(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077004
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20220513BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20220513BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20220513BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/165
H05B47/16
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176845
(22)【出願日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2020186934
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】高井 大幹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 圭介
(72)【発明者】
【氏名】川原田 剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 一行
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 堅治
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273QA29
3K273QA40
3K273RA08
3K273RA16
3K273RA17
3K273SA19
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA30
3K273TA32
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA66
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】複数の照明器具を設置場所に設置する際の設定作業者の手間を従来に比べ大幅に低減できる照明システムを提供する。
【解決手段】複数の照明器具4と、複数の照明器具4を無線により制御する照明制御装置6とを備える照明システム1であって、照明制御装置6は、表示部65を備え、予め作成され保管手段(クラウド3)に保管されている、各照明器具4に関する情報であり、複数の照明器具4のうち同一の制御を行うグループを表す器具情報を取得し、設置場所に設置した各照明器具を制御可能にするための設定において、複数の照明器具4から、各々を識別する器具識別情報を取得し、表示部65に器具情報を表示し、表示された器具情報を参照して行われるユーザ操作に基づき、器具情報と器具識別情報とを対応づける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具と、前記複数の照明器具を無線により制御する照明制御装置とを備える照明システムであって、
前記照明制御装置は、表示部を備え、
予め作成され保管手段に保管されている、各照明器具に関する情報であり、前記複数の照明器具のうち同一の制御を行うグループを表す器具情報を取得し、
設置場所に設置した各照明器具を制御可能にするための設定において、前記複数の照明器具から、各々を識別する器具識別情報を取得し、取得した前記器具識別情報のうちユーザ操作に基づき選択された前記器具識別情報を前記グループに対応づける
照明システム。
【請求項2】
前記設定において、前記複数の照明器具から、各々を識別する器具識別情報を取得し、前記表示部に前記器具情報を表示し、表示された前記器具情報を参照して行われるユーザ操作に基づき、前記器具情報と前記器具識別情報とを対応づける
請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記保管手段は、クラウドシステムであり、
前記照明制御装置は、前記器具情報の取得を、ネットワークを介して前記クラウドシステムから前記器具情報を受信することにより行う
請求項1又は2記載の照明システム。
【請求項4】
前記保管手段は、記録媒体であり、前記器具情報は、前記記録媒体に記録されており、
前記照明制御装置は、前記器具情報の取得を、前記記録媒体から前記器具情報を読み出すことにより行う
請求項1又は2記載の照明システム。
【請求項5】
前記器具情報は、データ作成装置を用いて作成され、
前記データ作成装置は、前記保管手段に前記器具情報を保管させる
請求項1から4のいずれか1項記載の照明システム。
【請求項6】
前記データ作成装置は、
前記複数の照明器具に関する属性の入力を受け付けて、前記属性を表す文字を含む器具名を生成し、前記器具名を含めた前記器具情報を前記保管手段に保管させ、
前記照明制御装置は、
通信可能な前記照明器具から前記器具識別情報を受信し、
前記保管手段から前記器具情報を取得し、
前記器具情報に含まれる前記器具名と、前記器具識別情報とを対応付けるためのグラフィカルユーザインターフェースを表示する
請求項5記載の照明システム。
【請求項7】
前記グラフィカルユーザインターフェースは、前記器具名を前記文字に基づきソートして表示する
請求項6記載の照明システム。
【請求項8】
前記器具名は、前記属性として、前記複数の照明器具のうち同一の制御を行うためのグループを表す文字を含む
請求項6又は7記載の照明システム。
【請求項9】
前記グループ名は、前記複数の照明器具のそれぞれが設置される配置位置を反映している
請求項6から8のいずれか一項記載の照明システム。
【請求項10】
前記器具情報は、時間の経過に従い照明器具の動作を変更するスケジュール制御を示すスケジュールデータを含む
請求項1から9のいずれか一項記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により複数の照明器具を制御する照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線制御される複数の照明器具を設置現場に設置する場合に、同機種の照明器具は個々に区別されずに納品されて設置されるので、設定が終わった状態では個々の照明器具の区別がつかない。このため、照明器具個々からIDを収集し、IDを指定して各照明器具を1個ずつ点灯させ、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)上に示される設置現場を模式的に表す配灯図における、点灯した照明器具を模したシンボル(象徴画像)に、点灯した照明器具のIDを対応づけて、どのIDの照明器具が実際どの位置に配置されているかを特定する作業を行う。その後、複数のうちのいくつかの照明器具について同じ制御を行うためのグループに関する設定、複数のグループをまとめて制御するシーンに関する設定、また、グループ及びシーンについてスケジュールに基づき制御するための設定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、照明器具のIDと、GUI上のシンボルとを対応づけた上で、更に、グループに関する設定、シーンに関する設定、スケジュールに関する設定を行うことになり、照明器具の設置時において設定のために多大な時間を要してしまうという問題がある。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、複数の照明器具を設置場所に設定する際の設定作業者の手間を従来に比べ大幅に低減できる照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る照明システムは、複数の照明器具と、前記複数の照明器具を無線により制御する照明制御装置とを備える照明システムであって、前記照明制御装置は、表示部を備え、予め作成され保管手段に保管されている、各照明器具に関する情報であり、前記複数の照明器具のうち同一の制御を行うグループを表す器具情報を取得し、設置場所に設置した各照明器具を制御可能にするための設定において、前記複数の照明器具から、各々を識別する器具識別情報を取得し、取得した前記器具識別情報のうちユーザ操作に基づき選択された前記器具識別情報を前記グループに対応づける。
【発明の効果】
【0007】
上述の構成により、複数の照明器具を設置場所に設置した後の、作業者による、グループに関する設定の手間を従来に比べ大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明システムの全体構成を示す図である。
【
図2】(a)照明システムを構成する照明器具の構成を示すブロック図、(b)照明システムを構成するスマートフォン6の構成を示すブロック図である。
【
図3】グループ、ルーム及び照明器具の配置を表す配灯図である。
【
図4】ルーム構成データ及びグループ構成データの内容を表す図である。
【
図6】(a)デバイス検索GUIの一例を示す図、(b)対応付けGUIの一例を示す図、(c)照明器具と器具名を対応付けるためのGUIの一例を示す図である。
【
図8】(a)シーンデータの内容を示す図、(b)タイムテーブルデータの内容を示す図である。
【
図11】(a)グループ制御を行うためのGUIの一例を示す図、(b)シーン制御を行うためのGUIの一例を示す図である。
【
図12】スケジュール制御を行うためのGUIの一例を示す図である。
【
図13】本発明の一変形例に係る照明システムの構成を示す図である。
【
図14】本発明の一変形例に係るゲートウェイの構成を示す図である。
【
図15】(a)本発明の第3の実施形態に係るルーム設定GUIの一例を示す図、(b)ルーム設定GUIにおいて、ルームに含まれるグループをツリー構造で表示する例を示す図である。
【
