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特開2022-77257情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077257
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220516BHJP
   G06T 7/215 20170101ALI20220516BHJP
   G06T 7/292 20170101ALI20220516BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G06T7/215
G06T7/292
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188026
(22)【出願日】2020-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】角田 圭司
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC13
5C054FC15
5C054HA19
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA02
5L096CA04
5L096CA05
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA03
5L096FA13
5L096FA52
5L096FA66
5L096FA69
5L096HA05
(57)【要約】
【課題】物体が通路Pを通過したか否かをより正確に判定する。
【解決手段】一実施形態の情報処理装置10は、検知対象である人物が移動可能な通路領域PRを含む通路画像IMを取得する画像取得部11と、通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定する排他領域設定部13と、排他領域ERを除く通路領域PR内において人物を検知する検知部14と、検知部14により検知された人物の位置のうち、排他領域ERを除く通路領域PR内において最初に当該人物が出現したとみなされた位置である出現位置APから排他領域ERを除く通路領域PR内において最後に当該人物が出現したとみなされた位置である消失位置DPまでの人物の移動経路MPを取得する移動経路取得部15と、移動経路取得部15により取得された移動経路MPに基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する判定部16と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記移動経路取得部により取得された前記移動経路に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定する判定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記通路領域を第1領域と第2領域とに分割するカウント線を設定するカウント線設定部をさらに備え、
前記排他領域設定部は、前記第1領域内の前記排他領域を除く任意の位置と前記第2領域内の前記排他領域を除く任意の位置とを結ぶ線分が前記カウント線と交差するように、前記排他領域を設定し、
前記移動経路取得部は、前記物体の前記出現位置及び前記消失位置を結ぶ直線経路を前記移動経路として取得し、
前記判定部は、前記直線経路が前記カウント線と交差する場合に、前記物体が前記通路領域を通過したと判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記排他領域設定部は、前記カウント線の端部を通る前記カウント線とは異なる境界線を決定し、前記通路領域のうち前記境界線よりも外側の領域を前記排他領域として設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記排他領域設定部は、前記カウント線と直交する前記境界線を決定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通路領域は、略L字状にカーブするコーナー部を含み、
前記カウント線設定部は、前記コーナー部の内側の端部と前記コーナー部の外側の端部とを結ぶ線分を前記カウント線として設定する、
請求項2~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記カウント線設定部は、前記画像の略中央部に前記カウント線を設定する、
請求項2~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通路領域内に方向に関する情報を含むフローパスを設定するフローパス設定部をさらに備え、
前記判定部は、前記移動経路と前記フローパスとの一致度に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得するステップと、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定するステップと、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知するステップと、
前記検知するステップにおいて検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得するステップと、
前記移動経路に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記移動経路取得部により取得された前記移動経路に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定する判定部と、
として機能させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ装置により撮像された映像に基づいて、撮像された領域を通過した人数を計測する方法が知られている。例えば特許文献1には、カメラ装置により撮像された撮像エリアの撮像映像を表示部に表示し、出入口を通過する人数を計測するための人数計測領域の画像を撮像映像に重畳して表示部に表示する人数計測プログラムが記載されている。上記人数計測プログラムは、人数計測領域にラインを設定し、人物が当該ラインを通過したか否かを判定することにより、人数計測を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-110303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された仕組みでは、例えば撮像映像を得るためのカメラ装置等の設置場所に関する制約、通路の形状等によっては、好適に人数計測を行うための人数計測領域を設定できない可能性がある。このような場合には、人物が通路を通過したか否かを正確に判定できない可能性がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、物体が通路を通過したか否かをより正確に判定することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る情報処理装置は、検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、排他領域を除く通路領域内において物体を検知する検知部と、検知部により検知された物体の位置のうち、排他領域を除く通路領域内において最初に当該物体が出現したとみなされた位置である出現位置から排他領域を除く通路領域内において最後に当該物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、移動経路取得部により取得された移動経路に基づいて、物体が通路領域を通過したか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
