(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077575
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】サンシェード
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20220517BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20220517BHJP
A47H 23/04 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
B60J3/00 F
E06B9/42 B
A47H23/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188417
(22)【出願日】2020-11-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】520443860
【氏名又は名称】福田 佳奈
(74)【代理人】
【識別番号】100194456
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 勇
(72)【発明者】
【氏名】福田 康幸
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA06
2E182AB03
2E182AC17
2E182BB01
(57)【要約】
【課題】遮光シートの間隔は狭く保ちながらも、矩形から扇形へと大きく変形可能なサンシェードを提供する。
【解決手段】本発明のサンシェードは、長手方向及び短手方向に広がる遮光面を持ち、長手方向に略平行に間隔を開けて並べられている複数の板状部材(2、3、4、5、6)と、隣接する板状部材の同一面側、それぞれに、長手方向に沿って伸びるライン状部分で接続されている柔軟なシート状部材(70、71、72、73)と、で構成され、シート状部材は、隣接する板状部材の間隔よりも幅広で、さらには、隣接する板状部材を重ね合わせれるように、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から、他方の板状部材のライン状部分までの長さが、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みよりも長く設定されている。当該構成を採用することによって、幅の伸縮及び扇形への変形が可能になる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向及び短手方向に広がる遮光面を持ち、前記長手方向に略平行に間隔を開けて並べられている複数の板状部材と、
隣接する板状部材の同一面側、それぞれに、長手方向に沿って伸びるライン状部分で接続されている柔軟なシート状部材と、で構成され、
前記シート状部材は、隣接する板状部材の間隔よりも幅広で、さらには、当該隣接する板状部材を重ね合わせれるように、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から、他方の板状部材のライン状部分までの長さが、前記一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みよりも長く設定されている、ことを特徴とするサンシェード。
【請求項2】
前記シート状部材は、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みの二乗した値に、他方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部からライン状部分までの長さの二乗した値を加算した値よりも、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から他方の板状部材のライン状部分までの長さの二乗の値が、大きくなるように設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のサンシェード。
【請求項3】
前記板状部材は、同一の短手方向長さの辺を有する複数の矩形の遮光板で構成されており、前記遮光板は隣接する遮光板の前記同一の短手方向長さの辺の端部が重ねられており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード。
【請求項4】
前記板状部材は、3枚の遮光板で構成されており、並べた際に両端に位置する2枚の板状部材の、前記同一の短手方向長さの辺の端部が、中央に位置する1枚の板状部材の同一面側に重ねられており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことを特徴とする請求項3に記載のサンシェード。
【請求項5】
前記板状部材は、同一の短手方向長さの辺を有する複数の矩形の遮光板を長手方向に、蝶番を介して、重複させずに並べた構成を有しており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード。