図16】(a)本発明の第3の実施形態に係るルーム個別設定GUIの一例を示す図、(b)ルーム個別設定GUIにおいて、通信可能な照明器具4をデバイス検索の結果として表示する画面の一例を示す図、(c)器具対応付け処理が終わったことを示すメッセージを表示する対応付けGUIの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
<1.1.構成>
以下、本発明の一実施形態に係る照明システム1について図面を参照しながら説明する。
【0010】
【0011】
図1に示すように、照明システム1は、データ作成装置2、クラウド3、無線通信機能を備えた複数(一例として20台)の照明器具4-n(nは1~20)(以下「照明器具4」と総称する。)、及び照明器具4を制御するための照明制御装置の一例としてのスマートフォン6を含む。クラウド3は、制御データを保管する保管手段の一例としてのクラウドシステムであり、ネットワークを通じて各種コンピューティングサービスを提供する。
【0012】
ここで、照明器具4及びスマートフォン6は、設置場所の一例としての住宅に配されており、データ作成装置2は、この住宅の施工業者の事務所など設置場所とは離れた場所に配されている。照明器具4を制御するのに用いられる制御データの一部は、施工業者など(以下、制御データを作成する者を「データ作成者」という。)によりデータ作成装置2を用いて作成され、クラウド3に送信され、クラウド3により保管される。クラウド3に保管された制御データは、スマートフォン6によりダウンロードされて保持され、照明器具4を制御する際に使用される。
【0013】
データ作成装置2は、コンピュータシステムであり、表示部の一例としてのディスプレイ25を備える。データ作成装置2は、データ作成ソフト26を動作させることができる。データ作成ソフト26は、一例として、Microsoft Excel(登録商標)とするが、これに限らず、データ作成者が、数値や文字などを表形式などのように整然と、容易に把握できるよう入力できれば足り、例えば、他の表計算ソフトや、テキストエディタなどであってもよい。
【0014】
照明器具4のそれぞれ及びスマートフォン6は、相互に無線により通信する。無線による通信は、一例としてBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格に従うものとする。照明器具4及びスマートフォン6は、メッシュネットワークを構成し、それぞれは、無線到達範囲外の場合や、障害物が存在し無線が到達しないような場合であっても、メッシュネットワークの範囲内で、メッシュネットワークを通じて間接的に通信を行うことができる。
【0015】
照明器具4のそれぞれは、複数色(一例として高色温度白色及び低色温度白色)のLED(Light Emitting Diode)パッケージを備えており、各LEDパッケージの調光率のバランスにより照明器具4が発光する際の色温度などの調色値が変化する。また、照明器具4は、消灯状態である0%から全点灯状態である100%まで調光率の指定を受けて、指定された調光率に発光状態を制御することができる。照明器具4は、スマートフォン6により送信される制御信号を受信し、制御信号に応じた発光等の動作を行う。
【0016】
スマートフォン6は、設置場所に設置した照明器具4を制御可能にするために行う設定である設置時設定、ユーザが所望する調光率、色度を照明器具4に指示するためなどのGUIを備え、ユーザによる動作指示の入力、又は予め設定されたスケジュールに従い、照明器具4に制御信号を送信して、照明器具4の動作を制御する。
【0017】
<1.1.1.照明器具4>
以下、照明器具4の構成について、照明器具4-1を例に説明するが、他の照明器具4-2、4-3・・・4-20についても構成は同じである。
【0018】
照明器具4-1は、
図2(a)に示すように、光源部40、回路部43、WM(ワイヤレスモジュール)部44を備える。
【0019】
光源部40は、LEDパッケージで構成された光源、及び光源を配置する回路基板を備える。なお、光源は、照明用の光源として機能すれば足り、有機EL(Electro Luminescence)デバイスなどLED以外で構成されていてもよい。光源部40は、入力される制御信号に基づき、光源の点灯、消灯、調光率変更、色度変更(「調色」ともいう)などの動作を行う。
【0020】
回路部43は、WM部44を装着するソケットを備え、WM部44から受信した制御信号に応じて、光源部40に対して直流電流を供給する機能を有する。
【0021】
WM部44は、無線通信を行うモジュールであり、挿抜可能な単体のデバイスとして構成され、回路部43のソケットに着脱可能である。WM部44は、複数の通信仕様に従い無線通信可能であるとするが、これに限らず、例えば異なる通信仕様ごとに専用のWM部44が用意され、使用する通信プロトコルに応じたWM部44がソケットに装着されるものとしてもよい。WM部44は、無線通信部44a及び制御部44bを備える。
【0022】
無線通信部44aは、無線通信を行う機能を有する。無線通信部44aは、情報を送信する送信手段、及び情報を受信する受信手段として機能する。無線通信部44aは、照明器具4を個々に識別するための器具識別情報の一例としてMedia Access Control address(以下「MACアドレス」という)を保持している。MACアドレスは、無線通信のアドレスとしても用いられる。無線通信部44aは、通信データを受信した場合に、自装置宛ての通信データであれば制御部44bに通知し、他装置宛ての通信データであればメッシュネットワークを介して他装置に転送する。
【0023】
制御部44bは、IC(Integrated Circuit)を備え、照明器具4の動作を制御する機能を有する。
【0024】
制御部44bは、光源の点灯、消灯、点滅、調光率増加、調光率減少など光源の動作に関する制御信号を受信した場合、受信した制御信号が示す動作を行わせるための制御信号を回路部43に出力する。
【0025】
<1.1.2.スマートフォン6>
スマートフォン6は、
図1に示すような長方形板状の外観を有し、一つの面にタッチパネル65が嵌め込まれた可搬型の情報端末装置である。スマートフォン6は、照明器具4の発光動作を制御する機能を有し、タッチパネル65に、設置時設定、照明器具4の発光動作を制御するため等のGUIを表示する。
【0026】
スマートフォン6は、タッチパネル65に表示されているGUIの内容と、ユーザにより行われるタッチパネル65へのタッチ、ジェスチャ入力などのユーザ入力とに基づき、ユーザが要求している動作指示を判断し、ユーザ入力に基づく制御信号を、制御対象とする照明器具4に送信する。
【0027】
スマートフォン6は、
図2(b)に示すように、制御部61、ROM62、RAM63、無線通信部64、及びタッチパネル65を備える。
【0028】
ROM62は、フラッシュメモリなどで構成され、アプリ、プログラム、GUIとして表示する画像データ、制御プログラムのほか各種のデータを保持する。
【0029】
RAM63は、ROM62に格納された制御プログラムがロードされる記憶装置である。
【0030】
タッチパネル65は、GUIを構成する画像、情報を表示する表示部と、ユーザ指示の入力を受け付ける入力部とを組み合わせた電子部品であり、ユーザインターフェイス手段として機能する。表示部は、一例として液晶パネルで構成される。また、入力部は、一例としてタッチパッドである。タッチパネル65は、ユーザ入力を制御部61に通知する。
【0031】
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)を備える。スマートフォン6の各機能は、ROM62からロードされてRAM63に記憶される照明制御プログラムを制御部61が実行することにより実現される。制御部61は、タッチパネル65に表示させているGUIと、タッチパネル65から通知されるユーザ入力とに基づいてユーザ指示の内容を特定し、ユーザ指示に応じた処理を実行する。
【0032】
無線通信部64は、無線通信を行うデバイスで構成される。無線通信部64は、照明器具4のそれぞれとの間で無線通信を行う。
【0033】
スマートフォン6では、GUIなどは予めROM62に保存している必要はなく、GUI表示が可能なアプリをサーバからダウンロードし、ROM62に保存させることとしてもよい。すなわち市場に流通するスマートフォンにアプリをダウンロードさせることで、このスマートフォンをユーザインターフェイス手段として利用することができるようになる。
【0034】
<1.2.設定>
<1.2.1.概要>
照明器具4は、住宅における各照明器具の配置を示す配灯
図100に従って配置される。配灯
図100(
図3参照)は、例えば、建築デザインを行う設計事務所において作成される。
【0035】
照明器具4は、器具識別情報により一意に識別可能であるが、設置場所に納入される場合に、照明器具4それぞれがいずれの器具識別情報が付されているのかが区別されていない状態で一括して納入される。そして、設置を行う作業者によって、照明器具4を個々に区別することなく、配灯
図100に従い天井や壁などに設置される。このため、照明器具4の設置作業が完了した状態では、どの位置にどの器具識別情報で識別される照明器具4が配されたのかを把握することができない。
【0036】
一方で、照明器具4の制御は、器具識別情報を指定して行う。よって、この状態では、所望の位置に配された照明器具4を特定して制御することが難しい。
【0037】
よって、照明システム1においては、住宅に照明器具4が設置された後、スマートフォン6を用い、各設置位置に配された照明器具4が、どの器具識別情報を持つものかを特定する処理(以下「器具対応付け処理」という。)を行う。これにより、ある設置位置に設置された照明器具4を制御しようとする場合に、器具識別情報によりその照明器具4を特定し、制御信号等を送信して制御できるようになる。
