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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077977
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】電気手術器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/125 20060101AFI20220517BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61B17/125
A61B18/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179012
(22)【出願日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】20207244
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・ボブ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG06
4C160GG08
4C160KK04
4C160KK19
4C160KK37
4C160KK47
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な構成で高い動作安全性を保証する枢動可能な作動要素を有する手術器具を提供する。
【解決手段】互いにヒンジ式に配置された第1の顎部22および第2の顎部23を有する手術器具20に関し、ツール30は、好ましくは第1の顎部の内部またはその上のツールチャネル31内で長手方向Lに摺動可能に支持される。作動装置33によって、ツールを長手方向に移動させることができる。作動要素34および駆動要素35は、作動装置の一部であり、好ましくは第1の顎部上の枢動軸Sの周りに枢動可能に支持される。結合装置40によって、作動要素と駆動要素との間に回転結合を確立することができる。耐トルク結合は、好ましくは、顎部が閉位置に移動されることから確立される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具(20)であって、
互いにヒンジ式に支持され、互いに対して開位置(I)と閉位置(II)との間で枢動することができる第1の顎部(22)および第2の顎部(23)と、
第1の顎部(22)の上または内部に案内されるように長手方向(L)に可動に支持されたツール(30)と、
第1の顎部(22)上の枢動軸(S)の周りに枢動可能に支持された作動要素(34)および駆動要素(35)であって、駆動要素(35)がツール(30)と可動に結合される、作動要素(34)および駆動要素(35)と、
結合要素(41)を備える結合装置(40)であって、前記結合要素(41)が、結合位置(C)と結合解除位置(D)との間で移動することができ、前記結合位置(C)において作動要素(34)と駆動要素(35)との間に回転結合を確立し、前記結合解除位置(D)において作動要素(34)と駆動要素(35)との間の相対回転を可能にするように構成される、結合装置(40)とを備える、
手術器具。
【請求項2】
前記結合要素(41)は、第2の顎部(23)によって可動である、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記顎部(22、23)が前記閉位置(II)になるように互いに対して枢動される場合、第2の顎部(23)は、結合要素(41)を前記結合解除位置(D)から前記結合位置(C)に移動させるように構成される、
請求項1または2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記駆動要素(35)は、前記結合要素(41)が結合位置(C)において内部に突出する結合凹部(42)を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項5】
前記結合要素(41)は、前記結合位置(C)と前記結合解除位置(D)との間で並進式に可動である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項6】
前記結合要素(41)は、前記結合位置(C)と前記結合解除位置(D)との間で枢動することができる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項7】
結合要素(41)を前記結合解除位置(D)に付勢する付勢力を結合要素(41)上に生成するように構成された付勢装置(49)が存在する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項8】
前記付勢装置(49)は、前記付勢力を生成するばね要素(50)を備える、
請求項7に記載の手術器具。
【請求項9】
ばね要素(50)および結合要素(41)は、互いに接続され、互いに対して不動である、
請求項8に記載の手術器具。
【請求項10】
ばね要素(50)および結合要素(41)は、一体的に形成される、
請求項9に記載の手術器具。
【請求項11】
