(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077027
(43)【公開日】2022-05-20
(54)【発明の名称】封止された構成要素の放電の低減
(51)【国際特許分類】
G01J 1/42 20060101AFI20220513BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20220513BHJP
H01J 40/06 20060101ALI20220513BHJP
H01J 43/30 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
G01J1/42 G
G01J1/02 D
H01J40/06
H01J43/30
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183025
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】17/093,837
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アラン・シャーマー
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AA01
2G065AA04
2G065AB15
2G065AB19
2G065BA18
2G065BA23
2G065BC35
2G065CA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】部分放電を低減するためのシステム及び方法が提供される。
【解決手段】封止されたセンサアセンブリであって、気密バリアと、高電圧センサと、高電圧センサに入力電圧を提供するように構成された入力回路と、出力電圧をデータプロセッサに提供するように構成された出力回路と、入力回路を介して高電圧センサに提供するための入力電圧を受信し、出力回路を介して出力電圧をデータプロセッサに提供するために、封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路であって、出力電圧が、高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示し、放電低減回路が、出力回路と、気密バリアを通して出力回路をデータプロセッサに搬送する第1のインシュレータとの間の空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するように構成されている、放電低減回路と、を備える、封止されたセンサアセンブリを備える、システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
封止されたセンサアセンブリであって、
気密バリアと、
高電圧センサと、
前記高電圧センサに入力電圧を提供するように構成された入力回路と、
出力電圧をデータプロセッサに提供するように構成された出力回路と、
前記入力回路を介して前記高電圧センサに提供するための前記入力電圧を受信し、前記出力回路を介して前記出力電圧を前記データプロセッサに提供するために、前記封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路であって、前記出力電圧が、前記高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示し、前記放電低減回路が、前記出力回路と、前記気密バリアを通して前記出力回路を前記データプロセッサに搬送する第1のインシュレータとの間の空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するように構成されている、放電低減回路と、を備える、封止されたセンサアセンブリを備える、システム。
【請求項2】
前記放電低減回路が、バイアス抵抗器と、結合コンデンサと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バイアス抵抗器が、前記高電圧センサの入力と前記高電圧センサの出力との間に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記結合コンデンサが、前記バイアス抵抗器の出力と、前記封止されたセンサアセンブリの前記気密バリアを通して前記出力回路を搬送する前記第1のインシュレータのピンとの間に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記高電圧センサが、シンチレータと、光電陰極と、を備え、前記封止されたセンサアセンブリが、光電子増倍管を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光電子増倍管が、加圧ガスを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記入力電圧が、前記入力回路に結合された高電圧電力源によって提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記高電圧電力源が、250~2000Vの前記入力電圧を供給するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記封止されたセンサアセンブリが、前記気密バリアを通して前記高電圧電力源から前記入力回路を搬送する第2のインシュレータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記気密バリアが、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック、又はそれらの組み合わせのうちの1つを含む材料から形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
封止されたセンサアセンブリ内に構成された高電圧センサで入力電圧を受信することであって、前記入力電圧が、前記高電圧センサを結合する入力回路及び前記封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路を介して受信され、前記放電低減回路が、前記高電圧センサに前記入力電圧を提供するように構成されている、受信することと、
