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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077123
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187796
(22)【出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】森本 陽児
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】回転役物を製造する際に、金型に回転軸を通す過程の作業負担を軽減できる遊技機を提供する。
【解決手段】回転役物50の回転軸は、装飾ピン61と駆動ピン71を備える。装飾ピン61は、回転軸の上端側に配置され、駆動ピン71は、回転軸の下端側で且つ装飾ピン61と同軸上に配置される。羽根部材80は樹脂成型品であって、結合部81と5枚の羽根部82を備える。結合部81は、装飾ピン61の連結部65と、該連結部65と対向配置される駆動ピン71の連結部75とを内側に包含して結合する。5枚の羽根部82は、結合部81に設けられる。回転役物50は、V字部62側の装飾ピン61と、ギア72側の駆動ピン71とを夫々別体とし、中央に配置する羽根部材80の樹脂成形と同時に結合部81となる位置において、装飾ピン61の連結部65と駆動ピン71の連結部75とを結合する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられた回転役物と、
前記回転役物を回転駆動する駆動機構と
を備え、
前記回転役物は、
回転軸と、
前記回転軸の一端と他端の間に設けられた第一装飾部材と、
前記回転軸の前記一端に固定した第二装飾部材と、
前記回転軸の前記他端に固定し、前記駆動機構によって回転されるギアと
を備えた遊技機において、
前記回転軸は、
前記一端側に配置される第一回転軸と、
前記他端側で且つ前記第一回転軸と同軸上に配置される第二回転軸と
を備え、
前記第一装飾部材は樹脂成型品であって、
前記第一回転軸の前記第二回転軸側に位置する第一端部と、前記第二回転軸の前記第一回転軸側に位置し且つ前記第一端部と対向配置される第二端部とを内側に包含して結合する結合部と、
前記結合部に設けられる装飾部と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤に対し、回転役物要素を回転可能に取り付けた遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。回転役物要素は遊技盤に対し、盤面と交差する回転軸線周りに回転軸を介して回転可能に取り付けられる。このような回転役物を製造する方法は、その回転役物の構成によって異なる。例えば、長い金属ピンの中央に樹脂パーツがインサート成形された回転役物の場合、金型に予め金属ピンの形状に合わせた細い穴を形成し、その穴から金属ピンを挿入し、挿入し終わった状態で金型の内側に樹脂を流し込むことによって、回転役物が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-293159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような樹脂パーツを備える回転役物の場合、金型の穴に金属ピンを通す過程において、細長い穴に対して一本の長い金属ピンをずらさずに通すのは、作業者にとって負担であり、仮に金属ピンの位置がずれた場合は、金型に金属ピンが衝突する可能性があった。
【0005】
本発明は、回転役物を製造する際に、金型に回転軸を通す過程の作業負担を軽減できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る遊技機は、遊技盤に設けられた回転役物と、前記回転役物を回転駆動する駆動機構とを備え、前記回転役物は、回転軸と、前記回転軸の一端と他端の間に設けられた第一装飾部材と、前記回転軸の前記一端に固定した第二装飾部材と、前記回転軸の前記他端に固定し、前記駆動機構によって回転されるギアとを備えた遊技機において、前記回転軸は、前記一端側に配置される第一回転軸と、前記他端側で且つ前記第一回転軸と同軸上に配置される第二回転軸とを備え、前記第一装飾部材は樹脂成型品であって、前記第一回転軸の前記第二回転軸側に位置する第一端部と、前記第二回転軸の前記第一回転軸側に位置し且つ前記第一端部と対向配置される第二端部とを内側に包含して結合する結合部と、前記結合部に設けられる装飾部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
回転役物は、第二装飾部材側の第一回転軸と、ギア側の第二回転軸とを夫々別体とし、中央に配置する樹脂製の第一装飾部材の成形と同時に結合部において、第一回転軸の第一端部と第二回転軸の第二端部とを結合する。そのようにすることで、従来のような金型に一本の回転軸を通す作業が不要になるので、安定した回転役物の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】遊技盤2の正面図である。