ばね要素(50)は、枢動軸(S)の周りに円弧状に延びる可撓性ばね(54)、または、板ばね(56)である、
請求項8から10のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項12】
ばね要素(50)は、螺旋ばね(51)である、
請求項8から10のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項13】
作動要素(34)および/または駆動要素(35)を初期位置(A1、A2)に付勢するように構成されたリセット装置(46)が設けられる、
請求項1から12のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項14】
前記リセット装置(46)は、駆動要素(35)を前記初期位置(A1)に付勢する第1のリセット要素(47)と、作動要素(34)を前記初期位置(A2)に付勢する第2のリセット要素(48)とを備える、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項15】
第1のリセット要素(47)が、駆動要素(35)とツール(30)との間に配置された弾性的に変形可能な伝達要素(37)によって形成される、
請求項14に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジによって互いに枢動可能に支持された第1の顎部および第2の顎部を備える電気手術器具に関する。2つの顎部は、開位置と閉位置との間で移動することができる。各顎部は、顎部セクションを含むことができる。好ましくは、各顎部は、顎部セクションと不動に接続されたシャンクセクションを備え、2つの顎部の2つのシャンクセクションは、それらの作動に役立つ。例えば、手術器具は、鉗子状またはハサミ状に構成することができる。
【背景技術】
【0002】
さらに、手術器具は、長手方向に案内されるように第1の顎部内または第1の顎部上に移動可能に支持されたツール、例えばナイフを備える。第1の顎部は、この目的のためのツールチャネルまたはナイフチャネルを含むことができる。
【0003】
そのような手術器具では、望ましくないツール作動を回避することが望ましい。顎部が開いている場合、ツールチャネルからのツールの延長を妨げるかまたは阻止することが、特に望ましい。
【0004】
特許文献1は、2つの顎部および可動の支持ナイフを有する手術器具を説明している。いくつかの実施形態では、顎部の開位置において作動要素の動きをブロックするブロッキング要素が設けられ、この場合、ナイフを動かすために作動要素を枢動させることができる。ブロッキング要素の解放位置では、ナイフを長手方向に延ばすことができるように、作動要素の枢動が可能である。別の実施形態では、リセット要素が顎部の開位置に付勢されるということから顎部が開放されている場合、作動要素の枢動が妨げられ、それにより、作動要素を枢動させるために著しく増加した力が必要になる。加えて、顎部が閉じられている場合にのみナイフとの運動結合が確立される直線的に可動の作動要素を有する実施形態が、提供される。
【0005】
特許文献2は、2つの顎部と、ナイフを動かすための線形に可動の作動要素とを有する手術器具を説明している。作動要素は、歯車と係合する第1の歯付きラックを備える。作動要素および歯車は、第2の顎部に配置される。ナイフと、ナイフと不動に結合された第2の歯付きラックとが、第1の顎部に配置される。ギアおよび第2の歯付きラックは、開位置では係合解除され、閉位置でのみ係合され、それにより、作動要素が移動される場合、閉位置でのみナイフの移動が行われる。
【0006】
特許文献3は、2つの顎部を有する手術器具を開示している。ナイフの移動のための線形に可動の作動要素は、顎部が閉位置にある場合、結合装置によってナイフと結合される。この原理は、線形に可動の作動要素を有する特許文献1の実施形態に対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2436327号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0128120号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/0302844号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの場合、線形の可動の作動要素は、人間工学的な理由で望ましくない。さらに、作動要素のための線形移動経路を提供するために、器具上に比較的多くの空間が必要とされる。これにより、顎部のシャンクセクションは非常に長くなることが多い。さらに、これは、シャンクセクションが近位端で互いに離れるように動かされる場合、顎部の顎部セクションの開き角度に影響を及ぼす。
【0009】
したがって、本発明の目的は、簡単な構成で高い動作安全性を保証する枢動可能な作動要素を有する手術器具を提供することであると考えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する手術器具によって解決される。
【0011】
