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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077448
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】花器
(51)【国際特許分類】
   A47G 7/02 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
A47G7/02 A
A47G7/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188318
(22)【出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】517023851
【氏名又は名称】主興金屬有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】特許業務法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】王 冠權
(57)【要約】
【課題】迅速で便利な花卉の組み合わせおよび組み立ての位置決め構造を有する花器を提供する
【解決手段】組み合わせ体20の内部には中央収容槽21が設置され、組み合わせ体20の内縁に沿って複数の位置決め本体22が設置され、複数の位置決め本体22にはそれぞれ隣り合う、外へ拡張する二つの斜錐状の当接面221、222が形成され、位置決め本体22の各当接面221、222は所定の凹弧形を呈し、中央収容槽21の内径は内向きのテーパーを呈し、中央収容槽21の外縁は、外へ拡張するテーパーを呈し、各隣り合う位置決め本体22間の相対位置に合わせて複数の凹弧形の当接面221が形成され、各位置決め本体22と中央収容槽21の下縁はリブ23により連結され、位置決め本体22の二つの当接面221、222と中央収容槽21の当接面211とで一つの収容溝区を構成し、収容溝区および中央収容槽21に花卉盆栽を配置し、位置決めする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
花器本体と、
組み合わせ体と、を含み、
前記花器本体は所定の高さに作られ、
前記組み合わせ体は前記花器本体の頂部にセットおよび固定され、
前記組み合わせ体の内部には中央収容槽が設置され、
前記組み合わせ体の内縁に沿って複数の位置決め本体が設置され、
複数の前記位置決め本体にはそれぞれ隣り合う、外へ拡張する二つの斜錐状の当接面が形成され、前記位置決め本体の各当接面は所定の凹弧形を呈し、
前記中央収容槽の内径は内向きのテーパーを呈し、前記中央収容槽の外縁は、外へ拡張するテーパーを呈し、各隣り合う前記位置決め本体間の相対位置に合わせて複数の凹弧形の当接面が形成され、
各前記位置決め本体と前記中央収容槽の下縁はリブにより連結され、前記位置決め本体の二つの当接面と前記中央収容槽の当接面とで一つの収容溝区を構成し、
前記収容溝区および前記中央収容槽に花卉盆栽を配置し、位置決めすることができることを特徴とする花器。
【請求項2】
各前記位置決め本体と前記中央収容槽の下縁との間にある前記リブは、前記花卉盆栽の配置に応じて高さが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【請求項3】
前記花器本体の頂部の内側縁には複数の係合体が設置され、前記係合体に対応する複数の係合片が前記組み合わせ体の下縁に延設され、前記係合片が前記係合体に嵌合および係合され、前記組み合わせ体と前記花器本体とのセット関係を維持することを特徴とする請求項1に記載の花器。
【請求項4】
前記花器本体の内部は、釣合おもりとして直接釣合おもりブロックを差し込むことができることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【請求項5】
前記花器本体の底部には、ストップコックにより塞ぐことができる排水孔が設置され、前記花器本体の内部に水を入れて釣合おもりとすることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花器に関し、特に花卉の組み合わせ、組み立ておよび固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に冠婚葬祭、新居入居、会社設立など各種の場合には、よく新鮮な花卉盆栽で会場を飾る。このような花卉盆栽の場合には蘭の花を飾るのが一般的である。蘭の花の栽培は、大抵の場合には柔らかい鉢を使って植栽し、花卉盆栽の組み合わせおよび組み立てをしようとする時、必要な盆栽の規模を見て所定の鉢数の蘭の花を選択する。それを適切な花器に整合および組み立てすると同時に、花卉の生長形態に合わせて必要な調整と組み合わせをし、それに相応しい花卉盆栽を組み立てる。
【0003】
