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特開2022-77508希土類前駆体、その製造方法及びこれを用いて薄膜を形成する方法
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  • 特開-希土類前駆体、その製造方法及びこれを用いて薄膜を形成する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077508
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】希土類前駆体、その製造方法及びこれを用いて薄膜を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 19/00 20060101AFI20220516BHJP
   C23C 16/18 20060101ALI20220516BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220516BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20220516BHJP
   C07F 5/00 20060101ALN20220516BHJP
【FI】
C07F19/00 CSP
C23C16/18
H01L21/31 B
H01L21/316 X
C07F5/00 D
C07F5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181090
(22)【出願日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0149843
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519350498
【氏名又は名称】ハンソル ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANSOL CHEMICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】7-8F, 513, Teheran-ro, Gangnam-gu, Seoul 06169, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク, ミ-ラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨム, キュ-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ヒョン-ギョン
(72)【発明者】
【氏名】ソク, チャン-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク, チュン-ウ
【テーマコード(参考)】
4H048
4H050
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4H048AA01
4H048AA03
4H048VA32
4H048VA70
4H048VB10
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB99
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA16
4K030BA42
4K030BA59
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA03
4K030EA01
4K030FA01
4K030FA10
4K030HA01
4K030JA05
4K030JA06
4K030JA09
4K030JA10
4K030JA11
4K030LA15
5F045AA04
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB31
5F045AB32
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F058BC02
5F058BF04
5F058BF06
5F058BF22
5F058BF29
5F058BF30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition、ALD)、または、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)に適用可能であり、熱的安定性及び反応性に優れた希土類化合物、これを含む希土類前駆体、その製造方法及びこれを用いて薄膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】例えば、ランタンクロライドと、1,3-ジメチルイミダゾリウムクロライドまたはブロマイドの混合溶液中にナトリウムビストリメチルシリルアミドを添加して合成した、(Me、Me-NHC)La[N(SiMeが示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物。
【化1】

前記化学式1において、
Mは、希土類元素であり、
1~R6は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
7~R9は、それぞれ独立して、炭素数1~5の線状または分枝状のアルキル基;-OR10;または-N(R112であり、
前記R10は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
前記R11は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基;またはSi(R123であり、
前記R12は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基である。
【請求項2】
1~R6、R10~R12は、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基からなる群より選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化学式1の
【化1(1)】

は、下記化学式1a~1jで表されるリガンドからなる群より選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【化1a】

【化1b】

【化1c】

【化1d】

【化1e】

【化1f】

【化1g】

【化1h】

【化1i】

【化1j】
【請求項4】
前記化合物は、下記化学式1-1~化学式1-7で表される化合物からなる群より選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物。
【化1-1】

