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特開2022-77940複合材料製旅行かばんおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077940
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】複合材料製旅行かばんおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A45C 5/02 20060101AFI20220517BHJP
   A45C 5/03 20060101ALI20220517BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20220517BHJP
   B29C 51/28 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A45C5/02 W
A45C5/03
A45C5/02 Q
A45C5/02 S
B29C51/10
B29C51/28
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210392
(22)【出願日】2020-12-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011260428.1
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】520501300
【氏名又は名称】永湖複合材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲廖▼ 元宏
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 樹春
【テーマコード(参考)】
3B045
4F208
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CB01
3B045CB04
3B045FA00
3B045FC02
3B045FC04
3B045FC06
3B045HA02
3B045HB02
3B045IA09
4F208AC03
4F208AD03
4F208AD16
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH56
4F208MA01
4F208MA10
4F208MB01
4F208MB11
4F208MB22
4F208MC01
4F208MC05
4F208MH06
4F208MJ05
(57)【要約】
【課題】複合材料製旅行かばんおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】複合材料製旅行かばんの製造方法は下記のステップを含む。ステップA)は真空成型法に基づいて熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作する。ステップB)は加熱用型の凹状部位にボディーを嵌めてボディーの外側面を凹状部位の内壁面に対応させる。ステップC)は熱硬化性炭素繊維プラスチック層の表面をボディーの内側面に位置させる。ステップD)は熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面、かつボディーのコーナーに補強層を配置する。ステップE)はボディーの収納空間にエアバッグを置いて膨張させ、熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面および補強層に当接させるまでエアバッグを膨張させると同時に加熱用型の凹状部位内に位置するボディー、熱硬化性炭素繊維プラスチック層および補強層を加熱し、それらを相互に結合させる。
【選択図】 図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のステップを含む。
ステップA)は真空成型法(vacuum molding method)に基づいて熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作し、前記ボディーは外側面、内側面、前記内側面に囲まれて成る収納空間およびコーナーを有し、
ステップB)は凹状部位を有する加熱用型を用意し、前記加熱用型の前記凹状部位に前記ボディーを嵌めて前記ボディーの前記外側面を前記凹状部位の内壁面に対応させ、
ステップC)は表面および裏面を有する熱硬化性炭素繊維プラスチック層を用意し、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記表面を前記ボディーの前記内側面に対応させ、
ステップD)は補強層を配置し、前記補強層は前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記裏面に配置され、かつ前記ボディーの前記コーナーに位置付けられ、
ステップE)は前記ボディーの前記収納空間にエアバッグを置いて膨張させ、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記裏面および前記補強層に当接させると同時に前記加熱用型の前記凹状部位内に位置する前記ボディー、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層および前記補強層を加熱し、それらを相互に結合させることを特徴とする複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項2】
前記補強層の材質は熱硬化性炭素繊維プラスチック部材であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項3】
前記ステップE)において、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層は前記加熱用型によって加熱され、前記ボディーの前記内側面に固化して付着することを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項4】
前記補強層は金属層であり、
