップのグルーピングは、ビューアウィンドウ210に現在表示されているクリップおよびそれに関連するメタデータに基づいて定義できる。たとえば、現在表示されているメディアエレメントに関連するメタデータを備えたすべてのメディアエレメントを、フォーカスされた単独メディアエレメントに含めることができる。関連するメタデータには、共通のメタデータ、類似のメタデータ、あるいは定義された数値の範囲内のメタデータを含めることができる。いくつかの実施形態では、フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在アクティブなソーティングスキームによってまとめてグルーピングされた、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する。
【0070】
したがって、図5では、メディアエレメント202D.2がビューアウィンドウ210にアクティブに表示されている(これは、メディアビン201にあるメディアエレメント202D.2のアイコンを囲むインターフェースの顕著な輪郭線237によって確認できる)。ユーザーがフォーカスエレメント(ボタン)250を作動させると、単独メディアエレメントがモディファイされ、ユーザインターフェースが図6のビューに移行する。
【0071】
他の実施例では、連結エレメントとフォーカスエレメントとは区別される。たとえば、ボタン250は、専用の連結エレメントであり、別のボタンがフォーカスエレメントとして動作できる。図5bは、そのようなユーザインターフェース200のイラストレーションを提供する。図5bのユーザインターフェースは、図5の実施形態とは、図5bのユーザインターフェース200がボタン251の形態として専用のフォーカスエレメントを含むという点でのみ異なる。他の全てのエレメントは図5と同じであり、その参照符号を図5と共有する。フォーカスエレメントであるボタン251は、通常、マウスまたは他のポインティングデバイスでクリックするか、タッチスクリーン上で適切なジェスチャーを実行するか、またはボタンにリンクされたキーボードショートカットを入力するなどのシングルアクションで、ユーザーによって適宜作動させることができる。フォーカスエレメント251が作動されると、図5のフォーカスエレメントのオペレーションに関連して記載されるように、単独メディアエレメントがモディファイされ、ユーザインターフェースは、図6のビューに移行される。図6(および図2乃至4においても)のユーザインターフェースはさらに、たとえば、図5bのように、専用のフォーカスエレメントを含むように構成されてもよい。
【0072】
図6から分かるように、260に図示されているモディファイされた単独メディアエレメント(グラフィカルディスプレイオブジェクト)には、4つのクリップしか含まれていない。さらに、図6に示された実施形態では、メディアビン201がモディファイされている。具体的には、メディアビン201に目視可能に留まっているクリップのみが、260で図示されているモディファイされた単独メディアエレメントに含まれる4つのクリップである。この実施例では、留まっているその4つのクリップは「シーン2」のメタデータをクリップ202D.2と共有する。フォーカスされた単独メディアエレメントと呼ばれる、新しい、モディファイされた単独メディアエレメントは、上記のように利用できる。
【0073】
図5の実施例では、連結体エレメントおよびフォーカスエレメントは、ユーザインターフェース上の同じビジュアルエレメントであるボタン250を使用して作動される。このボタン250はコンテクスト依存方式で動作し、該ボタンは、第1のコンテクスト(この場合「ソーステープ」ビンモードが非アクティブであり、すなわち、単独メディアエレメントはアクティブでない)において、連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクスト(この場合、「ソーステープ」モードがアクティブであり、すなわち、単独メディアエレメントがアクティブである)においてフォーカスエレメントとして動作する。
【0074】
上記実施形態のいずれのユーザインターフェース200も復帰エレメントを含むことができ、それにより、フォーカスされた単独メディアエレメントがアクティブであれば、ユーザーが前記復帰エレメントを作動させることに応じて、再びメディアビンにあるすべてのメディアエレメントを単独メディアエレメントに含ませて、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。すなわち、復帰エレメントを作動させると、フォーカスエレメントの動作を元にもどし、インターフェースを、単独メディアエレメントがアクティブなビンにあるすべてのメディアエレメントを含む(例えば図2および3の状態の)第1のコンテクストにもどす。復帰エレメントは、物理ボタンであっても、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)定義のボタンであってもよい。便宜的に、これをキーボードの「Escキー」とすることもできる。復帰エレメントはさらに、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメント、例えばボタン250のさらなる動作モードとすることもできる。
【0075】
専用のフォーカスエレメントを含む実施形態では、たとえば、図5bを参照して説明された実施形態は、フォーカスエレメント251または連結体エレメント250のいずれかまたは両方が、フォーカスされた単独メディアエレメントがアクティブのコンテクストにおいて復帰エレメントとして機能することができる。
【0076】
図1に関連して説明したように、必要とするメディアエレメントは、単独メディアエレメントまたはフォーカスされた単独メディアエレメントのいずれかに位置付けると、ビューアウィンドウ210からまたはグラフィカルディスプレイオブジェクト260からドラッグアンドドロップなどによって、タイムライン220および240の1つに容易にインサートできる。ユーザインターフェース200は、単独メディアエレメント全体またはフォーカスされた単独メディアエレメント全体をインサートするのではなく、ビューアウィンドウ210で現在見られている個々のメディアエレメントのみをタイムラインにインサートするように構成される。
