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特開2022-77801商品管理システム及び配送管理システム
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  • 特開-商品管理システム及び配送管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077801
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】商品管理システム及び配送管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220517BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188811
(22)【出願日】2020-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂井 孝光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利男
(72)【発明者】
【氏名】山村 洋市
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送車両への収容ケースの割り当てを、商品の発注後に速やかに行う可能性を高める。
【解決手段】商品の発注数を取得する取得部と、発注数から予測された、発注数の商品の収容に要する収容ケースの第1の予測個数を商品の配送を管理する配送管理システムが取得した後で、発注数に基づいて商品を実際に収容するのに要した収容ケースの個数である実個数を配送管理システムに送信する送信部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の発注数を取得する取得部と、
前記発注数から予測された、前記発注数の前記商品の収容に要する収容ケースの第1の予測個数を前記商品の配送を管理する配送管理システムが取得した後で、前記発注数に基づいて前記商品を実際に収容するのに要した前記収容ケースの個数である実個数を前記配送管理システムに送信する送信部と
を備える、商品管理システム。
【請求項2】
前記第1の予測個数は、過去の前記商品の種類及び発注数と、前記商品の種類及び発注数に対して要した収容ケースの個数の対応関係に基づいて、予測される、請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記第1の予測個数を前記配送管理システムが取得した後で、前記商品の保管場所において出荷可能な出荷可能数及び前記発注数に基づいて予測された数の前記商品の収容に要する前記収容ケースの個数である第2の予測個数をさらに前記配送管理システムに送信し、
前記実個数は、前記第2の予測個数よりも後に送信される、請求項1又は2に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記保管場所における前記商品の前記出荷可能数を記憶する記憶部をさらに備え、
前記第2の予測個数は、前記商品の発注数と、前記記憶部に記憶された前記出荷可能数と、に基づいて予測される、請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項5】
商品の発注数から予測された、前記発注数の前記商品の収容に要する収容ケースの個数である第1の予測個数を取得し、前記第1の予測個数を取得した後で、前記発注数に基づいて前記商品を実際に収容するのに要した前記収容ケースの個数である実個数を取得する取得部と、
前記第1の予測個数を取得した場合に、前記第1の予測個数に応じて、前記商品を配送する配送車両への前記収容ケースの割り当てを行い、前記実個数を取得した場合に、前記実個数に基づいて、前記収容ケースへの割り当て結果を更新する配送処理部と、
を備える、配送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理システム及び配送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物を配送する配送車両の運行の効率化を図る技術が知られている。特許文献1には、配送計画を行う配送装置において、荷主から伝えられる荷物情報(荷物の品目、数量、届先等)が伝えられたタイミングを配送計画の処理タイミングとする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-290185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発注元の店舗等から商品が発注され、工場において発注された商品が収容ケースに収容され、収容ケース単位で配送車両に積み込まれる場合がある。