(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077770
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】足場部材
(51)【国際特許分類】
B62D 33/023 20060101AFI20220517BHJP
E04G 5/14 20060101ALN20220517BHJP
【FI】
B62D33/023 Q
B62D33/023 E
E04G5/14 301D
E04G5/14 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188759
(22)【出願日】2020-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】520443387
【氏名又は名称】山本 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】山本 章子
(57)【要約】
【課題】適宜かつ容易に着脱可能な手摺部材を提供する。
【解決手段】第1の手摺部材500は、鋼材から成り、左側あおり板83lの頂部と係合する第1の手摺用係合部510と、第1の手摺用係合部510から鉛直上方に延びる第1の手摺用延伸部520とを主に備え、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は右側あおり板83rに取り付けられる。第1の手摺用係合部510は、YZ平面による断面をX軸正方向から見たとき、左側枠部85lをその頂部から抱き込む∩字形状を有する。第1の手摺用延伸部520は、第1の手摺基部521と、第1の手摺延伸部525とを主に備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台に対して旋回自在であるあおり板を備える車両に取り付けられる手摺部材であって、
前記あおり板の頂部と係合する手摺用係合部と、
前記手摺用係合部から延びる手摺用延伸部と
を備える手摺部材。
【請求項2】
前記あおり板は、前記荷台に対して固定される固定位置において、前記荷台に面する内側面と前記荷台の外部に面する外側面とを備え、
前記手摺用係合部は、前記あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、前記あおり板の前記内側面と係合する手摺用内側支持部と、前記あおり板の前記外側面と係合する手摺用外側支持部とを備える
請求項1に記載の手摺部材。
【請求項3】
前記手摺用係合部は、前記あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、前記あおり板の内側面と係合する手摺用内側支持部と、前記あおり板の外側面と係合する手摺用外側支持部とを備え、
前記あおり板は、前記あおり板の旋回軸から伸びる伸長部と、前記伸長部の先端であって前記あおり板の頂部に設けられる枠部とを備え、
前記荷台に対して固定される固定位置において、前記枠部は前記伸長部よりも荷台の外部に突出し、前記伸長部と前記枠部との間には段差が設けられ、
前記手摺用外側支持部は、前記枠部に係合する枠部係合部と、前記伸長部に係合する伸長部係合部とを有する
請求項1又は2に記載の手摺部材。
【請求項4】
前記手摺用係合部は、前記あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、前記あおり板の内側面と係合する手摺用内側支持部と、前記あおり板の外側面と係合する手摺用外側支持部とを備え、
前記手摺用外側支持部は、前記手摺用外側支持部を貫通する手摺用外側雌ねじ孔と、前記手摺用外側雌ねじ孔に貫通する手摺用外側ボルトとを備える
請求項1から3のいずれかに記載の手摺部材。
【請求項5】
前記手摺部材が前記あおり板に取り付けられた状態において、前記手摺用延伸部は、前記あおり板と平行に延びる請求項1から4のいずれかに記載の手摺部材。
【請求項6】
前記手摺部材が前記あおり板に取り付けられた状態において、前記手摺用延伸部は、前記あおり板と平行方向に沿って伸縮可能である請求項1から5のいずれかに記載の手摺部材。
【請求項7】
前記手摺用延伸部は、前記あおり板の旋回軸に沿って並べられ、かつ前記あおり板が旋回軸から延びる方向に沿って延びる2枚の外側延伸部と、前記外側延伸部の間において、前記あおり板が旋回軸から延びる方向に沿って延びる2枚の内側延伸部と、延伸部固定部材とを備え、
前記外側延伸部は、その延長端部に外側延伸部孔を備え、
前記内側延伸部は、手摺用基部側の端部に内側延伸部孔を備え、
前記延伸部固定部材は、前記外側延伸部孔及び内側延伸部孔に貫通し、これにより前記外側延伸部と前記内側延伸部とを、前記あおり板が旋回軸から延びる方向に対して固定する
請求項1から6のいずれかに記載の手摺部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のあおり板に取り付けられる手摺部材に関する。
【背景技術】
【0002】
運転室を含むキャブ、キャブの後方に位置する荷台、及びクレーン等を備えるトラックが知られている。荷台は、全体として箱形状を有し、その前端部に設けられる鳥居と、荷台の側方及び後端部に開閉自在に設けられる一対の側方煽り及び後方煽りと、荷台の四隅に設けられる4本の伸縮支柱とを備える。側方煽り及び後方煽りは、上段煽り板と下段煽り板とを備える。上段煽り板を作業用足場として荷作業を行う場合、伸縮支柱を伸長状態とし、親綱の端部に設けられたフックを伸縮支柱のリング部に係留して、荷台の上方に親綱を架け渡す。作業者は、荷台の上方に張設した親綱に安全帯のフック等を掛ける(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、荷台の四隅に4本の伸縮支柱を設けると、車両の全高が高くなり、車両が運輸支局にて構造等変更検査を受ける必要がある。また、荷台の四隅に存在する4本の伸縮支柱が荷下ろし等の作業の支障となることがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、適宜かつ容易に着脱可能な手摺部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による手摺部材は、荷台に対して旋回自在であるあおり板を備える車両に取り付けられる手摺部材であって、あおり板の頂部と係合する手摺用係合部と、手摺用係合部から延びる手摺用延伸部とを備える。
【0007】
あおり板は、荷台に対して固定される固定位置において、荷台に面する内側面と荷台の外部に面する外側面とを備え、手摺用係合部は、あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、あおり板の内側面と係合する手摺用内側支持部と、あおり板の外側面と係合する手摺用外側支持部とを備えることが好ましい。
【0008】
手摺用係合部は、あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、あおり板の内側面と係合する手摺用内側支持部と、あおり板の外側面と係合する手摺用外側支持部とを備え、あおり板は、あおり板の旋回軸から伸びる伸長部と、伸長部の先端であってあおり板の頂部に設けられる枠部とを備え、荷台に対して固定される固定位置において、枠部は伸長部よりも荷台の外部に突出し、伸長部と枠部との間には段差が設けられ、手摺用外側支持部は、枠部に係合する枠部係合部と、伸長部に係合する伸長部係合部とを有することが好ましい。
【0009】
手摺用係合部は、あおり板の頂面と係合する手摺用基部と、あおり板の内側面と係合する手摺用内側支持部と、あおり板の外側面と係合する手摺用外側支持部とを備え、手摺用外側支持部は、手摺用外側支持部を貫通する手摺用外側雌ねじ孔と、手摺用外側雌ねじ孔に貫通する手摺用外側ボルトとを備えてもよい。
【0010】
手摺部材があおり板に取り付けられた状態において、手摺用延伸部は、あおり板と平行に延びてもよい。
【0011】
手摺部材があおり板に取り付けられた状態において、手摺用延伸部は、あおり板と平行方向に沿って伸縮可能であってもよい。
【0012】