【0077】
グラフィカルディスプレイオブジェクト260は、(キーボード入力、マウスクリック、またはタッチスクリーンディスプレイコンタクトなどの)ユーザー入力を受け取り、それに応じて、単独メディアエレメントまたはフォーカスされた単独メディアエレメントがビューアウィンドウで再生中に単独メディアエレメントまたはフォーカスされた単独メディアエレメントの開始点および/または終了点を定義するように構成される。このように(すなわち、開始点および対応する終了点の定義によって)定義された任意の新しいクリップは、タイムライン220および240の一方または両方に自動的にロードされる。グラフィカルディスプレイオブジェクト260では、複数の開始点および/または終了点を定義することで、開始点および終了点のペアによって定義される複数のクリップをタイムライン220や240に加えることができる。該複数のクリップがタイムライン220や240に存在すると、その境界をトリミングおよび/または延長などによって適宜編集することができる。この機能により、グラフィカルディスプレイオブジェクト260を使用して、おおよその境界を有するクリップを作成できる。該クリップはその後タイムラインの編集ツールを使用して精緻化される。
【0078】
すべての構成メディアオブジェクトの連結を単独メディアエレメントとして提示し、たとえばメタデータによって定義されるように、さらに該単独メディアエレメントを共通の属性によりメディアエレメントのサブセットにフォーカスすることを可能にすることで、ユーザーワークフローを改善することができる。個々のクリップをタイムラインにロードする必要が無くなるとともに、ユーザーは、同時に目視可能なクリップ数を選択的に減らして、複雑なプロジェクトに存在し得る多数のクリップを介したナビゲーションを容易にすることができる。
【0079】
複数のメディアエレメントを単独メディアエレメントに連結することで、連結オペレーションを行う前に個々のエレメントが本来定義していた開始点と終了点を効果的に削除できる。これにより、(つまり、作成された単独メディアエレメントの開始点と終了点を定義することによって)複数の元のソースメディアエレメントからのコンテンツを含む新しいメディアエレメントを作成する可能性が開かれる。トランジションエフェクトは、その後に、新しく作成されたメディアエレメント間に容易にインサートできる。
【0080】
さらに、本発明の実施形態は作成された単独メディアエレメントについて実行される有利な再生方法に関する。該方法によれば、単独メディアエレメントの再生速度は、単独メディアエレメントを構成する個々のソースメディアエレメントの特性を参照して変化する。該方法は、ソースメディアエレメントが単独メディアエレメントに連結された後、ソースメディアエレメントの特性についての情報(たとえば持続時間)を保持することによって実施される。保持された特性情報は、その後単独メディアエレメントの再生を制御するために使用される。
【0081】
再生方法の一例は、持続時間がしきい値を下回るソースメディアエレメントを通常の速度で再生すること、および持続時間が閾値を上回るソースメディアエレメントについては速度を速めて再生すること、に関する。速められた再生速度は、必要なソースメディアエレメントの持続時間に関係なく同一であってもよいし、またはそれらのソースメディアエレメント各個の持続時間に従って変化してもよい。
【0082】
本発明を実施することで他の再生制御方法を定義できる。たとえば、持続時間がしきい値未満のソースメディアエレメントを無視して、残りのエレメントの再生速度を変化させることができる。他の実施例では、作成されたメディアオブジェクトの所定の時点での再生速度が、該所定の時点に対応するソースメディアエレメントの長さの関数によって決定されてもよい。
【0083】
図7は、本発明の実施形態を実施可能なコンピュータシステム1000の一例を示すブロック図を提供する。コンピュータシステム1000は、情報を伝えるためのバス1002または他の通信メカニズムと、バス1002に接続された、情報を処理するためのハードウェアプロセッサ1004とを含む。ハードウェアプロセッサ1004は、例えば、汎用マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッシングユニット、他のタイプのプロセッシングユニット、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0084】
さらに、コンピュータシステム1000は、情報や、プロセッサ1004によって実行される命令を記憶するための、バス1002に接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)や他のダイナミック記憶装置などのメインメモリ1006を含む。メインメモリ1006は、プロセッサ1004によって実行される命令の実行中に一時変数や他の中間情報を記憶するためにも使われる。そのような命令が、プロセッサ1004にアクセス可能な非一時的な記憶媒体に格納される場合、コンピュータシステム1000は、該命令により指定されたオペレーションを実行するようカスタマイズされた専用マシンになる。
【0085】
コンピュータシステム1000はさらに、バス1002に接続された、静的情報やプロセッサ1004の命令を記憶するためのリードオンリーメモリ(ROM)1008や他のスタティック記憶装置を含んでもよい。磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置1010が提供されてもよく、情報や上記のビデオ編集ソフトウェアアプリケーションを含む命令を格納するために、バス1002に接続されてもよい。
【0086】
コンピュータシステム1000は、バス1002を介して(LCD、LED、タッチスクリーンディスプレイまたはその他のディスプレイなどの)ディスプレイ1012に接続され、コンピュータユーザに対して、上記で説明され図示されたグラフィカルユーザインターフェースなどの情報を表示する。英数字キーおよびその他のキーを含む入力デバイス1014は、情報およびコマンド選択をプロセッサ1004に伝えるためにバス1002に接続される。別のタイプのユーザー入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ1004に伝え、およびディスプレイ1012上のカーソルの動きを制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソルコントロール1016である。
