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特開2022-76721位置検出装置、位置検出システム、位置検出方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076721
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】位置検出装置、位置検出システム、位置検出方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220513BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220513BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20220513BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G06T7/00 660A
G06T7/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187248
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓三
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC13
5C054FE14
5C054HA19
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA05
5L096FA54
5L096FA62
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】コストの低減を図るとともに、対象人物の位置を把握することができる技術を提供する。
【解決手段】カメラ20で撮像された第1の撮像画像と、カメラ30で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、カメラ30で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置10において、第1の撮像画像に含まれる人物の身体が含まれる画像の画素数と、第2の撮像画像に含まれる人物の身体が含まれる画像の画素数と、第1の撮像装置から人物までの距離と、に基づいて、カメラ30から人物までの距離と角度を算出して、カメラ20で撮像された人物の位置を検出する制御部100を備える位置検出装置10。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置において、
前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、
前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する制御部を備える
ことを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数(a1)と、前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数(b1)と、の比に従い、前記第1の撮像装置から前記人物までの距離(A1)に基づいて、前記第2の撮像装置から前記人物までの距離(B1)を算出する距離算出部と、
前記距離算出部により算出された前記第2の撮像装置から前記人物までの距離(B1)と、前記第2の撮像画像から前記第2の撮像画像の特定位置から前記人物までの距離を示す第2の距離(B2)と、に基づいて、前記第2の撮像画像の特定位置から、前記人物までの角度(θ)を算出する角度算出部と、
前記距離算出部により算出された前記第2の撮像装置から前記人物までの距離(B1)と、
前記角度算出部により算出された前記第2の撮像画像の特定位置から、前記人物までの角度(θ)と、に基づいて前記人物の位置を検出する位置検出部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記特定位置は、前記第2の撮像画像の中心位置である
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記人物の身体は、顔である
ことを特徴とする請求項1から3のうち何れかに記載の位置検出装置。
【請求項5】
第1の撮像装置と、第2の撮像装置と、位置検出装置と、を備える位置検出システムにおいて、
前記第1の撮像装置は、第1の撮像画像を撮像し、
前記第2の撮像装置は、第2の撮像画像を撮像し、
前記位置検出装置は、
前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、
前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する
ことを特徴とする位置検出システム。
【請求項6】
第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置が実行する位置検出方法であって、前記位置検出装置が、
前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、
前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する
ことを特徴とする位置検出方法。
【請求項7】
第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置のコンピュータに、