本発明による手術器具は、ヒンジ式に互いに支持された第1の顎部および第2の顎部を備える。各顎部は、遠位端セクションに組織接触面を有する顎部セクションを有する。各顎部セクションは、それぞれの顎部のシャンクセクションに接続される。顎部のヒンジの領域において、シャンク部分および顎部セクションは、互いへと移行するか、または互いに接続される。
【0012】
ツールは、長手方向に案内されるように第1の顎部に可動に支持される。加えて、作動要素および駆動要素は、第1の顎部上の枢動軸の周りに枢動可能に支持される。駆動要素は、例えば歯車機構、特にレバー歯車機構などの伝達装置によって、ツールと可動に結合される。
【0013】
器具はまた、結合要素を有する結合装置を備える。結合要素は、結合位置と結合解除位置との間で可動に支持される。結合位置において、結合要素は、作動要素と駆動要素との間に回転結合または耐トルク接続を確立する。したがって、枢動軸周りの作動要素の枢動運動が生じる場合、駆動要素も枢動軸周りで枢動する。結合解除位置では、この回転結合または耐トルク接続は、停止され、作動要素と駆動要素との間の相対回転を可能にする。作動要素が結合解除位置において枢動軸の周りで枢動される場合、駆動要素は、それによって影響を受けない。駆動要素は、結合要素が結合解除位置にある場合、作動要素の枢動運動から独立してその初期位置に留まることができる。
【0014】
結合要素は、作動要素と共に枢動軸の周りに枢動可能に支持される。結合要素は、作動要素上に可動に配置される。特に、結合位置における結合要素の回転結合または移動を確立することは、作動要素および駆動要素がそれぞれの初期位置にある場合にのみ可能である。
【0015】
結合位置では、回転結合は、好ましくは、両方の回転方向またはピボット軸周りの両方の回転方向において確立される。
【0016】
結合要素は、例えば指による間接的な作動によって、結合位置と結合解除位置との間で手動で移動させることができる。代替策としてまたは加えて、結合要素は、第2の顎部によって作動または移動させることができる。この目的のために、手術器具は、顎部が閉位置において互いに対して枢動される場合、結合要素を結合解除位置から結合位置に移動させるように特に構成される。閉位置でのこの移動中、第2の顎部は、結合要素と直接的または間接的に接触し、結合要素を結合位置に移動させる。
【0017】
顎部が閉位置から開位置に移動され、作動要素および駆動要素がそれぞれの初期位置にある場合、結合要素は、結合位置から結合解除位置に移動されることが好ましい。結合要素が、結合位置において作動要素と駆動要素との間に耐トルク結合を確立する場合、結合要素は、顎部が閉位置から開位置に移動される場合でも、圧入および/または形状嵌合によって結合位置に保持されることが好ましい。
【0018】
すべての実施形態において、ツール、例えばナイフは、意図せずに作動されないことが保証される。結合解除位置では、作動要素は、長手方向にツールの動きが生じることなく枢動することができる。しかし、結合要素が結合位置で移動される場合、作動要素の作動の結果、さらにツールに可動に結合されている駆動要素の枢動軸周りの枢動移動がもたらされ、このようにしてツール運動を開始する。
【0019】
好ましい実施形態では、駆動要素は、結合凹部を含む。結合要素は、結合位置において結合凹部と係合する。そうすることで、駆動要素と作動要素との間の耐トルク接続が、生成される。結合解除位置では、結合要素は、結合凹部の完全に外側に位置する。結合凹部は、好ましくは、枢動軸の周りの周方向に互いに対向する側面によって制限される。このように構成された結合装置は、少ない構成要素で簡単に実現することができる。
【0020】
手術器具の好ましい実施形態では、結合要素は、結合位置と結合解除位置との間でスライド可能または線形に可動であり得る。代替的な実施形態では、結合要素は、結合位置と結合解除位置との間で枢動可能であり得る。これの代替として、線形および枢動の重ね合わされた運動も実現することができる。結合要素の移動経路とは無関係に、結合要素は、枢動軸に対して実質的に直交または径方向の結合位置に到達する前に、少なくともその端部セクション内を延びる。
【0021】
付勢装置が設けられると有利である。付勢装置は、結合要素に付勢力を生成するように構成される。付勢力によって、結合要素は、結合解除位置に付勢される。付勢力は、押圧力および/または牽引力とすることができる。例えば、付勢装置は、付勢力を生成するためのばね要素を備えることができる。単一のばね要素で十分である。
【0022】
一実施形態では、ばね要素および結合要素を互いに直接接続することができる。接続は、解放可能な接続または解放不可能な接続として構成することができる。例えば、結合要素およびばね要素を、物質結合接続および/または接着接続によって互いに接続することが可能である。例えば、ばね要素は、接着剤、オーバーモールディングまたはオーバーポアリング(overpouring)によって結合要素と接続することができる。
【0023】
加えて、または代替策として、ばね要素は、例えば物質結合接続および/または接着接続によって、作動要素上に解放可能または解放不能に配置することができる。例えば、ばね要素は、接着剤によって、オーバーモールディングまたはオーバーポアリングによって作動要素と接続することができる。