本開示の一側面に係る情報処理装置によれば、物体が移動可能な通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定することにより、排他領域を除く通路領域内において物体が検知された位置に基づいて、物体の通過判定に好適な移動経路を取得することができる。したがって、物体が通路を通過したか否かをより正確に判定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、物体が通路を通過したか否かをより正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】通路画像の一例を示す図である。
図5】カウント線が設定された通路画像の一例を示す図である。
図6】排他領域が設定された通路画像の一例を示す図である。
図7】移動経路の一例を示す図である。
図8】情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】比較例に係る通路画像の一例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11】フローパス及び排他領域が設定された通路画像の一例を示す図である。
図12図11の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】情報処理装置の処理の他の例を説明するための図である。
図14】情報処理装置の処理の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、所定の通路を通過する物体(検知対象として予め定められた物体)の数を計測するシステムである。情報処理システム1は、例えば、店舗、デパート、各種サービス施設等の施設に用いられ、当該施設の入場者数又は退場者数、或いは、特定の場所(例えば、部屋、浴場の脱衣所等)の入室者数及び/又は退室者数を計測する。本実施形態では、検知対象である物体は人物であり、情報処理システム1は、特定の場所(例えば、浴場の脱衣所等)へ続く通路を通過した人数を計測する。図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、撮影装置20と、を備える。情報処理装置10は、例えばデスクトップPC等のコンピュータ装置である。
【0012】
撮影装置20は、画像(本実施形態では、映像(動画像))を撮像可能な装置である。一例として、撮影装置20は、互いに異なる位置及び方向から同じ位置を撮像することで2つの視差画像を取得可能に構成されたステレオカメラである。撮影装置20は、例えば、上述したような施設の出入口付近の通路の上方に設置され、当該通路を上方から撮像することにより、当該通路を含んだ領域の画像(以下「通路画像」という。)を取得する。撮影装置20は、例えば、通路の上方の天井に、下方を向くように取り付けられる。撮影装置20は、通信モジュールを内蔵しており、ネットワークNを介して、情報処理装置10と通信可能に接続されている。ネットワークNは、有線又は無線の任意の通信ネットワークである。ネットワークNは、例えば、インターネット、公衆回線網、専用回線網等である。なお、ネットワークNは、複数の異なる通信ネットワークを含んで構成されてもよい。撮影装置20は、取得した通路画像(本実施形態では2つの視差画像から構成される画像)を継続的に情報処理装置10に送信するように構成されている。
【0013】
情報処理装置10は、撮影装置20から受信した通路画像に基づいて、人物が通路を通過したか否かを判定し、当該判定結果に基づいて通路を通過した人数を計測する機能を備える。また、情報処理装置10は、計測した結果をユーザに提示する機能を備えてもよい。なお、計測結果をユーザに提示する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の出力装置、情報処理装置10と通信可能に構成された管理者端末(例えば、管理者が保持するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末等)等に、計測結果を出力(表示)させることができる。
【0014】
図2は、情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、情報処理装置10は、機能的構成要素として、画像取得部11と、カウント線設定部12と、排他領域設定部13と、検知部14と、移動経路取得部15と、判定部16と、カウント部17と、を備える。
【0015】
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、情報処理装置10は、物理的には、プロセッサである一以上のCPU(Central Processing Unit)101と、一以上のROM(Read Only Memory)102と、主記憶装置である一以上のRAM(Random Access Memory)103と、補助記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)104と、例えばネットワークNと通信を行うための通信インタフェース等の通信部105と、を含むコンピュータシステムとして構成され得る。例えば、CPU101が、HDD104に予め格納されているプログラムP10(情報処理プログラム)をRAM103に読み出して実行することにより、CPU101の制御のもとで各ハードウェアが動作し、ROM102、RAM103及びHDD104におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、図2に示される情報処理装置10の各機能が実現される。なお、情報処理装置10は、図3に示したハードウェア構成以外にも、例えば、マウス及びキーボード等の入力装置、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置等を備えてもよい。
【0016】
以下、図2に加えて、図4図7を用いて、情報処理装置10の各機能について詳細に説明する。
【0017】
画像取得部11は、撮影装置20から通路画像を取得する。図4は、通路画像の一例を示す図である。図4の例では、通路画像IMは、略L字状の通路Pと、通路Pの両側に配置された壁Wと、を含んでいる。本実施形態では、通路Pは、図面上側から図面右側へとL字状に延びており、特定の場所(例えば、ホテル・旅館等の浴場の脱衣所等)に通じている。通路Pは、検知対象である人物が通行可能な程度の広さ(幅)を有している。人物は、通路画像IM内の領域のうち、通路Pに対応する領域内のみを移動することができ、壁Wに対応する領域内を移動することはできない。画像取得部11は、同じタイミング(時点)で撮像されたフレームである2つの視差画像から、被写体までの距離(奥行)を含む3次元情報が関連付けられた距離画像(すなわち、通路画像IMと、通路画像IM内に写された各被写体までの距離と、を互いに関連づけた情報)を生成する。
【0018】
カウント線設定部12は、画像取得部11により取得(生成)された距離画像から人物が移動可能な通路領域を抽出し、通路領域を第1領域と第2領域とに分割するカウント線を設定する。図5は、カウント線が設定された通路画像IMの一例を示す図である。図5の例では、通路画像IMにおいて、通路領域PRを第1領域PR1と第2領域PR2とに分割するカウント線Lが設定されている。また、図5においては、説明を分かり易くするために、便宜上、第1領域PR1及び第2領域PR2に対して、互いに異なるハッチングを付している。通路領域PRは、通路画像IMにおいて、通路Pに対応する領域である。本実施形態では、第1領域PR1は、特定の場所から遠い方の領域を指し、第2領域PR2は、特定の場所に近い方の領域を指す。つまり図5に示す例では、第2領域PR2側に特定の場所がある。したがって、上記特定の場所に入室する人物は、第1領域PR1から第2領域PR2に向かって歩き、上記特定の場所から退室する人物は、第2領域PR2から第1領域PR1に向かって歩く。そこで、本実施形態では、情報処理装置10は、第1領域PR1から第2領域PR2に向かって移動する人物を入室者としてカウントし、第2領域PR2から第1領域PR1に向かって移動する人物を退室者としてカウントする。なお、カウント線Lによって分割される領域のどちらを第1領域PR1又は第2領域PR2とするかは、任意に設定され得る。例えば、上記事項は、上述の情報処理装置10の出力装置、管理者端末等に表示される設定画面を介して、施設の管理者等によって設定されてもよい。