前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、
前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、
前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置、位置検出システム、位置検出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置などのカメラ等において撮像した映像を利用して対象人物の所在を探す場合、対象人物を捉えたカメラの設置場所、および該当カメラが捉えられる空間が対象人物の存在する範囲となる。このような技術として、2台以上の監視カメラと,顔領域を検出する顔検出部と,検出された顔画像から認証情報を抽出して登録認証情報と比較照合するコンピュータ等を利用した認証装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、カメラで撮像した映像において該当のカメラから対象物までの距離を測定する場合、一般的には並んだ2つのカメラを使用して測定する方式が知られている。
【0004】
また、基準となる固定物体を前提に、1つのカメラで対象物までの距離を簡易的に推定する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-328572号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】小林都生、松本拓也、渡邉晋平、大川猛、大津金光、横田隆史著、情報処理学会第79回全国大会講演論文集、2017年、カメラ画像からの簡易的な距離推定を行うFPGA/SW協調処理システムの検討、1-127-1-128
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を使用した場合には、例えば施設の何階のフロアにあるn番目のカメラの撮影範囲内に対象人物がいるなどの大凡の所在を把握することができるものの、対象人物の所在位置の詳細を示すことができないという問題があった。
【0008】
また、2台以上のカメラで撮像することにより対象人物までの距離を測定することができるが、常に2台以上のカメラをペアで設定する必要があるため、コストが高くなるという問題があった。
【0009】
また、非特許文献1に記載の技術を使用した場合には、1台のカメラで対象人物までの距離を推定することができるものの、撮影範囲内のどの角度に対象人物が存在するのか示すことができないという問題があった。
【0010】
1つの側面において、本発明は、コストの低減を図るとともに、対象人物の位置を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述目的を達成するために、本発明は、位置検出装置であって、第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置において、前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する制御部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、第1の撮像装置と、第2の撮像装置と、位置検出装置と、を備える位置検出システムであって、前記第1の撮像装置は、第1の撮像画像を撮像し、前記第2の撮像装置は、第2の撮像画像を撮像し、前記位置検出装置は、前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置が実行する位置検出方法であって、前記位置検出装置が、前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、第1の撮像装置で撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像装置で撮像された第2の撮像画像と、に基づいて、前記第2の撮像装置で撮像された人物の位置を検出する位置検出装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記第1の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第2の撮像画像に含まれる前記人物の身体が含まれる画像の画素数と、前記第1の撮像装置から前記人物までの距離と、に基づいて、前記第2の撮像装置から前記人物までの距離と角度を算出して、前記第1の撮像装置で撮像された前記人物の位置を検出する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コストの低減を図るとともに、対象人物の位置を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】位置検出システムの構成を示す図である。
図2】カメラ20により第1の撮像画像を撮像する一例を示す図である。
図3】カメラ30により第2の撮像画像を撮像する一例を示す図である。
図4】カメラ30により第2の撮像画像を撮像する一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る位置検出装置10を含む位置検出システム1の機能的構成を示す図である。
図6】位置検出装置10で実行される事前処理の一例を示すフローチャートである。
図7】位置検出装置10で実行される位置検出処理の一例を示すフローチャートである。