【0087】
少なくとも一実施形態によれば、本明細書に記載の技術は、プロセッサ1004が、メインメモリ1006に含まれる1つまたは複数の命令の、1つまたは複数のシーケンスを実行することに応じて、コンピュータシステム1000によって実行される。そのような命令は、リモートデータベースなどの別の記憶媒体からメインメモリ1006に読み込まれてもよい。プロセッサ1004は、メインメモリ1006に含まれる命令のシーケンスを実行することで本明細書に記載のプロセスのステップを実行する。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路を、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて使用してもよい。
【0088】
本明細書で使用される「記憶媒体」という用語は、マシンを特定の方法で動作させるデータおよび/または命令を格納するあらゆる非一時的な記憶媒体を指す。そのような記憶媒体は、不揮発性記憶媒体および/または揮発性記憶媒体を含み得る。不揮発性記憶媒体には、例えば、記憶装置1010などの光学ディスクまたは磁気ディスクが含まれる。揮発性記憶媒体には、メインメモリ1006などのダイナミックメモリが含まれる。記憶媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、またはその他のあらゆる磁気データ記憶媒体、CD-ROM、その他のあらゆる光データ記憶媒体、孔のパターンを備えたあらゆる物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、NVRAM、その他あらゆるメモリチップまたはカートリッジが含まれる。
【0089】
さらに、コンピュータシステム1000は、バス1002に接続された通信インターフェース1018を含んでもよい。通信インターフェース1018は、1つの通信ネットワーク1050に接続されたネットワークリンク1020に結合して双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1018は、サービス総合デジタル網(ISDN)カード、ケーブルモデム、サテライトモデムなどであってもよい。別の例として、通信インターフェース1018は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。ワイヤレスリンクを実装してもよい。そのような実装を行う場合、通信インターフェース1018は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを伝送する電気、電磁気、または光信号を送受信する。
【0090】
図8は、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェース、例えば、図2乃至6を参照して説明されたグラフィカルユーザインターフェースを提供するための方法800のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法800は、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、ROM1008の命令に基づいて実施される。
【0091】
ステップ801において、方法800は、メディアエレメントを含むグラフィカルユーザインターフェースを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ801は、ビデオ編集システムにインポートされた複数のメディアエレメントを表示するメディアビンを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ801は、メディアエレメントのうちの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ801は、タイムラインを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ801は、連結体エレメントを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ801は、フォーカスエレメントを表示することを含む。
【0092】
ステップ802において、方法800は、ユーザーが連結体エレメントを作動させることに応じて、メディアビンにあるメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすることを含む。
【0093】
ステップ803において、方法800は、ユーザーがフォーカスエレメントを作動させることに応じて、単独メディアエレメントをモディファイして、関連するメタデータを備える、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結させるフォーカスされた単独メディアエレメントを形成し、該フォーカスされた単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードすることを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、ステップ803は、フォーカスエレメントが作動されるときに、関連するメタデータによって定義された属性を共有する、メディアビンに存在するメディアエレメントのみを連結することを含む。いくつかの実施形態では、該関連するメタデータは、共通のメタデータ、類似のメタデータ、または定義された数値の範囲内のメタデータを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、フォーカスされた単独メディアエレメントは、現在適用されているソーティングスキームに対応して予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組み合わせによって定義される属性を共有する、メディアビンにあるメディアエレメントのみを連結する(例えば、図9を参照して説明される方法を参照)。
