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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076797
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】補助ハンドルおよび電動工具システム
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20220513BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187372
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山田 啓二
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA03
3C064AA06
3C064AA08
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA12
3C064BA18
3C064BA31
3C064BA33
3C064BB62
3C064CB62
3C064CB69
3C064CB71
3C064CB86
3C064CB92
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業者による電動工具の把持を補助するための補助ハンドルを提供する。
【解決手段】補助ハンドル100は、電動工具に対して着脱するための操作を受け付ける操作部110と、操作部に接続されており、操作部から突出した連結部120と、連結部に接続されており、操作部が受け付ける操作によって連結部に対して相対移動する基部130と、基部の少なくとも一部を覆い、操作部が受け付ける操作によって、連結部に対して基部と一体的に相対移動する主クランプ部140と、連結部の少なくとも一部を覆う副クランプ部150と、を備えている。連結部は、基部と接続された第1連結部121と、第1連結部よりも大きな外径を有し、第1連結部よりも操作部側に位置する第2連結部122と、を備えており、副クランプ部は、第1連結部上に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具に着脱可能に装着される補助ハンドルであって、
電動工具に対して着脱するための操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に接続されており、前記操作部から突出した連結部と、
前記連結部に接続されており、前記操作部が受け付ける操作によって前記連結部に対して相対移動する基部と、
前記基部の少なくとも一部を覆い、前記操作部が受け付ける操作によって、前記連結部に対して前記基部と一体的に相対移動する主クランプ部と、
前記連結部の少なくとも一部を覆う副クランプ部と、を備えており、
前記連結部は、
前記基部と接続された第1連結部と、
前記第1連結部よりも大きな外径を有し、前記第1連結部よりも前記操作部側に位置する第2連結部と、を備えており、
前記副クランプ部は、前記第1連結部上に配置されている、補助ハンドル。
【請求項2】
前記連結部において、前記第1連結部および前記第2連結部は一体的に形成されている、請求項1に記載の補助ハンドル。
【請求項3】
前記副クランプ部は、前記第1連結部上をスライド移動可能である、請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項4】
前記連結部は、前記第1連結部よりも小さな外径を有し前記第2連結部よりも前記操作部側に位置する第3連結部を備えており、
前記操作部は、前記第3連結部上に配置されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の補助ハンドル。
【請求項5】
前記副クランプ部は、前記第1連結部の少なくとも一部が挿入された中空状の第1副クランプ部を備えており、
前記第1副クランプ部の内径は、前記第1連結部の外径よりも大きい、請求項1乃至4のいずれかに記載の補助ハンドル。
【請求項6】
前記第1副クランプ部の内径と、前記第1連結部の外径との差は、
前記第1連結部の外径と、前記第2連結部の外径との差よりも小さい、請求項5に記載の補助ハンドル。
【請求項7】
前記基部は、前記連結部と接続された本体部と、前記本体部よりも大きな外径を有する頭部とを有しており、
前記主クランプ部は、前記本体部の少なくとも一部を覆う中空状の本体部側主クランプ部と、前記頭部の少なくとも一部を覆う中空状の頭部側主クランプ部とを有しており、
前記本体部側主クランプ部の内径と、前記本体部の外径との差は、
前記頭部側主クランプ部の内径と、前記頭部の外径との差よりも大きい、請求項1乃至6のいずれかに記載の補助ハンドル。
【請求項8】
