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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007745
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 13/02 20060101AFI20220105BHJP
   E05F 11/54 20060101ALI20220105BHJP
   E05F 11/04 20060101ALI20220105BHJP
   E05C 3/04 20060101ALI20220105BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20220105BHJP
   E03D 5/08 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
E05F13/02
E05F11/54 Z
E05F11/04
E05C3/04 G
E05B47/00 G
E03D5/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110859
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】500356795
【氏名又は名称】株式会社アプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三田 和通
【テーマコード(参考)】
2D039
2E050
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039DB00
2D039EA05
2E050NA01
2E050QB03
2E050QC02
(57)【要約】
【課題】トイレブースに後付けし易く、手を使わずに扉を開閉させることができるトイレ装置を提供すること。
【解決手段】トイレ装置Sは、トイレブース1に配置された扉11と、扉11を開閉駆動させる扉用駆動装置4と、トイレブース1の外側に配置された外側操作装置2と、トイレブース1の内側に配置された内側操作装置3と、を備えている。外側操作装置2は、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22と、を備えている。内側操作装置3は、開扉用内ペダル部31と、閉扉用内ペダル部32と、を備えている。扉用駆動装置4は、開扉用外ペダル部21または開扉用内ペダル部31が足踏み操作されたときに扉11を開扉させ、閉扉用外ペダル部22または閉扉用内ペダル部32が足踏み操作されたときに扉11を閉扉させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレブースに配置された扉と、
前記扉を開閉駆動させる扉用駆動装置と、
前記トイレブースの外側に配置された外側操作装置と、
前記トイレブースの内側に配置された内側操作装置と、を備えたトイレ装置であって、
前記外側操作装置は、開扉用外ペダル部と、閉扉用外ペダル部と、を備え、
前記内側操作装置は、開扉用内ペダル部と、閉扉用内ペダル部と、を備え、
前記扉用駆動装置は、
前記開扉用外ペダル部または前記開扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を開扉させ、前記閉扉用外ペダル部または前記閉扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を閉扉させること
を特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記扉を施錠及び解錠するための錠用駆動装置を備え、
前記内側操作装置は、
解錠用ペダル部と、施錠用ペダル部と、を備え、
前記錠用駆動装置は、
前記施錠用ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を施錠し、前記解錠用ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を解錠すること
を特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
便器に流す水を貯留する貯水タンクに設けられたタンク流水駆動装置を備え、
前記内側操作装置は、流水用ペダル部を備え、
前記タンク流水駆動装置は、前記流水用ペダル部が足踏み操作されたときに、前記貯水タンク内に配置された排水弁を開弁すること
を特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記タンク流水駆動装置は、前記排水弁と前記流水用ペダル部とを繋ぐ流水用線状部材を備え、
前記流水用ペダル部が足踏み操作されたときに、前記流水用線状部材が前記排水弁を引き上げることにより、前記排水弁が開弁すること
を特徴とする請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記扉用駆動装置は、
前記扉の回動軸と同軸の軸部を中心に回動するドラムと、
前記ドラムの回動に伴って前記軸部を中心に回動するアームと、
前記アームと前記扉を連結する扉連結部と、
前記開扉用外ペダル部から前記ドラムに至る開扉用外線状部材と、
前記閉扉用外ペダル部から前記ドラムに至る閉扉用外線状部材と、
前記開扉用内ペダル部から前記ドラムに至る開扉用内線状部材と、
前記閉扉用内ペダル部から前記ドラムに至る閉扉用内線状部材と、を備え、
前記ドラムは、前記開扉用外ペダル部が足踏み操作されたときに前記開扉用外線状部材に作用する引張力、または、前記開扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記開扉用内線状部材に作用する引張力によって、前記扉が開扉させる方向に回動し、前記閉扉用外ペダル部が足踏み操作されたときに前記閉扉用内線状部材に作用する引張力、または、前記閉扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記閉扉用内線状部材に作用する引張力によって前記扉を閉扉させる方向に回動する、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記内側操作装置は、前記トイレブース内の側壁に沿って設置されたケースを備え、
前記開扉用内ペダル部、前記閉扉用内ペダル部、前記解錠用ペダル部、前記施錠用ペダル部及び前記流水用ペダル部は、前記ケースに支持されていること
を特徴とする請求項3に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式のトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生面や、ウイルス感染防止の観点等からトイレブースの扉等に手を触れることなく使用可能な非接触型トイレ装置が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のトイレ装置は、トイレ(100)内に設けられる非接触センサ(60)と、ドア(2)の開閉を検出する開閉検出センサ(90)と、を使用して開閉駆動手段(4)及び自動施錠手段(62)を自動的に駆動させている。非接触センサ(60)及び開閉検出センサ(90)は、ドア枠(3,53)の内側に設置されている。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のトイレ装置は、電気で開閉駆動手段(4)及び自動施錠手段(62)を駆動させているので、停電になると使用できない。また、トイレ装置を既存のトイレに後付けする場合は、電源を確保しなければならないので、後付けできるトイレが限定される。
【0005】
