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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077021
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】処理システム
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
B08B3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182661
(22)【出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2020187322
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】晴▲まき▼ 大樹
(72)【発明者】
【氏名】松井 大貴
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AB02
3B201BB21
3B201BB88
3B201CB11
3B201CC12
3B201CC15
3B201CD41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】横列配置されたときに、メンテナンスしやすい処理システムを提供する。
【解決手段】処理システム10は、複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉17と、背面に設置された点検扉と、を有し、前方に配置された処理室13と、処理室13と離間して処理室13の後方に配置され、処理室13と実質的に同一の幅を有する制御盤43と、処理室13と制御盤43の間に配置され、処理室13と実質的に同一の幅を有するステップ31と、を有する複数の処理ユニットを有し、処理室13のそれぞれの正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、ステップ31が接続されて通路を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉と、背面に設置された第1点検扉と、を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する制御盤と、
前記処理室と前記制御盤の間に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有するステップと、
を有する複数の処理ユニット、を有し、
前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続されて通路を形成する、
処理システム。
【請求項2】
前記各処理ユニットは、
前面に設置された第2点検扉を有し、前記制御盤と接して前記制御盤の前方に配置された機械室を有する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する制御盤と、
前面に設置された点検扉を有し、前記制御盤と接して前記制御盤の前方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する機械室と、
前記処理室と前記機械室との間に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有するステップと、
を有する複数の処理ユニット、を有し、
前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続されて通路を形成する、
処理システム。
【請求項4】
前記各処理ユニットは、異なる機能を有する、
請求項1~3のいずれかに記載の処理システム。
【請求項5】
複数の前記処理ユニットの前記ステップは、それぞれ同一の高さを有する、
請求項1~4のいずれかに記載の処理システム。
【請求項6】
前記各処理ユニットは、
前記ステップの下方に配置され、前記処理室と前記機械室を接続するケーブルラックを有する、
請求項1~5のいずれかに記載の処理システム。
【請求項7】
複数の前記処理ユニットの前記処理室は、それぞれ同一の前後方向の長さを有する、
請求項1~6のいずれかに記載の処理システム。
【請求項8】
複数の前記処理ユニットの前記ステップは、それぞれ同一の前後方向の長さを有する、
請求項1~7のいずれかに記載の処理システム。
【請求項9】
前記処理室及び前記ステップは、キャスターを有し、
前記ステップは、前記処理室と前記機械室との間から横方向に引き出し可能であり、
前記処理室は、前記ステップが引き出されて生じた後方の空間に引き出し可能である、
請求項1~8のいずれかに記載の処理システム。
【請求項10】
前記各処理ユニットは、
