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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077090
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】ラベル付き物品
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/08 20060101AFI20220516BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20220516BHJP
   B65D 25/20 20060101ALN20220516BHJP
【FI】
G09F1/08 Z
G09F3/10 A
B65D25/20 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187739
(22)【出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻本 享永
(72)【発明者】
【氏名】塙 美明
(72)【発明者】
【氏名】坂井 淳
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062BA08
3E062BB02
3E062BB10
3E062DA02
3E062DA07
(57)【要約】
【課題】ラベルの突出部を傾斜姿勢に保持することが可能なラベル付き物品を提供すること。
【解決手段】ラベル付き物品1は、物品100とラベル200とを備える。ラベル200は、側面貼着部210と、一対の上面貼着部220と、突出部230と、を有する。突出部230は、連結部232と、離間部234と、を有する。突出部230は、上面110から上方に向かうにしたがって側面121を含む仮想面から次第に離間するように傾斜している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
稜線にて屈曲して連続した上面及び側面を有する物品と、
前記物品に貼着されたラベルと、を備え、
前記ラベルは、
前記物品の前記側面に貼着された側面貼着部と、
前記側面貼着部の上端部でかつ幅方向における両端部につながっており、前記上面に貼着された一対の上面貼着部と、
前記一対の上面貼着部間に形成されており、前記上面から上方に突出する突出部と、を有し、
前記突出部は、
前記側面貼着部につながり、前記一対の上面貼着部に連結された連結部と、
前記連結部につながり、前記上面貼着部から離間した離間部と、を有し、
前記突出部は、前記上面から上方に向かうにしたがって前記側面を含む仮想面から次第に離間するように傾斜している、ラベル付き物品。
【請求項2】
前記ラベルは、前記幅方向に前記一対の上面貼着部同士を連結しており、前記上面に貼着された連結貼着部をさらに有する、請求項1に記載のラベル付き物品。
【請求項3】
各上面貼着部の前記幅方向における内側の縁部は、前記稜線に近づくにしたがって次第に互いに近づく形状を有する、請求項1又は2に記載のラベル付き物品。
【請求項4】
前記幅方向における前記突出部の下端部の寸法は、前記幅方向における各上面貼着部の寸法の和よりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載のラベル付き物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラベル付き物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の上面から上方に突出するPOPを有するラベル付き物品が知られている。例えば、特開2015-182777号公報には、上面及び側面を有する容器と、容器に貼着されたPOPラベルと、を備えるラベル付き物品が開示されている。このラベル付き物品では、POPラベルの貼着部の粘着面が容器の一側面に貼付されていると共に、粘着面の上端部が容器の稜線に又は稜線を含む上面の稜線近傍領域に付着されることにより、POPラベルの突出部が容器の上面側に傾いた状態で容器の稜線から上方に立ち上げられている。このため、複数のラベル付き物品からなる集合体が熱収縮性フィルムで被包されたり、集合体上に厚紙等が載置されたりした場合に、各POPラベルの突出部が容器の上面に沿うように同じ方向に折れ曲がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-182777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2015-182777号公報に記載されるようなラベル付き物品では、ラベルの突出部がより確実に傾斜姿勢に保持されることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、ラベルの突出部を傾斜姿勢に保持することが可能なラベル付き物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従ったラベル付き物品は、稜線にて屈曲して連続した上面及び側面を有する物品と、前記物品に貼着されたラベルと、を備え、前記ラベルは、前記物品の前記側面に貼着された側面貼着部と、前記側面貼着部の上端部でかつ幅方向における両端部につながっており、前記上面に貼着された一対の上面貼着部と、前記一対の上面貼着部間に形成されており、前記上面から上方に突出する突出部と、を有し、前記突出部は、前記側面貼着部につながり、前記一対の上面貼着部に連結された連結部と、前記連結部につながり、前記上面貼着部から離間した離間部と、を有し、前記突出部は、前記上面から上方に向かうにしたがって前記側面を含む仮想面から次第に離間するように傾斜している。