図8】コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、位置検出システムの構成を示す図である。図1のように、位置検出システム1は、位置検出装置10と、カメラ20と、カメラ30A,30B,30C,30D・・・、30n(nは自然数)とを含む。n台のカメラ30A,30B,30C,30D・・・、30nを特に区別して説明しない場合には、以下「カメラ30」と呼ぶ。カメラ20は、第1の撮像装置に相当し、カメラ30は、第2の撮像装置に相当する。位置検出システム1は、図1に示していない他の構成を備えてもよい。
【0018】
位置検出装置10と、カメラ20、n台のカメラ30A,30B,30C,30D・・・、30nと、はネットワークNWを介して情報が通信可能に接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット等特に限定されるものではない。
【0019】
カメラ20は、本実施形態においては、建物や施設等の入口付近に設置された入室ゲート近辺に設置される。カメラ20は、施設に入室する人物の身体が含まれる撮像画像を第1の撮像画像として撮像する。カメラ20は、入室ゲート以外の場所に、設置されていてもよい。この場合、カメラ20により撮像された第1画像は、予め位置検出装置10に記憶されていてもよい。
【0020】
カメラ30は、少なくとも1台設置される。カメラ30は、建物や施設等の内に設置される。カメラ30A,30B,30C,30D・・・、30nは、施設の各階ごとに、また各階の各ゾーン(フロア)ごとに複数台設置される。カメラ30は、施設外に設置されてもよい。
【0021】
図2は、カメラ20により第1の撮像画像を撮像する一例を示す図である。図2では、一対のゲート40A、40Bが施設200の入口に設置されている。カメラ20は、一対のゲート40A、40Bを通って施設200に入室する人物500の身体が含まれる画像を第1の撮像画像300として撮像する。図2の例では、身体画像として人物500の顔画像501が含まれる画像が撮像される。
【0022】
図3図4は、カメラ30により第2の撮像画像を撮像する一例を示す図である。30A,30B,30C,30D・・・、30nは、施設の各階または各フロアにいる人物の身体が含まれる撮像画像を第2の撮像画像として撮像する。30A,30B,30C,30D・・・、30nは、施設の各階ごとに、また各階の各フロアごとに複数台設置してもよい。
【0023】
カメラ30A,30B,30C,30D・・・、30nが撮像する方向は、予め位置検出装置10に記憶されている。図3では、複数のカメラ30A~カメラ30Dが、施設に設けられた複数のゾーンごとに設置されている例を示す図である。図3の例では、カメラ30AはゾーンAに、カメラ30BはゾーンBに、カメラ30CはゾーンCに、カメラ30DはゾーンDに、それぞれ配置されている。そして、ゾーンCにいる人物210が、カメラ30Cにより、撮像されている。カメラ30Cにより撮像された人物210を含む画像が第2の撮像画像400として撮像されている。カメラ30C以外のカメラ30により撮像された画像を第2の撮像画像400として撮像してもよい。図4の例では、身体が含まれる撮像画像として人物500の顔501が含まれる顔画像が撮像される。
【0024】
図5は、一実施形態に係る位置検出装置10を含む位置検出システム1の機能的構成を示す図である。図5のように、位置検出システム1は、位置検出装置10と、カメラ20と、カメラ30A~30Dと、入力部130と、表示部140と、を備える。位置検出システム1は、図5に示していない他の構成を備えてもよい。
【0025】
位置検出装置10は、制御部100と、記憶部120と、を備える。位置検出装置10は、図5に示していない他の構成を備えてもよい。制御部100は、事前処理部101と、検出準備部102と、距離算出部103と、角度算出部104と、位置検出部105と、を備える。制御部100は、図5に示していない他の構成を備えてもよい。
【0026】
図2に示すように、事前処理部101は、事前処理として、カメラ20により、入室ゲート40A,40Bを通過する人物500の身体画像を含む撮像画像を第1の撮像画像として撮像する。
【0027】
なお、カメラ20から人物500(すなわち、カメラ20から入室ゲート40A、40B間)までの距離A1(m)、カメラ20が入室ゲート40A、40Bで撮像する第1の撮像画像の横幅実サイズC1(m)、第1の撮像画像の画素数d(pixel)は、予め実測または他の手段により測定され記憶部120に記憶されている。
【0028】
事前処理部101は、身体画像として人物500の顔画像を含む撮像画像を第1の撮像画像として撮像する。
【0029】
事前処理部101は、第1の撮像画像から人物500の顔501aの画像を検出する。人物の顔を検出する機能については、既存の顔検出機能を採用することができるため、詳細については説明を省略する。
【0030】
事前処理部101は、顔検出した画像から顔画像を抽出する。事前処理部101は、抽出した顔画像から顔幅の画素数a1(pixel)(以下、「顔幅画素数a1」と呼ぶ)を算出する。事前処理部101は、顔画像と検出した第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1と、を紐づけて指定人物の情報として記憶部120に記憶する。
【0031】
指定人物とは、施設200に入室した人物のうち位置検出装置10の操作に基づき指定を受け付けた物をいう。例えば、展示会場、カジノ場、スタジアム等において、要注意人物であると指定された人物などが含まれる。指定人物の情報とは、指定人物の氏名、識別記号、顔画像の情報が含まれる。事前処理部101は、入室ゲート40A,40Bを通過する人物500の身体画像を含む撮像画像を第1の撮像画像として撮像する処理を継続して実行する。