前記放電低減回路を介して前記高電圧センサの出力電圧を提供することであって、前記出力電圧が、前記放電回路を介して前記高電圧センサをデータプロセッサに結合する出力回路を介して提供され、前記出力電圧が、前記高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示し、前記放電低減回路が、前記出力回路と、前記封止されたセンサアセンブリの気密バリアを通して前記出力回路を前記データプロセッサに搬送する第1のインシュレータとの間の空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するために、前記封止されたセンサアセンブリ内に構成されている、提供することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記放電低減回路が、バイアス抵抗器と、結合コンデンサと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バイアス抵抗器が、前記高電圧センサへの入力と前記高電圧センサの出力との間に構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記結合コンデンサが、前記バイアス抵抗器の出力と前記第1のインシュレータのピンとの間に構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記高電圧センサが、シンチレータと、光電陰極と、を備え、前記封止されたセンサアセンブリが、光電子増倍管を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記光電子増倍管が、加圧ガスを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記入力電圧が、前記入力回路に結合された高電圧電力源を介して提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記高電圧電力源が、250~2000Vの前記入力電圧を供給するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記封止されたセンサアセンブリが、前記気密バリアを通して前記高電圧電力源から前記入力回路を搬送する第2のインシュレータを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記気密バリアが、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック、又はそれらの組み合わせのうちの1つを含む材料から形成される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
光電子増倍管などの封止された電気的構成要素は、構成要素内の1つ以上の場所で生じる高電圧ストレスのため、スプリアスの部分放電を受ける場合がある。放電は、構成要素によって生成される意図した信号を模倣する場合があり、それによって、封止された構成要素内の部分放電の結果として生成される信号値から、意図した信号値を正確に把握することが困難になる。封止された電気的構成要素によって生成される信号値が正確であることを確実にするために、スプリアスの部分放電を軽減及び低減させることが望ましくなり得る。
【0002】
一態様では、部分放電を低減させるためのシステムが提供される。一実施形態では、該システムは、気密バリアと、高電圧センサと、入力電圧を高電圧センサに提供するように構成された入力回路と、出力電圧をデータプロセッサに提供するように構成された出力回路と、を含む、封止されたセンサアセンブリを含むことができる。該システムはまた、入力回路を介して高電圧センサに提供するための入力電圧を受信し、出力回路を介して出力電圧をデータプロセッサに提供するために、封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路も含む。出力電圧は、高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示すことができる。放電回路は、出力回路と、気密バリアを通して出力回路をデータプロセッサに搬送する第1のインシュレータとの間の空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するように構成することができる。
【0003】
別の実施形態では、放電低減回路は、バイアス抵抗器と、結合コンデンサと、を含むことができる。バイアス抵抗器は、高電圧センサの入力と高電圧センサの出力との間に構成することができる。結合コンデンサは、バイアス抵抗器の出力と、封止されたセンサアセンブリの気密バリアを通して出力回路を搬送する第1のインシュレータのピンとの間に構成することができる。
【0004】
別の実施形態では、高電圧センサは、シンチレータと、光電陰極と、を含むことができ、封止されたセンサアセンブリは、光電子増倍管を含む。光電子増倍管は、加圧ガスを含むことができる。別の実施形態では、入力電圧は、入力回路に結合された高電圧電力源によって提供される。高電圧電力源は、250~2000Vの入力電圧を供給するように構成することができる。別の実施形態では、封止されたセンサアセンブリは、気密バリアを通して高電圧電力源から入力回路を搬送する第2のインシュレータを含むことができる。別の実施形態では、気密バリアは、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック、又はそれらの組み合わせのうちの1つを含む材料から形成することができる。
【0005】
