特開 2022-77685 鉄筋結束機用結束線供給システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022077685

(43)【公開日】2022-05-24

(54)【発明の名称】鉄筋結束機用結束線供給システム

(51)【国際特許分類】

   E04G 21/12 20060101AFI20220517BHJP

   B21F 23/00 20060101ALI20220517BHJP

   B21F 15/06 20060101ALI20220517BHJP

【ＦＩ】

E04G21/12 105E

B21F23/00 Z

B21F15/06

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020188631

(22)【出願日】2020-11-12

(71)【出願人】

【識別番号】513192742

【氏名又は名称】建ロボテック株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002343

【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】眞部 達也

(72)【発明者】

【氏名】井上 治久

【テーマコード（参考）】

4E070

【Ｆターム（参考）】

4E070AA01

4E070AB06

4E070AC03

4E070BA02

(57)【要約】

【課題】鉄筋結束機の外部から結束線を供給して結束線収容マガジン内のリール交換が不要となるため、結束線収容マガジンの容量に規制されることなく結束作業を長時間継続して行うことができる鉄筋結束機用結束線供給システムを提供すること。
【解決手段】
鉄筋の交差部を結束線ＴＷにより結束する鉄筋結束機ＢＤの外部から鉄筋結束機ＢＤに結束線ＴＷを供給する鉄筋結束機用結束線供給システムであって、鉄筋結束機ＢＤに近設して結束線ＴＷを鉄筋結束機ＢＤに供給する結束線供給リールＷＲを装着したリール装着ユニット１１０と、結束線供給リールＷＲから供給される結束線ＴＷを鉄筋結束機ＢＤの結束線収容マガジンＮＧ内に導入する結束線アダプター１２０と、リール装着ユニット１１０から結束線アダプター１２０まで結束線ＴＷを挿通して案内する結束線挿通ガイド１４０とで構成されている鉄筋結束機用結束線供給システム１００。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

鉄筋の交差部を結束線により結束する鉄筋結束機の外部から該鉄筋結束機に前記結束線を供給する鉄筋結束機用結束線供給システムであって、
前記鉄筋結束機に近設して前記結束線を前記鉄筋結束機に供給する結束線供給リールを装着したリール装着ユニットと、
前記結束線供給リールから供給される前記結束線を前記鉄筋結束機の結束線収容マガジン内に導入する結束線アダプターと、
前記リール装着ユニットから前記結束線アダプターまで前記結束線を挿通して案内する結束線挿通ガイドとで構成されていることを特徴とする鉄筋結束機用結束線供給システム。

【請求項2】

前記リール装着ユニットが、逆回転防止部材を備えていることを特徴とする請求項１に記載の鉄筋結束機用結束線供給システム。

【請求項3】

前記結束線アダプターが、前記結束線挿通ガイドを接続するためのガイド接続部を有していることを特徴とする請求項１乃又は請求項２に記載の鉄筋結束機用結束線供給システム。

【請求項4】

前記結束線アダプターが、前記結束線収容マガジンに装着して固定する装着ベース部と該装着ベース部を斜交貫通する結束線導入管路部とを備えていることを特徴とする請求項１乃至請求項３に記載の鉄筋結束機用結束線供給システム。

【請求項5】

前記結束線導入管路部が、前記結束線収容マガジン内における管路終端部分においてマガジン周壁に指向して斜めに開口していることを特徴とする請求項４に記載の鉄筋結束機用結束線供給システム。

【請求項6】

前記結束線挿通ガイドが、結束線を挿通する密着コイルばねから形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項５に記載の鉄筋結束機用結束線供給システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、鉄筋の交差部を結束線により結束する鉄筋結束機に、外部から結束線を供給する鉄筋結束機用結束線供給システムに関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来、施工面に格子状に敷設した複数の鉄筋上を走行する車輪ユニットと、この車輪ユニットを搭載するフレームユニットと、鉄筋結束機を着脱自在に装着する鉄筋結束機保持ユニットと、この鉄筋結束機保持ユニットを上下に駆動する駆動ユニットと、制御ユニットとを備えて、鉄筋結束機保持ユニットに装着した鉄筋結束機を下降させて鉄筋相互の交差部を結束線により結束する鉄筋結束用自走ロボット（特許文献１参照）が知られている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許公報第６６３３７２０号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来の鉄筋結束用自走ロボットに装着されている鉄筋結束機は、結束線のリールを結束線収容マガジン内に収納して結束動作を行うため、一巻きのリールを使い果たすたびにロボットの走行を停止させ、鉄筋結束機の結束線収容マガジンを開けてリールを交換する必要があり、作業効率が低下するという問題があった。

