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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076950
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】洗浄具部材
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/22 20060101AFI20220513BHJP
   A47L 13/20 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
A47L13/22
A47L13/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187622
(22)【出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA05
3B074AA07
3B074AA08
3B074AB01
3B074AC02
(57)【要約】
【課題】 操作性及び清掃効率を向上させることができると共に、被清掃面に適量の流体を噴霧させることができる洗浄具部材を提供する。
【解決手段】 洗浄具部材10は、流体を噴射する噴射孔1aを備えたスプレー容器1を保持する容器保持部2と、清掃手段3aを有するヘッド部3と、このヘッド部3と容器保持部2との間に位置するアーム部4とを有しており、アーム部4は、噴射孔1aから噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口5が形成されている。また、噴射孔1aを側面視した場合には、開口5は、噴射孔1aよりも前方に形成されており、ヘッド部3を側面視した場合には、ヘッド部3は、開口5よりも前方に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射する噴射孔を備えたスプレー容器を保持する容器保持部と、
清掃手段を有するヘッド部と、
前記ヘッド部と前記容器保持部との間に位置するアーム部と、を有する洗浄具部材において、
前記アーム部は、前記噴射孔から噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口が形成されているものであって、
前記噴射孔を側面視した場合には、前記開口は、前記噴射孔よりも前方に形成されており、
前記ヘッド部を側面視した場合には、該ヘッド部は、前記開口よりも前方に形成されていることを特徴とする洗浄具部材。
【請求項2】
アーム部は、噴射孔を所定の方向に向けた場合にのみ、該噴射孔から噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄具部材。
【請求項3】
容器保持部は、スプレー容器収容口を有し、該スプレー容器収容口は、アーム部の開口とは反対側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄具部材。
【請求項4】
容器保持部は、スプレー容器が着脱可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項5】
容器保持部は、略半円筒状の外周面部と、略円形状の底面部とを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項6】
容器保持部は、底面部を水平面に載置して洗浄具部材を起立させた場合に、前記底面部から延出する外周面部の長手方向の直線は、前記底面部から延出する底面に対する垂直線よりも後方側に傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の洗浄具部材。
【請求項7】
清掃手段は、ワイパー及び/又は複数の繊維からなる拭き取り部材を有していることを特徴とする請求項1~6のいずか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項8】
清掃手段は、ワイパーと、該ワイパーの下方に複数の繊維からなる拭き取り部材を有していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項9】
清掃手段は、ヘッド部から着脱可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項10】
清掃手段は、スプレー容器の噴射孔とアーム部の開口上縁とを結ぶ仮想線の延長線近傍に設けられていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項11】
アーム部は、スプレー容器の噴射孔と清掃手段の長手方向の両端とを結ぶ仮想線と交わらない位置に設けられていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【請求項12】
容器保持部は、上端近傍に前方に突出する保護壁を有し、該保護壁はスプレー容器の噴射孔とアーム部の開口下縁とを結ぶ仮想線の延長線より下方に設けられていることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の洗浄具部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面を洗浄するための道具であって、スプレー容器を保持する容器保持部を有する洗浄具部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体を被清掃面に噴射した後、清掃手段によって清掃を行う噴射式清掃具が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の噴射式清掃具は、複数の噴射孔を一列に配列し、回動可能なノズル部を備えた本体部と、本体部に交換可能に装着する清掃