電気を使用しないで、ドア(12)の施錠、解錠等を自動的に行えるようにしたトイレ装置としては、例えば、特許文献2に記載されたトイレブースが知られている。特許文献2のトイレブース(5)は、ドア(12)を閉位置に自動復帰させるトーションバネ(17d)を有するヒンジ金具(17)と、錠(20)の係脱動を行う足踏式操作装置(33,34)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-89603号公報
【特許文献2】特開平3-275868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載のトイレブース(5)は、ドア(12)を開閉する際に、手でドア(12)を押して開扉させなければならない。
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するために創案されたものであり、トイレブースに後付けし易く、手を使わずに扉を開閉させることができるトイレ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、トイレブースに配置された扉と、前記扉を開閉駆動させる扉用駆動装置と、前記トイレブースの外側に配置された外側操作装置と、前記トイレブースの内側に配置された内側操作装置と、を備えたトイレ装置であって、前記外側操作装置は、開扉用外ペダル部と、閉扉用外ペダル部と、を備え、前記内側操作装置は、開扉用内ペダル部と、閉扉用内ペダル部と、を備え、前記扉用駆動装置は、前記開扉用外ペダル部または前記開扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を開扉させ、前記閉扉用外ペダル部または前記閉扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記扉を閉扉させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トイレブースに後付けし易く、手を使わずに扉を開閉させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るトイレ装置の一例を示す概略平面図である。
図2】トイレ装置の一例を示す要部拡大概略平面図である。
図3】トイレ装置の一例を示す要部拡大概略正面図である。
図4】外側操作装置の一例を示す部拡大概略平面図である。
図5】外側操作装置の一例を示す部拡大概略正面図である。
図6図5のVI-VI拡大概略断面図である。
図7図5のVII-VII拡大概略断面図である。
図8図5のVIII-VIII拡大概略断面図である。
図9図5のIX-IX拡大概略断面図である。
図10図5のX-X拡大概略断面図である。
図11】内側操作装置の一例を示す要部拡大概略平面図である。
図12】内側操作装置の一例を示す要部拡大概略側面図である。
図13A】扉用駆動装置の一例を示す要部拡大概略平面図である。
図13B】扉用駆動装置の一例を示す要部拡大概略正面図である。
図13C】扉用駆動装置の一例を示す要部拡大概略側面図である。
図14A】扉用駆動装置の施錠時の一例を示す概略拡大側面図である。
図14B】扉用駆動装置の施錠時の一例を示す概略拡大正面図である。
図14C図14AのXIV-XIV断面図である。
図14D】扉用駆動装置の施錠時の一例を示す概略拡大平面図である。
図15A】タンク流水アクチュエータの設置状態の一例を示す要部拡大平面図である。
図15B】タンク流水アクチュエータの設置状態の一例を示す要部拡大縦断面図である。
図15C】タンク流水アクチュエータの設置状態の一例を示す要部拡大縦断面図である。
図16】本発明の実施形態に係るトイレ装置の第1変形例を示す要部概略図である。
図17A】本発明の実施形態に係るトイレ装置の第2変形例を示す要部概略側面図である。
図17B】本発明の実施形態に係るトイレ装置の第2変形例を示す要部概略平面図である。
図18A】本発明の実施形態に係るトイレ装置の第3変形例を示す要部概略側面図である。
図18B】本発明の実施形態に係るトイレ装置の第3変形例を示す要部概略正面図である。
図19】本発明の実施形態に係るトイレ装置S4の第4変形例を示す要部概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図15Cを参照して、本発明の実施形態に係るトイレ装置Sを説明する。
なお、便宜上、前後、左右、上下は、使用者が便座に着座した状態を基準とする。また、なお、以下の説明において、同一の構成のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0013】
<トイレブース>
図1に示すように、トイレブース1は、使用者が大便や小便をする場所である。トイレブース1内には、便器13、便座(図示省略)、貯水タンク15等が配置されている。トイレブース1は、便器13の左右に配置された側壁1aと、便器13の後方に配置された後壁1bと、便器13の前方に配置された扉開口部1cと、扉開口部1cに配置された扉11と、扉11の左右に配置された扉枠1d,1eと、トイレ装置Sと、を備えて成る。本実施形態では、3つのトイレブース1が左右方向に連設されており、各トイレブース1にトイレ装置Sが設置されている。
【0014】
<便器>
便器13は、既存のものでも、新品のものでもどちらでもよい。以下、便器13は、既存のものを使用する場合を例に挙げて説明する。便器13には、便座(図示省略)と、貯水タンク15と、が設けられている。貯水タンク15は、後で詳述する。
【0015】
<扉>
図3に示すように、扉11は、ヒンジ12によって扉枠1eに回動自在に取り付けられたヒンジ式のドアから成る。扉11は、扉枠1dに取り付けた既設ロック装置6及び錠用駆動装置5によって施錠及び解錠可能である。
【0016】
<トイレ装置>
図1に示すトイレ装置Sは、扉11の開閉、施錠及び解錠、便器13への流水等を使用者が操作部等に手を触れることなく行えるようにした機械式自動トイレ装置である。トイレ装置Sは、錠用駆動装置5、内側操作装置3、既設ロック装置6、タンク流水駆動装置7を備えている。また、トイレ装置Sの構成要素のうち、外側操作装置2は、トイレブース1の外側に配置されており、図3に示すように、扉用駆動装置4は、扉11の上方(扉枠1eの上部)に配置されている。
【0017】
トイレ装置Sは、扉11を施錠及び解錠する既設ロック装置6を有する既存のトイレブース1に設置することもできるし、新設したトイレブース1に設置することもできる。以下、トイレ装置Sは、既存のトイレブース1に設置する場合を例に挙げて説明する。
【0018】
<外側操作装置>
図1図3に示すように、外側操作装置2は、トイレブース1の外側にいる使用者が足踏み操作で扉11を開扉及び閉扉させる操作装置である。図4及び図5に示すように、外側操作装置2は、ケース20と、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22と、駆動変換部23と、開扉用外側ワイヤW1と、閉扉用外側ワイヤW2と、を備えて成る。
【0019】
図4及び図5に示すケース20には、駆動変換部23が収容されている。駆動変換部23は、開扉用外ペダル部21及び閉扉用外ペダル部22の足踏み操作力を、開扉用外側ワイヤW1及び閉扉用外側ワイヤW2を引っ張る力に変換して、扉用駆動装置4を駆動させる。ケース20は、左右方向に長い直方体のケース体から成る。開扉用外側ワイヤW1及び閉扉用外側ワイヤW2は、ケース20の上面から引き出されており、開扉用外ペダル部21及び閉扉用外ペダル部22は、ケース20の前面から突出している。図1に示すように、ケース20は、扉枠1eの外側に扉枠1eに沿って配置されており、ヒンジ12の下方の床面1f上にボルト固定される。
【0020】
図6に示すように、開扉用外ペダル部21は、扉用駆動装置4を開扉駆動させて扉11を開扉させるための足踏み操作ペダルである(図3参照)。開扉用外ペダル部21は、使用者の足部が載置されるペダルパッド部21aと、ペダルパッド部21aの後部からケース20内に延びるペダルアーム21bと、を有する。
【0021】
ペダルパッド部21aは、使用者が足踏み操作する際に、足を載せるための部材である。ペダルパッド部21aは、平面視して前後方向に長い矩形の厚板状金属製部材から成る。