図3】下センター飾り22の正面図(通路291~293等を図示)である。
図4】下センター飾り22の正面図(停留解除機構27等を図示)である。
図5】下センター飾り22の平面図である。
図6】下センターステージ28の斜視図である。
図7】回転役物50と駆動機構54の斜視図である。
図8】回転役物50の分解斜視図である。
図9】回転役物50の正面図である。
図10図9に示すI-I線矢視方向断面図である。
図11】羽根部材80の平面図である。
図12】下センターステージ28上における遊技球Kの動き(1)と(2)を示す図である。
図13】下センターステージ28上における遊技球Kの動き(3)と(4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下説明は、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、夫々、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。図1に示すパチンコ機1は所謂2種タイプ(羽根物タイプ)の遊技機である。2種タイプの遊技機とは、大入賞口へ入賞した遊技球が大入賞口の内部に設けられた特定の領域を通過することを契機として大当たり遊技を実行する遊技機をいう。
【0010】
図1図2を参照し、パチンコ機1の機械的構成を説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護される。前面枠10には、ガラス板を取り囲むように各種の電飾ランプが設けられる。電飾ランプの内部には、LED等を搭載した電飾基板(図示略)が設けられる。電飾ランプは、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅する。遊技盤2の下部には上皿5が設けられる。上皿5は、遊技球発射装置(図示略)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられる。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられる。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられ、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置により遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の両角部には、スピーカ48が夫々設けられる。
【0011】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。ガイドレール3は、遊技領域4の左側から上側にかけて円弧上に形成される。遊技領域4の上部略中央には、上センター飾り21が設けられる。遊技球発射装置によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、上センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、上センター飾り21の右側を流下する。以下説明は、遊技球が上センター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と呼び、遊技球が上センター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」と呼ぶ。
【0012】
図2に示すように、上センター飾り21は、演出図柄表示部38、ワープ通路211、上センターステージ212、転動部213、第一始動口12を主に備える。演出図柄表示部38は、上センター飾り21の上部略中央に配置される。演出図柄表示部38は、三つの大型の7セグメントLEDを用いて構成され、様々な数字、文字、記号等を表示できる。演出図柄表示部38は、報知演出を実行可能である。報知演出は、三つの大型の7セグメントLEDを用いて、演出用の図柄である演出図柄を変動させた後に、後述の大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させることで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0013】
ワープ通路211は、演出図柄表示部38の左側に設けられる。ワープ通路211は、入口部211Aを左上部に備える。入口部211Aは、一般に「飛び込み」と呼ばれる遊技球の入口である。入口部211Aの周囲の遊技くぎ等の配置によって、入口部211Aへの入球が容易に行われないように構成される。ワープ通路211は、入口部211Aから上センターステージ212に向けて右斜め下方に延びる。ワープ通路211は、入口部211Aから入球した遊技球を上センターステージ212に導く。上センターステージ212は、演出図柄表示部38の下側において左右方向に延び、上側を遊技球が転動可能に構成されている。上センターステージ212の中央部212Aは、前斜め下方に向けて僅かに傾斜する。上センターステージ212の上側を転動した遊技球は、中央部212Aから下方に排出される。
【0014】