【0038】
また、従来は、この器具対応付け処理を行った後、引き続き、それぞれの器具識別情報が明らかになった照明器具4を、グループ制御を行うため照明器具4をグループに分ける設定、ルーム制御を行うためグループ及び照明器具4をルームに分ける設定、及びスケジュール制御するために時刻ごとに行う制御を設定していく設定などの設定処理(以下「グループ等設定処理」という。)を作業者が行っていた。しかしながら、このグループ等設定処理を行うための作業者の負担は非常に大きかった。
【0039】
これに対し、照明システム1においては、グループ等設定処理により生成される情報を、照明器具4の設置時よりも前に、予め作成してクラウド3内に保存しておき、設置時にスマートフォン6にダウンロードして保持している。
【0040】
これにより、器具対応付け処理が完了したときには、すでにグループ等設定処理がされたのと同等のデータがスマートフォン6内に保存されている状態になる。このため、照明器具4の設置時に作業者が行っていたグループ等設定処理を行う必要がなくなり、作業者の負荷を大幅に低減することができる。
【0041】
<1.2.2.配灯
図100>
図3は、設計事務所でデザインされた住宅の一部についての配灯
図100を示す。配灯
図100は、住宅内のいずれの位置に、いずれの照明器具を配するかを表している。
【0042】
<ルーム、グループ>
配灯
図100中、グレー色付きの矩形で囲む名称(「キッチン」、「パントリー」など)は、ルーム又はグループを示す。グループは、同一の制御を行う照明器具4の集合である。ルームは、1以上のグループ、及び/又はグループに属さない照明器具4の集合である。ここで、ルームに該当するのは、「リビング」、「キッチン」、「パントリー」、「洗面所」、「トイレ」、「子供部屋」、「寝室」、及び「廊下」である。また、グループに該当するのは、「ダイニング」、「ソファ」、「間接」であり、これらは全て、ルーム「リビング」に属する。ここでは、グループ及びルームは、一例として、それぞれダイニング及びリビングなどであり、照明器具4の配置される範囲、配置される位置も表している。
【0043】
<シンボル>
シンボル101~120は、それぞれ照明器具を表している。シンボル101~120の形について、一例として丸はダウンライト、正方形はスクエア型照明器具、長方形は長細形状のベースライトのように、照明器具の分類を表しているが、必ずしもシンボル101~120の形を区別して描く必要はない。
【0044】
配灯
図100は、器具対応付け処理を実行するときに作業者により使用される。よって、器具対応付け処理の実行前に、作業者は入手しているものとする。
【0045】
<1.2.3.グループ制御、シーン制御及びスケジュール制御>
ここで、照明システム1で、複数の照明器具4をまとめて制御するグループ制御、シーン制御及びスケジュール制御(以下「グループ等制御」と総称する。)について説明しておく。
【0046】
グループ制御は、照明器具4の集まりであるグループを単位として一括して制御である。グループ制御では、同一のグループに属する照明器具4に対して同一の制御を行う。例えば、グループ制御によって、同一のグループに属する照明器具4の調光率を同一になるよう制御したり、同一のグループに属する照明器具4を一斉に消灯するよう制御する。
【0047】
シーン制御は、グループの集合であるルームを単位として行う制御である。シーン制御では、ルームに属する1以上のグループのそれぞれについてグループ制御が行われる。例えば、シーン制御により、第1のグループに属する照明器具は全て調光率が50%にされ、第2のグループに属する照明器具は全て調光率が70%にされる。
【0048】
なお、ルームに属するグループは一つでもよく、この場合、シーン制御はグループ制御と何ら変わらない。また、「ルーム」という文言について、複数のグループの集まりである以上の意味は持たせておらず、文字通り「部屋」を単位とした制御に限ることを意図するものではない。
【0049】
また、ルームに属するグループが無い場合、ルームに属する照明器具4を単位として一括して制御することになるため、ルームはグループと実質的に同じとなる。すなわち、この場合のシーン制御は、広義のグループ制御といえる。
【0050】
スケジュール制御は、時間の経過に従い照明器具の動作、グループ制御及び/又はルーム制御を変更する制御である。
【0051】
例えば、第1及び第2のグループが含まれるルームについて、10時には第1のグループに属する照明器具4の調光率を50%にする制御を行い、第2のグループに属する照明器具4の調光率を70%にする制御を行う。そして13時になると、第1のグループに属する照明器具4の調光率を60%にする制御を行い、第2のグループに属する照明器具4の調光率を77%にする制御を行う。
【0052】
<1.2.4.データ作成処理>
以下、照明器具4の設置に先立ち、上述のデータ作成装置2により予め作成される照明器具に関する設定、照明器具を制御するためのデータ(以下「器具情報」と総称する。)のそれぞれについて説明する。
【0053】
<1.2.4.1.ルーム及びグループの構成を定めるデータ>
<ルーム構成データ400>
器具情報の一例であるルーム構成データ400は、ルームに関する情報を記載したデータであり、一例として表形式である。
【0054】
図4は、データ作成ソフト26を用いて作成される、ルーム構成データ400、及びグループ構成データ500の構成を示す。
【0055】
ルーム構成データ400は、
図4に示すように、各行が1個のルームに対応するルーム構成データエントリであり、各ルーム構成データエントリは、ルームID、ルーム名、フェード時間、ルーム記号、及び台数を含む。
【0056】
ルーム名は、ルームの名称を示す。ルームIDは、ルームを識別する識別情報である。フェード時間は、単位が秒であり、スケジュール制御をする場合に、次の照明状態に移り替わるまでの時間を示す。
【0057】
ルーム記号は、ルームについて把握容易であり、ユーザにとって、その内容を認識しやすい文字や記号などである。例えば、ルーム構成データエントリ420の場合、ルーム記号は「L」であってリビングを表しており、リビングを英語表記する場合の頭文字である。
【0058】
なお、ルーム記号は、人がその内容を認識しやすく表現されていれば足り、例えば、その内容を英語表記する場合の先頭2文字であってもよいし、日本語で標記する場合の頭文字(例えば「リ」)や、先頭2文字「リビ」などであってもよい。
【0059】
台数は、ルームに含まれる照明器具、センサーなど制御対象となる器具の総数である。
【0060】
一例として
図4に示す、ルーム構成データエントリ420の場合、ルーム名が「リビング」であるルームに関し、そのルームIDが1、フェード時間が5、ルーム記号がL、台数が7である。
【0061】
また、ルーム構成データエントリ430の場合、ルーム名が「キッチン」であるルームに関し、そのルームIDが2、フェード時間が3、ルーム記号がK、台数が7である。
【0062】
ルーム名及びルーム記号は、それぞれの照明器具に関する属性の一つとして、照明器具の属するルームを表している。
【0063】
<グループ構成データ500>
器具情報の一例であるグループ構成データ500は、グループに関する情報を記載したデータであり、一例として表形式である。
【0064】
グループ構成データ500は、
図4に示すように、各行が、グループを表すグループ構成データエントリであり、これらのグループ構成データエントリで示されるグループが属するルームのルーム名を含む。グループ構成データエントリは、グループID、グループ名、グループ記号、及び台数を含む。
【0065】
グループ名は、そのグループ構成データが示すグループの名称である。グループIDは、グループを識別する識別情報である。フェード時間は、単位が秒であり、スケジュール制御をする場合に、次の照明状態に移り替わるまでの時間である。
【0066】
グループ記号は、グループについて把握容易であり、ユーザにとって、その内容を理解し易い文字、記号などである。例えば、グループ構成データエントリ520の場合、グループ記号は「D」であって配置位置であるダイニングを表しており、ダイニングを英語表記する場合の頭文字である。
【0067】
なお、グループ記号は、人がその内容を認識しやすく表現されていれば足り、例えば、ダイニングを英語表記する場合の先頭2文字であってもよいし、日本語で標記する場合の頭文字「ダ」や、先頭2文字「ダイ」などであってもよいし、また、照明器具が配置される場所、出迎え用、足元灯などのように照明器具の果たす役割、用途などを表すようにしてもよい。
【0068】
台数は、グループに含まれる照明器具、センサーなど制御対象となる器具の総数である。
【0069】
一例として
図4に示す、グループ構成データエントリ520の場合、グループ名が「ダイニング」であるグループに関し、そのグループIDが1、グループ記号がD、台数が2である。
【0070】
また、グループ構成データエントリ530の場合、グループ名が「ソファ」であるグループに関し、そのグループIDが2、グループ記号がS、台数が2である。
【0071】
グループ名及びグループ記号は、それぞれの照明器具に関する属性の一つとして、照明器具の属するグループを表している。
【0072】
<所属器具名データ600>
データ生成装置2は、ルーム構成データ400及びグループ構成データ500を参照して所属器具名データ600を生成する。器具情報の一例である所属器具名データ600は、各行が、ルーム名と、グループ名、及びその照明器具4の器具名の対応を表す所属器具名データエントリの一覧である。
【0073】
所属器具名データ600に含まれる器具名が、後述の器具対応付け処理において、器具識別情報と対応づけられる。器具名は、それぞれの照明器具が属するルーム、グループなど、照明器具に関する属性を表す文字を含む。
【0074】
