(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007689
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220105BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220105BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20220105BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G09G5/00 510B
G09G5/00 530M
G09G5/00 550C
G09G5/02 B
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110794
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】390023168
【氏名又は名称】株式会社エヌケービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】中川 敦史
(72)【発明者】
【氏名】久保田 充男
【テーマコード(参考)】
5C182
5L049
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB08
5C182AB11
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC13
5C182AC35
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA35
5C182BA47
5C182BA54
5C182BA68
5C182BB11
5C182BB27
5C182BC26
5C182CA32
5C182CB54
5C182CC02
5C182DA44
5C182DA64
5C182DA65
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】有用な広告情報を表示装置に表示することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得し、前記各店舗の混雑状況を取得し、取得した前記店舗情報及び混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成し、生成した前記広告情報を表示装置に表示する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得し、
前記各店舗の混雑状況を取得し、
取得した前記店舗情報及び混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成し、
生成した前記広告情報を表示装置に表示する
情報処理方法。
【請求項2】
前記表示装置は、デジタルサイネージを含む
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記表示装置の位置情報を含む表示装置情報を取得し、
取得した前記表示装置の位置情報に基づき、前記表示対象区域を特定し、
特定した前記表示対象区域の前記広告情報を、前記表示装置情報にて識別される表示装置に表示する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記各店舗の混雑状況に応じて、前記各店舗の混雑状況の表示順序を決定し、
決定した前記表示順序に従い、所定数の前記各店舗の混雑状況を、前記各店舗の混雑状況に応じて色分けして一覧表示する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記各店舗の利用者を検出するセンサから検出値を取得し、
取得した前記検出値に基づき、前記各店舗の利用者数を導出し、
導出した前記各店舗の利用者数と、前記各店舗の利用可能者数とに基づき、前記各店舗の混雑状況を取得する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記広告情報は、前記各店舗に関するサイトへのリンク情報を含む
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記表示装置は、列車又はバスを含む移動体に載置されており、
前記移動体が次の駅又は停留所に到達する前に、
前記次の駅又は停留所に応じた前記表示対象区域の前記広告情報を、前記表示装置に表示する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記表示装置は、ユーザのスマートフォン又はタブレット端末を含み、
前記表示装置の位置情報を含む表示装置情報を取得し、
前記表示装置の位置情報に基づき、前記表示装置の位置情報を取得した時点における前記表示対象区域を特定する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得する第1取得部と、
前記各店舗の混雑状況を取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した店舗情報及び前記第2取得部が取得した混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した広告情報を表示装置に出力する出力部とを備える
情報処理装置。
【請求項10】
複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得し、
前記各店舗の混雑状況を取得し、
取得した前記各店舗の店舗情報及び混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成し、
生成した前記広告情報を表示装置に出力する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
情報処理装置と、前記情報処理装置とデータを送受信するデジタルサイネージとを含み、
前記情報処理装置は、
複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得する第1取得部と、