転動部213は、上センターステージ212の下方に設けられる。転動部213は、平面視で略長方形の上側が開口する皿状であり、中央部212Aから排出された遊技球が転動可能な凹部を内側に備える。転動部213の底部略中央には、孔213Aが設けられる。孔213Aは、転動部213から下方へ遊技球を排出する。転動部213は、転動部モータ(図示略)の駆動により、上センターステージ212の下方において左右方向に往復移動する往復動作を行う。転動部213は、内側の凹部において遊技球を転動させた状態で往復動作を行う。
【0015】
第一始動口12は、上センター飾り212の下部略中央に配置される入賞口である。第一始動口12は、後述の第一特別図柄の始動口として機能する。往復動作を行う転動部213が上センター飾り212の略中央に位置した状態で孔213Aから遊技球を排出した場合、その遊技球が第一始動口12へ入賞できる。即ち、ワープ通路211の入口部211Aから入球し、上センターステージ212を経て転動部213の孔213Aから排出された遊技球の一部が、第一始動口12へ入賞する。孔213Aから排出されたが第一始動口12へ入賞しない遊技球は、上センター飾り21の下方に排出されて遊技領域4に戻る。
【0016】
上センター飾り21の下方には、下センター飾り22が設けられる。下センター飾り22の上部には、第一大入賞口16が設けられる。第一大入賞口16は、特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口である。第一大入賞口16の内部には、後述の特定領域291A(図3参照)が設けられる。第一大入賞口16に入賞した遊技球が特定領域291Aを通過した場合、後述の小当たり遊技に引き続いて後述の第二大入賞口17が開放する大当たり遊技が行われる。
【0017】
第一大入賞口16は下シャッター161を備える。下シャッター161は、正面視下側に開く略V字状の板部材である。下シャッター161は、前後方向に所定の長さで延び、開放状態と閉鎖状態を夫々形成する。開放状態とは、後方に退避することで第一大入賞口16へ遊技球が入賞できる状態をいい、閉鎖状態とは、前方に突出することで第一大入賞口16へ遊技球が入賞できない状態をいう。下センター飾り22の正面上部には、演出用表示部39が設けられる。演出用表示部39は、二つの中型の7セグメントLEDを用いて構成され、後述のVチャレンジ演出において、様々な数字、文字、記号等を表示する。なお、下センター飾り22の具体的構造については後述する。
【0018】
下センター飾り22の右上方には、特別電動役物である第二大入賞口17が設けられる。第二大入賞口17は、シャッター171を備える。シャッター171は、左右方向に長手方向を有し、前後方向に所定の長さで延びる略平板状である。シャッター171は開放状態と閉鎖状態を夫々形成する。開放状態とは、後方に退避することで第二大入賞口17へ遊技球が入賞できる状態をいい、閉鎖状態とは、前方に突出することで第二大入賞口17へ遊技球が入賞できない状態をいう。
【0019】
第二大入賞口17の下方には、遊技球が通過可能なゲート11が設けられる。ゲート11は、後述の普通図柄の作動ゲートである。ゲート11の下方には、第二始動口13が設けられる。第二始動口13は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口である。第二始動口13は、後述の第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口13は、シャッター131を備える。シャッター131は、左右方向においてシャッター171よりも短い略平板状である。シャッター131は、開放状態と閉鎖状態を夫々形成する。開放状態とは、後方に退避することで第二始動口13へ遊技球が入賞できる状態をいい、閉鎖状態とは、前方に突出することで第二始動口13へ遊技球が入賞できない状態をいう。
【0020】
シャッター131,161,171は、第二始動口ソレノイド(図示略)、第一大入賞口ソレノイド(図示略)、第二大入賞口ソレノイド(図示略)の夫々の駆動によって、電気的に開放状態又は閉鎖状態にされる。遊技球は、シャッター131,161,171が開放状態にある場合にのみ、第二始動口13、第一大入賞口16及び第二大入賞口17の夫々に入賞できる。第二始動口13のシャッター131は、後述の普通当たり遊技において開放状態にされる。第一大入賞口16の下シャッター161は、後述の小当たり遊技において開放状態にされる。第二大入賞口17のシャッター171は、後述の大当たり遊技において開放状態にされる。以下説明は、第一大入賞口16と第二大入賞口17を総称する場合、単に大入賞口という。
