(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077468
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】省煙消臭器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
A47J37/06 316
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188358
(22)【出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】722003901
【氏名又は名称】福島 誠
(72)【発明者】
【氏名】福島誠
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AB11
4B040AC01
4B040GA11
4B040GD02
4B040JA06
4B040JA12
4B040NA08
(57)【要約】
【課題】本発明は、卓上調理の煙、匂いの問題や油煙により室内が汚れる問題を解決するものである。また収納もコンパクトにすることが可能であり、構造もシンプルで電気もガスも使用しないため比較的安価で提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため、本願発明は既存の卓上コンロやホットプレートを覆う構造をとることで、油煙や匂いが外部に漏れることを防ぎながら、調理する際の熱を利用し布地もしくは樹脂に染み込ませた消臭成分の蒸発を促進させることで、消臭しながら卓上調理ができることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の側面と上面は薄い金属もしくは耐熱性のある薄い素材で構成され
前面と背面の中央には大きな開閉可能な扉を有した開口部があり
上面には複数の開口部があり
上面や側面に、吸水性のある生地もしくは樹脂を設置可能な構造であり
内側が空洞であることを
特徴とする卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項2】
前記、開閉可能な扉は全面もしくは内側に透明性が高く、耐熱性のある素材で構成されていることを
特徴とする請求項1に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項3】
前記、上面には本体内部を照らす照明機器が設置可能な構造を有することを
特徴とする請求項1又は2に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項4】
前記、上面は着脱可能であり
側面は4つの面で構成され
左側面と右側面は縦方向に2つに分割され
その左右の側面が谷折れし、コンパクトに折り畳める構造を有していることを
特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項5】
前記、側面の内側が設置面より高さ2~8センチ程度短く、隙間があることを
特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項6】
前記、左右の側面の内側が設置面より高さ約8~15センチ程度短く、隙間があり、
その部分を塞ぐため側面と同じ素材、もしくは耐熱性のあるシートを設置可能な構造を有することを
特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項7】
前記、左右の着脱可能な側面は、その側面に沿って上方向にずらして設置可能な構造を有することを
特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項8】
前記、正面右下に幅8~15センチ、設置面より高さ8~15センチ程度の隙間、もしくは、その隙間を塞ぐ開閉可能な扉があることを
特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項9】
前記、背面の中央下部に幅5~20センチ、設置面より高さ5~12センチ程度の隙間、もしくは、その隙間を塞ぐ扉があることを
特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項10】
前記、開閉可能な扉は回動式であり
任意の角度で係止可能な構造を有し
閉じた際は密閉可能な構造であることを
特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【請求項11】
前記、左右側面と前面もしくは背面を繋ぐ一辺が着脱可能な構造を有することを
特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の卓上調理器具用、省煙消臭器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卓上調理器具用の省煙及び消臭に機器に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭での卓上調理の場合、カセットボンベ式の卓上コンロや電気式のホットプレート等を利用して焼肉等を楽しむことがある。しかしながら、いやな匂いが残ると言った問題や油煙により部屋が汚れるといった問題もあり、敬遠する家庭も少なくない。特に脂身の多いものやタレ付のものは油煙や油ハネ及び匂いも多く発生するので、食材が限定されるといった問題もある。