【0005】

そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、鉄筋結束機の外部から結束線を供給して結束線収容マガジン内のリール交換が不要となるため、結束線収容マガジンの容量に規制されることなく結束作業を長時間継続して行うことができる鉄筋結束機用結束線供給システムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本請求項１に係る発明は、鉄筋の交差部を結束線により結束する鉄筋結束機の外部から該鉄筋結束機に前記結束線を供給する鉄筋結束機用結束線供給システムであって、前記鉄筋結束機に近設して前記結束線を前記鉄筋結束機に供給する結束線供給リールを装着したリール装着ユニットと、前記結束線供給リールから供給される前記結束線を前記鉄筋結束機の結束線収容マガジン内に導入する結束線アダプターと、前記リール装着ユニットから前記結束線アダプターまで前記結束線を挿通して案内する結束線挿通ガイドとで構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。

【0007】

本請求項２に係る発明は、請求項１に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムの構成に加えて、前記リール装着ユニットが、逆回転防止部材を備えていることを特徴とすることにより、前述した課題を解決するものである。

【0008】

本請求項３に係る発明は、請求項１乃又は請求項２に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムの構成に加えて、前記結束線アダプターが、前記結束線挿通ガイドを接続するためのガイド接続部を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。

【0009】

本請求項４に係る発明は、請求項１乃至請求項３に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムの構成に加えて、前記結束線アダプターが、前記結束線収容マガジンに装着して固定する装着ベース部と該装着ベース部を斜交貫通する結束線導入管路部とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。

【0010】

本請求項５に係る発明は、請求項４に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムの構成に加えて、前記結束線導入管路部が、前記結束線収容マガジン内における管路終端部分においてマガジン周壁に指向して斜めに開口していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。

【0011】

本請求項６に係る発明は、請求項１乃至請求項５に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムの構成に加えて、前記結束線挿通ガイドが、結束線を挿通する密着コイルばねから形成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。

【発明の効果】

【0012】

本発明の請求項１に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、鉄筋の交差部を結束線により結束する鉄筋結束機の外部から鉄筋結束機に結束線を供給する鉄筋結束機用結束線供給システムであって、鉄筋結束機に近設して結束線を鉄筋結束機に供給する結束線供給リールを装着したリール装着ユニットと、結束線供給リールから供給される結束線を鉄筋結束機の結束線収容マガジン内に導入する結束線アダプターと、リール装着ユニットから結束線アダプターまで結束線を挿通して案内する結束線挿通ガイドとで構成されていることにより、鉄筋結束機の外部から結束線を供給して結束線収容マガジン内のリール交換が不要となるため、結束線収容マガジンの容量に規制されることなく結束作業を長時間継続して行うことができる。

【0013】

本発明の請求項２に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、請求項１に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムが奏する効果に加えて、リール装着ユニットが、逆回転防止部材を備えていることにより、鉄筋結束機の結束動作によりいったん引き出された結束線が巻き戻らずに余裕分となるため、鉄筋結束機が小さい力で結束線を引き込んで消費電力を低減し、機器の損耗を防止することができる。

【0014】

本請求項３に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、請求項１乃又は請求項２に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムが奏する効果に加えて、結束線アダプターが、結束線挿通ガイドを接続するためのガイド接続部を有していることにより、結束線挿通ガイド内を案内された結束線が、結束線アダプターを介して結束線収容マガジン内にスムーズに導入されて結束線の「暴れ」を防止するため、鉄筋結束機が小さい力で結束線を引き込んで消費電力を低減し、機器の損耗を防止することができる。

