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特開2022-7798包装用箱付き製品の製造方法及び包装用箱付き製品
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  • 特開-包装用箱付き製品の製造方法及び包装用箱付き製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007798
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】包装用箱付き製品の製造方法及び包装用箱付き製品
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20220105BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B65B57/00 F
B65B57/02 F
B65B57/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110978
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】520233951
【氏名又は名称】中里 彰夫
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】中里 彰夫
(72)【発明者】
【氏名】竹内 建吾
(57)【要約】
【課題】包装用箱にて包装される製品の前記包装用箱において、貼り合わせのずれ量を検出し、それに基づき貼り合わせ不良を判定する。
【解決手段】包装用箱1は、製品を包装するのに用いられ、一面が開放されている六面体状の箱本体2に、前記一面を閉じる蓋面部3の基端縁3aが箱本体2に折り曲げ可能に結合され、蓋面部3の先端縁3bに対応する箱本体2の上縁2aから基端縁3a側に延びる被貼り付け面部4に、蓋面部3の先端縁3bが箱本体2の上縁2aに一致するように貼り合わせてなる。箱本体2の上縁2aと蓋面部3の先端縁3bとの、箱本体2の上縁2aに直交する方向におけるずれ量を検出し、そのずれ量が設定量を超える場合には、貼り合わせ不良である、と判定する。そして、貼り合わせ不良である場合にはその旨報知する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面が開放されている六面体状の箱本体に、前記一面を閉じる蓋面部の基端縁が前記箱本体に折り曲げ可能に結合され、前記蓋面部の先端縁が前記箱本体の前記基端縁側の一方縁と反対側の他方縁とが一致するように、前記蓋面部の先端縁を前記箱本体側の被貼り付け面部に貼り合わせてなる包装用箱に製品が包装されてなる包装用箱付き製品の製造方法であって、
前記蓋面部の先端縁の、前記箱本体の他方縁に直交する方向における前記箱本体の他方縁からのずれ量を検出する工程と、
前記ずれ量が設定量を超えるか否かを判定する工程と、
前記ずれ量が設定量を超えて貼り合わせ不良と判定された場合に不良を知らせる工程と、
を備えることを特徴とする、包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項2】
前記箱本体側の被貼り付け面部と前記蓋面部の先端縁との貼り合わせ部分を撮影手段にて撮影する工程と、
前記貼り合わせ部分について、画像処理手段を用いて前記ずれ量を算出する工程とを更に備える、
請求項1記載の包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項3】
前記ずれ量を算出する工程は、前記貼り合わせ部分の両端付近の2カ所においてそれぞれ行われ、
前記両端付近において同時に前記設定量を超える場合に貼り合わせ不良と判定する、
請求項2記載の包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項4】
前記包装用箱内には、前記包装用箱に対応する大きさを有し前記製品を保持する保持枠が収納され、
前記被貼り付け面部は、前記保持枠の一部であり、前記箱本体の他方縁に並んで配置されている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項5】
前記包装用箱は、一定間隔を保ちつつ搬送経路を搬送されるものであり、
前記搬送経路の、前記撮影手段が設けられる部位の上流側で前記包装用箱の通過を検出し、
