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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077441
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20220516BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220516BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220516BHJP
   G06F 16/907 20190101ALI20220516BHJP
   G10L 15/22 20060101ALN20220516BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06Q50/10
G06F13/00 650B
G06F16/907
G10L15/22 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188308
(22)【出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】508203116
【氏名又は名称】株式会社SRA東北
(71)【出願人】
【識別番号】511255328
【氏名又は名称】AZ Collabo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】我妻 裕太
【テーマコード(参考)】
5B084
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA16
5B084AB11
5B084BB01
5B084CD22
5B084CE03
5B084CE12
5B084DC02
5B084DC03
5B084EA34
5B175DA01
5B175EA01
5B175FB02
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】1つの質問に対して複数の回答を出力することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】利用者端末装置10と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力するチャットボットシステムであり、現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、回答者の発言データに基づき、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答端末装置20と、利用者端末装置10から利用者の質問及び利用者が回答を希望する回答者を受け付けて回答端末装置20に送信すると共に、回答端末装置20から複数種類の回答を受け取り、受け取った回答から利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、利用者端末装置10に送信するホスト端末装置30とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末装置と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力する情報処理システムであって、
現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、前記回答者の発言データに基づき、前記利用者が希望する回答者について、前記利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答端末装置と、
前記利用者端末装置から前記利用者の質問及び前記利用者が回答を希望する前記回答者を受け付けて前記回答端末装置に送信すると共に、前記回答端末装置から複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から前記利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、前記利用者端末装置に送信するホスト端末装置と
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ホスト端末装置は、前記利用者端末装置に回答を送信する際に、前記利用者にその回答に対する評価の入力を求め、入力された評価を記録する評価部と、記録された評価データに基づいて利用者に出力する回答を抽出する評価データ回答抽出部とを有することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ホスト端末装置は、前記利用者端末装置から新しい回答者の回答推定手段の追加指示を受け取り、前記回答端末装置に、新しい回答者の回答推定手段を追加する回答推定手段追加部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ホスト端末装置は、前記利用者端末装置から受け付けた質問と、それに対して前記利用者端末装置に送信した回答とを記録し、記録した質問・回答データを閲覧可能とする閲覧部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
利用者端末装置と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力する情報処理方法であって、
現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、前記回答者の発言データに基づき、前記利用者が希望する回答者について、前記利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答端末装置を用い、
