(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077484
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】運用支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220516BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220516BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012580
(22)【出願日】2021-01-29
(62)【分割の表示】P 2020187803の分割
【原出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】518420813
【氏名又は名称】株式会社Luup
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡井 大輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】乗り物の利用状況を把握できる運用支援システムを提供する。
【解決手段】1人乗りの乗り物の共有サービスに関する運用を支援する管理サーバ20は、ポート情報提供部211、利用開始処理部212、利用可否判定部213、利用料金決定部214、ロック通信部215、利用終了処理部216、ポート情報記憶部231、管理者記憶部232、画像記憶部233、機体情報記憶部234、利用履歴記憶部235及び広告記憶部236を備える。利用開始処理部212は、乗り物を利用しようとしている利用者の端末から、降車ポートの指定を含む利用要求を受け付ける。利用可否判定部213は、降車ポートに駐車スペースの空きがある場合に、乗り物の利用を許可する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人乗りの乗り物の共有サービスに関する運用を支援するシステムであって、
乗り物を利用しようとしている利用者の端末から、降車ポートの指定を含む利用要求を
受け付ける利用要求入力部と、
前記降車ポートに駐車スペースの空きがある場合に、前記乗り物の利用を許可する利用
可否判定部と、
を備えることを特徴とする運用支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物のシェアリングでサーバから乗り物の走行可能化を制御する技術が知られている
(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、どこで乗り物が利用されているのか
の状況を把握することができない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、乗り物の利用状況を把握するこ
とのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、1人乗りの乗り物の共有サービスに
関する運用を支援するシステムであって、乗り物を利用しようとしている利用者の端末か
ら、降車ポートの指定を含む利用要求を受け付ける利用要求入力部と、前記降車ポートに
駐車スペースの空きがある場合に、前記乗り物の利用を許可する利用可否判定部と、を備
えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面に
より明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乗り物の利用状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る自転車の共有サービスを説明する図である。
【
図2】本実施形態の運用支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図4】利用者端末13のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】利用者端末13のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】目的ポートの選択画面の一例を示す図である。
【
図7】自転車1の駐車状態を撮影した状態の例を示す図である。
【
図8】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図9】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図10】自転車1の利用開始時における運用支援システムの動作を説明する図である。
【
図11】自転車1の利用終了時における運用支援システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成
を備える。
[項目1]
1人乗りの乗り物の共有サービスに関する運用を支援するシステムであって、
乗り物を利用しようとしている利用者の端末から、降車ポートの指定を含む利用要求を
受け付ける利用要求入力部と、
前記降車ポートに駐車スペースの空きがある場合に、前記乗り物の利用を許可する利用
可否判定部と、
を備えることを特徴とする運用支援システム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る乗り物共有サービスの運用支援システムについて説明
する。本実施形態では、電動機付きの自転車の共有サービス(レンタルサービスを含む。
)を想定しているが、任意の乗り物の共有サービスに適用することができる。乗り物には
1人乗りの乗り物(パーソナルモビリティ)全般が含まれうる。乗り物は、全長1m以下
であり、電動機を備える1人乗りのパーソナルモビリティであってよい。乗り物は、電動
(自動走行)と電動アシストとを切替可能な自転車やスクーター、スケートボードなどで
あってよい。乗り物は、一般的に駐車場の確保が必要とされていないものであってよい。
乗り物には、例えば、自転車やスクーター(キックボード,キックスケーターとも呼ばれ
る。)、スケートボード、平行二輪車、二輪倒立振子(セグウェイなど)、自立安定一輪
車などが含まれうる。また、乗り物には、原動機付き自転車、自動二輪車が含まれうる。
乗り物は、最高時速30km未満に設定されているもの(例えば、原動機付き自転車)、
最高時速24km未満のもの(例えば、電動アシスト自転車)、最高時速20km未満の
もの(例えば、電動キックボードなどが想定される。)が含まれうる。
図1は、本実施形
態に係る自転車の共有サービスを説明する図である。自転車1は、各所に設けられたポー
ト2に駐輪されている。本実施形態では、ポート2とは、自転車1を駐輪させることので
きる場所を意味するものとする。ポート2は、例えば、駐車場、駐輪場である。ポート2
は、乗り物を置いておくことのできる場所であればよく、停めておくことのできる乗り物
の数は固定でなくてもよいが、本実施形態では、ポート2には、所定の台数までの自転車
1を駐輪することができるものとする。すなわち、各ポート2には使用中スペース21と
空きスペース22との少なくともいずれかが存在しうる。自転車共有サービスの利用者は
、出発ポート2(S)から目的ポート2(D)まで自転車1により移動するにあたり、自