電動工具と、
請求項1乃至7のいずれかに記載の補助ハンドルと、を備える電動工具システム。
【請求項9】
前記補助ハンドルが前記電動工具に装着された状態において、
前記主クランプ部と前記副クランプ部は離れて位置している、請求項8に記載の電動工具システム。
【請求項10】
前記副クランプ部は、前記第1連結部の少なくとも一部が挿入された中空状の第1副クランプ部を備えており、
前記補助ハンドルが前記電動工具に装着された状態において、
前記第1副クランプ部の内径と、前記第1連結部の外径との差は、
前記主クランプ部と前記副クランプ部との最短距離よりも大きい、請求項9に記載の電動工具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補助ハンドルおよび電動工具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動工具に着脱可能に装着され、作業者による電動工具の把持を補助するための補助ハンドルが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-123521号公報
【発明の概要】
【0004】
本実施形態の一態様に係る補助ハンドルは、電動工具に着脱可能に装着される補助ハンドルであって、電動工具に対して着脱するための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に接続されており、前記操作部から突出した連結部と、前記連結部に接続されており、前記操作部が受け付ける操作によって前記連結部に対して相対移動する基部と、前記基部の少なくとも一部を覆い、前記操作部が受け付ける操作によって、前記連結部に対して前記基部と一体的に相対移動する主クランプ部と、前記連結部の少なくとも一部を覆う副クランプ部と、を備えており、前記連結部は、前記基部と接続された第1連結部と、前記第1連結部よりも大きな外径を有し、前記第1連結部よりも前記操作部側に位置する第2連結部と、を備えており、前記副クランプ部は、前記第1連結部上に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本実施形態の補助ハンドルおよび電動工具の一例を示す斜視図である。
図2図1に示した補助ハンドルの側面図である。
図3図1に示した補助ハンドルの端面図である。
図4図3のiv-iv線断面図である。
図5図4の部分拡大図である。
図6図4の部分拡大図である。
図7】本実施形態の補助ハンドルおよび電動工具の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付図面を参照して、補助ハンドル100のいくつかの実施形態について説明を行う。
【0007】
図1は、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態を示す斜視図である。
【0008】
図1に示すように、補助ハンドル100は電動工具1000に着脱可能に装着される。一般に電動工具1000の使用時には電動工具1000に振動が発生する場合があるが、補助ハンドル100を電動工具1000に装着することで、電動工具1000の姿勢を安定した状態に保ちながら作業を行うことができる。具体的には、補助ハンドル100を電動工具1000に装着し、一方の手で電動工具1000の把持部1100を把持するとともに、他方の手で補助ハンドル100の把持部111を把持することで、作業時の電動工具1000の姿勢を安定させることができる。補助ハンドル100は、電動工具1000がいわゆる振動工具である場合に特に好適である。振動工具とは、電動工具1000に取り付けられる先端工具(不図示)を一定の周期で往復駆動させるものを指す。
【0009】
図1では電動工具1000としていわゆる振動ドリルドライバを例示しているが、電動工具1000は振動ドリルドライバに制限されるものではない。また、電動工具1000は、いわゆる振動工具に制限されるものではない。電動工具1000としては、例えばディスクグラインダや丸鋸等の種々の電動工具を挙げることができる。
【0010】
補助ハンドル100は上述のように、電動工具1000に対して着脱可能である。すなわち、電動工具1000を使用する際には作業者が補助ハンドル100を電動工具1000に装着し、電動工具1000を使用しない際には作業者が補助ハンドル100を電動工具1000から取り外すことが可能である。
【0011】
図2は、補助ハンドル100の一実施形態を示す側面図である。図3は、図2の端面図である。図4は、図3のiv-iv線断面図である。図5および図6は、図4の特定部分を拡大した断面図である。図7は、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態を示す断面図であり、図3のiv-iv線断面に対応している。
【0012】