【0019】
カウント線設定部12は、例えば、予め人物が通路P上にいないときに撮像された1フレーム分の距離画像から、通路領域PRを抽出する。すなわち、カウント線設定部12は、上記1フレーム分の距離画像から、床部分(通路P)に対応する通路領域PRを特定すると共に、それ以外の非通路領域(図4の例では、壁Wに対応する領域)を特定する。このように距離画像に基づいて通路領域PRと非通路領域とを識別する処理は、距離画像を用いた公知の画像解析手法によって実行され得る。なお、上記の通路領域PRの抽出は、カウント線設定部12とは異なる機能部又は装置によって実行されてもよい。
【0020】
本実施形態では、通路領域PRは、略L字状にカーブするコーナー部Cを含んでいる。この場合、カウント線設定部12は、コーナー部Cの内側の端部Ca(内周側の角部)とコーナー部の外側の端部Cb(外周側の角部)とを結ぶ線分を、カウント線Lとして設定してもよい。すなわち、カウント線設定部12は、カウント線Lの一方の端部Laがコーナー部Cの内側の端部Caと一致し、カウント線Lの他方の端部Lbがコーナー部Cの外側の端部Cbと一致するように、カウント線Lを設定してもよい。
【0021】
また、カウント線設定部12は、通路画像IMの略中央部にカウント線Lを設定してもよい。これは以下の理由による。一般に、画像解析に基づく人物検知においては、解析対象の画像(ここでは通路画像IM)の端部(四辺)付近の領域に存在する人物(物体)よりも、画像の中央部に存在する人物(物体)の方が、精度良く検知することができる。したがって、通路画像IMの略中央部にカウント線Lを設定することにより、後述する検知部14の検知精度を高めることができ、その結果として、後述する判定部16による判定精度を向上させることができる。ここで、「通路画像IMの略中央部」とは、例えば、画像の端部(四辺)から全体の幅(又は高さ)のX%(Xは予め定められた閾値であり、例えば10~20等)の領域を除外した後に残る領域である。また、「通路画像IMの略中央部にカウント線Lを設定する」とは、カウント線Lの大部分(例えば80%以上等)が通路画像IMの略中央部に含まれていることを指し、カウント線Lの一部が通路画像IMの略中央部からはみ出している場合も含み得る。なお、本実施形態のように、通路Pの幅方向(すなわち、通路画像IMの縦方向又は横方向に平行な方向)ではなく、通路画像IMの縦方向又は横方向に対して傾斜する斜め方向に沿ってカウント線Lを設定することにより、カウント線Lを通路画像IMの略中央部に設定し易くなる。
【0022】
排他領域設定部13は、非通路領域と通路領域PRの少なくとも一部とに排他領域を設定する。図6は、排他領域が設定された通路画像IMの一例を示す図である。図6の例では、非通路領域(本実施形態では、壁Wに対応する領域)及び通路領域PRの一部に、排他領域ERが設定されている。また、図6においては、説明を分かり易くするために、便宜上、排他領域ERに対して、第1領域PR1(排他領域ER以外の部分)及び第2領域PR2(排他領域ER以外の部分)とは異なるハッチング(ドット柄)を付している。本実施形態では、排他領域ERは、後述する検知部14による人物検知(物体の検知)を行わない領域として定められた領域である。
【0023】
排他領域設定部13は、第1領域PR1内の排他領域ERを除く任意の位置と第2領域PR2内の排他領域ERを除く任意の位置とを結ぶ線分がカウント線Lと交差するように、排他領域ERを設定する。一例として、排他領域設定部13は、カウント線Lの端部Laを通るカウント線Lとは異なる直線(境界線L1)を決定し、通路領域PRのうち境界線L1よりも外側の領域を排他領域ERとして設定する。「境界線L1よりも外側」とは、通路画像IM内で境界線L1によって分割された各領域のうち、カウント線Lが設定されていない領域(カウント線Lを含まない領域)を指す。本実施形態では、排他領域設定部13は、カウント線Lと直交する境界線L1を決定する。
【0024】
なお、カウント線Lの他方の端部Lbについても同様に処理される。すなわち、排他領域設定部13は、カウント線Lの端部Lbを通るカウント線Lとは異なる直線(一例として、カウント線Lと直交する直線)を決定し、通路領域PRのうち当該直線よりも外側の領域を排他領域ERとして設定する。ただし、本実施形態(図6の例)では、カウント線Lの端部Lbを通り且つカウント線Lと直交する直線よりも外側には通路領域PRは存在しない。このため、端部Lbに関する処理によっては、通路領域PR内に排他領域ERは設定されず、端部Laに関する処理のみによって、通路領域PRの一部に排他領域ERが設定される。
【0025】
検知部14は、通路画像IMの排他領域ERを除く通路領域PR内において、人物を検知する。すなわち、検知部14は、排他領域ERに存在する人物を検知しない。より具体的には、検知部14は、通路領域PRから排他領域ERを除外した領域(すなわち、図6に示される第1領域PR1又は第2領域PR2のうち、排他領域ERを示すドットハッチングがされていない領域)に存在する人物を検知する。言い換えれば、検知部14によって人物が検知される対象となる通路領域PRは、排他領域ERが設定されることによって制限される。
【0026】
例えば、検知部14は、通路領域PRから排他領域ERを除外した領域(以下「検知対象領域」という。)において、人物(例えば人の頭部等)を検知する。このような人物検知の手法としては、種々の公知手法を用いることができる。例えば、検知部14は、距離画像に対して公知のパターン認識を行うことによって人物の頭部に対応する領域を検出すると共に、距離画像に含まれる被写体までの距離に関する情報に基づいて当該検出された領域(ここでは人物の頭部に対応する領域)の床からの高さ(すなわち、検知された人物の身長)を識別する。そして、検知部14は、識別された身長が予め定められた適正範囲である場合に、当該領域を人物として検知する。
【0027】
検知部14は、時間的に連続する複数フレーム分の距離画像の各々について上述した人物検知処理を行うことにより、検出された人物を追跡して検知する。つまり、検知部14は、検出された人物毎に、距離画像(通路画像IM)内における移動の軌跡(すなわち、フレーム毎の検出位置)を取得する。より具体的には、検知部14は、人物毎に、検知対象領域内において最初に当該人物が出現したとみなされた位置である出現位置から検知対象領域内において最後に当該人物が出現したとみなされた位置である消失位置までの移動の軌跡を取得する。なお、上述した人物の追跡検知を行うために、検知部14は、時間的に連続する全てのフレームに対して人物検知処理を行う必要はなく、例えば所定時間間隔毎に抽出される各フレームに対して人物検知処理を行ってもよい。
【0028】
上述した出現位置(すなわち、検知対象領域内において最初に人物が出現したとみなされた位置)は、例えば、検知部14によって検知対象領域内において最初に当該人物が検知された位置(すなわち、処理対象とされた複数のフレームのうち当該人物が検知対象領域内において最初に検知されたフレームにおける当該人物の位置)である。ただし、「検知対象領域内において最初に人物が出現したとみなされた位置」は、上記に限られない。例えば、検知部14は、人物検知の安定性(誤検知の排除)のために、処理対象とされた複数のフレームのうち当該人物が検知対象領域内において2回目以降(例えば2回目)に検知されたフレームにおける当該人物の位置を、「検知対象領域内において最初に人物が出現したとみなされた位置」として扱ってもよい。つまり、検知部14は、複数のフレームで同じ人物が検知されたことをトリガとして、検知対象領域内に当該人物が出現したとみなしてもよい。
【0029】
