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特開2022-77018少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構
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  • 特開-少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構 図1
  • 特開-少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構 図2
  • 特開-少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077018
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/42 20060101AFI20220513BHJP
   H01H 33/666 20060101ALI20220513BHJP
   H01H 3/46 20060101ALI20220513BHJP
   H01H 3/42 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
H01H33/42 L
H01H33/666 M
H01H3/46 A
H01H3/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021182325
(22)【出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】2017719.2
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ポストマス
【テーマコード(参考)】
5G028
【Fターム(参考)】
5G028AA08
5G028EB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構に関する。
【解決手段】2つの接点部の作動ロッドと接触するように構成された細長い接触面を有するブリッジ本体と、一端がベースフレームに、他端がブリッジ本体に蝶着する第1の反力アームと、一方の端がベースフレームに、もう一方の端がブリッジ本体に蝶着する第2の反力アームと、2つのリンクのロッド機構と、シャフト14上に配置されたカム13であって、シャフトはロッド機構28,29に隣接して配置され、シャフトはロッド機構のヒンジ軸に平行に延在し、カムは、2つのリンクの第1の端部のヒンジ軸と動作接触している、カムと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの接点部(3)を同時に開閉するための作動機構(20)であって、前記作動機構(20)は、
-ベースフレーム(34)と、
-長さおよび幅を有する細長い接触面を有するブリッジ本体(4、5)であって、前記細長い接触面は、前記少なくとも2つの接点部(3)の作動ロッド(2)上に長さ方向に延在し、かつ接触するように構成される、ブリッジ本体(4、5)と、
-前記細長い接触面の長さに実質的に平行に延びる第1の反力アーム(22)であって、一端が前記ベースフレーム(34)に、他端が前記ブリッジ本体(4、5)に蝶着される、第1の反力アーム(22)と、
-前記第1の反力アーム(22)に平行に、前記第1の反力アーム(22)の距離で、前記細長い接触面に垂直な方向に延在する第2の反力アーム(25)であって、一端が前記ベースフレーム(34)に、他端が前記ブリッジ本体(5、6)に蝶着される、第2の反力アーム(25)と、
-2つのリンク(28、29)のロッド機構であって、前記2つのリンク(28、29)の第1の端部(30)が互いに蝶着され、一方のリンク(29)の第2の端部(27)が前記ベースフレーム(34)に蝶着され、他方のリンク(28)の第2の端部(32)が前記ブリッジング本体(4、5)に蝶着され、前記ロッド機構のヒンジ軸は、前記細長い接触面の幅に平行である、ロッド機構と、
-シャフト(14)上に配置されたカム(13)であって、前記シャフト(14)は前記ロッド機構(28、29)に隣接して配置され、前記シャフト(14)は、前記ロッド機構(28、29)のヒンジ軸に平行に延在し、前記カム(13)は、前記2つのリンク(28、29)の前記第1の端部(30)の前記ヒンジ軸と動作接触する、カム(13)と、を備える、作動機構(20)。
【請求項2】
カムフォロア(33)が、前記2つのリンク(28、29)の前記第1の端部(30)のヒンジ軸上に配置され、前記カム(13)と接触している、請求項1に記載の作動機構(20)。
