(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022076995
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
   H01G   4/30        20060101AFI20220513BHJP        
【FI】
H01G4/30 201N 
H01G4/30 201F 
H01G4/30 513 
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166436
(22)【出願日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0149552
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン  エレクトロ-メカニックス  カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ス  ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン  ジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AD01
5E001AF06
5E082AB03
5E082BC19
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG08
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】本発明は、容量を増加させながらも、外部電極とサイド部間の接着力を増加させて耐湿信頼性が向上するようにした積層型キャパシタ及びその実装基板を提供する。
【解決手段】本発明は、誘電体層と第1及び第2内部電極とを含み、互いに対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面、上記第1及び第2面と連結され、上記第3及び第4面と連結され、互いに対向する第5及び第6面を含むキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の第5及び第6面にそれぞれ配置され、表面に粗さを有する第1及び第2サイド部と、上記キャパシタ本体の第3面と第5及び第6面の一部に配置されて上記第1内部電極と接続される第1外部電極と、上記キャパシタ本体の第4面と第5及び第6面の一部に配置されて上記第2内部電極と接続される第2外部電極と、を含む積層型キャパシタ及びその実装基板を提供する。
【選択図】
図1
 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  誘電体層と第1及び第2内部電極とを含み、互いに対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面、前記第1及び第2面と連結され、前記第3及び第4面と連結され、互いに対向する第5及び第6面を含むキャパシタ本体と、
  前記キャパシタ本体の第5及び第6面にそれぞれ配置され、表面に粗さを有する第1及び第2サイド部と、
  前記キャパシタ本体の第3面と第5及び第6面の一部に配置されて前記第1内部電極と接続される第1外部電極と、前記キャパシタ本体の第4面と第5及び第6面の一部に配置されて前記第2内部電極と接続される第2外部電極と、を含む、積層型キャパシタ。
【請求項2】
  前記第1及び第2サイド部は、前記第1外部電極及び前記第2外部電極とそれぞれ接触する表面に粗さを有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
  前記第1及び第2サイド部は、前記第1外部電極及び前記第2外部電極とそれぞれ接触する部分に粗さを有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
  前記第1及び第2サイド部は、先端の粗さRaが2~100nmである、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
  前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、
  前記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置されて前記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2接続部と、
  前記第1及び第2接続部から前記キャパシタ本体の第5及び第6面の一部までそれぞれ延長される第1及び第2バンド部と、をそれぞれ含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
  前記第1及び第2バンド部の平均厚さがそれぞれ10μm以下である、請求項5に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
  前記第1及び第2サイド部の平均厚さがそれぞれ10μm以下である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
  前記キャパシタ本体は、第1及び第2内部電極が重なる活性領域と、前記活性領域の上下面にそれぞれ配置される上部及び下部カバー領域を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
  前記第1外部電極及び前記第2外部電極がめっき層をそれぞれ含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
  一面に第1及び第2電極パッドを有する基板と、
  前記第1及び第2電極パッド上に第1及び第2外部電極がそれぞれ接続されるように実装される請求項1から9のいずれか一項に記載の積層型キャパシタと、を含む、積層型キャパシタの実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、積層型キャパシタ及びその実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
  最近、電子機器の小型化及び多機能化に伴い、積層型キャパシタもサイズが小さく、容量の大きい製品が求められている。そのため、内部電極がキャパシタ本体の幅方向に露出するようにして、内部電極の幅方向の面積を最大化した構造の積層型キャパシタが製造されている。
【0003】
  このような構造の積層型キャパシタは、キャパシタ本体を作製した後、焼成前の段階でキャパシタ本体の幅方向の両面にサイド部を別途に取り付けて、サイド部が内部電極の露出した部分をカバーする。
【0004】
  しかしながら、上記のように、内部電極をキャパシタ本体の幅方向に露出した後、サイド部を取り付ける構造の積層型キャパシタには、塗布後の焼成進行時に外部電極がサイド部から浮き上がる現象が発生し、その隙間に湿気が浸透して不良が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
               【特許文献1】韓国登録特許第10-1141457号公報
               【特許文献2】特開2001-44066号公報
             