前記ステップの下方に配置され、洗浄液を貯留するタンクを有する、
請求項1~9のいずれかに記載の処理システム。
【請求項11】
複数の前記処理ユニットの前記処理室は、それぞれ前面に配置された基準面を有し、
複数の前記処理ユニットの前記基準面のそれぞれに接続される接続フレームを更に有する、
請求項1~10のいずれかに記載の処理システム。
【請求項12】
前記処理ユニットのそれぞれは、
前記処理室の前面に配置された接続基準部と、
隣接する前記処理ユニットの前記接続基準部と連結可能な連結部と、
を有する、
請求項1~11のいずれかに記載の処理システム。
【請求項13】
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉と、背面に設置された点検扉と、を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置された制御盤と、
前記処理室と前記制御盤の間に配置されたステップと、
を有する複数の処理ユニットを有し、
複数の前記処理ユニットの前記ステップは、同一の高さを有し、
複数の前記処理ユニットの前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続して通路を形成する、
処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄室と、ノズルと、ワークを載せるテーブルと、テーブルと垂直の仮想軸に対する傾斜角度を持ってテーブルに配置されたテーブル旋回軸と、テーブル旋回軸を軸支する支持具と、を有する洗浄機が提案されている(特許第4203298号公報、以下、「特許文献1」)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の洗浄機を横列配置すると、駆動部やポンプをメンテナンスしにくい場合がある。
本発明は、横列配置されたときに、メンテナンスしやすい処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の観点は、
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉と、背面に設置された点検扉と、を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する制御盤と、
前記処理室と前記制御盤の間に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有するステップと、
を有する複数の処理ユニット、を有し、
前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続されて通路を形成する、
処理システムである。
【0005】
本発明の第2の観点は、
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する制御盤と、
前面に設置された点検扉を有し、前記制御盤と接して前記制御盤の前方に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有する機械室と、
前記処理室と前記機械室との間に配置され、前記処理室と実質的に同一の幅を有するステップと、
を有する複数の処理ユニット、を有し、
前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続されて通路を形成する、
処理システムである。
【0006】
本発明の第3の観点は、
複数の処理ユニットであって、各処理ユニットが、
正面に設置されたワークが出し入れされる搬入扉と、背面に設置された点検扉と、を有し、前方に配置された処理室と、
前記処理室と離間して前記処理室の後方に配置された制御盤と、
前記処理室と前記制御盤の間に配置されたステップと、
を有する複数の処理ユニットを有し、
複数の前記処理ユニットの前記ステップは、同一の高さを有し、
複数の前記処理ユニットの前記処理室のそれぞれの前記正面を揃えて横方向に並べて配置したときに、各前記ステップが接続して通路を形成する、
処理システムである。
【0007】
処理ユニットは、例えば、ジェット洗浄機、ブロー機、減圧乾燥機、バリ取り機である。バリ取り機は、回転工具やブラシをワークに接触させてバリ取りする装置と、液体噴流をワークに噴射して、液体噴流の動圧によりバリ取りする装置を含む。
【0008】
処理室には、例えば、洗浄液噴射ノズル、ブローノズル、減圧乾燥容器、バリ取り工具が配置される。洗浄液噴射ノズル、ブローノズル、減圧乾燥容器、バリ取り工具は、ワークに対して相対的に移動できる。例えば、洗浄液噴射ノズル、ブローノズル、減圧乾燥容器、バリ取り工具は、数値制御される。ワークは、処理室の内部に搬入される。ワークは、処理室の内部で洗浄、ブロー、乾燥、バリ取りが行われる。
【0009】