【0032】
検出準備部102は、入力部130の操作に基づき指定人物の受付を行う。検出準備部102は、記憶部120を参照して、受け付けた指定人物の顔画像、第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1を取得する。検出準備部102は、カメラ30により撮像した第2の撮像画像から顔認識技術により指定人物に対応する対象人物を検出する。検出準備部102は、対象人物を検出した第2の撮像画像から、対象人物の顔画像を抽出する。
【0033】
距離算出部103は、抽出した顔画像から、顔幅の画素数b1(pixel)(以下、「顔幅画素数b1」と呼ぶ)を算出する。
【0034】
距離算出部103は、対象人物を検出した第2の撮像画像の全体画像により、全体画像の中心から人物500の顔までの画素数b2(pixel)を算出する。そして、距離算出部103は、下記式1により、カメラ30から人物までの距離B1を算出する。
【0035】
すなわち、距離算出部103は、図2図4に示すように、第1の撮像画像300に含まれる人物500の顔幅画素数a1(pixel)と、第2の撮像画像400に含まれる人物500の顔幅画素数b1(pixel)と、の比に従い、カメラ20から人物500までの距離A1(m)に基づいて、カメラ30から人物500までの距離B1(m)を算出する。
【0036】
A1:B1=(a1×p):b1
B1=A1÷(a1×p)×b1・・・(式1)
【0037】
pは、カメラ20と、カメラ30と、の画素数の比となる。例えば、カメラ20と、カメラ30と、の画素数が略同一の場合には、p=1となる。
【0038】
また、距離算出部103は、下記式2により、第2の撮像画像の横幅C2(m)を算出する。
【0039】
すなわち、距離算出部103は、図2図4に示すように、第1の撮像画像300に含まれる人物500の顔幅画素数a1(pixel)と、第2の撮像画像400に含まれる人物500の顔幅画素数b1(pixel)と、の比に従い、入室ゲート40a,40bにおいてカメラ20により撮像された第1の撮像画像の横幅C1(m)に基づいて、第2の撮像画像の横幅C2(m)を算出する。
【0040】
C1:C2=(a1×p):b1
C2=C1÷(a1×p)×b1・・・(式2)
【0041】
距離算出部103は、下記式3により、カメラ30の特定位置Gから対象人物500の顔501までの距離B2(m)を算出する。特定位置Gは、例えば、第2の撮像画像の中心位置である。カメラ30の特定位置Gから対象人物500の顔501までの距離B2(m)は、第2の距離に相当する。
【0042】
B2=(C2÷(d×p))×b2=((C1÷(a1×(a1×p)×b1)÷(d×p))×b2・・・(式3)
【0043】
C2に式2を代入することにより、式3を導くことができる。角度算出部104は、下記式4に基づいて、カメラ30の特定位置Gから、人物500の顔501までの角度(θ)を算出する。
【0044】
具体的には、角度算出部104は、距離算出部103により算出されたカメラ30から人物500までの距離B1(m)と、カメラ30の特定位置Gから対象人物500の顔501までの距離B2(m)と、に基づいて、カメラ30の特定位置Gから人物500の顔501までの角度(θ)を算出する。
【0045】
θ[rad]=arcsin B2/B1・・・(式4)
【0046】
位置検出部105は、カメラ30の設置位置(x1、y1)と、カメラ30から人物500までの距離B1(m)と、カメラ30の特定位置Gから人物500の顔501までの角度(θ)と、に基づいて、対象人物が存在する位置を検出する。位置検出部105は、検出した対象人物が存在する位置を表示部140に表示した施設マップ上に表示する。
【0047】
以下、図6を参照し、位置検出装置10が実行する事前処理について説明する。
【0048】
図6は、位置検出装置10で実行される事前処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
はじめに、事前処理部101は、事前処理として、カメラ20により、入室ゲート40A,40Bを通過する人物500の身体画像を含む撮像画像を第1の撮像画像として撮像する(ステップS101)。事前処理部101は、第1の撮像画像から人物500の顔501aの画像を検出する(ステップS102)。事前処理部101は、ステップS102において顔検出した画像から顔画像を抽出する(ステップS103)。事前処理部101は、抽出した顔画像から顔幅画素数a1を算出する(ステップS104)。事前処理部101は、顔画像と検出した第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1と、を紐づけて指定人物の情報として記憶部120に記憶する(ステップS105)。この処理が終了すると図6を参照して説明する事前処理は終了となる。
【0050】
事前処理部101は、入室ゲート40A,40Bに人物500が通過するごとに、図6で示す事前処理を繰り返し実行し、入室ゲート40を通過する人物500の身体画像を含む撮像画像を第1の撮像画像として撮像する処理を継続して実行する。
【0051】
以下、図7を参照し、位置検出装置10が実行する位置検出処理について説明する。
【0052】
図7は、位置検出装置10で実行される位置検出処理の一例を示すフローチャートである。図7を参照して説明する位置検出処理は、図6を参照して説明した事前処理とは別個独立して行われる処理であり、並列に実行される。
