(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076889
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】タイヤ及びタイヤ製造方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/06 20060101AFI20220513BHJP
B60C 19/12 20060101ALI20220513BHJP
B29C 73/20 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
B29D30/06
B60C19/12 A
B29C73/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187539
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】芝野 寿治
【テーマコード(参考)】
3D131
4F213
4F215
【Fターム(参考)】
3D131AA60
3D131BC05
3D131BC24
3D131BC49
3D131LA13
3D131LA28
4F213AH20
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA95
4F213WB01
4F213WM05
4F213WM37
4F215AH20
4F215AR12
4F215VA11
4F215VC03
4F215VD22
4F215VL11
4F215VR01
4F215VR03
(57)【要約】
【課題】シーラント材の塗り始め端部及び/又は塗り終わり端部における重なり量を低減する。
【解決手段】タイヤ内面1Aに帯状のシーラント材11をタイヤ軸方向ADの一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向CDに沿って塗布してシーラント層10を形成する。シーラント材11を吐出するスロット状の吐出口45を持つ吐出機40を用いて、シーラント材11の塗り始め端部14において、吐出口45の長手方向45Aをタイヤ周方向CDとする姿勢からタイヤ軸方向ADとする姿勢まで吐出口45を回転させながら、シーラント材11を吐出口45から吐出してタイヤ内面1Aに塗布する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してシーラント層を形成するタイヤ製造方法であって、
前記シーラント材を吐出するスロット状の吐出口を持つ吐出機を用いて、前記シーラント材の塗り始め端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の他方側で増加するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ周方向とする姿勢からタイヤ軸方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布し、前記塗り始め端部の塗布後、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材をタイヤ周方向に沿って塗布する、タイヤ製造方法。
【請求項2】
前記シーラント材の塗り終わり端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の一方側で減少するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢からタイヤ周方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布して、前記シーラント材の塗布を終了する、請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項3】
前記シーラント材の塗り始め端部において前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法以下に設定し、前記塗り始め端部の塗布後に前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法よりも大きく設定する、請求項1又は2に記載のタイヤ製造方法。
【請求項4】
タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してシーラント層を形成するタイヤ製造方法であって、
前記シーラント材を吐出するスロット状の吐出口を持つ吐出機を用いて、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材をタイヤ周方向に沿って塗布し、前記シーラント材の塗り終わり端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の一方側で減少するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢からタイヤ周方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布して、前記シーラント材の塗布を終了する、タイヤ製造方法。