前記各店舗の混雑状況を取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した店舗情報及び前記第2取得部が取得した混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した広告情報を前記デジタルサイネージに出力する出力部とを備える
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
公共施設や街頭などにおいて、デジタルサイネージが多数設置されている。デジタルサイネージとは、いわゆる電子看板であり、例えば地域情報、企業情報等がデジタルサイネージを介して広く公衆に対して提供されている。そして、このようなデジタルサイネージを用いた情報の提示方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、複数人に対して効果的にデジタルサイネージの表示を行う技術が開示されている。特許文献1には、デジタルサイネージを利用する複数の利用者に所持される各携帯端末から、利用者に関する情報である利用者情報を取得し、複数の利用者情報に基づいて、前記デジタルサイネージに表示すべきコンテンツのデータを特定し、特定したコンテンツのデータをディスプレイに表示するデジタルサイネージ配信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には、デジタルサイネージに表示される情報の有用性を向上させる余地がある。
【0006】
本開示の目的は、有用な広告情報を表示装置に表示することが可能な情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得し、前記各店舗の混雑状況を取得し、取得した前記店舗情報及び混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成し、生成した前記広告情報を表示装置に表示する。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得する第1取得部と、前記各店舗の混雑状況を取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した店舗情報及び前記第2取得部が取得した混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成する生成部と、前記生成部が生成した広告情報を表示装置に出力する出力部とを備える。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得し、前記各店舗の混雑状況を取得し、取得した前記各店舗の店舗情報及び混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成し、生成した前記広告情報を表示装置に出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置とデータを送受信するデジタルサイネージとを含み、前記情報処理装置は、複数の店舗の各々について、各店舗の位置情報を含む店舗情報を取得する第1取得部と、前記各店舗の混雑状況を取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した店舗情報及び前記第2取得部が取得した混雑状況に基づき、前記各店舗を含む表示対象区域に係る、前記各店舗の位置を示すオブジェクトを重畳表示させた地図画像と、前記各店舗の混雑状況の一覧とを関連付けて表示する広告情報を生成する生成部と、前記生成部が生成した広告情報を前記デジタルサイネージに出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、有用な広告情報を表示装置に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における情報処理システムの概要図である。
【
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】表示装置情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図5】店舗情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図6】混雑状況DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図8】情報処理装置が実行する事前登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】情報処理装置が実行する混雑状況取得の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】情報処理装置と表示装置との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】表示装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図12】第2実施形態における情報処理装置と表示装置との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態における表示装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図14】第3実施形態における情報処理装置と表示装置との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】第3実施形態における表示装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における情報処理システム100の概要図である。情報処理システム100は、表示装置1と情報処理装置2とを含む。情報処理装置2は、表示装置1との間で、例えばインターネット又は公衆回線網等のネットワークNを介して情報の送受信が可能である。さらに、情報処理装置2は、広告主である複数の店舗3に設置される検出装置31それぞれと通信接続されている。
【0015】