このような場合には、収容ケースの数に応じて商品の配送に必要な配送車両の台数が決まるため、配送センターにおいては、商品の数よりも収容ケースの数が必要となる。しかしながら、従来技術においては、配送センターの管理装置に送信されるのは、商品の発注数であった。このため、配送センターにおいては、工場において実際に収容ケースへの収容が完了するまでは、配送車両に積み込まれる収容ケースの数がわからず、いずれの配送車両がいずれの収容ケースを配送するかを決めることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、配送車両への収容ケースの割り当てを、商品の発注後に速やかに行う可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の商品管理システムは、商品の発注数を取得する取得部と、前記発注数から予測された、前記発注数の前記商品の収容に要する収容ケースの第1の予測個数を前記商品の配送を管理する配送管理システムが取得した後で、前記発注数に基づいて前記商品を実際に収容するのに要した前記収容ケースの個数である実個数を前記配送管理システムに送信する送信部とを備える。
【0007】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の配送管理システムは、商品の発注数から予測された、前記発注数の前記商品の収容に要する収容ケースの個数である第1の予測個数を取得し、前記第1の予測個数を取得した後で、前記発注数に基づいて前記商品を実際に収容するのに要した前記収容ケースの個数である実個数を取得する取得部と、前記第1の予測個数を取得した場合に、前記第1の予測個数に応じて、前記商品を配送する配送車両への前記収容ケースの割り当てを行い、前記実個数を取得した場合に、前記実個数に基づいて、前記収容ケースへの割り当て結果を更新する配送処理部と、を備える。
【0008】
上記商品管理システムは、配送管理システムが第1の予測個数を取得した後で、実個数を配送管理システムに送信する。これに対応して、配送管理システムは、第1の予測個数を取得した場合に、第1の予測個数に応じて、配送車両への収容ケースの割り当てを行い、さらに実個数を取得した場合に、実個数に基づいて、収容ケースへの割り当て結果を更新する。このように、配送管理システムは、実個数を取得する前に第1の予測個数を取得できるので、配送車両への収容ケースの割り当てを大まかに行っておくことができる。このため、商品の在庫に応じた配送車両への商品の割り当てを、商品の発注後に速やかに行う可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】全体システムの全体図である。
図2】各装置の構成図である。
図3】配送処理におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)全体システムの構成:
(2)配送処理:
(3)他の実施形態:
【0011】
(1)全体システムの構成:
図1は、全体システムの構成を示す図である。全体システム1は、複数の店舗装置10と、店舗サーバ装置20と、複数の商品管理システム30と、配送管理システム40とを備えている。全体システム1は、保管場所に保管される商品の配送を管理する。ここで、保管場所は、商品が保管される場所であり、例えば商品の生産工場や倉庫などを含む。本実施形態においては、保管場所が工場の場合を例に説明する。すなわち、全体システム1は、工場で製造され、工場に保管される商品の配送を管理する。
【0012】
各店舗装置10は、情報処理装置であり、各店舗に設置される。図1においては、店舗A、店舗B及び店舗Cそれぞれに対応した3台の店舗装置10を示しているが、全体システム1が管理する店舗及び店舗装置の数は1以上であればよく、実施形態に限定されるものではない。店舗サーバ装置20は、各店舗装置10とネットワークを介して接続される情報処理装置である。各商品管理システム30は、情報処理装置であり、各工場に設置される。図1においては、工場X、工場Y及び工場Zそれぞれに対応した3台の商品管理システム30を示しているが、全体システム1が管理する工場及び商品管理システムの数は1以上であればよく、実施形態に限定されるものではない。配送管理システム40は、情報処理装置であり、配送車両の拠点となる配送センターに設置される。
【0013】