【0021】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口29、各種の電飾部材、その他の入賞口及び遊技くぎ等が設けられる。アウト口29は、遊技盤2の下部に設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、大入賞口及びその他の入賞口の何れにも入賞せず、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口29を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0022】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口12へ入賞し易い。右打ちされた遊技球が第一始動口12へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート11、第二始動口13及び第二大入賞口17を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート11、第二始動口13及び第二大入賞口17を通過又は入賞することは困難である。なお、第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球及び右打ちされた遊技球の何れも入賞できる。従って、遊技者は、後述の大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0023】
遊技盤2の左下部には、図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、夫々複数個のLEDからなり、第一大当たり判定の結果を示す第一特別図柄、及び第二大当たり判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯及び消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第一保留球の個数を示す第一保留球数を表示する。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第二保留球数の個数を示す第二保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である普通保留球の個数を示す普通保留球数を表示する。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0024】
図2を参照し、パチンコ機1の遊技概要を説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技、小当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられる。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動する為の条件となる装置である。役物連続作動装置とは、大入賞口が連続して作動する大当たり遊技状態を生起させる為の装置である。本実施形態では、条件装置が作動した場合に役物連続作動装置が作動する。パチンコ機1において、条件装置は、遊技球が大入賞口の内部の特定の領域を通過した場合に作動する。本実施形態では、第一大入賞口16の内部の特定領域291A(図3参照)である。以下説明は、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態(大当たり遊技が行われている状態)を、大当たり遊技状態という。
【0025】
パチンコ機1は、第一始動口12へ遊技球が入賞することを契機として、第一大当たり判定を行う。第一大当たり判定では、小当たり又ははずれの判定結果が、第一大当たり乱数に基づいて導出される。第一大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第一特別図柄が、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に確定表示される。その後、下センター飾り22において、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技では、第一大入賞口16の下シャッター161が予め定められた開閉動作パターンに基づく開閉動作が行われることによって第一大入賞口16が開放状態になる、大当たり判定によって小当たりであると判定された段階では、条件装置は作動せず、役物連続作動装置も作動しない。小当たり遊技では、第一大入賞口16が開閉動作パターンに応じて1回の開閉動作を行う。小当たり遊技において、大入賞口が複数回の開閉動作を行うことはない。なお、小当たり遊技における大入賞口の1回の開閉動作が、一つの大入賞口の開放状態を複数回用いて構成されることは妨げられない。
【0026】
本実施形態の小当たり遊技では、下センター飾り22において後述のVチャレンジ演出が実行される。Vチャレンジ演出において、開放状態になった第一大入賞口16に遊技球が入賞し、特定領域291Aを通過すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当たり遊技状態が生起され、大入賞口が複数回数の開閉動作を行う大当たり遊技が、小当たり遊技に引き続いて実行される。パチンコ機1では、第二大入賞口17が予め定められた開閉動作パターンに基づく開閉動作を行うことによって、大当たり遊技が実行される。なお、第一大入賞口16に入賞した遊技球が特定領域291Aを通過しない場合、大当たり遊技状態が生起されず、遊技は小当たり遊技が行われる前の状態に戻る。
【0027】
