(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076848
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】鏡餅型装飾具
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
A47G33/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187464
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】391003794
【氏名又は名称】押尾産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正和
(57)【要約】
【課題】食品ロスを減らすことのできる鏡餅型装飾具を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの丸餅が上下に重ねられた状態を模した外観形状を有するとともに、下部に開口部15が形成された鏡餅型容器10と、前記開口部15を閉塞するシール材30と、前記鏡餅型容器10の上部に外嵌されたキャップ20と、前記キャップ20の内部に収容された飾り具40とを備え、前記鏡餅型容器10の内部には、固体状の食品(但し、餅を除く)60が収容されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの丸餅が上下に重ねられた状態を模した外観形状を有するとともに、下部に開口部が形成された鏡餅型容器と、
前記鏡餅型容器の下部に接合されて前記開口部を閉塞するシール材と、
前記鏡餅型容器の上部に外嵌されたキャップと、
前記キャップの内部に収容された飾り具とを備え、
前記鏡餅型容器の内部には、固体状の食品(但し、餅を除く)が収容されていることを特徴とする鏡餅型装飾具。
【請求項2】
前記キャップは、前記飾り具が収容されている収容部と、前記鏡餅型容器に外嵌されている装着部を有し、
前記装着部の内面は、前記鏡餅型容器における最上方の丸餅の外観形状部分の外面に当接し、
前記装着部の下端縁は、前記鏡餅型容器における最上方の丸餅の外観形状部分の下端近傍に位置していることを特徴とする請求項1に記載の鏡餅型装飾具。
【請求項3】
前記装着部の内面には、上下方向に延びる溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の鏡餅型装飾具。
【請求項4】
前記収容部の内面には、前記飾り具の一部が当接していることを特徴とする請求項2又は3に記載の鏡餅型装飾具。
【請求項5】
前記鏡餅型容器の外面には、前記食品についての情報を表示するラベルが貼着されており、
前記ラベルは、前記キャップの下端縁を跨ぐ位置に貼着されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の鏡餅型装飾具。
【請求項6】
前記鏡餅型容器は、最下方の丸餅の外観形状部分の下端縁から側方に延びるフランジ部を有し、
前記シール材は、前記フランジ部に接合されており、
前記シール材の下面であって前記鏡餅型容器の外部には、商品説明欄が設けられており、
前記商品説明欄は、前記鏡餅型容器において前記ラベルが貼着された側を前側としたときに、前記ラベルより後方に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鏡餅型装飾具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正月や祝い事の際に飾る鏡餅型装飾具に関する。
【背景技術】
【0002】
日本には、正月や祝い事の際に鏡餅を飾る風習がある。しかし近年では、一般家庭で餅をつく機会が少なくなっていることもあり、鏡餅の形状を模した鏡餅型装飾具が多く市販されている。
【0003】
特許文献1には、鏡餅の外観形状を有する合成樹脂製の鏡餅用容器の内部に餅が充填されてなる包装鏡餅に係る発明が記載されている。鏡餅用容器の下面に形成された開口部から軟化状態の餅を充填し、鏡餅用容器の下面に形成されたフランジ部にフィルムを装着し、ボイル殺菌処理を施すことで包装鏡餅を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、正月に鏡餅を飾った場合、松の内が終わった後の鏡開きでは、鏡餅を汁粉や雑煮等にして食べる習慣がある。そのため、鏡餅用容器の内部に充填された包装鏡餅の場合、鏡餅用容器から餅を取り出して調理することになるが、鏡餅用容器から取り出したままの状態では大きすぎるため、適宜の大きさに切断する必要がある。
【0006】
