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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076683
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】モップホルダ
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/24 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A47L13/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187189
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000133928
【氏名又は名称】株式会社テラモト
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】堀 孝太
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】モップを装着するためのヘッドの構造を工夫し、使い勝手が良好なモップホルダを提供する。
【解決手段】モップホルダA1は、柄1と、モップ装着用のヘッド2と、を備え、ヘッド2は、柄1の先端に軸線O1周りに回動可能な連結部21と、水平方向Yに互いに離間し、軸線O1よりも下方に位置する先端221を有する一対のアーム部22と、各先端221に軸線O1と平行な軸線O2,O3周りに回動可能な一対の可動部23と、を含み、各可動部23は、軸線O1に沿う幅方向として垂直面内に延びる帯板部24と、帯板部24の長手方向中間と基端とをつなぐ連絡部25と、を有し、一対の帯板部24の端部241どうしは軸線O1と平行な軸線O4周りに回動可能に連結され、一対の帯板部24は、上下方向Zに見て軸線O4が軸線O2,O3の間に位置し、かつ第4軸線O4が軸線O2,O3よりも下方に位置するとき直線状に延びる姿勢をとる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の柄と、モップを装着するためのヘッドと、を備え、
上記ヘッドは、上記柄の先端に連結され、水平に延びる第1軸線の周りに回動可能な連結部と、当該連結部につながり、上記第1軸線に対して直角である所定の水平方向に互いに離間し、かつ上下方向において上記第1軸線よりも下方に各々が位置するアーム先端を有する一対のアーム部と、上記一対のアームの上記各アーム先端に対して上記第1軸線と平行な第2軸線および第3軸線の周りに可動部基端が回動可能に連結された一対の可動部と、を含み、
上記一対の可動部は、上記第1軸線に沿う方向を幅方向として上記水平方向および上下方向がなす垂直面内に延びる一対の帯板部と、上記一対の帯板部それぞれの長手方向中間と上記各可動部基端とをそれぞれつなぐ一対の連絡部と、を有し、
上記一対の帯板部の端部どうしは上記第1軸線と平行な第4軸線の周りに回動可能に連結されており、
上記一対のアーム部および上記一対の可動部のうち少なくとも一方は弾性変形可能であり、
上記一対の帯板部は、上下方向に見て上記第4軸線が上記第2軸線と上記第3軸線の間に位置し、かつ上記第4軸線が上記第2軸線および上記第3軸線よりも下方に位置するときに直線状に延びる姿勢をとり得る、モップホルダ。
【請求項2】
上記一対の帯板部は、直線状に延びる第1姿勢と、上記第4軸線が上方に位置して互いが屈曲状となる第2姿勢と、の間で姿勢変更可能である、請求項1に記載のモップホルダ。
【請求項3】
上記一対の連絡部は、それぞれ外側に凸状となるように湾曲している、請求項1または2に記載のモップホルダ。
【請求項4】
上記一対のアーム部は、下方に向かうにつれて互いに上記水平方向に離れるように線形に傾斜している、請求項1ないし3のいずれかに記載のモップホルダ。
【請求項5】
上記柄と上記ヘッドとの相対回動を所定の角度ごとに阻止するロック機構をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のモップホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば埃取りや汚れを払拭するためのモップを保持するモップホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の床面清掃等に使用するのに適したモップホルダとして、たとえば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載されているモップホルダは、同文献の図1図3等に表されているように、柄と、モップを装着するためのヘッドとを備えている。上記ヘッドは、所定の長さおよび幅を有する弾性変形可能な第1帯状部材と、この第1帯状部材の長手方向における中央に固定される弾性変形可能な第2帯状部材と、を有する。第2帯板部材は、下端が第1帯板部材の上面に接続されて上方に延び、第1帯状部材の長手方向に間隔を隔てられた一対の起立部と、これら起立部の上部どうしをつなぐ連結部と、を備えた門型を呈し、第1帯板部材との間で閉鎖ループが形成されている。第1帯板部材は自然状態において上に凸となるように湾曲しており、柄の下端とヘッドの連結部とは所定の中心軸周りに回動可能に連結されている。