所属器具名データは、一例として、以下の手順で、データ生成装置2により自動生成される。
【0075】
(1)データ生成装置2は、ルーム構成データ400の各ルーム構成データエントリを参照し、それぞれのルーム構成データエントリに含まれる台数と同数の所属器具名データエントリを生成する。そして、生成した所属器具名データエントリのルーム名には、全て、参照したルーム構成データエントリのルーム名を記載する。
【0076】
例えば、データ生成装置2は、ルーム構成データエントリ420を参照した場合、台数で示される7個の所属器具名データエントリを生成し、生成した7個の所属器具名データエントリのルーム名には、全て、参照したルーム構成データエントリ420のルーム名である「リビング」を記載する。ルーム構成データエントリ420の以外のルーム構成データエントリについても同様の処理を行う。
【0077】
(2)次に、グループ構成データのそれぞれについて、含まれるルーム名が、所属器具名データエントリのルーム名と一致するものを参照する。そして、参照したグループ構成データの各グループ構成データエントリに記載の台数分、ルーム名が一致した所属器具名データエントリのグループ名に、参照したグループ構成データのグループ名を記載する。
【0078】
例えば、グループ構成データエントリ520を参照した場合、ルーム名は「リビング」であり、(1)で生成した所属器具名データエントリ(610、620など)のルーム名と一致する。そして、グループ名が「ダイニング」であり、台数が「2」であるので、ルーム名が「リビング」である所属器具名データエントリのうちの2個に、グループ名として「ダイニング」を記載する(一例として、所属器具名データエントリ610、620)。
【0079】
グループ構成データ500について、グループ構成データエントリ520の以外のグループ構成データエントリについても同様の処理を行う。
【0080】
また、グループ構成データ500以外のグループ構成データが存在する場合にも、グループ構成データ500と同様の処理を行う。
【0081】
以上の処理により、所属器具名データ600において、ルーム名と、属するグループ名の対応付けがされる。
【0082】
(3)次に、各所属器具名データエントリの器具名欄に、器具名を記載する。
【0083】
器具名は、「ルーム記号_グループ記号_連番」のフォーマットで表現される。
【0084】
器具名におけるルーム記号は、所属器具名データエントリにおけるルーム名に対応するルーム記号である。ルーム名とルーム記号との対応は、ルーム構成データ(400など)に記載されており、これを参照することで認識可能である。
【0085】
例えば、所属器具名データエントリ610の場合、ルーム名が「リビング」であるため、器具名に記載されるルーム記号は、ルーム構成データ400においてルーム名「リビング」に対応づけられている「L」である。
【0086】
また、器具名におけるグループ記号は、所属器具名データエントリにおけるグループ名に対応するグループ記号である。グループ名とグループ記号との対応はグループ構成データ(500など)に記載されており、これを参照することで把握可能である。
【0087】
例えば、所属器具名データエントリ610の場合、グループ名が「ダイニング」であるため、器具名に記載されるグループ記号は、グループ名「ダイニング」に対応づけられている「D」である。
【0088】
器具名に記載される連番は、一例として、1、2、・・・というように、自然数が順に割り当てられる。
【0089】
連番は、グループ名が割り当てられている所属器具名データエントリについては、同グループに属するものについて、「1」~「グループ構成データ500中の台数」までとなる。
【0090】
例えば、「ダイニング」グループに属する場合、グループ構成データ500中のグループ名「ダイニング」についての「台数」は2であるので、器具名の連番には、1~2を付すことになる。具体的には、ルーム名が「リビング」、グループ名が「ダイニング」の場合、
図5に一例として所属器具名データエントリ610、620に示すように、器具名は、「L_D_1」「L_D_2」となる。
【0091】
以上の処理により、データ生成装置2は、一例として
図5に示すような所属器具名データ600を生成する。
【0092】
(4)データ生成装置2は、ルーム構成データ400、グループ構成データ500、及び、生成した所属器具名データ600をクラウド3に送信し、保存する。スマートフォン6は、クラウド3から適宜、ルーム構成データ400、グループ構成データ500及び所属器具名データ600を取得する。
【0093】
ここで、器具名には、ルーム記号、グループ記号が含まれるので、ユーザは、器具名を見れば、その照明器具が属するルーム、グループを把握することが容易である。
【0094】
<1.2.4.2.スケジュール制御のためのデータ>
スケジュール制御のためのデータとして、データ作成者は、データ作成装置2を用いて、スケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800、及びシーンデータ900を作成する。作成されたスケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800、及びシーンデータ900は、クラウド3に送信され、クラウド3に保存される。
【0095】
クラウド3に保存されるスケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800、及びシーンデータ900は、スマートフォン6によって適宜ダウンロードされる。
【0096】
なお、クラウド3に保存された各データのダウンロード権限は、データ作成者などデータの管理者により適切に付与、管理され、セキュリティは確保されるものとする。
【0097】
<スケジュールデータ1000>
器具情報の一例であるスケジュールデータ1000は、各ルームについて、1週間の各曜日に実行するタイムテーブルを表している。
【0098】
図9に示すように、スケジュールデータ1000は、各ルームについてのスケジュール(以下「ルームスケジュール」という。)を含む。各ルームスケジュールは、各行が曜日と、その曜日に実行されるタイムテーブル名との対応を示すスケジュールデータエントリである表形式で示されている。このタイムテーブル名が付されたタイムテーブルの内容は、タイムテーブルデータ800で規定する。
【0099】
例えば、ルームスケジュール1010の場合、ルーム「リビング」について規定しており、スケジュールデータエントリ1011が、月曜日に「平日」タイムテーブルを実行することを示し、スケジュールデータエントリ1012が、火曜日に「平日」タイムテーブルを実行することを示している。
【0100】
ルームスケジュール1010の、他のスケジュールデータエントリでは、「水曜日」~「金曜日」のそれぞれについて「平日」タイムテーブルを実行し、「土曜日」及び「日曜日」については、「休日」タイムテーブルを実行することを示している。
【0101】
スケジュールデータ1000の例では、ルーム「リビング」のみについてスケジュールを記載しているが、必要に応じて、ルーム「キッチン」「パントリー」等についてルーム「リビング」の場合と同様に記載する。
【0102】
なお、スケジュールデータ1000では、曜日とタイムテーブル名とを対応づけた表としているが、これに限らず、例えば、曜日とタイムテーブルIDとを対応づけてもよい。
【0103】
また、スケジュールは日ごとに規定するのに限らず、1週間ごと、月毎など、一定の期間ごとにタイムテーブルを変更することとしてよい。
【0104】
<タイムテーブルデータ800>
器具情報の一例であるタイムテーブルデータ800は、
図8(b)に示すように、タイムテーブルを規定しており、タイムテーブルは、各行が1日の各時刻と、その時刻に実行されるシーンのシーン名との対応を示すタイムテーブルデータエントリである表形式で示されている。このシーン名が付されたシーンの内容は、シーンデータ900で規定する。
【0105】
例えば、タイムテーブルデータ800の場合、タイムテーブルIDが1である「平日」タイムテーブル810については、タイムテーブルデータエントリ811に示すように時刻6:00にシーン「朝」を実行し、タイムテーブルデータエントリ812に示すように9:00にシーン「昼」を実行し、17:00にシーン「夕方」を実行し、時間20:00にシーン「夜」を実行し、時間23:00には、シーン「夜中」を実行することを示す。
【0106】
また、タイムテーブルIDが2である「休日」タイムテーブル820については、時刻7:00にシーン「朝」を実行し、9:00にシーン「昼」を実行し、17:00にシーン「夕方」を実行し、20:00にシーン「夜」を実行し、23:00にシーン「夜中」を実行することを示す。
【0107】
<シーンデータ900>
器具情報の一例であるシーンデータ900は、
図8(a)に示すように、シーンを表すシーンテーブル(910、920など)を規定しており、シーンテーブルは、各行がグループIDと調光率と調色値との対応を示すシーンデータエントリ(911、912など)である表形式で示している。
【0108】
例えば、シーンデータ900の場合、シーンIDが1である「朝」シーンテーブル910については、シーンデータエントリ911に示すようにグループIDが「1」のグループに含まれる照明器具4について、調光率を50%にするよう制御し、調色値を6000Kにするよう制御することを示し、シーンデータエントリ912に示すようにグループIDが「2」のグループに含まれる照明器具4について、調光率を40%にするよう制御し、調色値が6000Kにするよう制御することを示し、グループIDが「3」のグループは、調光率が30%にするよう制御し、調色値が6000Kにするよう制御することを示す。
【0109】