しかし、硬化した、厚みがある餅を切断するのは容易ではない。そのため、そのまま放置することで古くなってしまって、廃棄せざるを得ない場合も多い。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、食品ロスを減らすことのできる鏡餅型装飾具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、少なくとも2つの丸餅が上下に重ねられた状態を模した外観形状を有するとともに、下部に開口部が形成された鏡餅型容器と、前記鏡餅型容器の下部に接合されて前記開口部を閉塞するシール材と、前記鏡餅型容器の上部に外嵌されたキャップと、前記キャップの内部に収容された飾り具とを備え、前記鏡餅型容器の内部には、固体状の食品(但し、餅を除く)が収容されている。
【0008】
ここで、鏡餅型容器の内部に収容される固体状の食品としては、例えば、米、麦等の穀類が挙げられる。鏡餅型容器の内部に米が収容されている場合、シール材を剥がせば、すぐに取り出すことが可能であり、そのままの状態で調理に供することができる。そのため、放置して廃棄せざるを得なくなる事態を抑制することができ、食品ロスを減らすことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、食品ロスを減らすことのできる鏡餅型装飾具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】鏡餅型装飾具の分解図であり、鏡餅型装飾具を構成する各部材の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した鏡餅型装飾具について説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の鏡餅型装飾具1は、鏡餅型容器10、キャップ20、シール材30、飾り具40、ラベル50を備えている。鏡餅型装飾具1の内部には、固体状の食品としての米60が充填されている。
【0012】
鏡餅型容器10は、合成樹脂材を成形して中空の鏡餅形状に成形した成形体である。合成樹脂の材質は特に限定されないが、熱可塑性樹脂、中でも硬質のポリプロピレンであることが好ましい。本実施形態の鏡餅型容器10は、透明又は半透明である。また、鏡餅型容器10の厚さは、0.6~1.4mm程度であることが好ましい。
【0013】
図2及び
図3に示すように、鏡餅型容器10は、餅型本体部11とフランジ部12を備えている。餅型本体部11は、球体を扁平にした形状の丸餅が、上下に2つ重ねられた状態を模した外観形状を有している。以下では、上方の丸餅の外観形状部分を上段部13、下方の丸餅の外観形状部分を下段部14とする。
【0014】
図2に示すように、鏡餅型容器10の下面、すなわち下段部14の下面には、下方に向かって開口する開口部15が形成されている。開口部15は、下段部14の下端縁で囲まれる部分に形成されており、横断面形状が円形状とされている。
【0015】
フランジ部12は、下段部14の下端縁から外側方に延びるような形状で餅型本体部11と一体に形成されている。
図1に示すように、フランジ部12は上面視矩形状に形成されている。
【0016】
図2及び
図3に示すように、キャップ20は、透明の樹脂材料でシート成形された成形体であり、その厚さは、0.2~0.3mm程度である。キャップ20は、上方の収容部21と下方の装着部22とが一体に連設された形状に形成されている。収容部21は、上下方向に延びる筒部23を有する略円筒状をなしており、筒部23の上部が、筒部23の上端縁に連設された蓋部24によって閉塞されている。
【0017】
装着部22は、上下方向に延びるとともに、収容部21の筒部23より大径の筒部25を有する略円筒状をなしており、筒部25と、筒部25の下端縁に連設されて下方ほど徐々に拡径される形状の鍔部26を備えている。
図3に示すように、筒部25の上部は、上方ほど徐々に縮径される形状で、その上端縁で収容部21の筒部23に繋がっている。筒部25の上部の縦方向断面は、外方に突出する湾曲形状をなしている。
【0018】
図3に示すように、筒部25の下部であって、鍔部26の上方となる位置には、小径の小径部25aが形成されている。小径部25aが形成されていることによって、筒部25の上下方向の主要部分は、小径部25aより僅かに大径となっている。ここでは、便宜上、小径部25a以外の部分を大径部25bとする。筒部25に小径部25aが形成されていることにより、小径部25aと大径部25bとの境界部分には、段差25cが形成されている。
【0019】
図4に示すように、筒部25の内面には、上下方向に延びる溝27が1本凹設されている。溝27の幅は、1.0mm程度であり、溝27の深さは、0.4~0.5mm程度である。溝27が凹設されることにより、筒部25の外面には、上下方向に延びる図示しない突条が形成されている。
【0020】
図3に示すように、装着部22の大きさは、鏡餅型容器10の上段部13の大きさに合わせて設定されている。具体的には、装着部22の筒部25の内周面の直径L1は、上段部13の外周面の直径L2より僅かに大きく形成されている。また、筒部25の高さH1は、上段部13の高さH2より少し小さく形成されている。
【0021】
図2、
図3及び