前記利用者端末装置から前記利用者の質問及び前記利用者が回答を希望する前記回答者を受け付けて前記回答端末装置に送信する受付処理手順と、
前記回答端末装置により、前記利用者が希望する回答者について、前記利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答推定手順と、
前記回答端末装置から推定された複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から前記利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、前記利用者端末装置に送信する回答処理手順と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの質問に対して回答を出力する情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が入力するテキストや音声等に対して、自動的に回答を行う、いわゆるチャットボットが広く用いられている。チャットボットは、例えば、予め想定される問い合わせ内容と回答とをボットに登録して、利用者が入力した問い合わせに対し、それに合う予め用意された回答を出力するように動作する。従来のチャットボットでは、例えば、1つの質問に対して1つの回答を出力するように構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-248497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなチャットボットでは、利用者からの問い合わせ内容とその回答がある程度予測できる場合には、希望する回答を容易に得ることができるので有効である。しかしながら、例えば、利用者が悩み事を相談したい場合等には、1つの質問に対して1つの回答しか出力されないので、利用者がある程度想定することができる回答しか得ることができないという問題があった。そのため、悩み事を相談しても、新しい気づきや発想、発見を得ることが難しく、悩み事を解決するための手助けにならないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、1つの質問に対して複数の回答を出力することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、利用者端末装置と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力するものであって、現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、回答者の発言データに基づき、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答端末装置と、利用者端末装置から利用者の質問及び利用者が回答を希望する回答者を受け付けて回答端末装置に送信すると共に、回答端末装置から複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、利用者端末装置に送信するホスト端末装置とを備えたものである。
【0007】
本発明の情報処理方法は、利用者端末装置と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力するものであって、現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、回答者の発言データに基づき、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答端末装置を用い、利用者端末装置から利用者の質問及び利用者が回答を希望する回答者を受け付けて回答端末装置に送信する受付処理手順と、回答端末装置により、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答推定手順と、回答端末装置から推定された複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、利用者端末装置に送信する回答処理手順とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1つの質問に対して複数の回答を出力するので、利用者が想定していなかったような回答や、新しい気づき、発想を得ることができ、悩み事を解決するための大きな手助けとなることができる。
【0009】
また、回答に対する利用者の評価を記録する評価部と、記録した評価データに基づいて利用者に出力する回答を抽出する評価データ回答抽出部とを有するようにすれば、利用者の年齢、役職等のパーソナル情報に合わせて、より適切な、より有益性の高い回答を出力することができる。
【0010】
更に、利用者が新しい回答者の回答類推手段を追加できるようにすれば、利用者の希望に合わせた回答端末装置を構成することができる。
【0011】
加えて、記録した質問・回答データを閲覧できるようにすれば、より幅の広い知識を得ることができると共に、新しい気づきや発想を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る情報処理システムの構成を表すブロック図である。
図2図1に示した回答端末装置及びホスト端末装置のハードウエア構成を表すブロック図である。
図3図1に示した回答端末装置の構成を表すブロック図である。
図4図1に示したホスト端末装置の機能構成を表すブロック図である。
図5】利用者端末装置に回答を表示する表示例を表すものである。