【請求項5】
前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材を塗布する際に前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法よりも大きく設定し、前記シーラント材の塗り終わり端部において前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法以下に設定する、請求項4に記載のタイヤ製造方法。
【請求項6】
タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してなるシーラント層を備えるタイヤにおいて、
前記シーラント材の塗り終わり端部は、タイヤ軸方向の他方側においてタイヤ周方向に平行な第1エッジを有しつつ、前記シーラント材の塗布幅が終端ほど狭く形成された、タイヤ。
【請求項7】
前記シーラント材の塗り始め端部は、タイヤ軸方向の一方側においてタイヤ周方向に平行な第2エッジを有しつつ、前記シーラント材の塗布幅が始端ほど狭く形成された、請求項6に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、タイヤ内面にシーラント層を備えるタイヤ、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パンク防止機能を備えたタイヤとして、タイヤ内面にシーラント材を塗布してなるシーラント層を備えた空気入りタイヤ(シーラントタイヤとも称される)が知られている。シーラントタイヤでは、パンク時に形成される貫通孔がシーラント材によって自動的に塞がれて、タイヤからの空気の漏れが防止される。
【0003】
特許文献1には、帯状のシーラント材をタイヤ軸方向に変位させつつタイヤ周方向に沿って連続して貼り付けることが開示されており、より詳細には、シーラント材をタイヤ周方向に布設してなる環状のターンをタイヤ軸方向に複数並べて設け、これら各ターン間をタイヤ周方向に対して傾斜して延びるクロス部により接続することでシーラント層を形成したタイヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シーラント材はパンク防止のため隙間なく塗布する必要がある。帯状のシーラント材をタイヤ軸方向に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布する場合、シーラント材の塗り始め端部と塗り終わり端部においてシーラント材の幅が一定であると、隙間なく塗布しようとしたときにシーラント材の重なり量が多くなり、タイヤ質量の増加ないしタイヤ質量アンバランスの要因となる。
【0006】
本発明の実施形態は、このような問題に鑑みてなされたものであり、シーラント材の塗り始め端部及び/又は塗り終わり端部における重なり量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してシーラント層を形成するタイヤ製造方法であって、前記シーラント材を吐出するスロット状の吐出口を持つ吐出機を用いて、前記シーラント材の塗り始め端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の他方側で増加するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ周方向とする姿勢からタイヤ軸方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布し、前記塗り始め端部の塗布後、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材をタイヤ周方向に沿って塗布する、タイヤ製造方法。
[2] 前記シーラント材の塗り終わり端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の一方側で減少するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢からタイヤ周方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布して、前記シーラント材の塗布を終了する、[1]に記載のタイヤ製造方法。
[3] 前記シーラント材の塗り始め端部において前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法以下に設定し、前記塗り始め端部の塗布後に前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法よりも大きく設定する、[1]又は[2]に記載のタイヤ製造方法。