図5に示すように、シート状のシール材30は、鏡餅型容器10のフランジ部12の下面に対してヒートシール等の手段によって接合されている。シール材30は、フランジ部12と同じ形状、同じ大きさであり、鏡餅型容器10の下面全体を覆っている。シール材30が接合されていることにより、鏡餅型容器10の下面に開口する開口部15がシール材30によって閉塞されている。
図5に示すように、本実施形態のシール材30は、鏡餅型容器10の開口部15と同心円状に延びる複数の環状のヒートシール部31によって接合されている。
【0022】
図5に示すように、シール材30の下面30aには、商品説明欄32がプリントされている。商品説明欄32は、鏡餅型装飾具1の内部に収容されている米60の品質、内容量、保存方法、栄養成分表示等を説明する欄である。商品説明欄32は、鏡餅型容器10の開口部15の直径と同程度の長さの辺を有する正方形状をなしている。
【0023】
商品説明欄32は、シール材30の下面30aにおいて、一対の対向する側辺30c、30dのうち、一方の側辺30d側へ偏倚した位置にプリントされている。具体的には、後に説明するラベル50が貼着された側の側辺30cから、ラベル50が貼着されていない側の側辺30dに偏倚した位置にプリントされている。そして、商品説明欄32における側辺30c側の端縁は、側辺30c側に位置する開口部15の周縁より側辺30d側に位置している。つまり、商品説明欄32における側辺30c側の端縁は、ラベル50を前側として鏡餅型装飾具1を飾ったときに、鏡餅型容器10の下段部14の前端より後方に位置している。
【0024】
図1及び
図2に示すように、キャップ20の収容部21の内部には、飾り具40が収容されている。本実施形態の飾り具40は、有色の合成樹脂製で橙を模した形状を有している。飾り具40は、橙の果実を模した果実部41と、橙の葉を模した葉部42と、橙の枝を模した枝部43を有している。
【0025】
図3に示すように、飾り具40の大きさは、キャップ20の収容部21の大きさに合わせて設定されている。果実部41及び葉部42の横方向の幅L3は、キャップ20の収容部21の内周面の直径L4とほぼ同等か僅かに小さく形成されている。また、果実部41及び枝部43の高さH3は、キャップ20の収容部21の高さH4より少し小さく形成されている。
【0026】
図1に示すように、鏡餅型容器10の下段部14の外面には、ラベル50が貼着されている。ラベル50には、鏡餅型容器10の内部に収容されている米60の産地、銘柄等がプリントされている。ラベル50の上端縁は、キャップ20の装着部22の下端縁の上方に位置している。また、ラベル50の下端縁は、鏡餅型容器10の下段部14の下端縁であって、フランジ部12の上面近傍に位置している。これにより、ラベル50の正面側から鏡餅型装飾具1を見たときに、キャップ20の装着部22の下端縁は、ラベル50の上部によって覆われるようになっている。
【0027】
図2に示すように、鏡餅型容器10の内部には、シール材30の上面30bに接触するような態様で脱酸素剤70が収容されている。脱酸素剤70としては従来公知のものを使用することができる。
【0028】
次に、本実施形態の鏡餅型装飾具1の製造方法及び使用方法について、その作用とともに説明する。
鏡餅型装飾具1を製造する場合、まず、鏡餅型容器10の開口部15を上方へ向けた状態で、米60を鏡餅型容器10内に充填する。充填終了後、米60の上に脱酸素剤70を載置する。そして、フランジ部12の下面にヒートシール手段によって、シール材30を接合する。これにより、鏡餅型容器10の内部に、米60と脱酸素剤70とが密封状態に収容される。脱酸素剤70は、シール材30の上面30bに接した状態で保持される。
【0029】
続いて、キャップ20の収容部21内に飾り具40を挿入する。飾り具40の果実部41及び葉部42の横方向の幅L3が、キャップ20の収容部21の内周面の直径L4とほぼ同等か僅かに小さく形成されているため、果実部41及び葉部42が収容部21の内周面に当接する。これにより、飾り具40は収容部21の内部に保持されて、収容部21から脱落することが抑制される。
【0030】
続いて、キャップ20の装着部22を鏡餅型容器10の上段部13に外嵌する。このとき、装着部22の筒部25の内面には、上下方向に延びる溝27が凹設されているため、溝27を介してキャップ20の外部と内部とが連通する。これにより、キャップ20内の空気が外部へ逃げ易くなり、キャップ20がスムーズに外嵌される。
【0031】
図2に示すように、上段部13に外嵌されたキャップ20は、装着部22の筒部25の下端縁が、鏡餅型容器10の上段部13と下段部14との境界部分に位置し、鍔部26が下段部14の上部に当接する。装着部22の筒部25の内周面の直径L1が、上段部13の外周面の直径L2より僅かに大きく形成されているため、キャップ20は上段部13に固定されて、鏡餅型容器10から脱落することが抑制される。また、装着部22の筒部25には、小径部25aと大径部25bとの境界部分に段差25cが形成されている。そのため、段差25cが鏡餅型容器10の上段部13の下部に位置し、鏡餅型容器10からのキャップ20の抜けが抑制される。