上述した消失位置(すなわち、検知対象領域内において最後に人物が出現したとみなされた位置)は、例えば、検知部14によって検知対象領域内において最後に当該人物が検知された位置(すなわち、処理対象とされた複数のフレームのうち当該人物が検知対象領域内において最後に検知されたフレームにおける当該人物の位置)である。ただし、「検知対象領域内において最後に人物が出現したとみなされた位置」は、上記に限られない。例えば、検知部14は、処理対象とされた複数のフレームのうち検知対象領域内において当該人物が最後から1つ前に検知されたフレームにおける当該人物の位置等を、「検知対象領域内において最後に人物が出現したとみなされた位置」として扱ってもよい。
【0030】
移動経路取得部15は、検知部14によって検知された人物の移動経路を取得する。図7は、移動経路の一例を示す図である。図7において、APは、ある人物の出現位置を示しており、DPは、当該人物の消失位置を示している。図7に示されるように、移動経路取得部15は、検知部14により検知された人物毎に、出現位置APから消失位置DPまでの移動経路MPを取得(生成)する。本実施形態では、移動経路取得部15は、出現位置APと消失位置DPとを結ぶ直線経路を移動経路MPとして取得する。なお、後述する第2実施形態のように、出現位置APと消失位置DPとの間の人物の検出位置にも基づいて曲線状の移動経路MPを取得することも考えられるが、上記のように出現位置APと消失位置DPとを結ぶ直線経路を移動経路MPとすることにより、移動経路MPを求めるための計算量を低減することができる。
【0031】
判定部16は、移動経路取得部15により取得された移動経路MPに基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する。本実施形態では、判定部16は、移動経路MPがカウント線Lと交差する場合(交点を有する場合)に、「人物が通路領域PRを通過した」と判定する。一方、判定部16は、移動経路MPがカウント線Lと交差しない場合(交点を有しない場合)に、「人物が通路領域PRを通過していない」と判定する。
【0032】
加えて、判定部16は、移動経路MPの方向に基づいて、特定の場所に対する人物の入退出を判定することもできる。本実施形態では、人物の出現位置APが第1領域PR1内に存在し、消失位置DPが第2領域PR2内に存在する場合(すなわち、当該人物が第1領域PR1(特定の場所から遠い領域)から第2領域PR2(特定の場所に近い領域)へと移動した場合)には、判定部16は、「人物が特定の場所に入った」と判定することができる。一方、人物の出現位置APが第2領域PR2内に存在し、消失位置DPが第1領域PR1内に存在する場合には、判定部16は、「人物が特定の場所から出た」と判定することができる。
【0033】
カウント部17は、判定部16の判定結果に基づいて、特定の場所の滞在人数を計測する。例えば、判定部16によって「人物が特定の場所に入った」と判定された場合、カウント部17は、滞在人数の計測値を増加させる。一方、判定部16によって「人物が特定の場所から出た」と判定された場合、カウント部17は、滞在人数の計測値を減少させる。なお、カウント部17は、判定部16によって「人物が通路領域PRを通過していない」と判定された場合、滞在人数の計測値を変化させない。
【0034】
カウント部17は、上記のように算出された滞在人数の計測値を、ユーザ(例えば、特定の場所の管理者又は利用者等)に提示してもよい。例えば、特定の場所がホテル、旅館等の施設に設けられた浴場の脱衣所である場合、上記計測値(すなわち、現時点の浴場利用者数)は、上記施設の管理者及び利用者のいずれにとっても有用な情報である。例えば、管理者は、上記計測値の時系列データから時間毎の浴場の利用率を把握すること等が可能となる。また、利用者は、浴場の混雑度を予め把握した上で浴場を利用するか否かを判断すること等が可能となる。
【0035】
例えば、カウント部17は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の出力装置に上記計測値を表示させることにより、管理者に計測値を提示する。或いは、カウント部17は、情報処理装置10と通信可能に構成された管理者端末(例えば、管理者が保持するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末等)に上記計測値を送信し、当該管理者端末が備えるディスプレイ等の出力装置に上記計測値を表示させてもよい。また、カウント部17は、施設の利用者に対して上記計測値を提示するために、ブラウザ又は専用アプリケーション等からアクセス可能な外部装置(サーバ、データベース等)に上記計測値を表示するための情報を格納してもよいし、施設内に設置されたデジタルサイネージ等に上記計測値の情報を表示させてもよい。
【0036】
続いて、図8に示されるフローチャートを用いて、情報処理装置10の動作(第1実施形態に係る情報処理方法を含む)について説明する。まず、画像取得部11は、撮影装置20から映像(通路画像IM)を取得する(ステップS01、図4参照)。続いて、画像取得部11は、取得した通路画像IMから距離画像を生成する(ステップS02)。続いて、カウント線設定部12は、距離画像から通路領域PR(図5参照)を抽出する(ステップS03)。続いて、カウント線設定部12は、抽出した通路領域PRに基づいてカウント線L(図5参照)を設定する(ステップS04)。続いて、排他領域設定部13は、非通路領域(本実施形態では壁Wに対応する領域)と通路領域PRの少なくとも一部とに排他領域ER(図6参照)を設定する(ステップS05)。具体的には、排他領域設定部13は、第1領域PR1内の排他領域ERを除く任意の位置と第2領域PR2内の排他領域ERを除く任意の位置とを結ぶ線分がカウント線Lと交差するように、排他領域ERを設定する。続いて、検知部14は、排他領域ERを除く通路領域PR内において、人物を検知する(ステップS06)。検知部14が複数フレーム分の距離画像の各々について上記の人物検知を行うことにより、検出された人物毎に、出現位置AP及び消失位置DPが取得される(図7参照)。続いて、移動経路取得部15は、検出された人物毎に、出現位置APから消失位置DPまでの移動経路MP(図7参照)を取得する(ステップS07)。
【0037】
続いて、判定部16は、移動経路MPに基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する。本実施形態では、判定部16は、移動経路MPがカウント線Lと交差するか否か(すなわち、移動経路MPとカウント線Lとが交点を有するか否か)を判定する(ステップS08)。移動経路MPがカウント線Lと交差すると判定された場合(ステップS08:YES)、判定部16は、「人物が通路領域PRを通過した」と判定すると共に、後述する入退室判定(ステップS09~S11)を実施する。すなわち、判定部16は、移動経路MPが第1領域PR1から第2領域PR2に延びているか否か(すなわち、移動経路MPの出現位置APが第1領域PR1に含まれていると共に消失位置DPが第2領域PR2に含まれているか否か)を判定する(ステップS09)。移動経路MPが第1領域PR1から第2領域PR2まで延びていると判定された場合(ステップS09:YES)、判定部16は、「人物が特定の場所に入った」(すなわち、入室)と判定する(ステップS10)。一方、移動経路MPが第1領域PR1から第2領域PR2に延びていないと判定された場合(ステップS09:NO)、すなわち、移動経路MPが第2領域PR2から第1領域PR1に延びていると判定された場合、判定部16は、「人物が特定の場所から出た」(すなわち、退室)と判定する(ステップS11)。なお、ステップS08において、移動経路MPがカウント線Lと交差しないと判定された場合(ステップS08:NO)、判定部16は、「人物が通路領域PRを通過していない」と判定する(ステップS12)。
【0038】