[4] タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してシーラント層を形成するタイヤ製造方法であって、前記シーラント材を吐出するスロット状の吐出口を持つ吐出機を用いて、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材をタイヤ周方向に沿って塗布し、前記シーラント材の塗り終わり端部において、前記シーラント材の塗布幅がタイヤ軸方向の一方側で減少するように、前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢からタイヤ周方向とする姿勢まで前記吐出口を回転させながら、前記シーラント材を前記吐出口から吐出してタイヤ内面に塗布して、前記シーラント材の塗布を終了する、タイヤ製造方法。
[5] 前記吐出口の長手方向をタイヤ軸方向とする姿勢で前記シーラント材を塗布する際に前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法よりも大きく設定し、前記シーラント材の塗り終わり端部において前記吐出口と前記タイヤ内面との距離を前記吐出口の幅方向における寸法以下に設定する、[4]に記載のタイヤ製造方法。
[6] タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ軸方向の一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向に沿って塗布してなるシーラント層を備えるタイヤにおいて、前記シーラント材の塗り終わり端部は、タイヤ軸方向の他方側においてタイヤ周方向に平行な第1エッジを有しつつ、前記シーラント材の塗布幅が終端ほど狭く形成された、タイヤ。
[7] 前記シーラント材の塗り始め端部は、タイヤ軸方向の一方側においてタイヤ周方向に平行な第2エッジを有しつつ、前記シーラント材の塗布幅が始端ほど狭く形成された、[6]に記載のタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、シーラント材の塗り始め端部及び/又は塗り終わり端部における重なり量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】第1実施形態におけるシーラント材の塗布工程を示す側面図
【
図4】該シーラント材の塗布構成を説明するためのシーラント層の平面模式図
【
図5】該シーラント材の塗り始め端部での吐出口の動きを説明するための図
【
図6】該シーラント材の塗り始め端部を拡大して示すシーラント層の平面模式図
【
図7】該シーラント材の塗り終わり端部での吐出口の動きを説明するための図
【
図8】該シーラント材の塗り終わり端部を拡大して示すシーラント層の平面模式図
【
図9】第2実施形態におけるシーラント材の塗り始め端部での塗布工程を示す説明図
【
図10】第2実施形態におけるシーラント材の塗布開始時の断面図
【
図12】
図11の次の段階であってノズルの回転終了時の断面図
【
図13】
図12の次の段階であって塗り始め端部の形成後における塗布段階での断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係るタイヤは、タイヤ内面に帯状のシーラント材をタイヤ周方向に沿って塗布してなるシーラント層を備えるシーラントタイヤである。タイヤは、いわゆるチューブレスタイヤであり、内部に空気等の気体が充填された状態で使用される空気入りタイヤである。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るタイヤ1を示す。タイヤ1は、路面に接地する環状のトレッド部2と、トレッド部2のタイヤ半径方向RDの内側に位置する左右一対のビード部3,3と、トレッド部2とビード部3,3の間に位置する左右一対のサイドウォール部4,4とを備える。タイヤ1は、ビード部3に埋設されたビードコア5と、左右のビード部3,3間にトロイダル状に延びるカーカスプライ6と、トレッド部2におけるカーカスプライ6の外周側に設けられたベルト7及びトレッドゴム8と、カーカスプライ6のタイヤ内面側に設けられたインナーライナー9と、インナーライナー9のタイヤ内面側に設けられたシーラント層10とを備える。
【0013】
シーラント層10は、タイヤ1の内面1A、詳細にはインナーライナー9の内側に重ねて設けられている。この例では、シーラント層10は、トレッド部2におけるタイヤ内面1Aにおいて、タイヤ軸方向ADの一方側の端部から他方側に端部にかけて設けられている。このようにシーラント層10は、トレッド部2の内面の全体にわたって設けられることが好ましく、トレッド部2の内面のみに設けてもよいが、トレッド部2の内面を含むより広い範囲で設けてもよい。すなわち、シーラント層10は、トレッド部2の内面を含むタイヤ1の内面1Aに設けられることが好ましい。