手摺用延伸部は、あおり板の旋回軸に沿って並べられ、かつあおり板が旋回軸から延びる方向に沿って延びる2枚の外側延伸部と、外側延伸部の間において、あおり板が旋回軸から延びる方向に沿って延びる2枚の内側延伸部と、延伸部固定部材とを備え、外側延伸部は、その延長端部に外側延伸部孔を備え、内側延伸部は、手摺用基部側の端部に内側延伸部孔を備え、延伸部固定部材は、外側延伸部孔及び内側延伸部孔に貫通し、これにより外側延伸部と内側延伸部とを、あおり板が旋回軸から延びる方向に対して固定してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、適宜かつ容易に着脱可能な手摺部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による第1の足場部材、第1の足場システム、及び第1の手摺部材の概略図である。
【
図4】第1の足場システムの一部を示した右側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による足場システムの平面図である。
【
図7】第2の足場システムの一部を示した右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1から4を参照して、本発明の一実施形態による第1の足場部材100、第2の足場部材200、及び第1の足場システム10について説明する。
【0016】
第1の足場システム10は、第1の足場部材100、第2の足場部材200、及び足場板12を主に備え、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は右側あおり板83rに取り付けられる。
図1において、軌陸車80はプラットフォーム92の前に駐められている。以下、
図1から4において、軌陸車80の進行方向をX軸正方向、軌陸車80の天地方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とする。
【0017】
軌陸車80は、鉄道軌道(線路)91及び舗装路(非図示)の双方を通行可能な車両であって、車両前方に設けられる乗用キャビン81と、車両後方に設けられる荷台82とを主に備える。荷台82は、その右側面に右側あおり板83rを、その左側面に左側あおり板83lを備える。右側あおり板83rは、荷台82の底面右側面に設けられた図示されない支持軸を介して荷台82に取り付けられており、荷台82に対して支持軸、すなわち旋回軸Ar回りに旋回自在である。左側あおり板83lは、荷台82の底面右側面に設けられた図示されない支持軸を介して荷台82に取り付けられており、荷台82に対して支持軸、すなわち旋回軸Al回りに旋回自在である。右側あおり板83r及び左側あおり板83lは、荷台82の底面に対して直角となる位置で荷台82に固定可能である。この位置は、
図1における左側あおり板83lの位置であり、固定位置という。
【0018】
右側あおり板83r及び左側あおり板83lは、固定位置において、荷台82に面する右側内側面87r及び左側内側面87lと、荷台82の外部に面する右側外側面88r及び左側外側面88lとを各々備える。
【0019】
右側あおり板83rは、旋回軸Arから伸びる右側伸長部84rと、右側伸長部84rの先端であって右側あおり板83rの頂部に設けられる右側枠部85rを備える。右側あおり板83rが固定位置にあるとき、右側枠部85rは右側伸長部84rよりも荷台82の外部に突出し、右側伸長部84rと右側枠部85rとの間には右側段差86rが設けられる(
図3参照)。左側あおり板83lも右側あおり板83rと同様に、旋回軸Alから伸びる左側伸長部84lと、左側伸長部84lの先端であって左側あおり板83lの頂部に設けられる左側枠部85lと、左側伸長部84lと左側枠部85lとの間に設けられる左側段差86lとを備える。
【0020】
以下、右側あおり板83rに第1の足場システム10が取り付けられているとして、第1の足場部材100、第2の足場部材200、及び足場板12について説明する。以下、説明の容易のため、一例として、荷台82とプラットフォーム92の高さが同じであり、荷台82から水平に第1の足場システム10が延びて、プラットフォーム92に掛け渡されている、すなわち、第1の足場システム10がXY平面に対して平行な状態にあるとして説明する。
【0021】
第1の足場部材100は、鋼材から成り、右側あおり板83rの頂部と係合する第1の足場用係合部110と、第1の足場用係合部110から延びる第1の足場用延伸部120とを主に備える。
【0022】
第1の足場用係合部110は、YZ平面による断面をX軸負方向から見たとき、右側枠部85rをその頂部から抱き込む左右反転C字形状を有し(
図3参照)、右側あおり板83rの頂面と係合する第1の足場用基部111と、右側あおり板83rの右側内側面87rと係合する第1の足場用内側支持部112と、右側あおり板83rの右側外側面88rと係合する第1の足場用外側支持部113とを備える。
【0023】
第1の足場用基部111は、所定の厚みを有する矩形の平板であって、Y軸負方向から見たとき、Z軸方向に対して略中央で平板を厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第1の足場用基部雌ねじ孔111aを備える。第1の足場用基部雌ねじ孔111aには、第1の足場用基部ボルト111bが螺合する。
【0024】
第1の足場用内側支持部112は、第1の足場用基部111のY軸正方向側側面から直角にY軸正方向へ延びる、所定の厚みを有する平板であって、平板を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する第1の足場用内側雌ねじ孔112a、112bを備える。第1の足場用内側雌ねじ孔112a、112bは、X軸に沿って並べられる。第1の足場用内側雌ねじ孔112a、112bには、第1の足場用内側ボルト112c、112dが螺合する。
【0025】
第1の足場用外側支持部113は、YZ平面においてL字形状の断面を有するアングル材形状であって、その一端面であるY軸負方向側端面は、第1の足場用基部111の下端側と直角に接続される(
図3参照)。そして、第1の足場用外側支持部113において、第1の足場用基部111に接続される一端面と反対側のY軸正方向側端面は、Z軸正方向へ直角に曲げられて、右側段差86rと係合する第1の足場用支持係合部114を成す。
【0026】
第1の足場用延伸部120は、第1の足場保持部121と、第1の蓋部122と、第1の係止部123とを主に備える。
【0027】
第1の足場保持部121は、XZ平面による断面をY軸負方向から見たとき、L字形状であるアングル材形状を有する(
図4参照)。第1の足場保持部121のL字形状においてY軸正方向側の一端面は、第1の足場保持部121と第1の足場用基部111との成す角度が直角となるように、第1の足場用基部111に接続される(
図3参照)。これにより、第1の足場用延伸部120が第1の足場用基部111から直角に延びる。第1の足場保持部121のY軸方向長さは、後述する足場板12のY軸方向長さよりもわずかに長い値である。
【0028】
第1の蓋部122は、
図3においてJ字形状の断面を有し、第1の足場保持部121の底面から連続的に緩やかな曲線を描いてZ軸正方向へ向けて延びる。言い換えると、第1の蓋部122は、第1の足場保持部121の他端面、すなわちY軸負方向側端面を覆うように設けられる。
【0029】
第1の係止部123は、板状の部材であって、第1の足場用基部111から所定の距離を開けた位置に、L字形状端面を塞ぐように設けられる。言い換えると、第1の係止部123は、第1の足場保持部121の底面から直角にZ軸正方向に向けて延びる。所定の距離は、足場板12の幅(図においてY軸方向長さ)よりわずかに長い。本実施形態では、第1の係止部123は、第1の足場保持部121のY軸負方向側端に設けられる。
【0030】
第1の足場用延伸部120のY軸方向長さは、軌陸車80とプラットフォーム92との距離に応じて決定される。一般に、鉄道軌道91とプラットフォーム92との距離、及びプラットフォーム92の高さは、一定の範囲内に予め定められているため、軌陸車80とプラットフォーム92との距離及び荷台82とプラットフォーム92との高さの差もまた予め予測可能である。そこで、予め予測された軌陸車80とプラットフォーム92との距離、荷台82とプラットフォーム92との高さの差、及び右側あおり板83r及び左側あおり板83lの幅(固定位置におけるZ軸方向長さ)を考慮して、第1の足場用延伸部120が右側あおり板83r及び左側あおり板83lからプラットフォーム92に確実に掛け渡るように、第1の足場用延伸部120のY軸方向長さが決定される。