続いて、カウント部17は、判定部16の判定結果(ステップS10~ステップS12のいずれか)に基づいて、特定の場所の滞在人数を計測する(ステップS13)。具体的には、カウント部17は、判定部16によって「人物が特定の場所に入った」と判定された場合(ステップS10)、滞在人数の計測値を増加させる。また、カウント部17は、判定部16によって「人物が特定の場所から出た」と判定された場合(ステップS11)、滞在人数の計測値を減少させる。なお、判定部16によって「人物が通路領域PRを通過していない」と判定された場合(ステップS12)、カウント部17は、滞在人数の計測値を変化させない。また、カウント部17は、滞在人数の計測値をユーザ(例えば、施設の管理者又は利用者等)に向けて出力する(ステップS14)。
【0039】
続いて、以上説明した情報処理装置10の作用効果について説明する。
【0040】
情報処理装置10、情報処理装置10により実行される情報処理方法、又はコンピュータを情報処理装置10として機能させる情報処理プログラムによれば、人物が移動可能な通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定することにより、排他領域ERを除く通路領域PR内において人物が検知された位置に基づいて、人物の通過判定に好適な移動経路MPを取得することができる。より具体的には、本実施形態では、通路領域PR内において人物を検知できる領域(検知対象領域)が制限される。その結果、検知された人物の位置のうち、検知対象領域内において最初に当該人物が出現したとみなされた位置である出現位置APから検知対象領域内において最後に当該人物が出現したとみなされた位置である消失位置DPまでの移動経路MPが取得される。したがって、人物が通路Pを通過したか否かをより正確に判定することができる。
【0041】
また、情報処理装置10は、通路領域PRを第1領域PR1と第2領域PR2とに分割するカウント線Lを設定するカウント線設定部12を備えてもよい。そして、排他領域設定部13は、第1領域PR1内の排他領域ERを除く任意の位置と第2領域PR2内の排他領域ERを除く任意の位置とを結ぶ線分がカウント線Lと交差するように、排他領域ERを設定してもよく、移動経路取得部15は、人物の出現位置AP及び消失位置DPを結ぶ直線経路を移動経路MPとして取得してもよく、判定部16は、移動経路MPがカウント線Lと交差する場合に、人物が通路領域PRを通過したと判定してもよい。上記構成によれば、人物が通路領域PRを通過した場合、すなわち、第1領域PR1及び第2領域PR2のいずれか一方の領域に人物の出現位置APが検知され、他方の領域に消失位置DPが検知された場合、出現位置AP及び消失位置DPを結ぶ直線経路である移動経路MPは、必ずカウント線Lと交差する。したがって、上記構成によれば、移動経路MP及びカウント線Lに基づいて、人物が通路Pを通過したか否かをより正確に判定することができる。
【0042】
図9は、比較例に係る通路画像の一例を示す図である。比較例では、非通路領域(壁Wに対応する領域)にのみ排他領域ERが設定されており、通路領域PRには排他領域ERが設定されていない。言い換えれば、比較例では、「第1領域PR1内の排他領域ERを除く任意の位置と第2領域PR2内の排他領域ERを除く任意の位置とを結ぶ線分がカウント線Lと交差する」という要件が満たされていない。この場合、図9に示されるように人物の出現位置AP及び消失位置DPを結ぶ直線経路である移動経路MPが、カウント線Lと交差しない可能性がある。つまり、実際には人物が通路領域PRを通過したにも関わらず、「人物が通路領域PRを通過していない」と判定される可能性がある。これに対して、情報処理装置10では、上記要件が満たされるように排他領域設定部13が排他領域ERを設定することにより、上述したような比較例の問題を回避することができる。
【0043】
また、排他領域設定部13は、カウント線Lの端部Laを通るカウント線Lとは異なる境界線L1を決定してもよく、通路領域PRのうち境界線L1よりも外側の領域を排他領域ERとして設定してもよい。上記構成によれば、上記要件を満たす排他領域ERを比較的低い演算負荷(演算量)で設定することができる。
【0044】
また、排他領域設定部13は、カウント線Lと直交する境界線L1を決定してもよい。上記構成によれば、境界線L1をカウント線Lに対して一意に決定することができるため、排他領域ERを設定するための演算処理を確実に実行することができる。また、例えば、人物が通路領域PRを通過する際にカウント線Lと直交する方向にカウント線Lを横切ることが主に想定される場合等に、好適な範囲に排他領域ERを設定することができる。
【0045】
また、通路領域PRは、略L字状にカーブするコーナー部Cを含んでもよく、カウント線設定部12は、コーナー部Cの内側の端部Caとコーナー部Cの外側の端部Cbとを結ぶ線分をカウント線Lとして設定してもよい。上記構成によれば、カウント線Lを通路Pの幅方向に沿って設定する場合よりもカウント線Lの長さを大きくすることができる。これにより、移動経路MP及びカウント線Lに基づく通過判定を精度良く行うことが可能となる。
【0046】
なお、上記実施形態のような略L字形状を呈する通路Pの角部(通路領域PRのコーナー部Cに対応する位置)に撮影装置20を設置することを避け、例えば通路Pにおける図面上側の直線部P1(略L字形状の通路Pを構成する2つの直線通路のうち、第1領域PR1が属する部分)又は図面右側の直線部P2(略L字形状の通路Pを構成する2つの直線通路のうち、第2領域PR2が属する部分)に撮影装置20を設置することが考えられる(図9参照)。その上で、直線部P1又は直線部P2上において、通路Pの幅方向に沿ったカウント線を設定することが考えられる。しかしながら、本実施形態のように特定の場所が脱衣所である場合、直線部P1の図面上側部分(直線部P1の入口部分)には目隠しのための暖簾等が設けられる場合がある。この場合、直線部P1(すなわち、コーナー部Cよりも図面上側)に撮影装置20を設置した場合、暖簾によって人物検知を精度良く行うことができない場合がある。具体的には、暖簾がひらひらと動くことによって、誤検知等が生じ易くなり、人物検知の精度が低下するおそれがある。また、直線部P2の図面右側部分は脱衣所であるため、脱衣所に近い直線部P2(すなわち、コーナー部Cよりも図面右側)に撮影装置20を設置することは、プライバシーの観点から困難な場合がある。上記構成(すなわち、コーナー部の端部Ca,Cbを結ぶカウント線Lを設定する構成)によれば、上述したような問題を解消することもできる。
【0047】
また、カウント線設定部12は、通路画像IMの略中央部にカウント線Lを設定しておよい。上記構成によれば、人物の検出精度の高い通路画像IMの略中央部において、人物の移動経路MPとカウント線Lとの交差を検出することができる。これにより、人物が通路Pを通過したか否かをより正確に判定することができる。
【0048】
[第2実施形態]
図10及び図11を用いて、第2実施形態に係る情報処理装置10Aについて説明する。図10は、情報処理装置10Aの機能構成の一例を示す図である。図10に示されるように、情報処理装置10Aは、カウント線設定部12、排他領域設定部13、移動経路取得部15、判定部16及びカウント部17の代わりに、フローパス設定部18、排他領域設定部13A、移動経路取得部15A、判定部16A及びカウント部17Aを備える点で、情報処理装置10と相違している。図11は、情報処理装置10Aによって処理された通路画像IMの一例を示す図である。図11に示されるように、情報処理装置10Aは、カウント線Lの代わりにフローパスFPを設定し、移動経路MP及びフローパスFPに基づいて、人物が通路Pを通過したか否かを判定するように構成されている。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、入室者数をカウントする場合を例に説明する。
【0049】
フローパス設定部18は、通路領域PR内に、方向に関する情報を含むフローパスFPを設定する。フローパスFPは、一例としてベクトルである。図11の例では、フローパス設定部18は、通路領域PRのコーナー部Cの内側の端部Caと外側の端部Cbとを結ぶ線分(不図示)上に、等間隔に複数のフローパスFPを配置する。本実施形態では、フローパスFPの方向は、端部Ca及び端部Cbを結ぶ線分と垂直な方向であって、「特定の場所」に向かう方向である。