図6図1に示した情報処理システムを用いた情報処理方法の手順を表す流れ図である。
図7図6に示した回答処理手順の具体的な手順を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の実施の形態では、情報処理システムとして、チャットボットシステムを例に挙げて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理システムの構成を表す図である。この情報処理システムは、利用者端末装置10と通信し、利用者からの質問に対して回答を出力するものであり、利用者からの質問に対して複数種類の回答を出力する回答端末装置20と、利用者端末装置10から受け付けた質問を回答端末装置20に送信し、回答端末装置20から得られた回答に基づき、複数種類の回答を利用者端末装置10に送信するホスト端末装置30とを備えている。
【0015】
利用者端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン等のコンピュータにより構成されており、利用者がホームページを閲覧してチャットを行うか、又は、インストールされたコミュニケーションツールを用いてチャットを行う端末装置である。回答端末装置20及びホスト端末装置30は、例えば、サーバー等のコンピュータにより構成されている。利用者端末装置10とホスト端末装置30、及び、回答端末装置20とホスト端末装置30とは、例えば、インターネットを含むネットワークを介して接続されている。利用者は、利用者端末装置10を使用して、ホスト端末装置30に接続可能となっている。
【0016】
図2は、回答端末装置20及びホスト端末装置30のハードウエア構成の一例を表すものである。回答端末装置20及びホスト端末装置30は、例えば、CPU(Center Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、HDD(ハードディスクドライブ)44、操作インターフェース(操作I/F)45、及び、通信部46を有している。
【0017】
CPU41は、ROM42に記録されている各種プログラム、又は、HDD44からRAM43にロードされた各種プログラムに従って各種の処理を実行するものである。RAM43には、CPU41が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶されている。HDD44には、各種データが記憶されている。通信部46は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御するものである。
【0018】
図3は、回答端末装置20の構成を表すものである。回答端末装置20は、現在又は過去に実在する複数の人物を回答者とし、その回答者の発言データに基づき、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力するものである。回答端末装置20は、例えば、各回答者について、個別に、その回答者の発言データに基づき、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する回答推定手段21を有している。すなわち、回答推定手段21は、回答者の数に応じて複数設けられていることが好ましい。
【0019】
各回答推定手段21は、例えば、自然言語処理モデル等のAIを用いて構成することができ、CPU41によりROM42又はHDD44に記憶されている推論プログラムを実行することにより機能するように構成されている。具体的には、例えば、回答者の発言データを知識ベースとし、推論エンジンにより推論を行い、複数の回答を推定するように構成されている。発言データとしては、各種発言を含めることができ、例えば、書籍、雑誌、レポート、講演、ウエブ上、テレビ、ラジオ、又は、インターネットラジオでの発言等が挙げられる。また、各回答推定手段21は、例えば、複数の回答と共に、その回答の確からしさを示すスコアを出力するように構成されている。回答の確からしさは、例えば、推論時における一致の程度により表される。
【0020】
図4は、ホスト端末装置30の機能的構成例を表すものである。ホスト端末装置30は、利用者端末装置10から利用者の質問及び利用者が回答を希望する回答者を受け付けて回答端末装置20に送信すると共に、回答端末装置20から複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から利用者に出力する複数種類の回答を抽出して、利用者端末装置10に送信するものである。ホスト端末装置30は、例えば、CPU41がROM42又はHDD44に記憶されている処理プログラムを実行することで、受付処理部31、回答処理部32、回答推定手段追加部33、及び、閲覧部34として機能するように構成されている。また、HDD44の一領域には、例えば、回答者データベース35、評価データベース36、利用者データベース37、及び、質問・回答データベース38が設けられている。
【0021】
受付処理部31は、例えば、利用者端末装置10から、利用者の質問及び利用者が回答を希望する1又は複数の回答者の選択を受け付け、回答端末装置20において対応する1又は複数の回答推定手段21を選択し、選択した1又は複数の回答推定手段21に質問を送信するものである。受付処理部31は、例えば、利用者から質問を受け付ける際に、利用者が回答を希望する1又は複数の回答者の選択、及び、質問の入力を求めるように構成されており、回答者データベース35に記録されている利用者が選択できる回答者の情報を表示できるようになっている。回答者の情報としては、例えば、氏名、所属、及び、経歴が挙げられる。回答者の選択可能人数は何人に設定してもよいが、例えば、5人以下とすることが好ましい。
【0022】