前記製造方法はさらに別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層を用意し、続いて前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記裏面および前記金属層に前記別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層を配置し、前記エアバッグを膨張させて前記別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層に当接させると同時に、前記加熱用型の前記凹状部位内に位置する前記ボディー、二つの前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層および前記金属層を加熱して前記ボディーおよび二つの前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層を結合させ、前記金属層を二つの前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層で覆うことを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項5】
前記ステップE)において、前記加熱用型の前記凹状部位の加熱温度は140度から150度の間であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項6】
前記ステップA)において、前記熱可塑性プラスチックシートは透明であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項7】
前記製造方法はさらにパータンを形成するステップを含み、
前記パータンはスプレー塗装、プリントまたはシールなどによって前記ボディーの前記内側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項8】
前記ステップA)において、前記真空成型法は型を有する真空成型装置(vacuum molding device)を採用し、前記熱可塑性プラスチックシートを前記真空成型装置に入れて加熱し、軟化させ、続いて前記真空成型装置によって負圧を生じて前記熱可塑性プラスチックシートを前記型の表面に付着させて前記ボディーを成型することを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項9】
前記製造方法は前記ステップE)の後、ステップF)を進め、
前記ステップF)は前記ボディーの前記収納空間から前記エアバッグを取り出し、成型した複合材料製旅行かばんを冷却させることを特徴とする請求項1に記載の複合材料製旅行かばんの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の製造方法によって成型した複合材料製旅行かばんであって、
前記ボディー、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層および前記補強層を備え、
前記ボディーは前記外側面、前記内側面、前記内側面に囲まれて成る前記収納空間および前記コーナーを有し、
前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層は前記表面および前記裏面を有し、前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記表面は前記ボディーの前記内側面に配置され、
前記補強層は前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の前記裏面に配置され、かつ前記ボディーの前記コーナーに位置付けられることを特徴とする複合材料製旅行かばん。
【請求項11】
前記補強層は熱硬化性炭素繊維プラスチック層であることを特徴とする請求項10に記載の複合材料製旅行かばん。
【請求項12】
さらに別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層を備え、
前記補強層は金属層であり、
前記別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層は前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面および前記金属層に配置され、
前記ボディーおよび二つの前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層は相互に結合し、
前記金属層は二つの前記熱硬化性炭素繊維プラスチック層の中に覆われることを特徴とする請求項10に記載の複合材料製旅行かばん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維製品に関し、詳しくは複合材料製旅行かばんの製造方法およびその製造方法で成型した複合材料製旅行かばんに関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販の旅行かばんは熱可塑性樹脂またはアルミニウム-マグネシウム合金から製作される。熱可塑性樹脂製旅行かばんは合わさる二つのシェルから構成される。製作作業を行う際、シェルの内側に布生地を縫製し、二つのシェルを開閉可能に連結し、続いてキャスターおよびハンドルを取り付ければ旅行かばんが完成する。旅行かばんを使用する際、例えば空港内の輸送ベルトで旅行かばんを搬送する際、旅行かばんの相互に衝突するか、輸送ベルトから落下する可能性があるため、一部分の熱可塑性樹脂(例えばABS樹脂)から製作された旅行かばんを破裂させて使用できなくなる。この故でユーザーを困らせ、新しい旅行かばんを買い替えることを免れることはできない。
【0003】
上述した問題点に対し、特許文献1(出願日2018年6月20日付)は旅行かばんボディーの製造方法を掲示した。該案はまず真空成型法に基づいて熱可塑性プラスチックシートからボディーを製作し、続いて加熱用型の凹状部位にボディーを嵌めてボディーの外側面を凹状部位の内壁面に対応させる。続いてボディーの内側面に熱硬化性プラスチック層を配置し、ボディーの収納空間にエアバッグを位置させて膨らませる。エアバッグを膨らませて熱硬化性プラスチック層に当接させると同時に加熱用型の凹状部位内のボディーおよび熱硬化性プラスチック層を加熱して結合させれば、旅行かばんボディーが完成する。上述した技術特徴により構造強度を補強できるだけでなく、旅行かばんボディーの全体重量を軽減できる。