【0096】
いくつかの実施形態では、メタデータは:タイムコード;メディアが捕捉されたカメラやカメラタイプ;日付;時間;クリップ名;シーン;ショット;クリップカラー;モディファイされた日付;インポートされた日付;および/またはビンから選択される。
【0097】
いくつかの実施形態では、連結体エレメントおよびフォーカスエレメントは、コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントの異なる動作モードを含み、たとえば、該コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは第1のコンテクストで連結体エレメントとして動作し、第2のコンテクストでフォーカスエレメントとして動作する。方法800は、メディアビンにあるメディアエレメントを連結することにより単独メディアエレメントが形成された後に、第2のコンテクストを入力するようにしてもよい。コンテクスト依存型ユーザインターフェースエレメントは、第3のコンテクストにおいて復帰エレメントとして動作してもよく、その場合は、該復帰エレメントはフォーカスエレメントの動作を元に戻し、単独メディアエレメントが再度形成されることでメディアビンにある全てのメディアエレメントをまとめて連結させて単独メディアエレメントとし、該単独メディアエレメントをビューイングウィンドウにロードする。
【0098】
図9は、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェース、たとえば、図2乃至6を参照して説明されたグラフィカルユーザインターフェースを提供するための方法900のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法900は、方法800と併せて実行される。いくつかの実施形態では、方法900は、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、ROM1008内の命令に基づいて実施される。
【0099】
ステップ901において、方法900は、メディアエレメントを含むグラフィカルユーザインターフェースを表示することを含む。ステップ901は、たとえば、ステップ801に関連して説明されるように、ソートエレメントを表示することを含んでもよい。ステップ901は、1つまたは複数の他のエレメント、たとえば、ステップ801に説明される他のエレメントを表示することを含んでもよい。ステップ902において、該方法は、ユーザーがソートエレメントを作動させること応じて、メディアビン内にあるメディアエレメントを予め定めたソーティングスキームに従って順序付けて表示することを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、予め定めたソーティングスキームは、ユーザーにより定義または選択される。いくつかの実施形態では、予め定めたソーティングスキームは、予め定義されたメタデータフィールドの1つまたは組み合わせに従ってメディアエレメントをソートすることを含む。
【0101】
ステップ903において、該方法は、ユーザーアクションに応じて、たとえば、ソーティングに使用されるメタデータの属性を共有することによってソーティングスキームにより関連付けられるメディアエレメントを連結するフォーカスされた単独メディアエレメントを表示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ903は方法800におけるステップ803の一部である。
【0102】
図10は、ビデオ編集システム用のグラフィカルユーザインターフェース、たとえば、図2乃至6を参照して説明されたグラフィカルユーザインターフェースを提供するための方法1100のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法1100は、方法800又は方法900と併せて実行される。いくつかの実施形態では、方法1100は、非一時的なコンピュータ可読媒体、たとえば、ROM1008内の命令に基づいて実施される。
【0103】
ステップ1101において、方法1100は、メディアエレメントを含むグラフィカルユーザインターフェースを表示することを含む。ステップ1101は、メディアエレメントのうちの選択された1つを見るためのビューイングウィンドウを表示すること、およびタイムラインを表示することを含む。ステップ1101は、1つまたは複数の他のエレメント、たとえば、ステップ801および/またはステップ901で説明される他のエレメントを表示することを含んでもよい。
【0104】
ステップ1102において、方法1100は、ユーザー入力に応じて、メディアエレメントの1つをタイムラインにインサートすることを含む。タイムラインにインサートされるメディアエレメントは、ビューイングウィンドウで現在見られている、単独メディアエレメントまたはフォーカスされた単独メディアエレメントの一部分(上記を参照)に対応するメディアエレメントである。
【0105】
本明細書で開示され明らかとなった発明は、テキストや図面に記載され又はそこから明白な、個々の特徴の2つ以上の全ての代替されうる組み合わせに及ぶことが理解されるだろう。これらの異なる組み合わせの全てが本発明の様々の代替されうる態様を構成する。
【0106】
上記の詳細な説明に照らして、これらおよびその他の変更を実施形態に行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は特許請求の範囲を明細書に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられている均等物の全範囲とともにすべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は前記開示によって限定されることはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】