【0003】
このような構成のモップホルダによれば、ヘッドに対するモップの装着は、たとえば、第1帯板部材の両端部を、下方に撓ませながらモップ上面の袋状部に挿し込むことにより、容易に行うことができる。清掃作業の際には、柄を握りながらモップによって床面などの清掃対象を擦ることにより、清掃対象の汚れを拭き取ることができる。柄がヘッドに対して回動可能とされていることから、床面清掃の場合、作業者の姿勢等に合わせて柄を床面に対して傾斜させることができる。
【0004】
上記従来のモップホルダにおいて、ヘッドの下端に位置する第1帯板部材がモップを直接保持する。しかしながら、当該第1帯板部材は概略平面形態とされているので、清掃対象が床面などの平面部分に限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-22482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、モップを装着するためのヘッドの構造を工夫し、使い勝手が良好なモップホルダを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明によって提供されるモップホルダは、棒状の柄と、モップを装着するためのヘッドと、を備え、上記ヘッドは、上記柄の先端に連結され、水平に延びる第1軸線の周りに回動可能な連結部と、当該連結部につながり、上記第1軸線に対して直角である所定の水平方向に互いに離間し、かつ上下方向において上記第1軸線よりも下方に各々が位置するアーム先端を有する一対のアーム部と、上記一対のアームの上記各アーム先端に対して上記第1軸線と平行な第2軸線および第3軸線の周りに可動部基端が回動可能に連結された一対の可動部と、を含み、上記一対の可動部は、上記第1軸線に沿う方向を幅方向として上記水平方向および上下方向がなす垂直面内に延びる一対の帯板部と、上記一対の帯板部それぞれの長手方向中間と上記各可動部基端とをそれぞれつなぐ一対の連絡部と、を有し、上記一対の帯板部の端部どうしは上記第1軸線と平行な第4軸線の周りに回動可能に連結されており、上記一対のアーム部および上記一対の可動部のうち少なくとも一方は弾性変形可能であり、上記一対の帯板部は、上下方向に見て上記第4軸線が上記第2軸線と上記第3軸線の間に位置し、かつ上記第4軸線が上記第2軸線および上記第3軸線よりも下方に位置するときに直線状に延びる姿勢をとり得る。
【0009】
好ましい実施の形態においては、上記一対の帯板部は、直線状に延びる第1姿勢と、上記第4軸線が上方に位置して互いが屈曲状となる第2姿勢と、の間で姿勢変更可能である。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記一対の連絡部は、それぞれ外側に凸状となるように湾曲している。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記各帯板部において、上記第4軸線から上記連絡部がつながる第1位置までの長さに対し、上記第1位置から上記帯板部の先端までの長さの割合は、1/5~1/2の範囲である。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記一対のアーム部は、下方に向かうにつれて互いに上記水平方向に離れるように線形に傾斜している。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記柄と上記ヘッドとの相対回動を所定の角度ごとに阻止するロック機構をさらに備える。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るモップホルダの一例を示す正面図である。
図2図1に示したモップホルダの部分拡大図である。
図3図1に示したモップホルダの平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿う部分断面図である。
図5図3のV-V線に沿う部分拡大断面図である。
図6図2のVI-VI線に沿う拡大切断端面図である。
図7図2のVII-VII線に沿う拡大切断端面図である。
図8】ヘッドについて説明するための図2と同様の図である。
図9】ヘッドについて説明するための図2と同様の図である。
図10】ヘッドについて説明するための図2と同様の図である。
図11】ヘッドについて説明するための図2と同様の図である。
図12図1に示したモップホルダの使用状態の一例を示す部分正面図である。
図13図1に示したモップホルダの使用状態の一例を示す部分正面図である。
図14図1に示したモップホルダの使用状態の一例を示す部分正面図である。