【0050】
排他領域設定部13Aは、排他領域設定部13と同様に、通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定する。ただし、情報処理装置10Aではカウント線Lが設定されないため、排他領域設定部13Aは、排他領域設定部13とは異なる方法で排他領域ERを設定する。一例として、排他領域設定部13Aは、以下のように排他領域ERを設定してもよい。例えば、排他領域設定部13Aは、上述したフローパスFPが設定される際に基準とされた線分(ここでは一例としてコーナー部Cの端部Caと端部Cbとを結ぶ線分)の端部Caを通り、当該端部Caとは異なる直線(境界線L1)を決定し、通路領域PRのうち境界線L1よりも外側の領域を排他領域ERとして設定する。図11の例では、排他領域設定部13Aは、上記線分と直交する境界線L1を決定する。なお、上記線分の他方の端部(すなわち端部Cb)についても同様に処理されればよい。以上の処理によれば、排他領域設定部13Aによって、図11に示されるような排他領域ER(第1実施形態と同様の領域)が設定される。
【0051】
移動経路取得部15Aは、検知部14によって検知された人物の移動経路MPを取得する。すなわち、移動経路取得部15Aは、人物毎に、出現位置APから消失位置DPまでの移動経路MPを取得する。図11に示されるように、本実施形態では、移動経路取得部15Aは、検知部14によって取得された出現位置AP及び消失位置DPまでの移動の軌跡(経路)を移動経路MPとして取得する。本実施形態では、移動経路取得部15Aは、曲線状の移動経路MPを取得(生成)するように構成されている。例えば、移動経路取得部15Aは、出現位置APと消失位置DPとの間の検出位置(所定時間間隔毎の各フレーム(距離画像)において検出された人物の各位置)にも基づいて、これらの複数の検出位置との距離(誤差)の二乗和が最小となるようなn次曲線(nは2以上の予め定められた数)を移動経路MPとして取得する。
【0052】
一例として、判定部16Aは、移動経路MPの近傍に配置されたフローパスFP(例えば、移動経路MPから所定の閾値距離以内にあるフローパスFP)を選択する。例えば、判定部16Aは、移動経路MP及び上記線分(端部Ca及び端部Cbを結ぶ線分)の交点からの距離が閾値距離以内にあるフローパスFPを選択する。そして、判定部16Aは、移動経路MPと選択されたフローパスFPとの一致度に基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する。一例として、「一致度」は、フローパスFPを設定する際の基準とされた線分(本実施形態では、端部Ca及び端部Cbを結ぶ線分)上における移動経路MPの接線ベクトルとフローパスFPとがなす角度に基づく値である。この場合、一致度は、上記角度が小さい程大きくなるように設定される。一例として、一致度は、上記角度の逆数である。
【0053】
本実施形態では、判定部16Aは、上記一致度が所定値(予め定められた閾値)以上である場合に、判定部16Aは、「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過した」と判定する。一方、判定部16Aは、上記一致度が所定値未満である場合には、「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過していない」と判定する。
【0054】
カウント部17Aは、判定部16Aの判定結果に基づいて、特定の場所の滞在人数を計測する。本実施形態では、フローパスFPは、端部Ca及び端部Cbを結ぶ線分と垂直な方向であって、「特定の場所」に入る方向に対応している。このため、本実施形態では、判定部16Aによって「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過した」と判定された場合、カウント部17Aは、特定の場所の滞在人数の計測値を増加させる。
【0055】
なお、本実施形態では、特定の場所に入る方向に対応するフローパスFPのみが設定されたが、特定の場所から出る方向に対応するフローパス(すなわち、フローパスFPとは逆の方向を向くベクトル)が設定されてもよい。例えば、フローパス設定部18は、「特定の場所」に入る方向に対応する第1フローパス(すなわち、図11のフローパスFP)と、第1フローパスと逆の方向(特定の場所から出る方向)に対応する第2フローパスと、を通路領域PRに設定してもよい。この場合、判定部16Aは、例えば、移動経路MP及び第1フローパスの一致度(第1一致度)と移動経路MP及び第2フローパスの一致度(第2一致度)とを比較することにより、人物の特定の場所への入退出判定を行ってもよい。例えば、第1一致度が第2一致度よりも大きい場合、判定部16Aは、「人物が第1フローパスに沿って通路領域PRを通過した」(すなわち、「人物が特定の場所に入った」)と判定してもよい。一方、第2一致度が第1一致度よりも大きい場合、判定部16Aは、「人物が第2フローパスに沿って通路領域PRを通過した」(すなわち、「人物が特定の場所から出た」)と判定してもよい。或いは、フローパス設定部18は、1つのフローパスFPに対して特定の場所に入る方向及び特定の場所から出る方向の両方の方向を関連付けてもよい。すなわち、フローパス設定部18は、上述の第1フローパス及び第2フローパスを兼ねる単一のフローパスFPを設定してもよい。この場合、判定部16Aは、設定されたフローパスFPに関して、フローパスFPに沿った2つの方向(すなわち、特定の場所に入る方向及び特定の場所から出る方向)のそれぞれと移動経路MPとの一致度を比較することで、入退室判定を行うことができる。
【0056】
続いて、図12に示されるフローチャートを用いて、情報処理装置10Aの動作(第2実施形態に係る情報処理方法を含む)について説明する。まず、画像取得部11は、撮影装置20から映像(通路画像IM)を取得する(ステップS101)。続いて、画像取得部11は、通路画像IMから距離画像を生成する(ステップS102)。続いて、フローパス設定部18は、距離画像から通路領域PRを抽出する(ステップS103)。続いて、フローパス設定部18は、抽出した通路領域PRに基づいてフローパスFPを設定する(ステップS104)。ここでは一例として、図11に示されるように、コーナー部Cの端部Ca,Cbを結ぶ線分上に、特定の場所に入る方向に対応する複数のフローパスFPが設定される。続いて、排他領域設定部13Aは、通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定する(ステップS105)。続いて、検知部14は、排他領域ERを除く通路領域PR内において、人物を検知する(ステップS106)。検知部14が複数フレーム分の距離画像の各々について上記の人物検知を行うことにより、検出された人物毎に、出現位置AP及び消失位置DPが取得される。続いて、移動経路取得部15Aは、検知された人物毎に、出現位置APから消失位置DPまでの移動経路MPを取得する(ステップS107)。本実施形態では、移動経路取得部15Aは、上述したようなn次曲線を移動経路MPとして取得する。
【0057】