【化1-2】

【化1-3】

【化1-4】

【化1-5】

【化1-6】

【化1-7】

前記化学式1-1~1-7において、
Mは、希土類類元素であり、
tBuは、tert-ブチルである。
【請求項5】
前記希土類元素は、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)またはルテチウム(Lu)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化合物を含む、気相蒸着前駆体。
【請求項7】
請求項6に記載の気相蒸着前駆体をチャンバーに導入するステップを含む、薄膜の製造方法。
【請求項8】
前記薄膜の製造方法は、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition、ALD)、または、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)を含む、請求項7に記載の薄膜の製造方法。
【請求項9】
反応ガスとして水素(H2)、酸素(O)原子含有化合物及び窒素(N)原子含有化合物のいずれか一つ以上を注入するステップをさらに含む、請求項7に記載の薄膜の製造方法。
【請求項10】
前記反応ガスは、酸素(O2)、オゾン(O3)、水(H2O)、過酸化水素(H22)、窒素(N2)、アンモニア(NH3)及びヒドラジン(N24)中より選択されたいずれか一つ以上のものである、請求項9に記載の薄膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気相蒸着を通じて薄膜蒸着が可能な気相蒸着化合物に関するものであって、具体的には、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition、ALD)、または、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)に適用可能な揮発性及び熱的安定性に優れ、反応ガスとの反応性に優れた希土類前駆体、その製造方法及びこれを用いて薄膜を形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここ数十年の間に誘電体として使用されていた酸化ケイ素(SiO2)は、近年、半導体素子の密集パッキングとミクロ化するチャネル長さに伴い、「金属ゲート/ハイ-K(High-k)」トランジスタに置き換えられている。
【0003】
特に、動的ランダムアクセス記憶装置(Dynamic Random Access Memory、DRAM)のメモリ素子及びキャパシタのための新しいゲート誘電体材料が求められている。
【0004】
素子のサイズが20nm水準に進入することにより、高誘電定数材料及び工程への要求が増加している。
【0005】
好ましくは、高k(High-k)物質は、高いバンドギャップ及びバンドオフセット、高いk値、ケイ素上に対する優れた安定性、最小のSiO2界面層及び基材上の高品質界面を有しなければならない。また、非晶質または高結晶質の温度フィルムが好ましい。
【0006】
酸化ケイ素を置き換えるために活発に研究及び適用されている代表的な高k物質としては、酸化ハフニウム(HfO2)などがあり、特に10nm以下の工程では、次世代の高k物質が持続的に求められている。
【0007】
次世代の高k物質の有力な候補としては、希土類がドープされた酸化ハフニウムなどが挙げられている。
【0008】
特に、希土類元素含有材料は、進歩したケイ素CMOS、ゲルマニウムCMOS及びIII-V族トランジスタ素子として有望な高k誘電体物質であり、これを基材とした新世代の酸化物は、通常の誘電体材料に比べて容量の面で相当な利点を提供するものと報告されている。
【0009】
また、希土類元素含有材料は、強誘電性、焦電性、圧電性、抵抗変換などの特性を有するペロブスカイト材料の製造への応用が期待されている。つまり、有機金属化合物前駆体を使用する蒸着工程を通じてABO3型のペロブスカイトを製造し、A、B、陽イオン(希土類または遷移金属)の種類や組成を調節し、素材の誘電性、電子伝導性及び酸素イオン伝導度など様々な特性を付与して、燃料電池、センサー、二次電池などの様々な産業分野に用いるための研究が進んでいる。
【0010】
そのほかにも、希土類元素含有材料は、多層酸化物薄膜構造の優れた水分浸透抵抗性を活用した封止用素材や次世代の不揮発性メモリの具現に活用するために活発に研究されている。
【0011】
しかし、依然として希土類含有層の蒸着が難しいため、新しい材料及び工程が持続的に求められている。これについて、様々なリガンドを有する希土類前駆体が研究されてきた。
【0012】
希土類前駆体を構成するリガンドの代表的な例としては、アミド(amide)、アミジナート(amidinate)、ベタ-ジケトナート(β-Diketonate)、シクロペンタジエニル(cyclopentadienyl、Cp)などの化合物群があるが、これらの前駆体は、高い融点、低い蒸着温度、高い薄膜内の不純物、比較的低い反応性など、実際の工程には適用し難いという欠点があった。
【0013】
具体的には、ランタン-2,2,6,6-テトラメチルヘプタンジオナート([La(tmhd)3])は、260℃以上の高い融点を有し、希土類-2,2,7-トリメチルオクタンジオナート([La(tmod)3])の融点は197℃である。また、ベタ-ジケトナートの伝達効率は制御することが非常に難しく、薄膜成長率が低く、カーボン不純物生成率が高いため、薄膜純度が低い。
【0014】
シクロペンタジエニル(cyclopentadienyl、Cp)の化合物は、一部の液体の化合物の具現が可能であるが、工程評価において薄膜内の炭素不純物の含有量が高いという欠点がある。
【0015】
分子設計は、揮発性を向上させ、融点を低下させることに役立つことができるが、工程条件で制限された用途を有するものと判明された。例えば、La(iPrCp)3(iPrは、イソプロピル(isopropyl))は、225℃より高い温度ではALD工程に適しない。
【0016】
アミド系リガンドであるRE(NR23(REは、希土類元素)は、化合物の構造的不安定性により、ALDやCVD工程に適しない。
【0017】
また、現在、活用可能な希土類含有前駆体のうち一部は、蒸着工程で使用の際に多くの問題点が生じる。例えば、フッ素化希土類前駆体は、副産物として、REF3(REは、希土類元素)を生成することがある。この副産物は除去し難いものと知られている。
【0018】
すなわち、従来の希土類前駆体は、高温で熱的に安定していないため、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)及び原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)工程時に低い蒸着率が生じるという欠点があった。
【0019】