図15図1に示したモップホルダの使用状態の一例を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1図7は、本発明に係るモップホルダの一例を示す。本実施形態のモップホルダA1は、柄1と、この柄1の下端に連結されたヘッド2と、を含む。なお、以下の説明では、原則として図1に示したモップホルダA1の態様を基準として上下方向Zおよび水平方向Yを規定する。また、特許請求の範囲における上下方向や水平方向などの各方向に関しても、図1に示したモップホルダA1を基準として規定したものである。
【0018】
柄1は、本体11および連結部材12を有する。本体11は、たとえば、合成樹脂製、木製、あるいは軽量な金属製であり、上下方向Zに延びる中実または中空の棒状である。連結部材12は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂からなり、上端が開口した筒状部121と、この筒状部121の下端部に二股状に繋がって形成された一対の連結片122と、を有する。筒状部121には、本体11の下端が嵌合しており、これら連結部材12と本体11とが一体とされている。
【0019】
図5に示すように、各連結片122には、厚さ方向に貫通する貫通孔122aが形成されている。貫通孔122aは、水平に延びる第1軸線O1を中心とする円形である。各連結片122の外周部は、第1軸線O1を中心とする略円筒形である。一対の連結片122の各貫通孔122aには、ピン123およびピン124が挿通される。
【0020】
本実施形態において、連結部材12(筒状部121)には、ロックレバー13が設けられている。ロックレバー13は、作業者の操作によって上方位置と下方位置との間で上下動させることが可能である。ロックレバー13は、筒状部121の下端からロックピン131が下方に延出するロックピン131を有する。
【0021】
図2図5に示すように、ヘッド2は、連結部21と、一対のアーム部22と、一対の可動部23と、を含む。連結部21は、板状とされており、厚さ方向において上記一対の連結片122に挟まれている。図4図5に表れているように、連結部21には、貫通孔21a、複数の凸部21bおよび複数の凹部21cが形成されている。貫通孔21aは連結部21の厚さ方向に貫通しており、上記のピン123,124は、一対の連結片122の各貫通孔122aと連結部21の貫通孔21aとに挿通される。これらピン123,124は、ねじ手段によって互いに連結される。このような構成により、柄1(連結片122)とヘッド2(連結部21)とは、水平に延びる第1軸線O1周りに回動可能となっている。
【0022】
複数の凸部21bおよび複数の凹部21cは、連結部21の外周部の上側約半周の範囲に形成されている。これら、凸部21bおよび凹部21cは、連結部21の周方向において一定角度ごとに交互に並んでいる。凸部21bは、連結部21の径方向外方に突出する部分であり、凹部21cは、隣接する凸部21bの間において連結部21の径方向内方に凹む部分である。上記ロックレバー13が下方位置にあるとき、凹部21cに上記ロックピン131が嵌まり得る。図4図5等では、ロックレバー13が下方位置にある状態を示している。ここで、ロックピン131が凹部21cに嵌まることによって、柄1とヘッド2との相対回動が阻止される。そして、上記のように凹部21cが連結部21の周方向において一定角度で配列されている。これにより、柄1とヘッド2との相対回動は、一定角度ごとに阻止される。連結部21に設けられた複数の凸部21b、複数の凹部21c、および連結部材12に設けられたロックレバー13は、本発明で言うロック機構を構成する。
【0023】
一対のアーム部22は、連結部21につながるとともに、当該連結部21から第1軸線O1に対して直角である水平方向Yに向けて互いに離間して延びる。本実施形態において、一対のアーム部22は、下方に向かうにつれて互いが水平方向Yに離れるように傾斜している。そして、各アーム部22において連結部21から最も離間したアーム先端221は、第1軸線O1よりも下方に位置する。また、本実施形態では、図4図5等から理解されるように、各アーム部22は、下向きに開口する横断面コの字状とされており、長手方向に所定間隔を隔てて複数のリブ222が形成されている。本実施形態においては、図2図7等から理解されるように、各アーム部22のアーム先端221は、アーム部22の幅方向(第1軸線O1に沿う方向X)に離間する一対のリング形状部を有する構成とされている。
【0024】
一対の可動部23は、それぞれ可動部基端231を有する。図6図7に表れているように、各可動部基端231は柱状軸部とされており、当該柱状軸部が一対のアーム部22におけるアーム先端221(一対のリング形状部)によって回動可能に支持されている。これにより、一方の可動部23(図2図4における右側)の可動部基端231は、一方のアーム部22(図2図4における右側)のアーム先端221に対して、第1軸線O1と平行な第2軸線O2の周りに回動可能に連結されている。他方の可動部23(図2図4における左側)の可動部基端231は、他方のアーム部22(図2図4における左側)のアーム先端221に対して、第1軸線O1と平行な第3軸線O3の周りに回動可能に連結されている。
【0025】