また、シーンIDが「2」である「昼」シーンテーブル920については、グループIDが「1」のグループに含まれる照明器具4について、調光率を50%にするよう制御し、調色値を9000Kにするよう制御し、グループIDが「2」のグループに含まれる照明器具4について、調光率を40%にするよう制御し、調色値が9000Kにするよう制御し、グループIDが「3」のグループは、調光率が30%にするよう制御し、調色値が9000Kにするよう制御することを示す。
【0110】
<スケジュール制御処理>
スマートフォン6は、上述のように、スケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800及びシーンデータ900を相互に参照していくことで、どの時間に、どのグループを、どのような調光率及び調色値にすればよいかを把握することができる。また、グループに属する照明器具4がいずれでは、所属器具名データ600を参照することで把握することができる。よって、スマートフォン6は、スケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800、シーンデータ900、及び所属器具名データ600を相互参照することで、スケジュール制御可能となる。
【0111】
ここで、上述のように、制御対象とする照明器具は、器具名ではなく、器具識別情報を指定して制御するので、器具名と器具識別情報との対応づけが必要である。この対応づけを行うための器具対応付け処理について以下に説明する。
【0112】
<1.2.5.器具対応付け処理>
以下、住宅に照明器具4を設置した後に、作業者が実行する器具対応付け処理について説明する。作業者によるスマートフォン6の操作を「ユーザ操作」という。器具対応付け処理では、作業者がスマートフォン6を用い、各設置位置に配された照明器具4がどの器具識別情報を持つものかを特定する。具体例として、この処理では、上述の「器具名」と、「器具識別情報」との対応づけを行う。
【0113】
(1)具体的には、まずデバイス検索を行う。作業者は、スマートフォン6において、
図6(a)に示すようなデバイス検索GUI1100を表示させ、検索ボタン1110を作業者がタッチする。これをトリガとして、スマートフォン6は、自らと通信可能な照明器具4それぞれから器具識別情報を取得する。
【0114】
(2)そして、スマートフォン6は、タッチパネル65に検索結果として、一例として
図6(b)に示す対応付けGUI1200を表示する。
【0115】
GUI1200は、取得した器具識別情報それぞれに対応する対応づけパネル1210、1220、1230・・・を含む。対応付けパネルは、その1つが、器具識別情報、すなわち照明器具4のいずれかに対応する。対応付けパネルは、取得した器具識別情報と同数存在するが、タッチパネル65の表示領域には限りがあるので、一度に表示せず、一部表示して、残りの対応づけパネルはスクロール操作などがされたときに表示されることとしてよい。
【0116】
以下、対応づけパネルについて対応付けパネル1210を例に説明するが、対応付けパネル1220、1230他の対応付けパネルについても同様の機能、構成を有している。
【0117】
対応付けパネル1210は、一時識別名1211、チェックボックス1212を含む。
【0118】
一時識別名1211は、GUI1200中で、照明器具4を一意に識別するために、スマートフォン6が付した名称である。その照明器具4は器具識別情報で一意に識別可能であるが、器具識別情報は、一例として48ビットの情報であるMACアドレスであり、人間にとっては、認識が困難な英数字の羅列となる。よって、対応付けパネル1210には、器具識別情報に代えて、人間にとって認識容易な一時識別名1211を表示している。
【0119】
一時識別名1211は、「ランプ1」であり、スマートフォン6が、照明器具4に対して使用すべく定めた名称である。なお、
図6(b)に示すように、対応付けパネル1220に表示される一時識別名は「ランプ2」、対応付けパネル1230に表示される一時識別名は「ランプ3」というように、一時識別名を文字「ランプ」+「連番」というフォーマットで表しているが、これに限らず、人間にとって認識容易で、一意に識別できる名であれば足りる。
【0120】
スマートフォン6は、一時識別名1211・・・と、取得した器具識別情報との対応表を作成しROM62に保持する。
【0121】
チェックボックス1212は、器具対応付け処理の対象とする照明器具4を特定するために用いられる。チェックボックス1212は、作業者がタッチする毎に、選択状態(
図6(b)に示すように、チェックボックス1212内にレ点が表示)と、非選択状態(チェックボックス1212内にレ点の表示無)とが切り替わる。
【0122】
チェックボックス1212が、選択状態である場合に、取り込むボタン1250が作業者によりタッチされると、チェックボックス1212が選択状態である対応付けパネル1210に対応する照明器具4が、器具対応付け処理の対象となる。
【0123】
(3)対応付けパネル1210におけるチェックボックス1212を表示している以外の領域(以下「スイッチ領域」という。)がタッチされると、スマートフォン6は、対応付けパネル1210に対応する照明器具4に対し、点灯指示を送信する。点灯指示を受信した照明器具4は光源部40を点灯させる。
【0124】
これにより、作業者は、対応付けパネル1210が対応する照明器具4が、住宅内のどこに配されているか、配灯
図100に示されるシンボル101~120のうち、いずれのシンボルに対応する照明器具4が点灯したのかを把握することができる。
【0125】
よって、作業者は、この点灯した照明器具4を対応付け処理の対象とするか判断できる。
【0126】
例えば、作業者が、ルーム「リビング」内の照明器具4について対応付け処理を行おうと考えていた場合、対応付けパネル1210をタッチして点灯した照明器具4が、実際にルーム「リビング」内に配されていれば、この照明器具4を対応付け処理の対象としようとの判断をする。
【0127】
点灯した照明器具4について、器具対応付け処理を行うと作業者が決めた場合、対応付けパネル1210におけるチェックボックス1212を選択状態にする。
【0128】
対応付けパネル1210におけるスイッチ領域をタッチしたものの、作業者の位置から、点灯している照明器具4が見えない場合は、この照明器具4に対する器具対応付け処理は、後回しにすることができる。この場合、作業者は、対応付けパネル1210におけるチェックボックス1212を非選択状態にすればよい。後回しにした場合でも、作業者は場所を移動して改めて器具対応付け処理を行うことで、対応付けパネル1210に対応する照明器具4を発見することができる。
【0129】
(4)対応付けパネル1220、1230など、対応付けパネル1210以外の対応付けパネルについても、上述の(3)と同様の処理が行われる。
【0130】
以上のようにして、作業者は、器具対応付け処理の対象とする照明器具4を絞りこんで、取り込むボタン1250をタッチする。
【0131】
なお、配灯
図100において、同じグループに属する照明器具4についての対応付けパネルのみチェックボックスを選択状態にして、グループごとに対応付け処理を行っていけば、対応付け処理は簡易になる。グループ内の照明器具4は同じ制御がされるので、グループ内の照明器具4に対応づけるべき個々の器具名が、グループ内の照明器具4のいずれに対応付けられても問題ないためである。
【0132】
(5)次いで、取り込むボタン1250が作業者にタッチされることにより、スマートフォン6が、チェックボックスが選択状態である対応付けパネルに対応する照明器具4と、器具名を対応づける処理を行うための対応付けGUI、一例として
図6(c)に示すGUI1300を表示する。
【0133】
GUI1300は、クラウド3から取得した、所属器具名データ600に記載の器具名の一覧を表示する。上述の通り、表示される器具名は、「ルーム記号_グループ記号_連番」のフォーマットで表現されているので、作業者は、表示された器具名を、いずれのルーム、いずれのグループに属する照明器具4に対応づければよいかを把握することができる。
【0134】
作業者は、配当
図LDを参照し、(4)で対応付けの対象になっている対応付けパネル、より具体的には、対応付けパネルに対応する器具識別情報を、いずれの器具名に対応づけるかを選びGUI1300の表す器具名にタッチする。
【0135】
例えば、上述の手順(3)及び(4)で点灯させて選択した照明器具4が、配灯
図100のシンボル102に相当する、ルーム「リビング」かつグループ「ダイニング」の照明器具4であった場合、作業者は、GUI1300に表示された器具名のうち「L_D_1」にタッチする。器具名「L_D_1」は、ルーム「リビング」かつグループ「ダイニング」に属する照明器具に対応することを、作業者は把握容易なため、簡単に対応付けができる。
【0136】
この対応付け処理以降、シンボル102の位置に配された照明器具4を制御する場合、その照明器具4を器具名「L_D_1」により識別することができる。
【0137】
なお、GUI1300は、一覧表示された器具名について、器具名中のルーム記号や、グループ記号により、昇順や降順にソートする機能や、作業者により指定されたルーム記号や、グループ記号を有する器具名を検索して抽出する機能を有している。
【0138】
よって、GUI1300における器具名の表示を、作業者が現在、対応付けの対象としているもの、例えば、特定のグループ記号をもつものに絞り込んだり、グループ記号が昇順や降順となるよう並び替えたりすることができる。
【0139】
GUI1300においては、対応付けが終わった器具名は、一覧表示から外されてもよい。これにより、対応付けが必要な器具名のみが表示されることになり、対応付けの時間短縮に資することができる。
【0140】
(6)同様に、作業者は、配灯
図100におけるシンボル101~120に対応する照明器具4について、同様の対応付けを行っていくことになる。この対応付けの結果、一例として、
