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特開2022-77639調理管理の方法、システム、プログラム、記録媒体および調理機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077639
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】調理管理の方法、システム、プログラム、記録媒体および調理機器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/04 20060101AFI20220517BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20220517BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20220517BHJP
【FI】
A47J37/04 101Z
G01J5/00 101Z
F24C7/04 301Z
F24C7/04 301A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188536
(22)【出願日】2020-11-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】島貫 友貴
(72)【発明者】
【氏名】黒川 みどり
(72)【発明者】
【氏名】浅輪 泰久
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼屋 駿介
(72)【発明者】
【氏名】冨永 隆一
【テーマコード(参考)】
2G066
3L087
4B040
【Fターム(参考)】
2G066AC05
2G066AC13
2G066BC15
3L087AA01
3L087AA03
3L087BB05
3L087BC11
3L087DA24
3L087DA30
4B040AA01
4B040AC05
4B040AE13
4B040LA20
(57)【要約】
【課題】加熱中または加熱後の被調理物の温度変化を観測して被調理物の調理状態を人体と非接触で評価する。
【解決手段】本開示はコンピュータ(管理サーバ10)を用いる調理管理方法であって、被調理物(F)の加熱域(16)に対して前記被調理物の温度を計測する計測域(18)を設定し、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する工程と、前記コンピュータが、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する工程とを含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いた調理管理方法であって、
被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域を設定し、温度情報取得部が、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する工程と、
を含むことを特徴とする調理管理方法。
【請求項2】
さらに、前記コンピュータが、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、前記移動情報の取得に基づき、前記温度情報を取得する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の調理管理方法。
【請求項3】
さらに、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する工程と、
前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を指示する移動指示情報を生成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理管理方法。
【請求項4】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが被調理物を搬送する搬送機構に対し、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の調理管理方法。
【請求項5】
加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、
前記加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定され、前記加熱域から該計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部と、
を備えることを特徴とする調理管理システム。
【請求項6】
さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を検出する被調理物検出部を備え、前記処理部が前記被調理物検出部から前記被調理物の移動情報を取得し、前記温度情報取得部に前記被調理物の温度情報の取得を指示することを特徴とする請求項5に記載の調理管理システム。
【請求項7】
さらに、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーを備え、
前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が情報提示部に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を提示させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の調理管理システム。
【請求項8】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が被調理物を搬送する搬送機構に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示することを特徴とする請求項7に記載の調理管理システム。
【請求項9】
コンピュータにより実現するプログラムであって、
被調理物を加熱する加熱域に対して該被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する機能と、
前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する機能と、
を前記コンピュータにより実現するプログラム。
【請求項10】
さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する機能と、
前記移動情報の取得に基づき前記被調理物の温度情報の取得を指示する指示情報を出力する機能と、
を前記コンピュータにより実現する請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
さらに、タイマーから前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する機能と、
前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記被調理物を前記加熱域から前記計測域への移動を指示する指示情報を生成する機能と、
を前記コンピュータにより実現する請求項9または請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、搬送機構に対し、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への搬送を指示する機能を前記コンピュータにより実現する請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
請求項9ないし請求項12の何れかの請求項に記載のプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項14】
被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定された機器筐体と、
前記加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、
前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報含む温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部と、