その結果、希土類含有フィルムの蒸着のための代替的な前駆体の開発が所望の実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2138707号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、前記のように言及された既存の希土類前駆体の問題点を解決するためのものであって、熱的安定性及び揮発性に優れ、反応ガスとの反応性に優れた蒸着用希土類前駆体化合物を提供することにその目的がある。
【0022】
また、本発明は、前記希土類前駆体化合物を用いる薄膜製造方法を提供しようとする。
【0023】
しかし、本願が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前述のような希土類前駆体の問題点を解決するために、様々なリガンドに対する研究が行われていたが、前駆体のすべてのリガンドの種類が同一なホモレプティック(homoleptic)希土類前駆体は、依然として同一の問題点を有していた。また、以降新しく登場したヘテロレプティック(heteroleptic)の化合物は、熱的安定性及び揮発性を有する利点があるが、反応ガスとの反応性が低いという欠点があった。
【0025】
そこで、本発明者らは、このような問題点を解消するために、ヘテロレプティック化合物の既存の利点は維持し、反応ガスとの反応性が低いという欠点を補完することができるヘテロレプティック希土類前駆体を合成した。
【0026】
特に、アルコキシド(alkoxide)、アミド(amide)及びアルキル(akyl)からなる群より選択されるいずれか一つのリガンドと中性リガンド(neutral ligand)を含む希土類前駆体を合成した。
【0027】
これを通じて、既存の公知の希土類前駆体化合物に比べて、揮発性、熱的安定性に優れ、反応ガスとの反応性も高い希土類前駆体を得ることができる。
【0028】
本願の一側面は、下記化学式1で表される化合物を提供する:
【化1】
【0029】
前記化学式1において、
Mは、希土類元素であり、
1~R6は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
7~R9は、それぞれ独立して、炭素数1~5の線状または分枝状のアルキル基;-OR10;または-N(R112であり、
前記R10は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
前記R11は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基;またはSi(R123であり、
前記R12は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基である。
【0030】
本願の他の側面は、前記化合物を含む気相蒸着前駆体を提供する。
【0031】
本願のもう一つの側面は、前記気相蒸着前駆体をチャンバーに導入するステップを含む、薄膜の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る新規の蒸着希土類化合物及び前記気相蒸着化合物を含む前駆体は、熱的安定性及び揮発性に優れている。また、反応ガスとの反応性にも優れている。
【0033】
本発明の気相蒸着前駆体は、均一な薄膜蒸着が可能であり、これによる優れた薄膜物性、厚さ及び段差被覆性の確保が可能である。
【0034】
前記のような物性は、原子層蒸着法及び化学気相蒸着法に適した前駆体を提供し、優れた薄膜特性に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本願の実施例1((Me、Me-NHC)La[N(SiMe323)、実施例2((Et、Me-NHC)La[N(SiMe323)及び実施例4((iPr、Me-NHC)La[N(SiMe323)の化合物の示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimetry、DSC)分析結果のグラフである。
図2】本願の実施例1~実施例5の化合物の熱重量(Thermogravimetric、TG)分析結果のグラフである(実施例1:(Me、Me-NHC)La[N(SiMe323、実施例2:(Et、Me-NHC)La[N(SiMe323、実施例3:(Et、Me-NHC)Y[N(SiMe323、実施例4:(iPr、Me-NHC)La[N(SiMe323、実施例5:(iPr、Me、Me、Me-NHC)La[N(SiMe323)。
図3】本願の実施例7及び実施例9の化合物の熱重量(Thermogravimetric、TG)分析結果のグラフである(実施例7:(Et、Me-NHC)La(OtBu)3、実施例9:(iPr、Me-NHC)La(OtBu)3)。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本願の具現例及び実施例などを詳しく説明する。しかし、本願は、様々な異なる形態で具現することができ、ここで説明する具現例及び実施例に限定されない。
【0037】
以下、本願の具現例及び実施例を詳細に説明する。しかし、本願は、このような具現例及び実施例と図面に制限されるものではない。
【0038】
本願の一側面は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
【化1】
【0039】
前記化学式1において、
Mは、希土類元素であり、
1~R6は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
7~R9は、それぞれ独立して、炭素数1~5の線状または分枝状のアルキル基;-OR10;または-N(R112であり、
前記R10は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基であり、
前記R11は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基;またはSi(R123であり、
前記R12は、それぞれ独立して、水素;炭素数1~6の線状または分枝状のアルキル基である。
【0040】
すなわち、本発明の化合物は、すべてのリガンドの種類が同一ではなく、2以上のリガンドの種類を含むヘテロレプティック化合物であり、中性リガンドとして、N-ヘテロサイクリックカルベン(N-heterocycliccarbene)を含んでいる。
【0041】
また、本発明の化合物は、アルコキシド(alkoxide)、アミド(amide)及びアルキル(akyl)からなる群より選択されるいずれか一つのリガンドを含んでいる。
【0042】
前記N-ヘテロサイクリックカルベンは、化合物の熱的安定性を向上させ、アルコキシド(alkoxide)、アミド(amide)及びアルキル(akyl)からなる群より選択されるいずれか一つのリガンドは、化合物の揮発性を向上させると同時に反応ガスとの反応性を高める。
【0043】
本願の一具現例において、好ましくは、R1~R6、R10~R12は、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基からなる群より選択されるいずれか一つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0044】
本願の一具現例において、好ましくは、前記化学式1の
【化1(1)】