表示装置1は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示部10を備える装置である。第1実施形態における表示装置1は、デジタルサイネージである。表示装置1は、例えば、駅、バス停、街中、ショッピングモール等、人が集まる場所に固定して設置されている。表示装置1は、異なる設置場所において、複数台設置されていてよい。各表示装置1は、情報処理装置2から受信した広告コンテンツを表示部10に表示する。
【0016】
情報処理装置2は、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置2は、ネットワークNを介して、広告配信サービスに加入する広告主である店舗3の検出装置31から、店舗3の利用者の状況に関する検出値を受信する。情報処理装置2は、受信した検出値に基づき店舗3の混雑状況を導出し、導出した混雑状況を示す広告コンテンツを表示装置1へ送信する。混雑状況とは、店舗3の利用者数や、利用可能者数などに基づき判定されるものであり、店舗3の混雑度の指標である。
【0017】
店舗3には、例えばファーストフード店、ファミリーレストラン等の業態である飲食店が含まれている。各店舗3の内部又は出入り口等には、店舗3を利用している利用者の状況を検出する検出装置31が備えられている。検出装置31は、例えば店舗内の利用者を含む画像を撮影するカメラである。検出装置31は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子及びレンズ等を有し、レンズを介して入射した光を撮像素子にて光電変換して画像データを取得する。検出装置31は、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよい。検出装置31は、検出した画像データを情報処理装置2へ送信する。情報処理装置2は、画像データを解析し店舗3の利用者数を導出することにより、店舗3の現在の混雑状況を取得する。店舗3は、飲食店に限定されず、例えばヘアサロンやネイルサロン等の美理容関連店舗、ボウリング場や映画館等の娯楽施設、種々の小売店など、その他の業種、業態の店舗を含んでよい。
【0018】
検出装置31は、上述のカメラを用いるものに限定されず、例えば超音波センサ、マイクロ波センサ、ミリ波センサ、レーザレーダセンサ等を用いて利用者の位置及び形状等を検出してもよい。また、検出装置31は、ビーコン信号の受信装置を含み、受信したビーコン信号により利用者を検出してもよい。例えば、圧力センサを含むビーコン信号の送信装置を店舗3に設置し、検出装置31が利用者の圧力の検出結果を取得することにより、店舗3における利用者の位置及び人数を取得してもよい。ビーコン信号の送信装置は、店舗3の座席、出入り口マット等に設置されてよい。あるいは、検出装置31は、店内の利用者の所持するスマートフォン等の送信装置から送信されるビーコン信号を受信することにより、利用者の位置及び人数を取得してもよい。
【0019】
近年、店舗3を選択する際、店舗3の混雑状況を指標とするユーザが増加しており、同種のサービス形態を提供する店舗3であれば、より混雑状況の度合いの低い店舗3を利用したいという要求がある。また、店舗3側においても、感染症対策、適切なサービスの提供等の観点から、店舗3の混雑を緩和し、利用者の過度な集中を回避したいという要求がある。一方で、店内の混雑状況は常に変化しており、ユーザが複数の店舗3における混雑状況を把握することは容易ではない。情報処理システム100では、情報処理装置2により、複数の店舗3から混雑状況を取得し、取得した混雑状況を表示装置1を介してリアルタイムで表示する。混雑状況は、デジタルサイネージにより多数のユーザへ向けて広く発信される。各店舗3の混雑状況を比較することで、混雑状況の低い店舗3の利用を促進することができ、ユーザ及び店舗3の双方における広告コンテンツの有用性を向上させ得る。
【0020】
このような情報処理システム100の構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0021】
図2は、表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、表示部10、制御部11、記憶部12及び通信部13を備える。
【0022】
表示部10は、上述したようにモニタである。表示部10は、制御部11の指示に従い混雑状況を含む広告情報を表示する。
【0023】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0024】
記憶部12は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive )等の記憶装置を含む。記憶部12には、制御部11が参照するプログラム1P及びデータが記憶されている。制御部11は、プログラム1Pに基づき、後述する広告情報の表示に関する処理を実行する。
【0025】
通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現する通信デバイスである。制御部11は、通信部13によりネットワークNを介した情報処理装置2との間の情報の送受信が可能である。
【0026】
表示装置1は、その他操作部14、位置情報取得部15等を備えてもよい。操作部14及び位置情報取得部15については、他の実施形態で詳述する。
【0027】
図3は、情報処理装置2の構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、制御部20、記憶部21及び通信部22を備える。情報処理装置2は説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータの内の1つであってもよい。
【0028】
制御部20は、一又は複数のCPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0029】
通信部22は、ネットワークNを介した通信を実現する通信デバイスである。制御部20は、通信部22を介して表示装置1へ広告コンテンツを送信する。制御部20は、通信部22を介して検出装置31から検出値を受信する。
【0030】
記憶部21は、ハードディスク、SSD等の記憶装置を含む。記憶部21には、プログラム2Pを含む制御部20が参照するプログラム及びデータが記憶されている。制御部20は、プログラム2Pに基づき、後述する混雑状況を示す広告情報の生成に関する処理を実行する。