用ヘッド部とから成り、液体を被清掃面に対して複数の噴射孔から直線状に噴射する噴射式清掃具であって、ノズル部は本体部の先端部の最先端に斜め下方方向に向けて配置されており、清掃用ヘッド部は先端部の下面に固定されており、横方向に長い清掃部を備えた清掃用ヘッド部を本体部に装着した場合には、噴射孔の配列が水平方向に向くように、縦方向に長い清掃部を備えた清掃用ヘッド部を本体部に装着した場合には、噴射孔の配列が上下方向に向くようにして、噴射孔の噴射方向を選択可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6445791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の噴射式清掃具は、把持部に近い位置に清掃用ヘッド部があり、把持部から離れた位置に噴射孔があるため、液体を被清掃面に噴射した後、液体が噴射されている位置まで清掃用ヘッド部を移動させてから手前側に引き寄せる清掃動作が必要となり、操作性の悪いものであった。また、噴射孔と被清掃面との距離から液体が噴射される範囲をあらかじめ予測するのは難しいため、試しに被清掃面に液体を噴射して、液体が噴射される範囲を確認する必要があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、操作性及び清掃効率を向上させることができると共に、被清掃面に適量の流体を噴霧させることができる洗浄具部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、流体を噴射する噴射孔を備えたスプレー容器を保持する容器保持部と、清掃手段を有するヘッド部と、前記ヘッド部と前記容器保持部との間に位置するアーム部と、を有する洗浄具部材において、前記アーム部は、前記噴射孔から噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口が形成されているものであって、前記噴射孔を側面視した場合には、前記開口は、前記噴射孔よりも前方に形成されており、前記ヘッド部を側面視した場合には、該ヘッド部は、前記開口よりも前方に形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、噴射孔から噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口が形成されており、開口は、噴射孔よりも前方に形成されているので、使用者は、開口を通じて流体が噴霧される被清掃面の範囲を確認することができ、被清掃面に適量の流体を噴霧させることができる。また、ヘッド部は、開口よりも前方に形成されているので、使用者は流体を被清掃面に噴霧させた後、洗浄具部材を手前側に引き寄せることで1回の清掃動作を完了させることができ、操作性及び清掃効率を向上させることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、アーム部は、噴射孔を所定の方向に向けた場合にのみ、該噴射孔から噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口が形成されていることを特徴としている。したがって、噴射孔の位置が所定の方向以外の方向を向いていた場合には、流体の一部又は全部はアーム部に噴霧されることとなるので、流体を噴霧させたくない箇所に誤って流体が噴霧されるのを防止できる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、容器保持部は、スプレー容器収容口を有し、該スプレー容器収容口は、アーム部の開口とは反対側に形成されていることを特徴としている。したがって、容器保持部にスプレー容器を取り付ける際に、噴射孔を前方に向けて装着できるため、誤噴射による使用者への噴霧を防止できる。また、スプレー容器の噴射動作を後方から直接操作することができるので、操作性を向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、容器保持部は、スプレー容器が着脱可能であることを特徴としている。したがって、流体が無くなった場合には、スプレー容器のみを交換すればよく、洗浄具全体を交換する必要はないので、洗浄作業の作業コストを低減させることができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、容器保持部は、略半円筒状の外周面部と、略円形状の底面部とを有することを特徴としている。したがって、外周面部を使用者が把持し易く、操作性を向上させることができると共に、底面部を平面に載置する場合に安定させることができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、容器保持部は、底面部を水平面に載置して洗浄具部材を起立させた場合に、前記底面部から延出する外周面部の長手方向の直線は、前記底面部から延出する底面に対する垂直線よりも後方側に傾斜していることを特徴としている。したがって、ヘッド部が外周面部よりも前方に突出している形状であっても重心位置が調整されて洗浄具部材を起立させた状態で平面に載置させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1~6のいずれかの発明において、清掃手段は、ワイパー及び/又は複数の繊維からなる拭き取り部材を有していることを特徴としている。したがって、被洗浄面に付着したウイルス、細菌、カビ、塵埃等の汚れを確実に除去することができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1~7のいずれかの発明において、清掃手段は、ワイパーと、該ワイパーの下方に複数の繊維からなる拭き取り部材を有していることを特徴としている。