転車1の利用に先立って目的ポート2(D)を指定する。目的ポート2(D)に空きポー
ト22が存在していれば、自転車1の利用は許可され、自転車1は自動的に解錠されて利
用者が利用可能となる。
【0012】
図2は、本実施形態の運用支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の運
用支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、自転車1が
備える通信機11及び利用者端末13のそれぞれと通信ネットワーク30を介して通信可
能に接続される。通信ネットワーク30は、たとえばインターネットであり、公衆電話回
線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
自転車1にはまたロック装置12が設けられており、通信機11は、ロック装置12の
施解錠を制御することもできる。本実施形態では、通信機11は管理サーバ20から受信
する命令に応じてロック装置12の施解錠を制御するものとするが、例えば、利用者端末
13からの制御によりロック装置12の制御を行うような構成とすることもできる。
【0014】
利用者端末13は、利用者が用いる携帯端末であり、例えば、スマートフォンやタブレ
ットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。利用者端末13はカメラを備え
ており、自転車1の状態を撮影することができる。
【0015】
管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用
コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に
実現されてもよい。管理サーバ20は、利用者による自転車1の利用可否を判定し、利用
状態を管理することができる。
【0016】
<通信機11>
図3は、通信機11の機能構成を説明する図である。通信機11は、施解錠命令受信部
111、施解錠制御部112、位置情報取得部113、位置情報送信部114を備える。
なお、これらの各機能部は、ロジック回路により実現するようにしてもよいし、汎用プロ
セッサがプログラムを実行することにより実現するようにしてもよい。
【0017】
施解錠命令受信部111は、自転車1のロックを施錠又は解錠するように指示する命令
(施錠命令又は解錠命令という。施錠命令及び解錠命令を合わせて施解錠命令という。)
を受信する。本実施形態では、管理サーバ20から施解錠命令が送信され、施解錠命令受
信部111はこれを受信する。
【0018】
施解錠制御部112は、施解錠命令に応じてロック装置12を制御して施錠又は解錠す
る。施解錠制御部112によるロック装置12の制御処理については公知の手法を用いる
ものとしてここでは説明を省略する。
【0019】
位置情報取得部113は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機(不
図示、通信機11が備えるようにしてもよいし、外部センサから取得するようにしてもよ
い。)が受信したGPS信号に基づいて、自転車1の位置を測定することができる。
【0020】
位置情報送信部114は、位置情報取得部113が取得した位置情報を送出する。本実
施形態では、位置情報送信部114は、自転車1の利用時に自転車1の位置情報を管理サ
ーバ20に定期的に送信することができる。位置情報送信部114は、例えば、1秒、1
分、5分、10分など事前に定めた任意の時間ごとに位置情報を管理サーバ20に送信す
ることができる。なお、位置情報送信部114は、例えば、自転車1の移動距離が所定値
以上になった場合に、位置情報を送出するようにしてもよい。
【0021】
<利用者端末13>
図4は、利用者端末13のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成
は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。利用者端末13は、CPU101、
メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、タッチパネルディスプレイ
105、カメラ106、GPS107を備える。記憶装置103は、各種のデータやプロ
グラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッ
シュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク30に接続する
ためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプ
タ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリア
ル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどで
ある。タッチパネルディスプレイ105は、データの入出力を行うことができる。GPS
107は、利用者端末13の位置を測定することができる。
【0022】
図5は、利用者端末13のソフトウェア構成例を示す図である。利用者端末13は、機
体特定部131、利用開始要求送信部132、目的ポート決定部133、利用終了要求送
信部134、機体撮影部135を備えることができる。
【0023】
なお、利用者端末13の上記各機能部は、例えば、CPU101が記憶装置103に記
憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現することが
できる。
【0024】
機体特定部131は、利用者が利用しようとしている機体(自転車1)を特定する。本
実施形態では、自転車1には自転車1の識別情報(機体ID)を符号化したQRコード(
登録商標)などのコードが貼付されており、利用者端末13の機体特定部131は、この
コードをカメラ106で撮影した画像を復号化することで機体IDを取得することができ
るものとする。なお、機体特定部131は、例えば、自転車1に機体IDを印刷しておき
、利用者から機体IDの入力を受け付けるようにしてもよいし、自転車1に設けられた機
器から、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信により機体IDを受信するよう
にしてもよい。また、機体特定部131は、その他の任意の方法により自転車1の機体I
Dを取得することができる。
【0025】
利用開始要求送信部132は、自転車1の利用を開始したい旨のリクエスト(利用開始
要求)を管理サーバ20に送信する。利用開始要求には、利用者を示す利用者IDと自転
車1を示す機体IDとが設定される。利用者から事前に目的地となるポート(目的ポート
)の指定がされている場合には利用開始要求には目的ポートも設定される。
【0026】
目的ポート決定部133は、目的ポートを決定する。目的ポート決定部133は、例え
ば、地図を表示して目的地の指定を受け付け、指定された目的地近傍に存在するポートを
出力して利用者に目的ポートを選択させることができる。目的ポート決定部133は、例
えば、まず目的地の指定を受け付けることができる。目的地の指定は、上述したように地
図から所定の地点の指定を受け付けてもよし、エリアの名称や駅名などの指定を受け付け