は、下記化学式1a~1jで表されるリガンドからなる群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【化1a】

【化1b】

【化1c】

【化1d】

【化1e】

【化1f】

【化1g】

【化1h】

【化1i】

【化1j】
【0045】
本願の一実施例において、好ましくは、前記化合物は、下記化学式1-1~化学式1-7で表される化合物からなる群より選択されるいずれか一つである化合物であってもよい。
【化1-1】

【化1-2】

【化1-3】

【化1-4】

【化1-5】

【化1-6】

【化1-7】
【0046】
前記化学式1-1~1-7において、
Mは、希土類元素であり、
tBuは、tert-ブチルである。
【0047】
本願の一具現例において、前記希土類元素は、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一つであってもよい。
【0048】
本願の他の側面は、前記化合物を含む気相蒸着前駆体、好ましくは気相蒸着前駆体を提供する。
【0049】
本願のもう一つの側面は、前記気相蒸着前駆体をチャンバーに導入するステップを含む薄膜の製造方法を提供する。前記気相蒸着前駆体をチャンバーに導入するステップは、物理吸着、化学吸着、または物理的及び化学吸着するステップを含んでもよい。
【0050】
本願の一具現例において、前記薄膜の製造方法は、原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition、ALD)、または、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)を含んでもよいし、前記化学気相蒸着は、有機金属化学気相蒸着(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD)、低圧化学気相蒸着(Low Pressure Chemical Vapor Deposition、LPCVD)、パルス化化学気相蒸着法(P-CVD)、プラズマ強化原子層蒸着法(PE-ALD)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0051】
本願の一具現例において、前記薄膜の製造方法は、反応ガスとして、水素(H2)、酸素(O)原子含有化合物及び窒素(N)原子含有化合物のいずれか一つ以上を注入するステップをさらに含んでもよい。
【0052】
所望の希土類含有フィルムが酸素を含有する場合、反応ガスは、酸素(O2)、オゾン(O3)、水(H2O)、過酸化水素(H22)及びこれらの任意の組み合わせより選択してもよいが、これに制限されるものではない。
【0053】
所望の希土類含有フィルムが窒素を含有する場合、反応物ガスは、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)及びこれらの任意の組み合わせより選択してもよいが、これに制限されるものではない。
【0054】
また、所望の希土類含有フィルムが他の金属を含んでもよい。
【0055】
以下、合成例、実施例、実験例及び製造例を用いて本願により具体的に説明するが、本願がこれに制限されるものではない。
【0056】
<合成例1>(NHC)La[N(SiMe323の合成
ランタンクロライド(Lanthanum(III)chloride)7.36g(0.03mol)と、アルキルイミダゾリウムクロライドまたはブロマイド(1-R1-3-R2-4-R3-5-R4-imidazolium chloride or bromide)0.03molをフラスコに定量し、テトラヒドロフラン(THF)200mLを入れて溶解させる。この溶液にナトリウムビストリメチルシリルアミド(Sodiumbis(trimethylsilyl)amide)22g(0.12mol)をTHFに溶解し、0℃でゆっくりと添加する。その後、略16時間常温で攪拌して反応を完了し、真空で溶媒及び揮発性副反応物を除去する。この残留物にヘキサン(hexane)を入れて希釈し、セライト(celite)が含まれているフィルタ(filter)を通してろ過した後、ろ液を再び真空で乾燥する。この固体を再びhexaneに溶解させ、-40℃で再結晶して無色または白色の結晶性固体を得た。
【0057】
合成例1の反応を、下記反応化学式1で示した。
【化2(1)】
【0058】
前記反応化学式1のHMDSは、ヘキサメチルジシラザン(hexamethydisilazane)である。
【0059】
<合成例2>(NHC)La(OtBu)3の合成
合成例1で合成した(NHC)La[N(SiMe323(0.0045mol)をトルエン(toluene)50mLに溶解させ、tolueneに希釈したターシャリブチルアルコール(tertiary butyl alcohol)1.28mL(0.0135mol)を0℃でゆっくりと添加する。その後、略16時間常温で攪拌して反応を完了し、真空で溶媒及び揮発性副反応物を除去する。この残留物にヘキサン(hexane)を入れて希釈し、セライト(celite)が含まれているフィルタ(filter)を通してろ過した後、ろ液を再び真空で乾燥する。この固体を再びhexaneに溶解させ、-40℃で再結晶して橙色の固体を得た。