本実施形態においては、複数の店舗装置10、店舗サーバ装置20、商品管理システム30及び配送管理システム40はネットワークを介して相互に通信することができる。なお、複数の店舗装置10は、少なくとも店舗サーバ装置20と通信可能であればよく、通信方式は特に限定されるものではない。商品管理システム30は、少なくとも店舗サーバ装置20及び配送管理システム40と通信可能であればよく、通信方式は特に限定されるものではない。配送管理システム40は、少なくとも店舗サーバ装置20及び商品管理システム30と通信可能であればよく、通信方式は特に限定されるものではない。
【0014】
全体システム1が管理する商品の配送の流れと、各装置の処理の概略を説明する。まず、店舗装置10から1又は2以上の種類の商品の発注数が店舗サーバ装置20に送信される。店舗サーバ装置20は、各工場が保管する商品に対する発注数を、各工場に対応した商品管理システム30へ送信する。
【0015】
例えば、工場Xではパンが製造され、工場Yでは弁当が製造され、工場Zでは、飲料水が製造されているとする。これに対し、店舗Aの店舗装置10からパンと弁当それぞれが発注されたとする。この場合、店舗サーバ装置20は、店舗Aから送信される、パンの発注数を工場Xの商品管理システム30に送信し、店舗Aの店舗装置10から送信される、弁当の発注数を工場Yの商品管理システム30に送信する。同様に各店舗からの発注数が対応する商品管理システム30に送信される。
【0016】
工場では、工場に設けられた商品管理システム30が受信した、商品の発注数に応じて、商品が番重等の収容ケースに収容される。そして、収容ケースへの商品の収容が完了すると、商品管理システム30は、発注数に応じた商品が収容された収容ケースの個数を取得し、これを配送管理システム40へ送信する。本実施形態においては、商品は、収容ケースに収容されて配送車両に積み込まれるものとする。そこで、このように、配送管理システム40へ収容ケースの個数が送信される。本実施形態においては、配送管理システム40は、収容ケースの個数を取得する前に、商品の収容に要する収容ケースの予測個数を取得することができる。本処理については、後に詳述する。
【0017】
配送管理システム40は、商品管理システム30から受信した収容ケースの個数に基づいて、いずれの配送車両にいずれの収容ケースを積み込むかを決定する、すなわち収容ケースの割り当てを行う。そして、配送車両が確定すると、配送管理システム40は、配送車両の配送計画を生成する。配送計画が生成されると、各配送車両には、商品が収容された収容ケースが積み込まれ、配送計画に従って、各配送車両は、発注元の各店舗に商品を届ける。
【0018】
図2は、店舗装置10、店舗サーバ装置20、商品管理システム30及び配送管理システム40の構成図である。なお、複数の店舗装置10は、いずれも同一の構成であるため、図2においては、店舗装置10を1つのみ示している。同様に、複数の商品管理システム30は、いずれも同一の構成であるため、図2においては、商品管理システム30を1つのみ示している。
【0019】
店舗装置10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部11と、記録媒体12と、通信部13と、ユーザI/F部14と、を備えている。制御部11は、記録媒体12やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。制御部11は、このプログラムの1つとして、送信プログラム110を実行することができる。通信部13は、外部の装置と無線通信を行うための装置であり、制御部11は通信部13を介して店舗サーバ装置20と通信することができる。
【0020】
ユーザI/F部14は、ユーザが指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ等やスピーカー等を備えている。すなわち、ユーザI/F部14は、画像や音声の出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0021】
送信プログラム110は、店舗装置10のコンピュータを、送信部111として機能させるためのプログラムであり、送信部111の処理は、CPUが送信プログラム110を実行することにより実現される。すなわち、以下において、送信部111が行うものとして記載する処理は、制御部11により実行される処理である。送信部111は、店舗発注情報を店舗サーバ装置20に送信する。ここで、店舗発注情報は、店舗から発注される商品の種類及び商品の種類毎の発注数を含む。なお、店舗発注情報は、制御部11により生成される。制御部11は、例えば、毎日5時、12時、…というように定期的に店舗発注情報を生成する。例えば、おにぎりなど定期的に発注される商品については、発注タイミングと発注数が発注条件として予め記録媒体12に登録されている。また、在庫数に応じて発注される商品については、在庫数が記録媒体12に登録されている。そして、制御部11は、これらの情報に基づいて、店舗発注情報を生成する。