を備えることを特徴とする調理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、調理中または調理後の焼き鳥など、被調理物の調理状態の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
保健衛生上、被調理物の温度管理は不可欠であり、その内部温度を検出する手段に芯温計などが用いられている。芯温計は、温度検出部を被調理物に差し込むことで、芯温の接触測定を行う。
温度管理に関し、焼成器の入口および出口で焼成物の表面温度を計測し、両表面温度差が所定温度範囲になるように、焼成器温度に関わるファクターの一つを調整することが知られている(たとえば、特許文献1)。
また、被調理物の温度検出に関し、温度センサ、距離センサを備えて表面温度、距離および経過時間を用いて調理物の内部温度を検出することが知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010-508493号公報
【特許文献2】特開2003-329374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る管理技術は焼成器で処理する被焼成物の温度検出であり、特許文献2に係る温度検出では、温度センサに加えて距離センサの必要性を開示したにすぎない。
ところで、学校や病院などの公的施設、給食を提供する施設などでは食中毒の発症や調理工程での異物混入などを防止するための衛生管理手法としてHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point: 危害分析・重要管理点)が普及している。このHACCPは、食品製造の各工程において厳格な工程管理を行い、被調理物の温度計測を行い、その計測情報を記録することを義務づけている。このような衛生管理の取り組みがレストランなどに拡大することは好ましいことである。
【0005】
レストランなどで提供する被調理物にはハンバーグ、つくね、餃子などの破砕肉を使うもの、細切れ肉を使う焼き鳥など、多様なものが含まれる。調理前の加工で内部に雑菌が付着するおそれがある被調理物では、加熱による調理で容易に加熱される表面部だけでなく、内部まで充分に殺菌される程度に加熱する必要がある。
しかしながら、直火加熱による焼き鳥などの被調理物では、その表面温度が上昇していても、内部が充分に加熱されていないという場合があり得る。
調理済みの肉など、被調理物に温度計を差し込むなどの操作は調理品の品質を損ねる上、表面温度が上昇していても内部温度が殺菌される温度まで上昇していない場合には、被調理物の加熱殺菌が不十分となるという課題がある。
【0006】
加熱した被調理物の表面温度の低下を観測して被調理物の中心温度を推定し、焼き加減を判断する方法では、被調理物の温度低下を捕らえることが不可欠であり、斯かる工程が被調理物の調理効率を低下させるという課題がある。
被調理物がたとえば、焼き鳥に用いる鶏肉などの肉であれば、加熱後、生肉と比較して硬度(固さ)や保形性が増し、これらが調理状態に依存することが知られている。保形性は被調理物の形状を維持する性質である。この保形性は、加熱によって水分や油脂分が流出して収縮するため、硬度とともに増強される。
調理状態が加熱温度だけでは評価できないため、被調理物の上記特性を踏まえて調理人は加熱された被調理物を押さえたり、摘むなどすることにより、被調理物の熱の通り具合を確認する。このような処理は被調理物に人体が触れるため、細菌の付着など、被調理物を劣化させるおそれがある。
【0007】
発明者は、加熱中または加熱直後の被調理物を加熱域から移動させて温度低下を非接触で観測すれば、この温度低下から調理評価が可能であるとの知見を得た。
そこで、本発明の目的は上記課題および上記知見に鑑み、加熱中または加熱後の被調理物の温度変化を観測して被調理物の調理状態を人体と非接触で評価することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の調理管理方法の一側面によれば、コンピュータを用いた調理管理方法であって、被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域を設定し、温度情報取得部が、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する工程と、前記コンピュータが、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する工程とを含む。
この調理管理方法において、さらに、前記コンピュータが、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する工程と、前記コンピュータが、前記移動情報の取得に基づき、前記温度情報を取得する工程とを含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する工程と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を指示する移動指示情報を生成する工程とを含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが被調理物を搬送する搬送機構に対し、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示する工程を含んでよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の調理管理システムの一側面によれば、加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、前記加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定され、前記加熱域から該計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する温度情報取得部と、前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部とを備える。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を検出する被調理物検出部を備え、前記処理部が前記被調理物検出部から前記被調理物の移動情報を取得し、前記温度情報取得部に前記被調理物の温度情報の取得を指示してもよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーを備え、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が情報提示部に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を提示させてよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が被調理物を搬送する搬送機構に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示してよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータにより実現するプログラムであって、被調理物を加熱する加熱域に対して該被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する機能と、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する機能とを前記コンピュータにより実現する。
このプログラムにおいて、さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する機能と、前記移動情報の取得に基づき前記被調理物の温度情報の取得を指示する指示情報を出力する機能とを前記コンピュータにより実現してよい。