【0053】
はじめに、検出準備部102は、入力部130の操作に基づき指定人物の受付を行う(ステップS201)。検出準備部102は、記憶部120を参照して、ステップS201で受け付けた指定人物の顔画像、第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1を取得する(ステップS202)。検出準備部102は、カメラ30により撮像した第2の撮像画像から顔認識技術により指定人物に対応する対象人物を検出する(ステップS203)。検出準備部102は、ステップS203で対象人物を検出した第2の撮像画像から、対象人物の顔画像を抽出する(ステップS204)。
【0054】
距離算出部103は、ステップS204で抽出した顔画像から、顔幅画素数b1を算出する(ステップS205)。
【0055】
距離算出部103は、ステップS205で対象人物を検出した第2の撮像画像の全体画像の特定位置Gから人物500の顔までの画素数b2(pixel)を算出する(ステップS206)。
【0056】
距離算出部103は、第1の撮像画像300に含まれる人物500の顔幅画素数a1(pixel)と、第2の撮像画像400に含まれる人物500の顔幅画素数b1(pixel)と、の比に従い、カメラ20から人物500までの距離A1(m)に基づいて、上述の式1によりカメラ30から人物500までの距離B1(m)を算出する(ステップS207)。
【0057】
距離算出部103は、第1の撮像画像300に含まれる人物500の顔幅画素数a1(pixel)と、第2の撮像画像400に含まれる人物500の顔幅画素数b1(pixel)と、の比に従い、入室ゲート40a,40bにおいてカメラ20により撮像された第1の撮像画像の横幅C1(m)に基づいて、上述の式2により第2の撮像画像の横幅C2(m)を算出する(ステップS208)。
【0058】
距離算出部103は、上述の式3により、カメラ30の特定位置Gから対象人物500の顔501までの距離B2(m)を算出する(ステップS209)。
【0059】
角度算出部104は、距離算出部103により算出されたカメラ30から人物500までの距離B1(m)と、カメラ30の特定位置Gから対象人物500の顔501までの距離B2(m)と、に基づいて、上述の式4により、カメラ30の特定位置Gから人物500の顔501までの角度(θ)を算出する(ステップS210)。
【0060】
位置検出部105は、カメラ30の設置位置(x1、y1)と、カメラ30から人物500までの距離B1(m)と、カメラ30の特定位置Gから人物500の顔501までの角度(θ)と、に基づいて、対象人物が存在する位置を検出する(ステップS211)。位置検出部105は、検出した対象人物が存在する位置を表示部140に表示した施設マップ上に表示する(ステップS212)。
【0061】
この処理が終了すると図7を参照して説明する位置検出処理は終了となる。制御部100は、入力部130の操作に基づき指定人物を受け付けるか、カメラ30により新たな第2の撮像画像が撮像されるごとに、図7で示す位置検出処理を繰り返し実行し、対象人物の位置を検出する処理を繰り返し実行する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る位置検出装置10によれば、一度カメラ20により第1の撮像画像を取得した後は、少なくとも1台のカメラ30により第2の撮像画像を取得するだけで、対象人物の位置を特定することができる。したがって、別途カメラや、センサ等の設備を必要とせずに、コストの低減を図ることができるとともに、対象人物の位置を把握することが可能となる。
【0063】
なお、位置検出装置10が行う上記の各種処理は、それぞれ、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0064】
また、本実施形態に係る位置検出装置10の機能的構成は、図5に示した構成に限らず、適宜変更可能である。加えて、本実施形態に係る位置検出装置10は、コンピュータと、該コンピュータに実行させるプログラムとにより実現可能である。以下、図8を参照し、コンピュータとプログラムとにより実現される位置検出装置10について説明する。
【0065】
図8は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。図8に示すように、コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)5001と、メモリ5002と、補助記憶装置5003と、入力インタフェース5004と、表示処理装置5005と、通信制御装置5006と、媒体駆動装置5007とを備える。コンピュータ50におけるこれらの要素5001~5007は、バス5010により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
【0066】
CPU5001は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することによりコンピュータ50の全体の動作を制御するプロセッサである。
【0067】
更に、位置検出処理プログラムにおける事前処理および位置検出処理は、例えば、図6図7に示したフローチャートにおける各ステップの処理を含む処理としてサブルーチン化されている。
【0068】