【0031】
次に、第2の足場部材200について説明する。第2の足場部材200は、鋼材から成り、右側あおり板83rの頂部と係合する第2の足場用係合部210と、第2の足場用係合部210から延びる第2の足場用延伸部220とを主に備える。第2の足場部材200は、YZ平面に対して、第1の足場部材100と面対称の形状を有する。
【0032】
第2の足場用係合部210は、YZ平面による断面をX軸負方向から見たとき、右側枠部85rをその頂部から抱き込む左右反転C字形状を有し、右側あおり板83rの頂面と係合する第2の足場用基部211と、右側あおり板83rの右側内側面87rと係合する第2の足場用内側支持部212と、右側あおり板83rの右側外側面88rと係合する第2の足場用外側支持部213とを備える。
【0033】
第2の足場用基部211は、所定の厚みを有する平板形状であって、Y軸負方向から見たとき平板の略中央で平板を厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第2の足場用基部雌ねじ孔211aを備える。第2の足場用基部雌ねじ孔211aには、第2の足場用基部ボルト211bが螺合する。
【0034】
第2の足場用内側支持部212は、第2の足場用基部211のY軸正方向側側面から直角にY軸正方向へ延びる、所定の厚みを有する平板であって、平板を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する第2の足場用内側雌ねじ孔212a、212bを備える。第2の足場用内側雌ねじ孔212a、212bは、X軸に沿って並べられる。第2の足場用内側雌ねじ孔212a、212bには、第2の足場用内側ボルト212c、212dが螺合する。
【0035】
第2の足場用外側支持部213は、YZ平面においてL字形状の断面を有するアングル材形状であって、その一端面であるY軸負方向側端面は、第2の足場用基部211の下端側と直角に接続される。そして、第2の足場用外側支持部213において、第2の足場用基部211に接続される一端面と反対側の端面は、Z軸正方向へ直角に曲げられて、右側段差86rと係合する第2の足場用支持係合部214(非図示)を成す。
【0036】
第2の足場用延伸部220は、第2の足場保持部221と、第2の蓋部222と、第2の係止部223とを主に備える。
【0037】
第2の足場保持部221は、XZ平面における断面をY軸負方向から見たとき、逆L字形状であるアングル材形状を有する(
図4参照)。第2の足場保持部221の逆L字形状を成す一端面は、第2の足場保持部221と第2の足場用基部211との成す角度が直角となるように、第2の足場用基部211に接続される。これにより、第2の足場用延伸部220が第2の足場用基部211から直角に延びる。第2の足場保持部221のY軸方向長さは、後述する足場板12のY軸方向長さよりもわずかに長い値である。
【0038】
第2の蓋部222は、YZ平面においてJ字形状の断面を有し、第2の足場用延伸部220の底面から連続的に緩やかな曲線を描いてZ軸正方向へ向けて延びる。言い換えると、第2の蓋部222は、第2の足場保持部221のY軸負方向側の端部を覆うように設けられる。
【0039】
第2の係止部223は、板状の部材であって、第2の足場用基部211から所定の距離を開けた位置に、逆L字形状端面を塞ぐように設けられる。言い換えると、第2の係止部223は、第2の足場保持部221の底面から直角にZ軸正方向に向けて延びる。所定の距離は、足場板12の幅よりわずかに長い。本実施形態では、第2の係止部223は、第2の足場保持部221のY軸負方向側の端部に設けられる。
【0040】
第2の足場用延伸部220のY軸方向長さは、第1の足場用延伸部120と同様に、予め予測された軌陸車80とプラットフォーム92との距離、荷台82とプラットフォーム92との高さの差、及び右側あおり板83r及び左側あおり板83lの幅(固定位置におけるZ軸方向長さ)を考慮して、第2の足場用延伸部220が確実に右側あおり板83r及び左側あおり板83lからプラットフォーム92に掛け渡せられるように、決定される。
【0041】
足場板12について説明する。足場板12は、軽量鋼製足場板であって、長手方向中央付近に、幅方向に走る補強部材14を備える。これにより、足場板12は重力方向上方からの大きな荷重に耐えることができる。足場板12のY軸方向長さは、前述した予め予測された軌陸車80とプラットフォーム92との距離、荷台82とプラットフォーム92との高さの差、及び右側あおり板83r及び左側あおり板83lの幅(固定位置におけるZ軸方向長さ)を考慮して、第1の足場システム10を右側あおり板83r及び左側あおり板83lに掛け渡したとき、足場板12とプラットフォーム92との間に隙間ができないような長さに決定される。
【0042】
図1から4を参照して、第1の足場システム10を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。
【0043】
まず、第1の足場部材100を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。第1の足場用内側支持部112の先端と第1の足場用支持係合部114の先端との間に形成された隙間に、右側あおり板83rの頂部を挿入する。次に、第1の足場用内側支持部112の先端を右側内側面87rに接触させ、接触点を中心として第1の足場用延伸部120を重力方向下方、つまり
図3において下方に旋回させる。そうすると、第1の足場用支持係合部114の先端が右側段差86rに係止する。そして、第1の足場用内側支持部112が右側内側面87rと、第1の足場用基部111が右側あおり板83rの頂面と、第1の足場用外側支持部113が右側枠部85rの右側外側面88rと密着する。この状態を保持しながら、第1の足場用基部ボルト111bを第1の足場用基部雌ねじ孔111aにねじ込んで、その先端を右側内側面87rに接触させる。これと同時に、第1の足場用内側ボルト112c、112dを第1の足場用内側雌ねじ孔112a、112bにねじ込んで、その先端を右側あおり板83rの頂面に接触させる。これにより、右側枠部85rは、第1の足場用基部ボルト111bと、第1の足場用内側ボルト112cと、第1の足場用外側支持部113と、第1の足場用支持係合部114とによって挟持され、これをもって第1の足場部材100が右側あおり板83rに取り付けられる。この状態、すなわち第1の足場部材100が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、第1の足場用延伸部120は、右側あおり板83rが旋回軸から延びる方向に沿って延び、第1の足場用延伸部120のL字形断面の一側面、すなわち底面は、右側外側面88rに沿って延びる。第1の足場部材100は、右側あおり板83rと平行に延びる。
【0044】
第2の足場部材200を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。まず、第2の足場用内側支持部212の先端と第2の足場用支持係合部214の先端との間に形成された隙間に、右側あおり板83rの頂部を挿入する。次に、第2の足場用内側支持部212の先端を右側内側面87rに接触させ、接触点を中心として第2の足場用延伸部220を重力方向下方に旋回させる。そうすると、第2の足場用支持係合部214の先端が右側段差86rに係止する。そして、第2の足場用内側支持部212が右側内側面87rと、第2の足場用基部211が右側あおり板83rの頂面と、第2の足場用外側支持部213が右側枠部85rの右側外側面88rと密着する。この状態を保持しながら、第2の足場用基部ボルト211bを第2の足場用基部雌ねじ孔211aにねじ込んで、その先端を右側内側面87rに接触させる。これと同時に、第2の足場用内側ボルト212c、212dを第2の足場用内側雌ねじ孔212a、212bに各々ねじ込んで、その先端を右側あおり板83rの頂面に接触させる。これにより、右側枠部85rは、第2の足場用基部ボルト211bと、第2の足場用内側ボルト212c、212dと、第2の足場用外側支持部213と、第2の足場用支持係合部214とによって挟持され、これをもって第2の足場部材200が右側あおり板83rに取り付けられる。この状態、すなわち第2の足場部材200が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、第2の足場用延伸部220は、右側あおり板83rが旋回軸Arから延びる方向に沿って延び、第2の足場用延伸部220の逆L字形断面の一側面、すなわち底面は、右側外側面88rに沿って延びる。第2の足場部材200は、右側あおり板83rと平行に延びる。