このプログラムにおいて、さらに、タイマーから前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する機能と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記被調理物を前記加熱域から前記計測域への移動を指示する指示情報を生成する機能とを前記コンピュータにより実現してよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、搬送機構に対し、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への搬送を指示する機能を前記コンピュータにより実現してよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の記録媒体の一側面によれば、前記プログラムを格納した記録媒体である。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の調理機器の一側面によれば、被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定された機器筐体と、前記加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報含む温度情報を取得する温度情報取得部と、前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 加熱中または加熱後の被調理物を加熱域から計測域に移動させるだけで、被調理物から取得した温度変化情報により調理状態を評価でき、その評価結果を得ることができる。
(2) 被調理物と人体の接触を回避して調理状態を評価でき、調理評価による被調理物の劣化を防止できる。
(3) 加熱中または加熱後の被調理物の調理状態の評価を迅速化でき、調理中に調理状態の評価を参照して被調理物の生焼けなどを未然に防止でき、被調理物の安心、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施の形態に係る調理管理工程を示すフローチャートである。
図2】第1の実施の形態に係る調理管理システムを示す図である。
図3】調理管理システムの機能部を示す図である。
図4】調理管理システムのハードウェアを示す図である。
図5】Aは被調理物の加熱調理を示す図であり、Bは調理情報提示画面を示す図である。
図6】被調理物の加熱域から計測域への移動操作を示す図である。
図7】Aは被調理物の温度情報の取得を示す図であり、Bは計測中表示を示す図である。
図8】被調理物の温度変化を示す図である。
図9】Aは温度変化を用いた被調理物の評価を示す図であり、Bは内部温度を用いた被調理物の評価を示す図である。
図10】被調理物の評価結果表示を示す図である。
図11】調理管理データベースを示す図である。
図12】基準情報生成工程を示すフローチャートである。
図13】比較被調理物の内部温度の計測を示す図である。
図14】基準情報データベースを示す図である。
図15】第2の実施の形態に係る調理管理システムを示す図である。
図16】第3の実施の形態に係る調理管理システムを示す図である。
図17】調理管理システムの機能部を示す図である。
図18】調理管理システムのハードウェアを示す図である。
図19】Aは被調理物の加熱を示す図、Bは被調理物の温度計測、Cは提供域への被調理物の搬送を示す図である。
図20】実施例1に係る調理機器を示す図である。
図21】実施例2に係る調理機器を示す図である。
図22】実施例3に係る調理機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る調理管理工程を示している。図1に示す工程は一例であり、本発明が斯かる工程に限定されるものではない。この調理管理工程において、Sは処理の単位、番号は順番の一例を示している。
この調理管理工程には、被調理物情報の取得(S101)、被調理物Fの加熱時間thの管理(S102、S103)、被調理物Fの移動(S104)、被調理物Fの検出(S105)、温度情報Tの取得(S106)、温度変化情報Ttの取得(S107)、温度変化情報Ttと閾値Ttthの対比(S108)、調理状態の評価(S109、S110)、情報の提示(S111、S112)、調理品の提供(S113)、再加熱管理(S114、S115)などが含まれる。これらの処理主体の一例として管理サーバ10など調理管理システム2(図2)の機能部を適宜引用する。管理サーバ10は調理管理工程を実行するための処理主体であるコンピュータの一例である。
【0016】
被調理物情報の取得(S101): 管理サーバ10が調理状態を評価するための評価対象として被調理物Fの被調理物情報を取得し、調理管理データベース(DB)52(図11)に格納する。この被調理物情報には被調理物Fの属性情報や加熱時間thなどの調理に関する各種の管理情報が含まれる。被調理物Fはたとえば、肉など、加熱して提供される調理物である。
被調理物Fの加熱時間thの管理(S102、S103): 被調理物Fは加熱域16(図2)で加熱される。加熱域16には燃焼熱源や電熱源などの熱源を備える加熱部4が設定される。この被調理物Fの加熱時間thは、加熱域16への搬入から計測する。この加熱時間thは閾値tthに到達したかを監視し、管理サーバ10は加熱時間thが閾値tthに到達したとき、被調理物Fを加熱域16から計測域18への移動を指示する指示情報を生成する。
【0017】
被調理物Fの移動(S104): 指示情報を受け、被調理物Fを加熱域16から計測域18に移動させる。
被調理物Fの検出(S105): 被調理物Fの移動は被調理物検出部8で検出し、この移動情報を管理サーバ10が取得する。
被調理物Fの温度情報Tの取得(S106): 管理サーバ10は、被調理物Fが計測域18に移動したとき、計測域18にある被調理物Fの温度変化情報Ttを含む温度情報Tを取得する。
温度変化情報Ttの取得(S107): 管理サーバ10は、取得した温度情報Tから所定時間たとえば、3秒間における温度変化情報Ttを取得する。温度変化情報Ttには温度低下情報Tdnが含まれる。
【0018】
温度変化情報Ttと閾値Ttthとの対比(S108): 管理サーバ10は、被調理物Fの温度変化情報Ttと閾値Ttthとを対比し、この閾値Ttthに対する温度変化の状態ないし程度を表す情報としてたとえば、温度低下情報Tdnを取得する。閾値Ttthは被調理物Fのたとえば、最適な加熱温度を表す基準情報である。そして、温度低下情報Tdnから被調理物Fの内部温度Tiを表す内部温度情報を取得する。つまり、被調理物Fから取得した温度変化情報Ttと閾値Ttthとの比較により、温度低下情報Tdnを取得し、この温度低下情報Tdnから被調理物Fの内部温度Tiを推定する。
調理状態の評価(S109、S110): 管理サーバ10は、この内部温度Tiの推定により被調理物Fの調理状態を評価する。つまり、被調理物Fの内部温度Tiが閾値以上であれば、加熱良好、閾値未満であれば、加熱不良と評価する。
情報の提示(S111、S112): 加熱良好の場合には、加熱良好を表す評価情報を生成し、その評価情報を提示する(S111)。また、加熱不良の場合には、加熱不良を表す評価情報を生成し、その評価情報を提示する(S112)。
【0019】
調理品の提供(S113): 調理状態が加熱良好であれば、被調理物Fは調理品として提供される。
再加熱管理(S114、S115): 調理状態が加熱不良であれば、管理サーバ10は被調理物Fの再加熱指示を表す指示情報を生成する(S114)。この再加熱指示の後、被調理物Fが加熱域16への移動などの検出に基づき、管理サーバ10は再加熱かを判定する(S115)。
再加熱の後、S104~S110の処理が行われる。そして、調理状態が加熱良好であれば、被調理物Fは調理品として提供される(S113)。
【0020】
<調理管理システム2>
図2は、第1の実施の形態に係る調理管理システム2を示している。図2に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
この調理管理システム2は、被調理物Fの加熱を行い、その加熱状態など、調理状態の管理を行う。この調理管理には既述の調理管理工程の他、基準情報生成工程などの情報処理が含まれる。
【0021】
この調理管理システム2は加熱部4、温度情報取得部6、被調理物検出部8、管理サーバ10、情報提示部12、情報入力部14を備えている。
加熱部4に対し、加熱域16が設定されている。加熱域16は被調理物Fを加熱部4からの熱で加熱する領域である。つまり、加熱域16が動作中であれば、加熱域16に被調理物Fが搬入されて加熱される。
温度情報取得部6は、被調理物Fより温度変化情報Ttを含む温度情報Tを取得する。この温度情報取得部6に対し、被調理物Fの温度を計測し、その温度情報を取得するための計測域18が設定されている。この計測域18は加熱域16で加熱後の被調理物Fから温度低下などの温度変化情報Ttを含む温度情報を取得する領域である。つまり、加熱域16で加熱後、被調理物Fが加熱域16から計測域18に移動(搬入)したとき、温度情報取得部6が計測域18における被調理物Fの温度変化情報Ttを含む温度情報Tを取得する。この温度情報取得部6が取得した温度情報は管理サーバ10に連続または不連続に提供される。
【0022】