【請求項3】
前記第1および第2の反力アーム(22、25)の前記ヒンジ軸は、前記細長い接触面の幅方向に平行である、請求項1または2に記載の作動機構(20)。
【請求項4】
前記ブリッジ本体(4、5)が、細長い上壁(4)および前記細長い上壁(4)の長手方向縁部からそれぞれ垂下する2つの側壁(5)を備え、前記細長い接触面は、前記側壁(5)がそこから垂下する前記上壁(4)の表面によって形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の作動機構(20)。
【請求項5】
前記第1の反力アーム(22)および前記第2の反力アーム(25)が、前記細長い上壁(4)の両側に配置される、請求項4に記載の作動機構(20)。
【請求項6】
接点ばね(6)が、前記少なくとも2つの接点部(3)のそれぞれに設けられ、前記接点ばね(6)は、前記細長い接触面に対して、かつ前記垂下する側壁(5)の間に配置され、前記ブリッジ本体(4、5)は、前記垂下側壁(5)の間に、前記細長い上壁(4)と平行に、かつ前記細長い上壁(4)から隔てられて配置されたロックプレート(21)をさらに含み、それにより前記接点ばね(6)が前記ブリッジ本体によって囲まれる、請求項4または5に記載の作動機構(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
中電圧開閉装置において、通常、3つの相の3つの接点部を同時に開閉させることが必要である。接点部は通常、真空遮断器の形で設けられる。高い信頼性で動作させるには、該真空遮断器の開閉速度が特定の制限内にある必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
作動機構は、開閉させることで知られ、ベースフレームと細長い接触面を備えたブリッジ本体を有し、接点部の作動ロッド上の長さ方向に延在し、かつ接触するように構成されている。ブリッジ本体を上下に押すことで接点部を開閉させるためにロッド機構が設けられている。
【0004】
しかしながら、ロッド機構は、接点部が同時に開閉されるような信頼性のあるブリッジ本体の動きを実現するために、一緒に蝶着された複数のリンクを使用し複雑である。しかしながら、複雑さが高いと、各部品を正確に作製する必要があるため、製造コストが高くなり、移動の位置がずれる可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述の不利な点を低減すること、さらには除去することである。
【0006】
この目的は、少なくとも2つの接点部を同時に開閉するための作動機構を用いた本発明に従って達成され、該作動機構は、
-ベースフレームと、
-長さおよび幅を有する細長い接触面を有するブリッジ本体であって、細長い接触面は、少なくとも2つの接点部の作動ロッド上に長さ方向に延在し、かつ接触するように構成されている、ブリッジ本体と、
-細長い接触面の長さに実質的に平行に延びる第1の反力アームであって、一端がベースフレームに、他端がブリッジ本体に蝶着される、第1の反力アームと、
-第1の反力アームに平行に、第1の反力アームの距離で細長い接触面に垂直な方向に延在する第2の反力アームであって、一端がベースフレームに、他端がブリッジ本体に蝶着される、第2の反力アームと、
-2つのリンクのロッド機構であって、2つのリンクの第1の端部が互いに蝶着され、一方のリンクの第2の端部がベースフレームに蝶着され、他方のリンクの第2の端部がブリッジング本体に蝶着され、ロッド機構のヒンジ軸は、細長い接触面の幅に平行である、ロッド機構と、
-シャフト上に配置されたカムであって、シャフトはロッド機構に隣接して配置され、シャフトはロッド機構のヒンジ軸に平行に延在し、カムは、2つのリンクの第1の端部のヒンジ軸と作動接触している、カムと、を備える。
【0007】
本発明による作動機構により、2つの反力アームが、ブリッジ本体が少なくとも2つの接点部の作動ロッドに対して揃って動くことを確実にする。次に、2つのリンクのみを使用するロッド機構が、シャフト上のカムの回転をブリッジ本体の上下運動に平行移動させることで、接点部の開閉動作を行う。
【0008】
したがって、本発明による作動機構は、多数の接点部を確実かつ同時に操作するために4つのヒンジリンクのみを必要とする。リンクの数が少ないため、ヒンジポイントが少なくなり、作動機構の動作が変動する可能性が低くなる。また、コストも削減される。
【0009】
本発明による作動機構の好ましい実施形態では、カムフォロアが、2つのリンクの第1の端部のヒンジ軸上に配置され、カムフォロアは、カムと接触している。