【0003】
それらの問題を解決するために様々な卓上調理器具用の省煙装置が特許申請されているし、製品としても販売もされている。現在販売されているものとしては輻射熱を利用した「ザイグル」や「アラジン グラファイトグリラー」のブランド名のものや、ホットプレート周辺から煙を吸い込む「スモークリン」等がある。
特許文献としてはホットプレート上部と底面内側にファンを設置して煙を吸い込む特許文献1(特開2002-153385)の様なものや吊り下げ型の照明装置にファンとフィルターを備えた特許文献2(実開平6-19812)のようなもの、カセットボンベ式の卓上コンロのプレートが高温にならない様にした特許文献3(特開2017-202159)のようなものもある。
【0004】
輻射熱を利用した上記商品はプレートが高温になるのを防ぎ煙はあまり出ないが、焼くのに時間がかかること、上部が熱源なので周辺まで熱を持つこと、また幅だけでなく高さもあるので収納に場所をとるといった問題がある。ファン等を利用したものは全ての煙を吸い込むには至らず、またフィルター等で脱臭するのも限界があること、また構造が複雑となり高価になるといった問題がある。
特許文献3に関しては、一般的なカセットコンロと比べ温度が高温にならない為、焼くまでに時間がかかるといった問題がある。そして、いずれも「煙を少なくすることで油汚れを防ぎ、匂いを軽減する」といった考え方であり「消臭機能」はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-153385号
【特許文献2】実開平6-19812号
【特許文献3】特開2017-202159
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、卓上調理の煙、匂いの問題やフローリング等が油で汚れる問題を解決するものである。また収納もコンパクトにすることが可能であり、構造もシンプルで電気もガスも使用しないため比較的安価で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願発明は既存の卓上コンロやホットプレートを覆う構造をとることで、油煙や匂いが外部に漏れることを防ぎながら、調理する際の熱を利用し布地もしくは樹脂に染み込ませた消臭及び油を分解する成分の蒸発を促進させることで、消臭しながら卓上調理ができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記した本願発明によれば、電気を使わず効果的に卓上調理における匂いや油煙で部屋が汚れることを防ぎ、また折り畳み式にすることでコンパクトに収納可能となる。構造もシンプルで安価に製造可能であり、多くの人が利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】カセットボンベ式の卓上コンロで使用している図である。
【
図2】各パーツの関係を解りやすくするための図である。
【
図5】正面メイン扉、背面メイン扉に設置されている取手の図である。
【
図7】横幅が長いホットプレートで使用している際の図である。
【
図8】
図7より横幅が長いタイプのホットプレートで使用している図である
【
図9】側面カバー13を上にずらして設置している図である。
【
図10】中央で温度を調節するホットプレートで使用している際の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願発明の実施形態につき、各図を用いて詳細に説明する。なお、本願発明は、以下説明する実施形態の構成に限らず、本願発明の目的を達成し、特許請求の範囲に記載した範囲内におけるあらゆる具体的形態を含むものである。
【0011】
本願発明の実施形態に係る省煙消臭器は一般的なカセットボンベ式の卓上コンロや電気式のホットプレートで使用可能である。
図1はカセットボンベ式の卓上コンロで使用している図である。正面中央の大きな開閉可能なメイン扉1は透明の耐熱ガラスであり中の様子が見えるようにしている。これは反対側の背面にもdのものが配置されている。直火が当たるわけではないので耐熱ガラスではなく耐熱性の高い透明樹脂でも良い。
正面中央下の火力確認開口部2は、カセットコンロの火力の状態を確認する為の開口部である。正面右下の火力調節開口部3はカセットコンロの「器具せんつまみ」を操作するための隙間である。ほとんどのカセットコンロは右側に「器具せんつまみ」が配置されているため、この位置に隙間を設けた。また、各面の下の内側に隙間があるのは密閉するとカセットコンロの場合、酸素供給が不十分となり不完全燃焼を招く可能性があるからである。なおこの火力調節開口部3にメイン扉1と同様の開閉可能な扉を配置してもよい。
上部には上面を覆うカバーA4を着けている。これは吸水性のある生地または樹脂であり着脱可能である。このカバーA4に無香性の消臭剤及び油分を分解する機能のある成分を染み込ませて使用する。調理が始まると、その熱により、カバーA4が温められるので成分の蒸発を促進することができる。もし乾いてきたらスプレー等で前記成分を拭きかければ良い。着脱可能なので終わったら、とり外し洗うことが可能である。一般的な家庭での利用においては、汚れも軽微であり油分分解成分を含ませてあるので簡単に洗浄可能である。