【請求項6】
前記板状部材の間隔が、当該板状部材を、サンシェードの前記板状部材の長手方向の長さが短くなるように折りたたんだ状態で、サンシェードの前記板状部材の短手方向の長さが短くなるように折りたためる長さを有している、請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載のサンシェード。
【請求項7】
前記板状部材は、遮光性を有するプラスチック製段ボールシートであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のサンシェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓際などに置き、太陽の強い日差しを遮り、室内、又は、車内の温度上昇を抑える、サンシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサンシェードとしては、窓際に、日よけの布を張るタイプのもの、自動車のフロントガラスの内面に沿って、日よけ材を貼り付けるタイプのもの、等が知られている。
図6は、トラック用のサンシェード200を示す(特許文献1を参照)。サンシェード200は、トラックのフロントガラスの形状を考慮して4つのブロックに分割された遮光シート201、202、203、204と、それらを連結する連結部205、206、207とで構成されている。連結部205、206、207の遮光シート201、202、203、204と重なっている部分が、それぞれ接続されている。一般のトラックのフロントガラスの寸法は、1600mm~2300mmの範囲にある。本図において、第1、第2のフロント-サイド連結部の間隔は48mm~69mmになり、フロント連結部の間隔は6mm~9mmになる。
【0003】
車のフロントガラスの形状は、矩形に近い形状のものから、扇形の形状の物まで種々存在する。建物の窓際で使用する場合であっても、矩形に近い形状で使用できる環境下にある場合と、例えば、室内であれば、エアコン、屋外であれば、雨樋、配管、空調機室外機等の影響で、扇形の形状での使用が求められる環境下にある場合とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンシェードの形状を矩形から扇形に変形しようとすると、
図8に示すような構成の場合、遮光する部分の連結部分を幅広にする必要が生じる。換言すると、遮光する部分の間隔が大きく開く。折り曲げることを考慮している連結部分は、技術常識で考えれば、遮光シートに比べて、薄い素材が使用される。薄い素材は、一般に、分厚い素材よりも遮光性及び断熱性が低く、太陽光の熱が室内又は車内に漏れ入る原因となる。
【0006】
本発明は、上記従来のサンシェードの問題を解決するためになされたものであり、遮光シートの間隔は、狭く保ちながらも、矩形から扇形へと大きく変形可能なサンシェードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、長手方向及び短手方向に広がる遮光面を持ち、前記長手方向に略平行に間隔を開けて並べられている複数の板状部材と、隣接する板状部材の同一面側、それぞれに、長手方向に沿って伸びるライン状部分で接続されている柔軟なシート状部材と、で構成され、前記シート状部材は、隣接する板状部材の間隔よりも幅広で、さらには、当該隣接する板状部材を重ね合わせれるように、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から、他方の板状部材のライン状部分までの長さが、前記一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みよりも長く設定されている、ことを特徴とする。
【0008】
前記シート状部材は、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みの二乗した値に、他方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部からライン状部分までの長さの二乗した値を加算した値よりも、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から他方の板状部材のライン状部分までの長さの二乗の値が、大きくなるように設定されている、ことが好ましい。
【0009】
前記板状部材は、同一の短手方向長さの辺を有する複数の矩形の遮光板で構成されており、前記遮光板は隣接する遮光板の前記同一の短手方向長さの辺の端部が重ねられており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことが好ましい。
【0010】
前記板状部材は、3枚の遮光板で構成されており、並べた際に両端に位置する2枚の板状部材の、前記同一の短手方向長さの辺の端部が、中央に位置する1枚の板状部材の同一面側に重ねられており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことが好ましい。