るようにしてもよい。目的ポート決定部133は、指定された目的地を設定して、その目
的地近傍に存在するポートの一覧のリクエスト(ポートリクエスト)を管理サーバ20に
送信することができる。目的ポート決定部133は、管理サーバ20から応答されるポー
トの一覧から目的ポートの選択を受け付けることができる。
図6は、目的ポートの選択画
面の一例を示す図である。同図に示すように、目的ポート決定部133は、例えば、画面
上に地図を表示し、地図上にポート2の一覧をアイコン表示することができる。利用者は
このアイコンを指3などにより選択することにより、目的ポート2の指定をすることがで
きる。利用開始要求送信部132は、目的ポート決定部133が受け付けた目的ポート2
の指定を利用開始要求に設定して管理サーバ20に送信することができる。
【0027】
後述するように、目的ポート2に空きがある場合には、自転車1の利用が許可され、管
理サーバ20から指示により自転車1のロック装置12が解錠され、利用者は自転車1を
利用することができる。
【0028】
利用終了要求送信部134は、自転車1の利用を終了するリクエスト(利用終了要求)
を管理サーバ20に送信する。利用終了要求には、利用者を示す利用者IDと自転車1を
示す機体IDとが設定される。利用終了要求には、最初から後述する駐車画像を含めて送
信するようにしてもよい。
【0029】
機体撮影部135は、カメラ106を制御して自転車1の外観を撮影する。本実施形態
では、機体撮影部135は、自転車1が目的ポートに到着した後に、自転車1が駐車され
た状態が撮影されることを期待している。機体撮影部135は、利用者により手動で起動
されてよく、利用者に対して駐輪した状態を撮影するように指示するメッセージを出力す
るようにしてよい。
図7は、自転車1の駐車状態を撮影した状態の例を示す図である。同
図に示すように、利用者は降車後に駐車した自転車1の様子を撮影し、機体撮影部135
がこの撮影された画像(駐車画像という。)を取得することができる。利用終了要求送信
部134は、機体撮影部135が撮影した又は機体撮影部135が取得した画像を管理サ
ーバ20に送信する。これにより自転車1の利用が終了する。
【0030】
<管理サーバ>
図8は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成
は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU01、メ
モリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置2
06を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハード
ディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信イン
タフェース204は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例
えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するた
めのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universa
l Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データ
を入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどで
ある。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカ
などである。
【0031】
図9は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、ポ
ート情報提供部211、利用開始処理部212、利用可否判定部213、利用料金決定部
214、ロック通信部215、利用終了処理部216、ポート情報記憶部231、管理者
記憶部232、画像記憶部233、機体情報記憶部234、利用履歴記憶部235、広告
記憶部236を備える。
【0032】
なお、上記各機能部211乃至216は、CPU201が記憶装置203に記憶されて
いるプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部
231乃至236は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として
実現されうる。
【0033】
ポート情報記憶部231は、ポート2に関する情報(ポート情報)を記憶する。ポート
情報には、ポート2を特定するポートIDに対応付けて、ポート2の位置(代表位置とす
ることができ、例えば、緯度経度で特定することができる。)、ポート2を管理している
管理者を示す管理者ID、ポート2に駐車可能な自転車1の数(駐車可能台数)、現在駐
輪可能な台数(空いているスペース22の数)などが含まれる。なお、ポート2が第三者
により管理されていない場合には、管理者IDには値が設定されなくてよい。
【0034】
管理者記憶部232は、管理者に関する情報(管理者情報)を記憶する。管理者情報に
は、管理者を特定する管理者ID、支払情報が含まれうる。支払情報は、例えば、管理者
に対して報酬を支払う場合に必要な情報とすることができる。ポート2の提供に対する報
酬を、支払情報に基づいて支払うことができる。
【0035】
画像記憶部233は、駐車画像を記録する。画像記憶部233は、駐車画像を撮影した
利用者を特定する利用者ID、駐車画像の撮影日時、駐車画像に写っている自転車1を示
す機体ID、駐車画像が撮影された位置、駐車画像に映っている自転車1が駐輪されてい
るポート2を示すポートID、及び駐車画像の画像データを含めることができる。
【0036】
機体情報記憶部234は、自転車1に関する情報(機体情報)を記憶する。機体情報に
は、自転車1を特定する機体ID、機体情報が最後に更新された日時(最終更新日時)、
最終更新日時における自転車1の位置及び自転車1の充電量、自転車1が現在利用中であ
るか否かを示すフラグ(利用中フラグ)、ならびに、自転車1が駐車されている場合には
、駐車されているポート2を示すポートIDを含めることができる。機体情報は、定期的
に更新することができる。
【0037】
利用履歴記憶部235は、利用者による自転車1の利用履歴を記憶する。利用履歴には
、自転車1を利用した利用者を特定する利用者ID、自転車1の利用の開始日時及び終了
日時、利用者が利用した自転車1を特定する機体ID、利用者が自転車1の利用を開始し
たポート2(出発ポート)、自転車1の目的地のポート2(到着ポート)、ならびに、利
用料金を含めることができる。
【0038】
広告記憶部236は、広告に関する情報(広告情報)を記憶する。広告情報には、広告
を特定する広告IDに対応付けて、広告を出力する条件及び広告データが含まれる。条件
は、各種の情報に対する条件であってよく、例えば、自転車1が利用されるとき、あるい
は、自転車1の利用が終了したときなどの時期的な条件であってもよいし、自転車1が特
定のポート2に駐車された場合や、特定の場所を通って(機体情報の位置が特定の場所の
近傍を通過した場合)など空間的な条件であってもよいし、利用者が女性である場合など