一対の可動部23は、一対の帯板部24および一対の連絡部25を有する。各帯板部24は、第1軸線O1に沿う方向Xを幅方向として、水平方向Yおよび上下方向Zがなす垂直面内に延びている。各帯板部24は、厚さが略均一の平板状とされている。各連絡部25は、帯板部24の上面につながっており、帯板部24の長手方向中間と、可動部基端231とをつないでいる。
【0026】
図2図4等に示すように、一対の帯板部24は、互いの端部241どうしが連結されている。より具体的には、一方の帯板部24(図中右側)の端部241(図中左端)は、第1軸線O1に沿う方向Xに延びる柱状とされている。他方の帯板部24(図中左側)の端部241(図中右端)は、第1軸線O1に沿う方向Xに延びる部分円筒状とされており、上記一方の端部241(柱状)と他方の端部241(部分円筒状)とが相対回動可能に嵌合連結している。これにより、一対の端部241どうしは、第1軸線O1と平行な第4軸線O4の周りに回動可能に連結されている。また、一対の帯板部24は、上下方向Zに見て第4軸線O4が第2軸線O2と第3軸線O3の間に位置し、かつ第4軸線O4が第2軸線O2および第3軸線O3よりも下方に位置するときに、直線状に延びる姿勢をとる。
【0027】
図2に示すように、各帯板部24において、第4軸線O4から連絡部25につながる位置(第1位置P1)までの長さL1は、上記第1位置P1から帯板部24の先端242(帯板部24の長手方向において端部241とは反対側端)までの長さL2よりも大幅に大きくされている。上記第1位置P1から帯板部24の先端242までの長さL2は、後述するモップ5の袋状部51に引っ掛かる程度の長さがあれば良い。上記長さL1に対する上記長さL2の割合は、たとえば1/5~1/2の範囲とされる。
【0028】
本実施形態において、一対の連絡部25は、それぞれ外側に凸状となるように湾曲している。また、本実施形態では、各連絡部25は、湾曲形状の内側に張り出すリブ251を有する。
【0029】
上記構成のヘッド2において、連結部21および一対のアーム部22は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂によって一体形成されている。また、各可動部23(帯板部24および連絡部25)については、ポリアセタールなどの合成樹脂によって一体形成されている。上記構成のヘッド2は、その適所が弾性変形可能とされている。具体的には、ヘッド2は、一対のアーム部22および一対の可動部23のうち、少なくとも一方は弾性変形可能である。本実施形態において、一対の帯板部24は、所定方向に長状の平板状であり、比較的容易に弾性的に撓む。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0031】
本実施形態のモップホルダA1において、ヘッド2の一対の可動部23は、一対のアーム部22の各アーム先端221に対して、第1軸線O1と平行な第2軸線O2,第3軸線O3周りに回動可能に連結されている。一対の可動部23は、一対の帯板部24および一対の連絡部25を有する。各帯板部24は、第1軸線O1に沿う方向Xを幅方向として垂直面内に延びる。各連絡部25は、帯板部24の長手方向中間と可動部基端231とをつなぐ。一対の帯板部24の端部241どうしは、第1軸線O1と平行な第4軸線O4周りに回動可能に連結されている。また、一対の帯板部24は、上下方向Zに見て第4軸線O4が第2軸線O2と第3軸線O3の間に位置し、かつ第4軸線O4が第2軸線O2および第3軸線O3よりも下方に位置するときに、直線状に延びる姿勢をとる。さらに、ヘッド2は、その適所が弾性変形可能とされている。
【0032】
本実施形態のモップホルダA1によれば、図8に示した一対の帯板部24が直線状に延びる姿勢(図8参照)から、当該一対の帯板部24の端部241どうしを上方に押し上げる。そうすると、図9に示すように、一対の可動部23が第2軸線O2および第3軸線O3周りに回動しつつ、一対の帯板部24の端部241どうしが、第4軸線O4周りに相対回動しながら上方に移動する。図9において実線で示した状態では、第2軸線O2、第3軸線O3および第4軸線O4の幾何的な位置関係により、一対の帯板部24は、屈曲しており、互いが斜め上方に弾性的に撓んでいる。また、一対のアーム部22は、互いが水平方向Yの外側に弾性的に撓んでいる。
【0033】
図9に示した状態から一対の帯板部24の端部241どうしをさらに上方に押し上げる。そうすると、図10に示すように、一対の可動部23が第2軸線O2および第3軸線O3周りにさらに回動し、一対の帯板部24の端部241どうしが、第4軸線O4周りに相対回動しながらさらに上方に移動する。図9において実線で示したから図10において実線で示した状態までの一対の可動部23の回動動作は、一対の帯板部24および一対のアーム部22の弾性復元力を伴いながら、迅速に行われる。そして、図10において実線で示した状態では、図9で示した状態における一対の帯板部24および一対のアーム部22の弾性復元力は全て解放し、安定している。このようなことから理解されるように、一対の帯板部24は、図8に示した直線状に延びる姿勢(第1姿勢)と、図10に示した、第4軸線O4が上方に位置して互いが屈曲状となる姿勢(第2姿勢)と、の間で姿勢変更可能である。