【0032】
キャップ20が鏡餅型容器10に装着された状態では、キャップ20の収容部21内に保持された飾り具40は、果実部41の下面が鏡餅型容器10の上段部13の上面に当接するとともに、枝部43の上端がキャップ20の収容部21の上面に当接する。これは、果実部41及び枝部43の高さH3が、キャップ20の収容部21の高さH4より少し小さく形成されていることによる。これにより、収容部21内の飾り具40は上下方向への移動が規制された状態で保持される。
【0033】
続いて、鏡餅型容器10の下段部14の外面にラベル50を貼着する。ラベル50は、シール材30の下面30aにおいて商品説明欄32が偏倚している側とは反対側の側辺30c側に貼着する。このようにして鏡餅型装飾具1が得られる。
【0034】
鏡餅型装飾具1を使用する場合、ラベル50が貼着された側を前側として飾る。このとき、ラベル50によりキャップ20の装着部22の下端縁が覆われるようになっている。また、商品説明欄32における側辺30c側の端縁は、側辺30c側に位置する開口部15の周縁より側辺30d側に位置しており、下段部14の前端より後方に位置していることから、前側のフランジ部12には商品説明欄32は位置していない。これにより、ラベル50が貼着された側を前側として飾ると、キャップ20の下端縁や商品説明欄32が見え難くなり、外観形状が良好となる。
【0035】
鏡餅型装飾具1を正月飾り等で使用した後には、鏡餅型容器10の内部に収容された米60を利用する。この際、まず、鏡餅型容器10のシール材30を剥がす。続いて脱酸素剤70を取り除けば、米60を取り出すことができる。取り出したままの状態で、適宜、炊飯器や土鍋等に入れて洗米、炊飯すれば食用に供することができる。
【0036】
次に本実施形態の鏡餅型装飾具1の効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の鏡餅型装飾具1は、鏡餅を模した外観形状を有する鏡餅型容器10の内部に米60が収容されている。
【0037】
そのため、軟化状態の餅が充填されて固化されたものと比べて利用し易い。餅が充填された場合のように、廃棄せざるを得ない事態になり難く、食品ロスを減らすことができる。
【0038】
(2)鏡餅型容器10の下部にはヒートシール手段によるシール材30が接合されている。
そのため、シール材30を容易に剥がすことができる。鏡餅型容器10の内部に収容された米60を取り出し易い。
【0039】
(3)キャップ20の装着部22の内面は、鏡餅型容器10の上段部13の外周面に当接し、装着部22の下端縁は、鏡餅型容器10の上段部13の下端近傍に位置している・
そのため、鏡餅型容器10に対するキャップ20の装着状態が安定する。
【0040】
(4)キャップ20の装着部22の内面には、上下方向に延びる溝27が形成されている。
そのため、キャップ20を鏡餅型容器10に外嵌する際、溝27を介してキャップ20の外部と内部とが連通し、キャップ20内に存在していた空気が外部へ逃げ易い。これにより、キャップ20の外嵌作業をスムーズに行うことができる。
【0041】
(5)キャップ20の収容部21の内周面には、飾り具40の果実部41及び葉部42が当接している。
そのため、収容部21の内部での飾り具40の意図せぬ位置変化が抑制されて、収容部21内に飾り具40が安定して保持される。
【0042】
(6)鏡餅型容器10の下段部14の外面には、米60の産地、銘柄等の情報について表示するラベル50が貼着されている。
そのため、鏡餅型容器10の内部に収容された食品の情報を得やすい。
【0043】
(7)ラベル50は、キャップ20の装着部22の下端縁を跨ぐ位置に貼着されている。
そのため、キャップ20の下端縁が目立ち難く、鏡餅型装飾具1の外観形状を良好にすることができる。
【0044】
(8)鏡餅型容器10は、下段部14の下端縁から側方に延びるフランジ部12を有している。
そのため、鏡餅型装飾具1を飾ったときにその状態が安定する。
【0045】
(9)シール材30の下面30aには、商品説明欄32が設けられている。
そのため、商品説明欄によって、内部に収容された食品の情報を容易に得ることができる。
【0046】
(10)商品説明欄32は、ラベル50が貼着された側を前側として鏡餅型装飾具1を飾る際に、ラベル50より後方に設けられている。
そのため、ラベル50を前側として鏡餅型装飾具1を飾れば、前方から商品説明欄32が見え難くなる。鏡餅型装飾具1を飾った状態で、その外観形状を良好にすることができる。
【0047】
(11)シール材30は、開口部15と同心円状の複数のヒートシール部31でフランジ部12に接合されている。
そのため、フランジ部12に対して強固に接合され、密封状態を良好に保持することができる。
【0048】
(12)鏡餅型容器10の内部には、脱酸素剤70が収容されている。