利用者の属性に対する条件であってもよい。広告データは、例えば、HTMLにより記載
された画面データであってもよいし、動画データや静止画像データ、プレインテキストの
データなどとすることもできる。
【0039】
ポート情報提供部211は、利用者端末13にポート情報を提供する。ポート情報提供
部211は、利用者端末13からのリクエスト(利用開始要求であってもよいし、他のリ
クエストであってもよい。)に応じてポート情報を提供することができる。ポート情報提
供部211は、例えば、利用開始要求に目的地(又は目的の座標等)が含まれている場合
に、指定された目的地近傍の、あるいは指定された座標から所定距離内の位置のポート情
報をポート情報記憶部231から検索し、検索結果のリストを応答することができる。ま
た、ポート情報提供部211は、例えば、定期的にポート情報をブロードキャストし、あ
るいはセッションの確立している利用者端末13のそれぞれに送信するようにすることも
できる。
【0040】
利用開始処理部212は、利用者による自転車1の利用開始に係る処理を行う。本実施
形態では、利用開始処理部212は、利用者端末13から利用開始要求を受信し、受信し
た利用開始要求に指定されている自転車1が利用可能であるか否かを後述する利用可否判
定部213に判定させる。また、利用開始処理部212は、利用開始要求に目的ポート2
が設定されていない場合には、目的ポート2を設定するように指示するメッセージを利用
者端末13に送信することができる。また、目的ポート2が指定されている場合には、利
用開始処理部212は、後述する利用可否判定部213に、利用可否を判定させることが
できる。利用可否判定部213が利用可能と判断した場合、利用開始処理部212は、後
述のロック通信部215に、利用開始要求に指定されている自転車1のロックを解除する
ように解除命令を送信させ、また、利用開始処理部212は、出発ポート(指定された自
転車1が現在駐車しているポート、すなわち機体情報に含まれるポートIDが示すポート
)のポート情報の空き台数に1加算し、目的ポートに対応するポート情報の空き台数を1
減算することができる。さらに、利用開始処理部212は、指定された自転車1に対応す
る機体情報の利用中フラグを真に更新することができる。
【0041】
利用開始処理部212は、利用開始時に広告を送信することができる(広告送信部)。
利用開始処理部212は、例えば、条件が満たされている広告情報を広告記憶部236か
ら検索し、検索いた広告情報の広告データを利用者端末13に送信することができる。ま
た、利用開始処理部212は、例えば、出発ポート又は目的ポートの近傍に関する広告情
報を検索するようにしてもよい。また、利用開始処理部212は、複数の広告情報が検索
できた場合には、出発ポート又は目的ポートに近い場所の条件が設定されている広告デー
タを優先的に送信することができる。
【0042】
利用可否判定部213は、自転車1の利用可否を判定する。利用可否判定部213は、
例えば、機体情報の利用中フラグが真であれば、利用不可と判定することができる。利用
可否判定部213は、機体情報の充電量が所定値未満であれば利用不可と判定することが
できる。また、利用可否判定部213は、目的ポートのポート情報の空き台数が0であれ
ば利用不可と判定することができる。さらに、利用可否判定部213は、例えば、ブラッ
クリスト(不図示)に利用者IDが登録されている場合には、利用不可と判定することが
できる。上記のような不可判定が行われなかった場合、利用可否判定部213は、自転車
1が利用可能であると判定することができる。
【0043】
利用料金決定部214は、自転車1の利用料金を決定する。利用料金決定部214は、
例えば、自転車1の利用時間に応じて利用料金を決定することができる。また、利用料金
決定部214は、例えば、自転車1の種類に応じた所定の金額を利用料金として決定する
ようにしてもよい。利用料金決定部214は、また、例えば、利用者の属性や、利用履歴
などに応じて価格を変動させるダイナミックプライシングを行うことができる。利用料金
決定部214は、例えば、利用頻度の高い利用者に対して安価な利用料を設定し、特定の
キャンペーン対象の属性を有する利用者に対して安価な利用料を設定し、利用頻度(利用
履歴の数)が所定数以上である場合に、段階的に安価な利用料を決定するようにしてもよ
い。
【0044】
また、利用料金決定部214は、ポートごとに固定のまたは動的な利用料金を設定する
こともできる。利用料金決定部214は、例えば、目的ポートの空き台数に応じて(空き
台数が多いほど安くなるように)利用料金を決定することもできる。また、利用料金決定
部214は、目的ポートの利用率(1日、1週間などの所定期間中に出発又は目的のポー
トとして利用された回数の駐車可能台数に対する割合)に応じて(利用率が高いほど高く
なるように)利用料金を決定することもできる。また、利用料金決定部214は、ポート
の駅や商業施設などからの距離に応じて(距離が短いほど高くなるように)利用料金を決
定することもできる。
【0045】
また、利用料金決定部214は、自転車1のルートに応じて利用料を設定することもで
きる。例えば、利用料金決定部214は、特定のルートを通った場合には、利用料金に加
算を行うことができる。例えばイルミネーションやスポーツ観戦、ライブイベントなど混
雑が見込まれる場所については、利用料金を高く設定することができる。逆に、利用料金
決定部214は、所定のルートを通ると利用料金を減額するようにしてもよい。例えば、
商業施設や商店が面している道路のトラフィックを増やしたいような場合や、イベントや
お祭りなどで、一本脇道の活性化を目指したいような場合、新しく建てた商業施設を認知
してほしいような場合などには、プロモーション目的で利用料金を安価に設定するように
することができる。この場合において、例えば、商業施設等に課金を行うようにしてもよ
い。利用料金決定部214は、例えば、自転車1が料金が加算される道路に向かって進行
していることを検知して、あるいは、料金が加算される道路上に自転車1が存在すること
を検知して、利用者の端末(又は自転車1の通信機11)に対してアラートを送信し、利
用者の端末又は通信機11からアラートを出力するようにしてもよい。また、利用料金決
定部214は、例えば、現在自転車1が進行中の道路に平行する道路の料金が安価に設定
されている場合に、その旨を利用者の端末や通信機11に通知するようにしてもよい。
【0046】
ロック通信部215は、自転車1のロック装置12の施解錠を制御する。本実施形態で
は、ロック通信部215は、施解錠命令を通信機11に送信することによりロック装置1
2の施解錠を行うことができる。
【0047】
利用終了処理部216は、自転車の利用終了時に必要な処理を行う。利用終了処理部2
16は、利用終了要求に駐車画像が含まれていない場合には、駐車画像を撮影するように
指示するメッセージを利用者端末13に送信することができる。また、利用終了処理部2
16(降車画像受信部)は、利用者端末13から受信した駐車画像を、利用者の利用者I
D、日時、機体ID、位置情報、目的ポートを示すポートIDを付帯させて画像記憶部2
33に登録することができる。また、利用終了処理部216は、利用終了要求に設定され
ている位置情報又は機体情報の位置情報に基づいて、自転車1が目的ポート2にあるか否
かを判定し、目的ポート2に到着していないと判定した場合には、終了不可と判定し、そ