被調理物検出部8は、加熱域16への被調理物Fの搬入、加熱中の被調理物F、加熱域16から計測域18ヘの被調理物Fの移動、または計測中の被調理物Fを検出する。この検出情報が管理サーバ10に提供され、被調理物Fの加熱終了、温度計測などの制御に利用される。
管理サーバ10は、調理管理システム2を制御する管理主体として情報処理や制御を行う処理部の一例であり、たとえば、コンピュータで構成される。この管理サーバ10は、計測域18での温度検出による温度情報Tの取得、温度情報Tからの被調理物Fの温度低下Tdnなど温度変化情報Ttの取得、この温度変化情報Ttによる被調理物Fの調理状態の評価、提示情報の生成を行う。
情報提示部12は、管理サーバ10の制御により、被調理物Fの温度情報T、温度低下情報Tdnを含む温度変化情報Tt、調理状態の評価情報などを提示する。
情報入力部14は既述の被調理物情報の入力や各種機能部の制御情報の設定などに用いられる。
【0023】
<調理管理システム2の機能部>
図3は、調理管理システム2の機能部を示している。図3に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
加熱域16では被調理物Fが加熱部4の一例である熱源20によって加熱される。この熱源20は管理サーバ10によって制御される熱源駆動部22から駆動出力が与えられる。熱源20の制御には加熱温度制御などが含まれる。
【0024】
加熱域16には熱源20の上方に被調理物支持部24が設置され、この被調理物支持部24に載せられて被調理物Fが熱源20から熱を受ける。
温度情報取得部6には温度センサ26およびセンサ回路28が含まれる。温度センサ26はたとえば、放射温度センサで構成し、計測域18に搬入された被調理物Fの温度を計測する。センサ回路28は管理サーバ10の制御により温度センサ26の出力信号を被調理物Fの温度情報として取り出すための回路である。この計測出力はセンサ回路28に加えられ、このセンサ回路28が被調理物Fの温度変化情報Ttを含む温度情報Tを出力し、この温度情報Tがセンサ回路28から管理サーバ10に提供される。
被調理物検出部8には被調理物Fを検出するための撮像部30が設置されている。この撮像部30は管理サーバ10で制御されるたとえば、カメラで構成すればよい。この撮像出力は画像情報取得部32に加えられ、この画像情報取得部32が取得した画像情報が管理サーバ10に提供される。
搬出テーブル34には加熱良好と判断された被調理物Fが調理品として搬出される。
【0025】
<調理管理システム2のハードウェア>
図4は、調理管理システム2のハードウェアを示している。図4に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図4において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
管理サーバ10にはプロセッサ36、記憶部38、入出力部(I/O)40、通信部42、タイマー44などが含まれる。
プロセッサ36は記憶部38にあるOS(Operating System)を実行し、調理管理プログラムなど、各種のプログラムを実行するとともに、機能部の制御情報や情報提示のための提示情報を生成する。
【0026】
記憶部38はOSや調理管理プログラムなどを格納する記録媒体であって、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子を備え、被調理物Fの内部温度Tiの推定、調理状態の判定、各種情提示などに用いられる調理管理DB52(図11)や基準情報DB74(図14)などを格納する。
I/O40は、プロセッサ36の制御により温度情報取得部6のセンサ回路28、被調理物検出部8の画像情報取得部32などからの計測信号の取込み、加熱部4の熱源駆動部22などへの制御信号の出力の他、情報入力部14からの情報入力、情報提示部12へのアラート出力、その他を含む情報出力などを行う。
【0027】
通信部42は無線通信が可能な機能部との通信や、ビッグデータなどを提供する情報源や、従事者が所有する情報端末との通信を行う。
タイマー44はプロセッサ36の制御により被調理物Fの加熱時間th、温度取得のタイミングなどの時間情報を提供する。
そして、情報提示部12はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、管理サーバ10が生成する提示情報を画像により提示する。
情報入力部14には情報入力に用いられるキーボード、バーコード読取り部、マウス、I/O40に接続された情報端末の他、既述のタッチパネルが含まれる。タッチパネルは情報提示部12の表示画面に設置すればよい。
【0028】
<管理サーバ10の情報処理>
管理サーバ10が実行する処理には
(a) 被調理物Fおよび比較被調理物Frの調理情報の取得
(b) 被調理物Fの加熱制御
(c) 被調理物Fの移動情報の取得
(d) 被調理物Fの温度情報の取得を指示する指示情報の生成および出力
(e) 被調理物Fの温度情報の取得
(f) 被調理物Fの温度情報から温度変化情報Ttを含む温度情報Tの取得
(g) 被調理物Fの加熱状態を含む調理状態の評価および提示情報の生成
(h) 提示情報の生成
(i) 調理管理DB52(図11)、基準情報DB74(図14)の形成
などの情報処理が含まれる。
【0029】
<情報提示部12の情報提示>
情報提示部12の情報提示には
(a) 被調理物Fおよび比較被調理物Frの識別情報
(b) 被調理物Fなどの加熱中情報、計測指示情報、計測中情報
(c) 被調理物Fの加熱状態、評価情報および再加熱指示情報
などが含まれる。
【0030】
<被調理物Fの加熱調理>
図5のAに示すように、被調理物Fは加熱域16で加熱調理される。この加熱調理では、被調理物支持部24に被調理物Fが支持され、熱源20からの熱で加熱される。熱源20は管理サーバ10で制御され、加熱温度が最適化される。
【0031】
<加熱調理の情報提示>
図5のBは、情報提示部12の調理情報提示画面46を示している。調理情報提示画面46には加熱中表示部47、計測指示表示部48、計測中表示部49、調理評価表示部50、再加熱表示部51が含まれる。
加熱中表示部47には加熱中の被調理物Fが表示される。この表示はたとえば、加熱中であれば、図示のように、実線表示とともに着色表示で行われる。
計測指示表示部48には加熱中の被調理物Fに対して、加熱時間thが閾値tthに到達すると、温度計測の指示情報が提示される。この表示はたとえば、加熱中であれば、図示のように、実線表示とともに着色表示で行われる。
計測中表示部49には温度計測中の被調理物Fについて、計測中を表す表示が提示される。調理評価表示部50には評価結果として、加熱良好、加熱不良などが提示される。また、再加熱表示部51には加熱不良の表示に連動し、再加熱指示が表示される。
【0032】
したがって、加熱中の被調理物Fについて、温度計測の指示情報が提示されたとき、調理人P(図6)は該当する被調理物Fを加熱域16から計測域18に移動させればよい。この被調理物Fの移動は撮像部30の取得画像から検出し、その移動情報が管理サーバ10に提供される。
【0033】
<被調理物Fの移動>
図6に示すように、調理人Pは調理情報提示画面46の情報提示に基づき、該当する被調理物Fを加熱域16から計測域18に移動させれる。この場合、加熱域16の上方に計測域18が設定されているので、被調理物Fがたとえば、焼き鳥であれば、その串を持って移動させる。
被調理物Fの加熱域16から計測域18への移動、計測域18に進入した被調理物Fの存在は撮像部30で得られる画像情報から取得し、これらを特定することができる。
そして、被調理物Fが計測域18に移動したことを表す移動情報は被調理物Fの温度の計測タイミングであり、温度の計測時間Δt(図8)の開始タイミングとなる。被調理物Fの計測時間Δtはたとえば、3秒程度でよい。
【0034】
<被調理物Fの温度情報Tの取得>
被調理物Fが加熱域16から計測域18に移動すると、図7のAに示すように、計測域18内にある被調理物Fの温度を温度センサ26により計測し、被調理物Fの温度情報Tを取得する。
<温度計測の情報提示>
被調理物Fを加熱域16から計測域18に移動させると、図7のBに示すように、調理情報提示画面46の計測中表示部49に、該当する被調理物Fの計測中表示としてたとえば、「計測中」が提示される。
【0035】
<被調理物Fの温度低下情報Tdnの算出>
図8は横軸に時間t、縦軸に被調理物Fの表面温度Tsを取り、被調理物Fの温度変化情報Ttを示している。
計測開始時点t0から計測終了時点t1までの計測時間Δtは式(1) で求められる。
Δt=t1-t0 ・・・(1)
計測開始時点t0の表面温度をTs0、計測終了時点t1の表面温度をTs1とすれば、温度低下情報Tdnが式(2) で求められる。