前記検出された包装用箱の通過に基づいて、前記撮影手段による撮影タイミングを決定する、
請求項2又は3記載の包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項6】
前記搬送経路の一側に照明手段が、他側に前記照明手段に対向して受光手段がそれぞれ設けられ、
前記搬送経路での前記包装用箱の通過により前記受光手段による、前記照明手段からの光の受光が遮断されることに基づき、前記包装用箱の通過を検出する、
請求項5記載の包装用箱付き製品の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の包装用箱付き製品の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする、包装用箱付き製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用箱にて包装される製品の製造方法、及び包装用箱にて包装された製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
4つの側面、天蓋及び底蓋を有し、全体が略直方体形状をなす箱と、前記箱の内部に設置され、ボトル形の容器の外周に沿って保持可能な略環状の係合部を有する緩衝用の仕切りとを備え、ボトル形の容器を外部の衝撃から保護する緩衝機能付き包装用箱は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのような包装用箱において、天蓋を閉じる際に、天板の端縁部分を、対応する側面の上部に設けた被貼り合わせ部分に貼り合わせて、包装用箱を閉じることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-5051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような包装用箱は、立方体あるいは直方体形状であるので、貼り合わせ後に、天板の端縁部分と,前記側面の被貼り合わせ部分との貼り合わせにずれがあると、見栄えが悪く、望ましくない。
【0006】
本発明は、包装用箱にて包装される製品の前記包装用箱において、貼り合わせのずれ量を検出し、それに基づき貼り合わせ不良を判定する、包装用箱にて包装される製品の製造方法、及び包装用箱にて包装される製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様にかかる包装用箱付き製品の製造方法は、少なくとも一面が開放されている六面体状の箱本体に前記一面を閉じる蓋面部の基端縁が前記箱本体に折り曲げ可能に結合され、前記蓋面部の先端縁が前記箱本体の前記基端縁側の一方縁と反対側の他方縁とが一致するように、前記蓋面部の先端縁を前記箱本体側の被貼り付け面部に貼り合わせてなる包装用箱に製品が包装されてなる包装用箱付き製品の製造方法であって、前記蓋面部の先端縁の、前記箱本体の他方縁に直交する方向における前記箱本体の他方縁からのずれ量を検出する工程と、前記ずれ量が設定量を超えるか否かを判定する工程と、前記ずれ量が設定量を超えて貼り合わせ不良と判定された場合に不良を知らせる工程と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
ここで不良を知らせるとは、ディスプレイでの表示やブザーなどによる警報のほか、製造ラインから不良の物をはじき出すことにより不良を知らせてもよい。このようにすれば、箱本体の他方縁と蓋面部の先端縁との、箱本体の他方縁に直交する方向におけるずれ量を検出し、そのずれ量に基づき貼り合わせ不良を検出するので、作業者等に直ちに貼り合わせ不良を知らせることができる。よって、貼り合わせ不良で見栄えが悪い包装用箱付き製品を容易に取り除くことができる。
【0009】
この包装用箱付き製品の製造方法は、前記箱本体側の被貼り付け面部と前記蓋面部の先端縁との貼り合わせ部分を撮影手段にて撮影する工程と、前記貼り合わせ部分について、画像処理手段を用いて前記ずれ量を算出する工程とを更に備えることが望ましい。
【0010】
この場合、前記ずれ量を算出する工程が、前記貼り合わせ部分の両端付近の2カ所においてそれぞれ行われ、前記両端付近において同時に前記設定量を超える場合に貼り合わせ不良と判定することがより望ましい。
【0011】
また、この包装用箱付き製品の製造方法は、前記包装用箱内に前記包装用箱に対応する大きさを有し前記製品を保持する保持枠が収納され、前記被貼り付け面部は前記保持枠の一部であり、前記箱本体の他方縁に並んで配置されていることが望ましい。