【0004】
また旅行かばんのコーナーの強度を補強するために、特許文献2は旅行かばんのコーナーを保護できる構造を掲示した。該案は旅行かばんのコーナーの外側面に保護構造を形成することであるため、旅行かばんの樹脂ボディーのコーナーを異物に直接衝突させることがなく、コーターの破裂を減少させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許公開202003202A号公報
【特許文献2】台湾実用新案M579915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、複合材料製旅行かばんの製造方法を提供することを主な目的とする。前記製造方法で成型した複合材料製旅行かばんの特徴は構造強度が良好であるだけでなく、外部構造が一致したえで旅行かばんのコーナーが衝撃に耐えられることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、複合材料製旅行かばんの製造方法は下記のステップを含む。ステップA)は真空成型法(vacuum molding method)に基づいて熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作する。ボディーは外側面、内側面、内側面に囲まれて成る収納空間およびコーナーを有する。ステップB)は凹状部位を有する加熱用型を用意し、加熱用型の凹状部位にボディーを嵌めてボディーの外側面を凹状部位の内壁面に対応させる。ステップC)は表面および裏面を有する熱硬化性炭素繊維プラスチック層を用意し、熱硬化性炭素繊維プラスチック層の表面をボディーの内側面に対応させる。ステップD)は補強層を配置する。補強層は熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面に配置され、かつボディーのコーナーに位置付けられる。ステップE)はボディーの収納空間にエアバッグを置いて膨張させ、熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面および補強層に当接させるまでエアバッグを膨張させると同時に加熱用型の凹状部位内に位置するボディー、熱硬化性炭素繊維プラスチック層および補強層を加熱し、それらを相互に結合させる。
【0008】
比較的好ましい場合、ステップD)において、補強層の材質は熱硬化性炭素繊維プラスチック部材である。
【0009】
比較的好ましい場合、ステップE)において、熱硬化性炭素繊維プラスチック層は加熱用型によって加熱され、ボディーの内側面に固化して付着する。
【0010】
比較的好ましい場合、補強層は金属層である。製作方法はさらに別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層を配置するステップを含む。熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面および金属層に別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層を配置し、エアバッグを膨張させて別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層に当接させると同時に、加熱用型の凹状部位内に位置するボディー、二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層および金属層を加熱してボディーおよび二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層を結合させ、金属層を二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層で覆う。
【0011】
比較的好ましい場合、ステップE)において、加熱用型の凹状部位の加熱温度は140度から150度の間である。
【0012】
比較的好ましい場合、ステップA)において、熱可塑性プラスチックシートは透明である。
【0013】
比較的好ましい場合、製造方法はさらにパータンを形成するステップを含む。パータンはスプレー塗装、プリントまたはシールなどによってボディーの内側面に形成される。
【0014】
比較的好ましい場合、ステップA)において、真空成型法は型を有する真空成型装置(vacuum molding device)を採用する。熱可塑性プラスチックシートを真空成型装置に入れて加熱し、軟化させる。続いて、真空成型装置は負圧を生じて熱可塑性プラスチックシートを型の表面に付着させてボディーを成型する。
【0015】
比較的好ましい場合、製造方法はステップE)の後、さらにステップF)を進める。ステップF)はボディーの収納空間からエアバッグを取り出し、成型した複合材料製旅行かばんを冷却させる。
【0016】
比較的好ましい場合、本発明は前記製造方法によって成形した複合材料製旅行かばんを提供する。複合材料製旅行かばんはボディー、熱硬化性炭素繊維プラスチック層および補強層を備える。ボディーは外側面、内側面、内側面に囲まれて成る収納空間およびコーナーを有する。熱硬化性炭素繊維プラスチック層は表面および裏面を有する。熱硬化性炭素繊維プラスチック層の表面はボディーの内側面に配置される。補強層は熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面に配置され、かつボディーのコーナーに位置付けられる。
【0017】
上述をまとめてみると、前記製造方法によって成型した複合材料製旅行かばんは外部構造が一致したえで熱可塑性プラスチックシートの耐衝撃性と、熱硬化性炭素繊維プラスチック層の高強度および高結合性と、ニーズに応じて特定部位に配置した補強層(熱硬化性炭素繊維プラスチック層または金属層)などの特性によって耐衝撃性を大幅に向上させることができる。
【0018】
本発明に関わる詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法は、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。また、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて真空成型法を採用して熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作するステップを示す模式図である。