【0031】
記憶部21に記憶されるプログラム2Pは、当該プログラム2Pを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体2Aにより提供されてもよい。記録媒体2Aは、例えば、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部20は、不図示の読取装置を用いて記録媒体2Aからプログラム2Pを読み取り、読み取ったプログラム2Pを記憶部21に記憶する。また、記憶部21に記憶されるプログラム2Pは、通信部22を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部20は、通信部22を通じてプログラム2Pを取得し、取得したプログラム2Pを記憶部12に記憶する。なお記憶部21は、複数の記憶装置により構成されていてもよく、情報処理装置2に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0032】
また、記憶部21には、表示装置情報DB(Data Base :データベース)211、店舗情報DB212、混雑状況DB213、学習モデル2M等が記憶されている。
【0033】
図4は、表示装置情報DB211のレコードレイアウトを例示する説明図である。表示装置情報DB211は、表示装置1に関する情報を格納するデータベースである。情報処理装置2は、例えば表示装置1の設置に際し表示装置1に関する情報を取得し、表示装置情報DB211に保存する。表示装置情報DB211には、複数の表示装置1それぞれの装置IDに関連付けて、位置情報及び表示対象区域等が格納されている。
【0034】
装置IDは、表示装置1を識別する識別情報であり、例えば表示装置1の機器ID、IPアドレス等を含む。位置情報は、表示装置1の設置位置を特定する情報であり、例えば住所、緯度経度の情報等を含む。表示対象区域は、表示装置1に表示する広告の対象となる区域である。表示装置1には、表示対象区域に設けられている店舗のうち、広告サービスに申し込みを行っている広告主である店舗3に関する広告コンテンツが表示される。表示対象区域は、表示装置1の位置情報に基づき決定され、表示装置1の周辺地域が含まれる。表示装置情報DB211の記憶内容は
図4に示す例に限定されない。
【0035】
図5は、店舗情報DB212のレコードレイアウトを例示する説明図である。店舗情報DB212は、広告主である店舗3に関する情報を格納するデータベースである。店舗情報DB212には、店舗3を識別する店舗IDに関連付けて、IPアドレス、利用可能者数、業態、店舗名、位置情報、営業時間、表示情報、有効期限等が格納されている。IPアドレスは、例えば検出装置31の通信アドレスを含む。利用可能者数は、店舗3の最大利用可能者の人数を含む。業態は、例えば店舗3のメニュー、サービス形態等に応じて分別されるものであり、
図5の例では、FF(ファーストフード)、FR(ファミリーレストラン)を含む。表示情報は、表示装置1に表示する広告コンテンツに用いる情報であり、例えば店舗3のロゴ、テイクアウトに関する情報、経路情報、サイトに関する情報等を含む。有効期限は、広告の表示期限が含まれる。店舗情報DB212の内容は、随時更新される。店舗情報DB212の記憶内容は
図5に示す例に限定されない。
【0036】
図6は、混雑状況DB213のレコードレイアウトを例示する説明図である。混雑状況DB213は、店舗3の混雑状況に関する情報を格納するデータベースである。情報処理装置2の制御部20は、検出装置31から取得した検出値に基づく店舗3の混雑状況を導出し、時系列的に混雑状況DB213に記録する。混雑状況DB213には、店舗IDに関連付けて、日時、利用者数、利用可能者数、混雑状況等が格納されている。日時は、検出値の検出日時を含む。利用者数は、検出時点における店内の利用者の人数を含む。利用可能者数は、店舗3の最大利用可能者の人数を含む。混雑状況は、検出時点における店内の混雑度を示す情報である。
図6の例では、混雑状況には、利用可能者数に対する利用者数の割合を百分率で表した値が記録されている。混雑状況の数値が高い程、店舗3が混雑している状態である。混雑状況DB213の記憶内容は
図6に示す例に限定されない。
【0037】
図7は、学習モデル2Mの概要図である。学習モデル2Mは、ニューラルネットワークを用いた深層学習によって学習され、生成されるモデルである。学習モデル2Mは、検出装置31による検出値の入力に応じて利用者を示すデータを出力する。学習モデル2Mは、その定義情報によって定義される。学習モデル2Mの定義情報には、例えば、学習モデル2Mの構造情報や層の情報、各層が備えるノードの情報、学習済みのパラメータ等が含まれる。記憶部21には、学習モデル2Mに関する定義情報が記憶されている。
【0038】
学習モデル2Mは、例えば、物体検出アルゴリズムであるR-CNN(Regions with Convolutional Neural Networks)を用いる。学習モデル2Mは、領域候補抽出部と、分類検出部と、図示を省略するニューラルネットワークとを含む。ニューラルネットワークは、畳込み層、プーリング層及び全結合層等を含んでよい。
【0039】
学習モデル2Mには、検出装置31による検出値である店舗3の画像データが入力される。領域候補抽出部は、入力された画像データから、様々なサイズの領域候補を抽出する。分類検出部は、抽出された領域候補の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて領域候補に写っている利用者を分類検出する。学習モデル2Mは、領域候補の抽出と分類検出とを繰り返し、入力を受け付けた画像データの各部分に写っている利用者を抽出する。学習モデル2Mは、所定の閾値よりも高い確率で分類検出が行なわれた領域候補について、領域の範囲、分類検出結果及び分類検出の確度をそれぞれ出力する。このようにして、入力された画像データから複数の利用者を含む領域が出力される。制御部20は、学習モデル2Mの出力情報に基づいて、画像データに含まれる利用者数を特定する。
【0040】
制御部20は、店舗3を撮影した複数の画像データと、各画像データにおける利用者とが対応付けられた大量の訓練データを用いて、各種パラメータの学習を行う。