そのため、鏡餅型容器10の内部に収容された米60の保存状態を良好にすることができる。
【0049】
なお、上記実施形態は、以下のように変更することができる。なお、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて適用することができる。
・鏡餅型容器10の内部に収容される食品は米60に限定されない。固体状の食品であれば適宜選択することができる。例えば、麦、粟等の穀類、ゴマ、豆、干しシイタケ等の乾物、アーモンド等のドライフルーツ、飴、あられ等の菓子類が挙げられる。
【0050】
・米60は精米であっても、玄米であっても、分つき米であってもよい。また、無洗米であってもよい。さらに、餅米であってもよい。
・鏡餅型容器10の内部に収容される食品は、適宜に個包装されていてもよい。
【0051】
・鏡餅型容器10は、丸餅が2つ重ねられた状態を模した形状に限定されない。3つ以上の丸餅が重ねられた状態を模した形状であってもよい。
・鏡餅型容器10は、透明又は半透明でなく、合成樹脂材に着色剤を混合することによって有色であってもよい。例えば、白色又は乳白色であってもよい。
【0052】
・フランジ部12は、下段部14の下端縁から外側方に延びるような形状でなくてもよい。
図6に示すように、下段部14の下端縁から内側方に延びるような形状であってもよい。
【0053】
・フランジ部12は上面視矩形状でなくてもよい。
・フランジ部12の下面には、シール材30が、鏡餅型容器10の開口部15と同心円状に延びる複数の環状のヒートシール部31によって接合されているが、ヒートシール部31の形状はこれに限定されない。開口部15を囲む形状であれば環状でなくてもよい。また、ヒートシール部31が1本であってもよい。
【0054】
・キャップ20の下端縁は、鏡餅型容器10の上段部13の下端近傍に位置していなくてもよい。
図6に示すように、キャップ20が下段部14を覆うように形成されていてもよい。
【0055】
・キャップ20の装着部22の溝27を省略することができる。また、溝27は1本ではなく、複数本が形成されていてもよい。
・キャップ20の収容部21の内面に飾り具40が当接していなくてもよい。
【0056】
・飾り具40は、橙を模した形状のものでなくてもよい。例えば、干支を模した像、キャラクタやマスコット等であってもよい。
・キャップ20及び飾り具40を省略してもよい。
【0057】
・ラベル50にプリントされる事項は適宜選択することができる。鏡餅型容器10の内部に収容されている食品の情報でなくてもよい。例えば、扇、日の出等の図柄であってもよい。
【0058】
・ラベル50の貼着位置は、鏡餅型容器10の下段部14でなくてもよい。
・ラベル50の貼着位置は、キャップ20の装着部22の下端縁を覆う位置でなくてもよい。
【0059】
・ラベル50を省略してもよい。
・商品説明欄32は、フランジ部12のほぼ中央に設けられていてもよい。
・商品説明欄32の大きさは適宜選択することができる。商品説明欄32の全体の大きさが、開口部15より小さくてもよい。こうすれば、飾った状態の鏡餅型装飾具1をどの方向から見ても、商品説明欄32が見え難い状態となる。
【0060】
・商品説明欄32は、シール材30の下面30aにプリントされているのではなく、シール材30の下面30aにラベル状のものとして貼り付けられていてもよい。
・脱酸素剤70は、シール材30の上面30bに接触するような態様で鏡餅型容器10の内部に収容されているが、脱酸素剤70は、シール材30の上面30bに貼着されていてもよい。
【0061】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)少なくとも2つの丸餅が上下に重ねられた状態を模した外観形状を有するとともに、下部に開口部が形成された鏡餅型容器と、前記開口部を閉塞するシール材と、前記鏡餅型容器の上部に外嵌されたキャップと、前記鏡餅型容器の上面に載置された状態で前記キャップの内部に収容された飾り具を備え、前記鏡餅型容器の内部には、餅以外の固体状の食品が収容されており、前記鏡餅型容器の内部には、前記シール材の上面に接触するように脱酸素剤が収容されている。
【0062】
(ロ)少なくとも2つの丸餅が上下に重ねられた状態を模した外観形状を有するとともに、下部に円形状の開口部が形成された鏡餅型容器と、前記開口部を閉塞するシール材と、前記鏡餅型容器の上部に外嵌されたキャップと、前記鏡餅型容器の上面に載置された状態で前記キャップの内部に収容された飾り具を備え、前記鏡餅型容器の内部には、餅以外の固体状の食品が収容されており、前記シール材は、前記開口部と同心円状に延びる複数の環状のヒートシール部によって接合されている。
【符号の説明】
【0063】
1…鏡餅型装飾具
10…鏡餅型容器
12…フランジ部
13…上段部
14…下段部
15…開口部
20…キャップ
21…収容部
22…装着部
27…溝
30…シール材
32…商品説明欄
40…飾り具
50…ラベル
60…米(固体状の食品)