図4等に示すように、補助ハンドル100は、電動工具1000に対して着脱するための操作を受け付ける操作部110と、操作部110に接続されており、操作部110から突出した連結部120と、連結部120に接続されており、操作部110が受け付ける操作によって連結部120に対して相対移動する基部130と、基部130の少なくとも一部を覆い、操作部110が受け付ける操作によって、連結部120に対して基部130と一体的に相対移動する主クランプ部140と、連結部120の少なくとも一部を覆う副クランプ部150と、を備えている。
【0013】
以下説明のために、操作部110の長手方向(図4の紙面上下方向)を前後方向と定義する。そして、前後方向において、主クランプ部140側(図4の紙面上側)を前側と定義し、操作部110側(図4の紙面下側)を後ろ側と定義する。また、前後方向に直交する方向を径方向と定義する。また、前後方向に沿う軸を中心として周回する方向を周方向として説明を行う。
【0014】
図4に示すように、操作部110は、補助ハンドル100を電動工具1000に対して着脱する際に、作業者からの操作を受け付ける部位である。操作部110は例えば円筒状の樹脂部材であり、作業者によって把持される把持部111を備えている。電動工具1000に対して補助ハンドル100を着脱する際、作業者は把持部111を把持しながら操作部110を周方向に回動させる操作を行う。補助ハンドル100の着脱操作の詳細については後述する。操作部110は前側の端部に、把持部111よりも外径の大きい鍔部112を備えていてもよい。以下の説明において「外径」とは、部材の外面の直径を指す。
【0015】
操作部110の前側には、連結部120が接続されている。連結部120は例えば、前後方向に延びる円筒状の部材であり、操作部110から前側に向けて突出している。連結部120の外径は、操作部110(把持部111)の外径よりも小さい。
【0016】
連結部120は、前側の端部に第1連結部121を有しており、第1連結部121は基部130と接続されている。第1連結部121と基部130の接続状態については後述する。連結部120はさらに、第1連結部121よりも後ろ側に位置する第2連結部122を有している。図5に示すように、第2連結部122の外径122DOは、第1連結部121の外径121DOよりも大きい。第1連結部121および第2連結部122の前後方向の長さは、特に制限されない。第1連結部121および第2連結部122は一体的に形成されていてもよく、別体の部材である第1連結部121および第2連結部122が互いに接合された状態であってもよい。また、第1連結部121および第2連結部122は互いに隣接していなくてもよく、それぞれの部位間に別の部位が介在していてもよい。
【0017】
操作部110に対する連結部120の接続状態は特に制限されないが、図4に示すように例えば連結部120の後ろ側の端部が操作部110の内部に差し込まれた状態であってもよい。換言すれば、操作部110が連結部120の後ろ側の端部を覆った状態であってもよい。
【0018】
連結部120は、作業者による操作部110の操作に応じて、操作部110と一体的に動く。より具体的には、作業者による操作部110の周方向の回動操作に伴い、連結部120は操作部110と一体的に回動する。
【0019】
連結部120の前側の端部(第1連結部121)には、基部130が接続されている。基部130は例えば、前後方向に延びる円筒状の部材である。
【0020】
図4に示すように、連結部120の第1連結部121は、基部130との接続部120Cを有している。接続部120Cは、中空状であって内面に雌ネジが形成されている。さらに、基部130は、後ろ側の端部に連結部120との接続部130Cを有している。接続部130Cは、外面に雄ネジが形成されている。そして、基部130の接続部130Cが、連結部120の接続部120Cに対して差し込まれ、それぞれの雄ネジと雌ネジとが係合している。
【0021】
作業者が操作部110を周方向に回動させた場合、操作部110と一体的に連結部120が回動する。このとき、連結部120の回動により、連結部120の接続部120Cが有する雌ネジと基部130の接続部130Cが有する雄ネジとが相互に作用し、基部130が連結部120に対して前後方向に相対移動する。基部130の相対移動の方向は、操作部110の回動方向によって変化させることができる。以下の説明では、操作部110を後ろ側から見て時計回り(以下、右回りとする)に回動させることで基部130と連結部120が接近し、操作部110を後ろ側から見て反時計回り(以下、左回りとする)に回動させることで基部130と連結部120が遠ざかるものとする。
【0022】
なお、「基部130が連結部120に対して前後方向に相対移動する」とは、基部130自体が前後方向に移動することのみに制限されない。例えば、基部130の位置が固定された状態で連結部120が前後方向に移動する場合も、基部130が連結部120に対して前後方向に相対移動しているといえる。