したがって、洗浄具を手前側に引き寄せて使用する際に、被洗浄面に付着しているウイルス、細菌、カビ、塵埃等の汚れを、まずは拭き取り部材で捕捉し、取り残しをワイパーで移送することで確実に除去することができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1~8のいずれかの発明において、清掃手段は、ヘッド部から着脱可能であることを特徴としている。したがって、清掃手段のみを交換すればよく、洗浄具全体を交換する必要はないので、洗浄作業の作業コストを低減させることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1~9のいずれかの発明において、清掃手段は、スプレー容器の噴射孔とアーム部の開口上縁とを結ぶ仮想線の延長線近傍に設けられていることを特徴としている。したがって、噴射孔から噴射された流体を清掃手段の近傍まで到達させることで効率よく洗浄できる。また、不要な範囲への噴霧を阻害できるため、誤噴霧を防止できる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1~10のいずれかの発明において、アーム部は、スプレー容器の噴射孔と清掃手段の長手方向の両端とを結ぶ仮想線と交わらない位置に設けられていることを特徴としている。したがって、噴射孔から噴射された流体を清掃手段の左右幅の範囲内に噴霧することで効率よく洗浄を行うことができる。また、不要な範囲への噴霧を阻害できるため、誤噴霧を防止できる。
【0019】
請求項12の発明は、容器保持部は、上端近傍に前方に突出する保護壁を有し、該保護壁はスプレー容器の噴射孔とアーム部の開口下縁とを結ぶ仮想線の延長線より下方に設けられていることを特徴としている。したがって、容器保持部を把持した使用者の指や手のひら等に洗浄液が噴霧されることなく安全に使用することができる。また、使用者は保護壁により把持位置を確認することができるため、効率よく洗浄を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の洗浄具部材の発明は、被清掃面に適量の流体を噴霧させることができると共に、操作性及び清掃効率を向上させることができる。また、請求項2及び3の発明は、流体を噴霧させたくない箇所に誤って流体が噴霧されるのを防止できる。また、請求項4の発明は、洗浄作業の作業コストを低減させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、操作性を向上させることができる。また、請求項6の発明は、洗浄具部材を起立させた状態で平面に載置させることができる。また、請求項7及び8の発明は、被洗浄面に付着したウイルス、細菌、カビ、塵埃等の汚れを確実に除去することができる。
【0022】
請求項9の発明は、洗浄作業の作業コストを低減させることができる。また、請求項10及び11の発明は、効率よく洗浄を行うことができると共に、誤噴霧を防止できる。また、請求項12の発明は、洗浄具を安全に使用することができると共に、効率よく洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(a)、(b)本発明に係る洗浄具部材を使用した洗浄具を示す斜視図
図2】洗浄具の側面図
図3】洗浄具の分解斜視図
図4】洗浄具を床面等の平面に載置した状態を示す側面図
図5図2のA-A断面図
図6図2のB-B断面図
図7】洗浄具の使用状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1(a)は、本発明に係る洗浄具部材を使用した洗浄具を前方側から見た状態の斜視図であり、図1(b)は、同洗浄具を後方側から見た状態の斜視図である。また、図2は、同洗浄具の側面図であり、スプレー容器が見えるように一部を透過させている。これらの図面を用いて本発明に係る洗浄具部材の概要について以下に説明する。
【0025】
本発明に係る洗浄具部材10は、スプレー容器1を装着することによって洗浄具20となるものであり、流体を噴射する噴射孔1aを備えたスプレー容器1を保持する容器保持部2と、清掃手段3aを有するヘッド部3と、このヘッド部3と容器保持部2との間に位置するアーム部4とを有している。
【0026】
アーム部4は、噴射孔1aから噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口5が形成されている。また、噴射孔1aを側面視した場合には、開口5は、噴射孔1aよりも前方に形成されている。また、ヘッド部3を側面視した場合には、ヘッド部3は、開口5よりも前方に形成されている。
【0027】
ここで前方とは、図2の側面図において、容器保持部2の底面部2aを水平面に載置して洗浄具部材10を起立させた場合に、底面部2aから延出する外周面部2bの長手方向の直線Xを基準にして、直線Xよりも図面上左側を前方と定義している。
【0028】
洗浄具部材10は前述のように構成されており、噴射孔1aから噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口5が形成されており、開口5は、噴射孔1aよりも前方に形成されているので、使用者は、開口5を通じて流体が噴霧される被清掃面の範囲を確認することができ、被清掃面に適量の流体を噴霧させることができる。
【0029】
また、ヘッド部3は、開口5よりも前方に形成されているので、使用者は流体を被清掃面に噴霧させた後、洗浄具部材10を手前側に引き寄せることで1回の清掃動作を完了させることができ、操作性及び清掃効率を向上させることができる。
【0030】
また、アーム部4は、噴射孔1aを所定の方向に向けた場合にのみ、噴射孔1aから噴射される流体の噴霧を阻害しない位置に開口5が形成されている。ここで、所定の方向とは、洗浄具20を前方側から見た場合に、噴射孔1aの正面方向が開口5の左右方向の略中央に位置している場合を意味している。これにより、噴射孔1aの位置が所定の方向以外の方向を向いていた場合には、流体の一部又は全部はアーム部4に噴霧されることとなるので、流体を噴霧させたくない箇所に誤って流体が噴霧されるのを防止できる。