【0011】
前記板状部材は、同一の短手方向長さの辺を有する複数の矩形の遮光板を長手方向に、蝶番を介して、重複させずに並べた構成を有しており、折りたたみ可能であるが、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる、ことが好ましい。
【0012】
前記板状部材の間隔が、当該板状部材を、サンシェードの前記板状部材の長手方向の長さが短くなるように折りたたんだ状態で、サンシェードの前記板状部材の短手方向の長さが短くなるように折りたためる長さを有している、ことが好ましい。
【0013】
前記板状部材は、遮光性を有するプラスチック製段ボールシートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、間隔を開けて並べられている板状部材を、前記間隔以上の定めた間隔で連結されているときと同等に、傾けることができ、結果、矩形から扇形へと変形させ得る。変形のための必要な連結シート部分を確保しつつ、実際の板状部材の間隔を狭くでき、連結部分の遮光性及び熱伝導性等を変えることなく、太陽光の熱の侵入を抑えることができる。また、間隔を同一とすると、従来のサンシェードに比べ、より大きな変形を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るサンシェードの(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図。
【
図2】同サンシェードの(a)は背面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図。
【
図3】同サンシェードを扇形に変形した状態を示す図。
【
図4】同サンシェードの板状部材の長手方向が短くなるように折り畳む場合を示す図。
【
図5】(a)(b)は同サンシェードの車のフロントガラスへの取り付け例を示す図。
【
図6】(a)(b)(c)(d)は同サンシェードの厚みと、間隔と、連結部との長さ関係の条件を説明する図。
【
図7】同サンシェードが
図4の状態にあるときに、板状部材の短手方向が短くなるように折り畳む場合を示す図。
【
図8】従来のトラック用サンシェードの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のサンシェードは、長手方向及び短手方向に広がる遮光面を持つ複数の板状部材を、長手方向に略平行に間隔を開けて並べた構成を有している。板状部材は、中実又は例えば段ボール等の部分的に中空になっている1枚の遮光板、好ましくは複数枚の遮光板の組み合わせの場合を含む。本明細書で遮光板とは、所望の日よけの機能を発揮し得る板、好ましくは遮光率の高い板を意味する。更には、遮光板には、遮光布を矩形のフレームで板状にしているものを含む。更に、隣接する板状部材の同一面側、それぞれに、長手方向に沿って伸びるライン状部分で接続されている柔軟なシート状部材を備えている。シート状部材は、隣接する板状部材の間隔よりも幅広で、さらには、当該隣接する板状部材を重ね合わせれるように、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から、他方の板状部材のライン状部分までの長さが、前記一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みよりも長く設定されている、ことを特徴とする。当該構成を採用することによって、遮光面を持つ板状部材の間隔を開けることなく、全体の形状を矩形から扇形、又は、より幅の狭い形状へと変更可能にする。
【0017】
本発明の一実施の形態に係るサンシェード1について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1は、サンシェード1の(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図を示す。
図2は、サンシェード1の(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図を示す。サンシェード1は、長手方向及び短手方向に伸びる遮光面を持つ複数の板状部材2、3、4、5、6を、長手方向に略平行に間隔を開けて並べ、
図1(b)(c)に示すように、シート状部材70、71、72、73によって連結した構成を有している。
【0018】
図2(a)に示すように、板状部材2と3、3と4、4と5、5と6との間は、同一面(
図2(a)で図面表側)、それぞれに、帯状に伸びている柔軟な矩形のシート状部材70、71、72、73によって連結されている。シート状部材70、71、72、73は、好ましくは遮光性を有しているものを使用する。
図2(a)では、重ね合わせ状態の理解容易化のため、シート状部材70~73を外枠で示し、透明な状態で示す。シート状部材70~73は、