【0022】
店舗サーバ装置20は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部21と、記録媒体22と、通信部23と、ユーザI/F部24と、を備えている。制御部21は、記録媒体22やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。制御部21は、このプログラムの1つとして、発注管理プログラム210を実行することができる。通信部23及びユーザI/F部24は、それぞれ店舗装置10の通信部13及びユーザI/F部14と同様である。なお、通信部23は、店舗装置10、商品管理システム30及び配送管理システム40と通信することができる。
【0023】
発注管理プログラム210は、店舗サーバ装置20のコンピュータを、取得部211、予測部212及び送信部213として機能させるためのプログラムである。取得部211、予測部212及び送信部213の処理は、CPUが発注管理プログラム210を実行することにより実現される。すなわち、以下において、取得部211、予測部212及び送信部213が行うものとして記載する処理は、制御部21により実行される処理である。
【0024】
取得部211は、通信部23を介して複数の店舗装置10それぞれから店舗発注情報を取得する。予測部212は、店舗発注情報に示される商品の種類及び発注数に基づいて、店舗発注情報に示される発注数の商品を収容するのに要する収容ケースの数を予測する。具体的には、予測部212は、商品の種類に応じて、店舗発注情報に示される商品の発注数を工場単位で分類する。例えば、店舗Aからの店舗発注情報にパンと弁当の発注数が示される場合には、パンの発注数を店舗Aから工場X(パン工場)への店舗発注情報として分類し、弁当の発注数を店舗Aから工場Y(弁当工場)への店舗発注情報として分類する。
【0025】
そして、予測部212は、各工場への発注数に基づいて、各工場から発注数に応じた数の商品を店舗へ出荷するのに利用される収容ケースの個数を予測する。予測部212は、例えば、店舗Aからのパンの発注数に基づいて、店舗Aの発注に応じて工場Xで商品を収容するのに要する収容ケースの個数を予測する。店舗サーバ装置20の記録媒体22には、商品の種類毎の商品のサイズ(例えば、縦、横及び高さ)と収容ケースのサイズが格納されており、予測部212は、これらのサイズに基づいて、各店舗の発注に応じて各工場で商品を収容するのに要する収容ケースの個数を予測する。なお、工場毎に収容ケースのサイズが異なる場合には、工場毎の収容ケースのサイズが格納されているものとする。以下、予測部212により予測される収容ケースの個数を第1の予測個数と称する。
【0026】
送信部213は、各工場に対応した商品管理システム30に対し、各工場に対する第1の予測個数と、各工場向けの発注数と、を送信する。送信部213はまた、配送管理システム40に対し、すべての工場に対する第1の予測個数と、すべての工場に対する発注数と、を送信する。
【0027】
商品管理システム30は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部31と、記録媒体32と、通信部33と、ユーザI/F部34と、を備えている。制御部31は、記録媒体32やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。制御部31は、このプログラムの1つとして、商品管理プログラム310を実行することができる。通信部33及びユーザI/F部34は、それぞれ店舗装置10の通信部13及びユーザI/F部14と同様である。なお、通信部33は、店舗サーバ装置20、配送管理システム40と通信することができる。
【0028】
商品管理プログラム310は、商品管理システム30のコンピュータを、取得部311及び送信部312として機能させるためのプログラムであり、取得部311及び送信部312の処理は、CPUが商品管理プログラム310を実行することにより実現される。すなわち、以下において、取得部311及び送信部312が行うものとして記載する処理は、制御部31により実行される処理である。
【0029】
取得部311は、通信部33を介して店舗サーバ装置20から商品の発注数と、第1の予測個数と、を取得する。送信部312は、制御部31が収容ケースの実個数を取得すると、これを配送管理システム40へ送信する。ここで、実個数は、工場において、発注数に基づいて、工場に保管される商品が実際に収容ケースに収容された場合に、要した収容ケースの個数である。