【0014】
ここで、タイヤ半径方向RDとは、タイヤ回転軸に垂直な方向を示し、タイヤ半径方向RDの内側とはタイヤ回転軸に近づく方向をいい、タイヤ半径方向RDの外側とはタイヤ回転軸から離れる方向をいう。タイヤ軸方向ADとは、タイヤ幅方向とも称され、タイヤ回転軸に平行な方向である。タイヤ周方向CD(
図4参照)とは、タイヤ回転軸を中心とした円周上の方向である。
【0015】
第1実施形態に係るタイヤ製造方法では、加硫済のタイヤ1の内面1Aに、帯状のシーラント材11(
図4参照)をタイヤ軸方向ADの一方側から他方側に変位させつつタイヤ周方向CDに沿って連続的に塗布することによりシーラント層10を形成して、シーラント層10を備えるタイヤ1を製造する。
【0016】
加硫済のタイヤを製造する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。すなわち、ビードコア5やカーカスプライ6、ベルト7とともにトレッドゴム8などのタイヤ構成部材を用いてグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製し、得られたグリーンタイヤを加硫成型することにより、加硫済のタイヤが得られる。そして、グリーンタイヤの加硫成型後に、シーラント材11を用いてシーラント層10を形成する。
【0017】
シーラント材11としては、特に限定されず、公知のシーラント材を用いることができる。一般にシーラント材としては、粘着性のあるゴム材料が用いられる。詳細には、例えば、ブチル系ゴム及び/又はエチレンプロピレンジエンゴムをゴム成分とし、これに液状ゴム、可塑剤、充填材、架橋剤(有機過酸化物)及び架橋助剤(加硫促進剤)などを配合したゴム組成物を用いることができるが、これに限定されるものではない。ブチル系ゴムとしては、ブチルゴムの他、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムなどのハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。
【0018】
図2は、シーラント層10を形成してシーラントタイヤを製造するためのタイヤ製造装置20の構成図であり、タイヤ1を切断して示している。タイヤ製造装置20は、タイヤ1を支持する支持装置30と、シーラント材11を吐出する吐出機40と、これら支持装置30と吐出機40によるシーラント層10の形成動作を制御する不図示の制御部とを備える。
【0019】
支持装置30は、この例では、タイヤ回転軸を水平にした状態でタイヤ1の外周を支持する外周支持部31と、支持したタイヤ1をタイヤ回転軸周りに回転させる駆動装置32とを備える。但し、これに限定されるものではなく、例えば、外周支持部は、タイヤ回転軸を水平方向に対して傾斜させてタイヤの外周を支持するものであってもよい。
【0020】
吐出機40は、シーラント材11を吐出するノズル41と、ノズル41にシーラント材11を供給する供給装置42と、ノズル41を移動させる移動装置43とを備える。
【0021】
供給装置42は、加熱されたシーラント材11を、供給管44を介してノズル41に供給する装置であり、例えばギアポンプのような定容量式ポンプを用いて構成することができる。
【0022】
ノズル41は、供給装置42から供給されたシーラント材11を吐出する部材であり、
図3に示すように、ノズル41の先端にシーラント材11を吐出する吐出口45を有する。ノズル41は、シーラント材11を所定の断面形状に吐出するダイ(口金)であり、吐出口45がノズル41に形成された開口部である。吐出口45は、
図5に示すようにスロット状(即ち、溝穴状)に開口しており、この例では細長い矩形状の開口部である。そのため、吐出口45は、その長辺側に沿う長手方向45Aと、長手方向45Aに直交する幅方向45Bとを有する。
【0023】
吐出口45の長手方向45Aにおける寸法S1は、特に限定されず、例えば10~20mmでもよい。吐出口45の幅方向45Bにおける寸法S2も、特に限定されず、例えば2~5mmでもよい。
【0024】
移動装置43は、この例では少なくとも3軸の自由度を有する多軸ロボットで構成されており、そのアーム43Aの先端にノズル41が取り付けられている。移動装置43により、ノズル41はタイヤ1内に配置されて、ノズル41の吐出口45が下方に向けて配置される。
【0025】
移動装置43は、
図3に示すように吐出口45、即ちノズル41の底面をタイヤ内面1Aに対向配置させた状態で、ノズル41をタイヤ1内で移動させる。第1実施形態では、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1は、吐出口45の幅方向45Bにおける寸法S2以下に設定されており、この例ではD1=S2に設定されている。これにより、後述するように回転する吐出口45の姿勢にかかわらず、吐出口45から吐出されるシーラント材11の厚みを、吐出口45とタイヤ内面1Aとの間隙により規定することが容易になり、上記距離D1に相当する厚みを持つ帯状のシーラント材11をタイヤ内面1A上に形成することができる。