ペダルアーム21bは、ペダルパッド部21aからケース20内に延びる側面視して略T字形状の金属製板部材(図4参照)である。ペダルアーム21bの先端部には、上下方向に延びるてこ部21cが形成されており、てこ部21cの上下端部には、軸孔21d,21eが形成されている。
軸孔21d,21deには、支持ピン21f,21gが回動自在に挿入されている。支持ピン21f,21gは、ペダルアーム21bのてこ部21cと、リンク24A,24Cの前端部とを回動自在に連結する。
【0022】
リンク24A,24Cは、リンク部材である。リンク24A,24Cは、それぞれ左右二つずつ配置されている。左右一対のリンク24A,24Aは、間隔をあけて配置されており、リンク24A,24Aの間にてこ部21cの上端部が挿入されている(図4及び図5参照)。左右一対のリンク24C,24Cは、間隔をあけて配置されており、リンク24C,24Cの間にてこ部21cの下端部が挿入されている。上側のリンク24Aの後端部は、キー25aにより上軸25に固定されている。上軸25は、軸受27A~27Dに支持されている。下側のリンク24Cの後端部は、キー(図示省略)により下軸26Aに固定されている。下軸26Aは、軸受27B,27Cに支持されている。上下のリンク24A,24Cを軸支する上軸25と下軸26A,26B(図5参照)との間の距離と、支持ピン21fと支持ピン21gとの間の距離とは、同一である。
【0023】
このように、上下のリンク24A,24Cと、てこ部21cと、上軸25及び下軸26A,26B(図5参照)は、平行四辺形のリンク機構を構成するので、開扉用外ペダル部21を上下動させると、上軸25が回動する。
【0024】
図4に示すように、閉扉用外ペダル部22は、扉用駆動装置4(図3参照)を閉扉駆動させる閉扉操作を行うための足踏み操作ペダルである。図7に示すように、閉扉用外ペダル部22は、前記した開扉用外ペダル部21(図6参照)に対して、同一形状で、上下方向に対称に動く閉扉用外ペダル部22は、開扉用外ペダル部21(図6参照)と同様、ペダルパッド部22aと、ペダルアーム22bと、支持ピン22f,22gが回動自在に軸入された軸孔22d,22eと、を有している。
【0025】
前記した駆動変換部23は、図5に示すように、リンク24A,24B,24C,24Dと、上軸25と、下軸26A,26B,26Cと、軸受27A,27B,27C,27Dと、歯車28A,28Bと、を備えて成る。
【0026】
リンク24B,24Dは、リンク部材である。リンク24B,24Dは、それぞれ左右二つずつ配置されている。左右一対のリンク24B,24Bは、間隔をあけて配置されており、リンク24B,24Bの間にてこ部22cの上端部が挿入されている。左右一対のリンク24D,24Dは、間隔をあけて配置されており、リンク24D,24Dの間にてこ部22cの下端部が挿入されている。リンク24B,24Dは、前記したリンク24A,24Cに対して、同一形状のものを側面視で上下対称になるように配置されている。図7に示すように、上側のリンク24Bの後端部は、上軸25に回動自在に支持されている。下側のリンク24Dの後端部は、キー26Aaによって下軸26Aに固定されている。上下のリンク24B,24Dを軸支する上軸25と下軸26Aとの間の距離と、支持ピン22fと支持ピン22gとの間の距離とは、同一である。
【0027】
このように、閉扉用外ペダル部22のリンク24B,24Dは、前記した開扉用外ペダル部21のリンク24A,24Cと同様に、平行四辺形のリンク機構を構成するので、閉扉用外ペダル部22を上下動させると、下軸26Aが回動する。
【0028】
図5及び図8に示すように、上軸25には、歯車28Aがキー25bによって固定されている。下軸26Aには、歯車28Aに噛合して歯車28Aに対して反転する歯車28Bがキー26Abによって固定されている。
このため、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22とは、互いに反対方向に連動する。つまり、開扉用外ペダル部21が、図6に示すように足踏み操作されて下降すると、閉扉用外ペダル部22は、図7に示すように上昇する。
【0029】
また、下軸26Aには、図5及び図9に示すように、リンク29Bがキー26Acによって固定されている。リンク29Bには、連結具29Baによって閉扉用外側ワイヤW2の基端部が連結されている。このため、開扉用外ペダル部21を足踏み操作して下軸26Aが回動すると、リンク29Bが連動して開扉用外側ワイヤW1が下方向に引っ張られる。
【0030】
また、上軸25には、図5及び図10に示すように、リンク29Aがキー25cによって固定されている。リンク29Aには、連結具29Aaによって閉扉用外側ワイヤW2の基端部が連結されている。このため、閉扉用外ペダル部22を足踏み操作して上軸25が回動すると、リンク29Aが連動して閉扉用外側ワイヤW2が下方向に引っ張られる。
【0031】
このように、駆動変換部23は、図6または図9に示すように、開扉用外ペダル部21を足踏み操作すると、リンク24A,24C,29Bが連動して、開扉用外側ワイヤW1が図9に示すように下方向に引っ張られる。これに連動して、図7または図10に示すように、閉扉用外ペダル部22、リンク24B,24D,29A、及び、閉扉用外側ワイヤW2が反対方向に動く。
つまり、駆動変換部23は、図7または図10に示すように、開扉用外ペダル部21に反動して閉扉用外ペダル部22が上昇すると、リンク24B,24D,29Aが連動して、閉扉用外側ワイヤW2が上側に戻されて上昇する。
【0032】
<内側操作装置>
図1図3に示すように、内側操作装置3は、トイレブース1の内側に配置された足踏み操作装置であり、扉用駆動装置4を開扉及び閉扉駆動させる機能と、錠用駆動装置5を施錠及び解錠させる機能と、タンク流水駆動装置7を流水駆動させる機能と、を備えている。内側操作装置3は、ケース30と、開扉用内ペダル部31と、閉扉用内ペダル部32と、解錠用ペダル部33と、施錠用ペダル部34と、流水用ペダル部35と、を備えている。
【0033】
ケース30には、開扉用内ペダル部31と、閉扉用内ペダル部32と、解錠用ペダル部33と、施錠用ペダル部34と、流水用ペダル部35と、が長手方向に適宜な間隔をあけて配置されている。これらのペダル部31~35は、上下方向に回動自在である。ケース30は、トイレブース1内の側壁1aに沿って配置されており、ボルトにより床面に固定されている。
【0034】
図11及び図12に示すように、開扉用内ペダル部31は、扉用駆動装置4(図13A~13C参照)を開扉駆動させる開扉操作を行うためのペダル操作部である。開扉用内ペダル部31を足踏み操作すると、駆動変換部23Aを介して開扉用内側ワイヤW3が下側に引っ張られる。開扉用内ペダル部31は、前記した開扉用外ペダル部21(図6参照)と同一形状及び同一構造であり、その説明は省略する。
【0035】
閉扉用内ペダル部32は、扉用駆動装置4(図13A~13C参照)を閉扉駆動させる閉扉操作を行うためのペダル操作部である。閉扉用内ペダル部32を足踏み操作すると、駆動変換部23Aを介して閉扉用内側ワイヤW4が下側に引っ張られる。閉扉用内ペダル部32は、前記した閉扉用外ペダル部22(図7参照)と同一形状及び同一構造であり、その説明は省略する。
開扉用内ペダル部31と閉扉用内ペダル部32とは、前記した開扉用外ペダル部21と閉扉用外ペダル部22と同様に、互いに反対方向に連動するように配置されている。
【0036】
駆動変換部23Aは、前記した外側操作装置2の駆動変換部23(図4及び図5参照)と同一構造である。つまり、駆動変換部23Aは、開扉用内ペダル部31及び閉扉用内ペダル部32を下方向に移動させる力(足踏み操作力)を、開扉用内側ワイヤW3及び閉扉用内側ワイヤW4を引っ張る引張力に変換する装置である。駆動変換部23Aは、前記した駆動変換部23(図4及び図5参照)と同様に、リンク24A,24Bと、上軸25と、下軸26A,26Bと、軸受27A,27B,27C,27Dと、歯車28A,28Bと、を備えて成る。