また、パチンコ機1は、遊技球がゲート11を通過することを契機として、普通当たり判定を行う。普通当たり判定では、普通当たり又ははずれの判定結果が、普通当たり乱数に基づいて導出される。普通当たり判定において普通当たりであると判定されると、判定結果が普通当たりであることを示す普通図柄が、図柄表示部24の普通図柄表示部に確定表示される。その後、第二始動口13のシャッター131が予め定められた開閉動作パターンに基づく開閉動作を行うことによって第二始動口13が開放状態になる普通当たり遊技が実行される。
【0028】
パチンコ機1は、右打ちされた遊技球が第二始動口13へ入賞することを契機として、第二大当たり判定を行う。第二大当たり判定では、小当たり又ははずれの判定結果が、第二大当たり乱数に基づいて導出される。第二大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第二特別図柄が、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示される。その後、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技において開放状態になった第一大入賞口16に遊技球が入賞し、入賞した遊技球が特定領域291Aを通過すると、前述の大当たり遊技状態が生起され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される。
【0029】
図3図6を参照し、下センター飾り22の具体的構造を説明する。図3図5に示すように、下センター飾り22は、本体23(図5参照)と枠状板26を備える。本体23は、前面が開口する透明の樹脂で形成された筐体である。枠状板26は正面視前後方向に貫通する枠状に形成され、本体23の前面側に固定される。図3に示すように、枠状板26は、前飾り部261、第一大入賞口16、下シャッター161、下大入賞口ソレノイド18、演出用表示部39等を備える。
【0030】
前飾り部261は、枠状板26の前面側に固定される。第一大入賞口16は、枠状板26の上部に設けられ、上方に向けて開口する。下シャッター161は、枠状板26の上部で且つ第一大入賞口16の直上に設けられ、前方に向けて出退可能に設けられる。下大入賞口ソレノイド18は、枠状板26の上部で且つ下シャッター161の後側に設けられ、下シャッター161を出退させる。演出用表示部39は、前飾り部261の前面の上部中央に設けられる。
【0031】
本体23は、通路162,163、貯留装置25、下センターステージ28、停留解除機構27(図4参照)、通路291~293、特定領域291A、非特定領域292A,293A、Vスイッチ91、左排出口スイッチ92、右排出口スイッチ93、回転役物50、駆動機構54(図7参照)等を備える。
【0032】
通路162は、第一大入賞口16から左斜め下方に延びる。通路163は、通路162の下流側端部に接続し、本体23内の左側を下方に延び、後述の通路292に接続する。貯留装置25は、本体23内の左上部に設けられ、通路163を流れる遊技球を一つ停留させ、所定のタイミングで後述の下センターステージ28上に放出する。
【0033】
図6に示すように、下センターステージ28は、本体23内の略中段に設けられる。下センターステージ28は、転動面281と排出路282を備える。転動面281は、平面視左右方向に長い略楕円状に形成される。排出路282は、平面視横長の略リング状に形成され、転動面281の外周を取り囲むようにして設けられる。排出路282は、転動面281よりも低く設けられる。排出路282の左前部には穴283が設けられ、右前部には穴284が設けられる。転動面281は、外周部から中央に向かって緩やかに傾斜する。転動面281の中央には、遊技球が入球可能な円形の開口部287が設けられる。開口部287には、後述の通路291が接続される。
【0034】
転動面281の外周には、周壁285が立設される。周壁285には、4つの排出口285A~285D、1つの開口285E、停留部286を備える。排出口285Aは周壁285の左後部、排出口285Bは周壁285の左前部、排出口285Cは周壁285の右前部、排出口285Dは周壁285の右後部、開口285Eは周壁285の前部中央に設けられ、何れも遊技球が通過可能な幅を有する。
【0035】
停留部286は、周壁285の前部に設けられ、開口285Eと連通する。停留部286は、平面視後方に向けて開口する略U字状に形成され、開口285Eを介して内側に進入した遊技球を停留させる。停留部286の底面286Aは、外方(手前側)に向けて下り傾斜する。底面286Aと転動面281の境界にはリブを設けてもよい。底面286Aには、平面視前後方向に延びるスリット286Bが設けられる。スリット286Bの直下には、停留解除機構27(図4参照)が設けられる。停留部286には、停留確認スイッチ35(図3参照)が設けられる。停留確認スイッチ35は、停留部286に遊技球が停留したことを検出する。
【0036】