【0026】
このように上記距離D1に相当する厚みを持つシーラント材11をタイヤ内面1Aに形成する場合、例えばギアポンプによりノズル41からの吐出量を制御することが好ましい。詳細には、タイヤ内面1A上に形成されるシーラント材11の厚みは上記距離D1に、当該シーラント材11の幅は吐出口45の長手方向45Aの寸法S1にそれぞれ対応するので、「距離D1(mm)」と「寸法S1(mm)」と「ノズル41に対するタイヤ内面1Aの回転速度(即ち、両者の相対速度)(mm/秒)」との積が「単位時間当たりの吐出量(mm3/秒)」となるように、ギアポンプを制御することが好ましい。
【0027】
ノズル41は、移動装置43により、タイヤ軸方向ADとタイヤ半径方向RDに移動する。また、ノズル41は、移動装置43により、タイヤ半径方向RDに対する角度が変更可能である。これにより、ノズル41は、トレッド部2における湾曲するタイヤ内面1Aに対して吐出口45を平行な姿勢で対向配置させかつ一定の距離D1を保ちながら、タイヤ軸方向ADに移動可能である。
【0028】
移動装置43には、ノズル41を回転させるノズル回転装置46が設けられている。ノズル回転装置46はアーム43Aの先端に設けられており、ノズル回転装置46を介してノズル41がアーム43Aに取り付けられている。ノズル41を回転させることで、その先端の吐出口45が回転するように構成されており、
図5及び
図7に示すように、吐出口45はその長手方向45Aをタイヤ周方向CDとする姿勢とタイヤ軸方向ADとする姿勢との間で正逆両方向に回転可能に構成されている。
【0029】
タイヤ製造装置20を用いてタイヤ1を製造する際には、加硫済のタイヤ1を支持装置30に配置し、吐出機40のノズル41をタイヤ1内に移動させて吐出口45をタイヤ内面1Aに対向配置させる。その際、この例では、シーラント層10をトレッド部2の内面において、タイヤ軸方向ADの一方側の端部から他方側に端部にかけて設けるため、ノズル41を当該一方側の端部におけるタイヤ内面1Aに対向させて配置させる。
【0030】
次いで、駆動装置32によりタイヤ1を回転させて、ノズル41をタイヤ周方向CDに沿って相対的に移動させながら、供給装置42によりシーラント材11をノズル41に供給し、ノズル41の吐出口45からシーラント材11を吐出して、タイヤ内面1Aに帯状のシーラント材11をタイヤ周方向CDに沿って塗布する。より詳細には、
図3に示すように、タイヤ内面1Aとこれに対向するノズル41の底面との間隙を通ってタイヤ内面1A上に帯状のシーラント材11が形成される。
【0031】
なお、吐出口45からのシーラント材11の吐出開始及び停止は、ノズル41にシャッターを設けてその開閉により行ってもよく、あるいはまた、ギアポンプのON/OFFにより制御してもよい。
【0032】
このようにシーラント材11をタイヤ周方向CDに沿って塗布しながら、移動装置43によりノズル41をタイヤ軸方向ADに次第に移動させる。これにより、吐出口45から吐出されるシーラント材11は、タイヤ軸方向ADの一方側から他方側に変位しつつ、タイヤ周方向CDに沿って連続的に塗布され、タイヤ軸方向ADにおいて隣接するシーラント材11,11間において隙間なく貼り付けられて、シーラント層10が形成される。
【0033】
その際、ノズル41をタイヤ軸方向ADに一定速度で移動させることにより、帯状のシーラント材11をタイヤ周方向CDに対してわずかに傾斜した姿勢で螺旋状に配置されるように塗布(螺旋塗布)してもよい。
【0034】
好ましい実施形態では、
図4に示すように、帯状のシーラント材11をタイヤ周方向CDに平行に塗布し、1周塗布する毎に、タイヤ周方向CDの所定の領域Gにおいて、シーラント材11の幅寸法(吐出口45の長手方向45Aにおける寸法S1と略同一)に相当するピッチの送りを与えるようにタイヤ周方向CDに対して傾斜させて塗布することで、平行塗布部12と傾斜塗布部13とを有するように塗布してもよい。この塗布構成をステップ塗布という。
【0035】
図4に示す例では、トレッド部2のタイヤ内面1Aにおけるタイヤ軸方向ADの一方側の端部2Aを左側とし、他方側の端部2Bを右側として、当該一方側の端部2Aから他方側の端部2Bにかけて、帯状のシーラント材11をステップ塗布している。該一方側の端部2Aにおけるタイヤ周方向CDの一箇所を塗布開始位置として、シーラント材11の塗り始め端部14を形成し、そこからタイヤ周方向CDに平行に塗布して1周目の平行塗布部12Aを形成し、一周塗布した後、タイヤ軸方向ADの他方側にノズル41を1ピッチ分移動させて1つ目の傾斜塗布部13Aを形成する。次いで2周目の平行塗布部12Bを形成した後、2つ目の傾斜塗布部13Bを形成し、以下これを繰り返して他方側の端部2Bまで至る。そして、他方側の端部2Bにおいて最後の平行塗布部12Yを形成し、直前の傾斜塗布部13Xと合致する位置でシーラント材11の塗り終わり端部15を形成して終端させる。