【0045】
そして、第1の足場部材100及び第2の足場部材200が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、右側あおり板83rを旋回させ、第1の足場部材100及び第2の足場部材200をプラットフォーム92上に着地させる。
【0046】
足場板12を取り付ける工程について説明する。第1の足場部材100及び第2の足場部材200が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、鉛直上方から足場板12が置かれる。足場板12のX軸負方向端部は第1の足場用内側支持部112に載せられ、第1の足場用基部111と第1の係止部123との間に保持される。足場板12のX軸正方向端部は第2の足場用内側支持部212に載せられ、第2の足場用基部211と第2の係止部223との間に保持される。これにより、足場板12は、第1の足場部材100及び第2の足場部材200に掛け渡されるとともに保持され、水平方向(XY方向)及び鉛直下方(Z軸負方向)に対する動きを規制される。
【0047】
以上の工程により、第1の足場システム10が右側あおり板83rに取り付けられ、軌陸車80とプラットフォームとの間に容易に掛け渡される。
【0048】
次に、第1の足場システム10を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。まず、足場板12を鉛直上方に持ち上げて、第1の足場部材100及び第2の足場部材200から足場板12を取り外す。次に、第1の足場部材100を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。第1の足場用基部ボルト111b及び第1の足場用内側ボルト112c、112dを緩め、これらの先端を第1の足場用基部雌ねじ孔111a及び第1の足場用内側ボルト112c、112d内に各々収納する。次に、第1の足場用延伸部120を重力方向上方、つまり
図3において上方に旋回させる。すると、第1の足場用支持係合部114の先端が右側段差86rから外れる。そして、第1の足場用内側支持部112の先端と第1の足場用支持係合部114の先端との間に形成された隙間から、右側あおり板83rの頂部を抜き、これにより第1の足場部材100が右側あおり板83rから取り外される。
【0049】
第2の足場部材200を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。まず、第2の足場用基部ボルト211b及び第2の足場用内側ボルト212c、212dを緩め、これらの先端を第2の足場用基部雌ねじ孔211a及び第2の足場用内側ボルト212c、212d内に各々収納する。次に、第2の足場用延伸部220を重力方向上方に旋回させる。すると、第2の足場用支持係合部214の先端が右側段差86rから外れる。そして、第2の足場用内側支持部212の先端と第2の足場用支持係合部214の先端との間に形成された隙間から、右側あおり板83rの頂部を抜き、これにより第2の足場部材200が右側あおり板83rから取り外される。
【0050】
以上の工程により、第1の足場システム10が右側あおり板83rから取り外される。
【0051】
本実施形態によれば、軌陸車80の右側あおり板83r及び/又は左側あおり板83lに容易に第1の足場部材100及び第2の足場部材200を着脱可能である。また、作業用ピットが存在しなくても、第1の足場システム10を軌陸車80とプラットフォームとの間に容易に掛け渡すことができる。
【0052】
また、既存の軌陸車80は、略同じ形状の右側あおり板83r及び/又は左側あおり板83lを有するため、第1の足場システム10を複数の軌陸車80で使い回すことができる。
【0053】
また、右側あおり板83r及び/又は左側あおり板83lは、支持軸に対して旋回可能であるとともに、第1の足場システム10は十分な幅(Y軸方向長さ)を有するため、荷台82とプラットフォーム92の高さが異なっても、第1の足場システム10を軌陸車80とプラットフォームとの間に掛け渡すことができる。
【0054】
なお、第1の足場用基部ボルト111bと第1の足場用内側ボルト112c、112dとをねじ込む順番を、同時として説明したが、第1の足場用基部ボルト111bを第1の足場用内側ボルト112c、112dよりも先あるいは後にねじ込んでも良い。
【0055】
なお、第1の係止部123及び第2の係止部223は設けられなくてもよい。
【0056】
足場板12は、補強部材14を備えなくてもよい。
【0057】
以下、
図1及び
図5から7を参照して、本発明の一実施形態による第3の足場部材300、第4の足場部材400、及び第2の足場システム20について説明する。第1の足場システム10と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
第2の足場システム20は、第3の足場部材300、第4の足場部材400、及び足場板12を主に備え、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は右側あおり板83rに取り付けられる。以下、
図1及び
図5から7において、前述の実施形態と同様に、軌陸車80の進行方向をX軸正方向、軌陸車80の天地方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とする。軌陸車80及び足場板12の構成は、第1の足場システム10のそれと同様であるため、説明を省略する。
【0059】
以下、右側あおり板83rに第2の足場システム20が取り付けられているとして、第3の足場部材300及び第4の足場部材400について説明する。なお、説明の容易のため、荷台82から水平に第2の足場システム20が延びて、プラットフォーム92に掛け渡されている、すなわち、第2の足場システム20がXY平面に対して平行な状態にあるとして説明する。
【0060】
第3の足場部材300は、鋼材から成り、右側あおり板83rの頂部と係合する第3の足場用係合部310と、第3の足場用係合部310から延びる第3の足場用延伸部320とを主に備える。
【0061】
第3の足場用係合部310は、YZ平面による断面をX軸負方向から見たとき、右側枠部85rをその頂部から抱き込む左右反転C字形状を有し(
図6参照)、右側あおり板83rの頂面と係合する第3の足場用基部311と、右側あおり板83rの右側内側面87rと係合する第3の足場用内側支持部312と、右側あおり板83rの右側外側面88rと係合する第3の足場用外側支持部313とを備える。
【0062】
第3の足場用基部311は、所定の厚みを有する矩形の平板であって、Y軸負方向から見たとき平板の略中央で平板を厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第3の足場用基部雌ねじ孔311aを備える。第3の足場用基部雌ねじ孔311aには、第3の足場用基部ボルト311bが螺合する。
【0063】
第3の足場用内側支持部312は、第3の足場用基部311のY軸正方向側側面から直角にY軸正方向へ延びる、所定の厚みを有する平板であって、平板を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する第3の足場用内側雌ねじ孔312aを備える。第3の足場用内側雌ねじ孔312aは、X軸に沿って並べられる。第3の足場用内側雌ねじ孔312aには、第3の足場用内側ボルト312bが螺合する。
【0064】
第3の足場用外側支持部313は、YZ平面においてL字形状の断面を有するアングル材形状であって、その一端面であるY軸負方向側端面は、第3の足場用基部311の下端側と直角に接続される(
図6参照)。そして、第3の足場用外側支持部313において、第3の足場用基部311に接続される一端面と反対側の端面は、Z軸正方向へ直角に曲げられて、右側段差86rと係合する第3の足場用支持係合部314を成す。
【0065】
第3の足場用延伸部320は、第3の足場保持部321と、第3の蓋部322とを主に備える。
【0066】
第3の足場保持部321は、XZ平面による断面をY軸負方向から見たとき、L字形状であるアングル材形状を有する(