【0023】
連結部120の接続部120Cおよび基部130の接続部130Cのそれぞれの構成は、上述したものに制限されない。すなわち、操作部110が受け付ける操作によって基部130が連結部120に対して前後方向に相対移動する限り、連結部120の接続部120Cおよび基部130の接続部130Cのそれぞれの構成は、特に制限されない。
【0024】
連結部120の接続部120Cは、外面に雄ネジが形成されていてもよい。さらに、基部130の接続部130Cは、中空状であって内面に雌ネジが形成されていてもよい。そして、連結部120の接続部120Cが基部130の接続部130Cに対して差し込まれ、それぞれの雄ネジと雌ネジとが係合していてもよい。
【0025】
連結部120はいわゆるシャフトであり、基部130はいわゆるボルトであってもよい。また、連結部120はいわゆるボルトであり、基部130はいわゆるシャフトであってもよい。
【0026】
図4に示すように、基部130上には、主クランプ部140が配置されている。主クランプ部140は、基部130の少なくとも一部を覆うように配置されている。主クランプ部140は、前後方向に延びる第1主クランプ部141と、径方向に延びる第2主クランプ部142を有している。
【0027】
第1主クランプ部141は例えば中空状かつ円筒状の部位であり、第1主クランプ部141の内部に基部130の少なくとも一部が挿入されている。図4に示すように、第1主クランプ部141はサークリップ(止め輪)20を有しており、サークリップ(止め輪)20によって主クランプ部140は基部130に係合されている。すなわち、主クランプ部140は、基部130に対して前後方向の相対位置が固定されている。したがって、作業者による操作部110の回動操作によって基部130は連結部120に対して前後方向に相対移動するが、その際に主クランプ部140は連結部120に対して基部130と一体的に前後方向に相対移動を行う。なお、「主クランプ部140は連結部120に対して基部130と一体的に前後方向に相対移動を行う」とは、主クランプ部140が基部130と同様の相対移動を行うことを指し、主クランプ部140と基部130が厳密に全く同じ相対移動を行う必要はない。また、基部130に対する主クランプ部140の係合手段は、上述した内容に制限されるものではない。
【0028】
第2主クランプ部142は、補助ハンドル100を電動工具1000に装着する際に、電動工具1000のハウジング1001と接触する部位である。図6に示すように、第2主クランプ部142は、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された際に、電動工具1000のハウジング1001と接触する接触部145を有している。接触部145は、第2主クランプ部142の後ろ側の端部に位置している。接触部145は、電動工具1000のハウジング1001の外形に沿った形状であってもよく、例えば断面視で円弧形状であってもよい。接触部145は凹部(または凸部)145E有しており、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態において、凹部(または凸部)145Eが電動工具1000のハウジング1001に設けられた凸部(または凹)1000Eと係合していてもよい。このような構成によれば、補助ハンドル100と電動工具1000のハウジング1001との接触面積が大きくなるため、電動工具1000の使用中に補助ハンドル100にずれが生じる可能性を低減することができる。
【0029】
連結部120上には、副クランプ部150が配置されている。副クランプ部150は、連結部120の少なくとも一部を覆うように配置されている。図5に示すように、副クランプ部150は、前後方向に延びる第1副クランプ部151と、径方向に延びる第2副クランプ部152を有している。
【0030】
第1副クランプ部151は例えば中空状かつ円筒状の部位であり、第1副クランプ部151の内部に連結部120の少なくとも一部が挿入されている。特に、第1副クランプ部151は、連結部120のうち第1連結部121上に配置されている。換言すれば、第1副クランプ部151は、第1連結部121の少なくとも一部を覆うように配置されている。第1副クランプ部151と第1連結部121は固定されておらず、第1副クランプ部151は第1連結部121上を前後方向にスライド移動することができる。換言すれば、第1副クランプ部151は第1連結部121上を前後方向に摺動することができる。第1副クランプ部151は連結部120のうち第2連結部122上には配置されておらず、第2連結部122は表面が外側に露出した状態であってもよい。
【0031】