処理室には、ロボット、回転装置、旋回装置が配置されても良い。ロボット、回転装置、旋回装置は、洗浄液噴射ノズル、ブローノズル、バリ取り工具をテーブルに対して相対的に移動させる。ロボット、回転装置、旋回装置は、モータによって駆動される。ロボット、回転装置、旋回装置は、例えば、数値制御される。
ロボットは、例えば、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボットである。回転装置は、例えば、ワークを載せる洗浄テーブル、旋回テーブルを回転させるテーブル回転装置である。旋回装置は、例えば、回転軸に垂直な旋回軸を中心にテーブルを旋回させるテーブル旋回装置である。
好ましくは、複数の処理ユニットの前面を合わせて横並びに配置したときに、各処理ユニットの背面がお互いに並ぶ。このとき、それぞれの処理室の背面は、ほぼ同一平面となる。背面に凹凸があっても良い。
【0010】
好ましくは、処理室は、最前面に接続する台面と、台面に接続し、台面の後方に立ち上がる正面を有する。処理室は、正面の下方に配置された正面開口と、台面の後方に配置され、正面開口に接続する半円形の上面開口を有する搬入口を有する。
搬入扉は、円筒面と、円筒面に接続する上面を有する円筒状のスライド扉である。搬入扉が開いたときに、搬入扉が搬入口を通って、処理室内に収納される。搬入扉が開いたときに、搬入口が、上方及び正面に向けて露出される。
【0011】
好ましくは、搬入扉は、両開き扉である。例えば、左搬入扉は、中心角が約90度の円筒面と、中心角が約90度の扇形板である上面を有する。左搬入扉は、円筒面に沿って回転し、処理室の左半面に収納される。右搬入扉は、左搬入扉と面対称である。右搬入扉は、円筒面に沿って回転し、処理室の右半面に収納される。
【0012】
処理ユニットは、例えば、洗浄ポンプ、エアフィルタユニット、洗浄液ろ過装置、減圧ポンプ、空気源を有する。空気源は、例えば、ブロアー、空気圧縮機、空気ろ過装置、空気乾燥機である。洗浄ポンプ、エアフィルタユニット、洗浄液ろ過装置、減圧ポンプ、ブロアー、空気源は、機械室の内部に配置される。
ステップの下方にタンクを設置しても良い。タンクは、洗浄液やクーラントを貯留する。ステップは、タンクと一体であって良い。例えば、タンクの上方が解放されており、タンクの上面に設置された蓋がステップであって良い。
【0013】
好ましくは、制御盤は、機械室の背面に配置される。制御盤は、背面に扉を有しても良い。好ましくは、複数の処理ユニットが横列に配置されたときに、制御盤の背面が、一列に並ぶ。言い換えると、それぞれの制御盤の背面が、同一平面上に配置される。
好ましくは、制御盤と処理室は、一体となって形成される。例えば、ステップの下方にフレームやタンクが設置される。制御盤や機械室と処理室は、フレームやタンクによって一体的に接続される。
【0014】
ケーブルラックは、ステップの下方に配置されて良い。制御盤から処理室内のロボット、テーブル旋回装置、ノズル旋回装置へ電力を供給する電源ケーブルや、処理室に設置されたセンサー類の制御ケーブルは、ケーブルラックに収納される。また、洗浄配管、空気配管、減圧配管がケーブルラックに収納されても良い。
【0015】
好ましくは、処理室と、ステップと、制御盤とは、同一の幅を有する。好ましくは、機械室は、処理室と同一の幅を有する。好ましくは、処理ユニットの左右の側面は一平面である。
実質的に同一の幅とは、幅に多少の凹凸や違いがあっても、横方向に密に配列したときに、前後方向にユニットを引き抜き、引き抜いたユニットの代わりに別のユニットを挿入できる程度に、幅が同一であることをいう。
好ましくは、各処理ユニットは、同一の幅を有する。
【0016】
複数の処理ユニットが横一列に配置されたときに、各処理ユニットのステップが接続される。複数の処理ユニットは、密接して配置しても良い。複数の処理ユニットが密接して配置されたとき、ステップは連続する。接続したステップは、通路として機能する。各々のステップが同じ高さで連続するため、ステップに段差がなく、作業者はステップの上を歩きやすい。
処理ユニットは、比較的簡単な処理を行う。処理ユニットを自由に組み合わせることで、様々な要求に対応できる処理システムとなる。各処理ユニットは、異なる機能を有する。例えば、ジェット洗浄機は、十分なバリ取り能力や、十分な乾燥能力を有さなくても良い。減圧乾燥機やバリ取り機は、洗浄能力を有さなくても良い。処理システムは、各処理ユニットの組合せによって、バリ取りや、洗浄や、乾燥などの複数の機能を備える。要求される機能に応じて、処理システムに組み込まれる処理ユニットの機能、数や配列順が計画される。計画が変更された場合には、処理システムに含まれる処理ユニットを入れ替えることで対応する。例えば、洗浄能力を向上させるときは、洗浄ユニットを複数追加することができる。バリ取り能力を追加するときは、バリ取り機を追加する。
【0017】