【0012】
また、この包装用箱付き製品の製造方法は、前記包装用箱が一定間隔を保ちつつ搬送経路を搬送されるものであり、前記搬送経路の前記撮影手段が設けられる部位の上流側で前記包装用箱の通過を検出し、前記検出された包装用箱の通過に基づいて前記撮影手段による撮影タイミングを決定することが望ましい。
【0013】
また、この包装用箱付き製品の製造方法は、前記搬送経路の一側に照明手段が、他側に前記照明手段に対向して受光手段がそれぞれ設けられ、前記搬送経路での前記包装用箱の通過により前記受光手段による、前記照明手段からの光の受光が遮断されることに基づき、前記包装用箱の通過を検出することが望ましい。
【0014】
また、本発明の一の態様にかかる包装用箱付き製品は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の包装用箱付き製品の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、箱本体の他方縁と蓋面部の先端縁との、箱本体の他方縁に直交する方向におけるずれ量を検出し、そのずれ量の大きさにより貼り合わせ不良を判定するので、製品が包装される包装用箱の貼り合わせ不良の判定が容易にでき、これにより貼り合わせ不良で見栄えの悪い製品を容易に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の包装用箱付き製品における包装用箱を示す図である。(a)は正面図である。(b)は蓋面部が開いた状態を示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態の包装用箱付き製品の製造方法に用いる不良判定システムの一例を示す図である。(a)概略側面図である。(b)は概略正面図である。
図3】別の実施の形態を示す図である。(a)は正面図である。(b)は蓋面部が開いた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる包装用箱付き製品の製造方法を図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態の包装用箱付き製品における包装用箱を示す図である。(a)は正面図である。(b)は蓋面部が開いた状態を示す側面図である。図1(a)(b)に示すように、包装用箱にて包装される製品に用いる包装用箱1は、一面が開放されている六面体状の箱本体2に、前記一面を閉じる蓋面部3の基端縁3aが箱本体2に折り曲げ可能に結合されたものである。
【0019】
そして、折曲げにより、蓋面部3の先端縁3bに対応する箱本体2の上縁2aに、上縁2a側から基端縁3a側に延びる第1被貼り付け面部4が配置されている。蓋面部3を折り曲げて、蓋面部3の先端縁3bが箱本体2の上縁2aに一致するように蓋面部3の先端縁部分を第1被貼り付け面部4に貼り合わせて包装用箱1とされる。
【0020】
第1被貼り付け面部4は、箱本体2の上縁2aから基端縁3a側に延び、基端縁3a側の側縁とから下方に延びる支持面部5が設けられ、下方から水平状態になるように支持されている。支持面部5は、箱本体2の下面部まで延び、その下面部が支持面部5を介して第1被貼り付け面部4を水平状態になるように支持するようになっている。
【0021】
蓋面部3の基端縁3aにも第2被貼り付け面部6が並んで配置されている。この第2被貼り付け面部6は、両側縁に箱本体2の下面部まで延びる支持面部7,8が設けられ、第1被貼り付け面部4と同様に、下方から水平状態になるように支持されている。
【0022】
そして、蓋面部3は、四隅の部位で、第1及び第2被貼り付け面部4,6の各端部(接着剤による貼り付け位置P1~P4参照)に貼り付けられている。対向する支持面部5,7は、例えば穴を開けて、前記穴に容器などの内容物をはめ込んで保持する構造とすることもできる。また、この実施の形態では、支持面部5,7の下縁同士を、箱本体2の下面部に沿う連結面部9で連結され、保形性が確保されている。
【0023】
このように、被貼り付け面部4,6、支持面部5,7及び連結面部9に、包装用箱1に対応する大きさを有し内容物を保持する保持枠として機能させることができる。被貼り付け面部4,6は、前記保持枠の一部であり、箱本体2の上縁2aと平行に並んでいる。
【0024】