の旨を示すメッセージを利用者端末13に送信することができる。利用終了処理部216
は、利用終了要求に設定されている機体IDに対応する機体情報の利用中フラグを偽に更
新することができる。
【0048】
また、利用終了処理部216は、利用終了時に広告を利用者端末13に送信することが
できる。利用終了処理部216は、例えば、利用終了要求に応答して、条件が満たされて
いる広告情報のうちの一つの広告データを利用者端末13に送信することができる。
【0049】
<動作>
以下、本実施形態の運用支援システムの動作について説明する。
【0050】
図10は、自転車1の利用開始時における運用支援システムの動作を説明する図である
。利用者は自転車1を利用する際に、利用者端末13を用いて自転車1に貼付されている
QRコード(登録商標)を読み取り(S401)、機体IDを取得する。利用者端末13
は、取得した機体IDを設定した利用開始要求を管理サーバ20に送信する(S402)
。管理サーバ20からは、目的ポートを設定することを指示するメッセージが応答される
(S403)。利用者端末13は、利用者から目的地の選択を受け付ける(S404)。
目的地の選択は、地図上から所定の位置の指定を受け付けたり、駅名やエリア名等の指定
を受け付けたりすることにより行うことができる。利用者端末13は、目的地を設定した
ポートリクエストを管理サーバ20に送信し(S405)、管理サーバ20からは目的地
近傍のポートの一覧が応答される(S4076)。
【0051】
利用者端末13は、応答されたポートの一覧を出力し、その中から目的ポートの指定を
受け付けることができる(S407)。利用者端末13は、例えば、
図6に示すような画
面から目的ポートの指定を受け付けることができる。利用者端末13は、機体IDと目的
ポートを示すポートIDとを設定した利用開始要求を管理サーバ20に送信する(S40
8)。
【0052】
管理サーバ20は、受信した利用開始要求に応じて自転車1の利用可否を判定する(S
409)。利用可否の判定は、上述した利用可否判定部213により行われる。自転車1
の利用が可能と判断された場合には、利用料金を決定する(S410)。利用料金は、上
述した利用料金決定部214により決定される。管理サーバ20は、機体IDが示す自転
車1の通信機11に対して解錠命令を送信し(S411)、通信機11は、受信した解錠
命令に応じてロック装置12を制御して解錠する(S412)。
【0053】
一方で、管理サーバ20からは利用が開始されたことを表すメッセージとともに、広告
データが利用者端末13に送信される(S413)。広告データは、利用者端末13にお
いてメッセージとともに表示される。
【0054】
図11は、自転車1の利用終了時における運用支援システムの動作を説明する図である
。利用者は自転車1を目的ポートまで乗車していった後、利用者端末13を操作して、自
転車1の利用終了のために利用終了要求を管理サーバ20に送信する(S421)。利用
終了要求には、自転車1の機体IDと、現在位置とが設定される。
【0055】
管理サーバ20では、現在位置に応じて現在自転車1が到着しているポートを判定する
ことができる(S422)。管理サーバ20は、利用終了要求に駐車画像が設定されてい
ない場合には、駐車画像を撮影するように指示するメッセージを利用者端末13に送信す
ることができる(S423)。
【0056】
利用者端末13は、メッセージを表示し、この表示に応じて利用者は利用者端末13を
用いて自転車1を駐車した状態を撮影する(S424)。利用者端末13は、策定した駐
車画像を管理サーバ20に送信し(S425)、管理サーバ20において、画像が画像記
憶部233に登録され、利用履歴も登録される(S426)。管理サーバ20は、さらに
自転車1に対して施錠する旨の命令を送信する(S427)。
【0057】
自転車1の通信機11は管理サーバ20から施錠命令を受信すると、これに応じてロッ
ク装置12を制御して施錠を行うことができる(S428)。
【0058】
一方で、管理サーバ20からは利用が終了したことを表すメッセージとともに、広告デ
ータが利用者端末13に送信される(S429)。広告データは、利用者端末13におい
てメッセージとともに表示される。
【0059】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするため
のものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸
脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0060】
例えば、本実施形態では、通信機11と管理サーバ20とが直接通信を行うものとして
いたが、これに限らず、通信機11と管理サーバ20との間に、例えば、APIサーバな
どのコンピュータを介在させるようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、管理サーバ20は1台のコンピュータであるものとしたが、こ
れに限らず、複数台のコンピュータにより実現し、管理サーバ20の備える各種機能を複
数のコンピュータに分散させるようにしてもよい。
【0062】
<機体の指定をしない>
また、本実施形態では、利用開始要求には、自転車1を示す機体IDと、目的ポートと
が指定されるものとしたが、目的ポートを設定しつつも機体IDを設定しないようにして
もよい。この場合、利用者による予約時には、目的ポートの確保のみが行われ、その後に
利用者が出発ポートにおいて利用する自転車1を決定したところで、2回目の利用開始要
求に機体IDを設定して管理サーバ20に送信することができる。
【0063】
<出発ポートを指定する>
また、利用開始要求には、機体の指定に代えて、出発ポートを設定するようにしてもよ
い。この場合、利用者端末13は、出発ポート設定部を備えるようにし、
図6と同様の画
面により出発ポートの指定を受け付けるようにすることができる。また、利用可否判定部
213は、出発ポートに利用可能な自転車1が存在しており、かつ、目的ポートに空きが
ある場合に利用可能と判断することができる。また、ポート2に複数種類の乗り物(例え
ば、電動アシスト自転車、電動自転車、電動スクーター、電動アシストスクーター、電動
キックボード、電動キックボード、電動スケートボード、電動アシストスケートボード、
電動平行二輪車など)が存在し得る場合(すなわち共有サービスに供されている場合)に
は利用開始要求には乗り物の種類の指定をするようにしてもよい。この場合、管理サーバ
20は、どのポート2にどの種類の乗り物が停まっているのかを管理するようにし、利用
開始要求に指定された種類の乗り物が利用可能であるか否かを判断することができる。
【0064】
<利用時間/到着時刻を指定する>
また、利用開始要求には、利用時間又は目的ポートへの到着時刻を指定するようにして
もよい。この場合、利用開始要求には、さらに少なくとも目的ポートが指定される。利用
開始要求には、さらに機体IDを指定するようにしてもよいし、出発ポートを指定するよ
うにしてもよい。利用開始要求には、さらに利用開始時刻を指定してもよい。利用開始要
求に出発ポートと利用開始時刻とが指定されたときには、利用可否判定部213は、指定
された出発ポートに駐車されている自転車1が存在しない場合にも、出発時刻までに、他
