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  • 特開-熱交換装置 図1
  • 特開-熱交換装置 図2
  • 特開-熱交換装置 図3
  • 特開-熱交換装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076947
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】熱交換装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 27/02 20060101AFI20220513BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20220513BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
F28F27/02 C
F28D9/02
F28F3/08 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187619
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】小川 英朗
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA37
3L103BB43
3L103CC02
3L103DD15
(57)【要約】
【課題】熱交換ユニットを搭載した熱交換装置の熱交換性能を向上させる。
【解決手段】熱交換装置に2つの熱交換ユニットを搭載して、高温流体および低温流体が、一方の熱交換ユニットを通過した後、他方の熱交換ユニットを通過するようにする。こうすれば、1つの熱交換ユニットを用いて熱交換した場合よりも、熱交換性能を向上させることができる。また、大きなサイズの熱交換ユニットを用いた場合に比べても、第1熱交換ユニットおよび第2熱交換ユニットの内部を通過する高温流体および低温流体の流速が増加するため、熱交換性能を向上させることが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の伝熱性のプレートが積層されて前記複数枚のプレートとプレートとの間に2系統の流路が形成された熱交換ユニットを搭載し、一方の前記流路には高温流体を供給し、他方の前記流路には前記高温流体よりも温度が低い低温流体を供給することによって、前記高温流体と前記低温流体との間で熱交換させる熱交換装置において、
前記低温流体と熱交換する前の前記高温流体が供給される第1熱交換ユニットと、
前記第1熱交換ユニットとは別体で、前記高温流体と熱交換する前の前記低温流体が供給される第2熱交換ユニットと、
前記第1熱交換ユニットから前記高温流体が流出する高温側流出口と、前記第2熱交換ユニットに前記高温流体が流入する高温側流入口とを接続する高温側中継配管と、
前記第2熱交換ユニットから前記低温流体が流出する低温側流出口と、前記第1熱交換ユニットに前記低温流体が流入する低温側流入口とを接続する低温側中継配管と
を備えることを特徴とする熱交換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換装置において、
前記高温流体はまたは前記低温流体の一方は、前記第1熱交換ユニットまたは前記第2熱交換ユニットの少なくとも一方をバイパス可能となっている
ことを特徴とする熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の伝熱性のプレートを積層することによって形成された熱交換ユニットを用いて、高温流体と低温流体との間で熱交換させる熱交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレートと呼ばれる複数枚の金属板を互いに間隔を空けて積層した構造の熱交換ユニット(いわゆるプレート式熱交換ユニット)を内蔵した熱交換装置が知られている。プレート式熱交換ユニットは、複数枚のプレートの外周が密封されることによってプレートとプレートとの間に複数の空間が形成されており、これらの空間は、一つ飛ばしの位置にある空間同士が連通した構造となっている。また、飛ばされた位置にある互い違いの空間同士も連通しており、このため熱交換ユニットの内部には二系統の流路が形成されている。更に、熱交換ユニットの外表面には、それらの流路の入口および出口が形成された構造となっている。
【0003】
このような熱交換ユニットの一方の流路の入口から高温の流体を供給すると共に、他方の流路の入口からは低温の流体を供給すると、2つの流体は混じり合うことなくプレートの間の空間を通過した後、それぞれの流路の出口から流出する。この時、熱交換ユニットの内部では、高温の流体と低温の流体とがプレートで隔てられた状態で流れることになるので、高温の流体と低温の流体との間で効率よく熱交換することができる。その結果、このようなプレート式熱交換ユニットを内蔵することで、熱交換性能の高い熱交換装置を実現することが可能となる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-079786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、熱交換装置に要求される性能は年々と高くなっており、更に熱交換性能の高い熱交換装置の開発が要請されていた。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、熱交換装置の熱交換性能を向上させることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の熱交換装置は次の構成を採用した。すなわち、