別の態様では、部分放電を低減させるための方法が提供される。一実施形態では、該方法は、封止されたセンサアセンブリ内に構成された高電圧センサで入力電圧を受信することを含むことができる。入力電圧は、高電圧センサを結合する入力回路及び封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路を介して受信することができる。放電低減回路は、高電圧センサに入力電圧を提供するように構成することができる。該方法はまた、放電低減回路を介して高電圧センサの出力電圧を提供することも含むことができる。出力電圧は、放電回路を介して高電圧センサをデータプロセッサに結合する出力回路を介して提供することができる。出力電圧は、高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示すことができる。放電低減回路は、出力回路と、封止されたセンサアセンブリの気密バリアを通して出力回路をデータプロセッサに搬送する第1のインシュレータとの間の空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するために、封止されたセンサアセンブリ内に構成することができる。
【0006】
別の実施形態では、放電低減回路は、バイアス抵抗器と、結合コンデンサと、を含むことができる。バイアス抵抗器は、高電圧センサの入力と高電圧センサの出力との間に構成することができる。結合コンデンサは、バイアス抵抗器の出力と、封止されたセンサアセンブリの気密バリアを通して出力回路を搬送する第1のインシュレータのピンとの間に構成することができる。
【0007】
別の実施形態では、高電圧センサは、シンチレータと、光電陰極と、を含むことができ、封止されたセンサアセンブリは、光電子増倍管を含む。光電子増倍管は、加圧ガスを含むことができる。別の実施形態では、入力電圧は、入力回路に結合された高電圧電力源によって提供される。高電圧電力源は、250~2000Vの入力電圧を供給するように構成することができる。別の実施形態では、封止されたセンサアセンブリは、気密バリアを通して高電圧電力源から入力回路を搬送する第2のインシュレータを含むことができる。別の実施形態では、気密バリアは、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック、又はそれらの組み合わせのうちの1つを含む材料から形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【0009】
【
図1】
図1は、本主題のいくつかの実装形態による、放電低減回路を介してセンサの出力における部分放電を低減するための例示的なプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0010】
【
図2】
図2は、本主題のいくつかの実装形態による、
図1のプロセスを行うように構成された放電低減回路を含む例示的なシステムを示すブロック図である。
【0011】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
光電子増倍管は、電磁スペクトルの紫外範囲、可視範囲、及び近赤外範囲の光を検出するように構成された真空封止された構成要素を含むことができる。光電子増倍管は、光エネルギーを受信し、光エネルギーを出力信号に変換するように構成されたセンサをその中に含むことができる。光電子増倍管は、低雑音かつ高感度の光の検出を必要とする用途に適している。
【0013】
光電子増倍管及び出力信号を生成するその中に構成されたセンサの出力信号は、光電子増倍管の封止された部分内で生じ得る部分放電の発生のため、変化し得る。例えば、電気エネルギーの部分放電は、光電子増倍管の封止されたアセンブリ内に構成されたインシュレータの高電圧バイアス信号ピンと、光電子増倍管のシャーシ接地などの接地との間に生じ得る。
【0014】
この放電は、インシュレータ内に存在する空隙のイオン化降伏によって生じ得る。空隙は、光電子増倍管のシールを通してセンサ出力信号を搬送するインシュレータのワイヤ又はピンと、ピンのワイヤが構成されるインシュレータとの間に存在し得る。高電圧用途では、この場所は、イオン化降伏につながり得る超高電圧ストレスを受ける場合があり、出力信号にノイズを加え得る周期的な放電を生成し得る。電圧がこれらの場所に蓄積すると、臨海閾値を超え、それを超えると、高電圧出力信号を搬送するワイヤ又はピンとインシュレータの内面との間に形成された間隙を、高い転送速度で電荷が流れ始める。そのような放電は、高温用途において特に一般的である。これらの電荷は、光電子増倍管内に構成されたセンサの実際の出力信号を模倣又はシミュレーションし得る。その結果、センサ及び光電子増倍管の精度、性能、及び信頼性が低下する場合があり、また、光電子増倍管センサによって検出されている光を正確に示さない、誤った出力信号をもたらす場合がある。
【0015】
放電は、光電子増倍管のシールの周囲に絶縁材を加えることによって軽減することができるが、これらの方法は、絶縁材が適切に構成されていることを検証するために、大きな労力を要し、時間がかかる場合があり、また、広範囲にわたる品質保証試験を必要とし得る。放電はまた、センサの出力信号回路を接地にさせることができる負の高電圧モードで光電子増倍管を動作させることによって低減させることもできる。これは、光電子増倍管の物理的設計を不必要に難しくする場合があり、また、その中に構成されるシンチレータ結晶の容積を低減させる場合があり、これは、その中に構成される光電子増倍管センサの性能を低減させる場合がある。
【0016】
放電低減回路を介して封止されたセンサアセンブリのセンサの出力の部分放電を低減させるための例示的なシステム及び方法が本明細書で提供される。本明細書のシステム及び方法は、広範囲にわたる温度の用途において、センサ信号出力回路と信号接地との間の部分放電の発生を低減させるように構成することができる。放電低減回路は、有利には、部分放電を低減させるように、光電子増倍管などの封止されたセンサアセンブリ内に構成することができる。封止された光電子増倍管内に放電低減回路を実装することによって、高電圧センサ出力は、放電の発生を阻止又は低減させるための低電圧出力に変換することができる。本明細書で説明するシステム及び方法は、光電子増倍管などの高度に統合された封止されたセンサアセンブリを提供することができ、より信頼性が高く、かつ誤ったガンマ係数率を起こし難くなる。追加的に、封止されたセンサアセンブリ内の放電低減回路の構成は、封止されたセンサアセンブリの外側に構成されたプリアンプ/アンプ/弁別器回路を単純化することができる。この構成は、組み立てられた封止されたセンサアセンブリのスクラップ材料を低減するといった、更なる利益を提供することができる。コスト低減はまた、表面実装構成要素上の放電低減回路をプリント回路基板(printed circuit board、PCB)などの封止されたセンサアセンブリ内に実装することによって、及び封止されたセンサアセンブリのシール又はバリアを貫通する数を低減することによって達成することもできる。