【0024】
好ましい実施形態では、ばね要素および結合要素は、一体的に構成することができる。ばね要素および結合要素は、継ぎ目または接合部なしで互いへと移行することができる。この構成では、ばね要素および結合要素が、例えば金属または金属合金からなると有利である。これらは、板金部品またはワイヤからの分離および/または変形によって製造することができる。
【0025】
ばね要素が可撓性ばねまたは板ばねである場合が好ましい。可撓性ばねまたは板ばねは、枢動軸に直交または径方向の付勢力を生成することができる。可撓性ばねは、例えば、枢動軸の周りに円弧状に、特に少なくとも90°または少なくとも120°または少なくとも180°の角度範囲で延びることができる。板ばねは、取り付け端から自由端まで直線状にまたは湾曲して延びることができる。板ばねの取り付け端は、自由端よりも枢動軸までの距離を長くすることができる。
【0026】
これの代替策として、ばね要素は、螺旋ばねとすることができる。螺旋ばねは、例えば、枢動軸に対して直交または径方向に配向することができる。ばね要素のすべての実施形態において、ばね要素は、作動要素上の一方の側および結合要素上の他方の側に支持される。
【0027】
好ましい実施形態では、手術器具は、リセット装置を備える。リセット装置は、作動要素および/または駆動要素を初期位置に付勢するように構成される。このために、リセット装置は、駆動要素用の第1のリセット要素および/または作動要素用の第2のリセット要素を有することができる。第1のリセット要素が、駆動要素とツールとの間に配置された弾性変形可能な伝達要素、例えば弾性変形可能な接続ロッドによって形成されると有利であり得る。
【0028】
作動要素に対して単一のリセット要素のみが設けられる場合、リセット力は、結合要素の結合解除位置において駆動要素に加えられない。ツールの意図しない移動を回避するために、駆動要素は、結合要素の結合解除位置において枢動軸周りの枢動運動に対して固定され得る。この目的のために、結合要素は、例えば、結合解除位置で使用することができる。好ましくは、結合要素は、結合解除位置において顎部および駆動要素と係合するが、作動要素とは係合しない。
【0029】
本発明の有利な構成は、従属請求項、明細書および図面から導かれる。以下において、本発明の好ましい実施形態が、添付の図に基づいて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】手術器具、特に可動ツールと、作動装置の異なる状態でツールを移動させるための作動装置とを有する電気手術器具の概略側面図である。
図2】手術器具、特に可動ツールと、作動装置の異なる状態でツールを移動させるための作動装置とを有する電気手術器具の別の概略側面図である。
図3】手術器具、特に可動ツールと、作動装置の異なる状態でツールを移動させるための作動装置とを有する電気手術器具の別の概略側面図である。
図4】作動装置の結合装置が結合解除状態にある、図1図3の電気手術器具のための作動装置の一実施形態の概略側面図である。
図5】結合装置が結合状態にある、図4の作動装置の図である。
図6】結合装置が結合解除位置にある可動結合要素を備える、図1図3の電気手術器具のための作動装置の一実施形態の概略側面図である。
図7】結合要素が結合位置にある、図6の作動装置の図である。
図8】結合装置が結合解除位置にある可動結合要素を備える、図1図3の電気手術器具のための作動装置の一実施形態の概略側面図である。
図9】結合要素が結合位置にある、図8の作動装置の図である。
図10】結合装置が結合解除位置にある可動結合要素を備える、図1図3の電気手術器具のための作動装置の一実施形態の概略側面図である。
図11】結合要素が結合位置にある、図10の作動装置の図である。
図12】結合装置が結合解除位置にある可動結合要素を備える、図1図3の電気手具のための作動装置の一実施形態の概略側面図である。
図13】結合要素が結合位置にある、図12の作動装置の図である。
図14】結合要素が結合解除位置にあり、作動装置の作動要素が初期位置から枢動されている、図12および図13の作動装置を示す図である。
図15】結合要素が結合解除位置にあり、作動装置の作動要素が初期位置にある、図8および図9の実施形態に基づく作動装置のさらなる実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図3は、手術器具20の一実施形態を概略的に示す。手術器具20は、特に再使用可能な器具として構成される。この代わりに、手術器具は、使い捨て器具として実現することもできる。
【0032】
図示するように、手術器具20は、この実施形態ではハサミまたは鉗子のタイプで構成される。これは、第1の顎部22および第2の顎部23を互いに枢動可能に支持するヒンジ21を備える。各顎部22、23は、遠位領域に顎部セクション24を備える。さらに、各顎部22、23は、シャンクセクション25を備え、2つのシャンクセクション25は、顎部セクション24を作動させるように構成される。このために、各シャンクセクション25は、近位端にハンドル部分26を有する。2つの顎部22、23のハンドル部分26は、互いに離れるようにまたは互いに向かって移動することができ、それによって顎部セクション24は、それぞれ互いに離れるようにまたは互いに向かって移動することができる。器具20は、鉗子またはハサミと同様に動作する。