の利用者が目的ポートに到着する予定が存在する場合には、予約可能と判定することがで
きる。目的ポートに到着する予定は、利用時間又は到着時刻に応じて判断することができ
る。
【0065】
<オーバーブックを許容する>
また、本実施形態では、目的ポートに空きがなければ予約不可としたが、目的ポートの
空きがない場合にも予約を受け付けるようにすることができる。この場合、利用可否判定
部213は、例えば、利用可否判定部213は、目的ポートのポート情報の空き台数が負
の数の閾値(すなわち、-1×許容台数)以上であれば利用可能と判定するようにするこ
とができる。
【0066】
ここで、管理サーバ20は、目的ポートの空きがない場合にさらに所定数以上の予約を
受け付けたことを契機として、当該ポートの自転車1の利用を誘引するメッセージを利用
者に送信することができる。メッセージは、例えば、電子メールやチャットなどのメッセ
ージとして送信してもよいし、利用者端末13で動作するアプリケーションへのプッシュ
通知として送信するようにしてもよい。このときに、管理サーバ20は、利用者への報奨
を付与してもよい。例えば、管理サーバ20は、利用者にイントを発行したり、料金を割
り引いたり、クーポンを発行したりすることができる。
【0067】
<オーバーブックの許容数の予測>
また、目的ポートに空きがない場合にも予約を受け付けるときに、管理サーバ20は、
当該予約に係る利用者が当該目的ポートに到着するまでに、当該目的ポートを出発ポート
として他の利用者が利用する自転車1の台数を予測し、予測した台数を、目的ポートの空
きがない場合に予約可能な台数(許容台数)として予約の可否を判定することができる。
【0068】
<オーバーブックで降車できない場合の報奨>
また、目的ポートに空きがない場合にも予約を受け付けるときに、当該予約に係る利用
者が当該目的ポートに到着して降車する際に空きスペース22がなければ、管理サーバ2
0は、当該利用者に対して当該目的ポートの近隣のポート2に移動してもらうように指示
するメッセージを送信するとともに、当該利用者に対して価値を支払うようにすることが
できる。
【0069】
この場合、管理サーバ20は、利用者端末13から駐車できない旨を示すメッセージ(
利用を終了する自転車1を示す機体ID又は目的ポートのポートIDが設定される。)を
受信することで目的ポートで駐車ができない(すなわち、利用者が自転車1の利用を終了
できない)ことを検知することができる。
【0070】
また、管理サーバ20は、利用者端末13から受信する利用終了要求に目的ポートのポ
ートIDが設定されていれば、当該ポートIDが示すポート情報の空き台数が0以下であ
ることにより駐車ができないことを検知することもできる。また、管理サーバ20は、利
用者端末13から受信する利用終了要求に設定された機体IDに対応する機体情報のポー
トIDが示すポート情報の空き台数が0以下であることにより駐車ができないことを検知
することもできる。
【0071】
管理サーバ20は、目的ポートで駐車ができないことを検知した場合、目的ポートの位
置(ポート情報の位置)から所定距離内の位置に対応するポート情報を検索することがで
きる。ここで管理サーバ20は、目的ポートの位置から最も近い位置のポート情報を検索
するようにしてもよい。また、管理サーバ20は、目的ポートの位置から所定距離内の(
又は最も近い)位置に対応するポート情報のうち、空き台数が所定数(例えば1とするこ
とができる。)以上のものを検索することができる。
【0072】
管理サーバ20は、検索したポート情報が示すポート2を含む、自転車1の移動(目的
ポートの変更)を指示するメッセージを利用者端末13に送信する。利用者端末13は、
当該メッセージを受信した場合には、例えば、
図6と同様に、地図上に移動先の候補とな
るポート2を表示することができる。ここで管理サーバ20が当該利用者に対して支払う
価値は、例えば、自転車1の利用料金の割引(無料化を含む。)、利用料金以上の金銭の
支払い、クーポンの発行、ポイントの発行を含み得る。
【0073】
この場合において、目的ポートに空きがないにもかかわらず予約を受け付ける際に、管
理サーバ20は、利用者に対して、目的ポートに空きがないこと、目的ポートに到着した
ときにも空きがなければ近隣のポート2まで移動してもらう可能性があることを通知して
利用者から了承を得ておくことができる。その際に管理サーバ20は、目的ポートの近隣
のポート2を併せて通知することができる。
【0074】
<近隣の提案>
また、管理サーバ20は、予約時に目的ポートに空きがない場合、近隣ポートを提案す
ることができる。例えば、管理サーバ20は、利用者端末13から利用開始要求を受信し
た場合に、利用開始要求に設定されている目的ポートのポートIDが示すポート情報の空
き台数が所定数(例えば0)以下である場合に、目的ポートの近隣のポート2(目的ポー
トのポート情報が示す位置から所定距離内の位置に対応する他のポート2)を利用者に提
案することができる。管理サーバ20は、空き台数と目的ポートからの距離に応じて優先
順位を付けて提案することもできる。例えば、管理サーバ20は、優先順位の高い順にソ
ートしたポート情報のリストを利用者端末13に送信し、利用者端末13では当該リスト
を表示することができる。また、管理サーバ20は、優先順位を付帯させてポート情報を
利用者端末13に送信し、利用者端末13では、例えば、
図6に示すような画面において
、優先順位の高いポートが目立つように地図上にポート2を表示することできる。
【0075】
ここで管理サーバ20は、上記所定数を0より大きい数とし、目的ポートの近隣のポー
ト2のうち、空き台数が当該所定数よりも多いポート2を提案するようにしてもよい。ま
た、所定数を0より大きい数とし、目的ポートの空き台数が0より大きく、当該所定数以
下である場合には、近隣のポート2の提案とともに、目的ポートを変更してもらうことに
対するリワード(例えば、利用料金の割引やポイントの付与、クーポンの発行など)を利
用者に提案することができる。
【0076】
<利用開始後に目的ポートを指定する>
また、自転車1の利用開始時には目的ポートを指定せずに予約し、利用者が利用終了前
(目的ポートへの到着前であっても、到着後であってもよい。)に、利用終了要求送信部
134が、降車する目的ポートを指定して利用終了要求を送信するようにしてもよい。こ
の場合に、管理サーバ20は、目的ポートに空きがあるか否かにより、利用終了の可否を
判定する利用終了可否判定部を備えるようにすることができる。利用終了可否判定部が利
用終了を不可と判断した場合、仮に利用者が目的ポートに自転車1を放置したとしても、
利用者への課金を継続し続けることができる。
【0077】
<次のユーザへの通知>
また、管理サーバ20は、自転車1の利用終了後に、他の利用者に対して通知を行うこ
とができる。管理サーバ20は、自転車1から受信した現在位置が目的ポートから所定距
離内になった場合に他の利用者に対して通知を行うようにしてもよい。この場合、管理サ
ーバ20は、例えば、利用者が自転車1を利用しようとしているポート2(出発ポート)
に機体がない場合に利用者から予約をとって予約を記憶しておくようにし、利用が終了し
た自転車1が駐車されているポート2において予約をしている利用者に対して通知を行う
ようにすることができる。また、自転車1の利用を終了しようとしている利用者が、友人