【0007】
このラベル付き物品では、幅方向における突出部の両側において上面貼着部が上面に貼着されており、突出部の下端部に形成された連結部が各上面貼着部に連結されているため、連結部が上面貼着部により上面側に引っ張られることによって、突出部が上面から上方に向かうにしたがって側面を含む仮想面から次第に離間するように傾斜する姿勢に有効に保持される。なお、「幅方向」は、側面貼着部を正面から見たときにおける左右方向に相当する。
【0008】
また、前記ラベルは、前記幅方向に前記一対の上面貼着部同士を連結しており、前記上面に貼着された連結貼着部をさらに有することが好ましい。
【0009】
この態様では、物品の上面と側面との境界に形成される稜線に対して上面貼着部が傾斜することが抑制され、かつ、上面に貼着される部位の接着面積が確保される。
【0010】
また、各上面貼着部の前記幅方向における内側の縁部は、前記稜線に近づくにしたがって次第に互いに近づく形状を有することが好ましい。
【0011】
このようにすれば、上面貼着部の基端部における接着力の確保と、突出部に表示する表示面積の確保と、が両立される。
【0012】
また、前記幅方向における前記突出部の下端部の寸法は、前記幅方向における各上面貼着部の寸法の和よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ラベルの突出部を傾斜姿勢に保持することが可能なラベル付き物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態のラベル付き物品の斜視図である。
図2】ラベルの近傍の斜視図である。
図3】物品に貼着される前の状態におけるラベルの正面図である。
図4】物品にラベルを貼着する工程を概略的に示す図である。
図5】複数のラベル付き物品がフィルムでまとめて包装された状態を概略的に示す斜視図である。
図6】ラベルの変形例を示す正面図である。
図7】ラベルの変形例を示す正面図である。
図8】ラベルの変形例を示す正面図である。
図9】ラベルの変形例を示す正面図である。
図10】ラベルの変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態のラベル付き物品の斜視図である。図2は、ラベルの近傍の斜視図である。このラベル付き物品1は、ブリックパック等の水密性の容器や、食品や薬品の包装箱等に好ましく適用される。
【0017】
図1に示されるように、ラベル付き物品1は、物品100と、ラベル200と、を備えている。
【0018】
物品100は、上面110と、側面120と、を有している。本実施形態では、物品100は、直方体に形成されている。すなわち、物品100は、上面110と、下面と、4つの側面120と、を有している。以下、4つの側面120のうちラベル200が貼着される面を「側面121」と表記する。
【0019】
ラベル200は、物品100に貼着されている。具体的に、ラベル200は、その一部が上面110から上方に突出するように物品100の側面121に貼着されている。ラベル200は、PPやPET等の合成樹脂、合成紙、厚紙、またはこれらの積層体からなる。本実施形態では、ラベル200は、PETからなり、厚みは50μmに設定されている。
【0020】
ラベル200は、側面貼着部210と、一対の上面貼着部220と、突出部230と、連結貼着部240と、を有している。
【0021】
側面貼着部210は、側面121に貼着されている。側面貼着部210は、ラベル200のうち、上面110と側面121との境界に形成される稜線101の下側の部位に相当する。本実施形態では、側面貼着部210は、矩形状である。
【0022】
一対の上面貼着部220は、側面貼着部210の上端部でかつ幅方向における両端部211(図2を参照)につながっており、上面110に貼着されている。幅方向は、側面貼着部210を正面から見たときにおける左右方向(図3における左右方向)を意味する。
【0023】
一対の上面貼着部220は、前記両端部211から稜線101から離間する向きに延びる形状を有している。本実施形態では、幅方向における各上面貼着部220の内側の縁部221は、上面110と側面121との境界(稜線101)と直交する方向に沿って直線状に延びる形状を有している。
【0024】
突出部230は、一対の上面貼着部220間に形成されており、上面110から上方に突出している。具体的に、突出部230は、上面110から上方に向かうにしたがって側面121を含む仮想面から次第に離間するように傾斜する姿勢となっている。突出部230と上面110とのなす角は、例えば80度程度である。突出部230は、物品100に貼着されていない。突出部230の裏面は、物品100に接着する接着力を有していない。例えば、突出部230の裏面には接着層が設けられていなくてもよいし、ラベル200の裏面の全域に接着層が設けられるとともに、突出部230の裏面に対応する領域に接着層の接着力をなくす又は低減させるマスキング層が設けられてもよい。突出部230の表面には、適宜表示(図示略)が設けられている。稜線101と直交する方向(図3における上下方向)における突出部230の長さL1は、例えば25mmに設定される。
【0025】
突出部230は、連結部232と、離間部234と、を有している。
【0026】
連結部232は、側面貼着部210につながっている。連結部232は、各上面貼着部220に連結されている。稜線101と直交する方向における連結部232の長さL2は、連結部232が上面貼着部220により上面110側に引っ張られることによって、突出部230が上面110から上方に向かうにしたがって側面121を含む仮想面から次第に離間するように傾斜する姿勢となる長さに設定されている。連結部232の長さL2は、例えば0.5~4mmであり、本実施形態では、前記長さL2は、1mm~2mmに設定されている。