接続フレームは、例えば、自動搬送機のフレームである。基準面は、テーブルやテーブル回転軸から所定の位置に設置される。それぞれの処理ユニットが接続フレームに接続されたときに、処理ユニットが正確に一列に配置する。処理ユニットが正確に配置されるため、自動搬送機に接続しやすい。
【0018】
なお、隣接する処理ユニットは、間隔をあけて配置されても良い。好ましくは、各処理ユニットの間に、更にステップを設置する。
また、隣接する処理ユニットは、実質的に同一の間隔をあけて配置されても良い。ここで、実質的に同一の間隔とは、隣接する処理ユニットの間を作業者が通ることができない程度の幅である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の処理システムは、横列配置されたときに、メンテナンスしやすい。また、設置面積を抑制できる。処理ユニットの柔軟な入替ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】横列配置された実施形態の処理システムの斜視図
図2】実施形態のジェット洗浄機の斜視図
図3】実施形態のジェット洗浄機の斜視図
図4】実施形態のブロー機の斜視図
図5】実施形態の減圧乾燥機の一部を切断した斜視図
図6】実施形態のバリ取り機の一部を切断した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すように、実施形態の処理システム10は、複数の処理ユニット10a~10dを有する。複数の処理ユニット10a~10dは、側面を互いに密接して、横一列に配置される。本実施形態の処理ユニット10a~10dは、例えば、ジェット洗浄機10a、ブロー機10b、減圧乾燥機10c、バリ取り機10dである。ジェット洗浄機10a、ブロー機10b、減圧乾燥機10c、バリ取り機10dの全体構成は、実質的に同一である。処理ユニット10a~10dは、それぞれ、処理室13と、ステップ31と、電源ケーブル34と、制御盤43と、を有する。処理ユニット10a~10dは、接続部27と、機械室41と、ケーブルラック33と、を有しても良い。
【0022】
各処理ユニット10a~10dにおいて、処理室13と制御盤43は、実質的に同一の幅を有する。各処理ユニット10a~10dにおいて、処理室13とステップ31は、実質的に同一の幅を有する。各処理ユニット10a~10dにおいて、処理室13と機械室41は、実質的に同一の幅を有する。
隣接する処理ユニット10a~10dの間は、実質的に同一の間隔を空けて設置されてよい。ここで、実質的に同一の間隔とは、隣接する処理ユニット10a~10dの間を作業者が通ることができない程度の幅である。これにより、作業者が処理ユニット10a~10dの後方から入り込むことを防止できる。
各処理ユニット10a~10dのステップ31は、それぞれ同一の高さを有する。各処理ユニット10a~10dのステップ31は、それぞれ同一の前後方向の長さを有する。各処理ユニット10a~10dの処理室13は、それぞれ同一の前後方向の長さを有する。
【0023】
以下、ジェット洗浄機10aについて説明する。図2及び図3に示すように、ジェット洗浄機10aは、洗浄室13aと、機械室41aと、タンク35と、洗浄配管32と、テーブル23と、ノズル25と、ポンプ49と、を有する。ジェット洗浄機10aは、フィルタ48を有しても良い。
ジェット洗浄機10aの洗浄室13aと、機械室41aと、タンク35と、制御盤43の左右の側面は、同一平面上に位置する。上方から見て、ジェット洗浄機10aは、長方形である。
【0024】
図2及び図3は、搬入扉17と、点検扉21と、点検扉47を開いた状態を示す。図1図3に示すように、洗浄室13aは、背面131と、第1の正面132と、台面133と、第2の正面134と、搬入口15と、搬入扉17と、を有する。洗浄室13aは、後開口19と、点検扉21と、テーブル回転モータ22と、ノズル旋回モータ24と、接続部27と、を有しても良い。
洗浄室13aは、側面視でL字状である。第1の正面132は、洗浄室13aの下方で、最も正面側に突出した面である。台面133は、第1の正面132の上端に接続され、第1の正面132の後方に水平に延びる。第2の正面134は、台面133の後端に接続され、台面133の上方に延びる。背面131は、洗浄室13aの上端から下端まで延びる。
【0025】
搬入口15は、正面開口15aと、上面開口15bとを有する。正面開口15aは、長方形である。正面開口15aは、第2の正面134のほぼ全面を占める。正面開口15aは、第2の正面134の幅の中央で、下方寄りに配置される。上面開口15bは、半円状であり、正面開口15aに接続される。上面開口15bは、台面133の後方寄りに配置される。
【0026】