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
  本発明の目的は、容量を増加させながらも、外部電極とサイド部間の接着力を増加させて耐湿信頼性が向上するようにした積層型キャパシタ及びその実装基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
  本発明の一側面は、誘電体層と第1及び第2内部電極とを含み、互いに対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面、上記第1及び第2面と連結され、上記第3及び第4面と連結され、互いに対向する第5及び第6面を含み、上記第1内部電極が上記第3、第5及び第6面に露出し、上記第2内部電極が上記第4、第5及び第6面に露出するキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の第5及び第6面にそれぞれ配置され、表面に粗さを有する第1及び第2サイド部と、上記キャパシタ本体の第3面と第5及び第6面の一部に配置されて上記第1内部電極と接続される第1外部電極と、上記キャパシタ本体の第4面と第5及び第6面の一部に配置されて上記第2内部電極と接続される第2外部電極と、を含む積層型キャパシタを提供する。
【0008】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2サイド部は、上記第1及び第2外部電極とそれぞれ接触する表面に粗さを有することができる。
【0009】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2サイド部は、上記第1及び第2外部電極とそれぞれ接触する部分に粗さを有することができる。
【0010】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2サイド部は、先端の粗さRaが2~100nmであってもよい。
【0011】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置されて上記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2接続部と、上記第1及び第2接続部から上記本体の第5及び第6面の一部までそれぞれ延長される第1及び第2バンド部と、をそれぞれ含むことができる。
【0012】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2バンド部の平均厚さがそれぞれ10μm以下であってもよい。
【0013】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2サイド部の平均厚さがそれぞれ10μm以下であってもよい。
【0014】
  本発明の一実施形態において、上記キャパシタ本体は、第1及び第2内部電極が重なる活性領域と、上記活性領域の上下面にそれぞれ配置される上部及び下部カバー領域と、を含むことができる。
【0015】
  本発明の一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、めっき層をそれぞれ含むことができる。
【0016】
  本発明の他の側面は、一面に第1及び第2電極パッドを有する基板と、上記第1及び第2電極パッド上に第1及び第2外部電極がそれぞれ接続されるように実装される上記積層型キャパシタと、を含む積層型キャパシタの実装基板を提供する。
【発明の効果】
【0017】
  本発明の一実施形態によると、内部電極がキャパシタ本体の幅方向に露出するように拡張して積層型キャパシタの容量を増加させることができ、サイド部と外部電極の接着強度を増加させて積層型キャパシタの耐湿信頼性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
            【
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
 
            
            【
図3】(a)及び(b)は、
図1の積層型キャパシタの第1及び第2内部電極の積層構造を示した平面図である。
 
            【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
 
            【
図5】
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
 
            【
図6】
図1の積層型キャパシタが実装された基板を概略的に示した断面図である。
 
            【
図7】本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、サイド部の表面を拡大して示した写真である。
 
            【
図8】本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、焼成前のサイド部の表面を3D測定器を用いて示した写真である。
 
            【
図9】本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、焼成後のサイド部の表面を3D測定器を用いて示した写真である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0019】
  以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0020】
  また、類似の機能及び作用をする部分については、図面において同一の符号を使用する。
【0021】
  なお、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
  本発明の実施形態を明確に説明するために、方向を定義すると、図面に示されるX、Y及びZはそれぞれ積層型キャパシタの長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。
【0023】
  また、ここで、Z方向は、本実施形態において誘電体層が積層される積層方向と同一の概念で用いられることができる。
【0024】
  図1は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図であり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図3(a)及び
図3(b)は、
図1の積層型キャパシタの第1及び第2内部電極の積層構造を示す平面図であり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図5は、
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
 
【0025】
  以下、
図1~
図5を参照して、本実施形態の積層型キャパシタについて説明する。
 
【0026】
  図1~
図5を参照すると、本実施形態の積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110、第1及び第2サイド部141、142、第1及び第2外部電極131、132を含む。
 