【0037】
図11及び図12に示すように、解錠用ペダル部33は、錠用駆動装置5(図14A~14D参照)を解錠駆動させる解錠操作を行うためのペダル操作部である。解錠用ペダル部33を足踏み操作すると、駆動変換部23Bを介して解錠用ワイヤW6が下側に引っ張られる。解錠用ペダル部33は、開扉用内ペダル部31及び前記した開扉用外ペダル部21(図6参照)と同一形状及び同一構造であり、その説明は省略する。
【0038】
施錠用ペダル部34は、錠用駆動装置5(図14A~14D参照)を施錠駆動させる施錠操作を行うためのペダル操作部である。施錠用ペダル部34は、足踏み操作することで、駆動変換部23Bを介して施錠用ワイヤW5が下側に引っ張られる。施錠用ペダル部34は、閉扉用内ペダル部32及び前記した閉扉用外ペダル部22(図7参照)と同一形状及び同一構造であり、その説明は省略する。
【0039】
駆動変換部23Bは、前記駆動変換部23(図4及び図5参照)及び駆動変換部23Aと同一構造である。つまり、駆動変換部23Bは、解錠用ペダル部33及び施錠用ペダル部34を下方向に移動させる力(足踏み操作力)を、解錠用ワイヤW6及び施錠用ワイヤW5を引っ張る引張力に変換させて、錠用駆動装置5(図14A~14D参照)を駆動させる装置である。駆動変換部23Bは、駆動変換部23,23A(図4及び図5参照)と同様に、リンク24A,24Bと、上軸25と、下軸26A,26Bと、軸受27A,27B,27C,27Dと、歯車28A,28Bと、を備えて成る。
【0040】
図11及び図12に示すように、流水用ペダル部35は、タンク流水駆動装置7(図15C参照)を駆動操作させるためのペダル操作部である。流水用ペダル部35は、足踏み操作すると、駆動変換部23Cを介して流水用ワイヤW7が下側に引っ張られる。つまり、流水用ペダル部35は、足踏み操作することで、流水用ワイヤW7が貯水タンク15(図15C参照)内に設けられたチェーン17(図15C参照)を引っ張って排水弁19を開弁させて、貯水タンク15内の水を便器13に放水させる。流水用ペダル部35は、閉扉用内ペダル部32及び前記した閉扉用外ペダル部22(図7参照)と同一形状及び同一構造であり、その説明は省略する。
【0041】
駆動変換部23Cは、二つのペダル部を変換する前記した駆動変換部23,23A,23B(図4及び図5参照)のうちの一つのペダル部を取り除いた構造をしている。つまり、駆動変換部23Cは、流水用ペダル部35を下方向に移動させる力(足踏み操作力)を、流水用ワイヤW7を引っ張る引張力に変換させて、タンク流水駆動装置7(図15C参照)を作動させる装置である。駆動変換部23Cは、前記したリンク24Bと、上軸25と、下軸26Aと、軸受27B,27Dと、歯車28A,28Bと、を備えて成る。
【0042】
<扉用駆動装置>
図1図3に示すように、扉用駆動装置4は、扉11を開閉駆動させる装置である。扉用駆動装置4は、開扉用外ペダル部21または開扉用内ペダル部31が足踏み操作されたときに扉11を開扉させ、閉扉用外ペダル部22または閉扉用内ペダル部32が足踏み操作されたときに扉11を閉扉させる。図13A図13Cに示すように、扉用駆動装置4は、開扉用外側ワイヤW1と、閉扉用外側ワイヤW2と、開扉用内側ワイヤW3と、閉扉用内側ワイヤW4と、ケース41と、ドラム42と、軸部43と、軸受44と、アーム45と、扉連結部46と、を備えて成る。
【0043】
開扉用外側ワイヤW1は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである。開扉用外側ワイヤW1の基端部は、駆動変換部23(図9参照)のリンク29Aに接続されており、開扉用外側ワイヤW1の先端部は、扉用駆動装置4(図13A図13C参照)のドラム42に接続されている。開扉用外側ワイヤW1の先端部は、ドラム42に巻き掛けられており、開扉用外側ワイヤW1の基端部は、駆動変換部23に接続されている。開扉用外ペダル部21を足踏み操作すると、駆動変換部23を介して開扉用外側ワイヤW1が引っ張られ、扉11を開扉させる方向にドラム42が回動する(図2及び図3参照)。
【0044】
図1及び図2に示す開扉用外側ワイヤW1、閉扉用外側ワイヤW2、開扉用内側ワイヤW3、閉扉用内側ワイヤW4、施錠用ワイヤW5、解錠用ワイヤW6及び流水用ワイヤW7は、金属製のワイヤ、ケーブル、あるいは、合成樹脂、天然繊維、鋼線等から成るロープ等の線状部材から成る。以下、樹脂製チューブ内に金属製ワイヤを進退自在に挿入されている場合を例に挙げて説明する。
【0045】
閉扉用外側ワイヤW2は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである。閉扉用外側ワイヤW2の基端部は、駆動変換部23のリンク29Aに接続されており、閉扉用外側ワイヤW2の先端部は、扉用駆動装置4(図13A図13C参照)のドラム42に接続されている。閉扉用外側ワイヤW2の先端部は、ドラム42を扉11を閉扉させる方向に回動させるようにドラム42に巻き掛けられている。閉扉用外ペダル部22を足踏み操作すると、駆動変換部23を介して閉扉用外側ワイヤW2が引っ張られ、扉11を閉扉させる方向にドラム42が回動する(図2及び図3参照)。
【0046】
図2に示すように、開扉用内側ワイヤW3は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである。開扉用内側ワイヤW3の基端部は、駆動変換部23Aのリンク29Cに接続されており、開扉用内側ワイヤW3の先端部は、扉用駆動装置4(図13A図13C参照)のドラム42に接続されている。開扉用内側ワイヤW3の先端部は、ドラム42を扉11を開扉させる方向に回動させるようにドラム42に巻き掛けられている(図13A図13C参照)。開扉用内ペダル部31(図1及び図2参照)を足踏み操作すると、駆動変換部23Aを介して開扉用内側ワイヤW3が引っ張られ、扉11を開扉させる方向にドラム42が回動する(図2及び図3参照)。
【0047】
閉扉用内側ワイヤW4は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである。閉扉用内側ワイヤW4の基端部は、駆動変換部23A(図11参照)のリンク29Dに接続されており、閉扉用内側ワイヤW4の先端部は、扉用駆動装置4(図13A図13C参照)のドラム42に接続されている。閉扉用内側ワイヤW4の先端部は、ドラム42に巻き掛けられており、閉扉用内側ワイヤW4の基端部は、駆動変換部23Aに接続されている。閉扉用内ペダル部32(図1及び図2参照)を足踏み操作すると、駆動変換部23Aを介して閉扉用内側ワイヤW4が引っ張られ、扉11を閉扉させる方向にドラム42が回動する(図2及び図3参照)。
【0048】
図13A図13Cに示すように、ケース41は、ドラム42、軸部43、軸受44等を覆う金属製の収納ケースである。ケース41は、ヒンジ12の上方の扉枠1eの上面に設置される(図3参照)。
【0049】
ドラム42は、四つのプーリを一つに一体化した形状の回転体である。四つのプーリには、開扉用外側ワイヤW1と閉扉用外側ワイヤW2と開扉用内側ワイヤW3と閉扉用内側ワイヤW4とがそれぞれ巻き掛けられている。開扉用外ペダル部21または開扉用内ペダル部31を足踏み操作すると、開扉用外側ワイヤW1または開扉用内側ワイヤW3に引っ張られてドラム42が回動し、ドラム42と共に軸部43、アーム45及び扉連結部46が回動することにより、扉11を開扉方向に回動する。また、閉扉用外ペダル部22または閉扉用内ペダル部32を足踏み操作すると、閉扉用外側ワイヤW2または閉扉用内側ワイヤW4に引っ張られてドラム42が回動し、ドラム42と共に軸部43、アーム45及び扉連結部46が回動することにより、扉11が閉扉方向に回動する。
【0050】
軸受44は、軸部43及びアーム45を回動自在に軸支する軸受部材である。軸受44は、ケース41内に固定されている。