第1副クランプ部151の後ろ側には、ワッシャ10が配置されていてもよい。ワッシャ10は中空状であり、第1連結部121を周方向に囲むように第1連結部121上に配置されている。ワッシャ10は副クランプ部150とは固定されておらず、ワッシャ10は第1連結部121上を前後方向に沿ってスライド移動することができる。
【0032】
第2副クランプ部152は、補助ハンドル100を電動工具1000に装着する際に、電動工具1000のハウジング1001と接触する部位である。図6に示すように、第2副クランプ部152は、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された際に、電動工具1000のハウジング1001と接触する接触部155を有している。接触部155は、第2副クランプ部152の前側の端部に位置している。接触部155は、電動工具1000のハウジング1001の外形に沿った形状であってもよく、例えば円弧形状であってもよい。接触部155は凹部(または凸部)155E有しており、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態において、凹部(または凸部)155Eが電動工具1000のハウジング1001に設けられた凸部(または凹部)1000Eと係合していてもよい。このような構成によれば、補助ハンドル100と電動工具1000のハウジング1001の接触面積が大きくなるため、電動工具1000の使用中に補助ハンドル100にずれが生じる可能性を低減することができる。
【0033】
図7に示すように、補助ハンドル100を電動工具1000に装着する際、まず作業者は主クランプ部140の第2主クランプ部142(接触部145)を電動工具1000に接触させる。次に、操作部110を右回りに回動させると、連結部120が、基部130および基部130上に配置された主クランプ部140に接近する。このとき、連結部120の動きに伴って、副クランプ部150が主クランプ部140に接近する。具体的には、副クランプ部150(第1副クランプ部151)は連結部120において第1連結部121上に配置されており、さらに連結部120は第1連結部121よりも後ろ側に位置し第1連結部121よりも外径の大きい第2連結部122有しているため、連結部120が主クランプ部140に接近すると、副クランプ部150がワッシャ10を介して第2連結部122によって前側に押圧された状態となる。この結果、副クランプ部150が主クランプ部140に接近する。さらに操作部110を右回りに回動させ続けると、主クランプ部140と副クランプ部150が電動工具1000を前後方向に挟持する。より具体的には、主クランプ部140の第2主クランプ部142(接触部145)と副クランプ部150の第2副クランプ部152(接触部155)が電動工具1000を前後方向に挟持する。この結果、補助ハンドル100が電動工具1000に装着される。
【0034】
電動工具1000に装着された補助ハンドル100を電動工具1000から脱着する際は、操作部110を左回りに回動すればよい。なお、補助ハンドル100を電動工具1000に装着する方法は、上述した内容に制限されない。
【0035】
以上、補助ハンドル100を電動工具1000に対して着脱する操作について説明したが、以下の段落では補助ハンドル100のより詳細な構成について説明を行う。なお、補助ハンドル100は以下に記載の構成に限定されるものではない。
【0036】
図5に示すように、操作部110に接続された連結部120はさらに、第1連結部121および第2連結部122よりも後ろ側に位置する第3連結部123を有していてもよい。第3連結部123は連結部120の後ろ側の端部に位置する部位であり、第3連結部123は操作部110の内部に差し込まれている。換言すれば、操作部110が第3連結部123を覆った状態である。第3連結部123の外径123DOは、第1連結部121の外径121DOよりも小さくてもよい。このような構成によれば、操作部110の径方向の厚みを確保しながら操作部110を径方向に小型化することができる。この結果、補助ハンドル100の耐久性を確保しながら補助ハンドル100を小型化することができる。第1連結部121、第2連結部122および第3連結部123は一体的に形成されていてもよく、別体の部材である第1連結部121、第2連結部122および第3連結部123が互いに接合された状態であってもよい。また、第1連結部121、第2連結部122および第3連結部123は互いに隣接していなくてもよく、それぞれの部位間に別の部位が介在していてもよい。
【0037】
図5に示すように、副クランプ部150における第1副クランプ部151の内径151DIは、連結部120における第1連結部121の外径121DOよりも大きくてもよい。以下の説明において「内径」とは、中空状部材の内面の直径を指す。このような構成によれば、第1副クランプ部151と第1連結部121との干渉が低減され、第1連結部121上において第1副クランプ部151をスムーズにスライド移動させることができる。第1副クランプ部151の内径151DIと第1連結部121の外径121DOとの差は、例えば0.5mm以上である。