【0041】
学習モデル2Mの構成は、R-CNNに限定されるものではない。学習モデル2Mは、その他CNN、Faster R-CNN、Mask R-CNN、SSD(Single Shot Multibook Detector)、YOLO(You Only Look Once)等の画像認識アルゴリズムで構築された学習モデルであってよい。また学習モデル2Mは、ニューラルネットワークを用いないサポートベクタマシン、回帰木等、他の学習アルゴリズムで構築された学習モデルであってよい。なお、学習モデル2Mは、外部装置により生成され情報処理装置2にインストールしたものであってよい。
【0042】
上記では、学習モデル2Mとして機械学習による学習モデルを適用する例を説明したが、画像データからの利用者の抽出方法は限定されるものではない。制御部20は、例えばパターンマッチング、エッジ検出等の手法を用いて、画像データの特徴量と予め記憶する利用者の特徴量とに基づき、画像データから利用者を抽出してもよい。
【0043】
制御部20は、上述のように取得した利用者数に基づき、店舗3の混雑状況を取得する。具体的には、制御部20は、店舗情報DB212を参照して、当該画像データの店舗3における利用可能者数を取得し、利用可能者数に対する利用者数の割合を算出することで、混雑状況を取得する。混雑状況の算出は上述の方法に限定されず、各店舗3に応じた算出基準が用いられてもよい。例えば、店舗3の従業員数やサービス内容に応じた所定の重み係数を用いて混雑状況が算出されてもよい。従業員数が少ない店舗3においては、他店に比較して少ない利用者数が望ましい場合がある。このように、店舗3毎の算出基準を用いることにより、店舗3の当日の状況に応じた混雑状況を提供することができ、店舗側における広告情報の提供価値が向上され得る。
【0044】
図8は、情報処理装置2が実行する事前登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置2の記憶部21に記憶してあるプログラム2Pに従って制御部20によって実行される。
【0045】
情報処理装置2の制御部20は、例えば表示装置1の設置に際して、表示装置1の装置ID及び位置情報を含む表示装置情報を取得する(ステップS11)。装置ID及び位置情報は、自装置に接続される不図示の入力装置による入力を受け付けることにより取得してもよく、あるいは通信部22を介して表示装置1又は外部装置と通信することにより取得してもよい。制御部20は、表示装置1の位置情報に基づき、当該表示装置1に広告内容を表示させる店舗3を決定するための表示対象区域を特定する(ステップS12)。表示対象区域には、例えば表示装置1の設置位置を中心として、設置位置から所定距離以内の区域が含まれている。表示対象区域は、随時変更が可能である。
【0046】
また、制御部20は、例えば店舗3の広告サービス加入時に、当該店舗3に係る店舗情報を取得する(ステップS13)。店舗情報は、自装置に接続される不図示の入力装置による入力を受け付けることにより取得してもよく、あるいは通信部22を介して外部装置と通信することにより取得してもよい。制御部20は、第1取得部として機能する。制御部20は、取得した表示装置情報及び店舗情報を、それぞれ表示装置情報DB211及び店舗情報DB212に記憶し(ステップS14)、一連の処理を終了する。上述の処理により、広告配信サービスを行う表示装置1及び店舗3に関する情報が登録される。
【0047】
図9は、情報処理装置2が実行する混雑状況取得の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置2の記憶部21に記憶してあるプログラム2Pに従って制御部20によって実行される。
【0048】
情報処理装置2の制御部20は、検出装置31から所定間隔にて出力される画像データを取得する(ステップS21)。画像データを取得する間隔は、例えば10分毎である。画像データには、検出日時、検出装置31のIPアドレス等が関連付けられている。制御部20は、取得した画像データ等を一時的に記憶部21に記憶する。
【0049】
制御部20は、取得した画像データに基づき、画像データの検出時点における店舗3の利用者数を導出する(ステップS22)。具体的には、制御部20は、学習モデル2Mに画像データを入力して、出力される利用者の抽出結果を取得し、画像データに含まれる利用者数を特定する。なお、検出装置31がビーコン受信装置等である場合においては、学習モデル2Mを用いる手法によらず、検出値から直接利用者数を導出してよい。
【0050】
制御部20は、導出した利用者数に基づき、店舗3の混雑状況を取得する(ステップS23)。具体的には、制御部20は、店舗情報DB212を参照して、当該画像データに対応付けられる店舗ID、当該店舗3の利用可能者数等の店舗情報を特定する。制御部20は、特定した店舗情報と利用者数とに基づき、店舗3の利用可能者数に対する利用者数の割合を示す混雑状況を導出する。制御部20は、第2取得部として機能する。制御部20は、これら店舗ID、検出日時、利用者数、混雑状況等を関連付けて混雑状況DB213に記憶する(ステップS24)。制御部20は、各店舗3の検出装置31から画像データを取得する都度、上述の混雑状況の処理を実行し、取得した混雑状況を記憶する。
【0051】
上述の処理において、店舗3の利用者数又は混雑状況は、検出装置31を用いて取得されるものに限定されない。例えば、利用者数又は混雑状況は、店舗3の担当者により判定されてもよい。この場合、制御部20は、情報処理装置2と通信可能に接続されている店舗端末等を介して、店舗3の担当者からの入力を受け付けることにより、現在の利用者数又は混雑状況を取得する。
【0052】
情報処理装置2は、取得した混雑状況に応じた広告コンテンツ(広告情報)を表示装置1へと配信する。
図10は、情報処理装置2と表示装置1との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置2の記憶部21に記憶してあるプログラム2Pに従って制御部20によって実行されると共に、表示装置1の記憶部12に記憶してあるプログラム1Pに従って制御部11によって実行される。
【0053】