図2】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて真空成型法を採用して熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作するステップを示す模式図である。
図3】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて真空成型法を採用して熱可塑性プラスチックシートでボディーを製作するステップを示す模式図である。
図4】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて加熱用型にボディーを嵌めるステップを示す模式図である。
図5】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて加熱用型にボディーを嵌めるステップを示す模式図である。
図6】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて熱硬化性炭素繊維プラスチック層をボディーの内側面に配置するステップを示す模式図である。
図7】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて補強層(熱硬化性炭素繊維プラスチック層)を熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面に配置し、かつボディーのコーナーに位置させるステップを示す模式図である。
図8】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて熱硬化性炭素繊維プラスチック層および補強層にエアバッグを当接させるステップを示す模式図である。
図9】本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて熱硬化性炭素繊維プラスチック層および補強層にエアバッグを当接させるステップを示す模式図である。
図10】本発明の第1実施形態による製造方法に基づいて成型した複合材料製旅行かばんを示す断面図である。
図11】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図12】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図13】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図14】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図15】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図16】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて図1から図6と同じ過程を進めるステップを示す模式図である。
図17】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて補強層(金属層)を熱硬化性炭素繊維プラスチック層の裏面に配置し、かつボディーのコーナーに位置させるステップを示す模式図である。
図18】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層をボディーの内側面および補強層に配置するステップを示す模式図である。
図19】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて熱硬化性炭素繊維プラスチック層にエアバッグを当接させるステップを示す模式図である。
図20】本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばんの製造方法に基づいて熱硬化性炭素繊維プラスチック層にエアバッグを当接させるステップを示す模式図である。
図21】本発明の第2実施形態による製造方法に基づいて成型した複合材料製旅行かばんを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による複合材料製旅行かばんおよびその製造方法を図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、方向性用語は図面に基づいて表現される。図中の同じ符号は同じ部品または類似した部品のまたはその構造特徴を示す。
【0021】
(第1実施形態)
図1から図10に示すように、本発明の第1実施形態による複合材料製旅行かばん10の製造方法は下記のステップを含む。
【0022】
図1から図3に示すように、ステップS1-1は真空成型法(vacuum molding method)に基づいて熱可塑性プラスチックシート20でボディー21を製作する。ボディー21は外側面211、内側面213、内側面213に囲まれて成る収納空間215およびコーナー217を有する。熱可塑性プラスチックシート20はPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PC(ポリカーボネート)またはそれらの組成物であるが、これに限らず、別の熱可塑性プラスチック部材または熱可塑性プラスチック部材の組成物を採用してもよい。第1実施形態において、真空成型法(即ちプラスチックシート吸引法)は型42を有する真空成型装置40を採用する。型42はオス型である。オス型、即ち型42に別の補助用型(例えば凸状模様)を装着すれば形が異なるボディー21を製造することができる。続いて、熱可塑性プラスチックシート20を真空成型装置40に入れて加熱し、軟化させる。続いて、真空成型装置40は負圧を生じて熱可塑性プラスチックシート20を型42の表面に付着させてボディー21を成型する。真空成型装置40によって熱可塑性プラスチックシート20を加熱し、軟化させることや真空成型装置40の負圧によって熱可塑性プラスチックシート20を型42の表面に付着させてボディー21を成型することは周知の技術であるため、詳細な説明を省略する。図2に示すように、真空成型装置40によって成形したボディー21は周りに余分な材料219が残留するため、ボディー21の周りの余分な材料219を裁断し、図3に示すようにボディー21を完成させる二次加工が必要である。