メモリ5002は、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ5002のROMには、例えば、コンピュータ50の起動時にCPU5001が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。また、メモリ5002のRAMは、CPU5001が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。メモリ5002のRAMは、例えば、第1の撮像画像の横幅C1(m)、第1の撮像画像の画素数d(pixel)、顔画像と検出した第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1と、を紐づけた指定人物の情報、カメラ30の位置座標、カメラ30の方向、施設マップ等の一時的な記憶に利用可能である。第1の撮像画像の横幅C1(m)は、第1の撮像画像の横幅C1の実サイズである。
【0069】
補助記憶装置5003は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。補助記憶装置5003には、CPU5001によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等を記憶させることができる。補助記憶装置5003は、例えば、上記の事前処理プログラム、位置検出処理プログラム等の記憶に利用可能である。また、補助記憶装置5003は、例えば、第1の撮像画像の横幅実サイズC1(m)、第1の撮像画像の画素数d(pixel)、顔画像と検出した第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1と、を紐づけた指定人物の情報、カメラ30の位置座標、カメラ30の方向、施設マップ等の記憶に利用可能である。
【0070】
入力インタフェース5004は、キーボード装置、マウス装置、及びタッチパネル装置等の入力装置4から入力される情報を受け付けるインタフェース装置である。
【0071】
表示処理装置5005は、液晶表示装置等の表示装置5の表示画面の制御等を行う。表示処理装置5005は、例えば、コンピュータ50の動作状態や、施設マップの画面、対象人物の位置等を示す画面データを作成して表示装置5に表示させる。
【0072】
通信制御装置5006は、コンピュータ50を通信ネットワークに接続し、通信ネットワークを介したコンピュータ50と他の電子機器との各種通信を制御する装置である。
【0073】
媒体駆動装置5007は、可搬型記録媒体51に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置5003に記憶されたデータ等の可搬型記録媒体51への書き込みを行う。可搬型記録媒体51としては、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)がある。可搬型記録媒体51は、上記の事前処理プログラム、位置検出処理プログラムの記録に利用可能である。また、可搬型記録媒体51は、例えば、第1の撮像画像の横幅実サイズC1(m)、第1の撮像画像の画素数d(pixel)、顔画像と検出した第1の撮像画像の全体画像および顔幅画素数a1と、を紐づけた指定人物の情報、カメラ30の位置座標、カメラ30の方向、施設マップ等の記憶に利用可能である。
【0074】
更に、コンピュータ50が媒体駆動装置5007として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体51として利用可能である。可搬型記録媒体51として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等がある。
【0075】
コンピュータ50は、オペレータが入力装置4を操作して事前処理プログラムの開始命令を入力すると、CPU5001が補助記憶装置5003等から図6のフローチャートにおける各ステップの処理を含む事前処理プログラム、図7のフローチャートにおける各ステップの処理を含む位置検出処理を読み出して実行する。事前処理プログラム、位置検出処理プログラムを実行している間、CPU5001は、図5に示した位置検出装置10における事前処理部101、検出準備部102、距離算出部103、角度算出部104、位置検出部105、および制御部100として機能(動作)する。また、事前処理プログラム、位置検出処理プログラムを実行している間、コンピュータ50のメモリ5002のRAM及び補助記憶装置5003、並びに可搬型記録媒体51等の記録媒体は、図5に示した位置検出装置10における記憶部120として機能する。
【0076】
なお、位置検出装置10として動作させるコンピュータ50は、図8に示した要素5001~5008の全てを含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。例えば、コンピュータ50は、媒体駆動装置5007が省略されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 位置検出システム
4 入力装置
5 表示装置
10 位置検出装置
20 カメラ
30 カメラ
30A、30B、30C、30D カメラ
40A、40B 入室ゲート
50 コンピュータ
51 可搬型記録媒体
100 制御部
101 事前処理部
102 検出準備部
103 距離算出部
104 角度算出部
105 位置検出部
120 記憶部
130 入力部
140 表示部
200 施設
5001 CPU
5002 メモリ
5003 補助記憶装置
5004 入力インタフェース
5005 表示処理装置
5006 通信制御装置
5007 媒体駆動装置
5010 バス
A ゾーン
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8