【0027】
  キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層した後、焼成したものであって、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning  Electron  Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0028】
  また、キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111と誘電体層111を間に挟んでZ方向に交互に配置される互いに異なる極性を有する第1及び第2内部電極121、122とを含む。
【0029】
  また、キャパシタ本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分として誘電体層111を間に挟んで第1及び第2内部電極がZ方向に交互に配置される活性領域と、マージン部としてZ方向に上記活性領域の上下面にそれぞれ設けられる上部及び下部カバー領域112、113と、を含むことができる。
【0030】
  また、キャパシタ本体110は、その形状に特に制限はないが、六面体状であってもよく、Z方向に互いに対向する第1及び第2面(1、2)と、第1及び第2面(1、2)と互いに連結され、X方向に互いに対向する第3及び第4面(3、4)と、第1及び第2面(1、2)と連結され、第3及び第4面(3、4)と連結され、互いに対向する第5及び第6面(5、6)と、を含むことができる。このとき、本実施形態では、第1面(1)が積層型キャパシタ100の実装面であってもよい。
【0031】
  誘電体層111は、セラミック粉末、例えば、BaTiO3系セラミック粉末などを含むことができる。
【0032】
  また、上記BaTiO3系セラミック粉末は、BaTiO3(BT)にCaまたはZrなどが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などが挙げられ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
  また、誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などが添加されることができる。
【0034】
  上記セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などが含まれることができる。
【0035】
  第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性が印加される電極であって、それぞれの誘電体層111上に形成されてZ方向に交互に積層されることができ、一つの誘電体層111を間に挟んでキャパシタ本体110の内部にZ方向に沿って互いに対向するように交互に配置されることができる。
【0036】
  このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁することができる。
【0037】
  また、第1内部電極121は、誘電体層111の第3、第5及び第6面(3、5、6)に露出する。
【0038】
  このとき、第1内部電極121は、キャパシタ本体110の第3面(3)と第5面(5)を連結するコーナー及びキャパシタ本体110の第3面(3)と第6面(6)を連結するコーナーにも露出することができる。
【0039】
  第2内部電極122は、誘電体層111の第4、第5及び第6面(4、5、6)に露出する。
【0040】
  このとき、第2内部電極122は、キャパシタ本体110の第4面(4)と第5面(5)を連結するコーナー及びキャパシタ本体110の第4面(4)と第6面(6)を連結するコーナーにも露出することができる。
【0041】
  このとき、キャパシタ本体110の第3及び第4面(3、4)に交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述するキャパシタ本体110のX方向の両端部に配置される第1及び第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0042】
  上記のような構成によって、第1及び第2外部電極131、132に所定の電圧を印加すると、第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0043】
  このとき、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域においてZ方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重なり面積と比例するようになる。
【0044】
  本実施形態のように、第1及び第2内部電極121、122を構成すると、第1及び第2内部電極121、122の基本面積が拡張するだけでなく、上下に重なる面積も増加するため、積層型キャパシタ100の容量を増加させることができる。
【0045】
  すなわち、第1及び第2内部電極121、122の互いに重なる領域の面積が最大になる場合、同一サイズのキャパシタであっても静電容量を最大化することができる。
【0046】
  また、内部電極の積層による段差を減少させ、絶縁抵抗の加速寿命を向上させることができ、容量特性に優れながらも、信頼性の向上した積層型キャパシタ100を提供することができる。
【0047】
  このとき、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、貴金属材料またはニッケル(Ni)及び銅(Cu)のうち少なくとも一つ以上の物質からなる導電性ペーストを使用して形成することができる。
【0048】
  上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを使用することができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
  第1サイド部141は、キャパシタ本体110の第5面(5)に配置され、第2サイド部142は、キャパシタ本体110の第6面(6)に配置される。
【0050】
  第1及び第2サイド部141、142は、第1及び第2内部電極121、122において、キャパシタ本体110の第5及び第6面(5、6)に露出する部分の先端をそれぞれカバーするように接する。
【0051】
  第1及び第2サイド部141、142は、キャパシタ本体110と第1及び第2内部電極121、122を外部衝撃などから保護し、キャパシタ本体110の周囲の絶縁性及び耐湿信頼性を確保する役割を果たすことができる。
【0052】
  図7は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、サイド部の表面を拡大して示した写真であり、
図8は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、焼成前のサイド部の表面を3D測定器を用いて示した写真であり、
図9は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタにおいて、焼成後のサイド部の表面を3D測定器を用いて示した写真である。
 