アーム45は、軸部43を中心として回動する金属製板部材である。アーム45の基端部は、軸部43が固定されている。アーム45の先端部は、扉連結部46が固定具B1によって固定されている。アーム45は、軸部43を介在してドラム42に連動する。
【0051】
扉連結部46は、アーム45の先端部の下面から下方向に向けて突出している。一対の扉連結部46,46は、扉11の厚さ方向に間隔を空けて対向しており、アーム45と一対の扉連結部46,46形成される逆凹状の空間に扉11の上部が挿入される。つまり、一対の扉連結部46,46は、扉11の上部を挟持している。
【0052】
このように構成された扉用駆動装置4は、図2に示すように、開扉用外ペダル部21または開扉用内ペダル部31を足踏み操作すると、開扉用外側ワイヤW1または開扉用内側ワイヤW3に引っ張られて、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11を開扉方向に回動させる。また、扉用駆動装置4は、閉扉用外ペダル部22または閉扉用内ペダル部32を足踏み操作すると、閉扉用外側ワイヤW2または閉扉用内側ワイヤW4に引っ張られて、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11を閉扉方向に回動させる。
【0053】
<錠用駆動装置>
図1図3に示すように、錠用駆動装置5は、扉11を施錠及び解錠するための施錠装置である。錠用駆動装置5は、使用者が施錠用ペダル部34を足踏み操作することで、扉11を施錠し、解錠用ペダル部33を足踏み操作することで、扉11を解錠する。図14A図14Dに示すように、錠用駆動装置5は、施錠用ワイヤW5と、解錠用ワイヤW6と、ケース51と、プーリ52と、軸部53と、軸受54と、錠55と、内側表示板56と、外側表示部57と、を備えて成る。
【0054】
図12に示すように、施錠用ワイヤW5は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである(図14A図14D参照)。施錠用ワイヤW5の基端部は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)のリンク29Eに接続されており、施錠用ワイヤW5の先端部は、錠用駆動装置5(図14A図14D参照)のプーリ52に巻き掛けられて、固定具52aによってプーリ52に固定されている。施錠用ペダル部34を足踏み操作することで、駆動変換部23Bを介して施錠用ワイヤW5が引っ張られ、錠55を施錠させる方向にプーリ52が回動する。
【0055】
図12に示すように、解錠用ワイヤW6は、扉用駆動装置4のドラム42を引っ張るワイヤである(図14A図14D参照)。解錠用ワイヤW6の基端部は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)のリンク29Fに接続されており、解錠用ワイヤW6の先端部は、錠用駆動装置5(図14A図14D参照)のプーリ52に巻き掛けられて、固定具52bによってプーリ52に固定されている。解錠用ペダル部33を足踏み操作することで、駆動変換部23Bを介して解錠用ワイヤW6が引っ張られ、錠55を解錠させる方向にプーリ52が回動する。
【0056】
ケース51は、プーリ52、軸部53、軸受54、内側表示板56と、外側表示部57とを収容すると共に、錠55の基端部を収容した金属製ケースである。錠55は、回動自在であり、錠55の先端部は、ケース51から突出している
【0057】
プーリ52は、軸部53を介して錠55に連結されており、錠55と一緒に回動する。プーリ52の外周部には、施錠用ワイヤW5及び解錠用ワイヤW6の先端部を固定するための固定具52a,52bが設けられている。
【0058】
軸部53には、プーリ52と、錠55と、内側表示板56と、外側表示部57と、が固定されている。軸部53は、軸受54に回動自在に軸支されている。
このため、錠55は、プーリ52が解錠用ワイヤW6に引かれて回動すると、軸部53を中心として回動して解錠状態になる。
また、錠55は、プーリ52が施錠用ワイヤW5に引かれて回動すると、軸部53を中心として回動して施錠状態になる。
【0059】
図14Bまたは図14Dに示すように、内側表示板56と外側表示部57とは、使用中と空室の表示文字を付記した金属製プレートである。内側表示板56と外側表示部57とは、前記した錠55と一体に回動するように設けられている。内側表示板56は、扉枠1dの内側に設けられており、施錠時に扉枠1dの表示窓1gに「使用中」の表示文字を表示し、解錠時に表示窓1hから「空室」の表示文字を表示する。外側表示部57は、扉枠1dの外側に設けられており、施錠時に扉枠1dの表示窓1hに「使用中」の表示文字を表示し、解錠時に表示窓1hから「空室」の表示文字を表示する。
【0060】
<既設ロック装置>
図3に示す既設のロック装置6は、解錠状態のままにしておくか、あるいは、扉枠1dから取り外す。
【0061】
<貯水タンク>
図15A図15Cに示す既存の貯水タンク15は、蓋体15aと、流水レバー16と、チェーン17と、支持部材18と、排水弁19と、タンク流水駆動装置7と、を備えている。貯水タンク15は、流水レバー16と、流水レバー16と一体の流水レバー軸16aと、排水弁19と、流水レバー軸16aと排水弁19とを繋ぐチェーン17と、を備えている。流水レバー16を回動させると、排水弁19が引き上げられ、貯留水が排水弁19から便器13に放水される。
【0062】
<タンク流水駆動装置>
タンク流水駆動装置7は、流水レバー軸16aを回動させる装置である。タンク流水駆動装置7は、内側操作装置3の流水用ペダル部35(図1参照)と、流水用ワイヤW7と、タンク支持プレート71と、ワイヤ戻しバネ72と、連結具73と、を備えて構成されている。
【0063】
流水用ワイヤW7は、排水弁19を開弁させるチェーン17を引っ張るワイヤである。
流水用ワイヤW7の基端部は、駆動変換部23C(図11及び図12参照)のリンク29Gに接続されており、流水用ワイヤW7の先端部は、ワイヤ戻しバネ72を挿通して排水弁19のチェーン17に、連結具73によって連結されている。流水用ワイヤW7の中央部は、既存の貯水タンク15内の上部に設置された支持部材18に摺動自在に支持されている。流水用ペダル部35(図1参照)を足踏み操作することで、駆動変換部23C(図11及び図12参照)を介して流水用ワイヤW7が引っ張られ、排水弁19を開弁させる方向にチェーン17が引き上げられ。
【0064】
タンク支持プレート71は、貯水タンク15の開口部上に載置される側面視して略コ字状の金属製板部材である。タンク支持プレート71は、貯水タンク15の開口部を跨ぐように配置されており、その上に蓋体15aを載置することで貯水タンク15に保持される。
ワイヤ戻しバネ72は、流水用ワイヤW7を流水用ペダル部35(図1参照)側に引き寄せたときに伸張し、その復元力により流水用ワイヤW7を排水弁19側に引き戻す。ワイヤ戻しバネ72の一端は、タンク支持プレート71の下面に係止されており、タンク支持プレート71の他端は、流水用ワイヤW7に接続されている。
連結具73は、流水用ワイヤW7をチェーン17の抱持するようにして連結させるバンド状の部材である。
【0065】
≪作用≫
次に、図1図15Cを参照しながら本発明の実施形態に係るトイレ装置Sの作用を使用手順に沿って説明する。
【0066】
<在室・空室の表示>
使用者がトイレ装置Sを使用する場合、図3に示すように、錠用駆動装置5を施錠状態にして使用している。このため、図14B及び図14Dに示すように、錠55はケース51から側方に向かって突出し、内側表示板56及び外側表示部57に付された「使用中」の文字が扉枠1dの表示窓1hに出現する。
また、トイレブース1(図3参照)が空室の場合は、錠用駆動装置5の錠55、内側表示板56及び外側表示部57が解錠状態であるので、扉枠1dの内外の表示窓1g,1hには「空室」の文字が出現する。
【0067】
<トイレ装置の使用方法>