【0030】
配送管理システム40は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部41と、記録媒体42と、通信部43と、ユーザI/F部44と、を備えている。制御部41は、記録媒体42やROMに記憶された種々のプログラムを実行する。制御部41は、このプログラムの1つとして、配送管理プログラム410を実行することができる。通信部43及びユーザI/F部44は、それぞれ店舗装置10の通信部13及びユーザI/F部14と同様である。なお、通信部43は、店舗サーバ装置20及び商品管理システム30と通信することができる。
【0031】
配送管理プログラム410は、配送管理システム40のコンピュータを、取得部411及び配送処理部412として機能させるためのプログラムである。取得部411及び配送処理部412の処理は、CPUが配送管理プログラム410を実行することにより実現される。すなわち、以下において、取得部411及び配送処理部412が行うものとして記載する処理は、制御部41により実行される処理である。
【0032】
取得部411は、通信部43を介して店舗サーバ装置20から全体システム1が管理するすべての店舗からの商品の発注数と、各店舗からの発注数に応じた第1の予測個数と、を取得する。取得部311はまた、通信部43を介して、商品管理システム30から実個数を取得する。配送処理部412は、第1の予測個数及び実個数に応じて、配送車両への収容ケースの割り当てを行い、さらに配送計画を作成する。
【0033】
(2)配送処理:
次に、全体システム1による配送処理について説明する。図3は、店舗サーバ装置20、商品管理システム30及び配送管理システム40の処理を示すフローチャートである。店舗サーバ装置20は、発注管理処理を実行する。商品管理システム30は、商品管理処理を実行する。配送管理システム40は、配送管理処理を実行する。発注管理処理、商品管理処理及び配送管理処理により配送処理が実現される。
【0034】
まず、店舗サーバ装置20による発注管理処理について説明する。発注管理処理は、予め定められたタイミングで実行される処理である。発注管理処理は、例えば、毎日5時、12時というように、商品の発注のタイミングで実行される。店舗サーバ装置20の取得部211は、店舗装置10から店舗発注情報を取得する(ステップS100)。なお、ステップS100において、取得部211は、複数の店舗装置10から店舗発注情報を取得する。次に、予測部212は、各店舗の発注に応じて各工場で商品を収容するのに要する収容ケースの個数、すなわち第1の予測個数を予測する(ステップS102)。例えば、店舗Aから工場X、工場Y及び工場Zそれぞれに対する第1の予測個数が予測され、同様に店舗B及び店舗Cそれぞれから工場X、工場Y及び工場Zそれぞれに対する第1の予測個数が予測される。
【0035】
ステップS102の処理の後、送信部213は、すべての工場に対する各店舗からの第1の予測個数及びすべての工場に対する各店舗からの発注数を、配送管理システム40へ送信する(ステップS104)。次に、送信部213は、各店舗からの発注に対する各工場の第1の予測個数及び各店舗から各工場への発注数を各工場に対応した各商品管理システム30に送信する(ステップS106)。例えば、工場Xの商品管理システム30には、工場Xに対する店舗Aからの発注に応じた第1の予測個数及び工場Xに対する店舗Aからの発注数が送信される。同様に、工場Xの商品管理システム30には、工場Xに対する店舗B及び店舗Cそれぞれに対応した第1の予測個数及び発注数が送信される。以上で、発注管理処理が終了する。なお、ステップS104の処理とステップS106の処理の処理順は本実施形態に限定されるものではない。すなわち、ステップS104の処理とステップS106の処理は並行して実行されてもよく、ステップS106の処理の後でステップS104の処理が実行されてもよい。
【0036】
次に、商品管理システム30による商品管理処理について説明する。商品管理処理は、商品管理システム30の通信部33が第1の予測個数及び発注数を受信した場合に実行される。商品管理システム30の取得部311は、店舗サーバ装置20により送信された第1の予測個数及び発注数を取得する(ステップS200)。ステップS200においては、取得部311は、各店舗からの発注数と、各店舗からの発注に対する第1の予測個数を取得する。取得部311はさらに、取得した各店舗からの発注に対する第1の予測個数を、各店舗からの発注に対する収容ケースの個数として、記録媒体32等の記憶部に格納する。なお、第1の予測個数は、発注管理処理のステップS106において商品管理システム30に送信される。