【0017】
図1は、本主題のいくつかの実装形態による、放電低減回路を介してセンサの出力における部分放電を低減するための例示的なプロセス100を示すプロセスフロー図である。110で、高電圧センサは、入力電圧を受信することができる。光電子増倍管及びシンチレータなどの高電圧センサは、光電子増倍管などの封止されたセンサアセンブリの封止された一部分内に構成することができる。入力電圧は、封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路を介して入力電圧を高電圧センサに提供する高電圧電力源に結合するように構成された入力回路を介して受信することができる。
【0018】
120で、高電圧センサは、放電低減回路を介して出力電圧を提供することができる。出力電圧は、封止されたセンサアセンブリ内に構成された放電低減回路を介して高電圧センサをデータプロセッサに結合する出力回路を介して提供することができる。出力電圧は、高電圧センサで受信される光の量子に対応する出力信号を示すことができる。放電低減回路は、出力回路と、封止されたセンサアセンブリの気密バリアを通して出力回路をデータプロセッサに搬送するインシュレータの間に存在する空隙のイオン化降伏と関連する放電の発生を低減するように構成することができる。
【0019】
図2は、本主題のいくつかの実装形態による、
図1のプロセスを行うように構成された放電低減回路を含む例示的なシステム200を示すブロック図である。システム200は、封止されたセンサアセンブリ202を含む。例えば、封止されたセンサアセンブリ202としては、光電子増倍管、ガス封入検出器、などを挙げることができる。封止されたセンサアセンブリ202は、250~2000VDCを扱うことが可能な高電圧用途のために構成することができる。高電圧入力は、高電圧電力源204によって提供することができる。高電圧電力源204は、接地206を含むことができる。高電圧電力源204は、封止されたセンサアセンブリ202内に構成されたセンサに高バイアス電圧を提供するように構成することができる。
【0020】
図2に示すように、高電圧電力源204は、入力絶縁パススルー208を介して、封止されたセンサアセンブリ202に入力を提供することができる。絶縁パススルー208は、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック材料、及び/又はそれらの組み合わせなどの、絶縁材料を含むことができる。絶縁パススルー208は、入力ピン及び出力ピンを結合するワイヤを含むことができる。ワイヤ及び/又はピンは、絶縁パススルー内にろう付けして、又はそれを通して、封止されたセンサアセンブリ202内に構成されたセンサに高電圧入力を搬送することができる。絶縁パススルー208は、封止された一部分212及び封止されたセンサアセンブリ202の大気部分214を画定するように構成された、気密バリアなどのシール210を通過するように形成することができる。絶縁パススルー208は、シール210内にろう付けすることができる。いくつかの実施形態では、封止された一部分212は、不活性ガス、空気、又は窒素などの加圧ガスを収容することができる。シール210は、封止されたセンサアセンブリ202のシャーシ内に形成することができる。封止されたセンサアセンブリ202はまた、アセンブリ接地216を含むこともできる。
【0021】
図2に示すように、高電圧電力源204は、入力回路218を介して入力電圧を提供することができる。入力回路218は、封止されたセンサアセンブリ202の大気部分214に構成された絶縁パススルー208の入力ピンに高電圧電力源204を結合することができる。入力回路218は、絶縁パススルー208の出力ピンを介して高電圧センサ220に入力電圧を更に提供することができる。
【0022】
高電圧センサ220は、入力回路218を介して入力電圧を受信することができる。入力電圧は、高電圧センサ220に電力を提供することができる。高電圧センサ220は、センサ接地222を含むことができる。高電圧センサ220はまた、シンチレータ222及び光電陰極224を含むこともできる。シンチレータ222は、光源から受信される吸収光エネルギーを再放射することができる。光電陰極224は、シンチレータ222から光エネルギーを受信することができ、光エネルギーを電気信号に変換することができる。高電圧センサ220は、出力電圧などの出力信号を生成するように構成することができる。出力電圧は、出力信号を示すことができる。出力信号は、高電圧センサ220で受信される光の量子に対応することができる。いくつかの実施形態では、高電圧センサ220は、フォトダイオード又は光電子増倍管を含むことができる。
【0023】
図2に示すように、高電圧センサ220は、出力回路228を介して出力信号を提供することができる。出力回路228は、封止されたセンサアセンブリ202のシール210内に構成された絶縁パススルー230を通して出力信号を搬送することができる。絶縁パススルー230は、シール210内にろう付けすることができる。絶縁パススルー230は、同様に、絶縁パススルー208に構成することができる。例えば、絶縁パススルー230は、二酸化ケイ素、二酸化マグネシウム、セラミック材料、及び/又はそれらの組み合わせなどの、絶縁材料を含むことができる。絶縁パススルー230は、入力ピン232及び出力ピンを結合するワイヤを含むことができる。ワイヤ及び/若しくはピンは、絶縁パススルー232内にろう付けして、又はそれを通して、高電圧センサ220の出力信号を示す出力電圧を搬送することができる。絶縁パススルー230は、シール210を通過するように形成することができる。