Tdn=Ts0-Ts1 ・・・(2)
したがって、計測時間Δtにおける温度変化情報をTtとすると、この温度変化情報Ttは次式で求められる。
Tt=-Tdn/Δt ・・・(3)
この場合、Ts0>Ts1であるため、温度低下情報Tdnおよび温度変化情報Ttは負の値を取る。
【0036】
<被調理物Fの温度変化情報Ttによる調理状態の評価>
被調理物Fの表面温度Tsが高くても、被調理物Fの内部温度Tiが低い場合には、被調理物Fの表面部から内部に向かって熱量移動が生じ、その結果、表面温度Tsの温度が低下する。つまり、温度変化情報Ttの勾配は被調理物Fの内部温度Tiに依存し、被調理物Fの調理状態に依存する。
したがって、この温度変化情報Ttと閾値Ttthとを比較し、被調理物Fの調理状態を評価できる。この評価結果は加熱良好、加熱不良および再加熱指示である。
図9のAは、横軸に時間t、縦軸に温度変化情報Ttを取り、温度変化情報Ttの時間経過に対する推移曲線を示している。
被調理物Fの調理状態は温度変化情報Ttに現れる。調理状態が良好であれば、温度変化情報Ttは小さくなる。つまり、被調理物Fの調理状態が良好であれば、表面温度Tsの降下が緩やかである、対して加熱不足の調理状態が不良であると表面温度Tsの降下が早くなる傾向がある。そこで、この温度変化情報Ttに対し、閾値Ttthを設定する。この閾値Ttthは被調理物Fの調理状態が良好であるか、不良であるかの境界域である。
【0037】
したがって、温度変化情報Ttが閾値Ttthより小であれば(Tt≦Ttth)、加熱良好、つまり調理状態が良好と評価し、温度変化情報Ttが閾値Ttthより大であれば(Tt>Ttth)、加熱不良、つまり調理状態が不良と評価できる。そして、加熱不良であれば、加熱良好に移行させるために、再加熱の指示情報を提示すればよい。
【0038】
<被調理物Fの内部温度Tiによる調理状態の評価>
被調理物Fから取得した温度変化情報Ttから被調理物Fの内部温度Tiを推定すれば、この内部温度Tiと調理状態の基準となる閾値Tithとを比較し、加熱良好、加熱不良および再加熱指示などの評価をすることも可能である。
図9のBは、横軸に時間t、縦軸に内部温度Tiを取り、内部温度Tiの推移曲線を示している。
被調理物Fを加熱した場合、その内部温度Tiは被調理物Fの調理状態を表す指標となる。この内部温度Tiを用いる場合には被調理物Fの温度変化情報Ttを用いて基準情報Drefから該当する内部温度Tiを検索する。
【0039】
そして、調理状態の評価には、被調理物Fの内部温度Tiに対して調理状態を評価するための閾値Tithを設定する。この閾値Tithは被調理物Fの調理状態が加熱良好であるか、加熱不良であるかの境界域を構成する。
したがって、被調理物Fの内部温度Tiが閾値Tithより高ければ(Ti≧Tith)、加熱良好、つまり調理状態が良好と評価し、内部温度Tiが閾値Tithより低ければ(Ti<Tith)、加熱不良、つまり調理状態が不良と評価できる。そして、加熱不良であれば、加熱良好に移行させるために、既述したように、再加熱の指示情報を提示すればよい。
【0040】
<調理状態の評価表示>
被調理物Fの調理状態が加熱良好であれば、図10のAに示すように、該当する被調理物Fについて、調理評価表示部50にたとえば、「加熱良好」が表示される。
この場合、調理人Pはその表示を受け、該当する被調理物Fを調理品として提供すればよい。
【0041】
また、被調理物Fの調理状態が加熱不良であれば、図10のBに示すように、該当する被調理物Fについて、調理評価表示部50にその調理状態を表すたとえば、「加熱不良」が表示されるとともに、この「加熱不良」提示に連動して再加熱表示部51に再加熱を指示する指示情報としてたとえば、「再加熱」が提示される。
この場合、調理人Pはその表示を受け、該当する被調理物Fの再加熱を行えばよい。
【0042】
<調理管理DB52>
図11は、被調理物Fの調理管理情報を蓄積する調理管理DB52の一例を示している。この調理管理DB52には調理管理ファイル54が含まれる。この調理管理ファイル54には、被調理物部56、加熱時間部58、加熱温度部59、計測時間部60、温度情報部62、内部温度部64、閾値部66、評価情報部68が設定される。
被調理物部56には被調理物Fの属性情報や識別情報が格納される。加熱時間部58には被調理物Fに関係付けられた適正な加熱時間を表す時間情報が格納される。加熱温度部59には被調理物Fに関係付けられた適正な加熱温度やその制御情報が格納される。
計測時間部60には被調理物Fの温度計測の計測時間を表す時間情報が格納される。
【0043】
温度情報部62には各時点の計測温度を表す温度情報Tが格納される。この温度情報部62には計測開始時点部62-1、所定時間経過時点部62-2、温度変化部62-3が設定されている。計測開始時点部62-1には計測開始時点に被調理物Fから取得した温度情報Tが格納される。所定時間経過時点部62-2には計測時点から所定時間経過後、被調理物Fから取得した温度情報Tが格納される。温度変化部62-3には既述の温度変化を表す温度変化情報Ttが格納され、たとえば、被調理物Fの温度低下を表す温度低下情報Tdnが格納される。
【0044】
内部温度部64には温度変化情報Ttに該当する内部温度Tiを表す温度情報Tが格納される。この内部温度Tiは基準情報DB74から取得する。
閾値部66には、温度変化情報Ttまたは内部温度Tiに対する被調理物Fの調理状態を評価するための閾値Ttth、Tithが格納される。
評価情報部68には被調理物Fの調理状態の評価結果を表す評価情報が格納される。
【0045】
<基準情報生成工程>
図12は、基準情報Drefを生成するための基準情報生成工程を示している。図12に示す工程は一例であり、本発明が斯かる工程に限定されるものではない。この基準情報生成工程において、Sは処理の単位、番号は順番の一例を示している。
この基準情報生成工程には、比較被調理物情報の取得(S201)、比較被調理物Frの加熱(S202)、比較被調理物Frを加熱域16から計測域18に移動(S203)、表面温度Tsおよび内部温度Tiの計測(S204)、基準情報DB74(図14)の作成(S205)などが含まれる。この基準情報Drefの生成には被調理物Fと同等の管理サーバ10を用いるので、調理管理システム2(図3)の機能部を適宜引用する。
【0046】
比較被調理物情報の取得(S201): 管理サーバ10が調理状態を評価するための評価基準である比較被調理物Frの比較被調理物情報を取得し、基準情報DB74(図14)に格納する。
比較被調理物Frは被調理物Fの基準であり、この比較被調理物情報には、被調理物Fと同一または類似の属性を表す比較被調理物Frの属性情報や加熱時間などの調理に関する各種の管理情報が含まれる。つまり、比較被調理物Frには被調理物Fの基準となる同一または類似の属性を持つ調理物が選択される。
比較被調理物Frの加熱(S202): 被調理物Fと同様に加熱部4(図3)を用いて比較被調理物Frを加熱調理する。
【0047】
比較被調理物Frを加熱域16から計測域18に移動(S203): 比較被調理物Frを所定時間加熱後、加熱域16から計測域18に移動する。
比較被調理物Frの表面温度Tsおよび内部温度Tiの計測(S204): 計測域18では既述の被調理物Fと同様に温度計測を行う。
そして、比較被調理物Frの内部温度Tiは、被調理物Fの調理評価のための基準としての内部温度Tiであるから、比較被調理物Frの内部温度Tiを実測して取得する。
基準情報DB74(図14)の作成(S205): 比較被調理物Frの基準情報Drefを格納する基準情報DB74を作成する。この基準情報DB74には、比較被調理物情報、温度変化情報Ttや内部温度Tiなどが格納される。
【0048】
<比較被調理物Frの温度計測>
図13は、比較被調理物Frの内部温度Tiの実測を示している。この内部温度Tiの計測は、被調理物Fの内部温度Tiの推定のための基準情報Drefとしての内部温度Tiの取得である。
この温度計測はたとえば、電子温度計70を使用し、この電子温度計70の接触子72を比較被調理物Frに差し込んで計測する。この計測値は基準情報DB74に格納される。
【0049】
<基準情報DB74>
図14は、比較被調理物Frから取得した基準情報Drefを蓄積する基準情報DB74の一例を示している。この基準情報DB74には基準情報ファイル76が含まれる。この基準情報ファイル76には、比較被調理物部78、加熱時間部80、加熱温度部81、計測時間部82、温度情報部84、内部温度部86、評価情報部90などが含まれる。
【0050】