図10に示すような、シンボル101~120と、器具名201~220との対応付けになる。
図10の配灯
図200は、
図3の配灯
図100の各シンボルの付近に、シンボルに対応する照明器具4の器具名を付したものである。
【0141】
またデータとしては、一例として
図7に示す対応付けデータ700が作成される。
【0142】
対応付けデータ700は、所属器具名データ600に加え、それぞれの器具名と、器具識別情報との対応づけを示すものである。
【0143】
<1.2.6.照明器具の制御>
<グループ制御>
スマートフォン6は、対応付けデータ700のグループ名欄を参照することにより、同一のグループ記号が付されているものを1グループとして認識可能である。具体的には、スマートフォン6は、グループ「ダイニング」「間接」「ソファ」のそれぞれを構成する照明器具4の器具識別情報を認識できる。具体的には、グループ「ダイニング」は、器具識別情報が「LF1」「LF3」の2台の照明器具で構成されていることを認識する。ここで、器具識別情報を「LF1」「LF3」などと表現しているが、説明の便宜上の表現であり、例えば、器具識別情報がMACアドレスの場合であれば「LF1」は48ビットの情報である、というように、適宜その内容を読み替えるものとする。
【0144】
図11(a)は、スマートフォン6が表示するグループ制御のためのGUIの一例としてのGUI2100を示す図である。
【0145】
スマートフォン6は、タッチパネル65にGUI2100を表示する。
【0146】
GUI2100は、それぞれが1個のグループを表すグループパネル2110、2120・・・を含む。
【0147】
グループパネル2110は、グループ「ダイニング」に対応し、グループ名表示領域2111、調光率制御バー2112及び調光率操作領域2113を含む。
【0148】
グループ名表示領域2111は、グループパネル2110に対応するグループのグループ名を表示する。
【0149】
調光率制御バー2112は、ユーザが調光率を指定するために用いられる。
【0150】
調光率操作領域2113は、現在の調光率を表示している。調光率操作領域2113に、ユーザが指定の調光率を入力する処理を行うことで、調光率が変更することができる。
【0151】
調色値操作領域2114は、現在の調色値を表示している。調色値操作領域2114に、ユーザが指定の調色値を入力する処理を行うことで、調色値を変更することができる。
【0152】
グループパネル2120・・・は、グループパネル2110と同様の機能を有する。
【0153】
スマートフォン6は、各グループについて、ユーザによりGUI2100を用いて調光率を指定された場合、そのグループに含まれる照明器具4に対し、指定された調光率で点灯するよう指示する。スマートフォン6は、この指示を、例えば器具識別情報を送信先アドレスとして指定して送信する。
【0154】
<シーン制御>
スマートフォン6は、シーンデータ900、グループ構成データ500及び対応付けデータ700を参照しつつシーン制御を行う。
【0155】
図11(b)は、スマートフォン6が表示するシーン制御のためのGUIの一例としてのGUI2200を示す図である。
【0156】
スマートフォン6は、タッチパネル65にGUI2200を表示する。GUI2200は、ルーム「リビング」について、シーン制御を行うためのGUIの一例である。
【0157】
GUI2200は、シーンに対応するシーンパネル2210、2220・・・を含む。
【0158】
シーンパネル2210は、1個のシーン「朝」に対応し、シーンパネル2210がユーザによりタッチされると、スマートフォン6は、シーン「朝」を実現するための処理を行う。
【0159】
具体的には、スマートフォン6は、ルーム「リビング」に関するシーンデータ900のシーン「朝」の欄を参照する。そして、スマートフォン6は、グループ構成データ500、対応付けデータ700を参照し、グループIDが「1」のグループ「ダイニング」に含まれる照明器具4について調光率を50%、調色値を6000Kにし、グループIDが「2」のグループ「ソファ」に含まれる照明器具4について調光率を40%、調色値を6000Kにし、グループIDが「3」のグループ「間接」に含まれる照明器具4について調光率を30%、調色値を6000Kにするよう制御する。
【0160】
なお、グループ「ダイニング」に含まれる照明器具4は、器具識別情報が、「LF1」「LF3」のものであり、グループ「間接」に含まれる照明器具4は、器具識別情報が、「LF2」「LF5」のものであり、グループ「ソファ」に含まれる照明器具4は、器具識別情報が、「LF10」「LF4」のものである。
【0161】
<スケジュール制御>
図12は、スケジュール制御を行うためのGUIの一例としてのGUI2300を示す図である。
【0162】
スマートフォン6は、タッチパネル65にGUI2300を表示する。
【0163】
GUI2300は、それぞれが1個のスケジュールに対応するスケジュールパネル2310、2320・・・を含む。
【0164】
スケジュールパネル2310は、スケジュール1に対応する。スケジュールパネル2310がユーザによりタッチされると、スマートフォン6は、スケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800及びシーンデータ900等を参照し、スケジュール1を実現するための処理を行う。
【0165】
<2.第2の実施形態>
上述の実施形態では、データ作成者が、データ作成装置2を用いデータ作成ソフト26を動作させ表形式のルーム構成データ400及びグループ構成データ500を作成していた。そして、データ作成装置2が、ルーム構成データ400及びグループ構成データ500を参照して、一例として
図5に示す所属器具名データ600を生成していた。
【0166】
しかしながら、所属器具名データ600は、表形式のデータではなく配灯図(一例として配灯
図100)などから生成されることとしてもよい。
【0167】
具体的には、例えば、データ作成者は、データ作成装置2を用いて、
図3に示す配灯
図100を作成する。配灯
図100には、ルーム、グループ、照明器具4(シンボル101~120のそれぞれで示される)が表されている。また、各ゾーンにいずれのグループが属するか、各グループに属する照明器具4の個数も示されている。そして、各ルームのルーム名、各グループのグループ名も示されている。
【0168】
データ生成装置2は、配灯
図100を参照し、まず、配灯
図100に示されている照明器具の台数(シンボルの数)と同数の所属器具名データエントリを生成する。
【0169】
各所属器具名データエントリのルーム名には、各照明器具が属するルームのルーム名を記載する。各所属器具名データエントリのグループ名には、各照明器具が属するグループのグループ名を記載する。
【0170】
そして、データ生成装置2は、各所属器具名データエントリのルーム名、グループ名を参照し、器具名を生成する。ここで、データ作成装置2は、ルーム名とルーム記号との対応を示す変換表、グループ名とグループ記号との対応を示す変換表を予め記憶しておくものとする。そして、各所属器具名データエントリについて、変換表を参照し、記載されたルーム名をルーム記号に変換し、グループ名をグループ記号に変換し、「ルーム記号_グループ記号_連番」のフォーマットの器具名を生成する。
【0171】
以上により、データ生成装置2は、
図5に示す所属器具名データ600を生成する。
【0172】
<3.第3の実施形態>
第1の実施形態では、照明器具4それぞれの位置を特定し、それぞれ個別に制御できるよう器具識別情報と器具名との対応付けを行っていた。しかしながら、これに限らず、照明器具4を個別に制御せず、ルーム単位、又はグループ単位で制御してもよい。
【0173】
この場合、照明器具4のそれぞれは、ユーザが個別に識別する必要は無いため、ルーム、又はグループに対応づけられれば足りる。
【0174】
以下、照明器具4のそれぞれを、ルーム「キッチン」に対応付ける処理を例に説明するが、他のルーム及びグループに対応づける場合も同様に処理できる。
【0175】
<ルーム設定GUI4100>
図15(a)は、ユーザ操作により器具対応付け処理が指示された場合に、一例として、スマートフォン6が表示するルーム設定GUI4100を示す図である。
【0176】
ルーム設定GUI4100は、
図15(a)に示すように、ルーム設定パネル4121~4125、スクロールボタン4141、4142、及び戻るボタン4151を含む。
【0177】
ルーム設定パネル4121~4125は、それぞれ、ルーム構成データ400に示されるルームのうちの1つに対応する。
【0178】
ルーム設定パネル4121は、ルーム「リビング」に対応する。作業者が、ルーム設定パネル4121にタッチすると、ルーム「リビング」について、器具対応付け処理をするためのルーム個別設定GUIの表示がされる。ルーム設定パネル4122、4123、4124及び4125は、ルーム設定パネル4121と同様の機能を有するパネルであり、それぞれ、ルーム「キッチン」、ルーム「パントリー」、ルーム「洗面所」、ルーム「トイレ」に対応する。
【0179】
ここで、ルーム構成データ400に示されるルームは、上記のほか、ルーム「子供部屋」、ルーム「寝室」、ルーム「廊下」を含んでおり、これらに対応するルーム設定パネルも生成される。しかしながら、スマートフォン6が備えるタッチパネル65の表示領域には限りがあるため、
図15(a)に示す例では、ルーム「子供部屋」、ルーム「寝室」、ルーム「廊下」に対応するルーム設定パネルは表示されていない。
【0180】
現在表示されていないルーム設定パネルを表示させるために、スクロールボタン4141及び4142を使用することができる。
【0181】
スクロールボタン4141は、表示を上にスクロールためのボタンであり、スクロールボタン4142は、表示を下にスクロールためのボタンである。