【0033】
各顎部セクション24は、組織接触面27を備える。2つの組織接触面27は互いに面しており、その間に生体組織を保持またはクランプするように構成される。開位置Iでは、2つのシャンクセクション25および2つの顎部セクション24は、ヒンジ21(図1)周りで互いに離れるように枢動される。閉位置IIでは、シャンクセクション25または顎部セクション24および/または組織接触面27は、互いに実質的に平行に配向される。組織接触面27は、閉位置IIにおいて互いに最小距離を有する。閉位置IIでは、生体組織を顎部セクション24間または組織接触面27間にクランプまたは保持することができる。
【0034】
さらに、手術器具は、第1の顎部22内またはその上のツールチャネル31内に長手方向Lに移動可能または摺動可能に支持されたツール30を備える。ツール30は、特に、伸長位置(図3)と後退位置(図1および図2)との間で移動することができるナイフ32である。伸長位置では、組織接触面27間または顎部セクション24間にクランプされた組織を切断または分離することができる。
【0035】
ツール30、例によればナイフ32を長手方向Lに移動させるために、器具20は、作動装置33を備える。作動装置33は、第1の顎部22上の枢動軸Sの周りに枢動可能に支持された作動要素34を有する。枢動軸Sは、ヒンジ21によって画定されるヒンジ軸に実質的に平行に長手方向に直交して延びる。作動要素34は、枢動軸Sに平行に見て、2つの顎部22、23の隣に配置することができる。枢動軸Sから始まって、作動要素34は、枢動軸Sの周りで作動要素34を枢動させるためにユーザが手または指で作動させることができる自由端まで延びる。
【0036】
作動装置33は、枢動軸Sの周りに枢動可能に支持された駆動要素35をさらに有する。図1図3では、駆動要素35は、アームまたはレバーによって概略的にのみ示されている。
【0037】
駆動要素35は、ツール30、例によればナイフ32と、伝達装置36によって可動に結合される。伝達装置36は、少なくとも1つの伝達要素37を備え、例によれば単一の伝達要素37によって形成され、この伝達要素は、接続ロッドとして構成され、ツール30を駆動要素35に接続または結合する。伝達要素37を介して、枢動軸Sの周りの駆動要素35の枢動運動は、ツール30の長手方向Lの直線運動に変換される。このために、伝達要素37は、一実施形態では、駆動要素35および/またはツール30とヒンジ式にまたは回転可能に接続することができる。
【0038】
結合装置40もまた、図1から図3に非常に概略的に示されている。結合装置40は、結合解除状態(図1)および結合状態(図2および図3)にあることができる。結合解除状態では、作動要素34は、枢動軸Sの周りで枢動することができ、このとき、それによって枢動軸Sの周りの駆動要素35の枢動位置には影響を及ぼさない。結合状態では、作動要素34および駆動要素35は互いに耐トルク方式で接続され、それにより、枢動軸周りの作動要素34の枢動運動の結果、枢動軸S周りの駆動要素35の枢動運動がもたらされる。
【0039】
作動装置33の一実施形態が、基本図に基づいて図4および図5に概略的に示されている。結合装置40は、例によれば、結合解除位置D(図4)と結合位置C(図5)との間で移動することができる可動結合要素41を備える。結合位置Cでは、結合装置40は結合状態にあり、結合解除位置Dでは、結合装置40は結合解除状態にある。
【0040】
図4および図5に概略的に示すように、駆動要素35は、例によれば枢動軸Sに対して直交または径方向に配向された結合凹部42を備える。結合要素41は、作動要素34上に配置される。結合凹部42は、作動要素34に面する側に開口している。結合解除位置Dにおいて、結合要素41は、結合凹部42の完全に外側に位置する。結合位置Cでは、結合要素41は、結合凹部42内に係合し、それによって作動要素34と駆動要素35との間に回転結合または耐トルク接続を確立する。結合凹部42は、好ましくは、枢動軸S周りの周方向に互いに反対の距離を置いて配置された2つの側面42aによって制限される。
【0041】
結合要素41は、好ましくは、枢動軸Sに対して直交または径方向に線形に可動に支持され、および/または枢動可能に支持される。結合位置Cに隣接する結合要素41の移動経路の少なくとも端部セクションは、枢動軸Sに直交して配向され得る。
【0042】
結合要素41の結合解除位置Dでは、作動要素34および駆動要素35は、枢動軸Sの周りで互いに独立して移動することができる。これは、枢動軸Sの周りの作動要素34の枢動運動が、駆動要素35の枢動位置を変化させないことを意味する。しかし、結合要素41が結合位置Cにある場合、作動要素34の枢動運動の結果、駆動要素35の枢動運動をもたらし、この枢動運動は、さらに、伝達要素37によってツール30の線形運動に変換される。こうすることで、ツール30を延ばし、顎部セクション24の領域に係合させることができる。例えば、ナイフ32は、顎部セクション24間に保持された生体組織を切断または分離することができる。
【0043】