比較被調理物部78には比較被調理物Frの属性情報や識別情報が格納される。加熱時間部80には比較被調理物Frに関係付けられた適正な加熱時間を表す時間情報が格納される。加熱温度部81には比較被調理物Frに関係付けられた適正な加熱温度やその制御情報が格納される。
計測時間部82には温度計測の計測時間が格納される。温度情報部84には比較被調理物Frの計測温度を表す温度情報Tが格納される。この温度情報部84には計測開始時点部84-1、所定時間経過時点部84-2および温度変化部84-3が設定されている。
【0051】
計測開始時点部84-1には被調理物Fと同様に、計測開始時点に比較被調理物Frから取得した温度情報Tが格納される。所定時間経過時点部84-2には被調理物Fと同様に、計測時点から所定時間経過後、比較被調理物Frから取得した温度情報Tが格納される。温度変化部84-3には比較被調理物Frの既述の温度変化情報Ttが格納され、たとえば、被調理物Fの温度低下を表す温度低下情報Tdnが格納される。
内部温度部86には比較被調理物Frの実測値である内部温度Tiが格納される。
そして、評価情報部90には比較被調理物Frの温度変化情報Ttを用いた評価、内部温度Tiの実測値の評価を表す評価情報が格納される。
【0052】
<被調理物Fの調理状態の評価>
加熱後、被調理物Fの調理状態の評価について、温度変化情報Ttによる評価と、温度変化情報Ttから推定した内部温度Tiによる評価の方法があるが、被調理物Fの調理状態の評価には何れか一方を用いてもよく、双方を併用してもよい。これらを併用すれば、調理状態の評価精度を高めることができ、調理の信頼性向上に寄与する。
【0053】
<第1の実施の形態の効果>
以上説明した第1の実施の形態では、次の何れかの効果が得られる。
(1) 加熱中または加熱後の被調理物Fを加熱域16から計測域18に移動させるだけで、被調理物Fの調理状態を評価でき、その評価情報を調理情報提示画面46に提示でき、その内容を容易に認識できる。
(2) 被調理物Fに人体を接触させることなく調理状態を迅速に評価できるので、加熱中または加熱後の接触による被調理物Fの劣化や温度の低下を防止できる。
【0054】
(3) 従前、調理人Pが被調理物Fを押さえたり、摘んだりして調理状態を評価していた場合と比較し、調理人Pの勘に依存する必要はなく、被調理物Fの調理状態の評価精度を高めることができる。
(4) 加熱中または加熱後の被調理物Fの調理状態の評価を迅速化でき、調理中に調理状態が加熱不良であれば、その再加熱指示を受けて再加熱を行うことができる。
(5) 被調理物Fの生焼けなどを未然に防止でき、被調理物Fの安心、安全性を高めることができる。
【0055】
〔第2の実施の形態〕
図15は、第2の実施の形態に係る調理管理システム2を示している。図15において図3と同一部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、計測域18が加熱域16の上方に設置されていたが、加熱域16の横方向に設置してもよい。
このように、計測域18を設定すれば、加熱域16から横方向に被調理物Fを移動させ、その温度計測や調理状態の評価を行うことができる。
【0056】
<第2の実施の形態の効果>
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果とともに、次の何れかの効果が得られる。
(1) 被調理物Fを横方向に移動させるので、システムの低背化を図ることができる。
(2) 計測域18に隣接して調理品の提供域を設定することができる。
【0057】
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態に係る調理管理システム2を示している。図16において図3と共通部分には同一符号を付してある。
第3の実施の形態では、被調理物Fの加熱域16、計測域18および提供域92を横方向に配置し、第1の被調理物検出部8-1、第2の被調理物検出部8-2および搬送機構94が設置されている。
被調理物検出部8-1は加熱域16にある被調理物F、加熱域16および計測域18間の被調理物Fの移動、計測域18にある被調理物Fを検出する。被調理物検出部8-2は計測域18にある被調理物F、計測域18および提供域92間の被調理物Fの移動、提供域92にある被調理物Fを検出する。
搬送機構94は管理サーバ10の制御により被調理物Fを加熱域16から計測域18、計測域18から提供域92または計測域18から加熱域16に搬送する。
この実施の形態においても、加熱域16から計測域18に被調理物Fを移動させ、その温度計測や調理状態の評価を行うことができる。
【0058】
<調理管理システム2の機能部>
図17は、第3の実施の形態に係る調理管理システム2の機能部を示している。図17において、図16と同一部分には同一符号を付してある。
被調理物検出部8-1には管理サーバ10で制御される撮像部30-1および画像取得部32-1、被調理物検出部8-2には管理サーバ10で制御される撮像部30-2および画像取得部32-2が設置されている。
そして、加熱域16にはコンベア96-1、計測域18にはコンベア96-2、提供域92にはコンベア96-3が設置されている。コンベア96-1は管理サーバ10で制御されるコンベア駆動部98-1、コンベア96-2は管理サーバ10で制御されるコンベア駆動部98-2、コンベア96-3は管理サーバ10で制御されるコンベア駆動部98-3で駆動される。
【0059】
<調理管理システム2ハードウェア>
図18は、第3の実施の形態に係る調理管理システム2のハードウェアを示している。図18において、図17または図4と同一部分には同一符号を付してある。
このような調理管理システム2では、被調理物Fの移動がコンベア96-1、96-2、96-3で行われ、自動化されるとともにその移動が最適化されている。
その他の部分は第1の実施の形態と同一であるので、その説明を割愛する。
【0060】
<被調理物Fの加熱調理>
被調理物Fは図19のAに示すように、加熱域16にあるコンベア96-1の上で熱源20からの熱を受けて加熱される。
【0061】
<被調理物Fの温度計測、調理状態の評価>
加熱開始から所定時間が経過した被調理物Fは、コンベア96-1、96-2の駆動により加熱域16から計測域18に移動させる。この計測域18において、第1の実施の形態と同様に、温度計測が行われる。管理サーバ10は取得した温度情報Tに基づき、被調理物Fの調理状態の評価を行う。
調理状態の評価において、加熱不良であればコンベア96-1、96-2を駆動して被調理物Fをコンベア96-1上に戻し、再加熱を行う。
【0062】
<調理品の提供>
被調理物Fの調理状態が加熱良好であれば、図19のCに示すように、コンベア96-2、96-3を駆動して被調理物Fを提供域92のコンベア96-3上に搬送し、被調理物Fを調理品として提供する。
【0063】
<第3の実施の形態の効果>
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果とともに、次の何れかの効果が得られる。
(1) 被調理物Fを加熱域16に設置するだけで、加熱、温度計測、調理状態の評価、調理品提供、または再加熱の後、調理品提供を自動化することができる。
(2) 被調理物Fの調理状態の均一化を実現できる。
(3) 調理人Pの負担を軽減できる。
【実施例0064】
図20は、実施例1に係る調理機器100-1を示している。図20において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
この調理機器100-1には機器筐体102を備え、既述の加熱部4、管理サーバ10、情報提示部12、情報入力部14などを含む調理管理システム2を搭載している。この調理機器100-1に搭載された各機能部は第1の実施の形態で機能を説明しているので、その説明を割愛する。
この調理機器100-1では、加熱域16に対し、機器筐体102の天井側に計測域18が設定されている。
【0065】
被調理物Fは、機器筐体102に設置された被調理物支持部24に搬入され、図示しない加熱部4の熱源20で加熱される。
そして、調理人P(図6)が被調理物Fを計測域18に移動させれば、その計測を行うことができ、その調理状態の評価結果が情報提示部12に提示される。調理人Pは提示情報から加熱良好、加熱不良、再加熱などの評価結果を確認し、調理品の迅速な提供と、加熱不良の際の再加熱処理を迅速化できる。
【0066】
<実施例1の効果>
以上説明した実施例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、加熱中または加熱後の被調理物Fの調理状態を情報提示部12の情報提示により容易に確認することができる。
【実施例0067】