等の他の利用者を指定して、当該他の利用者に利用を終了した自転車1を引き継いで利用
させるようにすることもできる。
【0078】
<需給の予測に応じたダイナミックプライシング>
また、管理サーバ20は、自転車1の需給を予測し、予測した需給に応じた自転車1の
利用価格を決定する利用料金決定部を備えることができる。
【0079】
利用料金決定部は、ポート2での自転車1の需要量に応じて利用料金を決定することが
できる。利用料金決定部は、例えば、需要の高いポート2(駐車される自転車1の少ない
ポート2)に駐車されている自転車1については、他のポート2に駐車されている自転車
1よりも利用料金(時間単価、走行距離単価又は固定料金)を高く設定することができる
。需要量は、例えば、ポート2に駐車されている自転車1の数の少なさで表現することが
できる。利用料金決定部は、例えば、出発ポートとなるポート2に駐車されている自転車
1が少ないほど高くなるように利用料金を決定することができる。
【0080】
また、利用料金決定部は、需要の予測に応じて利用料金を決定するようにしてもよい。
利用料金決定部は、ポート2ごとに将来の所定時間(例えば、1時間、6時間、12時間
等任意の時間とすることができる。)の需要量(利用数)を予測し、予測した需要量に応
じて(例えば、需要量が多いほど高く)利用料金を決定することができる。需要量の予測
は、例えば、過去の利用履歴に基づいて行うことができる。利用料金決定部は、例えば、
ポート2の立地(所定幅以上の道路に面しているか、繁華街であるか住宅街であるか、駅
やバス停からの距離、コインパーキング等の有料駐車場からの距離、所定距離内の住人の
数又は昼間若しくは夜間人口など)、ポート2の大きさ(駐車スペースの数)、季節、時
間帯、曜日、天気、ポート2近くでのイベントの有無などの説明変数に基づいてポート2
から利用される自転車1の台数を予測する予測モデルを作成し、予測モデル記憶部に記憶
させておき、当該予測モデルを用いて需要量の予測を行うことができる。
【0081】
また、利用料金決定部は、ポート2での自転車1の供給量に応じて利用料金を決定する
ことができる。利用料金決定部は、例えば、供給の多いポート2(駐車される自転車1の
多いポート2)に駐車されている自転車1については、他のポート2に駐車されている自
転車1よりも利用料金(時間単価、走行距離単価又は固定料金)を安価に設定することが
できる。
【0082】
また、利用料金決定部は、ポート2ごとに将来の所定時間(例えば、1時間、6時間、
12時間等任意の時間とすることができる。)の供給量を予測し、予測した供給量に応じ
て(例えば、供給量が多いほど安く)利用料金を決定することができる。供給量の予測は
、目的ポートの予約数、すなわち、目的ポートに降車して駐車する自転車の数の予測によ
り行うことができる。利用料金決定部は、出発ポートと同様に、ポート2の立地や大きさ
、季節、時間帯、曜日、天気、ポート2近くでのイベントの有無などの説明変数に基づい
てポート2が目的ポートとされる予約の数を予測する予測モデルを作成し、当該予測モデ
ルを用いて供給量を予測することができる。
【0083】
また、利用料金決定部は、需要量(又は需要量の予測値)と供給量(又は供給量の予測
値)との両方に応じて利用料金を決定することができる。
【0084】
<需給の予測に応じたユーザへの通知(マッチング)>
また、ポート2の需給に応じて、利用者に対して自転車1の利用を誘引する通知を行う
ことができる。
【0085】
例えば、管理サーバ20は、需給に応じた通知を行う通知部を備えることができる。通
知部は、需要量が増えた場合、すなわち、ポート2に駐車されている自転車1の数が所定
数(又はポート2に駐車可能な台数に対する所定割合)を下回った場合に、当該ポート2
の自転車1の利用ができなくなる可能性についてのアラートを利用者に通知することがで
きる。通知の対象は、現在位置がポート2から所定距離内にある利用者端末13に限定す
ることができる。
【0086】
逆に、通知部は、供給量が増えた場合、すなわち,ポート2に駐車されている自転車1
の数が所定数(又はポート2に駐車可能な台数に対する所定割合)以上となった場合に、
空きスペースが確保できるように、当該ポート2の自転車1の利用促進のための通知を行
うことができる。この場合に、通知部は、例えば、割引(無料を含む。)やクーポンなど
のリワードを付帯させて通知を行うようにすることができる。通知の対象は、現在位置が
ポート2から所定距離内にある利用者端末13に限定することができる。
【0087】
また、供給量が増えた又は供給量が増える予測のポート2の近隣(当該ポート2の位置
から所定距離内)のポート2に駐車されている自転車1がない又は少ない(所定数又は所
定割合以下である)場合に、近隣のポート2の近く(近隣のポート2から所定距離内)に
いる利用者端末13の全て又は一部(例えば自転車1の予約のためのアプリケーションを
開いている利用者端末13のみ)に対し、供給量の増えた又は増える予測のポート2の利
用を提案する通知を行うことができる。この場合にも、上記のようなリワードを付帯させ
て通知することができる。
【0088】
<目的ポート指定時のルート提供>
また、自転車1の予約時に目的ポートまでのルートを提示するようにしてもよい。管理
サーバ20は、出発ポートから目的ポートまでのルートを提示するルート提示部を備える
ことができる。ルート提示部は、例えば、利用開始要求に応じて、指定された機体IDに
対応する機体情報のポートIDを取得し、取得したポートID(出発ポートのポートID
)と、利用開始要求に指定されている目的ポートのポートIDに対応するポートIDとの
それぞれに対応するポート情報の位置を取得して、出発ポートから目的ポートまでの走行
ルートを提示することができる。ルート検索については、例えば、既知のカーナビゲーシ
ョンシステムに用いられている手法を用いることができる。この場合、自動車専用道路な
どはルートから排除するとともに、ルーティングにあたって、自動車は走行できないが自
転車1は走行可能な道路を含むルートを検索するようにすることができる。
【0089】
<移動手段の組み合わせ>
また、ルート提示部は、複数種類の移動手段を組み合わせてルートを提示することがで
きる。この場合、ルート提示部は、上述した各種の乗り物(例えば、電動アシスト自転車
、電動自転車、電動スクーター、電動アシストスクーター、電動キックボード、電動キッ
クボード、電動スケートボード、電動アシストスケートボード、電動平行二輪車など)に
加えて、カーシェアリングによる自動車や、タクシー、電車、バスなどの公共交通機関、
徒歩なども含めた複数の移動手段の組み合わせによるルートを作成することができる。こ
の場合、ポート2には、駅やバス停、タクシー乗り場なども含めるようにし、ポート2間
を徒歩で移動することも含めたルーティングを行うことができる。
【0090】
<駐車画像の解析>
管理サーバ20は、駐車画像を解析して、自転車1が正しく駐車されていることを確認
する駐車確認部を備えるようにしてもよい。駐車確認部は、駐車画像を解析し、ポート2
内の駐車スペースに正しく駐車されているか否かを判定することができる。正しく駐車さ
れているか否かの判定には、例えば、正しく駐車された状態を撮影した複数の駐車画像と
、正しく駐車されていない状態を撮影した複数の駐車画像と、正しく駐車されているか否
かを示す情報とを機械学習により学習させた分類器を作成し、当該分類器を用いることが