図7参照)。第3の足場保持部321のL字形状においてY軸正方向側の一端面は、第3の足場保持部321と第3の足場用基部311との成す角度が直角となるように、第3の足場用基部311に接続される(
図6参照)。これにより、第3の足場用延伸部320が第3の足場用基部311から直角に延びる。
【0067】
第3の蓋部322は、
図6においてJ字形状の断面を有し、第3の足場用延伸部320の底面から連続的に緩やかな曲線を描いてZ軸正方向へ向けて延びる。言い換えると、第3の蓋部322は、第3の足場用延伸部320のY軸負方向側の端部を覆うように設けられる。
【0068】
第4の足場部材400は、鋼材から成り、右側あおり板83rの頂部と係合する第4の足場用係合部410と、第4の足場用係合部410から延びる第4の足場用延伸部420とを主に備える。第4の足場部材400は、YZ平面に対して、第3の足場部材300と面対称の形状を有する。
【0069】
第4の足場用係合部410は、YZ平面による断面をX軸負方向から見たとき、右側枠部85rをその頂部から抱き込む左右反転C字形状を有し、右側あおり板83rの頂面と係合する第4の足場用基部411と、右側あおり板83rの右側内側面87rと係合する第4の足場用内側支持部412と、右側あおり板83rの右側外側面88rと係合する第4の足場用外側支持部413とを備える。
【0070】
第4の足場用基部411は、所定の厚みを有する平板形状であって、平板を厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第4の足場用基部雌ねじ孔411aを備える。第4の足場用基部雌ねじ孔411aには、第4の足場用基部ボルト411bが螺合する。
【0071】
第4の足場用内側支持部412は、第4の足場用基部411のY軸正方向側側面から直角にY軸正方向へ延びる、所定の厚みを有する平板であって、平板を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する第4の足場用内側雌ねじ孔412aを備える。第4の足場用内側雌ねじ孔412aは、X軸に沿って並べられる。第4の足場用内側雌ねじ孔412aには、第4の足場用内側ボルト412bが螺合する。
【0072】
第4の足場用外側支持部413は、YZ平面においてL字形状の断面を有するアングル材形状であって、その一端面であるY軸負方向側端面は、第4の足場用基部411の下端側と直角に接続される。そして、第4の足場用外側支持部413において、第4の足場用基部411に接続される一端面と反対側の端面は、Z軸正方向へ直角に曲げられて、右側段差86rと係合する第4の足場用支持係合部414(非図示)を成す。
【0073】
第4の足場用延伸部420は、第4の足場保持部421と、第4の蓋部422と、第4の係止部423とを主に備える。
【0074】
第4の足場保持部421は、XZ平面における断面をY軸負方向から見たとき、逆L字形状であるアングル材形状を有する(
図7参照)。第4の足場保持部421の逆L字形状を成す一端面は、第4の足場保持部421と第4の足場用基部411との成す角度が直角となるように、第4の足場用基部411に接続される。これにより、第4の足場用延伸部420が第4の足場用基部411から直角に延びる。
【0075】
第4の蓋部422は、YZ平面においてJ字形状の断面を有し、第4の足場用延伸部420の底面から連続的に緩やかな曲線を描いてZ軸正方向へ向けて延びる。言い換えると、第4の蓋部422は、第4の足場用延伸部420のY軸負方向側の端部を覆うように設けられる。
【0076】
図5から7を参照して、第2の足場システム20を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。
【0077】
まず、第3の足場部材300を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。第3の足場用内側支持部312の先端と第3の足場用支持係合部314の先端との間に形成された隙間に、右側あおり板83rの頂部を挿入する。次に、第3の足場用内側支持部312の先端を右側内側面87rに接触させ、接触点を中心として第3の足場用延伸部320を重力方向下方、つまり
図6において下方に旋回させる。そうすると、第3の足場用支持係合部314の先端が右側段差86rに係止する。そして、第3の足場用内側支持部312が右側内側面87rと、第3の足場用基部311が右側あおり板83rの頂面と、第3の足場用外側支持部313が右側枠部85rの右側外側面88rと密着する。この状態を保持しながら、第3の足場用基部ボルト311bを第3の足場用基部雌ねじ孔311aにねじ込んで、その先端を右側内側面87rに接触させる。これと同時に、第3の足場用内側ボルト312bを第3の足場用内側雌ねじ孔312aにねじ込んで、その先端を右側あおり板83rの頂面に接触させる。これにより、右側枠部85rは、第3の足場用基部ボルト311bと、第3の足場用内側ボルト312bと、第3の足場用外側支持部313と、第3の足場用支持係合部314とによって挟持され、これをもって第3の足場部材300が右側あおり板83rに取り付けられる。この状態、すなわち第3の足場部材300が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、第3の足場用延伸部320は、右側あおり板83rが旋回軸から延びる方向に沿って延び、第3の足場用延伸部320のL字形断面の一側面、すなわち底面は、右側外側面88rに沿って延びる。
【0078】
第4の足場部材400を右側あおり板83rに取り付ける工程について説明する。まず、第4の足場用内側支持部412の先端と第4の足場用支持係合部414の先端との間に形成された隙間に、右側あおり板83rの頂部を挿入する。次に、第4の足場用内側支持部412の先端を右側内側面87rに接触させ、接触点を中心として第4の足場用延伸部420を重力方向下方に旋回させる。そうすると、第4の足場用支持係合部414の先端が右側段差86rに係止する。そして、第4の足場用内側支持部412が右側内側面87rと、第4の足場用基部411が右側あおり板83rの頂面と、第4の足場用外側支持部413が右側枠部85rの右側外側面88rと密着する。この状態を保持しながら、第4の足場用基部ボルト411bを第4の足場用基部雌ねじ孔411aにねじ込んで、その先端を右側内側面87rに接触させる。これと同時に、第4の足場用内側ボルト412bを第4の足場用内側雌ねじ孔412aに各々ねじ込んで、その先端を右側あおり板83rの頂面に接触させる。これにより、右側枠部85rは、第4の足場用基部ボルト411bと、第4の足場用内側ボルト412bと、第4の足場用外側支持部413と、第4の足場用支持係合部414とによって挟持され、これをもって第4の足場部材400が右側あおり板83rに取り付けられる。この状態、すなわち第4の足場部材400が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、第4の足場用延伸部420は、右側あおり板83rが旋回軸Arから延びる方向に沿って延び、第4の足場用延伸部420の逆L字形断面の一側面、すなわち底面は、右側外側面88rに沿って延びる。
【0079】
そして、第3の足場部材300及び第4の足場部材400が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、右側あおり板83rを旋回させ、第3の足場部材300及び第4の足場部材400をプラットフォーム92上に着地させる。
【0080】
足場板12を取り付ける工程について説明する。第3の足場部材300及び第4の足場部材400が右側あおり板83rに取り付けられた状態において、鉛直上方から足場板12が置かれる。足場板12のX軸負方向端部は第3の足場用内側支持部312に載せられ、第3の足場用基部311と第3の蓋部322との間に保持される。足場板12のX軸正方向端部は第4の足場用内側支持部412に載せられ、第4の足場用基部411と第4の蓋部422との間に保持される。これにより、足場板12は、第3の足場部材300及び第4の足場部材400に掛け渡されるとともに保持され、水平方向(XY方向)及び鉛直下方(Z軸負方向)に対する動きを規制される。
【0081】
以上の工程により、第2の足場システム20が右側あおり板83rに取り付けられ、軌陸車80とプラットフォームとの間に容易に掛け渡される。
【0082】