搬入扉17は、例えば、スライド扉である。搬入扉17は、搬入口15に配置される。搬入扉17は、左搬入扉171と、右搬入扉172とを有する。左搬入扉171は、ドラムを中心角90度に切断した形状である。左搬入扉171は、円筒面171aと、上面171bを有する。円筒面171aは、1/4円筒状である。上面171bは、1/4円板であり、円筒面171aに接続される。右搬入扉172は、左搬入扉171と面対称である。右搬入扉172は、円筒面172aと、上面172bを有する。
【0027】
左搬入扉171と、右搬入扉172は、搬入口15の内側に配置される。左搬入扉171と、右搬入扉172は、閉じられたときに、半円筒状となって、搬入口15の上面開口15bと正面開口15aとを塞ぐ。
左搬入扉171は、正面132から見て、左側に約90度、円筒面171aに沿って旋回する。右搬入扉172は、正面132から見て、右側に約90度、円筒面172aに沿って旋回する。
搬入扉17が開いたときに、搬入口15は、ほぼ完全に開放される。このとき、左搬入扉171は、洗浄室13aの左半面に収納される。また、右搬入扉172は、洗浄室13aの右半面に収納される。
【0028】
接続部27は、基準面271と、接続フレーム272と、を有する。接続フレーム272は、基準となるフレームであり、例えば、自動搬送機5のフレームである。基準面271は、例えば、正面132に設置される。基準面271は、テーブル23から所定の位置に設置される。接続フレーム272とそれぞれの基準面271は、例えば、ピンで位置決めされる。接続フレーム272は、各処理ユニット10a~10dの基準面271に接続される。これにより、各処理ユニット10a~10dが正確な位置に配列される。
【0029】
なお、接続部27は、基準面(基準部)271と、連結部(不図示)を含んでも良い。このとき、基準面271は、例えば、正面132の一方のみ(例えば、左側)に配置される。連結部は、例えば、正面132の右側に配置される。連結部は、右側の側面より突出する。連結部は、各処理ユニット10a~10dの基準面271に結合される。基準面271と連結部は、例えば、ピンで位置決めされる。これにより、各処理ユニット10a~10dが正確な位置に配列される。
また、基準面271は、左右のいずれかの側面に配置されても良い。連結部(不図示)は、基準面271の反対側に配置される。連結部は、隣り合う処理ユニット10a~10dの基準面271と結合される。
【0030】
図3に示すように、背面131は、後開口19を有する。後開口19は、ステップ31の上方に配置される。後開口19は、例えば、長方形である。点検扉21は、後開口19に設置される。例えば、点検扉21は、片開き扉である。点検扉21は、例えば、左開き(左吊元)である。
【0031】
テーブル23は、洗浄室13aの内部に配置される。上面から見て、テーブル23の全体が正面134よりも前方に位置してもよい。また、上面から見て、テーブル23の一部のみが正面134よりも前方に位置してもよい。これにより、搬入扉17が開いたときに、上方及び前方から見て、テーブル23が搬入口15から露出する。
テーブル23は、例えば、回転テーブルである。テーブル23には、ワーク3が載せられる。テーブル23は、テーブル回転モータ22と接続される。テーブル23は、テーブル回転軸231を中心に回転する。テーブル回転軸231は、鉛直に延びる。
【0032】
ノズル25は、洗浄室13aの内部に配置される。ノズル25は、例えば、鉛直方向に延びる。ノズル25は、例えば、洗浄液を水平方向に、ワーク3に向けて噴射する。例えば、ノズル25は、複数の噴口251を有する。ノズル25は、ノズル旋回モータ24によって、ノズル回転軸252を中心に回動する。ノズル回転軸252は、鉛直に延びる。
【0033】
ステップ31aは、例えば、200mm~400mm程度の高さを有する。作業者は、ステップ31aの上を歩く。
タンク35は、洗浄液を貯留する。タンク35は、例えば、箱型であり、2槽式の開放タンクである。タンク35は、蓋351を有する。蓋351や、タンク35の上面が、ステップ31aの上面となる。
【0034】
機械室41aは、前面開口45と、点検扉47と、を有する。点検扉47は、片開き扉471と、跳ね上げ扉472を有する。
図1及び図2に示すように、前面開口45は、機械室41aの前面のステップ31の上方から垂直に延びて、機械室41aの上面の前方側半分まで広がる。好ましくは、前面開口45は、機械室41aのほぼ全幅に広がる。
片開き扉471は、前面開口45の中央部から下端部までを覆う。片開き扉471は、例えば、左開き(左吊元)である。跳ね上げ扉472は、前面開口45の上方部および上面部を覆う。
【0035】
制御盤43は、機械室41aの背面に配置される。制御盤43は、背面に扉51を有する。扉51は、例えば、片開き扉、観音扉である。制御盤43は、電源、数値制御装置、アンプ、リレー等を収納する。
【0036】