回答処理部32は、例えば、回答端末装置20から希望する回答者毎に推定された複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から利用者に出力する複数種類の回答を回答者毎に抽出して、利用者端末装置10に送信するものである。回答処理部32は、例えば、回答者毎に、回答端末装置20から受け取った複数種類の回答のうちスコアの高いものを抽出する高スコア回答抽出部32Aを有していることが好ましい。高スコア回答抽出部32Aは、例えば、スコアの高い方から順に複数の回答を抽出するように構成されていることが好ましい。
【0023】
また、回答処理部32は、例えば、利用者端末装置10に回答を送信する際に、利用者にその回答に対する評価の入力を求め、入力された評価を評価データベース36に記録する評価部32Bと、評価データベース36に記録された評価データに基づいて利用者に出力する回答を抽出する評価データ回答抽出部32Cとを有していることが好ましい。
【0024】
評価データベース36は、例えば、全ての利用者による評価を記録したものである。評価データ項目としては、例えば、評価者の年齢、性別、業種、役職、部署等のパーソナル情報、質問に対する回答、及び、その回答に対する評価者の評価をランクで表した評価ランクが挙げられる。評価者のパーソナル情報は、例えば、予め利用者のパーソナル情報を利用者データベース37に記録しておくことにより、利用者データベース37から取り出すことができる。評価ランクは、回答が良かったかどうかをランクで表すものであり、ランク分けされていればどのような表現でもよい。具体的に一例を示すと、例えば、「かなり刺さった・金」、「結構刺さった・銀」、「刺さった・銅」等のようにランク分けする。
【0025】
これにより、回答処理部32は、例えば、利用者とパーソナル情報が類似する評価者において評価が高かったものを抽出することができ、利用者のパーソナル情報に合わせて、より適切な、より有益性の高い回答を出力することができる。例えば、評価データ回答抽出部32Cは、回答者毎に、回答端末装置20から受け取った複数種類の回答のうち最もスコアが高かった回答について、評価データベース36で最も高いランクの評価をした評価者がいるかを探し、該当者がいた場合には、その評価者の中から利用者とパーソナル情報が類似する者を探し、該当者がいた場合には、最もパーソナル情報が類似する評価者が2番目に高いランクの評価をした回答と、3番目に高いランクの評価をした回答とを利用者に出力する回答として抽出するように構成されていることが好ましい。パーソナル情報が類似するか否かの判断は、例えば、パーソナル情報の項目のうち一致する項目の数の閾値を決め、一致する項目の数が閾値以上の場合に、類似とすることができる。
【0026】
回答処理部32は、回答者毎に、高スコア回答抽出部32Aにより抽出した回答と、評価データ回答抽出部32Cにより抽出した回答とを組み合わせて利用者に出力することが好ましい。多角的に回答を抽出することにより、有益性をより高めることができるからである。例えば、高スコア回答抽出部32Aによりスコアの高い順に抽出した3個の回答と、評価データ回答抽出部32Cにより抽出した2個の回答とを組み合わせて出力することが好ましい。なお、評価データ回答抽出部32Cにおいて回答が抽出されなかった場合、例えば、最もスコアが高かった回答について最も高いランクの評価をした評価者がいなかった場合、又は、その評価者の中に利用者とパーソナル情報が類似する者がいなかった場合には、高スコア回答抽出部32Aによりスコアの高い順に次の2個の回答を抽出するようにすることが好ましい。
【0027】
また、回答処理部32は、利用者端末装置10に回答を送信する際に、例えば、図5に示したような表示画面50により、利用者端末装置10に回答を表示させるようにすることが好ましい。具体的には、例えば、利用者端末装置10に、回答者を表示する回答者表示部51と、複数種類の回答を表示する回答表示部52と、その回答に対する評価を入力する評価入力部53とを有する表示画面50が表示されるようにすることが好ましい。
【0028】
回答者表示部51は、回答者が分かればどのようなものでもよく、例えば、回答者の氏名、回答者の写真、又は、回答者を表すキャラクターやマークでもよい。中でも、回答者の顔写真を表示するようにすれば、利用者に回答者と会話をしているような感覚を与えることができるので好ましい。回答表示部52は、例えば、複数種類の回答を縦に順番に整列させて表示することが好ましい。回答一つ一つを認識しやすくなるので、利用者が情報を読みやすく意識しやすくすることができるからである。評価入力部53は、例えば、回答表示部42の脇に各回答に対応して設けることが好ましい。利用者が回答を読み、それに対する評価を直ぐに入力しやすいからである。また、表示画面50には、利用者の質問内容を表示する質問表示部54を設けることが好ましい。利用者に回答者と会話をしているような感覚を与えることができるからである。
【0029】
回答推定手段追加部33は、利用者からの希望に応じ、回答端末装置20に、新しい回答者の回答推定手段21を追加するものである。回答推定手段追加部33は、例えば、利用者端末装置10から新しい回答者の回答推定手段21の追加指示を受け取り、回答端末装置20に、新しい回答者の回答推定手段21を追加するように構成されている。これにより、利用者は、独自に、回答者を追加変更することができる。
【0030】
閲覧部34は、例えば、利用者端末装置10から受け付けた質問と、それに対して利用者端末装置10に送信した回答とを質問・回答データベース38に記録し、記録した質問・回答データを閲覧可能とするものである。質問・回答データは、例えば、利用者からの要求に応じて閲覧可能とし、利用者自身の質問・回答データのみでなく、他の利用者の質問・回答データも閲覧することができるように構成されている。