【0031】
容器保持部2は、スプレー容器収容口2cを有しており、スプレー容器収容口2cは、アーム部4の開口5とは反対側に形成されている。これにより、容器保持部2にスプレー容器1を取り付ける際に、噴射孔1aを前方に向けて装着できるため、誤噴射による使用者への噴霧を防止できる。また、スプレー容器1の噴射動作を後方から直接操作することができるので、操作性を向上させることができる。
【0032】
また、スプレー容器1は、容器保持部2に着脱可能に保持されている。これにより、流体が無くなった場合には、スプレー容器1のみを交換すればよく、洗浄具20全体を交換する必要はないので、洗浄作業の作業コストを低減させることができる。
【0033】
また、容器保持部2は、上端近傍に前方に突出する保護壁6を有し、図2に示すように、保護壁6はスプレー容器1の噴射孔1aとアーム部4の開口下縁5aとを結ぶ仮想線の延長線Yより下方に設けられている。これにより、容器保持部2を把持した使用者の指や手のひら等に洗浄液が噴霧されることなく安全に使用することができる。また、使用者は保護壁6により把持位置を確認することができるため、効率よく洗浄を行うことができる。尚、保護壁6は、容器保持部2と一体的に形成されていてもよいが、別体として容器保持部2に取り付けられていてもよい。
【0034】
また、容器保持部2は、略半円筒状の外周面部2bと、略円形状の底面部2aとを有している。これにより、外周面部2bを使用者が把持し易く、操作性を向上させることができると共に、底面部2aを平面に載置する場合に安定させることができる。
【0035】
また、図2に示すように、清掃手段3aは、スプレー容器1の噴射孔1aとアーム部4の開口上縁5bとを結ぶ仮想線の延長線Z近傍に設けられている。これにより、噴射孔1aから噴射された流体を清掃手段3aの近傍まで到達させることで効率よく洗浄できる。また、不要な範囲への噴霧を阻害できるため、誤噴霧を防止できる。
【0036】
図3は、洗浄具の分解斜視図である。図3に示すように、清掃手段3aは、ワイパー7と、ワイパー7の下方に複数の繊維からなる拭き取り部材8を有しており、ワイパー7はワイパー取り付け基台7aを介して、拭き取り部材8は、拭き取り部材取り付け基台8aを介して各々ヘッド部3に取り付けられている。また、清掃手段3aは、ヘッド部3から着脱可能となっている。尚、清掃手段3aは、ワイパー7のみの場合や、複数の繊維からなる拭き取り部材8のみの場合であってもよく、これらも本発明に含まれる。これにより、被洗浄面に付着したウイルス、細菌、カビ、塵埃等の汚れを確実に除去することができる。尚、拭き取り部材8の一例としてマイクロファイバーを挙げることができるが、その他に、布、スポンジ、不織布、ブラシ等であってもよい。また、拭き取り部材の形状は、図3に示すように長方形状の場合、楕円形状の場合等、様々な形状を採用することができる。
【0037】
図4は、洗浄具を床面等の平面に載置した状態を示す側面図である。前述したとおり、容器保持部2は、略半円筒状の外周面部2bと、略円形状の底面部2aとを有しているが、図4に示すように、底面部2aを水平面に載置して洗浄具部材10を起立させた場合に、底面部2aから延出する外周面部2bの長手方向の直線Xは、底面部2aから延出する底面に対する垂直線Cよりも後方側に傾斜している。尚、図4に示すように、ワイパー7の先端部は、下側が長く、上側が短い傾斜面が形成されている。また、ワイパー7の先端部は、拭き取り部材8の短手方向の延長線Fよりも前方に突出している。これにより、洗浄具20を手前側に引いて使用する際は、ワイパー7を被洗浄面に強く当てることができる。また、洗浄具20を反対側に押して使用する際は、ワイパー7が被洗浄面に優しく当てることができる。また、必要に応じてワイパー7のみを被洗浄面に当接させて洗浄を行うこともできる。
【0038】
図5は、図2のA-A断面図であり、図6は、図2のB-B断面図である。尚、図面上、噴射孔1aから放射状に延びる線は、噴射孔から噴霧される流体の飛散方向を表している。これらの図に示すように、洗浄具部材10のアーム部4は、スプレー容器1の噴射孔1aと清掃手段3aの長手方向の両端とを結ぶ仮想線D、Eと交わらない位置に設けられている。これにより、噴射孔1aから噴射された流体を清掃手段3aの左右幅の範囲内に噴霧することで効率よく洗浄を行うことができる。また、不要な範囲への噴霧を阻害できるため、誤噴霧を防止できる。
【0039】
図7は、洗浄具の使用状態を示す斜視図である。使用方法としては、清掃手段3aを被清掃面に当接させた状態で、スプレー容器1の噴射ボタン1bを押し続けて流体を被清掃面に噴霧させながら、洗浄具20を手前側(矢印方向)に引く動作を行う場合と、噴射ボタン1bを1回押して被洗浄面に流体が噴霧されたのを開口5から確認した後に洗浄具20を手前に引く動作を行う場合が想定されている。これにより、被洗浄面に付着しているウイルス、細菌、カビ、塵埃等の汚れを、まずは拭き取り部材8で捕捉し、取り残しをワイパー7で移送することで確実に除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る洗浄具部材は被清掃面を洗浄するための道具として利用される。
【符号の説明】
【0041】
1 スプレー容器
1a 噴射孔
1b 噴射ボタン
2 容器保持部
2a 底面部
2b 外周面部
2c スプレー容器収容口
3 ヘッド部
3a 清掃手段
4 アーム部
5 開口
5a 開口下縁
5b 開口上縁
6 保護壁
7 ワイパー
7a ワイパー取り付け基台
8 拭き取り部材
8a 拭き取り部材取り付け基台
10 洗浄具部材
20 洗浄具
X 直線
Y、Z、F 延長線
C 垂直線
D、E 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7