【0060】
合成例2の反応を、下記反応化学式(2)で示した。
【化2(2)】
【0061】
前記反応化学式(2)のtBuは、tert-ブチルであり、HMDSは、ヘキサメチルジシリザン(hexamethydisilizane)である。
【0062】
<実施例1>(Me、Me-NHC)La[N(SiMe323の合成
合成例1に従って合成され、前記反応化学式1において、R1及びR2は、それぞれメチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式3-1の通りである。
【化3-1】
【0063】
合成された化合物は、無色の結晶性固体であり、収率は、70.51%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0064】
1H-NMR(400MHz、C66):δ0.35(s、54H)、δ3.36(s、6H)、δ5.94(s、2H)。
【0065】
<実施例2>(Et、Me-NHC)La[N(SiMe323の合成
合成例1に従って合成され、前記反応化学式1において、R1、R2は、それぞれエチル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式3-2の通りである。
【化3-2】
【0066】
合成された化合物は、無色の結晶性固体であり、収率は、60.26%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0067】
1H-NMR(400MHz、C66):δ0.36(s、54H)、δ1.10(t、3H)、δ3.40(s、3H)、δ3.86(q、2H)、δ6.00(s、1H)、δ6.10(s、1H)。
【0068】
<実施例3>(Et、Me-NHC)Y[N(SiMe323の合成
合成例1に従って合成され、前記反応化学式1において、R1、R2は、それぞれエチル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、 Ln は、イットリウム(Y)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式3-3の通りである。
【化3-3】
【0069】
合成された化合物は、無色の結晶性固体であり、収率は、57.5%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0070】
1H-NMR(400MHz、C66):δ0.39(s、54H)、δ0.94(t、3H)、δ3.52(s、3H)、δ3.85(q、2H)、δ5.86(s、1H)、δ5.98(s、1H)。
【0071】
<実施例4>(iPr、Me-NHC)La[N(SiMe323の合成
合成例1に従って合成され、前記反応化学式1において、R1、R2は、それぞれiso-プロピル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式3-4の通りである。
【化3-4】
【0072】
合成された化合物は、白色の結晶性固体であり、収率は、52.44%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0073】
1H-NMR(400MHz、C66):δ0.35(s、54H)、δ1.18(d、6H)、δ3.41(s、3H)、δ4.71(m、1H)、δ6.03(s、1H)、δ6.24(s、1H)。
【0074】
<実施例5>(iPr、Me、Me、Me-NHC)La[N(SiMe323の合成
合成例1に従って合成され、前記反応化学式1において、R1、R2は、それぞれiso-プロピル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれメチルであり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式3-5の通りである。
【化3-5】
【0075】
合成された化合物は、米色の結晶性固体であり、収率は、77%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0076】
1H-NMR(400MHz、C66):δ0.30(s、54H)、δ1.34(d、6H)、δ1.37(s、3H)、δ1.58(s、3H)、δ3.38(s、3H)、δ4.30(s、1H)。
【0077】
<実施例6>(Me、Me-NHC)La(OtBu)3の合成
合成例2に従って合成され、前記反応化学式(2)において、R1、R2は、それぞれメチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式4-1の通りである。
【化4-1】