【0182】
作業者が、スクロールボタン4141にタッチすることで、表示が上にスクロールし、スクロール前に一番上に表示されていたルーム設定パネルは表示されなくなり、スクロール前に表示されていなかったルーム設定パネルが一番下に表示される。また、作業者が、スクロールボタン4142にタッチすることで、表示が下にスクロールし、スクロール前に一番下に表示されていたルーム設定パネルは表示されなくなり、スクロール前に表示されていなかったルーム設定パネルが一番上に表示される。
【0183】
ここで、ルーム「リビング」は、グループ構成データ500に示されるように、グループ「ダイニング」、グループ「ソファ」及びグループ「間接」を含む。グループを含むルームに関するルーム設定パネルには、展開ボタン(4171)が付される。
【0184】
作業者が展開ボタン4171にタッチすると、
図15(b)に示されるように、ルーム「リビング」に含まれるグループそれぞれに対応するグループ設定パネル4221~4223がツリー構造表示4175を用いて表示される。この状態で、ユーザがツリー構造表示4175をタッチすると、
図15(a)に示す表示に戻る。
【0185】
グループ設定パネル4221~4223は、それぞれ、ルーム構成データ400に示されるグループのうちの1つに対応する。より具体的には、グループ設定パネル4221、4222及び4223は、それぞれ、グループ「ダイニング」、グループ「間接」、グループ「ソファ」に対応する。
【0186】
なお、グループ設定パネル4221、4222及び4223の表示は、展開ボタンへのタッチにより行うこととしたが、これに限らず、グループ設定パネル4221、4222及び4223が表示できれば足りる。例えば、ルーム設定パネルの表示とは別に、グループ設定パネル4221、4222及び4223を表示することとしてもよい。
【0187】
<ルーム個別設定GUI4111>
図16(a)は、ルーム設定GUI4100が表示されている状態で、作業者がルーム「キッチン」に対応するルーム設定パネル4122にタッチした場合に表示されるルーム個別設定GUI4111を表す図である。
【0188】
ルーム個別設定GUI4111は、ルーム「キッチン」に含める照明器具4を特定するためのGUIである。
【0189】
ルーム個別設定GUI4111は、
図16(a)に示すように、検索ボタン4411を含む。作業者が検索ボタン4411をタッチすると、これをトリガとして、スマートフォン6は、自らと通信可能な照明器具4それぞれから器具識別情報を取得する。
【0190】
そして、スマートフォン6は、タッチパネル65に検索結果として、一例として
図16(b)に示す対応付けGUI4112を表示する。
【0191】
GUI4112は、取得した器具識別情報それぞれに対応する対応づけパネル4510、4520、4530・・・を含む。対応付けパネルは、その1つが、器具識別情報、すなわち照明器具4のいずれかに対応する。対応付けパネルは、取得した器具識別情報と同数存在するが、タッチパネル65の表示領域には限りがあるので、一度に表示せず、一部表示して、残りの対応づけパネルはスクロール操作などがされたときに表示されることとしてよい。
【0192】
以下、対応づけパネルについて対応付けパネル4510を例に説明するが、対応付けパネル4520、4530他の対応付けパネルについても同様の機能、構成を有している。
【0193】
対応付けパネル4510は、対応付けパネル1210と同様の機能を有し、一時識別名4511、チェックボックス4512を含む。一時識別名4511は、上述の一時識別名1211と同様である。スマートフォン6は、一時識別名4511・・・と、取得した器具識別情報との対応表を作成しROM62に保持する。
【0194】
チェックボックス4512は、上述のチェックボックス4512と同様である。チェックボックス4512が、選択状態である場合に、取り込むボタン4550が作業者によりタッチされると、チェックボックス4512が選択状態である対応付けパネル4510に対応する照明器具4が器具対応付け処理の対象となる。
【0195】
対応付けパネル4510におけるチェックボックス4512を表示している以外の領域が作業者によりタッチされると、スマートフォン6は、対応付けパネル4510に対応する照明器具4に対し、点灯指示を送信する。点灯指示を受信した照明器具4は光源部40を点灯させる。
【0196】
これにより、作業者は、対応付けパネル4510が対応する照明器具4が、住宅内のどこに配されているか、どのルーム、グループに属するべきか、配灯
図100に示されるシンボル101~120のうち、いずれのシンボルに対応する照明器具4が点灯したのかを把握することができる。
【0197】
よって、作業者は、この点灯した照明器具4を対応付け処理の対象とするか判断できる。
【0198】
例えば、作業者が、ルーム「キッチン」内の照明器具4について対応付け処理を行おうと考えていた場合、対応付けパネル4510をタッチして点灯した照明器具4が、実際にルーム「キッチン」内に配されていれば、この照明器具4を対応付け処理の対象としようとの判断をする。
【0199】
点灯した照明器具4について、器具対応付け処理を行うと作業者が決めた場合、対応付けパネル4510におけるチェックボックス4512を選択状態にする。
【0200】
対応付けパネル4520、4530など、対応付けパネル4510以外の対応付けパネルについても、対応付けパネル4510に行った処理と同様の処理が行われる。
【0201】
以上のようにして、作業者は、器具対応付け処理の対象とする照明器具4を特定して、取り込むボタン4550をタッチする。
【0202】
取り込むボタン4550が作業者にタッチされることにより、スマートフォン6が、チェックボックスが選択状態である対応付けパネルに対応する照明器具4、より具体的には、照明器具4の器具識別情報を、ルーム「キッチン」に対応づけて記憶する。
【0203】
そして、
図16(c)に示すように、タッチパネル65に器具対応付け処理が終わったことを示すメッセージを表示する対応付けGUI4113が表示され、器具対応付け処理が終わったことが作業者に提示される。
【0204】
以上の処理によれば、第1の実施形態で行ったように、照明器具4それぞれの器具識別情報を器具名と対応付けていく処理を要さず、それぞれの照明器具4をルームに対応づけることができるので、照明器具4の個別制御を要さない場合には、作業者の設定の手間を低減することができる。
【0205】
また、グループについても、ルームの場合と同様に、器具対応付け処理ができる。
図15(b)に示すグループ設定パネル4221~4223は、それぞれ、ルーム構成データ400に示されるグループのうちの1つに対応する。より具体的には、グループ設定パネル4221、4222及び4223は、それぞれ、グループ「ダイニング」、グループ「間接」、グループ「ソファ」に対応する。
【0206】
グループ設定パネル4221~4223のそれぞれをタッチすることにより、上述のルーム個別設定GUI4111、対応付けGUI4112、対応付けGUI4113を用いて行ったのと同様の処理、同様のGUIにより、作業者が選択した照明器具4をグループに対応づけることができる。そして、グループを単位として照明器具4を制御することができる。
【0207】
<4.変形例>
以上、本発明に係る照明システムの実施形態を説明したが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例示した照明システムを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0208】
(1)上述の実施形態では、照明システム1において、複数の照明器具を、スマートフォン6が直接的に制御することとしたが、これに限らず、スマートフォン6が有する、照明器具4を制御するための機能の一部は、ゲートウェイ5が実行可能である構成にしてもよい。
【0209】
このようにすることで、スマートフォン6が持ち出されており照明器具4の通信範囲内に無い場合など、スマートフォン6が直接、照明器具4に対し制御信号を送信できないような場合であっても、ゲートウェイ5が、調光、調色の変更スケジュールを記憶しておき、スケジュールに沿って各照明器具4に対し、調光、調色のための制御信号を送信し、照明器具4の調光、調色を行うことができる。
【0210】
ゲートウェイ5は、一例として
図0014に示すような構成とすることができる。ゲートウェイ5は、無線通信部51、有線通信部52、制御部53、ROM54、及びRAM55を備える。
【0211】
無線通信部51は、無線通信を行う機能を有し、識別情報の一例としてMACアドレスを保持している。MACアドレスは、無線通信のアドレスとして用いられる。無線通信部51は、通信データを受信した場合に、自装置宛ての通信データであれば制御部53に通知し、他装置宛ての通信データであればメッシュネットワークを介して他装置に転送する。
【0212】
有線通信部52は、有線のネットワークケーブルを介してデータ通信を行う機能を有する。有線のネットワークは、例えば有線LAN(Local Area Network)などである。例えば、複数のゲートウェイ5が協働して動作をするような場合などに、複数のゲートウェイ5同士は有線により接続される。有線通信部52は、他のゲートウェイ5との間で有線通信を用いて必要な情報を交換する。なお、有線通信を行わない場合は有線通信部52を省略することができる。
【0213】
ROM54は、制御部53を動作させる照明制御プログラムなどを格納する不揮発メモリである。RAM55は、ROM54に格納された照明制御プログラムがロードされる記憶装置である。
【0214】
制御部53は、ゲートウェイ5の動作を制御する機能を有する。制御部53は、CPU(Central Processing Unit)を備える。ゲートウェイ5の各機能は、ROM54からロードされてRAM55に記憶される照明制御プログラムを制御部53が実行することにより実現される。