【0053】
  図7~
図9のように、第1及び第2サイド部141、142は表面に粗さを有する。
 
【0054】
  このとき、第1サイド部141は、Y方向にキャパシタ本体110の第6面(6)に向かう面と対向する表面が粗さを有し、その他の残りの面は粗さを有しないように構成することができる。
【0055】
  すなわち、第1サイド部141は、第1外部電極131と接触する表面に粗さを有することができ、この時、当該表面全体に粗さを有することができるが、必要に応じて、第1外部電極131の第1バンド部131bと接触する部分にのみ粗さを有するように構成することができる。
【0056】
  第2サイド部142は、Y方向にキャパシタ本体110の第5面(5)に向かう面と対向する表面が粗さを有し、その他の残りの面は粗さを有しないように構成することができる。
【0057】
  すなわち、第2サイド部142は、第2外部電極132と接触する表面に粗さを有することができ、この時、当該表面全体に粗さを有することができるが、必要に応じて、第2外部電極132の第2バンド部132bと接触する部分にのみ粗さを有するように構成することができる。
【0058】
  このような第1及び第2サイド部141、142は、キャパシタ本体110の第5及び第6面(5、6)にそれぞれ熱圧着によって取り付けることができ、この時、熱圧着に使用される金型にパターンや粗さを有する部材を取り付けて第1及び第2サイド部141、142の表面に一部分が転写されることで、粗さを形成することができる。但し、本発明において、サイド部の表面に粗さを形成する方法は、このような方法に限定されるものではない。
【0059】
  第1及び第2外部電極131、132は、互いに異なる極性の電圧が供給され、本体110のX方向の両端部に配置され、第1及び第2内部電極121、122においてキャパシタ本体110の第3及び第4面(3、4)に露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0060】
  第1外部電極131は、第1接続部131aと第1バンド部131bとを含むことができる。
【0061】
  第1接続部131aは、キャパシタ本体110の第3面(3)に配置され、第1内部電極121においてキャパシタ本体110の第3面(3)によって外部に露出する端部と接触して、第1内部電極121と第1外部電極131とを互いに物理的及び電気的に連結する役割を果たす。
【0062】
  第1バンド部131bは、第1接続部131aからキャパシタ本体110の第5及び第6面(5、6)の一部まで延長されて第1及び第2サイド部141、142の一端部を覆うように形成される部分である。
【0063】
  このとき、第1バンド部131bは、必要に応じて、固着強度の向上などのためにキャパシタ本体110の第1及び第2面(1、2)側にさらに延長されることができる。
【0064】
  第2外部電極132は、第2接続部132aと第2バンド部132bとを含むことができる。
【0065】
  第2接続部132aは、キャパシタ本体110の第4面(4)に配置され、第2内部電極122においてキャパシタ本体110の第4面(4)によって外部に露出する端部と接触して、第2内部電極122と第2外部電極132とを互いに物理的及び電気的に連結する役割を果たす。
【0066】
  第2バンド部132bは、第2接続部132aからキャパシタ本体110の第5、第6面(5、6)の一部まで延長されて第1及び第2サイド部142の他端部を覆うように形成される部分である。
【0067】
  このとき、第2バンド部132bは、必要に応じて、固着強度の向上などのためにキャパシタ本体110の第1及び第2面(1、2)側にさらに延長されることができる。
【0068】
  また、第1及び第2外部電極131、132において、第1及び第2バンド部131b、132bの平均厚さは、それぞれ10μm以下であってもよい。
【0069】
  そして、第1及び第2サイド部141、142の平均厚さは、それぞれ10μm以下であってもよい。
【0070】
  チップの有効体積を増大させるために、外部電極またはサイド部を薄型化すると、焼成及び硬化の進行時に応力により外部電極とサイド部の間に浮き上がり結合が増加するようになり、このような浮き上がりは耐湿信頼性不良の原因となることがある。
【0071】
  本実施形態では、サイド部の表面が粗さを有することにより、サイド部と外部電極間の接着性を向上させることができ、さらに、相対的にチップの有効体積を増大させながらも積層型キャパシタ100を小型化することができ、積層型キャパシタ100の製造工程を簡素化することができ、製造コストを減少させることができる。
【0072】