複数枚の伝熱性のプレートが積層されて前記複数枚のプレートとプレートとの間に2系統の流路が形成された熱交換ユニットを搭載し、一方の前記流路には高温流体を供給し、他方の前記流路には前記高温流体よりも温度が低い低温流体を供給することによって、前記高温流体と前記低温流体との間で熱交換させる熱交換装置において、
前記低温流体と熱交換する前の前記高温流体が供給される第1熱交換ユニットと、
前記第1熱交換ユニットとは別体で、前記高温流体と熱交換する前の前記低温流体が供給される第2熱交換ユニットと、
前記第1熱交換ユニットから前記高温流体が流出する高温側流出口と、前記第2熱交換ユニットに前記高温流体が流入する高温側流入口とを接続する高温側中継配管と、
前記第2熱交換ユニットから前記低温流体が流出する低温側流出口と、前記第1熱交換ユニットに前記低温流体が流入する低温側流入口とを接続する低温側中継配管と
を備えることを特徴とする。
【0008】
かかる本発明の熱交換装置においては、第1熱交換ユニットおよび第2熱交換ユニットの2つの熱交換ユニットが搭載されている。そして、低温流体と熱交換する前の高温流体は第1熱交換ユニットに供給されており、高温流体と熱交換する前の低温流体は第2熱交換ユニットに供給されている。更に、第1熱交換ユニットから高温流体が流出する高温側流出口と、第2熱交換ユニットに高温流体が流入する高温側流入口とは、高温側中継配管で接続されている。また、第2熱交換ユニットから低温流体が流出する低温側流出口と、第1熱交換ユニットに低温流体が流入する低温側流入口とは、低温側中継配管で接続されている。
【0009】
こうすれば、第1熱交換ユニットに供給された高温流体は、第1熱交換ユニットに続いて第2熱交換ユニットの内部を通過し、一方、第2熱交換ユニットに供給された低温流体は、第2熱交換ユニットに続いて第1熱交換ユニットの内部を通過する。その結果、高温流体および低温流体は、一方の熱交換ユニットで熱交換した後に他方の熱交換ユニットでも熱交換することになる。こうすることで、1つの熱交換ユニットを用いて熱交換した場合よりも、熱交換性能を向上させることができる。また、2つの熱交換ユニットに相当する大きなサイズの熱交換ユニットを用いた場合に比べると、第1熱交換ユニットおよび第2熱交換ユニットのサイズが小さくなっているため、熱交換ユニットの内部を通過する高温流体および低温流体の流速が大きくなる。このため、大きなサイズの熱交換ユニットを用いて熱交換した場合に比べても、熱交換性能を向上させることが可能となる。
【0010】
また、上述した本発明の熱交換装置においては、高温流体はまたは低温流体の一方が、第1熱交換ユニットまたは第2熱交換ユニットの少なくとも一方をバイパス可能としてもよい。
【0011】
こうすれば、熱交換器で必要な性能を適宜、調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施例の熱交換装置1の大まかな内部構造を示す説明図である。
図2】本実施例の熱交換装置1を給湯器61およびパネルヒータ72に接続することによって、室内暖房を行う様子を例示した説明図である。
図3】低温流体が第2熱交換ユニット20をバイパス可能な変形例の熱交換装置1についての説明図である。
図4】高温流体が第1熱交換ユニット10をバイパス可能な変形例の熱交換装置1についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施例の熱交換装置1の大まかな内部構造を示す説明図である。本実施例の熱交換装置1は、直方体形状の本体ケース2の内部に、2つの熱交換ユニット10,20や、分配弁41や、開閉弁42や、図示しないコントローラなどが内蔵された構造となっている。ここで熱交換ユニット10,20は、複数枚の金属板が間隔を空けて積層されることによって内部に二系統の流路が形成されており、それらの流路に温度が異なる流体を通過させて、高温の流体(以下、高温流体)と低温の流体(以下、低温流体)との間で熱交換させるプレート式熱交換器である。以下では、熱交換ユニット10を第1熱交換ユニット10と称し、熱交換ユニット20を第2熱交換ユニット20と称して区別する。また、高温の流体および低温の流体を、それぞれ高温流体および低温流体と称する。
【0014】
第1熱交換ユニット10には、高温流体が流入する高温側流入口11iと、高温流体が流出する高温側流出口11oと、低温流体が流入する低温側流入口12iと、低温流体が流出する低温側流出口12oとが形成されている。熱交換ユニット10の内部では、高温側流入口11iと高温側流出口11oとが繋がって一系統の流路(以下、高温側流路)を形成しており、低温側流入口12iと低温側流出口12oとも第1熱交換ユニット10の内部で繋がって、高温側流路とは別系統の流路(以下、低温側流路)を形成している。