図4および図5にも概略的に示すように、器具20は、リセット装置46を備える。リセット装置46は、作動要素34および駆動要素35をそれぞれの初期位置A1またはA2に付勢するように構成される。このために、リセット装置46は、例えば、駆動要素35に接続された第1のリセット要素47と、作動要素34に接続された第2のリセット要素48とを備える。リセット要素47、48は、リセット力を生成するようにそれぞれ構成され、ばね弾性リセット要素47、48として構成することができる。リセット要素47、48は、例えば、板ばね、つる巻きばね、渦巻きばねなどによって形成することができる。リセット要素47、48は、第1の顎部22のシャンクセクション25に支持され、したがって一方では第1の顎部22と他方では作動要素34または駆動要素35との間にリセット力を生成する。
【0044】
この実施形態では、第1のリセット要素47は、駆動要素35を第1の初期位置A1に付勢し、第2のリセット要素48は、作動要素34を第2の初期位置A2に付勢する。作動要素34および駆動要素35がそれぞれの初期位置A1、A2にある場合、作動要素34上の結合要素41は、駆動要素35上の結合凹部42と位置合わせされる。結合位置Cの確立が、可能である。結合要素41が結合解除位置Dにある間に作動要素34が第2の初期位置A2から外に枢動される場合、回転結合の確立はもはや不可能である。作動要素34は、最初に第2の初期位置A2に戻される必要がある。
【0045】
ここに示す好ましい実施形態では、結合要素41は、図5から概略的に明らかなように、第2の顎部23、および例によれば、第2の顎部23のシャンクセクション25によって、結合解除位置Dから結合位置Cに作動または移動される。閉位置IIでは、第2の顎部23は、結合要素41と接触しており、結合位置Cに到達するように結合要素41を結合凹部42内に移動させる。この変位は、作動要素34および駆動要素35がそれぞれの初期位置A1、A2にある場合に可能である。
【0046】
作動装置33の異なる実施形態が、図6図14に示されている。すべての実施形態において、結合要素41を結合解除位置Dに付勢するように構成された付勢装置49が、提供される。このために、付勢装置49は、結合要素41に対して結合解除位置Dに向かう方向に付勢力を生成する。付勢力は、引張力および/または押圧力とすることができる。付勢装置49は、結合要素41と共に作動要素34上に配置される。
【0047】
付勢力を生成するために、付勢装置49は、好ましくはばね要素50を備える。一実施形態では、ばね要素50は、螺旋ばねとして構成することができる(図6および図7)。これにより、例えば、螺旋ばねの一端を結合要素41に接続することができ、螺旋ばね51のそれぞれの他端を作動要素34に接続することができる。接続は、物質結合接続および/または接着接続として構成することができる。2つの端部間に、螺旋ばね51は、例えば円筒形結合要素41の周りに巻き付けることができる螺旋形状に延びるばねセクションを含む。
【0048】
結合要素41に接続された端部は、結合要素41のリングステップ52に当接することができ、またはそこに取り付けることができる。リングステップ52は、結合凹部42に割り当てられた円筒形セクション、および結合要素41の径方向に拡張されたヘッド部53からの移行によって形成することができる。ヘッド部53は、第2の顎部23のシャンクセクション25に面している。
【0049】
手術器具20の開位置(図6)では、2つの顎部22、23のシャンクセクション25は、互いに距離を置いて配置される。顎部22、23が閉位置に移動されると、シャンクセクション25は互いに接近し、第2の顎部23のシャンクセクション25は、結合要素41のヘッド部53と接触する。閉位置IIに向かう方向のさらなる移動中、結合要素41は、結合位置Cが確立されるように、付勢装置49、この例によれば螺旋ばね51の付勢力に対抗して、結合凹部42内に移動される。続いて、作動要素34の枢動運動によって、駆動要素35の枢動運動を行うことができ、そうすることで、ツール30またはナイフ32を再び延長または後退させることもできる。
【0050】
作動装置33の別の実施形態が、図8および図9に概略的に示されている。基本的には、図4図7の説明を参照することができる。図8および図9による実施形態と図6および図7による作動装置の実施形態との実質的な違いは、付勢装置49のばね要素50が湾曲したまたは円弧状の可撓性ばね54として形成されることである。結合要素41は、可撓性ばね54上に配置される。この実施形態では、結合要素41は、可撓性ばねの自由端55に配置される。結合要素41は、可撓性ばね54と解放不能に接続することができる。好ましくは、可撓性ばね54および結合要素41は、一体的に形成される。
【0051】
可撓性ばね54は、結合要素41まで距離を置いて取り付けられ、この例によれば、その反対側の取り付け端において作動要素34に取り付けられる。取り付け端に隣接して、可撓性ばね54は、自由に移動または弾性変形することができる。結合要素41を有する自由端55は、枢動軸Sに対して径方向に可動である。結合解除位置Dでは、結合要素41は、結合凹部42に係合することなく、枢動軸Sに対して直交し、好ましくは径方向に結合凹部42に対向して配置される。可撓性ばね54は、例えば少なくとも90°または少なくとも120°または少なくとも180°の角度領域で、枢動軸Sの周りを円弧状に延びる。可撓性ばね54は、枢動軸Sに直交して配向される平面に平行に配置される。