図21は、実施例2に係る調理機器100-2を示している。図21において、図15と同一部分には同一符号を付してある。
この調理機器100-2には機器筐体102を備え、既述の加熱部4、管理サーバ10、情報提示部12、情報入力部14などを含む調理管理システム2を搭載している。この調理機器100-2に搭載された各機能部は第2の実施の形態で機能を説明しているので、その説明を割愛する。
この調理機器100-2では、加熱域16に隣接して計測域18が設定されている。
【0068】
被調理物Fは、機器筐体102に設置された被調理物支持部24に搬入され、図示しない加熱部4の熱源20で加熱される。
そして、調理人P(図6)が被調理物Fを計測域18に移動させれば、その計測を行うことができ、その調理状態の評価結果が情報提示部12に提示される。調理人Pは提示情報から加熱良好、加熱不良、再加熱などの評価結果を確認し、調理品の迅速な提供と、加熱不良の際の再加熱処理を迅速化できる。
【0069】
<実施例2の効果>
以上説明した実施例2によれば、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができ、加熱中または加熱後の被調理物Fの調理状態を情報提示部12の情報提示により容易に確認することができる。
【実施例0070】
図22は、実施例3に係る調理機器100-3を示している。図22において、図17と同一部分には同一符号を付してある。
この調理機器100-3には機器筐体102を備え、既述の加熱部4、管理サーバ10、情報提示部12、情報入力部14などを含む調理管理システム2を搭載している。この調理機器100-3に搭載された各機能部は第3の実施の形態で機能を説明しているので、その説明を割愛する。
この調理機器100-3では、加熱域16に隣接して計測域18が設定されている。
【0071】
被調理物Fは、機器筐体102に設置された被調理物支持部24に搬入され、図示しない加熱部4の熱源20で加熱される。
そして、調理人P(図6)が被調理物Fを加熱域16に搬入すれば、加熱、その計測および調理状態の評価を一貫して行うことができ、その調理状態の評価結果は情報提示部12に提示される。調理人Pは提示情報から加熱良好、加熱不良、再加熱などの評価結果を確認し、調理品の迅速な提供と、加熱不良の際の再加熱処理を迅速化できる。
【0072】
<実施例3の効果>
以上説明した実施例3によれば、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができ、加熱中または加熱後の被調理物Fの調理状態を情報提示部12の情報提示により容易に確認することができる。
【0073】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、被調理物Fの調理管理システム2を構成しているが、被調理物Fを評価する調理シミュレーションシステムないし装置に利用してよい。
(2) 被調理物Fの調理状態の評価結果とともに調理温度などの情報を表示してもよい。
(3) 被調理物情報には生産地や生産者などの生産情報を提示してもよい。
(4) 上記実施形態では被調理物Fの温度変化を含む温度変化情報Ttを取得し、この温度変化情報Ttと閾値Ttthとを比較して被調理物Fの調理状態を評価したが、温度変化情報Ttに含まれる温度低下情報Tdnを取得し、この温度低下情報Tdnに表れる温度低下の傾斜や程度を持って被調理物Fの調理状態を評価してもよい。
【0074】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、加熱中または加熱後の焼き鳥などの被調理物Fを加熱域から計測域に移動させるだけで、被調理物Fの調理状態たとえば、その加熱状態の良否を非接触で評価できるので、人体との接触による被調理物Fの劣化を防止し、食の安心、安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0076】
F 被調理物
Fr 比較被調理物
Δt 計測時間
th 加熱時間
2 調理管理システム
4 加熱部
6 温度情報取得部
8 被調理物検出部
8-1 第1の被調理物検出部
8-2 第2の被調理物検出部
10 管理サーバ
12 情報提示部
14 情報入力部
16 加熱域
18 計測域
20 熱源
22 熱源駆動部
24 被調理物支持部
26 温度センサ
28 センサ回路
30 撮像部
30-1、30-2 撮像部
32 画像情報取得部
32-1、32-2 画像取得部
34 搬出テーブル
36 プロセッサ
38 記憶部
40 入出力部(I/O)
42 通信部
44 タイマー
46 調理情報提示画面
47 加熱中表示部
48 計測指示表示部
49 計測中表示部
50 調理評価表示部
51 再加熱表示部
52 調理管理DB
54 調理管理ファイル
56 被調理物部
58 加熱時間部
59 加熱温度部
60 計測時間部
62 温度情報部
62-1 計測開始時点部
62-2 所定時間経過時点部
62-3 温度変化部
64 内部温度部
66 閾値部
68 評価情報部
70 電子温度計
72 接触子
74 基準情報DB
76 基準情報ファイル
78 比較被調理物部
80 加熱時間部
81 加熱温度部
82 計測時間部
84 温度情報部
84-1 計測開始時点部
84-2 所定時間経過時点部
84-3 温度変化部
86 内部温度部
90 評価情報部
92 提供域
94 搬送機構
96-1、96-2、96-3 コンベア
98-1、98-2、98-3 コンベア駆動部
100-1、100-2、100-3 調理機器
102 機器筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2021-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いた調理管理方法であって、
前記コンピュータが、被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する工程と、
前記被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を指示する移動指示情報を生成する工程と、
温度情報取得部が、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する工程と、
を含むことを特徴とする調理管理方法。
【請求項2】
さらに、前記コンピュータが、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、前記移動情報の取得に基づき、前記温度情報を取得する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の調理管理方法。
【請求項3】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが被調理物を搬送する搬送機構に対し、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の調理管理方法。
【請求項4】
加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、
前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーと、
前記加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定され、前記加熱域から該計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を情報提示部に提示させ、前記温度情報取得部で取得した前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部と、
を備えることを特徴とする調理管理システム。
【請求項5】
さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を検出する被調理物検出部を備え、前記処理部が前記被調理物検出部から前記被調理物の移動情報を取得し、前記温度情報取得部に前記被調理物の温度情報の取得を指示することを特徴とする請求項に記載の調理管理システム。
【請求項6】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が被調理物を搬送する搬送機構に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示することを特徴とする請求項に記載の調理管理システム。
【請求項7】
コンピュータにより実現するプログラムであって、