図4に示すように、停留解除機構27は、解除レバー271、開放ソレノイド272、バネ(図示略)を備える。解除レバー271は上下方向に延びる棒状に形成される。開放ソレノイド272は、下方に突出するプランジャとバネ(図示略)を備える。解除レバー271はプランジャに固定される。バネはプランジャを下方に常時付勢する。開放ソレノイド272に通電することで、プランジャはバネの付勢力に抗して上方に引き付けられる。プランジャが上方に引き付けられると、解除レバー271が持ち上がる。図6に示すように、解除レバー271の上端部は、スリット286Bを介して停留部286に停留する遊技球を押し上げる。押し上げられた遊技球は、下センターステージ28の転動面281上に放出されるので、停留部286における遊技球の停留が解除される。
【0037】
図3に示すように、通路291は開口部287から下方に延び、本体23の底壁部に設けられた下排出口291Bと連通する。通路292は、排出路282の穴283(図6参照)から下方に延び、本体23の左壁の下部に設けられた左排出口292Bと連通する。通路293は、排出路282の穴284から下方に延び、本体23の右壁の下部に設けられた右排出口293Bと連通する。通路291には、特定領域291AとVスイッチ91が設けられる。Vスイッチ91は、特定領域291Aの下流側に設けられ、遊技球が特定領域291Aを通過したことを検出する。通路292には、非特定領域292Aと左排出口スイッチ92が設けられる。左排出口スイッチ92は、非特定領域292Aの下流側に設けられ、遊技球が非特定領域292Aを通過したことを検出する。通路293には、非特定領域293Aと右排出口スイッチ93が設けられる。右排出口スイッチ93は、非特定領域293Aの下流側に設けられ、遊技球が非特定領域293Aを通過したことを検出する。
【0038】
回転役物50は、転動面281の開口部287の中央に設けられ、上下方向に延びる回転軸51を中心に回転可能に支持される。回転軸51の上端部には、V字状に装飾されたV字部62が設けられる。回転軸51の中間部には、羽根部材80が設けられる。V字部62と羽根部材80は、回転軸51と一体して回転する。駆動機構54は、下センターステージ28の下方で且つ回転軸51の下部に隣接して設けられる(図4参照)。駆動機構54は回転役物50を回転駆動する。
【0039】
図7図9図11を参照し、回転役物50と駆動機構54の構造を説明する。図7図9に示すように、回転役物50は、上側軸部60、下側軸部70、羽根部材80を備える。上側軸部60は、回転役物50の上側部分を構成し、下側軸部70は回転役物50の下側部分を構成し、羽根部材80は回転役物50の中間部分を構成する。
【0040】
図8に示すように、上側軸部60は、装飾ピン61とV字部62を備える。装飾ピン61は金属製であり、上下方向に延びる。装飾ピン61の下端部には、連結部65が設けられる。連結部65は、頭部651、首部652、Dカット部653を備える。頭部651は、連結部65の下端部に設けられる。首部652は、頭部651の上側に設けられ、径方向内側に縮径する。Dカット部653は、頭部651と首部652の夫々の側面をDカットした部分である。V字部62は、2枚の樹脂製のV字板621,622を備える。V字板621,622は正面視略V字状に形成され、装飾ピン61の上端部を前後方向から挟み込み、2つのネジ68で互いに固定されることにより、V字部62を形成する。
【0041】
下側軸部70は、駆動ピン71とギア72を備える。駆動ピン71は金属製であり、上下方向で且つ装飾ピン61と同軸上に延びる。駆動ピン71の上端部には、連結部75が設けられる。連結部75は、頭部751、首部752、Dカット部753を備える。頭部751は、連結部65の上端部に設けられる。首部752は、頭部751の下側に設けられ、径方向内側に縮径する。Dカット部753は、頭部751と首部752の夫々の側面をDカットした部分である。ギア72は、駆動ピン71の下端部に固定される。
【0042】
図8図11に示すように、羽根部材80は樹脂製であり、結合部81と5枚の羽根部82を備える。結合部81は、側面視台形状で且つ上下方向に延びる平面視五角形の短軸筒状に形成される。結合部81の内側には、上下方向に貫通する結合穴85が形成され、その断面はD形状である。5枚の羽根部82は、結合部81の外周面に周方向に等間隔で設けられ、径方向外側に延びる。各羽根部82は、結合部81側の基端部と外端部87の間の略中間よりも外側に折曲部86を備える。折曲部86では、径方向に対して平面視反時計回り方向に約70°折れ曲がっている。折曲部86の折曲方向は、回転役物50の回転方向とは反対方向となるように調整される。さらに、羽根部82の外端部87は、折曲部86とは逆方向である平面視時計回り方向に約60°折れ曲がっている。互いに隣り合う一対の羽根部82同士の間は、遊技球が通過可能な離間幅を有する。
【0043】
図7に示すように、駆動機構54は、下モータ55とギア56を備える。下モータ55の上面には、下モータ軸551が上方に突出して設けられる。ギア56は下モータ軸551に固定され、回転役物50のギア72と噛合する。これにより、下モータ55の駆動により、下モータ軸551とギア56が平面視反時計回り方向(図7中矢印P1方向参照)に一体して回転すると、ギア72と共に、回転役物50が平面視時計回り方向(図7中矢印P2,P3方向参照)に回転する。
【0044】