【0052】
可撓性ばね54の自由端55は、第2の顎部23に面しており、第2の顎部23によってアクセス可能である。閉位置IIに向かう方向の閉運動中に第2の端部55と接触できるようにするために、第2の顎部23から離れて第1の顎部22または枢動軸Sに向かう方向に突出する突出部60が、第2の顎部23上に存在することができる。この突出部は、自由端55の領域で可撓性ばね54を作動させ、結合位置Cを顎部22、23の閉位置IIにおいて確立するように構成される(図9)。
【0053】
図8および図9によるこの実施形態の特徴は、付勢装置49が結合要素41と1つのユニット、好ましくは一体型ユニットを形成することである。それ以外は、動作原理は、上記の説明を参照することができるように、これまでに説明した実施形態に対応する。
【0054】
図15には、図8および図9と比較して変更された作動装置33の一実施形態が示されている。結合要素41は、この実施形態では駆動要素35に取り付けられた可撓性ばね54上に配置された図8および図9の実施形態に類似している。駆動要素35は、結合要素41を可撓性ばね54の力に対抗して枢動軸Sに向かう方向に摺動可能に支持する開口部または支持体61を備える。例えば、支持体61は、貫通孔とすることができる。結合要素41は、この実施形態ではピンの形状を有することができる。枢動軸Sの周りの周方向において、結合要素41は、駆動要素35上の支持体61を介して支持される。結合凹部42は、作動要素34に設けられている。
【0055】
顎部22、23の開位置Iでは、結合要素41は、結合解除位置Dにある。結合要素は、駆動要素35の移動を開始することなく作動要素34を枢動軸Sの周りに移動させることができるように、結合凹部42から係合解除される。作動要素34は、第2の初期位置A2において、リセット装置46によって、この例によれば第2のリセット要素48によって付勢することができる。この実施形態では、リセット装置46は、駆動要素35を第1の初期位置A1に付勢するためのリセット要素を備えない。駆動要素35は、第1の初期位置A1に保持され、例えば結合要素41によって、枢動軸Sの周りの移動に対抗してロックまたは固定される。この目的のために、結合要素41は、例えばその端部が結合凹部42から離れて面する状態で、第1の顎部22のロック開口部62と係合する。
【0056】
顎部が開位置Iから閉位置IIに移動されると、結合要素41は、第2の顎部23の突出部60によってロック開口部62から係合解除され、結合要素41が結合位置C(図示せず)をとるように結合凹部42に係合する。他の実施形態と同様に、結合要素41が結合位置Cにある状態で、作動要素34が手動で作動される場合、作動要素34および駆動要素35は、枢動軸Sの周りを一緒に移動する。この状態では、リセット装置46のリセット力は、作動要素34に作用するだけでなく、駆動要素35にも作用する。
【0057】
図10および図11では、作動装置33の別の実施形態が、概略的に示されている。図8および図9による実施形態と比較した本質的な違いは、ばね要素50が、結合解除位置Dのその作動されていない初期状態において、作動要素34に取り付けられた取り付け端57から自由端55まで真っ直ぐまたはわずかに湾曲して延びる板ばね56として構成されることである。自由端55には、結合要素41が配置され、先の実施形態と同様に、板ばね56とユニットを形成することができる。ユニットを形成するために、結合要素41は、板ばね56と解放不能に接続することができ、または板ばね56と一体的に構成することができる。
【0058】
結合状態または結合位置Cを確立するための動作原理は、上記の説明を参照することができるように、先行する実施形態に対応する。
【0059】
枢動軸Sからの板ばね56の距離は、好ましくは、自由端55から板ばね56の延在部に沿って取り付け端57まで連続的に増加する。取り付け端57を自由端55と接続する直線は、枢動軸からオフセットして延び、この例によれば、駆動要素35を通って延びない。
【0060】
図12図14に示す作動装置33の実施形態では、ばね要素50は、ここでも、図10および図11による実施形態と同様の板ばね56によって形成される。前述の実施形態との本質的な違いは、板ばね56が、作動要素34に取り付けられた取り付け端57から自由端55まで円弧状に湾曲して延びることであり、この場合、結合要素41は、2つの端部55、57間の板ばね56の中央セクション58に配置される。
【0061】