次に、第2の足場システム20を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。まず、足場板12を鉛直上方に持ち上げて、第3の足場部材300及び第4の足場部材400から足場板12を取り外す。次に、第3の足場部材300を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。第3の足場用基部ボルト311b及び第3の足場用内側ボルト312bを緩め、これらの先端を第3の足場用基部雌ねじ孔311a及び第3の足場用内側雌ねじ孔312a内に各々収納する。次に、第3の足場用延伸部320を重力方向上方、つまり
図6において上方に旋回させる。すると、第3の足場用支持係合部314の先端が右側段差86rから外れる。そして、第3の足場用内側支持部312の先端と第3の足場用支持係合部314の先端との間に形成された隙間から、右側あおり板83rの頂部を抜き、これにより第3の足場部材300が右側あおり板83rから取り外される。
【0083】
第4の足場部材400を右側あおり板83rから取り外す工程について説明する。まず、第4の足場用基部ボルト411b及び第4の足場用内側ボルト412bを緩め、これらの先端を第4の足場用基部雌ねじ孔411a及び第4の足場用内側雌ねじ孔412a内に各々収納する。次に、第4の足場用延伸部420を重力方向上方に旋回させる。すると、第4の足場用支持係合部414の先端が右側段差86rから外れる。そして、第4の足場用内側支持部412の先端と第4の足場用支持係合部414の先端との間に形成された隙間から、右側あおり板83rの頂部を抜き、これにより第4の足場部材400が右側あおり板83rから取り外される。
【0084】
以上の工程により、第2の足場システム20が右側あおり板83rから取り外される。
【0085】
本実施形態によれば、第1の足場システム10と同様の効果を得る。
【0086】
なお、本実施形態では係止部が設けられないが、第1の足場システム10と同様の位置に係止部を設けてもよい。
【0087】
足場板12は、補強部材14を備えなくてもよい。
【0088】
なお、第3の足場用基部ボルト311bと第3の足場用内側ボルト312bとをねじ込む順番を同時として説明したが、第3の足場用基部ボルト311bを第3の足場用内側ボルト312bよりも先あるいは後にねじ込んでもよい。
【0089】
なお、第1及び第2の足場システム10、20いずれにおいても、第1の足場用延伸部120、第2の足場用延伸部220、第3の足場用延伸部320、及び第4の足場用延伸部420において、X軸と直交する側板のY軸負方向側端部に貫通孔を設け、これに例えばロープ等の紐状部材を通し、第1の足場用延伸部120から第2の足場用延伸部220へ、あるいは第3の足場用延伸部320から第4の足場用延伸部420へ紐状部材を掛け渡してもよい。固定位置において、第1の足場用延伸部120、第2の足場用延伸部220、第3の足場用延伸部320、及び第4の足場用延伸部420を手摺として使用することができる。
【0090】
以下、
図8から10を参照して、本発明の他の実施形態による第1の手摺部材500について説明する。
【0091】
以下、
図8から10において、軌陸車80の進行方向をX軸正方向、軌陸車80の天地方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とし、左側あおり板83lに第1の手摺部材500が取り付けられているとして説明する。なお、説明の容易のため、左側あおり板83lは前述の固定位置にあり、荷台82から鉛直上方に第1の手摺部材500が延びている、すなわち、第1の手摺部材500がZ軸正方向に延びるとして説明する。また、軌陸車80の構成は、第1の足場システム10におけるそれと同様であるため、説明を省略する。
【0092】
第1の手摺部材500は、鋼材から成り、左側あおり板83lの頂部と係合する第1の手摺用係合部510と、第1の手摺用係合部510から鉛直上方に延びる第1の手摺用延伸部520とを主に備え、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は右側あおり板83rに取り付けられる。
【0093】
第1の手摺用係合部510は、YZ平面による断面をX軸正方向から見たとき、左側枠部85lをその頂部から抱き込む∩字形状を有し(
図10参照)、左側あおり板83lの頂面と係合する第1の手摺用基部511と、左側あおり板83lの左側内側面87lと係合する第1の手摺用内側支持部512と、左側あおり板83lの左側外側面88lと係合する第1の手摺用外側支持部513、第1の手摺用外側斜行部514a、第2の手摺用外側斜行部514b、第1の手摺用外側係合部515a、及び第2の手摺用外側係合部515bとを備える。
【0094】
第1の手摺用基部511は、所定の厚みを有する矩形の平板である。第1の手摺用内側支持部512は、第1の手摺用基部511のY軸正方向側側面から直角にY軸正方向へ延びる、所定の厚みを有する平板である。
【0095】
第1の手摺用外側支持部513は、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第1の手摺用基部511の底面であってY軸正方向端部と直角に接続される(
図10参照)。第1の手摺用外側支持部513は、厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第1の手摺用外側雌ねじ孔513a、513bを備える。第1の手摺用外側雌ねじ孔513a、513bは、X軸に沿って並べられる。第1の手摺用外側雌ねじ孔513a、513bには、第1の手摺用外側ボルト513c、513dが螺合する。
【0096】
第1の手摺用外側斜行部514aは、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第1の手摺用外側支持部513のZ軸負方向側端部かつX軸負方向側端部に所定の角度を成すように接続される。第2の手摺用外側斜行部514bは、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第1の手摺用外側支持部513のZ軸負方向側端部かつX軸正方向側端部に所定の角度を成すように接続される。第1の手摺用外側斜行部514aと第2の手摺用外側斜行部514bは、X軸方向において所定の間隔が開けられる。
【0097】
第1の手摺用外側係合部515aは、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第1の手摺用外側斜行部514aに所定の角度を成すように接続される。第2の手摺用外側係合部515bは、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第2の手摺用外側斜行部514bに所定の角度を成すように接続される。
【0098】
第1の手摺用外側支持部513と第1の手摺用外側係合部515a及び第2の手摺用外側係合部515bとは、互いに平行である。これにより、第1の手摺用外側支持部513は左側枠部85lの外側面と密着し、第1の手摺用外側係合部515a及び第2の手摺用外側係合部515bは、左側伸長部84lの外側面と密着する。
【0099】
第1の手摺用基部511と左側枠部85lとの間、第1の手摺用内側支持部512と左側枠部85lとの間、第1の手摺用外側支持部513と左側枠部85lとの間、第1の手摺用外側係合部515aと左側伸長部84lとの間、及び第2の手摺用外側係合部515bと左側伸長部84lとの間には、例えば板ゴム等の弾性体531、532、533が設けられ、各部材間の密着度を向上させる。
【0100】
第1の手摺用延伸部520は、第1の手摺基部521と、第1の手摺延伸部525とを主に備える。
【0101】
第1の手摺基部521は、平板である第1の手摺板521aと第2の手摺板521bとを主に備える。第1の手摺板521aと第2の手摺板521bは、X軸方向に所定の間隔を開けて第1の手摺用基部511から鉛直上方へ直角に延びるように、第1の手摺用基部511に溶接される。X軸方向における第1の手摺板521aと第2の手摺板521bの位置は、第1の手摺用基部511のX軸方向における中央から等距離である。第1の手摺板521aの上側部分には、第1の上方貫通孔(外側延伸部孔)523aが貫通して設けられ、その下側部分には、第1の下方貫通孔(外側延伸部孔)522aが設けられる。第2の手摺板521bの上側部分には、第2の上方貫通孔(外側延伸部孔)523bが貫通して設けられ、その下側部分には、第2の下方貫通孔(外側延伸部孔)522bが設けられる。X軸に沿う方向から見たとき、第1の上方貫通孔523aと第2の上方貫通孔523bとの位置、及び第1の下方貫通孔522aと第2の下方貫通孔522bとの位置は、各々同じである。