このような花卉盆栽の組み合わせおよび組み立て作業において、一般的に適切なサイズの植木鉢を選択し、花器とする。また、質感と勢い全体を築き上げるために、通常、大きいサイズの床置きタイプの植木鉢または花瓶を選択的に使用することがメインである。ただし、花器のサイズと蘭の花盆栽との差が大きすぎて、蘭の花盆栽を花器に直接入れることができないので、発泡スチロール、廃棄布などの雑貨または廃棄物を先に花器に一定の高さまで充填した後、配置しようとする蘭の花盆栽をその中に入れるようにしなければならない。ただし、花器は適切な位置決め構造が欠如しているため、配置および組み立ての過程において、時宜にかなって各種の材料を充填して蘭の花盆栽を固定しなければならない。それと同時に蘭の花盆栽の高さと位置と花卉の方向を調整し、それによりもっと理想的な態様を示す。このような組み立ておよび調整は、通常、経験のある専門業者でなければ担当することができない。
【0004】
それにより分かるように、現在、このような蘭の花など新鮮な花卉盆栽の組み合わせおよび組み立ての面において、経験のある専門業者に担当してもらう必要がある。それにより労働コストが高いこと以外に、花器内部に各種の材料を充填する方法によっても材料コストと環境保全の問題が派生する。このような花器の多くは陶磁器を焼成する方法を採用し、それはコストが高いだけでなく、後続する輸送と処理も大きな問題である。これらさまざまな問題はすべて何とかして改善し解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の花卉盆栽における組み合わせおよび組み立てにおいて、花器に固定構造が欠如しているため、各種の材料を充填しなければならず、それによって初めて蘭の花盆栽に高さを出し、蘭の花盆栽を固定することができる。さらに、それにより、経験のある専門業者でなければ施工できないこととなっている。それに鑑みて、発明者は特に研究開発に着手し、もっと迅速で便利な花卉の組み合わせおよび組み立ての位置決め構造を提供することを期待している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
蘭の花盆栽における組み合わせおよび組み立て時の位置決めのニーズに応えるため、本発明は構造設計において、主に花器本体の頂部に組み合わせ体をセットする設計により、従来の花器に取って代わる。本発明は、組み合わせ体の周辺における複数の位置決め本体により構成される収容溝区に合わせて、組み合わせ体に設けられた中央収容槽を利用して蘭の花などの盆栽を配置し、組み合わせタイプの花卉盆栽を組み立てる。それにより、迅速で便利な花卉盆栽の組み合わせ作業を提供し、従来の作業パターンに存在し、派生した問題を解決する。
【0007】
花器は、花器本体と、組み合わせ体と、を含む。花器本体は所定の高さに作られる。組み合わせ体は花器本体の頂部にセットおよび固定され、組み合わせ体の内部には中央収容槽が設置される。組み合わせ体の内縁に沿って複数の位置決め本体が設置され、複数の位置決め本体にはそれぞれ隣り合う、外へ拡張する二つの斜錐状の当接面が形成される。位置決め本体の各当接面は所定の凹弧形を呈する。中央収容槽の内径は内向きのテーパーを呈する。中央収容槽の外縁は、外へ拡張するテーパーを呈し、各隣り合う位置決め本体間の相対位置に合わせて複数の凹弧形の当接面が形成される。各位置決め本体と中央収容槽の下縁はリブにより連結され、位置決め本体の二つの当接面と中央収容槽の当接面とで一つの収容溝区を構成する。収容溝区および中央収容槽に花卉盆栽を配置し、位置決めすることができることを特徴とする。
【0008】
本発明の花器すなわち花卉の組み合わせ、組み立ておよび固定構造は、花器本体および組み合わせ体という二つの部分で設計をする。組み合わせ体における収容溝区の企画に合わせることにより、各種の廃棄材料を充填することなく、盆栽の組み合わせ配置および組み立て作業を行なうことができる。また、配置および組み立てがもっと簡単となり、経験のある専門業者でなくても行なうことができることにより、もっと多くの材料および労働コストを節約することができる。同時に、繰り返し使用できるように花器本体および組み合わせ体を回収することができ、従来の作業パターンに存在し、また、派生した問題を有効に解決する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好適な実施例の構造模式図である。
図2】本発明の好適な実施例の構造分解模式図である。
図3】本発明の好適な実施例の構造関係模式図である。
図4】本発明の好適な実施例の実施状況における関係模式図である。
図5】本発明の好適な実施例における釣合おもりを設置した状態の模式図である。
図6】本発明の好適な実施例における別の釣合おもりを設置した状態の模式図である。
図7】本発明の別の好適な実施例の構造分解模式図である。
図8】本発明の別の好適な実施例の構造関係模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の構造組成、技術手段および効果達成の面において、図式に合わせて例を挙げてさらに具体的に下記のように説明する。
【0011】