【0037】
次に、制御部31は、各店舗からの発注に応じた収容ケースの実個数を取得するまで待機し(ステップS202でN)、実個数を取得すると(ステップS202でY)、同一店舗からの発注に対応した、第1の予測個数と実個数とを比較する(ステップS204)。ここで、制御部31が、実個数を取得するタイミングについて説明する。工場においては、商品管理システム30が第1の予測個数と発注数を受信すると、発注数に従い、作業者により、収容ケースへの商品の収容作業が行われる。収容ケースへの収容作業が完了すると、管理者等は、商品の収容に要した収容ケースの個数を数え、これを実個数として商品管理システム30へ入力する。すなわち、この場合、実個数は、ユーザI/F部34を介してユーザ操作により行われ、制御部31は、ユーザI/F部34を介して実個数を取得する。また、工場における収容ケースへの商品の収容作業は、ロボットにより自動で行われる場合には、収容作業が完了すると、ロボットから収容個数がネットワークを介して商品管理システム30へ送信される。すなわち、この場合、制御部31は、通信部33を介して実個数を取得する。
【0038】
発注数以上の商品が工場に存在する場合には、発注数の商品が収容ケースへ収容される。一方で、工場に存在する商品の数が発注数に満たない場合には、発注数よりも少ない数の商品が収容ケースへ収容される。このように、工場に存在する商品の数によっては、第1の予測個数と実個数が異なる場合がある。また、例えば、店舗サーバ装置20においては自動計算により収容ケースの個数が算出されるため、実際の収容ケースへの商品の詰め方により、発注数と等しい数の商品を収容ケースに収容する場合でも、第1の予測個数と実個数とが異なる場合がある。
【0039】
第1の予測値と実個数が一致しない場合には(ステップS204でN)、制御部31は、記憶部に格納される収容ケースの個数を実個数に更新し(ステップS206)、その後処理をステップS210へ進める。一方、第1の予測個数と実個数が一致する場合には(204でY)、制御部31は、ステップS206の処理を行うことなく、処理をステップS208へ進める。ステップS208において、送信部312は、各店舗からの発注に対する実個数を配送管理システム40へ送信する。このように、実個数は、配送管理システム40が第1の予測個数を取得した後で、配送管理システム40へ送信される。以上で、商品管理処理が終了する。
【0040】
なお、実個数は、第1の予測個数と同様に、各店舗からの各工場への発注それぞれに対して得られる。そして、ステップS204においては、1つの店舗から1つの工場への発注に対応した第1の予測数と実個数とが比較される。一致しない場合には、当該店舗から当該工場への発注に対応した収容ケースの個数が更新される。なお、ステップS208においては、すべての店舗からすべての工場への発注に対応した実個数がまとめて送信されることとしたが、各店舗から各工場への発注に対応した実個数がそれぞれ別個に送信されてもよい。
【0041】
次に、配送管理システム40による配送管理処理について説明する。配送管理処理は、配送管理システム40の通信部43が第1の予測個数及び発注数を受信した場合に実行される。配送管理システム40の取得部411は、店舗サーバ装置20により送信された、すべての工場に対する第1の予測個数及び発注数を取得する(ステップS300)。取得部411は、取得した第1の予測個数及び発注数を記録媒体42等の記憶部に格納する。
【0042】
ステップS302において、配送処理部412は、各店舗からの発注に応じた各工場における第1の予測個数に基づいて、配送車両への収容ケースの割り当てを行う。具体的には、配送処理部412は、各工場への発注に対する第1の予測個数を、店舗単位で集計し、店舗毎の収容ケースの予測個数の合計値を求める。そして、配送処理部412は、店舗毎の収容ケースの予測個数の合計値に基づいて、各収容ケースをいずれの配送車両に積み込むかを決定する。例えば、店舗Aからの店舗発注情報にパンと弁当が含まれる場合に、店舗Aからの発注に応じた工場X(パン工場)の第1の予測個数と、店舗Aからの発注に応じた工場Y(弁当工場)の第1の予測個数の合計値が店舗Aに対する収容ケースの予測個数の合計値となる。
【0043】