制御部20は、広告コンテンツを生成するか否かを判定する(ステップS31)。例えば所定時間が経過しておらず広告の更新タイミングでないことにより、広告コンテンツを生成しないと判定した場合(ステップS31:NO)、制御部20は、処理をステップS31に戻し、待機する。
【0054】
一方、所定時間が経過し広告の更新タイミングであることにより、広告コンテンツを生成すると判定した場合(ステップS31:YES)、制御部20は、取得した混雑状況を含む広告コンテンツの生成へ処理を進める。具体的には、制御部20は、表示装置情報DB211から、広告コンテンツの配信対象である表示装置1の表示対象区域を読み出す。制御部20は、店舗情報DB212を参照して、店舗情報の位置情報が表示対象区域に含まれる複数の店舗IDを特定し、当該店舗IDに関連付けられる店舗名、表示情報等を含む店舗情報を読み出す。さらに制御部20は、混雑状況DB213を参照して、特定した店舗IDにて識別される複数の店舗3に係る混雑状況を取得する。この場合において、制御部20は、混雑状況DB213に記録される最も新しい検出日時に係る混雑状況、すなわち各店舗3における最新の混雑状況を取得する。
【0055】
制御部20は、取得した各店舗3の混雑状況の数値に基づき、混雑状況一覧における各店舗3の表示順序を決定する(ステップS32)。制御部20は、決定した表示順序に従い表示対象となる各店舗3を並べ、さらに、各店舗3の混雑状況の数値に基づき、各店舗3の色分け等を含む表示態様を用いて各店舗3の混雑状況を一覧で表示する混雑状況一覧を生成する(ステップS33)。制御部20は、各店舗3の位置を示す地図画像と、混雑状況一覧とを関連付けて表示する広告コンテンツを生成する(ステップS34)。制御部20は、生成部として機能する。
【0056】
制御部20は、生成した広告コンテンツを配信対象である表示装置IDの表示装置1へ送信する(ステップS35)。制御部20は、通信部13を介して広告コンテンツを表示装置1に出力(送信)する出力部として機能する。
【0057】
表示装置1の制御部11は、情報処理装置2から広告コンテンツを受信する(ステップS36)。制御部11は、受信した広告コンテンツを表示部10に表示し(ステップS37)、一連の処理を終了する。
【0058】
図11は、表示装置1の表示部10に表示される表示画面101の一例を示す図である。表示装置1の制御部11は、情報処理装置2から受信した広告コンテンツに基づき、
図11に示す表示画面101を表示部10に表示する。表示画面101には、店舗3の混雑状況一覧102と、表示対象区域の店舗3の位置を示す地図画像103と、が並列に表示されている。
【0059】
混雑状況一覧102は、各店舗3の混雑状況の数値に基づき表示順序が決定される。表示順序に従い、混雑状況の最も低い店舗3が1番、次に混雑状況の低い店舗3が2番、…、となるよう番号が割り当てられ、当該割り当て番号と共に画面上側から順に、所定数の店舗3に係る情報が一覧で表示される。最も混雑状況の高い店舗3が一番下に表示される。各店舗3の案内欄には、店舗3のロゴ、店舗名、混雑状況(混雑度)、テイクアウト情報、位置情報、割り当て番号、二次元バーコード等が含まれている。混雑状況一覧102にて表示される店舗3には、表示対象区域に含まれる全ての広告主である店舗3が含まれてもよく、表示装置1毎に設定される表示数に限られた店舗3が含まれてもよい。
【0060】
図11の例では、混雑状況は、所定閾値により3段階に分類され、混雑状況の低い順に「◎」「〇」「△」の図形オブジェクトを用いて表示されている。混雑状況は、上記の図形オブジェクトにて表示するものに限定されず、混雑状況の割り合いを示す数値により表示されてもよい。さらに、混雑状況に連動して各店舗3の案内欄の背景色が変化するよう構成されており、例えば3段階の混雑状況に応じて異なる3色に色分けして背景が表示されている。
図11の例では、各案内欄の背景にそれぞれ異なるハッチングを施すことで示されている。テイクアウト情報には、店舗3のテイクアウト可否の情報や、テイクアウトが可能な場合のおすすめメニュー等が表示されている。位置情報には、表示装置1から店舗3への最適な方角(
図11の例では出口番号)、所要時間等が表示されている。二次元バーコードには、店舗3に関するサイトへのリンク情報が含まれている。ユーザは、各店舗3の混雑状況を比較することにより利用を決定した店舗3の二次元バーコードを、ユーザ端末装置等により読み取ることで、より詳細な店舗情報や経路案内等を取得することができる。情報処理装置2の制御部20は、表示装置1の装置IDから特定した表示対象区域と、表示対象区域に位置する複数の店舗3の混雑状況を取得し、各店舗3の混雑状況の数値に基づき、表示順序を決定する。制御部20は、店舗情報DB212及び混雑状況DB213から読み出した各店舗3の情報を、予め記憶する表示態様に従い表示する混雑状況一覧102を生成する。
【0061】
混雑状況一覧102に関連付けて表示される地図画像103には、表示装置1の表示対象区域の地図が含まれており、当該地図上の各店舗3の対応する位置に、各店舗3の割り当て番号を示すオブジェクト104がそれぞれ重畳表示されている。制御部20は、予め記憶する表示対象区域の地図画像を読み出し、当該地図画像上に、各店舗3の割り当て番号を含む表示態様にて生成したオブジェクト104を重畳して表示させる。なお、地図画像103は、表示対象区域と一致する範囲の地図を含むものに限定されない。例えば、表示装置1が列車の駅構内に設置されている場合等においては、地図画像103は駅構内の地図を示すものであってもよい。表示画面101には、複数の地図画像103が含まれていてもよい。
【0062】
混雑状況一覧102は、店舗3の業態毎にグループ分けされ、表示されてもよい。例えば、同じ業態FFである店舗3を同一グループに分別し、FFグループに含まれる各店舗3の混雑状況の数値により、表示順序を決定する。同様に、業態FRである店舗3を同一グループとする。表示画面101には、グループ毎に、混雑状況の低い順に店舗の案内が表示される。例えば、同一の業態であれば混雑状況の低い店舗3を選択したいという場合、業態毎に混雑状況を表示することで、より効率的にユーザが情報を把握することができる。
【0063】
本実施形態の各フローチャートにて説明した処理において、情報処理装置2の制御部20により実行される処理の一部又は全部は、表示装置1の制御部11で実行されてもよく、検出装置31で実行されてもよい。