(前記化学式4-1において、tBuは、tert-ブチルである)
【0078】
合成された化合物は、橙色の結晶性固体であり、収率は、31.77%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0079】
1H-NMR(400MHz、C66):δ1.41(s、27H)、δ3.37(s、6H)、δ6.22(s、2H)。
【0080】
<実施例7>(Et、Me-NHC)La(OtBu)3の合成
合成例2に従って合成され、前記反応化学式(2)において、R1、R2は、それぞれエチル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式4-2の通りである。
【化4-2】

(前記化学式4-2において、tBuは、tert-ブチルである)
【0081】
合成された化合物は、橙色の結晶性固体であり、収率は、30.46%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0082】
1H-NMR(400MHz、C66):δ1.14(t、3H)、δ1.45(s、27H)、δ3.39(s、3H)、δ3.81(q、2H)、δ6.26(s、1H)、δ6.33(s、1H)。
【0083】
<実施例8>(Et、Me-NHC)Y(OtBu)3の合成
合成例2に従って合成され、前記反応化学式(2)において、R1、R2は、それぞれエチル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、イットリウム(Y)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式4-3の通りである。
【化4-3】

(前記化学式4-3において、tBuは、tert-ブチルである)
【0084】
合成された化合物は、橙色の結晶性固体であり、収率は、95.7%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0085】
1H-NMR(400MHz、C66):δ1.18(t、3H)、δ1.48(s、27H)、δ3.64(s、3H)、δ4.16(q、2H)、δ6.13(s、1H)、δ6.22(s、1H)。
【0086】
<実施例9>(iPr、Me-NHC)La(OtBu)3の合成
合成例2に従って合成され、前記反応化学式(2)において、R1、R2は、それぞれiso-プロピル、メチルであり、R3及びR4は、それぞれ水素であり、Lnは、ランタン(La)であり、合成された化合物の化学式は、下記化学式4-4の通りである。
【化4-4】