自由端55は、第1の顎部22のシャンクセクション25上に配置されたカウンタ支持体59上で結合解除位置Dに支持されている。結合解除位置Dでは、結合要素41は、結合凹部42の完全に外側に位置し、枢動軸Sに直交する方向または径方向にそれに対向して配置される。板ばね56の湾曲は、枢動軸Sに面する側が凹状であり、したがって、枢動軸Sから外方に面する側が凸状である。結合解除位置Dでは、付勢装置49の板ばね56は、作動要素34を第2の初期位置A2に戻すように付勢するために第2のリセット要素48を同時に形成する。この効果は、図14に概略的に示されている。結合解除位置Dにおいて、作動要素34が第2の初期位置A2から離れるように枢動される場合、板ばね56は、取り付け端57とカウンタ支持体59との間に支持され、したがってその初期状態(図12)と比較して弾性的に変形され、この例によれば曲げられる。そうすることで、作動要素34に作用し、これを第2の初期位置A2に向かう方向に付勢して戻す枢動軸S周りのリセット効果またはリセットトルクが、生成される。図14から明らかなように、作動要素34が第2の初期位置A2から変位している間、結合状態または結合位置Cを確立することができない。
【0062】
作動要素34が第2の初期位置A2にあり、駆動要素35が第1の初期位置A1にある場合、結合状態または結合位置Cの確立が、可能にされる。顎部22、23が開位置Iから閉位置IIに移動されると、第2の顎部23のシャンクセクション25、および、この例によれば突出部60は、板ばね56の中央セクション58と接触し、結合要素41を結合凹部42内に移動させる。結合位置Cが、確立される。図13から明らかなように、それにより、板ばね56の自由端55は、カウンタ支持体59から同時に係合解除される。自由端55は、閉位置IIに到達すると、第2の顎部23との接触により、カウンタ支持体59から持ち上げられる。そうすることで、枢動軸S周りの作動要素34および結合駆動要素35の共通の移動を、カウンタ支持体59によって妨げられない方法で実施できることが、達成される。
【0063】
結合状態または結合位置Cが確立され、続いて枢動軸S周りの作動要素34および駆動要素35の移動が実施される場合、作動要素34に着座した結合要素41は、結合位置Cが維持されるように、駆動要素35上の結合凹部42内側で枢動軸S周りの周方向の力を受ける。駆動要素35が第1の初期位置A1に到達し、作動要素34が第2の初期位置A2に到達した場合にのみ、顎部22、23が開位置Iをとるか、または開位置Iにされた場合に結合位置Cを中断することができる。初期位置A1、A2の外側では、付勢装置49によって結合要素41に作用する力は十分に低いため、初期位置A1、A2の外側の枢動軸S周りの周方向のクランプ力により、結合位置Cの中断は発生しない。
【0064】
図4および図5に関連して述べたリセット装置46は、すべての実施形態、特に図8図11による実施形態に存在することができる。図12図14による実施形態では、第2のリセット要素48は、付勢装置49と、この例によれば板ばね56とによって同時に形成される。さらに、第1のリセット要素47を図4図5に従って設けることができる。
【0065】
すべての実施形態において、突出部60または別の適切な幾何学的形状を第2の顎部23のシャンクセクション25上に形成することができ、それにより、閉位置IIにおいて、結合凹部42内への結合要素41の移動が、結合位置Cを作り出すことができる。
【0066】
すべての実施形態において、手術器具20は、オプションとして電気手術器具として構成することができる。これは、例えば、単極または双極電気手術器具とすることができる。この目的のために、器具20は、電気接続装置65(図1図3)によって電線に接続することができる。一方の顎部、例によれば第2の顎部23の内側では、導電体装置が延び、これによってツール30および/または組織接触面27の少なくとも一方を電気的に接続することができる。クランプされた組織は、例えば血管封止の目的で、このように電気外科的に治療することができる。
【0067】
本発明は、互いにヒンジ式に配置された第1の顎部22および第2の顎部23を有する手術器具20に関する。ツール30が、好ましくは第1の顎部22内またはそれ上のツールチャネル31内で長手方向Lに摺動可能に支持される。作動装置33によって、ツール30を長手方向Lに移動させることができる。作動要素34および駆動要素35は、作動装置33の一部であり、好ましくは第1の顎部22上の枢動軸Sの周りに枢動可能に支持される。結合装置40によって、作動要素34と駆動要素35との間に回転結合を確立することができる。耐トルク結合は、好ましくは、顎部22、23が閉位置IIに移動されることから確立される。
【符号の説明】
【0068】
20 電気手術器具
21 ヒンジ
22 第1の顎部
23 第2の顎部
24 顎部セクション
25 シャンクセクション
26 ハンドル部分
27 組織接触面
30 ツール
31 ツールチャネル
32 ナイフ
33 作動装置
34 作動要素
35 駆動要素
36 伝達装置
37 伝達要素
40 結合装置
41 結合要素
42 結合凹部
46 リセット装置
47 第1のリセット要素
48 第2のリセット要素
49 付勢装置
50 ばね要素
51 螺旋ばね
52 リングステップ
53 ヘッド部
54 可撓性ばね
55 可撓性または板ばねの自由端
56 板ばね
57 板ばねの取り付け端
58 板ばねの中央セクション
59 カウンタ支持体
60 突出部
61 支持体
62 ロッキング開口部
65 電気接続装置
66 電線
I 開位置
II 閉位置
A1 第1の初期位置
A2 第2の初期位置
C 結合位置
D 結合解除位置
L 長手方向
S 枢動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15