【0024】
図2に示すように、出力回路228は、データプロセッサ234に出力電圧を更に提供することができる。データプロセッサ234は、出力回路228を介して高電圧センサ220に結合されたコンピューティング装置内に構成することができる。コンピューティング装置は、接地236と、プログラマチック命令を実行して高電圧センサ220及び出力信号と関連するデータを分析及び提供するように構成された非一時的コンピュータ可読及び実行可能な機能と、を含むことができる。
【0025】
図2に更に示すように、封止されたセンサアセンブリ202は、放電低減回路238を含むことができる。放電低減回路238は、封止されたセンサアセンブリ202の封止された一部分212内に構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、放電低減回路238は、絶縁パススルー208及び230のそれぞれの入力ピン及び出力ピンに直接結合されたプリント回路基板上の封止されたセンサアセンブリ202内に提供することができる。高電圧センサ220は、それを入力回路218及び出力回路228に接続するために、1つ以上のワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、放電低減回路238は、高電圧センサ220のワイヤに結合することができる。いくつかの実施形態では、高電圧センサ220のワイヤは、放電低減回路238内に構成された構成要素に直接結合することができる。
【0026】
図2に示すように、放電低減回路238は、バイアス抵抗器240と、結合コンデンサ242と、を含むことができる。バイアス抵抗器240は、入力回路218及び出力回路228に結合することができる。バイアス抵抗器240は、入力回路218を介して高電圧センサ220に提供される電流量を制御することができる。このようにして、高電圧センサ220に電力を供給するために必要な最小電流量が、高電圧センサ220によって受信される。結合コンデンサ242は、出力回路228及び絶縁パススルー230の入力ピン232に結合することができる。結合コンデンサ242は、一方の回路からの信号が遮断され、一方で、第2の回路からの信号が通過することを可能にするように、2つの回路を接続するように構成することができる。結合コンデンサ242は、2つの結合された回路のDCバイアス設定を隔離するのを補助することができる。
【0027】
放電低減回路228は、出力回路228を介して搬送される高電圧出力信号からの部分放電を低減又は軽減することができる。部分放電は、高電圧ストレス領域に生じる場合があり、また、通常高電圧センサ220によって生成された出力信号を模倣する場合がある。例えば、部分放電は、絶縁パススルーと、封止されたセンサアセンブリのシール内に構成されたワイヤ/ピンとの間に存在する空隙などの高電圧ストレス領域に生じる場合がある。
図2に示すように、放電低減回路238を封止されたセンサアセンブリ202内に構成することは、有利には、絶縁パススルー230の入力ピン232で受信される出力電圧を低電圧出力信号にすることができる。その結果、絶縁パススルー230の、又はその中の高電圧ストレスにより生じる部分放電のリスク及び発生が低減される。バイアス抵抗器240は、光電子増倍管202の高電圧出力228及び結合コンデンサ242の高電圧側への電荷を設定するために使用することができる。この電荷は、光電子増倍管202から、電荷パルスの出力上のコンデンサ240にわたって転送することができる。バイアス抵抗器240は、結合コンデンサ242にわたって立ち下がりパルスが生成された後に、出力パルスの減衰率を決定することができる。結合コンデンサ242の低電圧側の回路は、その入力が本質的に接地状態にあり得る、電荷感応増幅器を含むことができる。その結果、気密シールを通るピンは、接地電位となる場合があり、該システム及び本明細書で説明する方法を使用して低減又は排除することができるスプリアスノイズパルスを生成することができない。
【0028】
本明細書で説明する方法及びシステムの例示的な技術的効果は、非限定的な例として、封止されたセンサアセンブリ内に構成された高電圧センサの出力内の部分放電を低減させることを含む。バイアス抵抗器及び結合コンデンサを含む放電低減回路を封止されたセンサアセンブリ内に構成することによって、高電圧センサの出力信号を、高電圧信号から低電圧信号に変換することができる。その結果、高電圧センサの出力回路を搬送する絶縁パススルー又はその周囲の高電圧ストレスの量を低減させることができ、高電圧センサの意図した出力信号を模倣する部分放電の存在を排除することができ、それにより、結果として生じる出力信号は、有利には、高電圧センサによって観察される刺激に対してより正確である。したがって、本明細書で説明する封止されたセンサアセンブリは、その中に構成された高電圧センサからより正確な出力信号を提供することができ、また、封止されたセンサアセンブリに結合された高電圧センサ、絶縁パススルー、シール、及び任意の電子部品に対する動作保護の手段を更に提供することができる。
【0029】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して示される、又は説明する特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態において類似する名称のそれぞれの構成要素のそれぞれの特徴については、必ずしも完全には詳述していない。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応することができる。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換を行うことができ、かかる範囲は識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、そこに含まれるすべての部分範囲を含む。
【0031】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。