図2(a)で網掛けをして示すように、隣接する板状部材の同一面側、それぞれに、長手方向に沿って伸びるライン状部分70a、70b、71a、71b、72a、72b、73a、73bで接着剤又は熱溶着手法によって接合されている。
【0019】
図3に示すように、板状部材2と板状部材3、板状部材3と板状部材4、板状部材4と板状部材5、板状部材5と板状部材6との間を重ね合わせることによって、サンシェード1は、扇形に変形し、または、幅を狭くできる。
【0020】
板状部材2、3、4、5、6は、同一の短手方向長さの辺を有する複数の矩形の遮光板で構成されており、当該遮光板は、隣接する遮光版同士の同一の短手方向長さの辺の端部が重ねられている。詳しくは、板状部材2は、同一の短手方向長さの辺を有する3枚の矩形の板21、22、23で構成されている。板状部材3は、同一の短手方向長さの辺を有する3枚の矩形の板31、32、33で構成されている。板状部材4は、同一の短手方向長さの辺を有する3枚の矩形の板41、42、43で構成されている。板状部材5は、同一の短手方向長さの辺を有する3枚の矩形の板51、52、53で構成されている。板状部材6は、同一の短手方向長さの辺を有する3枚の矩形の板61、62、63で構成されている。
【0021】
板状部材2を構成する板21、22、23は、長手方向に、端部を重複して並べられており、
図2(a)(b)(c)に示すように、シート状部材80、85によって連結された構成を有している。以下同様に、板状部材3を構成する板31、32、33は、長手方向に、端部を重複して並べられており、シート状部材81、86によって連結された構成を有している。板状部材4を構成する板41、42、43は、長手方向に、端部を重複して並べられており、シート状部材82、87によって連結された構成を有している。板状部材5を構成する板51、52、53は、長手方向に、端部を重複して並べられており、シート状部材83、88によって連結された構成を有している。板状部材6を構成する板61、62、63は、長手方向に、端部を重複して並べられており、シート状部材84、89によって連結された構成を有している。板状部材2~6は、それぞれ折りたたみ可能であるが(
図4を参照)、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になるように構成されている(
図5を参照)。なお、蝶番のような180度平らに広がったところで止まるような接続部を用いる場合、各板状部材を構成する板は、重複させずに並べた構成を採用することができる。
図2(a)では、重ね合わせ状態の理解の容易化のため、シート状部材80~89を外枠で示し、透明な状態で示す。シート状部材80~89は、
図2(a)で網掛けをして示している部分80a、81a、82a、83a、84a、85a、86a、87a、88a、89aで接着剤又は熱溶着手法によって接合されている。
【0022】
上記構成を採用することによって、
図4に示すように、板状部材2、3、4、5、6は、3つ折りすることができる。
図5(a)(b)は、車のフロントガラス150へサンシェード1を取り付ける場合を説明するための図で、車のフロントガラス150近傍の様子を示す。
図5(a)(b)に示すように、板状部材2、3、4、5、6は、図示するような吸盤101、102、103を使用し、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材になる。サンシェード1全体で見たとき、実質サンシェードをフロントガラス150などの対象物に固定できるだけの数の吸盤を備えていればよく、例えば、板状部材2、6の上下の板21、23、61、63のそれぞれに吸盤を設け(
図5(a)の状態)、板状部材4の中央の板42に吸盤を設ける(
図5(b)の状態)構成を採用しても良い。なお、3つ折りになる場合に限らず、板状部材2、3、4、5、6、ぞれぞれを4枚、5枚、等の構成にしても良い。この場合、例えば、板状部材2の板22を中心に、板21、23と同様の重ね方で、板を追加する。この場合であっても、
図5(a)(b)に示すように、一方の面側から1点又は2点を支持することによって1枚の板状部材にできる。
【0023】
図6(a)(b)(c)(d)は、板状部材2、3、4、5、6の内、1つの(一方の)板状部材の長手方向に伸びる辺の端部の厚みaと、間隔s1、s2、向かい合う隣の(他方の)板状部材の長手方向に伸びる辺の端部からライン状部分までの長さbと、一方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部から他方の板状部材のライン状部分までの長さcとの関係を説明するための図である。
図6(a)は、例えば
図1(b)の平面図に相当する図で、厚みaの板状部材2~6と同様の3枚の板状部材110、111、112を並べ、シート状部材80~89と同様のシート状部材113、114で間を連結させた状態を示す。
図6(b)は、
図6(a)に示す状況下で、一方の板状部材を他方の板状部材に重ね合わせる際に生じる位置関係を示す。
【0024】
図6(b)の板状部材110、111の間では、
図6(c)に示すように、a
2+b
2≦c