【0015】

本請求項４に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、請求項１乃至請求項３に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムが奏する効果に加えて、結束線アダプターが、結束線収容マガジンに装着して固定する装着ベース部と装着ベース部を斜交貫通する結束線導入管路部とを備えていることにより、結束線アダプターを介して結束線収容マガジン内に導入された結束線が、ダミーリールと干渉することなく、既存の結束線収容マガジン内を無理なく移動して供給されるため、鉄筋結束機を改良することなく結束線の安定した結束動作を確保することができる。

【0016】

本請求項５に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、請求項４に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムが奏する効果に加えて、結束線導入管路部が、結束線収容マガジン内における管路終端部分においてマガジン周壁に指向して斜めに開口していることにより、結束線アダプターを介して結束線収容マガジン内に導入された結束線が、結束線収容マガジン内のマガジン周壁に沿って無理なく指向して供給されるため、結束線を円滑かつ安定して結束線収容マガジン内を経由して鉄筋の交差部に供給することができる。

【0017】

本請求項６に係る発明の鉄筋結束機用結束線供給システムによれば、請求項１乃至請求項５に記載の鉄筋結束機用結束線供給システムが奏する効果に加えて、結束線挿通ガイドが、結束線を挿通する密着コイルばねから形成されていることにより、結束線が鉄筋結束機に引き込まれる際に結束線挿通ガイドが可撓的かつ弾性的に変形するため、結束線を折り曲げたり周囲のものに引っ掛けたりすることなく保持することができるとともに、結束線供給時の摩擦に耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】本発明の鉄筋結束機用結束線供給システムを適用することができる鉄筋結束用自走ロボットの一例を示す模式図。

【図2】本発明の一実施例を示す模式図。

【図3】本発明の一実施例に係るリール装着ユニットの動作を示す説明図。三面図。

【図4】本発明の一実施例に係る結束線挿通ガイドを結束線アダプターに挿入固定した状態を示す模式図。

【図5A】本発明の一実施例に係る結束線アダプターを示す模式的正面図。

【図5B】本発明の一実施例に係る結束線アダプターを示す模式的側面図。を示す説明図。

【図6】本発明の一実施例に係る装着ベース部の装着方法と導入された結束線の移動経路を示す模式的説明図。

【発明を実施するための形態】

【0019】

本発明は、鉄筋結束機に近設して結束線を鉄筋結束機に供給する結束線供給リールを装着したリール装着ユニットと、結束線供給リールから供給される結束線を鉄筋結束機の結束線収容マガジン内に導入する結束線アダプターと、リール装着ユニットから結束線アダプターまで結束線を挿通して案内する結束線挿通ガイドとで構成されていることにより、結束線収容マガジンの容量に規制されることなく結束作業を長時間継続して行うことができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。

【0020】

すなわち、本発明のリール装着ユニットは、鉄筋結束機に近設して結束線を鉄筋結束機に供給するものであればよく、鉄筋結束用自走ロボットに固定する構成以外に、たとえば、鉄筋結束機を自ら保持して結束作業を行う者が、腰に装着し、又は背負う構成としても良い。

【0021】

また、本発明の結束線アダプターは、アダプター固定片を用いて結束線収容マガジンの導入窓に装着固定する構成だけでなく、結束線アダプター自体が係合固定爪を備えて導入窓に係合固定する構成としてもよい。

【0022】

さらに、本発明の結束線挿通ガイドは、結束線を挿通した状態で可撓的かつ弾性的に変形するものであればよく、金属製の密着コイルの他に一般的なコイルバネ、金属製可撓管その他のフレキシブルチューブから構成することができる。

【実施例0023】

以下に、本発明の一実施例である鉄筋結束機用結束線供給システム１００の構成について、図１乃至図５Ｂに基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の鉄筋結束機用結束線供給システムを適用することができる鉄筋結束用自走ロボットの一例を示す模式図であり、図２は、本発明の一実施例を示す模式図であり、図３は、本発明の一実施例に係るリール装着ユニットの動作を示す説明図であり、図４は、本発明の一実施例に係る結束線挿通ガイドを結束線アダプターに挿入固定した状態を示す模式図であり、図５Ａは、本発明の一実施例に係る結束線アダプターを示す模式的正面図であり、図５Ｂは、本発明の一実施例に係る結束線アダプターを示す模式的側面図である。