トイレブース1を使用する場合は、まず、図2及び図3に示すトイレブース1の外側にある外側操作装置2の開扉用外ペダル部21を足踏み操作する。すると、開扉用外ペダル部21は、駆動変換部23を介して開扉用外側ワイヤW1を引っ張り、扉用駆動装置4のドラム42を開扉方向に回動させる。
【0068】
図13A図13Cに示すように、扉用駆動装置4は、ドラム42、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11をトイレブース1側に90度回動させて開扉させる。このため、使用者は、手を扉11に接触させずに開扉することができる。
【0069】
次に、図2に示すように、使用者は、扉開口部1c(図1参照)からトイレブース1内に入り、立った状態で、閉扉用内ペダル部32を足踏み操作する。すると、閉扉用内ペダル部32は、駆動変換部23Aを介して閉扉用内側ワイヤW4を引っ張り、扉用駆動装置4のドラム42を閉扉方向に回動させる。図13A図13Cに示すように、扉用駆動装置4は、ドラム42、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11を閉扉方向に90度回動させて閉扉させる。
【0070】
続いて、使用者は、図2に示す施錠用ペダル部34を足踏み操作する。すると、施錠用ペダル部34は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)を介して施錠用ワイヤW5を引っ張り、図14A図14Dに示す錠用駆動装置5のプーリ52、錠55、内側表示板56及び外側表示部57を施錠方向に回動させて施錠させる。
【0071】
錠用駆動装置5が駆動すると、錠55が扉11側に回動して突出し、施錠される。このため、使用者は、手を錠用駆動装置5に触れずに施錠することができる。なお、内側表示板56及び外側表示部57は錠55とともに施錠方向に回動して、表示窓1g,1hに「使用中」の文字を表示させる。
【0072】
図1に示す便器13の大便、小便を流す場合は、流水用ペダル部35を足踏み操作する。すると、流水用ペダル部35は、駆動変換部23C(図11及び図12参照)を介して流水用ワイヤW7を引っ張り、図15Cに示すチェーン17を介して排水弁19を開弁させてて貯水タンク15内の水を便器13に放水させる。このため、使用者は、手を流水レバー16に触れずに貯水タンク15内の水を流すことができる。
【0073】
使用者がトイレブース1外で出る場合は、図2に示す解錠用ペダル部33を足踏み操作する。すると、解錠用ペダル部33は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)を介在して解錠用ワイヤW6を引っ張り、図14A図14Dに示す錠用駆動装置5のプーリ52、錠55、内側表示板56及び外側表示部57を解錠方向に回動させて解錠状態にさせる。
【0074】
錠用駆動装置5が駆動すると、錠55がケース51側に回動して引き込まれて、解錠させる。これと同時に、内側表示板56及び外側表示部57が解錠方向に回動して、表示窓1g,1hに「空室」の文字を表示させる。
次に、使用者は、図2に示す開扉用内ペダル部31を足踏み操作する。すると、開扉用内ペダル部31は、駆動変換部23を介して開扉用外側ワイヤW1を引っ張り、扉用駆動装置4のドラム42を開扉方向に回動させる。図13A図13Cに示すように、扉用駆動装置4は、ドラム42、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11を開扉方向に90度回動させて開扉させる。
【0075】
そして、使用者は、トイレブース1内から外に出て、図2に示す外側操作装置2の閉扉用外ペダル部22を足踏み操作する。すると、閉扉用外ペダル部22は、駆動変換部23を介在して閉扉用外側ワイヤW2を引っ張り、扉用駆動装置4のドラム42を閉扉方向に回動させる。
図13A図13Cに示すように、扉用駆動装置4は、ドラム42、軸部43、アーム45及び扉連結部46を介在して扉11を閉扉方向に90度回動させて閉扉させる。このように、使用者は、手を扉11や操作部に触れずにトイレ装置Sを使用することができる。
【0076】
このように、本実施形態のトイレ装置Sは、図1図3に示すように、トイレブース1に配置された扉11と、扉11を開閉駆動させる扉用駆動装置4と、トイレブース1の外側に配置された外側操作装置2と、トイレブース1の内側に配置された内側操作装置3と、を備えている。外側操作装置2は、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22と、を備え、内側操作装置3は、開扉用内ペダル部31と、閉扉用内ペダル部32と、を備えている。扉用駆動装置4は、開扉用外ペダル部21または開扉用内ペダル部31が足踏み操作されたときに扉11を開扉させ、閉扉用外ペダル部22または閉扉用内ペダル部32が足踏み操作されたときに扉11を閉扉させる。
【0077】
かかる構成によれば、手を使わずに扉11を開扉、閉扉することができるので、ウイルス等の感染防止に寄与することができる。
また。トイレ装置Sは、ペダル部を踏む力で扉11を開閉させることができるので、電動モータ等の駆動源や電源が不要なため、既存のトイレブースに後付けし易く、電源のないトイレブースにも設置することができる。
【0078】
また、本実施形態のトイレ装置Sは、図1図3に示すように、扉11を施錠及び解錠するための錠用駆動装置5を備えている。内側操作装置3は、解錠用ペダル部33と、施錠用ペダル部34と、を備えており、錠用駆動装置5は、施錠用ペダル部34が足踏み操作されたときに扉11を施錠し、解錠用ペダル部33が足踏み操作されたときに、扉11を解錠する。
【0079】
かかる構成によれば、手を使わずに扉11を施錠、解錠することができるので、ウイルス等の感染防止に寄与することができる。また。トイレ装置Sは、ペダル部を踏む力で扉11を施錠、解錠させることができるので、電動モータ等の駆動源や電源が不要である。
【0080】
また、図1に示すように、トイレ装置Sは、便器13に流す水を貯留する貯水タンク15に設けられたタンク流水駆動装置7を備えており、内側操作装置3は、流水用ペダル部35を備えている。タンク流水駆動装置7は、流水用ペダル部35が足踏み操作されたときに、貯水タンク15内に配置された排水弁19を開弁する。
【0081】
かかる構成によれば、手を使わずに貯水タンク15内の水を便器13に流すことができる。
【0082】
また、図15A図15Cに示すように、タンク流水駆動装置7は、排水弁19と流水用ペダル部35とを繋ぐ流水用ワイヤW7(流水用線状部材)を備えており、流水用ペダル部35が足踏み操作されたときに、流水用ワイヤW7が排水弁19を引き上げることにより、排水弁19が開弁する。
【0083】
かかる構成によれば、流水用ワイヤW7は、自由に曲げて配線することが可能なため、トイレブース1に配線し易く、タンク流水駆動装置7を既存のトイレブース1に後付けし易くすることができる。また、タンク流水駆動装置7は、手を使わずに、流水用ペダル部35が足踏み操作することで、貯水タンク15内の水を便器13に流すことができる。
【0084】
また、図1図2図4図5図11あるいは図12に示すように、扉用駆動装置4は、扉11の回動軸と同軸の軸部43を中心に回動するドラム42と、ドラム42の回動に伴って軸部43を中心に回動するアーム45と、アーム45と扉11を連結する扉連結部46と、開扉用外ペダル部21からドラム42に至る開扉用外側ワイヤW1(開扉用外線状部材)と、閉扉用外ペダル部22からドラム42に至る閉扉用外側ワイヤW2(閉扉用外線状部材)と、開扉用内ペダル部31からドラム42に至る開扉用内側ワイヤW3(開扉用内線状部材)と、閉扉用内ペダル部32からドラム42に至る閉扉用内側ワイヤW4(閉扉用内線状部材)と、を備えている。ドラム42は、開扉用外ペダル部21が足踏み操作されたときに開扉用外側ワイヤW1に作用する引張力、または、開扉用内ペダル部31が足踏み操作されたときに開扉用内側ワイヤW3に作用する引張力によって、扉11が開扉させる方向に回動し、閉扉用外ペダル部22が足踏み操作されたときに閉扉用外側ワイヤW2に作用する引張力、または、閉扉用内ペダル部32が足踏み操作されたときに閉扉用内側ワイヤW4に作用する引張力によって扉11を閉扉させる方向に回動する。