2即ち、長さaの二乗に長さbの二乗を加算した値が、長さcの二乗に満たない、という関係が成り立ち、シート状部材の長さが十分あるので、板状部材同士の角が当たらずに重ね合わせが可能である。
図6(b)の板状部材111、112の間では、a
2+b
2>c
2即ち、長さaの二乗に長さbの二乗を加算した値が、長さcの二乗の値よりも大きい、という関係にあるためシート状部材の長さが足らず、板状部材同士の角が当たってしまう。しかし、
図6(d)に示すように、a<cの関係が成立する場合には、重ね合わせることができる。即ち、a<cの関係が必須要件で、更には、a
2+b
2≦c
2の関係を満たすことが好ましい、と分かる。
図1、
図2に示すサンシェード1の板状部材2~6は、前記関係を満たす状態(a<cの関係が必須要件で、更には、a
2+b
2≦c
2の関係を満たすことが好ましい)で、シート状部材70~73によって連結されている。
【0025】
例えば、板状部材2と板状部材3の間、板状部材3と板状部材4の間、板状部材4と板状部材5の間、そして、板状部材5と板状部材6の間が、
図6(a)に示す板状部材110と板状部材111の関係に、又は、
図6(a)に示す板状部材111と板状部材112の関係に設定される。
【0026】
図7は、板状部材2~6を、
図4に示すように長手方向に3つ折りに折りたたんだ状態で、九十九折に折り曲げるときに必要な間隔sの値を説明するための図で、
図4のA-A’線矢視断面図に相当する図を示す。図示するように板状部材の厚さ4枚分の寸法(4×a)の間隔sがあれば、板状部材2~6を九十九折することができる。例えば、板状部材の材料に、厚さ2mmのプラスチック製段ボールを用いた場合、必用な間隔sは8mmとなる。実際には、製造誤差などを考慮して1mm程加算し9~10mmに設定する。この値は、本願出願時に一般に存在が認められるトラック(積載重量2t~10t)のフロントガラス寸法を考慮した場合に、
図8に示した従来のサンシェードの図から導き出される連結部の間隔数十mmに比べ、数分の1の大きさの間隔で、遮光率が向上される。さらには、一方の板状部材に隣り合う他方の板状部材の長手方向に伸びる辺の端部からライン状部分までの長さbの長さは例えば40mmとすれば、実質50mm分の可動幅を有することになる。
【0027】
例えば、トラックのフロントガラスの寸法は、1600mm~2300mmの範囲にある。従来のトラック用サンシェード200の場合、第1、第2のフロントーサイド連結部205、207の間隔は48mm~69mmになる。これに比して、本発明のサンシェードの場合、板状部材2~6の間隔を10mmに設定すると、従来通りの連結方法だと、板状部材2~6の短手方向の長さ(幅)は、312mm~452mmになる。本発明のサンシェード1では、シート状部材70~73の向かい合う隣の(他方の)板状部材の長手方向に伸びる辺の端部からライン状部分までの長さb(
図6(b)に示すbの長さ)を35mmの長さにする。当該構成を採用することによって、板状部材2~6の短手方向の長さ(幅)を452mmと設定しても、サンシェード1の全幅を452mmから312mmまでの範囲で幅調節することができる。また、
図3に示したように、フロントウィンドウの形状に応じて扇形に変形することもでる。このように、本発明のサンシェード1は、1製品で、幅広い幅及び形状のフロントウィンドウに装着が可能になるという利点がある。更には、間隔は10mmで済み、例えば従来のトラック用サンシェード200のように48mm~69mmの間隔をあける場合に比べ、シート状部材による連結部分から車内への熱伝搬を効率よく抑えることができる。しかも、未使用時は、コンパクトに折りたたむことができ、車のドアに設けられているサイドポケット、または、グローブボックスに収納できるという利点も有している。
【0028】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、板状部材を九十九折するために必要な間隔は、板状部材の縁の部分が引っ張られると薄くつぶれるタイプの柔らかい素材の場合、または、シート状部材に伸縮性があるときは、更に狭くすることができる。また、使用する板状部材の枚数、板状部材を構成する矩形の板の枚数については、発明の効果を奏し得る範囲で増減が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の板状部材は、車のフロントガラスに使用する他、車のサイドガラス、リアガラスに使用できる他、サイズを大きくすれば、庭先又はベランダに面している窓の日よけ、目かくしに、使用できる。
【符号の説明】
【0030】
1、200 サンシェード
2、3、4、5、6 板状部材
21、22、23、31、32,33、41、42、43、51、52、53、61、62、63 遮光板
70、71、72、73、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89 シート状部材
70a、70b、71a、71b、72a、72b、73a、73b ライン状部分
101、102、103 吸盤