(前記化学式4-4において、tBuは、tert-ブチルである)
【0087】
合成された化合物は、橙色の結晶性固体であり、収率は、89.35%であり、測定された1H-NMRピークは、下記の通りである。
【0088】
1H-NMR(400MHz、C66):δ1.25(d、6H)、δ1.41(s、27H)、δ3.44(s、3H)、δ4.48(m、1H)、δ6.28(s、1H)、δ6.41(s、1H)。
【0089】
[実験例1]示差走査熱量計分析(Differential Scanning Calorimetry、DSC)
実施例1-1、1-2及び1-4の熱的特性を測定する示差走査熱量計分析(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を実施し、その結果を図1に示した。
【0090】
使用された機器は、NETZSH社のDSC 214 Polymaであり、各サンプルの重量を略10mg取り、closed high pressure gold plated Al panに入れた後、10℃の昇温速度で50℃から350℃まで測定した。
【0091】
測定の結果、実施例1-1、実施例1-2及び実施例1-4の化合物の融点(melting point)は、それぞれ153℃、138℃及び119℃であった。
【0092】
また、実施例1-1、実施例1-2及び実施例1-4の化合物の分解温度(decomposition temperature)は、それぞれ257℃、254℃及び257℃であった。
【0093】
実施例1-1、実施例1-2及び実施例1-4の化合物の分解温度がいずれも250℃以上で合成された化合物の熱的安定性が優れていることが確認できた。
【0094】
[実験例2]熱重量分析(thermogravimetrican alysis、TGA)
合成された化合物の熱重量分析(thermogravimetrican alysis、TGA)を実施した。熱重量分析時に使用された機器は、Mettler Toledo社のTGA/DSC 1 STAR Systemであり、50μLの容量のアルミナるつぼ(Alumina crucible)を使用した。前記化合物を10℃/分の速度で400℃まで加温させる方法で進行し、200mL/分の速度でアルゴン(Ar)ガスを注入した。
【0095】
実施例1-1~実施例1-5の化合物の熱重量分析による結果を図2に示し、実施例1-7及び実施例1-9の化合物の熱重量分析による結果を図3に示した。
【0096】
熱重量分析の結果、重量が半分に減少する温度[T1/2]が、実施例1-1の化合物は243℃、実施例1-2の化合物は247℃、実施例1-3の化合物は324℃、実施例1-4の化合物は278℃、実施例1-5の化合物は266℃、実施例1-7の化合物は233℃、実施例1-9の化合物は216℃で測定された。
【0097】
また、400℃での残留物の量は、実施例1-1の化合物は19.47%、実施例1-2の化合物は17.29%、実施例1-3の化合物は43.79%、実施例1-4の化合物は25.17%、実施例1-5の化合物は18.46%、実施例1-7の化合物は11.65%、実施例1-9の化合物は12.64%と測定された。
【0098】
したがって、反応化学式1により合成された化合物は、略240℃以上で重量が半分に減少し、反応化学式2により合成された化合物は、略210℃以上で重量が半分に減少し、反応化学式1により合成された化合物のT1/2が、反応化学式2により合成された化合物のT1/2に比べて概ね高かった。また、反応化学式1と反応化学式2により合成された化合物の熱的安定性が優れていることが確認できた。
【0099】
[製造例1]
本発明の実施例1-1~実施例1-6により合成された新規の希土類前駆体及び反応物O3を交互に適用して基板上に希土類薄膜を蒸着した。本実験に使用された基板は、p型Siウェハであり、抵抗は0.02Ω・mである。蒸着に先立ってp型Siウェハは、アセトン-エタノール-脱イオン水(DI water)にそれぞれ10分ずつ超音波処理(Ultra sonic)して洗浄した。Siウェハ上に形成された自然酸化物薄膜は、HF10%(HF:H2O=1:9)の溶液に10秒間浸した後、除去した。
【0100】