【0085】
かかる構成によれば、トイレブース1内の開扉用内ペダル部31及び閉扉用内ペダル部32の一方を足踏み操作すると、他方も常に連動するので、誤作動を防止することができる。
【0086】
図1及び図11に示すように、内側操作装置3は、トイレブース1内の側壁1aに沿って設置されたケース30を備え、開扉用内ペダル部31、閉扉用内ペダル部32、解錠用ペダル部33、施錠用ペダル部34及び流水用ペダル部35は、ケース30に支持されている。
【0087】
かかる構成によれば、開扉用内ペダル部31、閉扉用内ペダル部32、解錠用ペダル部33、施錠用ペダル部34及び流水用ペダル部35は、一つにケース30に支持されているので、ケース30を取り付けることで、内側操作装置3を一度に設置することができる。このため、内側操作装置3は、取付工数及び設置時間を削減してコストダウンを図ることができる。
【0088】
[第1変形例]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0089】
図16は、本発明の実施形態に係るトイレ装置S1の第1変形例を示す要部概略図である。
前記実施形態で説明したトイレ装置Sは、図16に示す第1変形例のように、油圧等の液圧発生装置230を使用したトイレ装置S1であってもよい。トイレ装置S1は、開扉用のペダル部210を足踏み操作することで、液圧発生装置230のピストン231を作動させ、シリンダ232内の液体をホース233を介して扉駆動装置410等の各駆動装置(錠用駆動装置5、タンク流水駆動装置7)に供給することによって、各駆動装置を作動させてもよい。
以下、各駆動装置の一例として、扉11を開閉させる扉駆動装置410の場合を例に挙げて説明する。
【0090】
この場合、図16に示すペダル部210は、足踏み操作することで液圧発生装置230を作動させる操作部である。ペダル部210には、足踏み操作することでピストン231を下降させるピストンロッド211が設けられている。
【0091】
液圧発生装置230は、ピストン231と、ピストン231及び液体を収容したシリンダ232と、ピストン231に押し出された液体を扉駆動装置410のシリンダチューブ411内に供給する開扉用のホース233と、を備えて構成されている。
【0092】
扉駆動装置410は、扉11開を開閉させるための複動型シリンダから成る。扉駆動装置410は、基端部411aをフリーの状態に配置したシリンダチューブ411と、シリンダチューブ411に供給された液体によって進退し、先端部412aを扉11に回動自在に軸支したピストンロッド412と、一端をシリンダチューブ411に連結し他端を不図示の閉扉用外ペダル部によって作動する閉扉用シリンダ装置(図示省略)に連結した閉扉用チューブ413と、を有して構成されている。
【0093】
トイレ装置S1は、このように構成しても、開扉用のペダル部210と、閉扉用のペダル部((図示省略)を足踏み操作することで、手を使わずに扉11を開閉させることができる。
【0094】
[第2変形例]
図17Aは、本発明の実施形態に係るトイレ装置S2の第2変形例を示す要部概略側面図である。図17Bは、本発明の実施形態に係るトイレ装置S2の第2変形例を示す要部概略平面図である。
【0095】
また、前記実施形態で説明したトイレ装置Sは、図17A及び図17Bに示す第2変形例のように、ワイヤW1~W7(図1図3参照)に代えて棒状部材421を使用したトイレ装置S2であってもよい。トイレ装置S2は、開扉用外ペダル部21を足踏み操作することで、駆動変換部23を介して棒状部材421を引っ張ることによって、各駆動装置を作動させてもよい。
以下、各駆動装置の一例として、扉11を開閉させる扉駆動装置420の場合を例に挙げて説明する。
【0096】
この場合、図17A及び図17Bに示す開扉用外ペダル部21及び駆動変換部23は、実施形態と同様な構造をしている。駆動変換部23のリンク29Bの連結具29Baは、棒状部材421の基端部に設けられた係合部421aに係合されて、開扉用外ペダル部21の足踏み操作に連動して棒状部材421を上昇させる。
【0097】
扉駆動装置420は、棒状部材421と、棒状部材421の先端部に回動自在に連結されたL字状リンク422と、L字状リンク422の先端に回動自在に連結された棒状部材423と、先端部が棒状部材423及び扉11に軸支され基端部が扉11のヒンジ部上に回動自在に軸支された扉回動リンク424と、閉扉用外ペダル部22によって駆動変換部23を介在してL字状リンク422を閉扉方向に回動作動させる棒状部材425と、を備えて構成されている。
【0098】
トイレ装置S2は、このように構成しても、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22を足踏み操作することで、手を使わずに扉11を開閉させることができる。
【0099】
[第3変形例]
図18Aは、本発明の実施形態に係るトイレ装置S3の第3変形例を示す要部概略側面図である。図18Aは、本発明の実施形態に係るトイレ装置S3の第3変形例を示す要部概略正面図である。
【0100】
また、前記実施形態で説明したトイレ装置Sは、図18A及び図18Bに示す第3変形例のように、ワイヤW1~W7(図1図3参照)に代えて、棒状部材432,435及び傘歯車233A,431,433,434,436,437を使用したトイレ装置S3であってもよい。トイレ装置S3は、開扉用外ペダル部21を足踏み操作することで、駆動変換部230Aを介してアーム回動傘歯車437を回動させることによって、各駆動装置を作動させてもよい。
以下、各駆動装置の一例として、扉11を開閉させる扉駆動装置430の場合を例に挙げて説明する。
【0101】
この場合、図18A及び図18Bに示す開扉用外ペダル部21は、実施形態と同様な構造をしている。駆動変換部230Aは、実施形態の駆動変換部23と同様に、リンク24,24Aを有している。この他、駆動変換部230Aは、リンク24,24Aと一体に回動する第1平歯車231A及び第2平歯車232Aと、駆動変換部傘歯車233Aと、を有している。このため、駆動変換部傘歯車233Aは、第1傘歯車431及び棒状部材432を回動させる。
【0102】
扉駆動装置430は、第1傘歯車431と、第2傘歯車433と、第1傘歯車431と第2傘歯車433を連結した棒状部材432と、第2傘歯車433に噛合した第3傘歯車434と、第5傘歯車436と、第3傘歯車434と第5傘歯車436を連結した棒状部材435と、第5傘歯車436に噛合してアーム45、扉連結部46及び扉11を開扉方向に回動させるアーム回動傘歯車437と、を備えて構成されている。
【0103】
この他に、扉駆動装置430は、閉扉用外ペダル部22と、リンク24,24Aと、第1平歯車231Aと、第2平歯車232Aと、駆動変換部傘歯車233Aと、第1傘歯車431と、棒状部材432と、第2傘歯車433と、第3傘歯車434と、棒状部材435と、アーム回動傘歯車437に噛合する第5傘歯車436と、を備えて、扉11を閉塞させる装置(図示省略)を有する。
【0104】
トイレ装置S3は、このように構成しても、開扉用外ペダル部21と、閉扉用外ペダル部22を足踏み操作することで、手を使わずに扉11を開閉させることができる。
【0105】
[第4変形例]
図19は、本発明の実施形態に係るトイレ装置S4の第4変形例を示す要部概略側面図である。
また、前記第3変形例の回動する棒状部材432,435及び傘歯車233A,431,433,434,436,437を使用したトイレ装置S3(図18A及び図18B参照)は、第2変形例の進退する棒状部材421,423を使用したトイレ装置S2(図17A及び図17B参照)と、を組み合わせたトイレ装置S4であってもよい。
【0106】