次に、配送処理部412は、取得部411が全体システム1のすべての商品管理システム30から実個数を取得するまで待機する(ステップS304でN)。取得部411がすべての商品管理システム30から実個数を取得すると(ステップS304でY)、配送処理部412は、実個数に基づいて、配送車両のへの収容ケースの割り当てを行う(ステップS306)。割り当ての具体的な処理は、ステップS302の処理と同様である。このように、配送処理部412は、第1の予測個数から得られた割り当て結果を、実個数に基づいて更新する。以上で、配送管理処理が完了する。実個数は、実際の収容ケースの個数であるので、ステップS306の処理により収容ケースの割り当て結果を確定することができる。配送処理部412は、収容ケースの割り当て結果が確定した場合に、割り当て結果に基づいて、配送計画を作成する。
【0044】
以上のように、本実施形態の全体システム1においては、商品管理システム30は、配送管理システム40が第1の予測個数を取得した後で、実個数を配送管理システム40に送信する。これにより、配送管理システム40では、第1の予測個数を取得した場合に、配送車両への収容ケースの割り当てを大まかに行っておき、実個数を取得した場合に、割り当てを確定させることができる。すなわち、配送管理システム40は、配送車両への収容ケースの割り当てを、商品の発注後に速やかに行う可能性を高めることができる。さらに、第1の実個数が確定した場合には、配送車両への収容ケースの割り当てについて微調整を行うだけでよくなるため、第1の予測個数を取得しない場合に比べて、速やかに配車計画を作成することができる。
【0045】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、商品管理システム30は、複数の装置によって実現されるシステムであってもよい。商品管理システム30を構成する取得部311及び送信部312の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。例えば、商品管理システム30と異なる装置において収容ケースの個数が管理され、当該装置により収容ケースの個数の更新が行われてもよい。また、配送管理システム40は、複数の装置によって実現されるシステムであってもよい。配送管理システム40を構成する取得部411及び配送処理部412の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0046】
例えば、全体システム1は、店舗サーバ装置20を備えなくてもよい。この場合、商品管理システム30及び配送管理システム40には、店舗装置10から送信された発注数が送信される。なお、第1の予測個数の予測は、店舗装置10、商品管理システム30又は配送管理システム40が行えばよい。
【0047】
また、他の例としては、店舗サーバ装置20を備えない場合において、店舗単位の発注数に基づいて、第1の予測個数が予測されてもよい。このように、第1の予測個数に対応した発注数の単位は任意であり、実施形態に限定されるものではない。
【0048】
また、第1の予測個数の予測を行う装置は、店舗サーバ装置20に限定されるものではない。商品管理システム30が、店舗サーバ装置20から受信した、商品の発注数に基づいて、第1の予測個数を予測し、第1の予測個数を配送管理システム40に送信してもよい。この場合、商品管理システム30は、第1の予測個数を送信した後で、実個数を送信する。また、他の例としては、配送管理システム40が店舗サーバ装置20から受信した、商品の発注数に基づいて、第1の予測個数を予測し、第1の予測個数を商品管理システム30に送信してもよい。
【0049】
第1の予測個数の予測方法は、実施形態に限定されるものではない。例えば、商品管理システム30が第1の予測個数を予測することとし、商品管理システム30は、発注された商品の種類及び発注数に対応付けて、これらの商品の収容に要した収容ケースの個数を記録媒体32に履歴情報として格納しておく。そして、商品管理システム30は、履歴情報に基づいて、新たに取得した商品の種類及び発注数に対して、第1の予測個数を予測する。具体的には、商品管理システム30は、履歴情報における商品の種類及び発注数と、収容ケースの個数と、の対応関係から、例えば、機械学習により学習モデルを生成する。そして、商品管理システム30は、学習モデルに基づいて、第1の予測個数を予測する。なお、このような履歴情報に基づく第1の予測個数の予測についても、上述の通り、処理を行う装置は、商品管理システム30に限定されるものではない。すなわち、店舗サーバ装置20又は配送管理システム40が履歴情報に基づく第1の予測個数の予測を行ってもよい。この場合、処理を行う装置に商品管理システム30から履歴情報が送信されるものとする。
【0050】
本実施形態においては、配送対象の商品が保管される保管場所が工場である場合を例に説明したが、保管場所は、商品が保管される配送元であればよい。保管場所の他の例としては、物流の中間地点の倉庫などが挙げられる。
【0051】