【0024】

本実施例に係る鉄筋結束機用結束線供給システム１００は、図１に示す鉄筋結束用自走ロボットＲに搭載された鉄筋結束機ＢＤに、鉄筋結束機ＢＤの外部から結束線ＴＷを供給するために用いる。

【0025】

図１に示す鉄筋結束用自走ロボットＲは、手持ち式の鉄筋結束機ＢＤが搭載されており、並行に配置された走行鉄筋ＬＲ上を自走しながら、走行鉄筋ＬＲと直交するように配置された直交鉄筋ＴＲと走行鉄筋ＬＲとの交差部を、鉄筋結束機ＢＤを上下動させて結束するものである。

【0026】

本実施例に係る鉄筋結束機用結束線供給システム１００は、図２乃至図４に示すように、リール装着ユニット１１０と結束線アダプター１２０と結束線挿通ガイド１４０とを備えている。

【0027】

リール装着ユニット１１０は、装着フレーム１１１と装着回転板１１２と装着軸１１３と逆回転防止部材としてのワンウェイクラッチ１１４とを備えている。

【0028】

装着フレーム１１１は、図２に示すように全体がＴ字型に構成されており、その複数個所において鉄筋結束用自走ロボットＲに固定されていると共に、図３に示すように上端部付近に装着回転板１１２が回動自在に固定されている。

【0029】

装着回転板１１２は、装着フレーム１１１の上端部付近に、ワンウェイクラッチ１１４を介して回動自在に固定されており、その中心部に回転軸を共有する装着軸１１３を備えている。

【0030】

ワンウェイクラッチ１１４は、回転方向を一方向に規制するものであり、装着軸１１３に結束線供給リールＷＲを装着した際に、結束線ＴＷが供給される方向にのみ結束線供給リールＷＲが回転させるように設定されている。

【0031】

結束線アダプター１２０は、図４乃至図５Ｂに示すように、装着ベース部１２１と、ガイド接続部１２２と、結束線導入管路部１２３と、管路終端部分１２４と、嵌合突起部１２５と、係合突起片部１２６とを備えている。

【0032】

装着ベース部１２１は、結束線ＴＷを供給する鉄筋結束機ＢＤの結束線収容マガジンＭＧに設けられている導入窓ＥＷをちょうど塞ぐ形状、寸法を有する板状の構成である。

【0033】

装着ベース部１２１の一方側に相対的に大径の円筒状のガイド接続部１２２が、他方側には相対的に小径の円筒状の結束線導入管路部１２３が、相互に同軸状に、かつ、内部の管路が装着ベース部１２１を貫通するように構成されている。

【0034】

この、円筒状のガイド接続部１２２と結束線導入管路部１２３とが共有する中心軸が装着ベース部１２１に対してなす角度は垂直からずれており、図５Ａに示すように、結束線アダプター１２０の正面から見た場合に装着ベース部１２１の平坦面に対してαの角度となるように傾斜しており、さらに、図５Ｂに示すように、結束線アダプター１２０の側面から見た場合に装着ベース部１２１の平坦面に対してβの角度となるように傾斜している。
なお、本実施例ではαを約７５度、βを約８５度に設定している。

【0035】

結束線導入管路部１２３の先端部は、その中心軸に対して斜めにカットされた形態となって管路終端部分１２４を形成している。管路終端部分１２４を構成している平坦面は、図５Ａ及び図５Ｂに示すように、結束線導入管路部１２３の傾斜している側の側面向きに大きく開口するように、装着ベース部１２１の正面に対して垂直な平面から構成されている。

【0036】

装着ベース部１２１の結束線導入管路部１２３が設けられている側の長手方向両端部には、断面Ｔ字状の嵌合突起部１２５と、四角柱状の係合突起片部１２６とが、結束線導入管路部１２３を挟む配置で設けられている。