【0027】
離間部234は、連結部232につながっている。離間部234は、上面貼着部220から離間している。離間部234は、稜線101と直交する方向に沿って直線状に延びる形状を有している。
【0028】
幅方向における突出部230の下端部の寸法W3(図3を参照)は、幅方向における各上面貼着部220の寸法W2(図3を参照)の和よりも大きい。すなわち、前記寸法W3は、前記寸法W2の2倍以上である。前記寸法W3は、例えば30mmに設定される。前記寸法W2は、例えば5mmに設定される。
【0029】
連結貼着部240は、幅方向に一対の上面貼着部220同士を連結しており、上面110に貼着されている。
【0030】
本実施形態では、ラベル200にスリットSが設けられることにより、一対の上面貼着部220と、突出部230と、連結貼着部240と、が形成されている。図3は、ラベル200にスリットSが形成され、物品100に貼着されていない状態を示している。
【0031】
ラベル200のうち突出部230以外の部位(側面貼着部210、一対の上面貼着部220及び連結貼着部240)の裏面は、物品100に接着する接着力を有している。例えば、ラベル200の裏面の全域に接着層が設けられるとともに、突出部230の裏面に対応する領域にマスキング層が設けられている。なお、図2では、物品100への接着力を有する部位が斜線で示されている。
【0032】
次に、図4を参照しながら、物品100にラベル200を貼着する工程について説明する。
【0033】
まず、物品100の側面121に側面貼着部210が貼着される。具体的には、スリットSの基端部(下端部)が稜線101から上方に前記長さL2だけ突出するように側面121の上部に側面貼着部210が貼着される。
【0034】
次に、ラベル200のうち稜線101から上方に突出している部位が、倒し手段(工具やエアー等)によって上面110に接触するまで後方へ倒される。これにより、各上面貼着部220及び連結貼着部240が上面110に貼着される。そして、倒し手段による力が取り除かれると、突出部230が上面110から離間するように起立する。
【0035】
このとき、突出部230の連結部232が上面貼着部220に連結されているため、連結部232が上面貼着部220により上面110側に引っ張られることによって、突出部230が上面110から上方に向かうにしたがって側面121を含む仮想面から次第に離間するように傾斜する姿勢に保持される。
【0036】
したがって、図5に示されるように、このラベル付き物品1が熱収縮性のフィルム10で被包された場合、突出部230は、その裏面が上面110に接触するように上面110に向けて倒れる。このため、突出部230が無秩序に折れ曲がることが抑制される。なお、このことは、ラベル付き物品1上に厚紙等が載置された場合等においても同様である。
【0037】
その後、店頭等においてフィルム10ないし厚紙等が除去されることにより、突出部230が上面110から離間するように起立するため、ポップとしての機能が有効に果たされる。
【0038】
本実施形態では、ラベル200は連結貼着部240を有しているため、稜線101に対して上面貼着部220が傾斜することが抑制され、かつ、上面110に貼着される部位の接着面積が確保される。
【0039】
なお、上記実施形態において、図6で示されるように、連結貼着部240は省略されてもよい。また、稜線101と直交する方向(図6における上下方向)における各上面貼着部220の長さは、同方向における突出部230の長さよりも小さく形成されてもよい。
【0040】
また、図7に示されるように、各上面貼着部220の幅方向における内側の縁部221は、上面110と側面121との境界(稜線101)に近づくにしたがって次第に互いに近づく形状を有する基端縁部222を有していてもよい。この態様では、上面貼着部220の基端部における接着力の確保と、突出部230に表示する表示面積の確保と、が両立される。
【0041】
また、図8に示されるように、突出部230における離間部234の下端部間には、ミシン目線201が設けられてもよい。この例では、突出部230のうちミシン目線201より上側の部位をミシン目線201に沿って切り取ることが可能となる。よって、物品100が飲料を収容した紙パックで構成されており、その上面110のうち一対の上面貼着部220及び連結貼着部240で囲まれる領域にストロー穴が設けられている場合、前記部位をミシン目線201に沿って切り取ることにより、ストローをそのストロー穴に挿すことが容易になる。
【0042】
また、図9に示されるように、幅方向における連結貼着部240の端部に、ストローを通過させる切込み202が形成されてもよい。
【0043】
あるいは、図10に示されるように、幅方向における連結貼着部240の端部に、ミシン目線203が設けられてもよい。ラベル200のうちミシン目線203で切り取られる部位は、ストロー穴に対応した位置に設定される。この場合において、ミシン目線203で切り取られる部位に摘まみ204が設けられることが好ましい。なお、摘まみ204の裏面は、接着力を有していない。例えば、ラベル200の裏面の全域に接着層が設けられるとともに、摘まみ204の裏面に対応する領域にマスキング層が設けられている。
【0044】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 ラベル付き物品、10 フィルム、100 物品、101 稜線、110 上面、120 側面、121 側面、200 ラベル、210 側面貼着部、220 上面貼着部、221 縁部、222 基端縁部、230 突出部、232 連結部、234 離間部、240 連結貼着部、S スリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10