本実施形態においては、配送管理システム40は、ステップS306において、実個数に基づく収容ケースの割り当てが完了した後で配送計画を作成することとした。ただし、配送管理システム40は、ステップS302の処理の後に、ステップS302における割り当て結果に基づいて、配送計画案を作成し、ステップS306の処理の後で、配送計画を確定することとしてもよい。これにより、配送管理システム40の管理者は、第1の予測個数を取得した直後に、大まかな配送計画を把握することができる。
【0052】
また、商品管理システム30は、ステップS208において、収容ケースの実個数と共に、収容ケースに収容された商品の数、すなわち出荷数を配送管理システム40に送信してもよい。そして、配送管理システム40は、店舗サーバ装置20から受信した発注数と、実際の出荷数とを対応付けた商品関連情報を作成し、これを出力してもよい。これにより、管理者等は、発注数と出荷数とを把握することができる。
【0053】
また、他の例としては、商品管理システム30は、配送管理システム40が第1の予測個数を取得した後で、かつ実個数を配送管理システム40に送信する前に、第1の予測個数よりも実個数に近い第2の予測個数を配送管理システム40へ送信してもよい。第2の予測個数は、発注数と、工場の出荷可能数と、に基づいて予測される。具体的には、商品管理システム30の記録媒体32には、当該商品管理システム30が設置された工場の出荷可能数が商品の種類に対応付けて格納されているものとする。
【0054】
第2の予測個数の予測が行われる予測時点、すなわち記録媒体32が参照される時点において、記録媒体32には、予測時点における在庫数が、予測時点における出荷可能数として格納されている。さらに、記録媒体32には、将来において予測される出荷可能数も記録される。すなわち、予測時点において、記録媒体32には、予測時点の出荷可能数だけでなく、予測時点の1時間後、2時間後等、将来の出荷可能数が記録される。将来の出荷可能数は、予測時点の出荷可能数に対し、予測時点から将来の時点(例えば1時間後、2時間後)までに更新される予定の個数が反映された値である。例えば、予測時点から将来の時点までに新たな商品が製造される場合には、予測時点における在庫数に新たな商品の個数が加算された値が将来の時点における出荷可能数となる。また、例えば予測時点から将来の時点までに、工場の商品の出荷が予定されている場合には、予測時点における在庫数から出荷予定の商品の個数が減じられた値が将来の時点における出荷可能数となる。
【0055】
制御部31は、第1の予測個数と発注数とを受信した場合に、受信のタイミングから収容ケースの出荷タイミングを予測する。例えば、制御部31は、受信のタイミングから所定時間後のタイミングを出荷タイミングとして予測する。そして、制御部31は、記録媒体32を参照し、出荷タイミングにおける出荷可能数と発注数とから、収容ケースの出荷の時点において収容ケースに収容可能な商品の個数(第2の予測個数)を予測する。このように、制御部31は、将来の時点で製造される商品も考慮した予測を行うことができる。
【0056】
出荷可能数が発注数よりも少ない場合には、出荷可能数が収容ケースに収容する商品の個数となり、出荷可能数が発注数以上の場合には、発注数が収容ケースに収容する商品の個数となる。さらに、商品管理システム30の記録媒体321には、商品毎のサイズと収容ケースのサイズが格納されており、制御部31は、これらのサイズと、収容ケースに収容する商品の個数とに基づいて、収容ケースの第2の予測個数を予測する。このように、実個数が送信される前に第2の予測個数が送信されることにより、配送管理システム40は、商品の割り当てを段階的に進めることができる。
【0057】
配送管理システム40には、さらに3段階以上で予測個数が送信されてもよい。例えば、商品管理システム30は、第2の予測個数を送信した後で、予定の商品が生産されず、出荷可能数が減少した場合に、増加後の出荷可能数に基づいて第3の予測個数を予測し、これを配送管理システム40へ送信してもよい。このように、配送管理システム40は、出荷可能数が変化した場合に、変化後の出荷可能数に応じた予測個数を送信してもよい。
【0058】
さらに、以上のようなシステムはプログラムや方法としても適用可能である。また、このようなプログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…全体システム、10…店舗装置、20…店舗サーバ装置、30…商品管理システム、31…制御部、32…記録媒体、33…通信部、40…配送管理システム、41…制御部、42…記録媒体、43…通信部、311…取得部、312…送信部、411…取得部、412…配送処理部
図1
図2
図3