【0037】

次に、図２、図４及び図６を参照して、本実施例に係る鉄筋結束機用結束線供給システム１００を鉄筋結束機ＢＤに装着して結束線ＴＷを鉄筋結束機ＢＤ内に供給する手順を説明する。

【0038】

ここで、図６は、本発明の一実施例に係る装着ベース部の装着方法と導入された結束線の移動経路を示す模式的説明図であり、説明のために、鉄筋結束機ＢＤの結束線収容マガジンＭＧが通常備えている開閉蓋を省略している。

【0039】

本実施例に係る鉄筋結束機用結束線供給システム１００を鉄筋結束機ＢＤに装着して結束線ＴＷを結束線収容マガジンＭＧ内に供給するためには、まず、図４に示すように、結束線挿通ガイド１４０を結束線アダプター１２０のガイド接続部１２２内に挿入して固定する。

【0040】

次に、図２に示すように、リール装着ユニット１１０を構成している装着回転板１１２の装着軸１１３に装着されて装着回転板１１２とともに回転自在となっている結束線供給リールＷＲに巻回収納されている結束線ＴＷを引き出して結束線挿通ガイド１４０を挿通させる。そして、図４に示すように、結束線導入管路部１２３の管路終端部分１２４から出てきた結束線ＴＷを、管路終端部分１２４が大きく開口している向きに若干曲げておくと共に、その先端部を捩じっておく。

【0041】

その後、図６に示すように、結束線アダプター１２０を鉄筋結束機ＢＤの結束線収容マガジンＭＧに設けられている導入窓ＥＷに外側からあてがい、アダプター固定片１３０の嵌合切欠き部１３１が結束線アダプター１２０の嵌合突起部１２５に嵌合するように、結束線収容マガジンＭＧの内側に配置して、結束線アダプター１２０を導入窓に固定する。

【0042】

この際、本発明の鉄筋結束機用結束線供給システム１００を用いない場合に結束線収容マガジンＭＧに結束線リールを配置する位置に、結束線リールと同様の円筒形状のダミーリールＤＭを配置しておくことにより、結束線収容マガジンＭＧ内に導入された結束線ＴＷは、図６の網掛け矢印のように、ダミーリールＤＭの側壁に沿って、すなわち、結束線収容マガジンＭＧ内の周壁に沿って誘導され、ガイド窓ＬＧ内に供給され、鉄筋の結束に供される。

【0043】

以上の準備の後に、鉄筋結束用自走ロボットＲを図２のように走行鉄筋ＬＲ上に配置して運転を開始させれば、鉄筋結束用自走ロボットＲが走行鉄筋ＬＲ上を走行しながら鉄筋結束機ＢＤを上下動させて、走行鉄筋ＬＲと直交鉄筋ＴＲとの交差部を結束していく。

【0044】

鉄筋結束機ＢＤが最下部に達した時に結束動作が生じ、この際、結束線挿通ガイド１４０を挿通している結束線ＴＷが結束線収容マガジンＭＧ内に引き込まれることにより、リール装着ユニット１１０の装着回転板１１２の装着軸１１３に装着されている結束線供給リールＷＲは、装着回転板１１２とともに順方向に回転して結束線ＴＷを供給する。

【0045】

結束動作が終わると鉄筋結束機ＢＤは最上部まで戻るが、この際、リール装着ユニット１１０の装着回転板１１２は、ワンウェイクラッチ１１４により逆回転が規制されているため、装着回転板１１２の装着軸１１３に装着されている結束線供給リールＷＲは回動せずに停止している。

【0046】

このため、鉄筋結束機ＢＤの上昇した距離に応じて、引き出されている結束線ＴＷに余裕分が生じることになるが、この余裕分は結束線挿通ガイド１４０がその可撓性及び弾性により変形して吸収する。