ポンプ49は、機械室41aの内部に配置される。ポンプ49は、液体ポンプであり、例えば、遠心ポンプ、ピストンポンプである。ポンプ49は、タンク35に貯留された洗浄液を加圧し、ノズル25へ送る。
フィルタ48は、機械室41aの内部に配置される。フィルタ48は、タンク35内の洗浄液を濾過する。
【0037】
ケーブルラック33は、ステップ31の下方に設置される。ケーブルラック33は、電源ケーブル34や、洗浄配管32を収納する。電源ケーブル34は、制御盤43とモータ22、24とを接続する。電源ケーブル34は、モータ22,24に駆動電流を供給する。洗浄配管32は、ポンプ49とノズル25とを接続する。洗浄配管32は、ポンプ49からノズル25へ洗浄液を供給する。
【0038】
図4は、搬入扉17と点検扉47とを開いた状態のブロー機10bを示す。図4に示すように、ブロー機10bは、ブロー室13bと、ステップ31bと、空気源59と、空気配管52と、空気ノズル55と、を有する。ブロー機10bは、機械室41bを有しても良い。ブロー機10bのその他の構成は、ジェット洗浄機10aと同一である。ブロー機10bのブロー室13bと、機械室41bと、ステップ31bと、制御盤43の左右の側面は、同一平面上に位置する。上方から見て、ブロー機10bは、長方形である。
【0039】
ブロー室13bは、洗浄室13aと同一の構造を有する。空気ノズル55は、噴口551を有する。噴口551は、例えば、パイプやスリットである。
【0040】
ステップ31bは、キャスター311を有する。ステップ31bは、ステップ31aと同じ高さを有する。ステップ31bは、ブロー室13b及び機械室41bと分離している。ステップ31bは、横方向にスライド可能である。これにより、ブロー室13bの後方の領域を解放できる。
【0041】
機械室41bは、機械室41aと同一の構造を有する。空気源59は、例えば、機械室41bの内部に配置される。空気源59は、例えば、エアフィルタ、送風機、空気圧縮機、空気乾燥機である。空気源59の電源は、制御盤43から供給される。
なお、空気源59が不要な場合、機械室41bを省いても良い。この場合、例えば、圧縮空気がブロー室13bに直接供給される。
【0042】
空気配管52は、ケーブルラック33に配置される。空気配管52は、空気源59と空気ノズル55とを接続する。空気配管52は、乾燥空気や圧縮空気を空気ノズル55へ供給する。
【0043】
図5は、搬入扉17と点検扉47とを開いた状態の減圧乾燥機10cを示す。減圧乾燥機10cは、乾燥室13cと、ステップ31cと、機械室41cと、旋回テーブル63と、容器蓋65と、シリンダ67と、減圧ポンプ69と、減圧配管68と、を有する。減圧乾燥機10cのその他の構成は、ジェット洗浄機10aと同一である。減圧乾燥機10cの乾燥室13cと、機械室41cと、ステップ31cと、制御盤43の左右の側面は、同一平面上に位置する。上方から見て、減圧乾燥機10cは、長方形である。
【0044】
乾燥室13cは、洗浄室13aと同一の構造を有する。ただし、乾燥室13cは、キャスター311を有する。旋回テーブル63と、容器蓋65と、シリンダ67は、乾燥室13cの内部に配置される。
旋回テーブル63は、180度分割であり、第1の減圧容器631と、第2の減圧容器632を有する。第1の減圧容器631と第2の減圧容器632は、同一の構造であり、旋回軸633に回転対称に配置される。第1の減圧容器631は、側方から見て三角形で、上方から見て四角形である。第1の減圧容器631は、旋回軸633から遠い側に、斜め上方向に開放した箱型容器である。ワーク3は、第1の減圧容器631、第2の減圧容器632の内部にそれぞれ設置される。
【0045】
テーブル回転モータ22は、旋回テーブル63を180度ずつ旋回し、第1の減圧容器631、第2の減圧容器632のいずれか一方を乾燥位置634に配置する。
シリンダ67は、例えば、エアシリンダや、電気シリンダである。
【0046】
容器蓋65は、側方から見て三角形で、上方から見て四角形である。容器蓋65は、旋回軸633に向かって斜め下方向に開放した箱型の蓋である。容器蓋65は、シリンダ67に接続される。シリンダ67は、容器蓋65を前後方向に移動する。容器蓋65が前方に移動したときに、容器蓋65は乾燥位置634にある第1の減圧容器631又は第2の減圧容器632と接続される。そして、容器蓋65によって、第1の減圧容器631又は第2の減圧容器632が密閉される。
【0047】
ステップ31cは、ステップ31bと同一の構造である。ステップ31cを横方向にスライドして、乾燥室13cの後方を開けたときに、乾燥室13cを後方の開いた空間にスライドできる。
【0048】
機械室41cは、前面開口451と、点検扉473と、を有する。前面開口451は、機械室41cの前面のほぼ全面に広がる。点検扉473は、例えば、左開きの片開き扉である。
減圧ポンプ69は、機械室41cの内部に配置される。減圧ポンプ69は、例えば、ルーツポンプ、スクロールポンプ、回転ポンプである。