【0064】
上述の処理によれば、情報処理装置2は、複数の店舗3に係る混雑状況を一覧で表示する広告コンテンツを表示装置1を介して表示する。店舗3の付近に設置される表示装置1に混雑状況が表示されることにより、ユーザが積極的に混雑状況を含む広告コンテンツを受信し、混雑を回避した店舗3を利用する可能性が高まるため、広告コンテンツの有用性が向上される。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態では、表示装置1がユーザの管理する情報端末装置である構成を説明する。以下では、第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については第1実施形態の情報処理システム100と同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0066】
第2実施形態における表示装置1は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の可搬型の情報端末装置である。ユーザは、自身の所持する表示装置1を用いて、例えば店舗3への移動経路の途中において情報処理装置2との通信を行い、混雑状況を取得する。
【0067】
第2実施形態における表示装置1は、
図2に示す如く、操作部14及び位置情報取得部15を備える。操作部14は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、例えばディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン、物理ボタン等を含む。操作部14は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部11へ送出する。位置情報取得部15は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信装置を用いることができる。位置情報取得部15は、GPS衛星から受信する信号に基づいて表示装置1の位置を導出する。位置情報取得部15は、ネットワークNに含まれる複数のアクセスポイント、基地局との通信により位置を特定してもよい。制御部11は、位置情報取得部15により表示装置1の位置を特定することができる。
【0068】
図12は、第2実施形態における情報処理装置2と表示装置1との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば、表示装置1にてプログラム1Pの実行が選択されると、表示装置1の制御部11及び情報処理装置2の制御部20が以下の処理を実行する。
【0069】
表示装置1の制御部11は、位置情報取得部15により、現時点における表示装置1の位置情報、すなわち現在地を取得する(ステップS41)。制御部11は、表示装置ID、現在地等を関連付けた広告コンテンツの要求を情報処理装置2へ送信する(ステップS42)。
【0070】
情報処理装置2の制御部20は、広告コンテンツの要求を受信する(ステップS43)。制御部20は、要求に応じた広告コンテンツの生成へ処理を進める。具体的には、制御部20は、広告コンテンツの配信対象である表示装置1の現在地に基づき、表示対象区域を特定する。制御部20は、店舗情報DB212及び混雑状況DB213を参照して、店舗情報の位置情報が表示対象区域に含まれる店舗IDを特定し、特定した店舗IDにて識別される複数の店舗3に係る店舗名、表示情報、最新の混雑状況等を取得する。
【0071】
制御部20は、取得した各店舗3の混雑状況の数値に基づき、混雑状況一覧における各店舗3の表示順序を決定する(ステップS44)。制御部20は、決定した表示順序に従い、表示対象となる所定数の店舗3を並べ、さらに、各店舗3の混雑状況の数値に基づき、各店舗3の色分け等を含む表示態様を用いて各店舗3の混雑状況を一覧で表示する混雑状況一覧を生成する(ステップS45)。制御部20は、表示対象区域を含む地図画像と、混雑状況一覧とを関連付けて表示する広告コンテンツを生成する(ステップS46)。この場合において、広告コンテンツにおける表示店舗3数が予め設定されているときは、混雑状況の低い方から順に、所定数の店舗3を選択し、選択した店舗3に係る情報が表示されてよい。制御部20は、生成した広告コンテンツを表示装置IDにて識別される表示装置1へ送信する(ステップS47)。
【0072】
表示装置1の制御部11は、情報処理装置2から広告コンテンツを受信する(ステップS48)。制御部11は、受信した広告コンテンツを表示部10に表示し(ステップS49)、一連の処理を終了する。
【0073】
図13は、第2実施形態における表示装置1の表示部10に表示される表示画面105の一例を示す図である。表示画面105には、表示装置1の現在地付近にある店舗3の最新の混雑状況を示す混雑状況一覧と、地図画像とが含まれている。本実施形態によれば、情報処理システム100をスマートフォン等である表示装置1に適用することで、ユーザは、可搬型の表示装置1を用いて、移動経路上の任意の場所において広告コンテンツを取得することができる。従って、広告コンテンツの利便性やリアルタイム性が向上し、広告コンテンツの有用性をさらに向上させ得る。
【0074】
(第3実施形態)
第3実施形態では、表示装置1が移動体に載置されている構成を説明する。以下では、第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については第1実施形態の情報処理システム100と同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0075】
第3実施形態における表示装置1は、例えば列車又はバス等の移動体内に載置されており、移動体に乗車しているユーザへ向けて、移動体の走行状況に関する案内や、広告コンテンツを表示する。第3実施形態における表示装置1は、第2実施形態と同様に位置情報取得部15を備える。表示装置1は、移動体の走行中における現在地(位置情報)を取得し、移動体が次の駅又は停留所に到達する前に、現在地に応じた表示対象区域に係る広告コンテンツを表示する。
【0076】