【0015】
第2熱交換ユニット20には、高温流体が流入する高温側流入口21iと、高温流体が流出する高温側流出口21oと、低温流体が流入する低温側流入口22iと、低温流体が流出する低温側流出口22oとが形成されている。熱交換ユニット20の内部でも、高温側流入口21iと高温側流出口21oとが繋がって高温側流路を形成しており、低温側流入口22iと低温側流出口22oとが繋がって低温側流路を形成している。
【0016】
また、本体ケース2の底面には、高温側流入継手5iや、高温側流出継手5oや、低温側流入継手6iや、低温側流出継手6oが突設されている。高温側流入継手5iには、熱交換装置1に高温流体を供給するための配管(高温側流入配管3i)が接続され、高温側流入継手5iには、熱交換装置1内で熱交換した後の高温流体が流出する配管(高温側流出配管3o)が接続されている。また、低温側流入継手6iには、熱交換装置1に低温流体を供給するための配管(低温側流入配管4i)が接続され、低温側流入継手6iには、熱交換装置1内で熱交換した後の低温流体が流出する配管(低温側流出配管4o)が接続されている。
【0017】
そして、第1熱交換ユニット10の高温側流入口11i、高温側流出口11o、低温側流入口12i、低温側流出口12oや、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21i、高温側流出口21o、低温側流入口22i、低温側流出口22oや、本体ケース2の底面の高温側流入継手5i、高温側流出継手5o、低温側流入継手6i、低温側流出継手6oには、以下のように複数の配管が接続されている。
【0018】
先ず、第1熱交換ユニット10の高温側流入口11iには高温側流入配管31aが接続されており、高温側流入配管31aの他端側は高温側流入継手5iに接続されている。第1熱交換ユニット10の高温側流出口11oには高温側中継配管31bが接続されており、高温側中継配管31bの他端側は、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21iに接続されている。更に、第2熱交換ユニット20の高温側流出口21oには高温側上流流出配管31cが接続されている。高温側上流流出配管31cの他端側は開閉弁42を介して高温側下流流出配管31dに接続されており、高温側下流流出配管31dの他端側は高温側流出継手5oに接続されている。
【0019】
従って、高温側流入配管3iから熱交換装置1に供給された高温流体は、高温側流入配管31aを通って高温側流入口11iから第1熱交換ユニット10に供給され、第1熱交換ユニット10内の流路を通って高温側流出口11oから流出する。高温側流出口11oから流出した高温流体は、高温側中継配管31bを通って、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21iに流入し、第2熱交換ユニット20内の流路を通過して高温側流出口21oから流出する。そして、高温側流出口21oから流出した高温流体は、高温側上流流出配管31c、開閉弁42、高温側下流流出配管31dを経由して、高温側流出配管3oから熱交換装置1の外部に流出する。
【0020】
一方、熱交換装置1に低温流体を供給する低温側流入配管4iは、低温側流入継手6iを介して低温側上流流入配管32aに接続されており、低温側上流流入配管32aの他端側は分配弁41に接続されている。分配弁41は、1つの流入ポートと2つの流出ポートとを備え、流入ポートから流入した流体を、所望の比率で2つの流出ポートに分配して流出させる周知の分配弁である。分配弁41の一方の流出ポートには低温側下流流入配管32bが接続されており、低温側下流流入配管32bの他端側は第2熱交換ユニット20の低温側流入口22iに接続されている。また、分配弁41の他方の流出ポートにはバイパス配管32cが接続されている。更に、第2熱交換ユニット20の低温側流出口22oには低温側中継配管32dが接続されており、低温側中継配管32dの他端側は、第1熱交換ユニット10の低温側流入口12iに接続されている。そして、第1熱交換ユニット10の低温側流出口12oには、低温側流出配管32eが接続されており、低温側流出配管32eの他端側は低温側流出継手6oに接続されている。また、分配弁41の他方の流出ポートに接続されたバイパス配管32cは、低温側流出配管32eの途中に接続されている。
【0021】
このため、低温側流入継手6iから熱交換装置1に供給された低温流体は、低温側上流流入配管32aを通って分配弁41に供給される。そして、分配弁41に設定された比率で低温側下流流入配管32bとバイパス配管32cとに分配されて、低温側下流流入配管32bに分配された低温流体は、低温側流入口22iから第2熱交換ユニット20に供給され、第2熱交換ユニット20内の流路を通って低温側流出口22oから流出した後、低温側中継配管32dを通って第1熱交換ユニット10の低温側流入口12iに流入する。そして、第1熱交換ユニット10内の流路を通過して低温側流出口12oから流出した低温流体は、低温側流出配管32eおよび低温側流出継手6oを経由して、低温側流出配管4oから熱交換装置1の外部に流出する。また、分配弁41でバイパス配管32cに分配された低温流体は、低温側流出配管32eの途中で、第1熱交換ユニット10の低温側流出口12oから流出してきた低温流体と合流した後、低温側流出継手6oを介して、低温側流出配管4oから熱交換装置1の外部に流出する。