【0031】
図6は、この情報処理システムを利用して、利用者からの質問に対して回答を出力する情報処理方法の流れを表すものである。図7は、図6に示した回答処理手順の具体的な手順を表す流れ図である。まず、利用者が利用者端末装置10を用いてホスト端末装置30に接続し、利用者の質問及び利用者が回答を希望する1又は複数の回答者を選択して入力する。これにより、ホスト端末装置30の受付処理部31では、利用者端末装置10から利用者の質問及び利用者が回答を希望する1又は複数の回答者を受け付けて回答端末装置20に送信する(ステップS110;受付処理手順)。具体的には、受付処理部31は、例えば、利用者が回答を希望する回答者に対応する1又は複数の回答推定手段21を回答端末装置20において選択し、選択した1又は複数の回答推定手段21に質問を送信する。
【0032】
次いで、回答端末装置20により、利用者が希望する回答者について、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答をホスト端末装置30に出力する(ステップS120;回答推定手順)。具体的には、例えば、選択された回答推定手段21において、利用者からの質問に対する回答を推定し複数種類の回答を出力する。続いて、ホスト端末装置30の回答処理部32では、回答端末装置20から回答者毎に推定された複数種類の回答を受け取り、受け取った複数種類の回答から利用者に出力する複数種類の回答を回答者毎に抽出して、利用者端末装置10に送信する(ステップS130;回答処理手順)。
【0033】
回答処理手順(ステップS130)では、例えば、高スコア回答抽出部32Aにより、回答者毎に、回答端末装置20から受け取った複数種類の回答のうちスコアの高いものを抽出すると共に、評価データ回答抽出部32Cにより、評価データベース36に記録された評価データに基づいて回答を抽出することが好ましい。
【0034】
その際、評価データ回答抽出部32Cでは、例えば、図7に示したように、まず、高スコア回答抽出部32Aにより抽出した最高スコアの回答について、評価データベース36で最高ランクの評価をした評価者がいるかどうかを探す(ステップS131)。該当者がいた場合には(ステップS131;Y)、次に、例えば、最高ランクの評価をした評価者の中から利用者とパーソナル情報が類似する者がいるかどうかを探す(ステップS132)。該当者がいた場合には(ステップS132;Y)、続いて、例えば、最もパーソナル情報が類似する評価者が2番目に高いランクの評価をした回答と、3番目に高いランクの評価をした回答とを利用者に出力する回答として抽出する。これにより、回答処理部32は、例えば、回答者毎に、高スコア回答抽出部32Aにより抽出した回答と、評価データ回答抽出部32Cにより抽出した回答とを組み合わせて利用者に出力する(ステップS134)。
【0035】
一方、高スコア回答抽出部32Aにより抽出した最高スコアの回答について、評価データベース36で最高ランクの評価をした評価者がいなかった場合(ステップS131;N)、及び、最高ランクの評価をした評価者の中に利用者とパーソナル情報が類似する者がいなかった場合(ステップS132;N)には、例えば、評価データ回答抽出部32Cでは回答の抽出は行わず(ステップS135)、回答処理部32は、回答者毎に、高スコア回答抽出部32Aにより抽出した回答を利用者に出力する(ステップS136)。
【0036】
回答処理部32は、例えば、利用者端末装置10に、図5に示したような表示画面50を表示させて、回答者毎に、複数種類の回答を表示する(ステップS137)。また、回答処理部32は、例えば、評価データを収集するために、利用者端末装置10に回答を表示させる際に、利用者にその回答に対する評価の入力を求め、入力された評価を評価データベース36に記録することが好ましい(ステップS138)。
【0037】
このように本実施の形態によれば、1つの質問に対して複数の回答を出力するので、利用者が想定していなかったような回答や、新しい気づき、発想を得ることができ、悩み事を解決するための大きな手助けとなることができる。
【0038】
また、回答に対する利用者の評価を記録する評価部32Bと、記録した評価データに基づいて利用者に出力する回答を抽出する評価データ回答抽出部32Cとを有するようにすれば、利用者の年齢、役職等のパーソナル情報に合わせて、より適切な、より有益性の高い回答を出力することができる。
【0039】
更に、利用者が新しい回答者の回答類推手段21を追加できるようにすれば、利用者の希望に合わせた回答端末装置20を構成することができる。
【0040】
加えて、記録した質問・回答データを閲覧できるようにすれば、より幅の広い知識を得ることができると共に、新しい気づきや発想を得ることができる。
【0041】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素について備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…利用者端末装置、20…回答端末装置、21…回答推定手段、30…ホスト端末装置、31…受付処理部、32…回答処理部、32A…高スコア回答抽出部、32B…評価部、32C…評価データ回答抽出部、33…回答推定手段追加部、34…閲覧部、35…回答推定手段データベース、36…評価データベース、37…利用者データベース、38…質問・回答データベース、41…CPU、42…ROM、43…RAM、44…HDD、45…操作インターフェース、46…通信部、50…表示画面、51…回答者表示部、52…回答表示部、53…評価入力部、54…質問表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7