【0010】
カムフォロアは、カムと2つのリンク間のヒンジ軸との間の摩擦を低減するため、カム付きのシャフトが回転したときにロッド機構のスムーズな動きが得られる。
【0011】
2自由度のヒンジを使用することもできるが、それは第1および第2の反力アームのヒンジ軸が細長い接触面の幅方向に平行である場合に好ましい。
【0012】
結果として得られるヒンジには、1自由度、つまりヒンジ軸を中心とした回転を有する。
【0013】
本発明による作動機構のさらに好ましい実施形態では、ブリッジ本体が、細長い上壁と、それぞれが細長い上壁の長手方向縁部に垂下する2つの側壁とを含み、細長い接触面は、側壁がそこから垂下する上壁の表面によって形成される。
【0014】
上壁と2つの垂下する側壁は、U字型の断面を持つ外形を形成し、これは、軽量でありながら頑丈であり、コストも低くなる。
【0015】
好ましくは、第1の反応アームおよび第2の反応アームは、細長い上壁の両側に配置される。
【0016】
本発明による作動機構のさらに好ましい実施形態では、接点ばねが、少なくとも2つの接点部のそれぞれに設けられ、接点ばねは、細長い接触面に対して、かつ垂下する側壁の間に配置され、ブリッジ本体は、垂下する側壁の間に、細長い上壁と平行に、かつ細長い上壁から隔てられて配置されたロックプレートをさらに含み、それにより接点ばねがブリッジ本体によって囲まれる。
【0017】
接点ばねは、接点部の作動ロッドが確実に開位置に押し進められるようにする。ロックプレートを使用してブリッジ本体に接点ばねを囲むことにより、接点ばねにプリテンションを与えることができ、シャフトとカムが解放されたときの開放速度に影響を与える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のこれらおよび他の特徴を、添付の図面と併せて説明する。
図1】従来技術による作動機構の斜視図を示している。
図2】本発明による作動機構の実施形態の斜視図を示している。
図3】本発明による作動機構の概略図を示している。
【0019】
図1は、従来技術による作動機構1を示している。作動機構1は、真空遮断器3の3本の作動ロッド2を作動することができる。作動機構1は、接点ばね6を包囲する上壁4および2つの垂下側壁5を備えたブリッジ本体を有する。
【0020】
作動機構1は、2つのリンク7、8の4つのセットを含む。長いリンク7は、一端9がフレーム(図示せず)に蝶着され、他端10が、ブリッジ本体の側壁5にも蝶着されている短いリンク8に蝶着されている。他端10はまた、シャフト14上のカム13によって操作されるカムフォロア12がその間に設けられているクロスバー11を介して互いに接続されている。
【0021】
リンク7、8およびクロスバー11の組み合わせを所定の位置に維持するために、反力アーム15が設けられ、これは、端部16がフレーム(図示せず)に接続され、他端17がブリッジ本体に接続されている。
【0022】
図2は、本発明による作動機構20の実施形態を示している。図1の実施形態に対応する部品は、同じ参照記号で示されている。
【0023】
作動機構20はまた、上壁4と、垂下側壁5(そのうちの1つは明確にするために示されていない)と、接点ばね6をブリッジ本体によって囲み、プレテンションをかけるためのロックプレート21と、を備えたブリッジ本体を有する。
【0024】
第1の反力アーム22は、一端23がブリッジ本体にされ、他端24がベースフレーム(図示せず)に蝶着されて設けられている。
【0025】
第2の反力アーム25は、第1の反力アーム22と平行に設けられ、一端26がブリッジ本体に蝶着され、他端27がベースフレームに蝶着されている。
【0026】
第1の反力アーム22および第2の反力アーム25は、上壁4のブリッジ本体、垂下側壁5およびロックプレート21が、真空遮断器3の作動ロッド2の方向にのみ確実に移動するようにさせる。
【0027】
作動機構20はさらに、ロッド28、29の2つのロッド機構を有し、これらは、中央30で互いに蝶着され、一端31は、垂下側壁5に蝶着され、他端32は、ベースフレームに蝶着される。
【0028】
中央ヒンジ30には、シャフト14上に配置されたカム13と直接接触しているカムフォロア33が設けられている。
【0029】
図3は、図2の作動機構20を概略的に示している。この概略図から、第1の反力アーム22および第2の反力アーム25が、それらの端部24、27でそれぞれベースフレーム34に蝶着されていることが分かる。また、ロッド28、29の2つのロッド機構のもう一方の端部32が、ベースフレーム34、およびシャフト24に蝶着されている。
図1
図2
図3
【外国語明細書】