【0022】
以上のような構造を有する本実施例の熱交換装置1は、高温側流入継手5iから高温流体を供給し、低温側流入継手6iから低温流体を供給すると、高温流体と低温流体とが第1熱交換ユニット10および第2熱交換ユニット20で熱交換する。そして、熱交換後の高温流体が高温側流出継手5oから流出し、熱交換後の低温流体が低温側流出継手6oから流出するようになっている。
【0023】
図2は、本実施例の熱交換装置1を給湯器61およびパネルヒータ72に接続することによって、室内暖房を行う様子を例示した説明図である。図中で太い実線の矢印は高温流体の流れを表しており、太い破線の矢印は低温流体の流れを表している。図1を用いて前述したように、熱交換装置1の内部には、第1熱交換ユニット10や、第2熱交換ユニット20や、分配弁41や、開閉弁42などが搭載されている。また、熱交換装置1内には複数の配管が搭載されているが、図2では表示が煩雑となることを避けるために、配管については図示が省略されている。
【0024】
給湯器61で生成した高温の湯は、高温側流入口11iから第1熱交換ユニット10に供給される。第1熱交換ユニット10に供給された湯は、第1熱交換ユニット10の内部の流路を通って高温側流出口11oから流出し、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21iに流入する。そして、第2熱交換ユニット20の内部の流路を通って高温側流出口21oから流出し、開閉弁42を通過した後、給湯器61に還流するようになっている。このため、図示しないコントローラを用いて開閉弁42を開弁させた状態で、給湯器61で湯を生成してやれば、上述した経路で熱交換装置1に湯を供給し、後述する別の経路で熱交換装置1に供給される低温流体を加熱することができる。尚、図2に示されるように、給湯器61で生成した湯の一部を、熱交換装置1で低温流体を加熱する以外の用途(例えば、浴室暖房器71への供給など)に使用してもよい。
【0025】
また、低温流体は、低温側流入口22iから第2熱交換ユニット20に流入し、第2熱交換ユニット20内の流路を通過して低温側流出口22oから流出した後、低温側流入口12iから第1熱交換ユニット10に流入する。そして、第1熱交換ユニット10内の流路を通過して低温側流出口12oから流出した後、パネルヒータ72に供給される。パネルヒータ72に供給された低温流体はパネルヒータ72で放熱することによって室内空気を暖めた後、ヒートポンプ熱源機62によって分配弁41へと圧送される。この時、ヒートポンプ熱源機62では、空気を断熱圧縮することによって周囲の空気が有する熱量を回収して、低温流体を予熱しておくことができる。
【0026】
もっとも、多くの場合は、周囲の空気から回収した熱量だけでは低温流体を十分な温度に予熱することができないので、ヒートポンプ熱源機62から圧送された大部分の低温流体は、分配弁41で第2熱交換ユニット20の低温側流入口22iに分配され、残りの低温流体は、バイパス配管32c(図1参照)に分配された後、パネルヒータ72に供給される。分配弁41で低温流体を分配する比率は、図示しないコントローラによって制御されている。
【0027】
以上のような熱交換装置1では、ヒートポンプ熱源機62から圧送された低温流体は、初めに第2熱交換ユニット20内で高温流体(ここでは給湯器61で生成された湯)と熱交換し、次に第1熱交換ユニット10内でも高温流体と熱交換した後、パネルヒータ72に供給される。このように、2つの熱交換ユニット(第1熱交換ユニット10および第2熱交換ユニット20)を用いて二段階で熱交換しているので、1つの大きな熱交換ユニットを用いて熱交換する場合に比べて、小型の熱交換ユニットを用いることができる。そして、同じ流量であれば、小型の熱交換ユニットを用いた方が、内部の流路を流れる流体の流速が大きくなるので熱交換の効率を向上させることができる。
【0028】
また、熱交換ユニットの内部には、プレートと呼ばれる複数枚の金属板が隙間をあけて積層された構造となっているが、プレートには薄い金属板が用いられるので、プレートの面積が大きくなると強度が低下し、その結果、熱交換ユニットの強度を確保することが困難となる。これに対して、上述した本実施例の熱交換装置1では、小型の第1熱交換ユニット10および第2熱交換ユニット20を用いることができるので、熱交換ユニットの強度を確保することができ、壊れにくい熱交換装置1を実現することができる。
【0029】
尚、上述した本実施例の熱交換装置1では、分配弁41に接続されたバイパス配管32cの他端側は、低温側流出配管32eの途中に接続されているものとして説明した(図1)。このため、図2に示したように、分配弁41でバイパス配管32cに分配された低温流体は、第1熱交換ユニット10および第2熱交換ユニット20の何れもバイパスすることになる。