タイマーから被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する機能と、
前記被調理物を加熱する加熱域に対して該被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記被調理物を前記加熱域から前記計測域への移動を指示する指示情報を生成する機能と、
前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する機能と、
前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する機能と、
を前記コンピュータにより実現するプログラム。
【請求項8】
さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する機能と、
前記移動情報の取得に基づき前記被調理物の温度情報の取得を指示する指示情報を出力する機能と、
を前記コンピュータにより実現する請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、搬送機構に対し、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への搬送を指示する機能を前記コンピュータにより実現する請求項に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項ないし請求項の何れかの請求項に記載のプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項11】
被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定された機器筐体と、
前記加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、
前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーと、
前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報含む温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を情報提示部に提示させ、前記温度情報取得部で取得した前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部と、
を備えることを特徴とする調理機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の調理管理方法の一側面によれば、コンピュータを用いた調理管理方法であって、前記コンピュータが、被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する工程と、前記被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を指示する移動指示情報を生成する工程と、温度情報取得部が、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する工程と、前記コンピュータが、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する工程とを含む。
この調理管理方法において、さらに、前記コンピュータが、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する工程と、前記コンピュータが、前記移動情報の取得に基づき、前記温度情報を取得する工程とを含んでよい
この調理管理方法において、さらに、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する工程と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を指示する移動指示情報を生成する工程とを含んでよい。
の調理管理方法において、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記コンピュータが被調理物を搬送する搬送機構に対し、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示する工程を含んでよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の調理管理システムの一側面によれば、加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーと、前記加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定され、前記加熱域から該計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する温度情報取得部と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を情報提示部に提示させ、前記温度情報取得部で取得した前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部とを備える。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動を検出する被調理物検出部を備え、前記処理部が前記被調理物検出部から前記被調理物の移動情報を取得し、前記温度情報取得部に前記被調理物の温度情報の取得を指示してもよい
の調理管理システムにおいて、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記処理部が被調理物を搬送する搬送機構に、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の搬送を指示してよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータにより実現するプログラムであって、タイマーから被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する機能と、前記被調理物を加熱する加熱域に対して該被調理物の温度を計測する計測域を設定し、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記被調理物を前記加熱域から前記計測域への移動を指示する指示情報を生成する機能と、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報を含む温度情報を取得する機能と、前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する機能とを前記コンピュータにより実現する。
このプログラムにおいて、さらに、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への移動情報を取得する機能と、前記移動情報の取得に基づき前記被調理物の温度情報の取得を指示する指示情報を出力する機能とを前記コンピュータにより実現してよい。
このプログラムにおいて、さらに、タイマーから前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得する機能と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記被調理物を前記加熱域から前記計測域への移動を指示する指示情報を生成する機能とを前記コンピュータにより実現してよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記加熱時間が閾値に到達したとき、搬送機構に対し、前記被調理物の前記加熱域から前記計測域への搬送を指示する機能を前記コンピュータにより実現してよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の調理機器の一側面によれば、被調理物を加熱する加熱域に対して前記被調理物の温度を計測する計測域が設定された機器筐体と、前記加熱域に設置された被調理物を加熱する加熱部と、前記被調理物の加熱時間を表す時間情報を取得するタイマーと、前記加熱域から前記計測域に移動した前記被調理物より温度変化情報含む温度情報を取得する温度情報取得部と、前記加熱時間が閾値に到達したとき、前記加熱域から前記計測域への前記被調理物の移動を指示する指示情報を情報提示部に提示させ、前記温度情報取得部で取得した前記被調理物の前記温度変化情報により前記被調理物の調理状態を評価する処理部とを備える。