【0047】

以上説明したように、本実施例に係る鉄筋結束機用結束線供給システム１００によれば、鉄筋結束機ＢＤに近設して結束線ＴＷを鉄筋結束機ＢＤに供給する結束線供給リールＷＲを装着したリール装着ユニット１１０と、結束線供給リールＷＲから供給される結束線ＴＷを鉄筋結束機ＢＤの結束線収容マガジンＭＧ内に導入する結束線アダプター１２０と、リール装着ユニット１１０から結束線アダプター１２０まで結束線ＴＷを挿通して案内する結束線挿通ガイド１４０とで構成されていることにより、鉄筋結束機ＢＤの外部から結束線ＴＷを供給して結束線収容マガジンＭＧ内のリール交換が不要となるため、結束線収容マガジンＭＧの容量に規制されることなく結束作業を長時間継続して行うことができる。

【0048】

また、リール装着ユニット１１０が、逆回転防止部材としてのワンウェイクラッチ１１４を備えていることにより、鉄筋結束機ＢＤの結束動作によりいったん引き出された結束線ＴＷが巻き戻らずに余裕分となるため、鉄筋結束機ＢＤが小さい力で結束線ＴＷを引き込んで消費電力を低減し、機器の損耗を防止することができる。

【0049】

さらに、結束線アダプター１２０が、結束線挿通ガイド１４０を接続するためのガイド接続部１２２を有していることにより、結束線挿通ガイド１４０内を案内された結束線ＴＷが、結束線アダプター１２０を介して結束線収容マガジンＭＧ内にスムーズに導入されて結束線ＴＷの「暴れ」を防止するため、鉄筋結束機ＢＤが小さい力で結束線ＴＷを引き込んで消費電力を低減し、機器の損耗を防止することができる。

【0050】

加えて、結束線アダプター１２０が、結束線収容マガジンＭＧに装着して固定する装着ベース部１２１と装着ベース部１２１を斜交貫通する結束線導入管路部１２３とを備えていることにより、結束線アダプター１２０を介して結束線収容マガジンＭＧ内に導入された結束線ＴＷが、ダミーリールＤＭと干渉することなく、既存の結束線収容マガジンＭＧ内を無理なく移動して供給されるため、鉄筋結束機ＢＤを改良することなく結束線ＴＷの安定した結束動作を確保することができる。

【0051】

さらにまた、結束線導入管路部１２３が、結束線収容マガジンＭＧ内における管路終端部分１２４においてマガジン周壁に指向して斜めに開口していることにより、結束線アダプター１２０を介して結束線収容マガジンＭＧ内に導入された結束線ＴＷが、結束線収容マガジンＭＧ内のマガジン周壁に沿って無理なく指向して供給されるため、結束線ＴＷを円滑かつ安定して結束線収容マガジンＭＧ内を経由して鉄筋の交差部に供給することができる。

【0052】

そして、結束線挿通ガイド１４０が、結束線ＴＷを挿通する密着コイルばねから形成されていることにより、結束線ＴＷが鉄筋結束機ＢＤに引き込まれる際に結束線挿通ガイド１４０が可撓的かつ弾性的に変形するため、結束線ＴＷを折り曲げたり周囲のものに引っ掛けたりすることなく保持することができるとともに、結束線ＴＷ供給時の摩擦に耐えることができる。

【符号の説明】

【0053】

１００・・・鉄筋結束機用結束線供給システム
１１０・・・リール装着ユニット
１１１・・・装着フレーム
１１２・・・装着回転板
１１３・・・装着軸
１１４・・・ワンウェイクラッチ（逆回転防止部材）
１２０・・・結束線アダプター
１２１・・・装着ベース部
１２２・・・ガイド接続部
１２３・・・結束線導入管路部
１２４・・・管路終端部分
１２５・・・嵌合突起部
１２６・・・係合突起片部
１３０・・・アダプター固定片
１３１・・・嵌合切欠き部
１４０・・・結束線挿通ガイド
ＴＲ・・・・直交鉄筋
ＬＲ・・・・走行鉄筋
Ｒ・・・・・鉄筋結束用自走ロボット
ＢＤ・・・・鉄筋結束機
ＭＧ・・・・結束線収容マガジン
ＥＷ・・・・導入窓
ＷＲ・・・・結束線供給リール
ＴＷ・・・・結束線
ＤＭ・・・・ダミーリール
ＬＧ・・・・ガイド窓

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5A】

【図5B】

【図6】

【手続補正書】

【提出日】2021-09-03

【手続補正1】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図6】