基板は、150~450℃の温度に維持して準備し、前記実施例1で合成された固体の新規の希土類前駆体は、90~150℃の温度に維持されたバブラー(bubbler)で気化させた。
【0101】
パージ(purge)ガスは、アルゴン(Ar)を供給して蒸着チャンバー内に残存する前駆体と反応ガスをパージし、アルゴンの流量は1000sccmとした。反応ガスとしては、224g/cm3の濃度のオゾン(O3)を使用し、各反応ガスは、空圧弁のon/offを調節して注入し、工程温度で成膜した。
【0102】
ALDサイクルは、前駆体パルス10/15秒後に、アルゴン10秒パージした後、反応物パルス2/5/8/10秒後に、アルゴン10秒パージする順序を含んでいる。蒸着チャンバーの圧力は1~1.5torrに調節し、蒸着温度は150~450℃に調節した。
【0103】
実施例1-1~実施例1-6の化合物を前駆体として使用して酸化ランタン及び酸化イットリウム薄膜が形成されることが確認できた。
【0104】
[製造例2]
本発明の実施例1-7~1-9により合成された新規の希土類前駆体を使用することを除いて、前記製造例1と同一の条件の下で基板上に酸化ランタン薄膜を蒸着した。
【0105】
実施例1-7~1-9の化合物を前駆体として使用して酸化ランタン及び酸化イットリウム薄膜を形成できることが確認できた。
【0106】
[製造例3]
本発明の実施例1-1~1-9により合成された新規の希土類前駆体を使用して、化学気相蒸着法で希土類元素を含む薄膜を製造した。前記実施例1-1~1-9により合成した前駆体が含まれている前駆体開始溶液(starting precursor solution)を準備した。
【0107】
この前駆体開始溶液を0.1cc/minの流速で90~150℃の温度が維持される気化器に伝達した。このように気化された前駆体は、50~300sccmのヘリウムキャリアガスを使用して蒸着チャンバーに伝達した。反応ガスとしては、水素(H2)及び酸素(O2)を使用し、それぞれ0.5L/min(0.5pm)ずつの流速で蒸着チャンバーに供給した。蒸着チャンバーの圧力は1~15torrに調節し、蒸着温度は150~450℃に調節した。このような条件で、略15分間蒸着工程を行った。
【0108】
実施例1-1~実施例1-9の化合物を前駆体として使用して酸化ランタン及び酸化イットリウム薄膜を形成できることが確認できた。
【0109】
希土類含有前駆体及び1種以上の反応ガスは、反応チャンバーに同時に化学気相蒸着法、原子層蒸着法、または他の組み合わせで導入されてもよい。
【0110】
一つの例として、希土類含有前駆体は、単一のパルスで導入されてもよいし、2つの追加の金属供給源は、個別のパルスでともに導入されてもよい。また、反応チャンバーは希土類含有前駆体を導入する前に、すでに反応物種を含有してもよい。
【0111】
反応物ガスは、反応室から離れて位置するプラズマシステムを通過してラジカルに分解されてもよい。また、他の金属供給源がパルスによって導入されながら、希土類含有前駆体が連続的に反応室に導入されてもよい。
【0112】
例えば、原子層蒸着類型の工程で蒸気状の希土類含有前駆体が反応チャンバーに導入され、ここで適切な基板と接触した後、過量の希土類含有前駆体は反応器をパージすることにより、反応チャンバーから除去することができる。
【0113】
酸素供給源が反応チャンバーに導入され、ここで自己制限方式で吸収された希土類前駆体と反応する。過量の酸素供給源は、反応チャンバーをパージ及び/または脱気することにより、反応チャンバーから除去することができる。所望のフィルムが希土類酸化物フィルムである場合、前記工程は、所望のフィルム厚さを得るまで繰り返してもよい。
【0114】
前記の薄膜製造を通じて、新規の合成された実施例1-1~1-9の希土類前駆体が、既存の希土類前駆体の薄膜蒸着時の問題点を補完するだけでなく、CVDだけでなく、ALDにも適用可能な優れた揮発性、熱的安定性を有しており、反応ガスとの反応性も優れていることを確認した。
【0115】
また、前記新規の希土類前駆体を通じて均一な薄膜蒸着が可能であり、これによる優れた薄膜物性、厚さ及び段差被覆性を確保することができる。
【0116】
本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈なければならない。
図1
図2
図3