【0215】
(2)上述の実施形態では、照明システム1において、データ作成装置2において作成されたデータを、クラウド3を介してスマートフォン6がダウンロードすることとしたが、これに限らず、データ作成装置2において作成されたデータがスマートフォン6内に格納できれば足り、例えば、スマートフォン6がネットワーク等の通信線を介してデータ作成装置2からデータを取得できてもよい。また、データ作成装置2において作成されたデータを、メモリカードなど保管手段の一例としての記録媒体に記録させ、その記録メディアをスマートフォン6が読み取ることで、データを取得することとしてもよい。
【0216】
(3)上述の実施形態では、データ作成者が、データ作成装置2を用いて、ルーム構成データ400及びグループ構成データ500を作成し、データ作成装置2が、ルーム構成データ400及びグループ構成データ500を用いて、所属器具名データ600を作成することとしたが、これに限らず、器具名が生成できれば足り、例えば、データ作成者が、データ作成装置2を用いて、器具名を入力することとしてもよい。
【0217】
(4)上述の実施形態では、データ作成装置2において作成されるデータとして、ルーム構成データ400、グループ構成データ500、所属器具名データ600、スケジュールデータ1000、タイムテーブルデータ800及びシーンデータ900を例に説明したが、これに限るものではなく、スマートフォン6による照明器具4の制御に用いられるデータであって、設置時設定に先立ち作成可能なデータであれば足りる。
【0218】
また、データの内容もこれに限るものではなく、照明器具4の制御に必要な表、情報表の追加、不要な情報の削除など適宜行ってもよい。
【0219】
(5)上述の実施形態では、光源にLEDを用いていたが、これに限らず、他の光源であってもよい。例えば、有機EL又は有機LED(Organic Electroluminescence又はOrganic Light Emitting Diode)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)などであってもよい。
【0220】
(6)上述の実施形態において、データ作成装置2はコンピュータシステムとしたが、一例として、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末及びスマートフォンなどが想定される。また、照明制御装置の一例としてスマートフォン6を挙げたが、他にも、リモコン装置、タブレット端末など可搬型の端末の例が挙げられる。
【0221】
(7)上述の実施形態では、データ作成者がデータ作成装置2を用いて作成するデータとして、一覧表形式のデータを用いていたが、これに限らず、人間にとって入力し易く、認識し易いデータの形式であれば足り、例えば、CSV(Comma Separated Value)、SSV(Space-Separated Value)であってもよい。
【0222】
(8)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
【0223】
<5.発明の抽出>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0224】
(1)本発明の一実施形態に係る照明システムは、複数の照明器具と、前記複数の照明器具を無線により制御する照明制御装置とを備える照明システムであって、前記照明制御装置は、表示部を備え、予め作成され保管手段に保管されている、各照明器具に関する情報であり、前記複数の照明器具のうち同一の制御を行うグループを表す器具情報を取得し、設置場所に設置した各照明器具を制御可能にするための設定において、前記複数の照明器具から、各々を識別する器具識別情報を取得し、取得した前記器具識別情報のうちユーザ操作に基づき選択された前記器具識別情報を前記グループに対応づける。
【0225】
上述の構成によれば、複数の照明器具を設置場所に設置した後に行うべき、作業者による、グループに関する設定の手間を従来に比べ大幅に低減できる。
【0226】
(2)また、前記設定において、前記複数の照明器具から、各々を識別する器具識別情報を取得し、前記表示部に前記器具情報を表示し、表示された前記器具情報を参照して行われるユーザ操作に基づき、前記器具情報と前記器具識別情報とを対応づけることとしてもよい。
【0227】
上述の構成によれば、ユーザが、器具情報により表されるグループを確認しながら、器具情報を器具識別情報に対応づけることができる。
【0228】
(3)また、前記保管手段は、クラウドシステムであり、前記照明制御装置は、前記器具情報の取得を、ネットワークを介して前記クラウドシステムから前記器具情報を受信することにより行うこととしてもよい。
【0229】
この構成によれば、照明器具の設置場所から離れた場所でも器具情報を作成することができるので、照明器具の設置場所において器具情報を作成する必要がなくなり、設置場所での作業者の手間を大幅に低減できる。
【0230】
(4)前記保管手段は、記録媒体であり、前記器具情報は、前記記録媒体に記録されており、前記照明制御装置は、前記器具情報の取得を、前記記録媒体から前記器具情報を読み出すことにより行うこととしてもよい。
【0231】
この構成によれば、照明器具の設置場所から離れた場所で器具情報を予め作成しておき、記録媒体を用いて器具情報を搬送し、照明制御装置に器具情報を読み出させることができるので、照明器具の設置場所において器具情報を作成する必要がなくなり、設置場所での作業者の手間を大幅に低減できる。
【0232】
(5)前記器具情報は、データ作成装置を用いて作成され、前記データ作成装置は、前記保管手段に前記器具情報を保管させることとしてもよい。
【0233】
この構成によれば、器具情報を予めデータ作成装置を用いて作成しておくことができるので、照明器具の設置場所において照明制御装置を用いて器具情報を作成する必要がなくなり、設置場所での作業者の手間を大幅に低減できる。
【0234】
(6)前記データ作成装置は、前記複数の照明器具に関する属性の入力を受け付けて、前記属性を表す文字を含む器具名を生成し、前記器具名を含めた前記器具情報を前記保管手段に保管させ、前記照明制御装置は、通信可能な前記照明器具から前記器具識別情報を受信し、前記保管手段から前記器具情報を取得し、前記器具情報に含まれる前記器具名と、前記器具識別情報とを対応付けるためのグラフィカルユーザインターフェースを表示することとしてもよい。
【0235】
この構成によれば、照明器具の属性を参照しながら器具名と器具識別情報とを対応付けることができ、作業者により器具名と器具識別情報とを対応付ける場合の作業効率を向上することができる。
【0236】
(7)また、前記グラフィカルユーザインターフェースは、前記器具名を前記文字に基づきソートして表示することとしてもよい。
【0237】
上述の構成によれば、属性が同一の照明器具の器具名をまとめて表示することができるので、作業者により器具名と器具識別情報とを対応付ける場合の作業効率を向上することができる。
【0238】
(8)また、前記器具名は、前記属性として、前記複数の照明器具のうち同一の制御を行うためのグループを表す文字を含むこととしてもよい。
【0239】
上述の構成によれば、同一のグループに属する照明器具の器具名をまとめて表示することができるので、作業者により器具名と器具識別情報とを対応付ける場合の作業効率を向上することができる。
【0240】
(9)また、前記グループ名は、前記複数の照明器具のそれぞれが設置される配置位置を反映していることとしてもよい。
【0241】
上述の構成によれば、器具名から、照明器具の配置位置が認識可能であるため、近い位置に配置されている照明器具について設定作業ができるので、作業者により器具名と器具識別情報とを対応付ける場合の作業効率を向上することができる。
【0242】
(10)また、前記器具情報は、時間の経過に従い照明器具の動作を変更するスケジュール制御を示すスケジュールデータを含むこととしてもよい。
【0243】
上述の構成によれば、スケジュールデータを予め作成しておき、複数の照明器具を設置場所に設置した後の、作業者による、グループに関する設定の手間を従来に比べ大幅に低減できる。
【符号の説明】
【0244】
1 照明システム
2 データ作成装置
3 クラウド
4 照明器具
5 ゲートウェイ
6 スマートフォン
25 ディスプレイ
26 データ作成ソフト
40 光源部
43 回路部
44 WM部
44a 無線通信部
44b 制御部
51 無線通信部
52 有線通信部
53 制御部
54 ROM
61 制御部
62 ROM
63 RAM
64 無線通信部
65 タッチパネル
102 シンボル
400 ルーム構成データ
420、430 ルーム構成データエントリ
500 グループ構成データ
520、530 グループ構成データエントリ
600 所属器具名データ
610 所属器具名データエントリ
610、620 所属器具名データエントリ
700 対応付けデータ
800 タイムテーブルデータ
810、820 タイムテーブル
811、812 タイムテーブルデータエントリ
900 シーンデータ
910、920 シーンテーブル
911、912 シーンデータエントリ
1000 スケジュールデータ
1010 ルームスケジュール
1011、1012 スケジュールデータエントリ
1110 検索ボタン
1210、1220、1230 パネル
1211 一時識別名
1212 チェックボックス
1220、1230 パネル
1250 取り込むボタン
2110、2120 グループパネル
2111 グループ名表示領域
2112 調光率制御バー
2113 調光率操作領域
2114 調色値操作領域
2210、2220 シーンパネル
2310、2320 スケジュールパネル
100、200 配灯図