図10を参照し、回転役物50の製造方法を説明する。本実施形態は、回転役物50の構成を、上側軸部60と下側軸部70の2部品に分け、羽根部材80の樹脂成形と同時に、上側軸部60の装飾ピン61の連結部65と、下側軸部70の駆動ピン71の連結部75とを結合する。
【0045】
本実施形態は、羽根部材80の樹脂成形の為に、金型100(図10中二点鎖線参照)を用いる。金型100は内側にキャビティ101を備える。キャビティ101は、羽根部材80の形状に対応する。金型100には、貫通穴103が設けられる。貫通穴103は金型100を一方向に貫通し、装飾ピン61の下端部と駆動ピン71の上端部の夫々の形状に対応する。
【0046】
作業者は、キャビティ101内に樹脂を流し入れる前に、貫通穴103の一方から装飾ピン61の下端部を差し入れ、他方から駆動ピン71の上端部を差し入れる。作業者は、キャビティ101内の結合部81に対応する所定位置において、装飾ピン61の下端部と駆動ピン71の上端部を同軸上に互いに対向配置させる。次いで、作業者は、キャビティ101内に樹脂を流し入れて固める。これにより、羽根部材80が形成されると同時に、装飾ピン61の連結部65と、駆動ピン71の連結部75とが羽根部材80の結合部81によって強固に結合される。
【0047】
このように製造することで、従来のような金型の貫通穴に一本の回転軸を通す作業が不要になるので、安定した回転役物50の製造が可能となる。また、貫通穴103に対して両側から別々に、装飾ピン61の下端部と、駆動ピン71の上端部とを差し入れるので、細い貫通穴に一本の回転軸を通す従来の方法に比べて、貫通穴103内に差し入れる距離が短い。これにより、装飾ピン61と駆動ピン71を貫通穴103に差し入れる過程において、夫々の位置の微調整が容易になるので、装飾ピン61と駆動ピン71が金型100に衝突するのを防止できる。
【0048】
また、キャビティ101内では、装飾ピン61の下端部と駆動ピン71の上端部の形状に沿って樹脂が隙間なく流れ込む。そして、装飾ピン61の連結部65と、駆動ピン71の連結部75の夫々の形状に沿って樹脂が固まる。それ故、羽根部材80の結合部81に形成される結合穴85の内面は、装飾ピン61の連結部65と、駆動ピン71の連結部75の夫々の形状に沿って密着する。これにより、結合部81の結合穴85から、装飾ピン61の連結部65と、駆動ピン71の連結部75が外方に抜けるのを防止できる。
【0049】
また、装飾ピン61の連結部65にはDカット部653が設けられ、駆動ピン71の連結部75にはDカット部753が設けられており、それらのDカット形状に沿って樹脂が固まるので、結合部81の結合穴85も断面D字状に形成される。これにより、結合部81の結合穴85に対して、装飾ピン61の連結部65と、駆動ピン71の連結部75とが周方向に回転して位置がずれるのを防止できる。
【0050】
図3図11図13を参照し、下センター飾り22におけるVチャレンジ演出を説明する。図3に示すように、下センター飾り22において、小当たり遊技でVチャレンジ演出が実行されると、開放状態になった第一大入賞口16に遊技球が入賞し、そのうちの一個の遊技球が貯留装置25に貯留される。その後、回転役物50が平面視時計回り方向に所定時間回転する(図11中矢印P4方向参照)。図12(1)に示すように、回転役物50の回転開始後、貯留装置25は所定のタイミングで、遊技球Kを下センターステージ28の転動面281上に放出する。遊技球Kは、開口部287に向けて転動するが、回転する羽根部材80の5本の羽根部82によって開口部287の外方に弾き飛ばされる。
【0051】
ここで、各羽根部82は、折曲部86において、回転役物50の回転方向とは反対側に折れ曲がっている(図11参照)。これにより、遊技球Kは回転する羽根部82のうち折曲部86の外側に当たることから、開口部287の外側に勢いよく弾き出される。これにより、遊技球Kは折曲部86の内側に抱え込まれないので、開口部287に引き込まれない。よって、パチンコ機1は、回転役物50を回転することで、開口部287に接続する通路291の特定領域291Aに遊技球Kが進入するのを阻止できる。
【0052】
さらに、各羽根部82の外端部87は、折曲部86とは逆方向に折れ曲がっているので、開口部287に向かって流れる遊技球Kを、各羽根部82の外端部87により、開口部287の外側に勢いよく弾き出すことができる。
【0053】
図12(1)に示すように、回転する5枚の羽根部82は、遊技球Kと接触する位置と角度によって、転動面281上における遊技球Kの球経路に変化を与える。外方に弾き飛ばされた遊技球Kは、周壁285に衝突した場合は、移動する方向を変えて再度転動面281上を転動し、開口部287に近づけば、羽根部82によって再度外方に弾き出される。
【0054】
遊技球Kが周壁285の排出口285A~285Dの何れかを介して転動面281から排出路282上に落下した場合、遊技球Kは排出路282に設けられた穴283,284の何れかに落下する。図3に示すように、穴283を落下した場合、遊技球Kは通路292及び非特定領域292Aを通過し、左排出口292Bから本体23外へ排出される。穴284を落下した場合、遊技球Kは通路293及び非特定領域293Aを通過し、右排出口293Bから本体23外へ排出される。
【0055】