【0034】
モップホルダA1のヘッド2へのモップの装着は、一対の帯板部24が上記の第2姿勢をとる状態で行う。このとき、図11に示すように、一対の帯板部24については、第4軸線O4が上方に位置して互いに屈曲している。そして、ヘッド2に対するモップ5の装着は、まず、一対の帯板部24の各先端部を、モップ5の上面両端に設けられた袋状部51に挿し込む。次いで、一対の帯板部24における端部241どうしを引き下げて、一対の帯板部24を、直線状に延びる姿勢(第1姿勢)に戻す。一対の帯板部24を第2姿勢から第1姿勢に戻す際、一対の可動部23の回動動作は、上記した一対の帯板部24を第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更する場合と同様に、一対の帯板部24および一対のアーム部22の弾性復元力を伴いながら、迅速に行われる。このようにして、ヘッド2へのモップ5の装着は、容易に行うことができる。
【0035】
各帯板部24において、第4軸線O4から連絡部25につながる第1位置P1までの長さL1に対し、上記第1位置P1から帯板部24の先端242までの長さL2の割合は、1/5~1/2である。このように帯板部24において連絡部25につながる第1位置P1から先端242までの長さL2の割合を小さくしておけば、ヘッド2にモップを装着する際、一対の帯板部24の各先端部を袋状部51に容易に挿し込むことが可能である。
【0036】
上述のように、一対の帯板部24は、直線状に延びる姿勢(第1姿勢)をとり得る。このような構成によれば、図12に示すように、平面形状を有する清掃対象C1に付着した埃や汚れを拭き取ることが可能である。
【0037】
また、上述のように、一対の帯板部24は、直線状に延びた第1姿勢(図8参照)と、互いが屈曲状となる第2姿勢(図10参照)と、の間で姿勢変更可能である。このような構成によれば、図13に示すように、一対の帯板部24を略直角に屈曲させることで、たとえば室内の天井付近の梁部等の角部形状を有する清掃対象C2に付着した埃や汚れを拭き取ることが可能である。
【0038】
なお、一対の帯板部24について、直線状に延びる姿勢(第1姿勢)から図13に示した姿勢への姿勢変更は、一対の帯板部24の端部241どうしを清掃対象C2の角部に押し付けることによって、容易に行うことができる。
【0039】
柄1およびヘッド2は相対回動可能であり、柄1とヘッド2との相対回動を阻止するロック機構を備える。このような構成によれば、図14に示すように、柄1をヘッド2に対して傾けた状態とし、かつ、一対の帯板部24を略直角に屈曲させることで、たとえば開閉ドアの上端付近の清掃対象C3に付着した埃や汚れを拭き取ることが可能である。
【0040】
本実施形態によれば、たとえば図15に示すように、柱状やパイプ状の清掃対象C4を清掃することも可能である。ここで、一対の帯板部24を図13等に示した略直角に屈曲する状態よりもさらに屈曲させながら、清掃対象C4の外周面に宛がう。このとき、図9等を参照して説明したように、一対の帯板部24および一対のアーム部22の弾性復元力によって清掃対象C3の外周面を押圧することが可能である。そして、モップ5が清掃対象C4の円周方向に沿って擦られるようにモップホルダA1を操作することで、清掃対象C4に付着した埃や汚れを効率よく拭き取りことが可能である。
【0041】
上述のように、本実施形態のモップホルダA1によれば、一対の端部241を適宜屈曲させることで、平面形態の清掃対象C1の他にも様々な形状の清掃対象C2,C3,C4を適切に清掃することができ、使い勝手が良い。また、モップホルダA1を用いれば、清掃具を変更することなく様々な形状の清掃対象C1~C4の清掃を行うことができるので、清掃作業の効率向上を図ることができる。
【0042】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係るモップホルダの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0043】
A1 モップホルダ
1 柄
11 本体
12 連結部材
121 筒状部
122 連結片
122a 貫通孔
123,124 ピン
13 ロックレバー(ロック機構)
131 ロックピン
2 ヘッド
21 連結部
21a 貫通孔
21b 凸部(ロック機構)
21c 凹部(ロック機構)
22 アーム部
221 アーム先端
222 リブ
23 可動部
231 可動部基端
24 帯板部
241 端部
242 先端
25 連絡部
251 リブ
5 モップ
51 袋状部
C1,C2,C3,C4 清掃対象
L1 長さ(第4軸線から連結部がつながる第1位置までの長さ)
L2 長さ(第1位置から帯板部の先端までの長さ)
O1 第1軸線
O2 第2軸線
O3 第3軸線
O4 第4軸線
P1 第1位置
X 方向(第1軸線に沿う方向)
Y 水平方向
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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