【0036】
なお、
図4では帯状のシーラント材11の巻き数、即ち平行塗布部12の周回数が7周であるが、シーラント材11の巻き数は、シーラント材11の塗布幅やシーラント層10の形成幅に応じて適宜設定することができる。
【0037】
このようにしてシーラント材11を塗布する工程において、本実施形態では、
図5に示すように、ノズル41を回転させてシーラント材11の塗布形状を先端ほど幅の狭い楔形に形成する。
【0038】
詳細には、シーラント材11の塗布を開始する際に、予め吐出口45の長手方向45Aをタイヤ周方向CDとする姿勢45P1にして、ノズル41をタイヤ内面1Aに対向配置させる。この状態でタイヤ1を回転させるとともに吐出口45からのシーラント材11の吐出を開始する。そして、シーラント材11の塗り始め端部14において、吐出口45の長手方向45Aをタイヤ周方向CDとする姿勢45P1からタイヤ軸方向ADとする姿勢45P2まで吐出口45を回転させながら、シーラント材11を吐出口45から吐出してタイヤ内面1Aに塗布する。
【0039】
この例では、シーラント材11の塗布幅がタイヤ軸方向ADの他方側(
図5における右側)で増加するように、詳細には塗布が進むに従い塗布幅が上記他方側において漸増するように、吐出口45を回転させる。例えば、
図5に示すように、ノズル41の回転により吐出口45がその長手方向45Aの中心を回転軸として回転する場合、矢印R1で示すように吐出口45の進行方向前方側の端部がタイヤ軸方向ADの他方側に変位するように吐出口45を回転させながら、上記寸法S1の略半分の距離だけタイヤ軸方向ADの他方側に吐出口45の中心を移動させればよい。なお、ノズル41の回転方向は、矢印R1とは逆向きでもよい。
【0040】
これにより、シーラント材11の塗り始め端部14は、タイヤ軸方向ADの一方側においてタイヤ周方向CDに平行なエッジ14Aを有しつつ、シーラント材11の塗布幅が始端14Bに近づくほど狭く形成される。なお、
図5に示す例では、塗り始め端部14におけるタイヤ軸方向ADの他方側のエッジ14Cはタイヤ周方向CDに対して傾斜した直線状であるが、当該エッジ14Cは凸状または凹状に湾曲状に形成されてもよい。
【0041】
塗り始め端部14を塗布した後、吐出口45の長手方向45Aをタイヤ軸方向ADとする姿勢45P2でシーラント材11をタイヤ周方向CDに沿って塗布する。これにより、上記平行塗布部12及び傾斜塗布部13を形成していく。その際、
図6に示すように、1つ目の傾斜塗布部13Aは、塗り始め端部14の上記他方側のエッジ14Cに沿う角度でタイヤ周方向CDに対して傾斜して設けられ、当該エッジ14Cとの間で隙間が生じないようにする。
【0042】
このようにシーラント材11の塗り始め端部14においてノズル41を回転させて、その塗布形状を先端ほど幅の狭い楔形としたことにより、ノズル41を回転させずに塗り始め端部14を形成した場合(
図6においてニ点鎖線X1で示す形状)に比べて、シーラント材11の重なり量が少なくなる。そのため、局部的な質量増加を抑えて、質量アンバランスの少ないシーラント層10を形成することができる。
【0043】
この実施形態では、また、シーラント材11の塗り終わり端部15において、吐出口45の長手方向45Aをタイヤ軸方向ADとする姿勢45P2からタイヤ周方向CDとする姿勢45P1まで吐出口45を回転させながら、シーラント材11を吐出口45から吐出してタイヤ内面1Aに塗布する。そして、上記姿勢45P1となった段階で吐出口45からのシーラント材11の吐出を停止させてシーラント材11の塗布を終了する。
【0044】
詳細には、シーラント材11の塗布幅がタイヤ軸方向ADの一方側(
図7における左側)で減少するように、詳細には塗布が進むに従い塗布幅が上記一方側において漸減するように、吐出口45を回転させる。例えば、
図7に示すように、ノズル41の回転により吐出口45がその長手方向45Aの中心を回転軸として回転する場合、矢印R2で示すように吐出口45のタイヤ軸方向AD他方側の端部が進行方向前方側に変位するように吐出口45を回転させながら、上記寸法S1の略半分の距離だけタイヤ軸方向ADの他方側に吐出口45の中心を移動させればよい。なお、ノズル41の回転方向は、矢印R2とは逆向きでもよい。
【0045】
これにより、シーラント材11の塗り終わり端部15は、タイヤ軸方向ADの他方側においてタイヤ周方向CDに平行なエッジ15Aを有しつつ、シーラント材11の塗布幅が終端15Bに近づくほど狭く形成される。なお、
図7に示す例では、塗り終わり端部15におけるタイヤ軸方向ADの一方側のエッジ15Cはタイヤ周方向CDに対して傾斜した直線状であるが、当該エッジ15Cは凸状または凹状に湾曲状に形成されてもよい。
【0046】