第1被貼り付け面部4(箱本体2)への蓋面部3の貼り合わせで位置がずれると、見栄えが悪くなるので、それを次の説明するシステムを用いて、貼り合わせ不良判定を行う。なお、第2被貼り付け部6への蓋面部3の貼り合わせ不良があると、それを原因として第1被貼り付け面部4(箱本体2)への蓋面部3の貼り合わせ不良が生ずるので、第1被貼り付け面部4(箱本体2)への蓋面部3の貼り合わせだけについて、貼り合わせ不良を判定すればよい、と考えられる。
【0025】
包装用箱1の蓋面部3の貼り合わせ不良を判定するのに用いる貼り合わせ不良判定システムの一例を図2(a)(b)に示す。このシステムでは、製品を包装した包装用箱1は、一定間隔を保ちつつ、搬送コンベヤ11(搬送経路)上を順に搬送される。
【0026】
搬送コンベヤ11の途中上方には、被貼り付け面部4と蓋面部3の先端部分との貼り合わせ部分を撮影する撮影手段12が配置されている。この撮影手段12が設けられている部位よりも上流側において、包装用箱1の貼り合わせを行う部位が配置されている。
【0027】
この撮影手段12が設けられる部位の上流側で、搬送コンベヤ11に対し包装用箱1の通過を検出する通過検出手段13が設けられている。通過検出手段13は、搬送コンベヤの一側に設けられる照明手段13Aと、搬送コンベヤ11の他側に、照明手段13Aに対向して設けられる受光手段13Bとを備え、包装用箱1が通過する際に照明手段13Aよりの光を包装用箱1が遮断するので、その遮断により通過を検出するようになっている。
【0028】
この通過検出手段13が設けられている位置と、撮影手段12による撮影位置との距離は分かっているので、搬送コンベヤ11の搬送速度を考慮すれば、通過検出手段13が設けられている部位を通過後、撮影手段12が設けられている部位をどのくらいの時間を要して通過するかは演算することができる。よって、前記検出された包装用箱1の通過時に基づいて、撮影手段12による撮影タイミングが決定される。
撮影手段12によって撮影された画像(貼り合わせ部分の画像)について、周知の画像処理手法を利用することで、前記ずれ量を算出することができる。
【0029】
つまり、箱本体2の上縁2aと蓋面部3の先端縁3bとの、箱本体2の上縁2aに直交する方向におけるずれ量を検出し、それから、ずれ量が設定量(例えば5mm)を超える場合には、貼り合わせ不良である、と判定する。そして、貼り合わせ不良である場合には作業者にその旨が、ディスプレイ、ブザーなどを利用して報知される。
【0030】
この場合、前記ずれ量の検出は、前記貼り合わせ部分の両端付近の2カ所(図1(a)における接着剤による貼り付け位置P2,P4付近)で行い、前記両端付近で同時に前記設定量を超える場合に貼り合わせ不良と判定する、ことになる。
【0031】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、図3(a)(b)に示すような形態の幅広の包装用箱1Aに適用することも可能である。この場合、包装用箱1Aは、六面体状の箱本体22に、蓋面部23の基端縁23aが折り曲げ可能に結合され、蓋面部23を折り曲げて、蓋面部23の先端縁23bが箱本体22の上縁22aに一致するように蓋面部23の先端縁部分を第1被貼り付け面部24に貼り合わせるものである。
【0032】
第1被貼り付け面部24は、下方に延びる支持面部25によって、下方から水平状態になるように支持されている。蓋面部23の基端縁23aにも第2被貼り付け面部26が並んで配置されている。この第2被貼り付け面部26も、箱本体2の下面部まで延びる支部27,28によって、下方から水平状態になるように支持されている。
【0033】
そして、蓋面部23は、四隅の部位で、第1及び第2被貼り付け面部24,26の各端部(接着剤による貼り付け位置P11~P14参照)に貼り付けられている。対向する支持面部15,17に例えば穴を開けて、前述した実施の形態よりも大きな容器などの内容物を保持することができる。また、支持面部25,27の下縁同士が、連結面部29で連結されている。
【符号の説明】
【0034】
1,1A 包装用箱
2 箱本体
2a 上縁
3 蓋面部
3a 基端縁
3b 先端縁
4 第1被貼り付け面部
5,7,8 支持面部
6 第2被貼り付け面部
9 連結面部
11 搬送コンベヤ
12 撮影手段
13 通過検出手段
13A 照明手段
13B 受光手段
22 箱本体
22a 上縁
23 蓋面部
23a 基端縁
23b 先端縁
24 第1被貼り付け面部
25,27,28 支持面部
26 第2被貼り付け面部
29 連結面部
P1~P4,P11~P14 接着剤による貼り付け位置
図1
図2
図3