【0030】
これに対して、分配弁41に接続されたバイパス配管32cを、低温側中継配管32dの途中に接続するようにしても良い。こうすれば、図3に示したように、分配弁41でバイパス配管32cに分配された低温流体が、第2熱交換ユニット20はバイパスするが、第1熱交換ユニット10は通過して高温流体と熱交換するようにすることもできる。このように、一部の熱交換ユニットをバイパスさせることができれば、全ての熱交換ユニットをバイパスさせる場合に比べて、熱交換装置1から流出する低温流体の温度を、より細かく調整することが可能となる。
【0031】
尚、上述した変形例では、図3に示したように、分配弁41が、第2熱交換ユニット20の低温側流入口22iの上流に搭載されており、分配弁41のバイパス配管32cが、第1熱交換ユニット10の低温側流入口12iの上流に接続されることによって、低温流体に第2熱交換ユニット20をバイパスさせることが可能になっているものとして説明した。
【0032】
しかし、バイパスさせる熱交換ユニットは第2熱交換ユニット20に限られるわけではない。例えば、分配弁41を、第1熱交換ユニット10の低温側流入口12iの上流(すなわち、低温側中継配管32dの途中)に搭載し、分配弁41のバイパス配管32cを、第1熱交換ユニット10の低温側流出口12oの下流(すなわち、低温側流出配管32e)に接続してもよい。こうすれば、分配弁41でバイパス配管32cに分配された低温流体については第1熱交換ユニット10をバイパスするようにすることができる。
【0033】
また、上述した変形例では、低温流体が第1熱交換ユニット10あるいは第2熱交換ユニット20をバイパス可能になっている場合について説明した。しかし、高温流体が第1熱交換ユニット10あるいは第2熱交換ユニット20をバイパス可能としてもよい。
【0034】
例えば、図4に示した例では、第1熱交換ユニット10の高温側流入口11iの上流(すなわち、高温側流入配管31aの途中)に分配弁41が搭載されており、分配弁41のバイパス配管32cを、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21iの上流(すなわち、高温側中継配管31b)に接続してもよい。こうすれば、分配弁41でバイパス配管32cに分配された高温流体については第1熱交換ユニット10をバイパスするようにすることができる。
【0035】
あるいは、第2熱交換ユニット20の高温側流入口21iの上流(すなわち、高温側中継配管31b)に分配弁41を搭載し、分配弁41のバイパス配管32cを、第2熱交換ユニット20の高温側流出口21oと開閉弁42との間(すなわち、高温側上流流出配管31cの途中)に接続してもよい。こうすれば、分配弁41でバイパス配管32cに分配された高温流体については第2熱交換ユニット20をバイパスするようにすることができる。
【0036】
更には、第1熱交換ユニット10の高温側流入口11iの上流(すなわち、高温側流入配管31aの途中)に分配弁41を搭載し、分配弁41のバイパス配管32cを、第2熱交換ユニット20の高温側流出口21oと開閉弁42との間(すなわち、高温側上流流出配管31cの途中)に接続してもよい。こうすれば、例えば浴室暖房器71で大きな熱量が必要となった場合に、熱交換装置1での熱交換を中断することで、浴室暖房器71に必要な熱量を供給することができる。また、熱交換装置1で熱交換を中断している間も、熱交換装置1には高温流体が供給されているので、給湯器61で生成する湯量の変化が抑制されるので、給湯器61の運転状態を安定させることが可能となる。
【0037】
以上、本実施例および変形例の熱交換装置1について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0038】
例えば、上述した実施例および変形例では、2つの流出ポートへの分配比率を変更可能な分配弁41が用いられているものとして説明した。しかし、分配弁41の代わりに、3方弁(1つの流入ポートと2つの流出ポートとを備え、流入ポートから流入した流体が流出ポートを切り換える切換弁)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…熱交換装置、 2…本体ケース、 3i…高温側流入配管、
3o…高温側流出配管、 4i…低温側流入配管、 4o…低温側流出配管、
5i…高温側流入継手、 5o…高温側流出継手、 6i…低温側流入継手、
6o…低温側流出継手、 10…第1熱交換ユニット、 11i…高温側流入口、
11o…高温側流出口、 12i…低温側流入口、 12o…低温側流出口、
20…第2熱交換ユニット、 21i…高温側流入口、 21o…高温側流出口、
22i…低温側流入口、 22o…低温側流出口、 31a…高温側流入配管、
31b…高温側中継配管、 31c…高温側上流流出配管、
31d…高温側下流流出配管、 32a…低温側上流流入配管、
32b…低温側下流流入配管、 32c…バイパス配管、
32d…低温側中継配管、 32e…低温側流出配管、 41…分配弁、
42…開閉弁、 61…給湯器、 62…ヒートポンプ熱源機、
71…浴室暖房器、 72…パネルヒータ。
図1
図2
図3
図4