【0038】
図5に示すように、第1副クランプ部151の内径151DIと第1連結部121の外径121DOとの差は、第1連結部121の外径121DOと第2連結部122の外径122DOとの差よりも小さくてもよい。このような構成によれば、補助ハンドル100を電動工具1000に装着する際に、第1副クランプ部151が第1連結部121上から離脱し、第2連結部122上へと移動する可能性を低減することができる。この結果、電動工具1000の使用中に補助ハンドル100が電動工具1000から離脱する可能性を低減することができる。
【0039】
図6に示すように、副クランプ部150は、ストッパポール装着部153を有していてもよい。ストッパポール(不図示)とは、電動工具1000に取り付けられる先端工具の加工深さを規定するための棒状部材である。ストッパポール装着部153は、ボルト30、ナット40およびストッパポール係合孔50を有している。ストッパポール係合孔50は、前後方向に直交する左右方向(図6における紙面奥行き方向)に副クランプ部150を貫通するように形成されている。ストッパポール係合孔50にストッパポールが挿入された状態で、ボルト30をナット40に螺合させることで、ボルト30がストッパポールに当接し、ストッパポールが装着される。
【0040】
図6に示すように、基部130は、連結部120(第1連結部121)と接続された本体部132と、本体部132よりも前側に位置し本体部132よりも大きな外径を有する頭部131とを有していてもよい。本体部132は、頭部131よりも前後方向の長さが長い。さらに、主クランプ部140は、基部130の頭部131の少なくとも一部を覆う頭部側主クランプ部143と、基部130の本体部132の少なくとも一部を覆う本体部側主クランプ部144とを有していてもよい。頭部側主クランプ部143および本体部側主クランプ部144は、第1主クランプ部141の一部分であり共に中空状である。そして、本体部側主クランプ部144の内径144DIと本体部132の外径132DOとの差は、頭部側主クランプ部143の内径143DIと頭部131の外径131DOとの差よりも大きくてもよい。基部130において、本体部132は頭部131よりも前後方向の長さが長く外径が小さいため、本体部132は頭部131と比較してたわみ等の変形が起こりやすい。したがって、補助ハンドル100を繰り返し使用した際に、本体部132に変形が生じて本体部132と本体部側主クランプ部144とが干渉し、補助ハンドル100の動作不良が発生しやすい。これに対して、本体部側主クランプ部144の内径144DIと本体部132の外径132DOとの差を、頭部側主クランプ部143の内径143DIと頭部131の外径131DOとの差よりも大きくすることで、変形した本体部132と本体部側主クランプ部144とが干渉を起こす可能性を低減することができる。この結果、補助ハンドル100に動作不良が発生する可能性を低減することができる。
【0041】
図2に示すように、主クランプ部140と副クランプ部150はそれぞれ、回転規制ピン60を保持するピン保持部140P、150Pを有していてもよい。ピン保持部140P、150Pはそれぞれ、主クランプ部140と副クランプ部150から径方向に突出するとともに前後方向に延びる貫通孔を有しており、係る貫通孔に回転規制ピン60が挿入されている。このような構成によれば、主クランプ部140と副クランプ部150の周方向の相対回転が規制される。より具体的には、主クランプ部140と副クランプ部150の周方向における位置ずれが防止される。この結果、電動工具1000に対する補助ハンドル100の装着を効率的に行うことができる。
【0042】
補助ハンドル100において、副クランプ部150は通常連結部120上に配置されているが、副クランプ部150は連結部120に対して分離可能であってもよい。例えば、操作部110を左回りに回動し続けることにより、基部130を連結部120から離脱可能に構成した場合、副クランプ部150は連結部120に対して固定されていないため、副クランプ部150を連結部120から分離することができる。このような構成によれば、連結部120と副クランプ部150との間に異物が蓄積した場合に、副クランプ部150を連結部120から分離することで異物の除去を行うことができる。この結果、補助ハンドル100が異物により破損する可能性を低減することができる。
【0043】
次に、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態について説明を行う。なお、補助ハンドル100および電動工具1000は以下に記載の構成に限定されるものではない。
【0044】