塗り終わり端部15の上記一方側のエッジ15Cは、
図8に示すように、直前の傾斜塗布部13Xに沿う角度でタイヤ周方向CDに対して傾斜して設けられ、当該エッジ15Cと傾斜塗布部13Xとの間で隙間が生じないように塗布される。
【0047】
このようにシーラント材11の塗り終わり端部15においてノズル41を回転させて、その塗布形状を先端ほど幅の狭い楔形としたことにより、ノズル41を回転させずに塗り終わり端部15を形成した場合(
図6においてニ点鎖線X2で示す形状)に比べて、シーラント材11の重なり量が少なくなる。そのため、局部的な質量増加を抑えて、質量アンバランスの少ないシーラント層10を形成することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態であると、シーラント材11の塗り始め端部14及び塗り終わり端部15における重なり量を低減することができ、シーラント層10の質量アンバランスを低減することができるので、タイヤ1の質量を削減することができるとともに、タイヤのユニフォミティを改善することができる。
【0049】
[第2実施形態]
図9~13は第2実施形態に係るシーラント材の塗布工程を示す図である。上記の第1実施形態では吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を一定に設定したのに対し、第2実施形態では吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を変化させる点で相違する。
【0050】
第2実施形態では、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を、塗り始め端部14と塗り終わり端部15において吐出口45の幅方向45Bにおける寸法S2以下に設定する一方、その間の通常塗布部において当該寸法S2よりも大きく設定する。
【0051】
詳細には、
図9に示すように、塗り始め端部14を形成する領域G1において、吐出口45の長手方向45Aをタイヤ周方向CDとする姿勢45P1からタイヤ軸方向ADとする姿勢45P2まで吐出口45を回転させながらシーラント材11を吐出口45から吐出する。その際、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を吐出口45の幅方向45Bにおける寸法S2以下に設定する。そして、吐出口45を姿勢45P2にした後に、吐出口45をタイヤ内面1Aから離れる方向に移動させて、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離を上記寸法S2よりも大きい一定の距離D10とし(即ち、D10>S2)、この状態で通常塗布部(即ち、上記の平行塗布部12及び傾斜塗布部13)を形成していく。このようにD10>S2とすると、タイヤ内面1A上に形成されるシーラント材11の厚みは、吐出口45から吐出される際の厚み、即ち吐出口45の上記寸法S2と略同一になり、通常塗布部において一定厚みのシーラント材11が形成される。なお、距離D10は、特に限定されず、例えば寸法S2の1.5倍以上10倍以下でもよく、2倍以上5倍以下でもよい。
【0052】
ここで、塗り始め端部14を形成する領域G1では、タイヤ内面1A上に形成されるシーラント材11の厚みが吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1により規定されるように、第1実施形態と同様、吐出面とタイヤ内面1Aとの間の空間に相当するだけの体積吐出量をギアポンプで供給するように制御することが好ましい。
【0053】
一方、その後の通常塗布部を形成する段階では、ノズル41に対するタイヤ内面1Aの回転速度(即ち、両者の相対速度)と吐出口45からの吐出量とがバランスするように、当該回転速度とギアポンプを制御することが好ましい。
【0054】
図9の例では、また、上記領域G1において、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1は一定ではなく、姿勢45P1から姿勢45P2まで回転させる際に、当該距離D1が漸次大きくなるように、吐出口45をタイヤ内面1Aから離れる方向に移動させる。そして、領域G1の最終段階において当該距離D1が吐出口45の上記寸法S2(即ちD1=S2)となるように制御している。これにより、
図9に示すように、塗り始め端部14は、始端14Bに近づくほどシーラント材11の厚みが小さくなるように断面楔状に形成される。なお、これに代えて、塗布開始の姿勢45P1の段階から吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を吐出口45の上記寸法S2とし、すなわち、領域G1の全体でD1=S2に設定してもよく、その場合、塗り始め端部14におけるシーラント材11の厚みは一定となる。
【0055】
第2実施形態における塗り始め端部14を形成する工程の一例について、