図1~6を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。図に示すように、本発明は構造設計において、主に花器本体10および組み合わせ体20が含まれている。花器本体10は、概ね断面が円形の花瓶または植木鉢であり、所定の高さに製作することができる。底部には排水孔11が設置されている。排水孔11は、柔らかいストップコック12により塞がれることにより、内部に水を入れて釣合おもりとする、または、直接釣合おもりブロック13を差し込むことができる。花器本体10の頂部の内側縁には複数の係合体14が設置され、組み合わせ体20は花器本体10の頂部にセットされる。係合体14に対応する複数の係合片201が組み合わせ体20の下縁に延設されている。複数の係合片201が係合体14に嵌合および係合されることにより、組み合わせ体20と花器本体10のセット関係すなわち位置関係が維持され、それにより完全な視覚形態の花器が組成される。組み合わせ体20の内部には中央収容槽21および内縁に沿って複数の位置決め本体22が設置される。複数の位置決め本体22には、それぞれ隣り合う、外へ拡張する二つの斜錐状の当接面221、222が形成される。各当接面221、222は、やや所定の凹弧形の角度を呈する。中央収容槽21の内径はやや内向きテーパーを呈し、その外縁は外へ拡張するテーパーを呈する。また中央収容槽21の外縁には、各隣り合う位置決め本体22の間に対応する位置に凹弧形の当接面211が形成されている。各位置決め本体22と中央収容槽21の下縁はリブ23により連結されている。それにより、三組の当接面211、221、222は一つの収容溝区を構成し、本発明の花器すなわち花卉の組み合わせ、組み立ておよび固定構造を構成する。
【0012】
前記構造組成により、花卉の組み合わせおよび組み立て作業を行なおうとする時、ニーズに応じて複数の蘭の花などの「花卉盆栽」としての盆栽30を、選択的に組み合わせ体20に企画されている収容溝区内および中央収容槽21に配置し、適時に盆栽30の花卉の方向を調整することができる。すなわち、ニーズに応じて組み合わせタイプの大型花卉盆栽を構成する。それは、組み立てにおいてもっと迅速で簡単であるだけでない。如何なる発泡スチロール、廃棄布などの雑貨または廃棄物を充填する必要がないと同時に、専門業者に作業してもらう必要がない。それにより、コスト全体を大幅に削減することや、既存の大型花卉盆栽の組み立て方法に存在する問題と欠点を解決することができる。
【0013】
次に図7、8を参照しながら、本発明の別の好適な実施例のセット関係を説明する。組み合わせ体20の内部の中央収容槽21および、組み合わせ体20の周縁における複数の位置決め本体22が、収容溝区の機能の仕組みを構成するもとで、本発明はさらに次のとおりである。各位置決め本体22と中央収容槽21の下縁との間における連結用のリブ23は、盆栽30の配置に応じて高さが設定されている。それにより、各収容溝区には高低差の変化があり、蘭の花などの盆栽30が配置される時に、自然に高低の変化を呈することができる。大型の花卉盆栽全体の造形と視覚的な変化を増やすことにより各種の異なる場合および配置上のニーズに対応する。
【0014】
以上の説明によりわかるように、本発明は花器本体と組み合わせ体という二つのセットの花器により、従来の陶磁器花器に取って代わる。輸送時に何かにぶつかって損害する、という問題を心配する必要がなくなるだけでなく、花器を回収して繰り返し使用することができる。さらに、単一規格の組み合わせ体を利用して、異なる高さの規格の花器本体に合わせて、異なるサイズの花器を製作し、異なるサイズの花器の使用のニーズに答えることができる。また位置決め本体構成の収容溝区に合わせて組み合わせ体の内部に企画された中央収容槽により、蘭の花などの盆栽の配置と組み合わせおよび組み立てにおいてさらに迅速で簡単である。追加的な発泡スチレンなどの材料の充填を必要とせず、また専門業者に頼ることなく組み立て作業全体を気軽に完成させることができる。本発明は、従来の大型花卉盆栽の組み立て方法と比べれば、産業上の利用可能性と実用価値向上に合致することができる。
【0015】
以上説明したように、本発明の花器すなわち花卉の組み合わせ、組み立ておよび固定構造は、花器本体と組み合わせ体という二つのセットによる。組み合わせ体の内部における中央収容槽と、複数の位置決め本体の企画と構成による収容溝区とにより、専門業者に操作してもらわなくても、選択的に蘭の花などの盆栽を、選択された収容溝区または中央収容槽に配置し、さらに迅速で花卉盆栽の組み合わせおよび組み立てと固定を完成させる。それにより従来の構造に存在していた問題と欠点を徹底的に解決する。全体的に言えば、確実に産業上の利用可能性と実用価値を有し、誠に優れている、突出した革新的な設計である。ここで法により特許出願を提出する。
【符号の説明】
【0016】
10 花器本体
11 排水孔
12 ストップコック
13 釣合おもりブロック
14 係合体
20 組み合わせ体
201 係合片
21 中央収容槽
211 当接面
22 位置決め本体
221 当接面
222 当接面
23 リブ
30 盆栽
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8