続いて、判定部16Aは、移動経路MPに基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する。本実施形態では、判定部16Aは、移動経路MPから所定の閾値距離以内にフローパスFPが存在するか否かを判定する(ステップS108)。このようなフローパスFPが存在すると判定された場合(ステップS108:YES)、後述する入退出判定(ステップS109~S111)を実施する。一例として、判定部16Aは、移動経路MP及びフローパスFPの一致度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS109)。移動経路MP及びフローパスFPの一致度が所定値以上であると判定された場合(ステップS109:YES)、判定部16Aは、「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過した」(すなわち、特定の場所に入室した)と判定する(ステップS110)。一方、移動経路MP及びフローパスFPの一致度が所定値未満であると判定された場合(ステップS109:NO)、判定部16Aは、「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過していない」と判定する(ステップS111)。なお、本実施形態(図11の例)では、ステップS107において、移動経路MPから所定の閾値距離以内にフローパスFPが存在しないと判定された場合(ステップS108:NO)にも、判定部16Aは、「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過していない」と判定する(ステップS111)。
【0058】
続いて、カウント部17Aは、判定部16Aの判定結果(ステップS110又はステップS111)に基づいて、特定の場所の滞在人数を計測する(ステップS112)。具体的には、カウント部17Aは、判定部16Aによって「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過した」と判定された場合(ステップS110)、滞在人数の計測値を増加させる。一方、カウント部17Aは、判定部16Aによって「人物がフローパスFPに沿って通路領域PRを通過していない」と判定された場合(ステップS111)、滞在人数の計測値を変化させない。また、カウント部17Aは、滞在人数の計測値をユーザ(例えば、施設の管理者又は利用者等)に向けて出力する(ステップS113)。
【0059】
情報処理装置10Aは、通路領域PR内に、方向に関する情報を含むフローパスFPを設定するフローパス設定部18を備える。そして、判定部16Aは、移動経路MPとフローパスFPとの一致度に基づいて、人物が通路領域PRを通過したか否かを判定する。上記構成によっても、人物が移動可能な通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定することにより、通路領域PRを通過したか否かを判定する材料となる移動経路MPを、より好適に取得することができる。以下、上記効果について詳細に説明する。上述したようなフローパス方式の判定を行うにあたっては、移動経路MPの生成には、フローパスFPが設定された領域付近の人物の移動の軌跡のみが反映されることが好ましい。フローパスFPから遠い領域における人物の検出点が移動経路MPを生成するために用いられてしまうと、このような検出点によってフローパスFP付近における移動経路MPの形状が実際の人物の移動の軌跡から大きくずれてしまう可能性があるからである。情報処理装置10Aによれば、排他領域ERが通路領域PRの一部(フローパスFPから比較的離れた領域)に設定されることにより、フローパスFPから比較的離れた領域に移動経路MPを生成するための検出点が生じることを防止することができる。したがって、情報処理装置10Aによれば、フローパス方式において、通路領域PRの少なくとも一部に排他領域ERを設定することにより、人物が通路Pを通過したか否かをより正確に判定することができる。
【0060】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されない。例えば、通路Pの形状は、上記実施形態で説明したような略L字形状に限られない。図13を用いて、通路Pの他の例について説明する。図13の例では、通路Pは、略U字形状をなしている。この場合でも、次に説明するように、情報処理装置10によれば、人物の移動経路MPを好適に取得することができる。
【0061】
図13の例では、通路Pは、直線部P1と、直線部P1の延在する方向における両端部から同方向(図示左方向)に延びる直線部P2及び直線部P3と、によって構成されている。撮影装置20は、直線部P1の中間に設置されている。この例では、カウント線設定部12は、通路領域PRのうち直線部P1に対応する領域にカウント線Lを設定する。具体的には、カウント線設定部12は、直線部P1が延在する方向において、通路領域PRの中間部分にカウント線Lを設定する。カウント線設定部12は、通路Pの幅方向に延びるようにカウント線Lを設定する。また、排他領域設定部13は、非通路領域(壁Wに対応する領域)と通路領域PRの少なくとも一部とに排他領域ERを設定する。図14の例では、排他領域設定部13は、カウント線Lの一方の端部La(直線部P2及び直線部P3が延びる方向における端部)を通り、カウント線Lと異なる境界線L1(一例として、カウント線Lと直交する直線)を決定し、通路領域PRのうち境界線L1よりも外側の領域を排他領域ERとして設定する。この例では、直線部P2及び直線部P3に対応する領域が、通路領域PRのうち境界線L1よりも外側の領域となる。また、排他領域設定部13は、カウント線Lの他方の端部Lbを通るカウント線Lとは異なる直線(一例として、カウント線Lと直交する直線)を決定し、通路領域PRのうち当該直線よりも外側の領域を排他領域ERとして設定する。ただし、図14の例では、カウント線Lの端部Lbを通り且つカウント線Lと直交する直線よりも外側には通路領域PRは存在しない。このため、端部Lbに関する処理によっては、通路領域PR内に排他領域ERは設定されず、端部Laに関する処理のみによって、通路領域PRの一部に排他領域ERが設定される。このように排他領域ERが設定されることにより、通路Pの形状が図14に示されるような略U字形状である場合であっても、「第1領域PR1内の排他領域ERを除く任意の位置と第2領域PR2内の排他領域ERを除く任意の位置とを結ぶ線分がカウント線Lと交差する」という要件が満たされるため、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0062】
また、上記実施形態では、画像取得部11によって、距離(奥行)に関する情報を含む距離画像が取得(生成)されたが、画像取得部11によって取得される通路Pを含む画像は、距離に関する情報を含まない平面画像であってもよい。この場合、検知部14による人物(例えば頭部等)の検出は、パターンマッチングのみに基づいて行われてもよい。ただし、上記実施形態のように距離画像を用いることにより、人物の検出精度を高めることができる。
【0063】
また、検知対象である物体は人物に限られない。例えば、検知対象である物体は、人以外の生物であってもよいし、通路Pに沿って移動可能とされた生物以外の物体(非生物)であってもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、検知部14により人物が検知される対象となる通路領域PRが排他領域ERによって制限されたが、検知部14は、排他領域ERが設定された通路領域PR(排他領域ER及び通路領域PRが重複する領域)においても人物を検知してもよい。この場合、例えば、検知部14は、検知した人物の位置(検出点)のうち、排他領域ER内の検出点を除外した上で、出現位置AP及び消失位置DPを取得すればよい。或いは、後段の処理を行う移動経路取得部15が、排他領域ERを除く通路領域PR内に存在する検出点のみに基づいて(すなわち、排他領域ER内に存在する検出点を無視して)、出現位置AP及び消失位置DPを特定し、移動経路MPを取得してもよい。以上のように、検知部14が人物検知を行う対象となる領域を排他領域ERによって制限することなく、その後の移動経路MPの生成を排他領域ERによって制限することによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。ただし、上記実施形態のように検知部14が人物検知を行う対象となる領域を排他領域ERによって制限することにより、検知部14による無駄な処理(すなわち、排他領域ER内の人物を検知する処理)を排除することができ、情報処理装置10の演算量を低減することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、カウント部17によって入室者及び退室者の両方がカウントされたが、カウント部17は、入室者及び退室者のいずれか一方のみをカウントしてもよい。また、カウント部17は、入室と退室とを区別せずに通路Pの通過人数を計測してもよい。この場合、カウント部17は、上述の入室者数及び退室者数を合算した結果を通路Pの通過人数として算出すればよい。