図19に示すように、トイレ装置S4は、開扉用外ペダル部21(図18A参照)を足踏み操作することで、駆動変換部230A等を介してアーム回動傘歯車437を回動させることによって各駆動装置を作動させる機能と、ペダル部21を足踏み操作することで、駆動変換部23を介して棒状部材432の係合部432bを上下動させることよって各駆動装置を作動させる機能と、を備えたものであってもよい。
以下、各駆動装置の一例として、扉11を開閉させる扉駆動装置430と錠用駆動装置5Aとを備えた場合を例に挙げて説明する。
【0107】
この場合、トイレ装置S4は、駆動変換部230Aを作動させる開扉用外ペダル部21(図示省略(図18A参照))と、駆動変換部23を作動させるペダル部21と、を有している。駆動変換部230Aは、第3変形例と同様、リンク24,24A(図18A参照)と、リンク24,24Aと一体に回動する第1平歯車231A及び第2平歯車232Aと、駆動変換部傘歯車233Aと、を有している。駆動変換部傘歯車233Aは、第1傘歯車431及び棒状部材432を回動させる。
【0108】
扉駆動装置430は、第3実施形態と同様、第1傘歯車431と、第2傘歯車433と、第1傘歯車431と第2傘歯車433を連結した棒状部材432と、第2傘歯車433に噛合した第3傘歯車434と、第5傘歯車436と、第3傘歯車434と第5傘歯車436を連結した棒状部材435と、第5傘歯車436に噛合してアーム45、扉連結部46及び扉11を開扉方向に回動させるアーム回動傘歯車437と、を備えて成る。
【0109】
駆動変換部23は、第2変形例と同様、リンク24,24Aと、棒状部材421の係合部421aに係合された連結具29Baと、を備えている。このため、ペダル部21の足踏み操作すると、駆動変換部23を介在して棒状部材432を上昇させる。
【0110】
錠用駆動装置5Aは、その棒状部材432の係合部432bに係合した操作リンク55Aaと、操作リンク55Aaに一体形成された錠55Aと、操作リンク55Aa及び錠55Aを回動自在に軸支する軸部53Aと、を有している。
【0111】
このように構成されたトイレ装置S4は、開扉用外ペダル部21(図示省略)を足踏み操作すると、扉11を開扉させることができると共に、ペダル部21を足踏み操作すると、錠用駆動装置5Aの錠55Aを解錠させることができる。
【0112】
[その他の変形例]
また、図13A図13Cに示す扉用駆動装置4は、一例であって、扉11を開閉できる装置であれば、適宜変更してもよい。例えば、扉連結部46は、アーム45が回動したときに、扉11を連動させるようにすることが可能であれば、適宜変更してもよい。扉連結部46は、ホルト等の固定部材で扉11に固定してもよいし、扉11の上部等に係合部材で係合させてもよい。
【0113】
また、図15A図15Cに示すタンク流水駆動装置7は、貯水タンク15に回動可能に設けられた流水レバー16を流水用ワイヤW7で回動させて排水弁19を開弁させるようにしてもよい。
【0114】
また、図1に示す扉11は、便器13の前方に配置した場合を例に挙げて説明したが、右側の側壁1a、または、左側の側壁1aに取り付けてもよい。その場合は、内側操作装置3を反対側の側壁1aの下方、または、便器13の前側の側壁の下方に設置する。
【0115】
また、図1に示す扉11は、トイレブース1の内側に開閉するタイプのものを例に例に挙げて説明したが、トイレブース1の外側に開閉するタイプのものであってもよい。この場合は、前記実施形態で説明した扉用駆動装置4のドラム42を反対側に回動するように、開扉用外側ワイヤW1、閉扉用外側ワイヤW2、開扉用内側ワイヤW3及び閉扉用内側ワイヤW4を配置すればよい。
【0116】
また、図16に示す第1変形例の液圧発生装置230は、シリンダ232内に、ピストン231を元の位置に自動復帰させるリターンスプリングを収容させて、単動式シリンダ装置にしてもよい。このように構成すれば、閉扉用チューブ413や閉扉用外ペダル部が無くても、リターンスプリングによって扉11を自動的に閉扉させることができる。
【0117】
また、図18に示す第3変形例のトイレ装置S3の第1傘歯車431と、第5傘歯車436とは、1本のフレキシブルな棒状部材で連結してもよい。このようにすることで扉駆動装置430の構造を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 トイレブース
1a 側壁
2 外側操作装置
3 内側操作装置
4 扉用駆動装置
5,5A 錠用駆動装置
7 タンク流水駆動装置
11 扉
13 便器
15 貯水タンク
17 チェーン
19 排水弁
21 開扉用外ペダル部
22 閉扉用外ペダル部
30 ケース
31 開扉用内ペダル部
32 閉扉用内ペダル部
33 解錠用ペダル部
34 施錠用ペダル部
35 流水用ペダル部
42 ドラム
43 軸部
45 アーム
46 扉連結部
73 連結具
S,S1、S2,S3,S4 トイレ装置
W1 開扉用外側ワイヤ(開扉用外線状部材)
W2 閉扉用外側ワイヤ(閉扉用外線状部材)
W3 開扉用内側ワイヤ(開扉用内線状部材)
W4 閉扉用内側ワイヤ(閉扉用内線状部材)
W5 施錠用ワイヤ(施錠用線状部材)
W6 解錠用ワイヤ(解錠用線状部材)
W7 流水用ワイヤ(流水用線状部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
【手続補正書】
【提出日】2021-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記扉用駆動装置は、
前記扉の回動軸と同軸の軸部を中心に回動するドラムと、
前記ドラムの回動に伴って前記軸部を中心に回動するアームと、
前記アームと前記扉を連結する扉連結部と、
前記開扉用外ペダル部から前記ドラムに至る開扉用外線状部材と、
前記閉扉用外ペダル部から前記ドラムに至る閉扉用外線状部材と、
前記開扉用内ペダル部から前記ドラムに至る開扉用内線状部材と、
前記閉扉用内ペダル部から前記ドラムに至る閉扉用内線状部材と、を備え、
前記ドラムは、前記開扉用外ペダル部が足踏み操作されたときに前記開扉用外線状部材に作用する引張力、または、前記開扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記開扉用内線状部材に作用する引張力によって、前記扉が開扉させる方向に回動し、前記閉扉用外ペダル部が足踏み操作されたときに前記閉扉用内線状部材に作用する引張力、または、前記閉扉用内ペダル部が足踏み操作されたときに前記閉扉用線状部材に作用する引張力によって前記扉を閉扉させる方向に回動する、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のトイレ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
図12に示すように、施錠用ワイヤW5は、錠用駆動装置5のプーリ52を引っ張るワイヤである(図14A図14D参照)。施錠用ワイヤW5の基端部は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)のリンク29Eに接続されており、施錠用ワイヤW5の先端部は、錠用駆動装置5(図14A図14D参照)のプーリ52に巻き掛けられて、固定具52aによってプーリ52に固定されている。施錠用ペダル部34を足踏み操作することで、駆動変換部23Bを介して施錠用ワイヤW5が引っ張られ、錠55を施錠させる方向にプーリ52が回動する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
図12に示すように、解錠用ワイヤW6は、錠用駆動装置5のプーリ52を引っ張るワイヤである(図14A図14D参照)。解錠用ワイヤW6の基端部は、駆動変換部23B(図11及び図12参照)のリンク29Fに接続されており、解錠用ワイヤW6の先端部は、錠用駆動装置5(図14A図14D参照)のプーリ52に巻き掛けられて、固定具52bによってプーリ52に固定されている。解錠用ペダル部33を足踏み操作することで、駆動変換部23Bを介して解錠用ワイヤW6が引っ張られ、錠55を解錠させる方向にプーリ52が回動する。