【0023】
図4および図5に示すように、ステップS1-2は凹状部位62を有する加熱用型60を用意し、加熱用型60の凹状部位62にボディー21を嵌めてボディー21の外側面211を凹状部位62の内壁面64に対応させる。ボディー21にパータン(商標または創作図形)を増設する場合、ステップS1-1において透明の熱可塑性プラスチックシート20を使用すればよい。透明の熱可塑性プラスチックシート20でボディー21を製作し、続いてステップS1-1またはステップS1-2においてスプレー塗装、プリントまたはシールなどによってボディー21の内側面213にパータンを形成する。
【0024】
図6に示すように、ステップS1-3は表面および裏面を有する熱硬化性炭素繊維プラスチック層30を用意し、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の表面をボディー21の内側面213に対応させる。熱硬化性炭素繊維プラスチック層30はエポキシ樹脂(Epoxy resin)またはポリエステル(Polyester)であるが、これに限らず、別の熱硬化性プラスチック部材または熱硬化性プラスチック部材の組成物を採用してもよい。
【0025】
図7に示すように、ステップS1-4は補強層50を配置する。第1実施形態において、補強層50は熱硬化性炭素繊維プラスチック部材から構成させ、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の裏面に配置され、かつボディー21のコーナー217、即ち最も破損しやすい部位に位置付けられる。
【0026】
図8および図9に示すように、ステップS1-5において、ボディー21の収納空間215にエアバッグ72を置いて膨張させ、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の裏面および補強層50に当接させるまでエアバッグ72を膨張させると同時に加熱用型60の凹状部位62内に位置するボディー21、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30および補強層50を加熱し、それらを相互に結合させる。加熱温度が140度から150度の間であれば比較的好ましい。熱硬化性炭素繊維プラスチック層30および補強層50をボディー21の内側面213に固化および付着させれば、ボディー21、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30および補強層50は相互に結合し、複合材料製旅行かばん10を成型することができる。
【0027】
図9および図10に示すように、ステップS1-6において、ボディー21の収納空間215からエアバッグ72を取り出し、成型した複合材料製旅行かばん10を冷却させれば、複合材料製旅行かばん10の製造工程が完了する。
【0028】
(第2実施形態)
図11から図21に示すように、本発明の第2実施形態による複合材料製旅行かばん10'の製造方法は下記のステップを含む。
【0029】
図11から図16に示すように、ステップS2-1からステップS2-3は第1実施形態のステップS1-1からステップS1-3と同じであるため、説明を省略する。
【0030】
図17に示すように、ステップS2-4は補強層50を配置する。第2実施形態において、補強層50は金属層またはケブラー繊維(Kevlar fiber)から構成され、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の裏面に配置され、かつボディー21のコーナー217に位置付けられる。
【0031】
図18に示すように、ステップS2-5は別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層30を配置する。別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層30は熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の裏面および補強層50としての金属層に配置される。
【0032】
図19および図20に示すように、ステップS2-6において、エアバッグ72を膨張させて別の熱硬化性炭素繊維プラスチック層30に当接させると同時に、加熱用型60の凹状部位62内に位置するボディー21、二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層30および補強層50としての金属層を加熱してボディー21および二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層30を結合させ、補強層50としての金属層を二つの熱硬化性炭素繊維プラスチック層30で覆う。
【0033】
図20および図21に示すように、ステップS2-7において、ボディー21の収納空間215からエアバッグ72を取り出し、成型した複合材料製旅行かばん10'を冷却させれば、複合材料製旅行かばん10'の製造工程が完了する。
【0034】
上述をまとめてみると、前記製造方法によって成型した複合材料製旅行かばん10、10'は外部構造が一致したえで熱可塑性プラスチックシート20の耐衝撃性と、熱硬化性炭素繊維プラスチック層30の高強度および高結合性と、ニーズに応じて特定部位に配置した補強層(熱硬化性炭素繊維プラスチック層または金属層)50などの特性によって耐衝撃性を大幅に向上させることができる。
【符号の説明】
【0035】
10、10':複合材料製旅行かばん、
20:熱可塑性プラスチックシート、
21:ボディー、
211:外側面、
213:内側面、
215:収納空間、
217:コーナー、
219:余分な材料、
30:熱硬化性炭素繊維プラスチック層、
40:真空成形装置、
42:型、
50:補強層(熱硬化性炭素繊維プラスチック層、金属層)、
60:加熱用型、
62:凹状部位、
64:内壁面、
72:エアバッグ、
S1-1、S1-2、S1-3、S1-4、S1-5、S1-6:ステップ、
S2-1、S2-2、S2-3、S2-4、S2-5、S2-6、S2-7:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図21