【0066】
また、上記実施形態で説明した処理の一部は人手によって実行されてもよい。例えば、上記実施形態では、カウント線設定部12によって通路領域PRと非通路領域(壁Wに対応する領域)とを識別する処理が実行されたが、当該処理はユーザによって実行されてもよい。例えば、人物が通路P上にいないときに撮像された距離画像上にユーザが通路領域PRの範囲を指定することによって、通路領域PRが特定されてもよい。また、カウント線L、フローパスFP、境界線L1、及び排他領域ER等についても、ユーザによる操作を受け付けることによって設定されてもよい。
【0067】
また、情報処理装置10と撮影装置20の物理構成は上記実施形態に限定されない。すなわち、上記実施形態では、情報処理装置10と撮影装置20とは別個の装置として構成されたが、情報処理装置10と撮影装置20とは単一の装置によって構成されてもよい。また、情報処理装置10は、1台のコンピュータ装置によって構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置によって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…情報処理装置、11…画像取得部、12…カウント線設定部、13,13A…排他領域設定部、14…検知部、15,15A…移動経路取得部、16,16A…判定部、18…フローパス設定部、AP…出現位置、C…コーナー部、Ca,Cb,La…端部、DP…消失位置、ER…排他領域、FP…フローパス、IM…通路画像(画像)、L…カウント線、L1…境界線、MP…移動経路、PR…通路領域、PR1…第1領域、PR2…第2領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記通路領域を第1領域と第2領域とに分割するカウント線を設定するカウント線設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置とを前記排他領域を除く前記通路領域内において結ぶ前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記移動経路取得部により取得された前記移動経路が前記カウント線と交差する場合に、前記物体が前記通路領域を通過した判定する判定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
記排他領域設定部は、前記第1領域内の前記排他領域を除く任意の位置と前記第2領域内の前記排他領域を除く任意の位置とを結ぶ線分が前記カウント線と交差するように、前記排他領域を設定し、
前記移動経路取得部は、前記物体の前記出現位置及び前記消失位置を結ぶ直線経路を前記移動経路として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記排他領域設定部は、前記カウント線の端部を通る前記カウント線とは異なる境界線を決定し、前記通路領域のうち前記境界線よりも外側の領域を前記排他領域として設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記排他領域設定部は、前記カウント線と直交する前記境界線を決定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通路領域は、略L字状にカーブするコーナー部を含み、
前記カウント線設定部は、前記コーナー部の内側の端部と前記コーナー部の外側の端部とを結ぶ線分を前記カウント線として設定する、
請求項2~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記カウント線設定部は、前記画像の略中央部に前記カウント線を設定する、
請求項2~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記通路領域内に方向に関する情報を含むフローパスを設定するフローパス設定部と、
記移動経路と前記フローパスとの一致度に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定する判定部と
を備える、情報処理装置。
【請求項8】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得するステップと、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定するステップと、
前記通路領域を第1領域と第2領域とに分割するカウント線を設定するステップと、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知するステップと、
前記検知するステップにおいて検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置とを前記排他領域を除く前記通路領域内において結ぶ前記物体の移動経路を取得するステップと、
前記移動経路が前記カウント線と交差する場合に、前記物体が前記通路領域を通過した判定するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項9】
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得するステップと、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定するステップと、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知するステップと、
前記検知するステップにおいて検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得するステップと、
前記通路領域内に方向に関する情報を含むフローパスを設定するステップと、
前記移動経路と前記フローパスとの一致度に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記通路領域を第1領域と第2領域とに分割するカウント線を設定するカウント線設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置とを前記排他領域を除く前記通路領域内において結ぶ前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記移動経路取得部により取得された前記移動経路が前記カウント線と交差する場合に、前記物体が前記通路領域を通過した判定する判定部と、
として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
検知対象である物体が移動可能な通路領域を含む画像を取得する画像取得部と、
前記通路領域の少なくとも一部に排他領域を設定する排他領域設定部と、
前記排他領域を除く前記通路領域内において前記物体を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記物体の位置のうち、前記排他領域を除く前記通路領域内において最初に前記物体が出現したとみなされた位置である出現位置から前記排他領域を除く前記通路領域内において最後に前記物体が出現したとみなされた位置である消失位置までの前記物体の移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記通路領域内に方向に関する情報を含むフローパスを設定するフローパス設定部と、
前記移動経路取得部により取得された前記移動経路と前記フローパスとの一致度に基づいて、前記物体が前記通路領域を通過したか否かを判定する判定部と、
として機能させる、情報処理プログラム。