【0102】
第1の手摺延伸部525は、平板である第1の延伸板(外側延伸部)526a及び第2の延伸板(外側延伸部)526bと、手摺板527とを主に備える。
【0103】
手摺板527は、1枚の鋼板を曲げて成る∩形状であって、YZ平面において∩形状を有する。∩形状の下部において互いに向かい合う2枚の板527c、527dが、内側延伸部を成す。手摺板527では、∩形状の下部において互いに向かい合う面に渡って第1の延伸板526aと第2の延伸板526bの上部側面が溶接される。すなわち、手摺板527の下部において互いに向かい合う内側面は、第1の延伸板526aと第2の延伸板526bとにより接続される。
【0104】
第1の延伸板526aと第2の延伸板526bは、第1の手摺板521aと第2の手摺板521bとの間に挿入可能な距離を開けた位置に設けられ、その頂部は、手摺板527の下部に溶接される。X軸方向における、第1の延伸板526aから第2の延伸板526bまでの長さと、手摺板527の長さは同じである。
【0105】
第1の延伸板526aの下側部分には、第1の延伸板貫通孔(内側延伸部孔)527aが設けられ、第2の延伸板526bの下側部分には、第2の延伸板貫通孔(内側延伸部孔)527bが設けられる。X軸に沿う方向から見たとき、第1の延伸板貫通孔527aと第2の延伸板貫通孔527bとの位置は、同じである。
【0106】
第1の延伸板貫通孔527aと第2の延伸板貫通孔527bには、バネ部材(延伸部固定部材)529が貫通して設けられる。バネ部材529は棒状の弾性鋼材をΩ形に曲げて成る弾性部材であって、両端部を圧縮すると反発力を生じる。バネ部材529の両端部は、第1の延伸板貫通孔527aと第2の延伸板貫通孔527bに各々差し込まれる。
【0107】
第1の延伸板526aと第2の延伸板526bは、第1の手摺板521aと第2の手摺板521bとの間に、バネ部材529の両端部が圧縮されつつ、互いに平行となるように挿入される。そして、第1の延伸板貫通孔527aと第1の上方貫通孔523aとがX軸方向において一致し、かつ第2の延伸板貫通孔527bと第2の上方貫通孔523bとがX軸方向において一致する位置となったとき、バネ部材529の両端部が、第1の延伸板貫通孔527aと第1の上方貫通孔523aと、第2の延伸板貫通孔527bと第2の上方貫通孔523bとを貫通する。これにより、第1の手摺用延伸部520と第1の手摺用係合部510とが、左側あおり板83lが旋回軸Alから延びる方向、すなわち
図9及び10におけるZ軸方向に対して固定される。この位置を手摺位置といい、第1の手摺部材500が手摺として使用される。
図1を参照すると、左側あおり板83lのX軸方向両端部付近に、2つの第1の手摺部材500が設置されている。手摺位置では、これらが有する手摺板527の頂部に、例えばロープ等の紐状部材560が掛け渡される。
【0108】
手摺位置において、作業者がバネ部材529の両端部を押圧して、第1の上方貫通孔523a及び第2の上方貫通孔523bよりも内側に押し込むと、第1の手摺用延伸部520が下方に移動可能となる。第1の手摺用延伸部520を下方に押し込み、第1の延伸板貫通孔527aと第1の下方貫通孔522aとがX軸方向において一致し、かつ第2の延伸板貫通孔527bと第2の下方貫通孔522bとがX軸方向において一致する位置となったとき、バネ部材529の両端部が、第1の延伸板貫通孔527aと第1の下方貫通孔522aと、第2の延伸板貫通孔527bと第2の下方貫通孔522bとを貫通する。これにより、第1の手摺用延伸部520と第1の手摺用係合部510とがZ軸方向に対して固定される。この位置を収納位置といい、第1の手摺部材500を縮小して搬送を容易にする。第1の手摺部材500が左側あおり板83lに取り付けられた状態において、第1の手摺用延伸部520は、左側あおり板83lと平行方向に沿って伸縮可能である。
【0109】
第1の手摺部材500を左側あおり板83lに取り付ける工程について説明する。なお、この工程を開始する前に、第1の手摺用延伸部520は収納位置にある。まず、第1の手摺用内側支持部512の先端と第1の手摺用外側係合部515aの先端との間に形成された隙間に、左側あおり板83lの頂部を挿入する。次に、第1の手摺用基部511と、第1の手摺用内側支持部512と、第1の手摺用外側支持部513とにより囲まれた空間に左側あおり板83lの頂部を挿入し、左側あおり板83lの頂部を第1の手摺用基部511に弾性体531を介して密着させ、左側あおり板83lの左側内側面87lを第1の手摺用内側支持部512に弾性体532を介して密着させ、左側枠部85lの左側外側面88lを第1の手摺用外側支持部513に弾性体533を介して密着させる。そして、左側あおり板83lの左側外側面88lを第1の手摺用外側係合部515aに弾性体535を介して密着させる。そして、この状態を保持しながら、第1の手摺用外側ボルト513c、513dを第1の手摺用外側雌ねじ孔513a、513bに各々ねじ込んで、それらの先端を左側外側面88lに弾性体533を介して接触させる。これにより、左側あおり板83lは、第1の手摺用外側ボルト513c、513dと、第1の手摺用基部511と、第1の手摺用内側支持部512と、第1の手摺用外側支持部513と、第1の手摺用外側係合部515aとによって挟持され、これをもって第1の手摺部材500が左側あおり板83lに取り付けられる。そして、作業者がバネ部材529の両端部を押圧して、第1の手摺用延伸部520を第1の手摺用係合部510に対して上昇させて手摺位置に置き、隣接する2つの第1の手摺部材500に紐状部材560を掛け渡す。これにより、第1の手摺部材500が手摺として使用可能となる。
【0110】
次に、第1の手摺部材500を左側あおり板83lから取り外す工程について説明する。なお、この工程を開始する前に、第1の手摺用延伸部520は手摺位置にある。まず、隣接する2つの第1の手摺部材500に掛け渡されている紐状部材560を取り外す。そして、作業者がバネ部材529の両端部を押圧して、第1の手摺用延伸部520を第1の手摺用係合部510に対して下降させて収納位置に置く。次に、第1の手摺用外側ボルト513c、513dを緩め、これらの先端を第1の手摺用外側雌ねじ孔513a、513b内に各々収納する。そして、第1の手摺部材500を重力方向上方に持ち上げ、第1の手摺用内側支持部512の先端と第1の手摺用外側係合部515aの先端との間に形成された隙間から、左側あおり板83lの頂部を抜く。以上の工程により、第1の手摺部材500が左側あおり板83lから取り外される。
【0111】
本実施形態によれば、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は左側あおり板83lに容易に第1の手摺部材500を着脱可能である。
【0112】
また、既存の軌陸車80は、略同じ形状の左側あおり板83l及び/又は左側あおり板83lを有するため、第1の手摺部材500を複数の軌陸車80で使い回すことができる。
【0113】
以下、
図8、11、及び12を参照して、本発明の他の実施形態による第2の手摺部材600について説明する。
図8、11、及び12において、軌陸車80の進行方向をX軸正方向、軌陸車80の天地方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とし、左側あおり板83lに第2の手摺部材600が取り付けられているとして説明する。なお、説明の容易のため、左側あおり板83lは前述の固定位置にあり、荷台82から鉛直上方に第2の手摺部材600が延びている、すなわち、第2の手摺部材600がZ軸正方向に延びるとして説明する。
【0114】
本実施形態による軌陸車80は、第1の足場システム10におけるそれと比較して、右側あおり板83r及び左側あおり板83lの形状が異なる。右側あおり板83r及び左側あおり板83lでは、固定位置において、それらの右側枠部85r及び左側枠部85lの外側面が右側伸長部84rと面一であり、荷台82の外部に突出しない。つまり、右側伸長部84rと右側枠部85rとの間には右側段差86rが存在せず、左側伸長部84lと左側枠部85lとの間には左側段差86lが存在しない(
図12参照)。
【0115】