  また、第1及び第2外部電極131、132は、構造的信頼性、基板実装の容易性、外部に対する耐久度、耐熱性、等価直列抵抗(Equivalent  Series  Resistance、ESR)のうち少なくとも一部を改善するためにめっき層をそれぞれ含むことができる。
【0073】
  このとき、上記めっき層は、スパッタまたは電解めっき(ElectricDeposition)により形成されることができるが、これに限定されない。
【0074】
  また、上記めっき層は、ニッケルを最も多く含有することができるが、これに限定されず、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)または鉛(Pb)などの単独またはこれらのうち少なくとも一つ以上の合金で実現することができる。
【0075】
  また、第1及び第2サイド部141、142は、表面の粗さRaが2~100nmであってもよい。
【0076】
  第1及び第2サイド部141、142の粗さが2nm未満であると、外部電極の接着性の有意差を確認するテープテストで不良が発生する可能性があり、耐湿信頼性の評価でも不良が発生する可能性がある。
【0077】
  第1及び第2サイド部141、142の粗さが100nmを超えると、熱圧着工程でキャパシタ本体110の第5及び第6面(5、6)に取り付け難いという問題が発生する可能性がある。
【0078】
  下記表1は、積層型キャパシタにおいて、サイド部の粗さを3D測定器を用いて測定した値である。
【0079】
  表1において、#1~#5は、サイド部の表面に別途に粗さを形成する過程を行っていない1群の積層型キャパシタであり、#6~#10は、約20nmの粗さを有するようにした2群であり、#11~#15は、#6~#10において約20nmの粗さをさらに増加させた3群であり、#16~#20は、#11~#15において約20nmの粗さをさらに増加させた4群として分類する。
【0080】
【0081】
  ここで、実験に使用される積層型キャパシタは、長さ×幅×厚さが0.395mm×0.211mm×0.219mmであり、内部電極の総積層数は238個であり、外部電極のバンド部の厚さは約7μmであり、サイド部の厚さは約10μmである。
【0082】
  そして、サイド部の粗さを表1のように異ならせた20個の試料に対し、テープテスト(Tape  Test)を行い、外部電極とサイド部間の接着性を確認して不良の個数を表2に示す。
【0083】
  ここで、ステップ(Step)1は、Refとしてテープテスト800gfを5回実施したものであり、ステップ2は、55℃で水に10分間含浸した後、テープテスト800gfを5回実施したものであり、ステップ3は、テープテスト1600gfを5回実施したものであり、ステップ4は、テープテスト1600gfを5回実施した結果を示したものである。このとき、それぞれのサンプルは10回ずつテストを実施した。
【0084】
【0085】
  表2を見ると、サイド部が粗さを有する2群、3群、4群の場合、比較例である1群に比べて接着力テストで不良率が低いことが確認できる。
【0086】
  また、粗さが大きくなる場合、不良率が相対的にさらに低くなることが確認できる。
【0087】
  本実施形態において、サイド部の表面の粗さRaが2~100nmであってもよく、より好ましくは2~70nmであってもよい。
【0088】
  一方、表1の内容に基づいて耐湿信頼性の検査をさらに行った結果、1群では、50個のうち5件の不良が発生し、2群、3群、4群では、不良が1件も発生していない。
【0089】
  図6を参照すると、本実施形態による積層型キャパシタの実装基板は、一面に第1及び第2電極パッド221、222を有する基板210と基板210の上面において第1及び第2外部電極131、141が第1及び第2電極パッド221、222上にそれぞれ接続されるように実装される積層型キャパシタ100を含む。
 
【0090】
  本実施形態において、積層型キャパシタ100は、半田231、232によって基板210に実装されることを図示して説明しているが、必要に応じて、半田の代わりに導電性ペーストを使用することができる。
【0091】
  本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【0092】
  したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0093】
  100:積層型キャパシタ
  110:キャパシタ本体
  111:誘電体層
  121、122:第1及び第2内部電極
  131、132:第1及び第2外部電極
  131a、132a:第1及び第2接続部
  131b、132b:第1及び第2バンド部
  141、142:第1及び第2サイド部
  210:基板
  221、222:第1及び第2電極パッド
  231、232:半田