図10~13に基づき説明する。
【0056】
まず、シーラント材11の塗布を開始する際、
図10に示すように、吐出口45を上記姿勢45P1としてノズル41をタイヤ内面1Aに近接させ、この状態でギアポンプ50を微回転させてシーラント材11の始端14Bを貼り付ける。
【0057】
次いで、
図11に示すように、タイヤ1の回転を開始するとともに、ノズル軸52を中心としてノズル41の回転を始める。また、それと同時にノズル41をタイヤ内面1Aから離れる方向に移動させて、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を徐々に大きくしていく。その際、ギアポンプ50の回転を徐々に加速させて吐出量を増やし、上記距離D1の増加に対応させる。これにより、タイヤ内面1A上に形成されるシーラント材11の厚みは漸増する。
【0058】
その後、
図12に示すように、シーラント材11の厚みが吐出口45の上記寸法S2と同じ程度になったところで、ノズル41の回転が停止して吐出口45は上記姿勢45P2の状態となり、塗り始め端部14の形成が完了する。
【0059】
その後、
図13に示すように、ノズル41が更にタイヤ内面1Aから離反した適当な位置に達した段階で、すなわち吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離が上記寸法S2よりも大きい適当な距離D10になったときに、ノズル41の離反動作が停止する。それとともにギアポンプ50は定速回転になり、一定の吐出量での吐出を続ける。これにより、上記通常塗布部でのシーラント材11の塗布がなされる。
【0060】
なお、ギアポンプ50の構成は特に限定されないが、この例では
図10に示すように、シーラント材が流れるチャンバー54と、チャンバー54内に設けられた互いに噛み合う一対のギア55,56とを備える。一対のギア55,56はそれぞれに回転軸57,58に設けられて、互いに噛み合うように回転する。一対のギア55,56が互いに逆方向に回転することにより、チャンバー54内のシーラント材をノズル41に向けて送り出すことができる。
【0061】
塗り終わり端部15については、上述した塗り始め端部14と逆向きに制御すればよい。すなわち、塗り終わり端部15に至る手前で、タイヤ内面1Aに近づく方向への吐出口45の移動を開始し、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離を上記寸法S2以下(好ましくはD1=S2)にしてから、塗り終わり端部15の形成を開始し、吐出口45を上記姿勢45P2から姿勢45P1まで回転させながらシーラント材11を吐出する。その際、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1は、姿勢45P2から姿勢45P1まで回転させる際に一定でもよく、あるいはまた、当該距離D1が漸次小さくなるように吐出口45をタイヤ内面1Aに近づく方向に移動させてもよい。
【0062】
第2実施形態であると、吐出口45とタイヤ内面1Aとの距離D1を塗り始め端部14において上記寸法S2以下に設定し、その後の通常塗布部において寸法S2よりも大きく設定し、更に塗り終わり端部15において寸法S2以下に設定している。そのため、通常塗布部を塗布する段階において、ノズル41が先に塗布したシーラント材11と干渉することを回避することができる。
【0063】
第2実施形態について、その他の構成及び効果は第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
【0064】
[その他の実施形態]
なお、上記実施形態では、ノズル41を移動装置43によりタイヤ軸方向ADに移動させることにより、帯状のシーラント材11をタイヤ軸方向ADの一方側から他方側に変位させたが、当該変位は相対的なものであり、例えば、タイヤ1をタイヤ軸方向ADに移動させることにより、帯状のシーラント材11をタイヤ軸方向ADの一方側から他方側に変位させるようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、タイヤ1を回転させることにより、吐出口45から吐出されるシーラント材11をタイヤ周方向CDに沿って帯状に形成したが、タイヤ1を回転させずに、ノズル41をタイヤ内面1Aに沿ってタイヤ周方向CDに移動させることにより、吐出口45から吐出されるシーラント材11をタイヤ周方向CDに沿って帯状に形成してもよい。
【0066】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
1…タイヤ、10…シーラント層、11…シーラント材、14…塗り始め端部、14A…タイヤ軸方向の一方側のエッジ(第2エッジ)、14B…始端、15…塗り終わり端部、15A…タイヤ軸方向他方側のエッジ(第1エッジ)、15B…終端、40…吐出機、45…吐出口、45A…長手方向