以下の説明において、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態とは、図7に示すように、主クランプ部140と副クランプ部150の双方が、電動工具1000のハウジング1001に接触している状態を指す。より具体的には、主クランプ部140の第2主クランプ部142(接触部145)と副クランプ部150の第2副クランプ部152(接触部155)の双方が、電動工具1000のハウジング1001に接触している状態を指す。
【0045】
図7に示すように、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態において、主クランプ部140と副クランプ部150は離れて位置していてもよい。より具体的には、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態において、第1主クランプ部141と第1副クランプ部151は前後方向に離れて位置していてもよい。このような構成によれば、補助ハンドル100の寸法に製造上のばらつきが生じた場合にも、補助ハンドル100を電動工具1000に正常に装着することができる。例えば、補助ハンドル100を電動工具1000に装着した際に、主クランプ部140と副クランプ部150がちょうど接触するように補助ハンドル100を構成すると、主クランプ部140または副クランプ部150に製造誤差が生じ寸法が想定よりも大きくなった場合に、補助ハンドル100を電動工具1000に正常に装着できない可能性がある。これに対して、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態において、主クランプ部140と副クランプ部150との間に隙間を設定しておくことで、補助ハンドル100の製造誤差が許容され補助ハンドル100を電動工具1000に正常に装着することができる。なお、主クランプ部140と副クランプ部150が離れて位置しているとは、第1主クランプ部141と第1副クランプ部151が直接接触していない状態を指す。したがって、例えば主クランプ部140と副クランプ部150が上述した回転規制ピン60で連結されている場合も、第1主クランプ部141と第1副クランプ部151が直接接触していない限り、主クランプ部140と副クランプ部150は離れて位置しているといえる。補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態における、主クランプ部140と副クランプ部150の前後方向に沿った距離Xは、例えば0.1mm~5.0mmである。なお、距離Xは、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態における、第1主クランプ部141と第1副クランプ部151の前後方向に沿った最短距離である。
【0046】
図7に示すように、第1副クランプ部151の内径151DIと第1連結部121の外径121DOとの差を、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態における主クランプ部140と副クランプ部150の前後方向に沿った距離Xよりも大きくしてもよい。このような構成によれば、作業差が操作部110の回動操作を過剰に行った場合も、補助ハンドル100が故障する可能性を低減することができる。具体的には、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された後もなお、作業者が操作部110を右回りに回動させ続けた場合、連結部120と基部130とが断面視においてV字形状をなすように変形を起こす場合がある。この結果、第1副クランプ部151と第1連結部121とが干渉を起こし、操作部110の回動操作が不能となる場合がある。これに対して、第1副クランプ部151の内径151DIと第1連結部121の外径121DOとの差を、補助ハンドル100が電動工具1000に装着された状態における主クランプ部140と副クランプ部150の前後方向に沿った距離Xよりも大きくすることで、作業差が操作部110の回動操作を過剰に行った場合も、第1副クランプ部151と第1連結部121とが干渉を起こす可能性を低減することができる。この結果、補助ハンドル100が故障する可能性を低減することができる。
【0047】
以上、補助ハンドル100のいくつかの実施形態について説明したが、補助ハンドル100は上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
100・・・・・・・・・・補助ハンドル
110・・・・・・・・・・操作部
120・・・・・・・・・・連結部
130・・・・・・・・・・基部
140・・・・・・・・・・主クランプ部
150・・・・・・・・・・副クランプ部
1000・・・・・・・・・電動工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7