油煙は物に当たると液化する。本体は上面を含め周囲を覆っており油煙は内壁にあたり液化する為、油煙が外部に漏れるのを防いでいる。また脂身の多い食材は、煙だけでなく油ハネも多いが、この内壁で受け止めるので飛び跳ねる範囲を限定的に抑えることが可能となる。側面の内壁はフッ素加工された耐熱性のある素材であることが望ましい。内壁は直火があたるわけではないので、こげつきもなく簡単に清掃可能である。
【0012】
図2は、各パーツの関係を解りやすくするため本体をカバーA4、カバーB5、LED照明6、LED照明ケース7、上面8、側面9とずらして配置している図である。
カバーA4とカバーB5は吸水性の高い素材である。上面8に、これらに前記成分を染み込ませた2重のカバーを設置することで油煙や匂いの漏れを防いでいる。
LED照明6は薄型のものが好ましい、LED照明ケース7は耐熱ガラスもしくは耐熱性の高い樹脂で構成されている。またLED照明6及びLED照明ケース7は着脱できるので、調理に使用しない場合は携帯用としての利用やクローゼットの中の照明等にも使用可能となり便利である。LED照明6は充電式のものの方が電池交換の必要もなくなるので好ましい。
上面8と側面9は薄い金属もしくは耐熱性のある樹脂で作られている。上面8は内側が窪んだ一般的なトレイに近い形状である。上面8と側面9は、ぴったりと合わさる様になっている。上面8の中央部分が開口しているのはLED照明6の光で内部を照らす為である。また、上面に丸い穴が多く空いているのは、内部の熱を逃がす目的と内部にも成分を拡散させる為でもある。穴の大きさ、形、配置等は他の形状でも良い。
【0013】
図3は正面側のメイン扉1を開いた際の図である。メイン扉1は食材をプレートに載せ調理する際や、焼けた食材を取り出す際に上側に回動させ引き上げて利用する。これは任意の角度で係止できる蝶番を利用している。また閉じた際は密閉性を高めるためマグネット10を設置している。
扉を係止する方法及び密閉性を高める方法は他の方法でもかまわない。また扉の開閉方法も他の方法でもかまわない。
図4は背面側の扉を開いた図である。
【0014】
図5は正面と背面のメイン扉1に設置されている取手11の図である。
図5-1は、収納する際の取手11の図であり
図5-2は取手11を使用する際の図である。この取手11は回動可能となっている。これは収納の際に出来るだけ薄くするためである。使用する際は手前に引いて掴み易くして利用し、収納の際は折り畳むことで薄くコンパクトになる。
【0015】
図6は上面8と側面カバー12を取り外し、左右の側面9を、内側に「谷折り」にし、折り畳む様子を記したものである。
図6―1は折り畳む前、
図6―2側面が折り畳まれる途中のもの、
図6―3は完全に折り畳まれたもの、
図6―4は上面8、側面9、側面カバー12を重ねて平置きした図である。コンパクトに折り畳まれるので収納の際、それ程場所も必要とせず、加えて配送コストや保管コストを抑制できる利点がある。
【0016】
図7は矩形のホットプレートで使用している際の図である。矩形のホットプレートは短辺の中央に火力コントローラー21が配置されていることが多く、その場合、片方の側面カバー12を取り外して温度コントローラーを露出させて利用する。
【0017】
図8は
図6のものより、もっと横幅が長いタイプのホットプレートで利用している図である。この場合は両面の側面カバー12を取り外して利用する。
【0018】
図9は側面カバー12を上にずらして設置している図であるホットプレートの高さは、それぞれ違う為、側面カバー12の高さを調整可能とした。係止させる為、側面カバー12に側面カバーマグネット13、左右の側面に金属プレート14を配置しているが、別の方法でもかまわない。
【0019】
図10は、長辺の中央付近の温度調節器21で温度調節をするタイプのホットプレートで使用している際の図である。この場合は背面の温度調節開口部15を利用して使用する。この温度調節開口部15を塞ぐ、メイン扉1と同様の開閉可能な扉を配置しても良い。
【0020】
図11は平面展開した図である。左右の側面と隣接する、正面もしくは背面の接続部を着脱可能な構造することで平面状に展開可能となる。接続の方法は面テープやフック等の利用が考えられるが他の方法でもかまわない。この様に平面展開できる構造にすることで、清掃が容易となり後片付けが楽になる。
【0021】
図12は本体の下に消臭用シート22を敷いて利用している図である。これは吸水性のある生地もしくは樹脂であり、これにも前記成分を染み込ませて利用する。これを敷くことで、調理の熱により成分の蒸発を促進し、本体内部及び本体の下の隙間から漏れる匂いを効果的に消臭することが可能となる。使い捨ての安価な吸水シートでも良いし洗って再利用できるものでも良い。また、本体上部は平坦なので食材を載せることが可能であり、狭いテーブルでもスペースの有効利用できるので便利である。
【符号の説明】
【0022】
1 メイン扉
2 火力確認開口部
3 火力調節開口部
4 カバーA
5 カバーB
6 LED照明
7 LED照明ケース
8 上面
9 側面
10 マグネット
11 取手
12 側面カバー
13 側面カバーマグネット
14 金属プレート
15 温度調節開口部
21 火力コントローラー
22 消臭用シート