できる。駐車確認部は、自転車1が正しく駐車されていない場合には、利用者端末13に
対してアラートを通知することができる。駐車確認部は、自転車1が正しく駐車されてい
ない場合には、利用終了を許可しない(課金を継続する)ようにすることができる。
【0091】
<緊急停車>
本実施形態では、目的ポートでの降車を前提としていたが、例えば、故障時や体調不良
時その他の緊急時には、目的ポート以外での降車を許可してもよい。この場合、利用者端
末13は、緊急停車の要求(以下、緊急停車要求という。)を管理サーバ20に送信する
ことができる。緊急停車要求には、利用者を示す利用者IDと自転車1を示す機体IDと
が設定されうる。緊急停車要求から利用者IDが省略されてもよい。この場合、管理サー
バ20は、緊急停車要求に設定されている機体IDに対応する機体情報のポートIDを削
除し、例えば、緊急停車を示す情報に更新することができる。
【0092】
緊急停車された自転車1は、サービスの運営者が回収し、いずれかのポート2に配送す
ることができる。また、管理サーバ20は、緊急停車された自転車1の利用を誘引するた
めの通知を送信する利用誘引通知部を備えることができる。利用誘引通知部は、例えば、
緊急停車された自転車1の機体情報(ポートIDに緊急停車を示す情報が設定されている
機体情報)の位置を設定したメッセージを、当該機体情報の位置から所定距離内にいる利
用者端末13に対して送信することができる。利用誘引通知部は、緊急停車された自転車
1の利用に係るリワードを付与してもよい。例えば、利用誘引通知部は、緊急停車された
自転車1をいずれかのポート2まで乗って移動してくれる利用者に対して、金銭やポイン
ト、クーポンなどの価値を提供し、及び/又は、当該移動に係る自転車1の利用料金を割
引若しくは無料とすることができる。
【0093】
管理サーバ20は、予め設定された停車禁止エリアでは緊急停車を許可しないようにし
てもよい。この場合、管理サーバ20は、停車禁止エリアを示す情報を記憶する停車禁止
エリア情報記憶部と、緊急停車の可否を判定する緊急停車可否判定部とを備えることがで
きる。緊急停車可否判定部は、例えば、受信した緊急停車要求に設定されている機体ID
に対応する機体情報の位置が、予め設定された所定の停車禁止エリアに入っているか否か
を判定し、停車禁止エリアに入っていた場合には、停車ができない旨を示すアラートを利
用者端末13に送信することができる。また、緊急停車可否判定部が停車できないと判定
した場合には、利用を終了しない(課金を継続する)ように制御することができる。
【0094】
また、利用可否判定部は、所定時間以上停車禁止エリア内に止まっている自転車1につ
いて、アラートを送信することができる。利用可否判定部は、アラートを、利用者端末1
3に送信するようにしてもよいし、共有サービスの運営者に通知するようにしてもよい。
利用可否判定部は、例えば、機体情報の位置を監視して、停車禁止エリアに入っているも
のについて、所定時間以上位置が変化しないものを検出し、検出した機体情報が示す自転
車1を利用している利用者又はサービスの運営者ににアラートを送信することができる。
【0095】
<キャンセル待ち>
また、本実施形態では、目的ポートに空きがない場合には、予約ができないものとした
が、目的ポートのキャンセル待ちができるようにしてもよい。この場合、管理サーバ20
は、ポート2ごとにキャンセル待ちの利用者を記憶するキャンセル待ち記憶部を備えるこ
とができる。管理サーバ20は、他の利用者が自転車1の利用を終了した場合に、降車し
たポート2に対応付けてキャンセル待ちしている利用者を特定し、特定した利用者の利用
者端末13に対して、自転車1が利用可能になった旨のメッセージを送信することができ
る。または、管理サーバ20は、キャンセル待ちをしている利用者が、降車された自転車
1を自動的に利用可能に設定するようにしてもよい。
【0096】
<事前確定料金>
本実施形態では、利用料金決定部214は、自転車1の利用が終了したところで利用料
金を決定するものとしたが、利用料金決定部214は、予約時に利用料金を確定させても
よい。例えば、利用料金決定部214は、出発ポートから目的ポートまでのルートを取得
し、取得したルートの距離を取得し、取得した距離と平均的な自転車1の速度とから到着
までの時間を推定し、推定した時間に応じて確定利用料金を決定することができる。ルー
トの取得は、例えば、ナビゲーションシステムに採用されている方式を用いることができ
る。また、ルートの取得は、例えば、地図サービスを提供している地図サーバが提供する
APIを利用して行うようにしてもよい。ルートに基づく距離の算出は、例えば、ルート
に含まれるウェイポイントの座標に基づいて算出するようにしてもよいし、地図サーバが
提供するAPIを利用してルートの走行距離を取得するようにしてもよい。
【0097】
また、利用料金決定部214は、渋滞情報、交通規制情報など、ルートに関する情報を
取得し、取得した情報に応じて確定利用料金を変動させるようにしてもよい。
【0098】
また、利用料金決定部214は、推定していた利用時間を大幅に超えた場合(所定の閾
値以上超えた場合)、確定利用料金をキャンセルし、実際にかかった利用時間に応じた利
用料金を決定するようにしてもよい。この場合、確定利用料金の算出時に、確定利用料金
の有効期間(目的ポートへの到着予定時刻から所定の設定時間後)を提示するようにする
ことができる。
【0099】
<目的ポート確保の有効時間>
また、本実施形態では、目的ポートの予約は自転車1が到着するまで有効であるものと
したが、有効期限を設定するようにしてもよい。例えば、予約時刻から所定時間(例えば
、1時間、2時間など任意の時間を設定することができる。)経過後までを目的ポートの
予約の有効期限として設定することができる。この場合、有効期限が経過したときに、管
理サーバ20は、利用者端末13に対して有効期限が経過したことを通知することができ
る。また、管理サーバ20は、有効期限が経過した場合に、再度目的ポートを予約するこ
とができる。ここで予約が不可であった場合には、管理サーバ20は、利用者に対して空
きのあるポート2を目的ポートとして設定するように指示することができる。
【0100】
<目的ポートの空き通知>
また、管理サーバ20は、ポート2の空きが出たことの通知を行う空き通知部を備える
ようにしてもよい。空き通知部は、例えば、利用者端末13からのポート2を指定したリ
クエストに応じて、当該ポート2に空きスペースができたタイミングで通知を行うように
することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 自転車
2 ポート
11 通信機
12 ロック装置
13 利用者端末
20 管理サーバ
30 通信ネットワーク
111 施解錠命令受信部
112 施解錠制御部
113 位置情報取得部
114 位置情報送信部
131 機体特定部
132 利用開始要求送信部
133 目的ポート決定部
134 利用終了要求送信部
135 機体撮影部
211 ポート情報提供部
212 利用開始処理部
213 利用可否判定部
214 利用料金決定部
215 ロック通信部
216 利用終了処理部
231 ポート情報記憶部
232 管理者記憶部
233 画像記憶部
234 機体情報記憶部
235 利用履歴記憶部
236 広告記憶部