第2の手摺部材600は、鋼材から成り、左側あおり板83lの頂部と係合する第2の手摺用係合部610と、第2の手摺用係合部610から鉛直上方に延びる第1の手摺用延伸部520とを主に備え、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は右側あおり板83rに取り付けられる。第1の手摺用延伸部520の構成は、第1の手摺部材500におけるそれと同様であるため、説明を省略する。
【0116】
第2の手摺用係合部610は、YZ平面による断面をX軸正方向から見たとき、左側枠部85lをその頂部から抱き込む∩字形状を有し(
図12参照)、左側あおり板83lの頂面と係合する第2の手摺用基部611と、左側あおり板83lの左側内側面87lと係合する第2の手摺用内側支持部612と、左側あおり板83lの左側外側面88lと係合する第2の手摺用外側支持部613とを備える。
【0117】
第2の手摺用基部611は、所定の厚みを有する矩形の平板である。第2の手摺用内側支持部612は、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第2の手摺用基部611の底面であってY軸負方向端部と直角に接続される(
図12参照)。第2の手摺用内側支持部612のZ軸負方向側端部には、第2の手摺用外側支持部613に向けて突出する第2の内側突起612eが設けられる。第2の手摺用内側支持部612は、厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第2の手摺用内側雌ねじ孔612a、612bを備える。第2の手摺用内側雌ねじ孔612a、612bは、X軸に沿って並べられる。第2の手摺用内側雌ねじ孔612a、612bには、第2の手摺用内側ボルト612c、612dが螺合する。第2の手摺用内側雌ねじ孔612b及び第2の手摺用内側ボルト612dは図示されない。
【0118】
第2の手摺用外側支持部613は、所定の厚みを有する矩形の平板であり、そのZ軸正方向側端面は、第2の手摺用基部611の底面であってY軸正方向端部と直角に接続される(
図12参照)。第2の手摺用外側支持部613のZ軸負方向側端部には、第2の手摺用内側支持部612に向けて突出する第2の外側突起613eが設けられる。第2の手摺用外側支持部613は、厚さ方向(Y軸方向)に貫通する第2の手摺用外側雌ねじ孔613a、613bを備える。第2の手摺用外側雌ねじ孔613a、613bは、X軸に沿って並べられる。第2の手摺用外側雌ねじ孔613a、613bには、第2の手摺用外側ボルト613c、613dが螺合する。
【0119】
第2の手摺用基部611と左側枠部85lとの間、第2の手摺用内側支持部612と左側枠部85lとの間、第2の手摺用外側支持部613と左側枠部85lとの間には、例えば板ゴム等の弾性体631、632、633が設けられ、各部材間の密着度を向上させる。弾性体631、632、633は、1枚の連続した板ゴムであることが好ましい。弾性体631、633の端部は、第2の内側突起612e及び第2の外側突起613eに係止し、これにより、弾性体631、632、633は第2の手摺用係合部610から脱落しない。
【0120】
第2の手摺部材600を左側あおり板83lに取り付ける工程について説明する。なお、この工程を開始する前に、第2の手摺部材600は収納位置にある。まず、第2の手摺用内側支持部612の先端と第2の手摺用外側支持部613の先端との間に形成された隙間に、左側あおり板83lの頂部を挿入する。
【0121】
次に、第2の手摺用基部611と、第2の手摺用内側支持部612と、第2の手摺用外側支持部613とにより囲まれた空間に左側あおり板83lの頂部を挿入し、左側あおり板83lの頂部を第2の手摺用基部611に弾性体631を介して密着させ、左側あおり板83lの左側内側面87lを第2の手摺用内側支持部612に弾性体632を介して密着させ、左側あおり板83lの頂部の左側外側面88lを第2の手摺用外側支持部613に弾性体533を介して密着させる。そして、この状態を保持しながら、第2の手摺用外側ボルト613c、613dを第2の手摺用外側雌ねじ孔613a、613bに各々ねじ込んで、それらの先端を左側外側面88lに弾性体633を介して接触させる。これと同時に、第2の手摺用内側ボルト612c、612dを第2の手摺用内側雌ねじ孔612a、612bに各々ねじ込んで、それらの先端を左側内側面87lに弾性体633を介して接触させる。これにより、左側あおり板83lは、第2の手摺用外側ボルト613c、613dと、第2の手摺用内側ボルト612c、612dと、第2の手摺用基部611とによって挟持され、これをもって第2の手摺部材600が左側あおり板83lに取り付けられる。そして、作業者がバネ部材529の両端部を押圧して、第1の手摺用延伸部520を第1の手摺用係合部510に対して上昇させて手摺位置に置き、隣接する2つの第2の手摺部材600に紐状部材560を掛け渡す。これにより、第2の手摺部材600が手摺として使用可能となる。
【0122】
次に、第2の手摺部材600を左側あおり板83lから取り外す工程について説明する。なお、この工程を開始する前に、第2の手摺部材600は手摺位置にある。まず、隣接する2つの第2の手摺部材600に掛け渡されている紐状部材560を取り外す。そして、作業者がバネ部材529の両端部を押圧して、第1の手摺用延伸部520を第1の手摺用係合部510に対して下降させて収納位置に置く。次に、第2の手摺用外側ボルト613c、613dを緩め、これらの先端を第2の手摺用外側雌ねじ孔613a、613b内に各々収納する。これと同時に、第2の手摺用内側ボルト612c、612dを緩め、これらの先端を第2の手摺用内側雌ねじ孔612a、612b内に各々収納する。そして、第2の手摺部材600を重力方向上方に持ち上げ、第2の手摺用内側支持部612の先端と第2の手摺用外側支持部613の先端との間に形成された隙間から、左側あおり板83lの頂部を抜く。以上の工程により、第2の手摺部材600が左側あおり板83lから取り外される。
【0123】
本実施形態によれば、第1の手摺部材500と同様の効果を得る。また、軌陸車80の左側あおり板83l及び/又は左側あおり板83lに容易に第2の手摺部材600を着脱可能である。既存の軌陸車80は、略同じ形状の左側あおり板83l及び/又は左側あおり板83lを有するため、第2の手摺部材600を複数の軌陸車80で使い回すことができる。
【0124】
いずれの実施形態においても、足場板12において、補強部材14は設けられなくてもよい。
【0125】
なお、本明細書および図中に示した各部材の大きさは例示であって、これらの大きさに限定されない。また、各部材の素材は例示であって、これらの素材に限定されない。
【0126】
ここに付随する図面を参照して本発明の実施形態が説明されたが、記載された発明の範囲と精神から逸脱することなく、変形が各部の構造と関係に施されることは、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0127】
10 第1の足場システム
12 足場板
14 補強部材
20 第2の足場システム
80 軌陸車
82 荷台
83l 左側あおり板
83r 右側あおり板
84l 左側伸長部
84r 右側伸長部
85l 左側枠部
85r 右側枠部
86l 左側段差
86r 右側段差
87l 左側内側面
87r 右側内側面
88l 左側外側面
88r 右側外側面
91 鉄道軌道(線路)
92 プラットフォーム
100 第1の足場部材
110 第1の足場用係合部
111 第1の足場用基部
111a 第1の足場用基部雌ねじ孔
111b 第1の足場用基部ボルト
112 第1の足場用内側支持部
112a 第1の足場用内側雌ねじ孔
112b 第1の足場用内側雌ねじ孔
112c 第1の足場用内側ボルト
112d 第1の足場用内側ボルト
113 第1の足場用外側支持部
114 第1の足場用支持係合部
120 第1の足場用延伸部
121 第1の足場保持部
122 第1の蓋部
123 第1の係止部
200 第2の足場部材
210 第2の足場用係合部
211 第2の足場用基部
211b 第2の足場用基部ボルト
212 第2の足場用内側支持部
212c 第2の足場用内側ボルト
212d 第2の足場用内側ボルト
213 第2の足場用外側支持部
214 第2の足場用支持係合部
220 第2の足場用延伸部
221 第2の足場保持部
222 第2の蓋部
223 第2の係止部