減圧配管68は、減圧ポンプ69と容器蓋65を接続する。減圧ポンプ69は、密閉された第1の減圧容器631又は第2の減圧容器632の内部を減圧し、ワーク3を乾燥させる。
【0049】
図6に示すように、バリ取り機10dは、バリ取り室13dと、テーブル回転モータ22と、テーブル23と、ロボット71と、バリ取り工具72と、ステップ31dと、制御盤43と、ケーブルラック33と、を有する。バリ取り機10dのバリ取り室13dと、ステップ31dと、制御盤43の左右の側面は、同一平面上に位置する。上方から見て、バリ取り機10dは、長方形である。バリ取り機11dは、キャスター311を有する。
【0050】
バリ取り室13dは、洗浄室13aと同一の構造を有する。ロボット71は、例えば、パラレルリンク式のロボットであり、バリ取り室13dの内部に配置される。バリ取り工具72は、例えば、回転刃具721を有する。バリ取り工具72は、ロボット71のフランジ部に設置される。ロボット71は、バリ取り工具72の位置及び姿勢を自在に制御する。ロボット71は、回転刃具721をワーク3に接触させて、バリ取りを行う。
【0051】
ステップ31dは、フレーム312を有する。ステップ31dは、ステップ31a、31b、31cと同一の高さと長さを有する。フレーム312は、バリ取り室13dと制御盤43を接続する。
なお、ステップ31dの長さをステップ31a~31cよりも長くして、第1の正面132から制御盤43の背面までの距離を、処理ユニット10a~10cに揃えても良い。この場合、処理ユニット10a~10dを並べたときに、各制御盤43の背面の位置が揃う。
【0052】
図1に示すように、ジェット洗浄機10a、ブロー機10b、減圧乾燥機10c、バリ取り機10dを横一列に配置すると、各ステップ31は、たがいに接続される。ジェット洗浄機10a、ブロー機10b、減圧乾燥機10c、バリ取り機10dが密着して配置されたときは、各ステップ31は、単独で通路を形成する。これにより、作業者は、ステップ31の上を歩いて、処理ユニット10a~10dの間を移動できる。
【0053】
各点検扉21、471、472、473は、ステップ31に面している。そのため、ステップ31に乗った作業者が、洗浄室13a、ブロー室13b、乾燥室13c、バリ取り室13dや機械室41a、41b、41cの内部を集中してメンテナンスできる。
そのため、処理ユニット10a~10dを密接して配置しても、メンテナンスが容易である。
【0054】
また、処理ユニット10a~10dが横一列に配置されたときに、処理ユニット10a~10dの背面に制御盤43が並ぶ。作業者は、処理ユニット10a~10dの背面から、各制御盤43を開き、メンテナンスできる。制御盤43が規則的に配置されるため、作業性が向上する。
更に、処理ユニット10a~10dの前面および背面がほぼ一列に並ぶため、前後のスペースを活用しやすい。処理ユニット10a~10dの横幅が、先後にわたってほぼ同一であるため、密接配置したときに、設置面積を抑制できる。
【0055】
各処理ユニット10a~10dの外観寸法は同一であるため、自由に配列を変更できる。例えば、1台のバリ取り機10d、2台のジェット洗浄機10a、1台の減圧乾燥機10cを順に並べて設置する。その後に、ジェット洗浄機10aと減圧乾燥機10cの間を処理ユニット1台分空けて、そのスペースにブロー機10bを挿入できる。また、ジェット洗浄機10aや、ブロー機10bを引き抜いて、その間の空間を詰めても良い。本実施形態によれば、処理ユニット10a~10dを柔軟に入替できる。そして、処理ユニット群の機能の追加や削減を、処理ユニットの増減により容易に行える。例えば、ある工場のジェット洗浄機10aを引き抜いて、別の工場の処理ユニット群に追加できる。また、ある工場で廃止されたラインの処理ユニット群を他のライン増設に容易に活用できる。
【0056】
ブロー機10b、減圧乾燥機10cのステップ31bを横方向にスライドして、一台分の処理室の後方を空けることができる。減圧乾燥機10cを後方にスライドさせれば、前後からメンテナンスできる。
【0057】
なお、洗浄室13a、ブロー室13bにキャスター311を配置して良い。タンク35にキャスター311を設置しても良い。ジェット洗浄機10aの洗浄室13aと、タンク35と、機械室41aと、制御盤43とを一体に結合して、キャスター311を配置しても良い。
【0058】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10a ジェット洗浄機
10b ブロー機
10c 減圧乾燥機
10d バリ取り機
13a 洗浄室
13b ブロー室
13c 乾燥室
13d バリ取り室
17 搬入扉
31 ステップ
41 機械室
43 制御盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6