図14は、第3実施形態における情報処理装置2と表示装置1との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば移動体の走行が開始されると、表示装置1の制御部11及び情報処理装置2の制御部20が以下の処理を実行する。
【0077】
表示装置1の制御部11は、所定間隔にて、位置情報取得部15により表示装置1の現在地を取得する(ステップS51)。制御部11は、取得した現在地に基づき、移動体が基準位置を通過したか否かを判定する(ステップS52)。基準位置とは、例えばバスの停留所又は列車の駅等、移動体の停車場毎に設定される広告コンテンツの表示開始位置である。基準位置は、移動体の移動経路上において、各停車場から所定距離だけ離れた進行方向前方に設定されている。表示装置1の記憶部12には、これら基準位置に関する情報が記憶されている。制御部11は、現在地と基準位置とを比較することにより、移動体が基準位置を通過したか否か、すなわち次の駅又は停留所に近づいたか否かを判定する。例えば、現在地と基準位置とが一致した場合、または、現在地が移動経路上における基準位置より後方となった場合等に、制御部11は基準位置を通過したと判定する。
【0078】
基準位置を通過していないと判定した場合(ステップS52:NO)、制御部11は処理をステップS51に戻し、現在地の取得を継続する。一方、基準位置を通過したと判定した場合(ステップS52:YES)、制御部11は、広告コンテンツの要求を情報処理装置2へ送信する(ステップS53)。この場合において、制御部11は、表示装置ID、基準位置に関する情報等を広告コンテンツの要求に関連付けて送信する。
【0079】
情報処理装置2の制御部20は、広告コンテンツの要求を受信する(ステップS54)。制御部20は、要求に応じた広告コンテンツの生成へ処理を進める。具体的には、制御部20は、受信した基準位置に基づき、移動体の次の駅又は停留所の位置情報を取得する。制御部20は、次の駅又は停留所の位置情報を含む区域を、次に表示装置1に表示する広告コンテンツの表示対象区域と特定する。制御部20は、店舗情報DB212及び混雑状況DB213を参照して、店舗情報の位置情報が表示対象区域に含まれる店舗IDを特定し、特定した店舗IDにて識別される複数の店舗3に係る店舗名、表示情報、最新の混雑状況等を取得する。
【0080】
制御部20は、取得した各店舗3の混雑状況の数値に基づき、混雑状況一覧における各店舗3の表示順序を決定する(ステップS55)。制御部20は、決定した表示順序に従い、表示対象となる所定数の店舗3を並べ、さらに、各店舗3の混雑状況の数値に基づき、各店舗3の色分け等を含む表示態様を用いて各店舗3の混雑状況を一覧で表示する混雑状況一覧を生成する(ステップS56)。制御部20は、表示対象区域を含む地図画像と、混雑状況一覧とを関連付けて表示する広告コンテンツを生成する(ステップS57)。制御部20は、生成した広告コンテンツを表示装置IDにて識別される表示装置1へ送信する(ステップS58)。
【0081】
表示装置1の制御部11は、情報処理装置2から広告コンテンツを受信する(ステップS59)。制御部11は、受信した広告コンテンツを表示部10に表示する(ステップS60)。広告コンテンツは、例えば、移動体が基準位置を通過した時点から、次の駅又は停留所に停車する時点に亘って表示される。
【0082】
制御部11は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS61)。例えば、運転手により表示の終了が指示された場合、または、移動体が最終地点に到着したことを示す情報を取得した場合等に、制御部11は処理を終了すると判定する。終了しないと判定した場合(ステップS61:NO)、制御部11は処理をステップS51に戻す。終了すると判定した場合(ステップS61:YES)、制御部11は一連の処理を終了する。
【0083】
上述の処理において、制御部11は、GPS信号を用いて移動体の位置を判定する例を説明したが、本実施は限定されるものではない。例えば、制御部11は、移動体の移動距離に基づき移動体の位置を判定してもよい。この場合、制御部11は、基準位置に関する情報として、例えば始発地点等の所定場所からの移動距離をそれぞれ記憶している。制御部11は、移動体の走行中において、所定間隔で移動体の車輪の回転回数を計測する。制御部11は、計測した車輪の回転回数に基づいて始発地点からの移動距離を導出することで、基準位置を通過したか否かを判定する。また、制御部11は、移動体の位置に基づき、広告コンテンツの表示要求を送信するものに限定されない。例えば、制御部11は、時刻情報を用いて、所定のタイミングにおいて広告コンテンツの表示要求を送信するものであってもよい。
【0084】
図15は、第3実施形態における表示装置1の表示部10に表示される表示画面106の一例を示す図である。表示画面106には、移動体の駅又は停留所等を含む走行状況に関する案内画像と、混雑状況一覧とが含まれている。混雑状況一覧には、次の駅又は停留所を含む表示対象区域にある店舗3の混雑状況が含まれている。本実施形態によれば、表示装置1には、新たな駅又は停留所に接近する度、接近した駅又は停留所付近の店舗3の混雑状況を示す広告コンテンツが表示される。ユーザは、移動体から下車する前に、近隣の店舗3に関する最新の広告コンテンツを取得することができるため、広告コンテンツの有用性をさらに向上させ得る。
【0085】
上述の各実施形態で説明した各処理シーケンスは限定されるものではなく、その性質に反しない限り、手順の変更を許容し得る。上述の処理シーケンスに対して、例えば各処理ステップの実行順序を変更してもよく、複数の処理ステップを同時に実行させてもよく、一連の処理シーケンスを実行する毎に、各処理ステップの順序が異なるようにしてもよい。
【0086】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 表示装置
10 表示部
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 操作部
15 位置情報取得部
1P プログラム
2 情報処理装置
20 制御部
21 記憶部
22 通信部
211 表示装置情報DB
212 店舗情報DB
213 混雑状況DB
2P プログラム
2M 学習モデル
3 店舗
31 検出装置