図12(2)に示すように、遊技球Kが開口285Eを介して停留部286に進入した場合、停留部286の底面286Aは、転動面281とは反対側に下り傾斜しているので、遊技球Kは停留部286に停留する。遊技球Kが停留部286に停留する間、転動面281上において、各羽根部82により弾き出されないので、排出口285A~285Dから排出路282に排出されることがなく、遊技者にとって有利な状態となる。所定のタイミングで、停留解除機構27(図4参照)が駆動し、解除レバー271が持ち上がる。解除レバー271の上端部は、スリット286Bを介して停留部286に停留する遊技球Kを押し上げる。図13(3)に示すように、押し上げられた遊技球Kは、下センターステージ28の転動面281上に排出されるので、停留部286における遊技球の停留が解除される。遊技球Kは、転動面281上を再び転動し、回転役物50の羽根部材80によって開口部287の外側に弾き出される。
【0056】
図13(4)に示すように、回転役物50が回転し始めてから所定時間経過後、回転役物50の回転が停止する。遊技球Kは開口部287に向けて転動し、互いに隣り合う2枚の羽根部82の間を介して、開口部287に落下する。遊技球Kは、通路291を流れ、特定領域291Aを通過(Vスイッチ91が遊技球Kを検出)することで大当たりとなる。遊技球Kは、下排出口291B(図3参照)から本体23外へ排出される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1は、遊技盤2に下センター飾り22を備える。下センター飾り22は回転役物50と駆動機構54を備える。駆動機構54は回転役物50を回転駆動する。回転役物50は、回転軸51、羽根部材80、V字部62、ギア72を備える。羽根部材80は、上下方向に延びる回転軸51の中央に設けられる。V字部62は、回転軸51の上端に固定される。ギア72は回転軸51の下端に固定され、駆動機構54によって回転される。
【0058】
回転役物50の回転軸51は、装飾ピン61と駆動ピン71を備える。装飾ピン61は、回転軸51の上端側に配置され、駆動ピン71は、回転軸51の下端側で且つ装飾ピン61と同軸上に配置される。羽根部材80は樹脂成型品であって、結合部81と5枚の羽根部82を備える。結合部81は、装飾ピン61の連結部65と、該連結部65と対向配置される駆動ピン71の連結部75とを内側に包含して結合する。5枚の羽根部82は、結合部81に設けられる。
【0059】
このように、回転役物50は、V字部62側の装飾ピン61と、ギア72側の駆動ピン71とを夫々別体とし、中央に配置する羽根部材80の樹脂成形と同時に結合部81となる位置において、装飾ピン61の連結部65と駆動ピン71の連結部75とを結合する。そのようにすることで、従来のように金型に一本の回転軸を通す作業が不要になるので、安定した回転役物50の製造が可能となる。
【0060】
上記説明にて、パチンコ機1は本発明の「遊技機」の一例である。回転軸51の上端は、本発明の「一端」の一例である。回転軸51の下端は、本発明の「他端」の一例である。羽根部材80は、本発明の「第一装飾部材」の一例である。V字部62は、本発明の「第二装飾部材」の一例である。装飾ピン61は、本発明の「第一回転軸」の一例である。駆動ピン71は、本発明の「第二回転軸」の一例である。装飾ピン61の連結部65は、本発明の「第一端部」の一例である。
駆動ピン71の連結部75は、本発明の「第二端部」の一例である。羽根部材80の5枚の羽根部82は、本発明の「装飾部」の一例である。
【0061】
本発明は上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。上記実施形態の回転役物50は、下センターステージ28の開口部287に設けられ、回転することで遊技球を開口部287の外側に弾き出し、特定領域291Aへの通過を阻止するものであるが、遊技盤2において単に回転するだけの回転役物であってもよい。回転役物50の羽根部材80の代わりに、別形状の装飾部を設けてもよい。
【0062】
上記実施形態の羽根部材80は5枚の羽根部82を備えるが、羽根部82の枚数はこれに限定されない。回転役物50のV字部62は省略してもよく、これ以外の形状であってもよい。
【0063】
上記実施形態において、折曲部86の折曲角度は、平面視で反時計回り方向に約70°、外端部87の折曲角度は、平面視で反時計回り方向に約60°であるが、これらは一例であって、適宜変更可能である。外端部87は、折曲部86の折曲方向とは逆方向に折れ曲がっているが、折り曲げなくてもよい。また、回転役物50を平面視で反時計回り方向に回転させる場合、折曲部86は平面視で時計回り方向に折り曲げ、外端部87は平面視で反時計回り方向に折り曲げればよい。
【0064】
特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0065】
1 パチンコ機
2 遊技盤
50 回転役物
51 回転軸
54 駆動機構
61 装飾ピン
62 V字部
65 連結部
71 駆動ピン
72 ギア
75 連結部
80 羽根部材
81 結合部
82 羽根部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13